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【Black Combat10】王者の計量オーバーも――駒杵嵩大「僕は何も気にせず、いつもどおり戦う」

【写真】王者キム・ソンウンがまさかの計量オーバー。しかし駒杵は油断など一切なく、佐藤将光とともに細かく判定基準を確認していた(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校ファジョン体育館で開催される Black Combat10「Night in Seol」にて、駒杵嵩大がキム・ソンウンの持つ同フライ級王座に挑む――はずだった。
Text by Shojiro Kameike

キム・ソンウンが計量オーバーにより王座剥奪、駒杵が勝った時のみ新王者誕生という変則タイトルマッチとなった。駒杵にしてみれば昨年9月に腕十字で仕留めている相手——だが、今回の試合に油断は一切ない。計量直後の駒杵の意気込みをお伝えしたい。


――計量では駒杵選手が56.6キロで一発クリアしたものの、対戦相手のキム・ソンウォンが計量オーバーとなりました。

「相手は計量会場に入ってきた時から、雰囲気が暗くて(苦笑)。仮計量で体重計に乗って、セコンドの人といろいろ話をしていたんですよ。だから『体重を落とすことができていないんだろうな』と思いました。ただ、そこで椅子に座って動かなかったんです。普通、体重を落とせていなかったら体を動かしますよね?」

――確かに……。ただ、本計量から再計量まで時間が30分しかないことも影響しているかもしれません。800グラムオーバーで、30分で落とすことは難しいでしょう。

「どう考えても無理ですよね。自分としては『どうなるのかな……』と心配ではありましたけど、僕はそれぐらいのオーバーであれば試合すると考えていました。一度試合していますし、前回の感触だと『体重オーバーしても、力はあまり変わらないかな』と思って」

――昨年9月、DEEP×Black Combatの対抗戦で行われた初戦では、駒杵選手がテイクダウンを奪ったあと、リバーサルを許しました。あの時に相手のパワーは感じましたか。

「いえ、あれはパワーではなく――まず相手の手足が長かったんですよ。あの時は長い足を巧く引っかけられて、コロンと返されてしまいました。相手が足を入れてきているのは自分も気づかなくて。相手もまだまだ手足の長さを生かした寝技の強さを持っているかもしれないです」

――駒杵選手返されてすぐキム・ソンウォンの腕を狙い、腕十字を極めました。

「返された時に腕十字か三角を狙うことは想定していたので、そこはスムーズに動いて極めることができました」

――結果、キム・ソンウォンの実力はどのように感じましたか。

「前回はすぐに極めてしまったので、対峙した時間が短かったじゃないですか。それでもレベルの差はあるのかな、って思いました」

――それだけレベルの差があったことは予想外でしたか。

「試合に向けて佐藤将光さんと映像をチェックして、それほどレベルが高い選手ではないと思っていました。ただ、実際に試合をしてみると――とにかくフライ級にしては体格が大きいんです。だから、やりにくさはありますし、過去の試合では逆転勝ちも多いですよね。昨日も将光さんと『ストロングポイントはないけど、逆転勝ちできる何か強さはあるよね』という話をしていました」

――それはよく言われる、韓国人選手の気持ちの強さも関係しているでしょう。そして今回はキム・ソンウォンの地元、韓国で行われる試合です。

「柔道時代から韓国人選手は気持ちが強いと思っていましたし、今回も敵地だから――と考えていましたが、計量の様子を見ると気持ちの強さも感じられなくなっていますね……」

――計量オーバーの結果、キム・ソンウォンはベルトが剥奪され、相手のファイトマネー30パーセントが駒杵選手に入ることになりました。

「そうですね。あとで幾ら入るのか知らされるようですけど……。いやぁ、それはもう大きいですし、嬉しいですね。ハイ(笑)。試合もラウンドごとに、相手がマイナス1ポイントとなりますしね」

――そうなると試合前から勝敗が決していることになりませんか。駒杵選手にとって、試合に対するモチベーションは……。

「それが以前、同じケースで計量失敗した選手が勝ったこともあるらしいんですよ」

――ユ・スヨンがキムイ・ドンギュとバンタム級王座を争った時ですね。

「そうです。毎ラウンドがマイナス1ポイントでスタートしても、圧倒され続けたらラウンドを失ってしまいますから」

――キム・ソンウォンも必死に計量オーバーを挽回しようとするでしょう。

駒杵自身は仕上がりの良さがうかがえる(C)SHOJIRO KAMEIKE

「はい。だから僕は何も気にせず、いつもどおり戦えば良いと思っています。ここ最近は『いかに相手の打撃をかわしながら組むか』ということを課題にしてきました。あとは倒してからパウンドやヒジで攻めていけるよう練習しているので、そういったところも見せたいです」

――なるほど。では明日の試合への意気込みをお願いします。

「ここでBlack Combatのベルトを獲得して、また日本のケージで活躍できるキッカケにしたいです。明日は応援よろしくお願いします!」


■Black Combat10計量結果

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ:65.9キロ
ユ・スヨン:66.2キロ

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン:65.5キロ
[挑戦者] ソン・ユチャン:65.6キロ

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン:57.5キロ→57.3キロ
駒杵嵩大:56.6キロ

<ライト級/5分3R>
大原樹理:70.8キロ
ファン・ドユン:70.8キロ

<バンタム級/5分3R>
キム・ソンジェ:61.4キロ
パク・ソンジュン:61.8キロ

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン:48.2キロ
[挑戦者] 須田萌里:47.74キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:65.8キロ
中村大介:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ:57.0キロ
キム・ウジェ:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟:61.5キロ
イ・ソンウォン:61.5キロ

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【Black Combat10】敵地で王者パク・シユンに挑戦、須田萌里「私は自分のスタイルを貫く」

【写真】1月19日にBlack Combat10の計量が行われ、須田は47.74キロ一発クリアで笑顔を浮かべた(C)MMAPLANET

J-MMA 2023-2024、第七弾・須田萌里&雄律の姉妹インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

後編では姉・萌里のBlack Combat女子アトム級王座挑戦について話を訊いた。萌里は1月20日(土・現地時間)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校ファジョン体育館で開催されるBlack Combat10にて、パク・シユンが持つ同女子アトム級王座に挑む。パク・ジョンウン戦のKO負けを経て、現在に至る自身のファイトスタイルとパク・シユン戦について語ってくれた。

<須田萌里&雄律インタビュー Part.1はコチラ


――萌里選手にとって2023年は、どのような1年でしたか。

萌里 いろんなことを経験できましたね。負けも経験しましたし。

――敗戦といえば、5月にはパク・ジョンウンにKO負けを喫しています。それまで打撃を強化していたとはいえ、なぜ1Rから打撃のみの勝負に行ったのでしょうか。

萌里 エヘヘヘ。

――微妙な笑いですね。

萌里 何発か良いのが当たったので、イケるかなぁと思ったんです(苦笑)。

――このような敗戦の時、お父さんの智行さんはどのように見ているのですか。

智行 パク・ジョンウン戦にかんしては、娘が作戦を無視したんですよ。『あ~あ、打ち合いはアカンて言うたのになぁ』と思いながら……。

雄律 たまに思う時があるんですよね。パク・ジョンウン戦は特に、『なんで打撃でやるんかな?』って。すごく勿体ないなぁ、という試合でした。直接は言ってないけど(笑)。

萌里 ……(苦笑)。

――MMAと柔術を並行して戦っている場合、一方で敗戦を経験すると、もう一方の試合出場を抑えようとするケースもあります。萌里選手はMMAでパク・ジョンウンに、グラップリングでマユミ・グラップリングシュートボクサーズジムに敗れた時、何かしら方向転換などは考えなかったですか。

萌里 たとえば柔術をやらずにMMAだけ出るとか、そういうことは全く考えなかったですね。ただ、私はやっぱり組みの選手なので打撃にこだわらず、もっとしっかり組みに行くって考え方に変わりました。

智行 ウチの場合、柔術をやめるという考えはないです。MMAで勝つためにも柔術は大切な要素ですからね。

――なるほど。パク・ジョンウン戦までは、しっかりと打撃の攻防に対応しながら組みに行くスタイルを強化していたと思います。それが9月のケイト・ロータス戦からは、開始早々から組みに行きました。

萌里 あれも作戦です。ケイト戦は『最初から組みに行け』という指示が出ていました。11月の彩綺戦も、『打撃をやらんでも寝技だけで勝てるかな』って。さっきの話でいうと、打撃か寝技か――っていうより、もっと賢く戦わないといけないと思ったんですよ。

引き込むことについても、組んでからテイクダウンを奪うことができたら、それが良いです。でもテイクダウンを奪うまでには、すごく体力も必要じゃないですか。そこで削られて後半に影響が出るなら、引き込んだほうが良い時もあって。引き込みやったら自分の好きな形へ楽に持っていけるから、っていうのも大きいです。

――そして2024年初戦は、韓国Black Combatでのタイトルマッチが決定しました。今回、雄律選手も同行するのですか。

雄律 いえ、僕は行かないです。すごく寒そうですよね……。

萌里 今日はマイナス11度とかって出ていましたよね。とりあえず会場は暖かいから大丈夫だとは思うんですけど(笑)。

――萌里選手は昨年2月に韓国で開催された、DEEP×Black Combatの対抗戦の第一弾を現地でご覧になっていますよね。

萌里 映像や盛り上がり方が凄いですよね。日本のDEEPとも違う良さがあって、次は自分がそこで試合することになって楽しみです。

――Black Combat女子アトム級王者パク・シユンは、昨年9月に行われたDEEPとの対抗戦で大島沙緒里選手を下し、DEEPジュエルスのベルトも巻いています。

萌里 パク・シユン選手はまだDEEPジュエルスの試合が2回目だったのに、ベルトを持っていき――私はずっとDEEPジュエルスに出ているのに、「なんでソッチが先なん?」と思いました(苦笑)。

――萌里選手にしてみれば、列に割り込まれたようなものですか。結果、割り込んできた選手が勝利したことに対してはいかがですか。

萌里 結果は結果なので仕方ないけど……。その時に「今度は私が!」と思いました。

――ではパク・シユン選手の印象を教えてください。

萌里 まず赤林檎選手との試合は、私も同じ大会でアマチュアの試合に出ていたので、現地で見ていました。大島さんとの試合では赤林檎戦とも、その後に出ていたBlack Combatの試合ともスタイルが違っていて。試合ごとに違うスタイルで戦えるのでしょうし、とても難しいタイプだと思います。

――では今回、パク・シユン選手はどのようなタイプで戦ってくると思いますか。

萌里 大島戦と同じように、私との試合でも徹底して組まれないように戦うんじゃないかと思っています。相手がどう来ても、私は自分のスタイルを貫くだけですね。

――なるほど。最後に須田家の2024年の目標を教えていただけますか。

智行 今年のテーマは海外での挑戦ですね。まず萌里が韓国でベルトに挑戦します。雄律も海外で試合をさせたいと思います。今年でキッズの試合に出るのは最後になるんですよ。だから一番強い緑帯で優勝してからアダルトへ――と考えています。


■Black Combat10計量結果

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ:65.9キロ
ユ・スヨン:66.2キロ

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン:65.5キロ
[挑戦者] ソン・ユチャン:65.6キロ

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン:57.5キロ→57.3キロ
駒杵嵩大:56.6キロ

<ライト級/5分3R>
大原樹理:70.8キロ
ファン・ドユン:70.8キロ

<バンタム級/5分3R>
キム・ソンジェ:61.4キロ
パク・ソンジュン:61.8キロ

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン:48.2キロ
[挑戦者] 須田萌里:47.74キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:65.8キロ
中村大介:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ:57.0キロ
キム・ウジェ:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟:61.5キロ
イ・ソンウォン:61.5キロ

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45 AB Black Combat Black Combat10 MMA MMAPLANET o ブログ 中村大介 大原樹理 山本聖悟 須田萌里 駒杵嵩大

【Black Combat10】計量終了 フライ級王者キム・ソンウンが計量失敗。駒杵嵩大が変則タイトル戦へ

【写真】山本聖悟、中村大介、須田萌里、大原樹理は対戦相手も問題なくクリアしている(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)に韓国はソウルのソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10「Night in Seol」の計量が行なわれた。
Text by Manabu Takashima

全9試合、18人のファイターが計量に臨み、Black Combatフライ級王座の初防衛戦を駒杵嵩大相手に行う予定だったキム・ソンウンが800グラムオーバーで再計量に。同プロモーション特有の再計量までの30分という猶予時間では規定の56.7 キロに対し、残り600グラムまでしか落とせずタイトル返上という事態に。


56.6キロでクリアした駒杵はキム・ソンウンのファイトマネーの30パーセントを得て彼が勝利した場合のみ王者誕生、敗れた場合はノーコンテストという変則王座決定戦を戦うこととなった。なおキム・ソンウンは毎ラウンド1Pの減点を課されている。

この他の8試合、メイン日本人ファイターは5人ともパスし、ルールミーティングをへて明日を迎えることとなった。

■Black Combat10減量結果

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ:65.9キロ
ユ・スヨン:66.2キロ

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン:65.5キロ
[挑戦者] ソン・ユチャン:65.6キロ

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
キム・ソンウン:57.5キロ→57.3キロ
駒杵嵩大:56.6キロ

<ライト級/5分3R>
大原樹理:70.8キロ
ファン・ドユン:70.8キロ

<バンタム級/5分3R>
キム・ソンジェ:61.4キロ
パク・ソンジュン:61.8キロ

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン:48.2キロ
[挑戦者] 須田萌里:47.74キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:65.8キロ
中村大介:65.8キロ

<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ:57.0キロ
キム・ウジェ:57.1キロ

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟:61.5キロ
イ・ソンウォン:61.5キロ

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45 AB Black Combat Black Combat10 DEEP Interview K-MMA パク・シユン ブログ 須田萌里

【Black Combat10】須田萌里の挑戦を受ける、パク・シユン「あの腕十字は私には通用しないです」

【写真】9月のDEEP参戦時も圧勝したBlack Combat勢の末席にちょんと座っているような感じのパク・シユンだったが、結構言うことを言う選手でした (C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)でBlack Combat10「Night in Seoul」が開催される。日本から山本聖悟、中村大介、大原樹理、駒杵嵩大らと現地に乗り込んでくる須田萌里を相手にBlack Combat女子アトム級王座防衛戦に臨むが、パク・シユンだ。
Text by Manabu Takashima

昨年9月のDEEP vs Black Combat対抗戦で。圧倒的な不利と見られた大島沙緒里戦で判定勝ちし、DEEP JEWELSとBlack Combatのアトム級二冠となった。その時に見せた涙、そして取材中の言葉も少なく笑顔を絶やさない彼女が、地元での須田戦を前に少し違った一面を見せるようになっていた。


──10月にインタビューをさせていただいた時、パン・テヒョク館長が伊澤星花選手との対戦を期待し、同時に絶対の自信を持っていましたが、今回は須田萌里選手の挑戦を受けることになりました。

「私も伊澤選手と戦いたかったのですが、須田選手と戦うことになりました。須田選手は強いグラップラーですし、油断せずに試合に臨もうと思います。そして、ここで勝って伊澤選手と戦いたいと思っています」

――今回は館長がいないので、しっかりとパク・シユン選手の声をファンに届けられればと思います。

「いつも、インタビューでは話が下手な私の代わりに館長が話してくれますが、今日はもう練習がしんどくて家に帰りたいと思って……自宅で1人でインタビューを受けています(笑)」

――試合が1週間後に迫ってきましたが、ソウルの気候はいかがですか(※取材は13日に行われた)。

「ソウルは凄く寒いです。家のなかでも分厚い服を着ています」

――日本は暖冬なので、その寒さになれている韓国人選手には地の利がありますね。

「天候は私が何かできることではなく、自然の力なのですが、それで相手が風邪をひいてくれるなら私にとって有利になりますよね(笑)」

――須田選手が挑戦者になることは、想定していましたか。

「大島(沙緒里)選手と伊澤選手以外はほとんど知らなかったので、試合をすることになってから映像を確認しました」

――どのような印象を持ちましたか。

「10秒も試合を視れば、私には通用しない――大島選手より全然弱いと思いました。グラップリングばかりで、問題なく勝てるという自信があります」

――えっ、大島選手のようなフィジカルはまだないかもしれないですが、柔術的な寝技は日本の女子MMAファイターのなかでトップクラスかと思うのですが。

「彼女は道着を着て戦うと、もっと強いと思います。でも、道着を着ていないMMAのグラップリングの動きは自分の方が上です。危ないだとか、危険というレベルにはないです。須田選手の勝利は腕十字が多いですが、相手は弱い選手ばかりでした。本当に強い選手とは戦った時は、極めることができていない。あの腕十字は私には通用しないです」

――先日のインタビューの時に、館長の隣でずっと笑っていたパク・シユン選手ですが、相当にぶっ放す人だったのですね。

「アハハハハ。笑って話してはいるのですが、本当はこういう人間なんです(笑)」

――館長からカンペが送られてきていないですよね(笑)。

「ハハハハ。普段は良い子だとか言われるのですが、試合前になるとまた違う私がいるのだと思います」

――なるほど(笑)。須田選手の寝技に対して、付き合っても上なのか。付き合わないで遮断するから上なのか。どのように考えていますか。

「私のストロングポイントはレスリングです。レスリングからグラウンドという流れでも、そこは変わりません。正直、スタンドでも負ける気はしないですが、自分の得意なテイクダウンからの極めで一本勝ちしたいと思っています」

――大島戦ではレスリングを防御面で使っていましたが、今回は攻めのレスリングに期待して良いということですね。

「大島選手との戦いは、そういう作戦だったので。今回の試合はガンガン、自分から攻撃してテイクダウン、サブミッションとアグレッシブに戦います」

――日本で戦った時すらBlack Combatのホームのような応援団がいました。今回は正真正銘の地元での試合です。ソウルで日本人選手を迎え撃つのは、どのような気持ちなのでしょうか。

「応援団の人達が日本にたくさん来てくれていましたが、海外での試合には変わりなかったです。だから恐怖心も心配事もありました。でもソウルで戦うことで恐怖心は一切なく、ワクワクする気持ちでいっぱいです」

――日本ではホテルから計量、試合ということでしたが、ソウルで戦う場合は自宅から試合に向かうのですか。

「計量の日はホテルに泊まることになると思います。私はソウルに住んでいても、試合会場と家は離れています。だから渋滞のことなどを考えると、試合前にホテルで宿泊できて良かったです」

――Black CombatとDEEP Jewelsの王者、日本人選手だけでなく韓国人選手のターゲットにもなっているかと思います。

「本当に韓国には女子選手が少なくて実力差も多く、引退する選手も多いです。なので韓国の女子選手には興味がないです。日本の方が強い選手が多いので、日本人選手と戦ってきたいです」

――須田選手はパク・ジョンウン選手と戦ってTKO負けでした。韓国のトップの選手と須田戦の内容で比較されるかと思いますが、その辺りはどのように考えていますか。

「パク・ジョンウン選手はどちらかという打撃系、ストライカーです。その強みを生かして、須田選手をKOしました。でも自分は打撃も使いますが、やはりグラップラーです。レスリングからグラップリング、パウンドやサブミッションという圧倒的な流れで、強さを見せます。須田選手に何もさせないで勝てると思うので、そこはパク・ジョンウン選手とは違う部分です」

――RIZINに出たい。その希望を実現させるには、直接戦っていなくても同階級の韓国人選手もライバルかと思います。

「う~ん、何といって良いのか……私の方が圧倒的に勝てるので……。韓国の女子選手はストライカーが多くて、寝技はあまり上手くないです。そのなかで私は他の選手とスタイルが違う、唯一無二のグラップラーなのでしっかりと試合内容でもアピールできると思っています」

――押忍。そのあたりも踏まえて、須田選手との王座防衛戦への意気込みをお願いします。

「とにかく、この大切な試合のために一生懸命練習をしてきました。この試合に勝って、3月に伊澤選手と戦いたいです。私は話すのが上手くなくて(苦笑)。自分で話していても、何を言っているのか分からなくなることがあります(笑)。その時までに日本語も勉強して、頑張っている姿でアピールしたいと思います」


■ Black Combat10対戦カード

<フェザー級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
ユ・スヨン(韓国)

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]キム・ソンウン(韓国)
[挑戦者] 駒杵嵩大(日本)

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]シン・スンミン(韓国)
[挑戦者] ソン・ユチャン(韓国)

<Black Combat女子級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・シユン(韓国)
[挑戦者] 須田萌里(日本)

<ライト級/5分3R>
大原樹理(日本)
ファン・ドユン(韓国)

<ライト級/5分3R>
キム・ソンジェ(韓国)
パク・ソンジュン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス(韓国)
中村大介(日本)

<フライ級/5分3R>
ジョン・ウォンヒ(韓国)
キム・ウジェ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
山本聖悟(日本)
イ・ソンウォン(韓国)

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【Black Combat10】中村大介と対戦、Double GFC王者パク・チャンス「腕十字でフィニッシュします」

【写真】 サッカーボールキック有り、中村大介というユニファイドMMAの常識に当てはまらない相手との試合でパク・チャンスがどのような戦いを見せるか(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10。山本聖悟、中村大介、大原樹理、そして須田萌里と駒杵嵩大が出場し、須田と駒杵はそれぞれがBlack Combatフライ級&女子アトム級王座に挑戦する。
Text by Manabu Takashima

そんなBlack Combat vs DEEPの対抗戦の様相を呈している同大会で、中村と戦うのがパク・チャンスだ。Double GFCフェザー級王座で昨年4月にシン・スンミンに敗れた――K-MMA界ユニファイドルールの強豪にとって、Black Combatで戦う意義とは。そして中村戦後に抱く日本での活躍について話を訊いた。


──パク・チャンス選手、Double GFCフェザー級王者のままBlack Combatに出場するようになりました。なぜ、Black Combatを次の戦場に選んだのでしょうか。

「Black Combatで戦いたいという選手が増え、Double GFCイ・チーフン代表に自分の方からBlack Combatで戦いたいと伝えました。ただ今もDouble GFCのチャンピオンのままですし、Double GFCがイベントを再開すると防衛戦を戦っていきます」

――そのようにプロモーション間を行き来できるのですね。素晴らしいことです。

「ハイ、両方の団体で試合をすることができます」

――ではDouble GFCの王者として、Black Combatのフェザー級王座決定戦でシン・スンミン選手に敗れた事実はどのように捉えていますか。

「やはり敗北後は落ち込みました。でも、すぐにリベンジをしたいという気持ちが強くなり持ち直しました。強い選手と戦いたいからBlack Combatで戦うことを選んだので。今はチャンピオン云々よりも、強い選手と多くの試合を積んでいきたい。そう思っています」

――あの試合はスリップ気味に倒れた後、シングルを取ろうとしサッカーボールキックを被弾してKO負けを喫しました。

「自分はUFCを目指していたので、北米ユニファイドルールに慣れ過ぎて、あの局面でサッカーボールキックがあることが頭に入っていなかったです。全くサッカーボールキックを意識せずにシングルレッグを本能的に仕掛けてしまいました。

練習仲間でBlack Combatで戦っている選手がいなくて、でもチームメイトが自分の練習に合わせてくれています。なので、練習としては問題ないです。今後はRIZINにも出てみたいので、サッカーボールキックにも慣れないといけないと思っていますし。もう少し時間がかかるかもしれないですが、試合を続けることで慣れていくはずです。このルールを消化して、勝っていきたいです」

――練習でサッカーボールキックをやることはできないですが、スタンドにしても打撃の含まれたスパーリングをするときに、何割ぐらい力を入れていますか。

「スパーリングの回数は週に1回で、決して多くないです。なのでスパーリングの時は試合ぐらいのモードでやっています。グローブは大きめのモノを使っていますが」

――ところで9月には豪州のEternal MMAでエリオット・コンプトンと対戦予定でした。結果、キャンセルとなったのですが豪州でUFCへの登竜門といえるプロモーションで試合をしようと思ったのは?

「別にUFC云々があってEternalに出ようと思ったわけではないです。試合のオファーがあり、戦いたいと思っただけで。ただフェザー級のオファーだったのが、1カ月を切って70キロにしてほしいと言われ。それも了承しました。それなのに72キロ、最終的に75キロと言われて、もう無理だと判断して試合は成立しなかったです」

――それはひどい話です。では、20日に戦う中村大介選手の印象を教えてください。

「素晴らしい選手です。戦い方がユニークで、難しく感じるかと思います。過去一番で戦い辛い相手になるはずですが、その分しっかりと練習をしてきました。問題ないです。腕十字でフィニッシュします(笑)」

――おお、掟破りの逆腕十字ですね(笑)。次回大会はDEEP勢も多く出場します。ここで戦うことで、日本のことを意識するでしょうか。

「自分にDouble GFC暫定フェザー級王座決定戦で負けたパク・ジェヒョク選手がGLADIATORでフェザー級チャンピオンになり、強い日本人選手と試合をしています。彼から凄く刺激を受ける一方で、自分も全然できると思っています。日本で戦いたいです」

――では日本のファンに一言メッセージをお願いします。

「いつも日本で戦いたいと思ってきました。今回、中村大介選手にしっかり勝って、日本で戦いたいと思っているので。応援よろしくお願いします」


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【Black Combat10】パク・シユン×須田萌里& 駒杵もフライ級王座挑戦。キム・ミンウ×ユ・スヨン決行!!

【写真】パク・シユンの二冠が続くのか、DEEP×Black Combatがさらなる混迷に向かうのか――要注目だ(C)MMAPLANET & DEEP

1日(月・現地時間)、Black CombatがオフィシャルYouTubeチャンネルで20日(土・同)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10の対戦カードを発表した。
Text by Manabu Takashima

昨年2月の韓国における対抗戦、9月の東京での対抗戦を経て通常興行でもDEEPとの交流が続くBlack Combatだが、今大会では日本から山本聖悟、中村大介、大原樹理、そして須田萌里と駒杵嵩大が出場し、須田と駒杵はタイトル挑戦となる。


(C)DEEP

駒杵は9月の対抗戦で対戦したキム・ソンウンに挑戦することとなった。

キム・ソンウンは11月大会でイ・カンナムとの王座決定戦で勝利しベルトを巻いたが、9月の一戦を見る限り両者の間には力の差が感じられた。とはいえ母国で8000人の観客が入る舞台での初防衛戦だ。キム・ソンウンがあの時と同じファイターとは捉えない方が良いかもしれない。

一方、須田は対抗戦で大島沙緒理を破りBlack CombatとDEEPの二冠王となったパク・シユンの持つBlack Combat女子アトム級王座にチャレンジする。MMAPLANETのインタビューでパク・シユン……というよりも指導者のパク・テヒョク氏が伊澤星花に対して絶対の自信を持っていたが、今回はホームで須田の挑戦を受けることに。

関節技にずば抜けた強さを見せる大島に対し、直接対決という部分でなく――×パク・シユン戦を念頭に比較すると、須田は打撃の成長が顕著で、よりウェルラウンダーとして戦える。寝技にしても思考、動きともにフレキシブルな須田だけに、パク・テヒョク氏が言うところの戦略に振り幅が持てる。

日本人選手がBlack Combatのベルトを手にし、韓国人選手がDEEPのベルトを腰に巻くという逆転現象も起こるかもしれないBlack Combat女子アトム級選手権試合だ。

今やDEEPよりもBlack Combatを主戦場にしようかという熱の大原は公言通り11月に続き、連続出場を果たす。対戦相手もイ・ファンスン戦での勝利後、ケージの中で挑発してきたキム・ジュンギュンでなく希望通りパク・ジョンホンと相対する――予定だったが、ヒザの負傷で欠場しファン・ドユンと戦うことが決まった。。

本来ランキング1位の大原と2位のパク・ジョンホンのマッチアップは事実上の次期挑戦者決定戦と思われたが、リアリティ番組で注目されているとはいえファン・ドユンは格下の相手だ。今回の試合結果いかんで大原は、対抗戦で完敗を喫したイ・ソンハの持つBlack Combatライト級王座に大きく近づくことができるのか――。

山本はバンタム級でイ・ソンウォンと、中村はフェザー級でパク・チャンスとの対戦も決まった。この2カード、注目は中村の相手パク・チャンスだ。4月のフェザー級王座決定戦で、パク・チャンスは姿勢を乱して倒れたところにシン・スンミンのサッカーボールキックからパウンドアウトで敗れた。

しかしDouble GFC暫定フェザー級王座決定戦で現Gladiatorフェザー級王者パン・ジェヒョクに勝っているパク・チャンスは、MMAの王道的なスタイルを貫けばシン・スンミンを上回る実力者とも考えられる。

中村×パク・チャンスなど、タイトル戦線で鍵を握る選手が日本勢の相手を務める、完全ガチのマッチメイクはBlack CombatではDEEP勢はワンオフでなく、レギュラーという認識があるようだ。そのフェザー級戦線、同大会ではたシン・スンミンはソン・ユチャンとの初防衛戦が控えている。キム・ソンウンと同様に対抗戦で青井人に遅れを取り、DEEP勢に2つ目の白星を献上しているだけに再起戦でチャンピオンの意地を見せたいところだろう。

そんなフェザー級選手権試合を第7試合に追いやり、キム・ミンウ×ユ・スヨンのフェザー級戦がメインで組まれている。元Road FCバンタム級王者で韓国一の猛者と目されながらRoad to UFCでは計量失敗で敗退。階級を上げてBlack Combatで戦うキム・ミンウと、Black Combatでライト級&フェザー級、さらにバンタム級と3階級を制したユ・スヨンの一戦は、PPV級のスーパーファイトといえる。

(C)DEEP

気になるのはユ・スヨンのコンディションだ。

ユ・スヨンは昨年12月21日のNAIZA FC56でダスタン・アマンゲルジにTKO負けを喫してから、インターバルは僅か1カ月でキム・ミンウという実力差と対峙することになる。ボディを効かされての負けではあったが、メンタル面と肉体の消耗度を考えるとキム・ミンウ有利と見るのが妥当か。

いずれにせよ、アジアを代表するファイター同士の対戦はDEEP勢が絡まなくても日本のMMAファンにとっても必見といえる。

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