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UFC300:第6試合・ホリー・ホルム vs. ケイラ・ハリソン

女子バンタム級。ホルム5位、ハリソンは初参戦。プレリム最注目の一戦。

元王者ホルム。柔道銅メダリストで、当時の女子格闘技のアイコンであり、女子MMAの世界を確立したパイオニアロンダ・ラウジーをハイキックでKOしたのが8年半前の2015年。そこから12戦で5勝6敗1NCと苦戦しているものの、6敗のうち4試合はタイトルマッチ。かつてのストライカーから、現在は組み主体の選手に変貌を遂げている。前戦はマイラ・ブエノ・シウバをケージに押し込んだところにニンジャチョークに捕まり、タイトル陥落したミーシャ・テイト戦以来となる一本負け。今大会最年長の42歳。

女子柔道2タイムオリンピック金メダリストハリソン。2018年にPFLでMMAデビューすると、2019年から開催された女子ライト級リーグ戦を全勝で制して100万ドルを獲得。しかし女子ライト級といいつつ、ほとんどの選手がフェザーから階級を上げての出場で、ハリソンのための階級だった。2021年もまた全勝で2度目の100万ドルを獲得したが、2022年は決勝で過去2度破っている(いずれも判定)ラリッサ・パチェコ相手に苦戦し、判定負けでキャリア初黒星。2023年シーズンは、リーグ戦は女子フェザー級に変更されたがハリソンは出場せず、元UFCのアスペン・ラッドと150ポンド契約ワンマッチで対戦し判定勝ち。Bellatorを買収したPFLでは、Bellator女子フェザー級王者・元UFCフェザー級王者のクリス・サイボーグとの対戦が期待されていたが、ハリソンはPFLとの契約を終えUFCと契約。てっきり空位となった女子フェザー級で戦うのかと思いきや、さらに体重を落としバンタムにはじめて落としての試合となる。33歳。

はたして柔道時代の78kgから61.2kgまで落としたハリソンが、今までと同じように動けるのかどうか。

いつも通り重心を低くしたMMAの構えを見せるホルム。組み付いたハリソンだが、ホルムが脇を差してケージに押し込む。ハリソン払腰で投げた!が、投げられた勢いで上を取り返したホルム。ハリソン立った。なおも脇を差しているホルム。が、ハリソンが潰して上を取る。ハーフから強いパウンド。背中越しに下の手をホールドしてパウンドを入れるハリソン。半身のホルムにPFLでは使えなかった肘を入れる。パウンドラッシュ。なんとかガードに戻して膝で距離を作ろうとするホルムだが、インサイドからパウンドを入れていく。パウンド・肘。下から肘を返すホルムだが、ハリソンはガードの中で立ち上がってパウンドを落とす。ホルム下からホールドして凌ぐ。ホーン。

1Rハリソン。攻め続けたが、2Rも同じように動けるスタミナがあるかどうか。

2R。ジャブ、サイドキックを出していくホルム。ハリソンが詰めると距離を取る。ハリソン右ハイからタックルへ。組み付いた。膝を着いたホルムにギロチン。しかし放した。大外刈りで投げるとマウント!背中を向けたホルムからバックマウントに。体を伸ばしてチョーク。タップアウト!

ハリソン完勝。柔道家らしくスタンドで脇を差されてしまうが、そこで投げて上を取ると盤石。王者ペニントン、1位ペーニャとの対戦をアピールし、年内に王者になると宣言。

オッズで大差のアンダードッグだったとはいえ、ホルムがここまで一方的にフィニッシュされたのはアマンダ・ヌネスにKOされた時以来。

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PFL2024#2:第2試合・エルヴィン・エスピノーザ vs. アダム・ピッコロッティ

ライト級リーグ戦。

Bellator10位ジェイ・ジェイ・ウィルソンがピコロッティと対戦予定だったが、ウィルソン欠場により、計量前日にエスピノーザの出場が決まった。

エスピノーザは補欠戦でアンソニー・ロメロとの対戦が組まれていたが本戦昇格。ニカラグア国籍だが、生まれも育ちもフロリダで、フロリダ国際大学卒業。MMA9戦全勝、PFLにはワンマッチで4度出場し全勝。急遽100万ドルをゲットできるチャンスを手にした。31歳。

ピッコロッティはBellator10勝5敗のベテラン。5敗のうち3敗はシドニーアウトローマンスール・ベルナウイ、ベンソン・ヘンダーソンと、昨年のライト級GPに出場したメンバー(アウトローは後に欠場)。35歳。

エスピノーザタックルへ。ケージに押し込む。ピッコロッティこらえてヒザを入れる。離れた。エスピノーザのミドルをキャッチしたピッコロッティ。テイクダウン。背中を向けたエスピノーザからバックマウント。反転して抜けたエスピノーザ。ピッコロッティさらにタックルに入りテイクダウンへ。エスピノーザギロチンに抱えたが外れてまた下に。また背中を向けたエスピノーザ。ピッコロッティがバックマウント。エスピノーザまた反転するが、ピッコロッティが下から三角。外れたがオモプラッタに移行。前転して解除し立ったエスピノーザ。打撃で出る。左右のパンチで攻める。残り25秒でエスピノーザがタックルへ。受け止めたピッコロッティ。残りわずかでキムラに捕らえて後方に投げたピッコロッティ。そのままマウント。ゴング。

1Rピッコロッティ。

2R。エスピノーザが打撃で出る。ピッコロッティワンツー。スイッチしてジャブ。エスピノーザのワンツーがヒット。離れた。エスピノーザ詰めてパンチを振る。スタンドでは押され気味のピッコロッティ。ミドルをキャッチしたエスピノーザ。離してバックに付いた。ピッコロッティはスタンドバックを取られた体勢からキムラを狙うが、エスピノーザテイクダウン。下からキムラで返そうとするピッコロッティ。エスピノーザ前転して脱出するがピッコロッティ立った。打撃で出るピッコロッティ。残りわずかで組んでいく。スタンドバックに回った。残りわずかで前転したエスピノーザ。ゴング。

2Rは微妙。ややエスピノーザが盛り返したか。

3R。打撃で詰めるエスピノーザ。ピッコロッティ動きが落ちている。後退しながらミドル、アッパーを入れるピッコロッティ。タックルに入るがエスピノーザ切った。ケージに押し込むピッコロッティ。離れたがすぐにパンチで出たエスピノーザ。四つでクラッチすると腹にヒザ。キャッチしようとしたピッコロッティだが切って離れたエスピノーザ。パンチが効いたピッコロッティ。エスピノーザ飛び膝!ピッコロッティダウン!パウンド!KO!

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【PFL2024#02】ミランダ戦へ。グレイシー柔術♡ブレント・プリマス「100万ドルTの第2ラウンドだ」

【写真】本計量とセレモニアル。試合の時はさらに大きくなっていることが予想されるプリマスだ (C)PFL

12日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルでPFL2024#02が開催され、ライト級シーズン初戦でブレント・プリマスがブルーノ・ミランダと対戦する。
Text by Manabu Takashima

プリマスはBellatorライト級ワールドGP準決勝で、王者ウスマン・ヌルマゴメドフにフルマークの判定負けも、ウスマンがドラックテストで陽性となり試合結果はノーコンテストに。しかし、再戦の準備は進められず5月に王者はBellator Champion Seriesで、決勝進出を決めていたアレクサンデル・シャブリーと防衛戦を行うこと決まった。ノーコンテストで100万ドルの獲得の機会を失したプリマスは、PFL参戦で100万ドル獲得へ2度目のチャンスを手にした。そんなラバーガードの印象が強いプリマスに初インタビュー。するとラバーガード使いはグレイシー信者だったことが分かった。

なお11日(木・同)に計量が行われ、ライト級シーズンに出場予定だったジェイジェイ・ウィルソンは理由の説明はなく対戦カードから名前がなくなり、補欠戦出場予定だったエルヴィン・エスピノーザが、アダム・ピコロッティと戦うことが決まっている。


──今週末、PFL2024シーズン初戦でブルーノ・ミランダとPFL初陣を戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は9日に行われた)。

「Bellatorでキャリアの殆どを戦ってきたから、PFLのファイターと戦うことがとても楽しみなんだ。そしてタイ在住で、パワフルなムエタイの使い手であるブルーノ・ミランダと戦うことができる。大変な試合になるだろうけど、準備はできているよ」

──PFLはシーズンフォーマットとエルボー禁止のルールについては、どのように思っていますか。

「クレイジーだ。僕はずっとエルボーを使い続けてきた。エルボーを使わずグラウンドで戦った覚えがない。エルボー無しで戦うのは、本当にタフなことだよ。シーズン制については全ファイターが2試合は保障されていて、短期間でポイント争いをする。ここは楽しみだ。戦略から何からこれまでとは変わってくるんだけど、新しいことにチャレンジするのはエキサイティングだよ。

Bellatorの時は勝つか、負けるかだけだった。100万ドルを手にするために、初回でフィニッシュを狙いたいところだけど、だからこそスマートに戦う必要がある。焦って戦い、ガスアウトしてはしょうがないからね。PFLでは本当にスマートに戦わないといけない。6週間後に試合があるのだから、ケガをしないようにしないといけないし。だからエルボーが禁止なわけで。もちろん勝利は絶対だけど、6Pや5Pを手にできると有利になる。そこは戦い自体がBellatorの時とは変わって来るよね」

──ブレントはMMAでも柔術を武器に戦っていますか、ベースとなる格闘技は柔術だったのでしょうか。

「僕は13歳で家を飛び出し、とんでもない生活をしていた。毎週のようにストリートファイトをして、問題だらけだった。そんな生活を送っている時に、知り合いからストリートで戦うならケージのなかで戦って金を稼がないかって持ち掛けられたんだ。そして柔術ジムに向かった。まぁ、柔術なんてやっているヤツは皆、ぶちのめせると思っていたんだ。そうしたら自分より年下のガキだったり、体の小さな連中に首を絞められ、腕を極められ散々な目にあった。あっと言う間にボコボコにされたんだ(笑)。

あの時、『俺の方が体はデキているし、運動神経もある。このテクニックがあれば……』って思い、それから柔術漬けの人生に変わった。もうバカなことはやめて、パーティーも行かなくなった。毎日、懸命に練習をすると3週間で青帯を貰えた。柔術に出会っていなければBellator世界ライト級チャンピオンになれなかったに違ない。バカをやり続けて、きっと刑務所に行っていただろう。グレイシー一族から始まった柔術の歴史から、何から何まで柔術に夢中になれて良かった。ヒクソン・グレイシーのドキュメンタリー「チョーク」は何度も見返した(笑)。ヒクソン・グレイシーとグレイシー柔術への想いは膨らみ続けたよ。だから今、僕はここにいることができる」

──柔術でのマスターは、誰だったのでしょうか。

「僕はメガトン・ディアスから、黒帯を巻いてもらった」

──メガトンはいわばヒクソン系といっても良いウマイタの出身です。ただアリゾナにジムを持っていて、ブレントはオレゴン州が拠点ですよね。

「オレゴン州ユージーンにあるメガトン系のジムで6年間柔術を続けて、茶帯になったけど通っていた道場には黒帯がいなかった。メガトンがユージーンでセミナーを開き、もっと彼の指導を受けたくなったんだ。そしてアリゾナに行き、メガトンとトレーニングをして1週間後に黒帯を与えられた。メガトンのようなレジェンドから黒帯を貰えたことを本当に光栄に思っている。

ただ僕がいたジムは完全に柔術の道場だったから、MMAを始めていた僕はムエタイやレスリング、MMAのトレーニングができて、柔術も続けられるスクールに移ることに決めた。ファビアーノ・(ペガレヴィ)シャウナーの下でトレーニングを始め、今では黒帯3段になった」

──あれだけ見事なラバーガードを駆使するので、10thPlanet系の柔術を習っていたのかと思っていました。

「とにかく柔術が好きすぎて、あらゆるインストラクション動画をチェックし、YouTubeも四六時中チェックしている。そしてセミナーを受けまくってきた。セミナーに出ると、必ず一つのテクニックを持ち帰って、応用するようにしている。だからラバーガードはエディ・ブラボーのセミナーに出て修得したんだ。ただ10thPlanetの技術に拘っているわけじゃない。グレイシー・ウマイタ、グレイシー・バッハ系列の道場で学んだ全ての柔術技術を駆使して戦う。

そのうえで股関節が柔軟だから、ラバーガードは僕の柔術ゲームを一歩先に進めてくれた。でも10thPlanetファイターではなくて、僕の柔術はグレイシーだ。いかなる柔術の動きも、僕のゲームに組み込まれている。そしてラバーガードは、相手のパンチを余り受けないでコントロールできるポジションだから、MMAでも多用できるのさ」

──ただ下になると、ジャッジの支持を得られないのが通例です。

「それでもガードは大切だ。僕はトップもボトムもどちらでも戦える。MMAではトップにいる方が良いだろう。同時にガードで相手をコントロールしてスイープもできるし、サブミッションで腕や肩を痛める攻撃も持っている。100パーセント、自分のガードワークに自信を持っている。ブルーノを相手に、それを証明するよ。

ただ僕のムエタイもソー・ナイスだ。ずっとムエタイの練習をして来たし、立ち技でKOして皆を驚かせることだってできる。柔術は僕の血だけど、立ち技で皆に喜んでもらえる試合だってやってみせるよ。

僕はMMAファイターだ。ブルーノを傷めつけてノックアウトできるし、RNCで落とすこともできる。ラバーガードでも駆使するし、信じられないぐらい素早いバック奪取も披露したい。KOだろうが、サブミットだろうがフィニッシュする」

──Bellatorライト級ワールドGPは準決勝で敗れ、その後NCになったもののGP自体が未完に終わりそうです。そのなかでPFLで100万ドルをゲットするセカンドチャンスを手にしました。

「その通りだ。ただウスマンとGPで戦い、フラストレーションが溜まっているままだ。ウスマンともう一度戦って、決着をつけるつもりだった。でも、それが有耶無耶になってヤツはベルトを持ったままで、防衛戦をアレクサンデル・シャブリーを相手に戦う。どういう政治力が働いたのか、どうせ従弟の巨大なパワーがモノをいったんだろう。そんななかPFLでまた100万ドルを賭けて戦うことができる。これは僕にとって100万ドル争奪トーナメントの第2ラウンドなんだよ」

■視聴方法(予定)
4月5日(金・日本時間)
午前7時15分~U-NEXT

■ PFL2024#02計量結果

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ: 204.8ポンド(92.89キロ)
アレックス・ポリッジ: 204ポンド(92.53キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン: 205.8ポンド(93.34キロ)
トム・ブリーズ: 205.2ポンド(93.07キロ)

<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード: 155.6ポンド(70.57キロ)
パトリッキー・フレイレ: 155.2ポンド(70.39キロ)

<ライト級/5分3R>
マス・ブーネル: 156ポンド(70.76キロ)
ミカエル・デュフォー: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
サディボウ・シ: 205ポンド(92.99キロ)
ジョシュ・シルヴェイラ: 205.4ポンド(93.16キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール: 205.4ポンド(93.16キロ)
シモン・ビヨン: 205.4ポンド(93.16キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ: 205.8ポンド(93.34キロ)
ヤコブ・ネドー: 206ポンド(93.44キロ))

<ライト級/5分3R>
ブルーノ・ミランダ: 155.4ポンド(70.48キロ)
ブレント・プリマス: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ライト級/5分3R>
ガジ・ラバダノフ: 155.8ポンド(70.66キロ)
ソロモン・レンフロ: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ライト級/5分3R>
エルヴィン・エスピノーザ: 155.4ポンド(70.48キロ)
アダム・ピコロッティ: 155.6ポンド(70.57キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルセロ・ヌネス: 241.6ポンド(109.58キロ)
ジョーダン・ヘイダーマン: 246.2ポンド(111.67キロ)

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【UFC300】ホルムとUFC初陣、ケイラ・ハリソン「70歳になった時、自分の人生を後悔したくなかった」

【写真】柔道時代ともPFL時代とも明らかに違う、バンタム級で戦うケイラ・ハリソン。計量まで3日、声に力があった(C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 300「Pereira vs Hill」で、ケイラ・ハリソンがオクタゴンデビューを迎える。
Text by Manabu Takashima

2度五輪を制した柔道家は2017年にMMA転向を果たすと、2019年&2021年のPFL女子ライト級シーズンウィナーとなった。2022年はMMA初黒星の喫し準優勝に、昨年は女子フェザー級が実施されたがケイラは参加しなかった。

そんななか11月にワンマッチで元UFCファイターのアスペン・ラッドを下すと、今年の1月になりダナ・ホワイトからケイラとの契約、UFC300で初戦を戦うことが発表された。UFCに転じた理由、そしてホルム戦とこれからに関して、ケイラ・ハリソンに尋ねた。


――UFC300という歴史に残る舞台で、オクタゴンデビューを果たすケイラです。今、どのような気持ちですか。

「凄く楽しみだし、この機会を得られたことに感謝しているわ。新しい舞台で、新しい階級のファイトを伝説になるようなショーで戦う。大きなリスクを伴っているけど、見返りの大きな試合はワクワクするわ」

──ケイラがUFCと契約したと知った時、凄く驚きました。PFLがBellatorを買収したことで、女子フェザー級のシーズンが楽しみだったので。いつ頃から、UFCで戦うことを考えていたのでしょうか。

「いつ頃からということでいえば、ずっと前からよ。MMAを始めた時からゴールはUFCチャンピオンだった。それでもPFLを離れることは、簡単な決断じゃなかったわ。PFLがスタートした時から、共に歩んできたわけだし。でもUFCこそがMMA界におけるオリンピックなの。

きっと、今回のコントラクトが私のキャリアにとって恐らくは最後の契約になるはず。70歳になった時、自分の人生を後悔したくなかった。『あの時、チャレンジしていれば』って。後々「あの時、なぜトライしなかったの?」と自分を責めたくなかったから、UFCに挑戦することを決めたの」

──素晴らしいですね。本当に素晴らしい。ケイラは既に五輪で2階級を制し、PFLでは100万ドルを2度も手にしている。ダブル・ゴールドにダブル・ミリオンなわけですよ。

「アハハハハ。ダブル・ミリオン(笑)」

──それなのにベストファイターになることを渇望しているのですね。

「そうね、それが私なんだと思う。とにかく好きなことに邁進し続けたい。MMAはただの仕事じゃないから。凄く大変よ。多くを犠牲にして取り組む必要がある。自分で背中を押して、成長する必要がある。それがファイターとして、人としての成長に繋がるわけで。常に自分を次の段階、ニューレベルに引き上げたいの。それこそが、私の人生を完成させるピースになるの。毎朝、目を覚まして──その日をベストバージョンの自分でいたい。誠実さ、尊敬心、献身、規律──全てをひっくるめて、自分を成長させる。そこに安らぎが存在しているから」

──深いです。そんなケイラですが、実はフェザー級に落とすということで減量がハードでインタビューがキャンセルされることもあると思っていました。そもそも柔道時代は78キロで戦っていて、8年後に65キロで戦う……。いや、常識では考えられないだろうと。

「柔道時代は、ピザやクッキーも食べ放題だったわ(笑)。真剣にダイエットにはとりくんでいなくて、食べたいモノを何でも食べていたの。今は違う。栄養士、ダイエットの専門家とチームを創って減量に取り組んでいる。チームだけでなく、UFCもサポートしてくれる。無理なく体重を落とせているから、ボディもメンタルもコンディションは最高で。気持ちもデキているし、いつでも戦えるわ」

──しかし、ピザやクッキーを好きなように食べていたとは。この事実をケイラに敗れた柔道時代のライバルが知ると……。

「アハハハ。まだ若かったのよ。16歳から一人で生活してきて、料理もできなかった。回りには常にダイエットコーク、ピザ、ハンバーガー、フレンチフライがあったから(笑)」

──ところで2017年の秋、MMAデビュー前の日本でインタビューさせていただいた時に「ロンダのことを聞かれなかったのは初めて」とケイラは言っていました。

「そうそう。あのときは誰もが私にロンダのことを尋ねてきて、少しフラストレーションがたまっていて(笑)。でも、あなただけがロンゴと比較するようなことを聞いてこなかったの」

──あの言葉は凄く印象に残っていて。ただし今回、UFCがケイラに用意した相手はホーリー・ホルムです。どうしてもホルム✖ロンダを思い出せるマッチアップではないかと。

「皆がロンダとホーリーの試合を連想するのは、もう仕方のないことだと思う。ロンダ=柔道、ケイラ=柔道というイメージは絶対で。でも私はロンダとは違う種類のファイターで、人間も違う。正反対よ。だから、土曜日の夜は試合結果も違ってくるわ」

──女子MMAもロンダが活躍したころと、今では相当に違っています。払い腰から腕十字が取れると、もうハイライトリールの極みです。

「別モノね。私は柔道でなく、MMAを戦う。ウェルラウンディッド・ファイターで、ビギナーじゃない。17試合を戦ってきたわ。ドミネイトするのが一番だけど、皆が楽しめる試合をしたい。そういう意味ではPFLでは禁じられていたエルボーを使えるのが、凄く楽しみで」

──いやぁケイラにエルボーがあれば、まさに鬼に金棒です。

「たくさんの人を驚らかせることができるはず。絶対に(笑)」

──とはいえホーリー・ホルムはあれだけのストライカーですが、MMAで結果を残せたのはその距離の取り方にあると思います。彼女の印象を教えてください。

「とにかくホーリーのことは凄く尊敬していて。素晴しく高いファイトIQの持ち主で。素晴しいフットワークから、最高の打撃を繰り出すことができる。グラップリングも常に成長している。あんな風に瞬く間に成功すると、その場に踏み止まってしまうアスリートが多い中で、彼女は常に成長してきた。変化を厭わない強い気持ちで、強くなり続けている。そこが一番尊敬できる点ね。

彼女のフットワークは女子バンタム級でも最高。そこに立ち向かうことが、私にとって最大にタフな挑戦になるはず。あのフットワークが、ホーリーの最高の武器であることは間違いないわ」

──対してケイラのアドバンテージは?

「それは……凄くたくさんある(笑)。自分ではそう思っているわ。MMAを始めた時、知識も経験も凄く僅かだった。柔道の力で限界を突破して、勝利を手にすることができていたけど今の私はより強く、より大きく、より速くて経験豊かなファイターになった。この1年でさらに成長できたという感覚もあるから、全ての動きに注目してほしいわ」

──会場の雰囲気はPFLとUFCでは違うかと。あの盛り上がり方はUFC独自なモノで。

「それこそ、凄く楽しみにしているポイントよ。何度もUFCの会場を訪れたけど、あれはもうマジックね。凄くオリンピックや日本での柔道世界選手権に似ているわ。2010年、私が初めて世界選手権で優勝したのは東京だった。あの時も会場(国立代々木競技場)の雰囲気は特別だったわ。あんな空気の中で、最高の自分でいる。毎晩、頭のなかでイメージしているの。自分があの場に立つことを」

──UFCでの第一歩。これからのケイラ・ハリソン、特別な存在の雄姿を追うのが楽しみでならないです。

「ありがとう。そう、私はスペシャル・ファイター。今回の試合は新たな章に向かう、第一歩。私はすぐにUFC世界バンタム級チャンピオンになるから」

──では最後に日本のMMAファンに一言お願いします。

「日本、柔道。柔道は日本の皆のマーシャルアーツで、私の初恋だった。今はMMAを心から愛している。皆、応援ありがとう。UFC300で皆に私の試合を見てもらえることが凄く嬉しいわ。アリガトゴザイマシタ」

■視聴方法(予定)
4月14日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC300対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] ジャマール・ヒル(米国)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャン・ウェイリ(中国)
[挑戦者] イェン・シャオナン(中国)

<BMFタイトルマッチ・ライト級/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
マックス・ホロウェイ(米国)

<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
アルマン・ツァルキャン(アルメニア)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
コディ・ブランデージ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
カルヴィン・ケイター(米国)
アルジャメイン・ステーリング(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ホーリー・ホルム(米国)
ケイラ・ハリソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ソディック・ユースウ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジェイリン・ターナー(米国)
ヘナト・モイカノ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マリナ・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン(米国)
ジム・ミラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
コディ・ガーブラント(米国)

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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o ONE PFL PFL2024#02 アダム・ピコロッティ アンソニー・ロメロ アントニオ・カルロス・ジュニオール インパ・カサンガネイ エルヴィン・エスピノーザ ガジ・ラバダノフ クレイ・コラード サディボウ・シ シモン・ビヨン ジェイジェイ・ウィルソン ジョシュ・シルヴェイラ ジョーダン・ヘイダーマン ソロモン・レンフロ ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ パトリッキー・フレイレ ブルーノ・ミランダ ブレント・プリマス マス・ブーネル ロブ・ウィルキンソン

【PFL2024#02】永遠のBellator戦士ジェイジェイ・ウィルソン「ポイント獲得? 終わらせるのが僕の戦い」

【写真】試合になると、かなり形相が変わってZONEに入るジェイジェイもインタビュー時は凄くににこやかだ (C)MMAPLANET

12日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルでPFL2024#02が開催され、ライト級でジェイジェイ・ウィルソンがアダム・ピコロッティと対戦する。
Text by Manabu Takashima

ニュージーランド出身、マオリ・キッドの異名を取るウィルソンは柔術で世界王者になるためにサンディエゴに移り住んだ。その地でフラヴィオ・ベーリンギの黒帯ジョアォ・ファイアに出会い、バーリトゥードに対応したファンダメタル柔術の指導を受けるようになる。さらにジャスティン・フローレスの下でフリー&フォークスタイルレスリング、ノーギ柔道を身に着けMMA戦績は10勝1敗、フィニッシュ率7割を誇るファイターに。

プロMMAデビュー戦がBellatorで、サークルケージ以外で戦うのは今回で2度目のマオリ・キッドは「今も僕はBellatorのファイターだ」と言い切った。


――金曜日、PFL初戦を戦います。今の気持ちを教えてください。

「良い相手だし、僕にとって良いマッチアップだ。少しでも速く倒して、6Pを獲ってプレーオフ進出に近づけるという意味でもね」

──BellatorがPFLに買収されるという話が広まった昨夏、ジェイジェイはどのような気持ちでこの話を聞いていましたか。

「どうだったのかなぁ。とにかく噂の段階では色々なことが耳に入って来て、その時にどう思っていたのかは覚えていない。ただ、PFLに買収された時に自分の契約はどうなるのか。このまま戦い続けることはできるのかと不安になったのは事実だよ。しかも、9月にBellatorで最後の試合を戦ってから、今後に関して正式発表がなかった。幸運にもPFLシーズンで戦うことができるようになり、心の底から嬉しかったよ」

──あの時期、契約が履行されるのか自身の将来に不安を感じるファイターも少なくなかったと思います。ところで1月にBellatorがBellator Champion Seriesとして活動が続くというアナウンスがあった時、ジェイジェイはBellator CSかPFL、どちらで戦いたいと思っていましたか。

「正直をいえばBellator CSで戦っていきたいと思っていた。エルボーの有無は大きかったからね。エルボーは僕のグラップリングで大きな役割を果たしていて、つまりは僕のゲームで重要な要素になっている。エルボーがないと、僕のグラップリングゲームは色々なモノを失う。でも、もう決まったことだ。そのなかで最大の力を発揮するのが、ファイターの仕事で。今でもBellatorでエルボーを使って戦っていたい。でも、100万ドルを獲得できる機会をみすみす逃すことはない。この機会を生かすよ」

──BellatorとPFLでは年間を通して、戦うテンポが違ってきます。その辺りはどのように捉えていますか。

「個人的にはアクティブに活動できるシーズン・フォーマットは大歓迎だ。ファイターにとって一番の敵は試合が決まらず、集中力が欠けてしまうこと。選手全員がそう思っているなんてことはないだろうけど、僕自身は8、9週間ごとに戦っていたい。その方が精神的にも、肉体的にも試合に向けて良い状態を保っていられる。

試合が決まっていなくても練習はするよ。でもコークを飲んで、ハンバーガーを食べる。そしてパーティーに出かけてしまうんだ(笑)。でもPFLのシーズン・フォーマットなら、試合後1週間だけジャンクフードを食べて、また試合に集中できる。ファイトが決まっていると、より規律正しい生活を送ることができるようになるからね」

──どうしてもジャンクフードは欠かせないのですね(笑)。

「ハハハハハ。できれば毎日のように食べていたいよ。でも1週間、我慢する。それを4度繰り返せば、100万ドルを獲得して腹いっぱいになるまでジャンクフードを食べまくるよ(笑)」

──そうやって考えると、フェザー級からライト級への階級アップは自然のことだったのかと。フェザー級で戦い続けていれば、5週間ごとに試合をするのは難しかったかもしれないですね。

「金曜日に試合があって、今は168ポンドだ(※取材は8日に行われた)。これから12ポンド(約5.44)を落とすのは、全くもってイージー。完全に管理できている。フェザー級時代よりも大きくなっているし、145ポンドに落とすのはもう無理だ。適正なクラスで戦えば、より良い試合を見てもらえる。そして、30ポンドや40ポンドも落とファイターは、このフォーマットで戦えないのも事実だろう。そういう選手は年に1度か2度しか、試合ができない。僕からすると、過度な減量はボディに与える心境は深刻だというしかないよ」

──今回の対戦相手であるピコロッティもBellatorからPFLで転じる選手です。MMAは個人競技ですが、PFLファイターと戦いたかったという気持ちはありますか。

「僕の前に立ち塞がる相手を倒す。それが誰かは気にしない。今年のシーズンにはBellatorで戦っていた選手も多く出場している。そのなかで名前を挙げて戦いたい相手は、ガジ・ラバダノフだけだよ。彼へのリベンジは果たしたい。スコアをイーブンに戻したいんだ。彼以外だと、当てられた相手と戦って勝つだけさ。

僕的には今でもBellatorファイターだと思っている。プロデビュー戦自体、Bellatorだった。5、6年も在籍していたんだ。今も僕の心はBellatorにある。戦うプロモーションはPFLになったけど、今もBellatorの選手だ。今年、PFLライト級を制したらBellatorの世界王座を獲りに行く。2024年PFLライト級ウィナーとして、Bellator世界ライト級チャンピオンになるんだ」

──プレーオフ進出にはQuick6の獲得が一番。そしてファンもフィニッシュを望んでいる。そのなかで金曜日の夜にはどのようなファイトを見せたいと思っていますか。

「もちろん初回フィニッシュだ。KOだろうが一本だろうが、1Rで終わらせる。相手の良さを消して、少しでも早く勝負を決める。それが僕の戦い方だ。何もポイント・システムを考慮してのことじゃない。ポイント獲得? 終わらせるのが僕の戦い。常にフィニッシュを目指して戦ってきた。ポイントはその結果、得られるモノ。ポイント獲得ではなく、終わらせること。それが僕のスタイルだから。

これまで削って判定で勝って来た選手は、ポイントを意識することになるだろう。そういう退屈な試合をやってきた者が、慌てて戦略を練るようになっている。でも僕にとっては、フィニッシュすることが戦う目的で。実際に最初の7試合は全て1Rで勝って来た。だからPFLで戦うことで、自分の戦い方を変える必要は一切ない。押忍!!」

■視聴方法(予定)
4月5日(金・日本時間)
午前7時15分~U-NEXT

■ PFL2024#02対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
アレックス・ポリッジ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン(豪州)
トム・ブリーズ(英国)

<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード(米国)
パトリッキー・フレイレ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
ミカエル・デュフォー(カナダ)

<ライトヘビー級/5分3R>
サディボウ・シ(スウェーデン)
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)
ヤコブ・ネドー(スロヴェニア)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)
シモン・ビヨン(カメルーン)

<ライト級/5分3R>
ブルーノ・ミランダ(ブラジル)
ブレント・プリマス(米国)

<ライト級/5分3R>
ガジ・ラバダノフ(ロシア)
ソロモン・レンフロ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)
アダム・ピコロッティ(米国)

<ライト級シーズン補欠戦/5分3R>
エルヴィン・エスピノーザ(ニカラグア)
アンソニー・ロメロ(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
マルセロ・ヌネス(ブラジル)
ジョーダン・ヘイダーマン(米国)

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AJ・マッキー BELLATOR o PFL RIZIN ガジ・ラバダノフ シモン・ビヨン ジョニー・エブレン ソロモン・レンフロ フィル・デイヴィス

PFL2024#2:オッズ/展望

(P)インパ・カサンガナイ (15-4) 1.18
(B)アレックス・ポリッツィ(10-3) 5.10
(P)ロバート・ウィルキンソン (17-2) 1.46
(P)トム・ブリース 2.80
(P)クレイ・コラード(24-12) 1.51
(B)パトリッキー・ピットブル (25-12) 2.64
(B)マッズ・バーネル (18-5) 1.42
(P)マイケル・デュフォート (12-4) 2.95
(P)サディブゥ・シィ (16-7-2) 1.65
(P)ジョシュ・シウヴェイラ(12-2) 2.30
(B)ドヴェルジャン・ヤクシムラドフ (21-7-1) 2.24
(P)ヤコブ・ネドー (8-1) 1.68
(P)アントニオ・カルロス Jr. (15-5) 1.42
(B)シモン・ビヨン (9-3) 2.95
(P)ブルーノ・ミランダ (16-4) 2.14
(B)ブレント・プリマス (12-3) 1.74
(B)ガジ・ラバダノフ (20-4-2) 1.46
(P)ソロモン・レンフロ (11-4) 2.80
(B)ジェイ・ジェイ・ウィルソン (10-1) 1.56
(B)アダム・ピッコロッティ (14-5) 2.50
エルヴィン・エスピノーザ 1.54
アンソニー・ロメロ 2.54
マルセロ・ヌネズ (10-2) -
TBA -

ライトヘビー級は優勝候補筆頭だった元Bellator王者でランキング2位のフィル・デイヴィスが欠場。Bellator側は5位ヤクシムラドフ、6位ポリッツィ、ランク外の元RIZINビヨンの3人のみの出場となり、全員がアンダードッグ。

PFL側は今年のレギュラーシーズン全階級で唯一、昨年の王者であるカサンガネイが参戦。本来ウェルター級の体格で、Bellatorとの対抗戦では階級下のミドルでBellator王者ジョニー・エブレンに敗れたが、意外と健闘してスプリット判定まで持ち込んだ。他にも、2022年優勝ウィルキンソン、2021年優勝カルロスJr.、昨年準優勝シウヴェイラが出場し、さらに昨年のウェルター級準優勝・2022優勝のシィが2階級上げて出場(PFLはミドル級がないため)する。

ライト級は逆にPFL勢のメンツが弱く、昨年優勝のメルシェは引退したため不出場。準優勝のコラードはBellatorとの対抗戦でAJ・マッキーに秒殺一本負け。あとは昨年ベスト4のミランダ、ウェルター級でベスト4のレンフロ、チャレンジャーシリーズからの昇格のデュフォート。しかしコラードは元Bellator王者でランキング3位のパトリッキー相手にオッズでフェイバリットとなっている。

どちらの階級も絶対的な本命が不在。逆に、メインを除くとオッズで3倍以上差がつく明確な咬ませ犬もいないため、誰が勝ち上がるか読めない。

第1試合開始は13日朝7時半から。速報します。

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45 BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#02 RIZIN アダム・ピコロッティ アンソニー・ロメロ クレイ・コラード パトリッキー・フレイレ ブログ

【PFL2024#02】ライト級シーズン開幕。パトリッキー・フレイレ「得点状況は戦い方に影響を与える」

【写真】パトリシオと比較すると、普段の顔つきは非常にマイルドなパトリッキーだ (C)MMAPLANET

12日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルでPFL2024#02が開催される。ヘビー級と女子フライ級に続き、シーズン開幕を迎えるのはライトヘビー級とライト級の2階級だ。
Text by Takumi Nakamura

そのライト級で、元Bellatorライト級王者パトリッキー・フレイレが、クレイ・コラードと対戦する。2011年3月から、12年以上をサークルケージで戦ってきたパトリッキーは、PFLを新しい家と呼び、シーズン制覇に並々ならぬ自信を伺わせていた。


――パトリッキー、PFL初戦に向け今の気持ちを教えてください。

「マイ・フレンド、パンツを履くところだから少し待ってくれ(笑)。(※一旦ZOOMのが画面から消え、戻ってくる)PFLという新しい家で戦うことが楽しみでならない。やるべきことは変わらない。でも、ニューホームで戦うということで少し違った感じもする。とにかく、ここにいることが嬉しい。レッツゴー、いつでも戦う準備はできている。PFLのファンにパトリッキー・フレイレが何者かを披露するつもりだ」

──少し違った感じがするというのは?

「そんな違いはないんだよ。ただPFLはファイトウィークが忙しい。メディア対応の時間と数、それと写真撮影なんかがBellatorとは違う」

──ところでBellatorはラスベガスでショーをしてこなかったので、パトリッキーにとってMMAのメッカで初試合になります。どのような気持ちですか。

「この街は正直、好きでなかった。初めて来たのは、もう随分と前だ。ヘンリー・セフードがミニーマウス、いやミッキーマウスと戦った時だよ」

──パトリッキー、それをいうならマイティマウスかと(苦笑)。

「あっ、本当だ。アッハハハハハ。とにかくセフードがマイティマウスとラスベガスで戦った時(2016年4月)にこの街に来て、パーティー三昧、街中が浮かれているような感じがして嫌だった。でも、その頃は英語が話せなかったからストリートを歩いている人が何を話しているかも分かっていなかったんだ。英語が分かるようになると、イメージも変わった。新しい建物も増え、街もどんどん拡張していてエキサイティングだ。

自分が戦うためにベガスにやってきたからか、なんだか新しい気持ちになって凄く気に入っている。きっと俺はファイターで、コーナーマンだとこの街を楽しむことができなかったんだよ(笑)。あと今ではホテルやストリートでも、俺のことを知っている人達がいて。そこも大きく違うね」

──違うといえばPFLとBellatorではルールやファイトフォーマットが違います。Bellatorから移ってきた選手たちは、最大で4試合を半年で戦うことに調整の難しさを訴えています。ただしパトリッキーが初参戦した2011年から4年ほどはBellatorもシーズン・フォーマットが敷かれており、2011年には3カ月連続で試合をしたこともあります。

「確かに3、4回とトーナメントを戦った経験があるから、PFLのスケジュールに戸惑うことはないよ。色々な相手と戦って来たし、PFL2024年シーズンで優勝する自信は十分にある。しかもRIZINも含め、実際のところトーナメントで優勝したことがない。今年こそ、PFLで頂点に立つ。今も夢を追い続けているし、自分を信じ続けているからね。俺は年老いていないし、別に疲れを感じることもない。いや、それは言い過ぎだな(笑)。疲れるよ、でも疲れるのは普通のことだろ(笑)。PFLで戦うことになって、また目新しい相手と戦うことができる。そこが楽しみでならない。

ただし、シーズンやプレーオフのことを考えて、この週末に戦うわけじゃない。今はクレイ・コラードに勝つことだけを考えている。6Pを取るか、3Pになるか。分からないけど、やるだけだ」

──ではエルボーが反則というルールはどのように思っていますか。

「別に構わない。もともとエルボーを多用するタイプじゃないから。時々、集中して使っていた程度で。ヒジが禁止でも俺の殺傷能力は落ちない。二つの拳があってキックもヒザ蹴りも使えるからね。エルボーが使えなくても、それほど変わりはない。変わらずライオン……ピッチブゥのように戦うことができる」

──ポイント制はどうでしょうか。今大会、ライト級のシーズン戦のなかで最後に試合が組まれています。そうなると他の4試合の勝者が何点を獲得しているかで、精神的に影響が出ないでしょうか。先週のリズ・カモーシェは6Pを獲得した選手が3人も出たことで明らかに力みが感じ、試合展開がラフに見えました。

「そうだね……今も言ったようにエルボーが使えないことは、全く問題ない。その一方でポイント制は、従来のBellatorの試合よりもフィニッシュ率を高めるだろう。俺の試合までの勝者がどれだけボーナスを獲得しているのか。得点状況は間違いなく戦い方に影響を与える要素になる。でも、それは決してネガティブなことではない。

若い頃なら、他の試合結果からプレッシャーを感じていただろう。でも、ここまで十分な経験を積んできた。試合中でもゲームプランを変更できる。それまでの結果次第で戦い方を変える必要が出てきても、難しいことではない。自分のやるべきことを完遂できる。いかなる状況に対して、対応できる自信があるんだ。この先のことを考えるわけでなく、如何にこの試合に勝つか。必要な勝ち方をするために何が必要なのかは、分かっている。チームを信じ、自分を信じてるからね。

自分の拳を信頼している。自分への信頼を失った時、ファイターは勝てなくなる。今でも十分に自分を信じることができてる。拳、パワーを信じて、クレイ・コラードに勝てると信じている」

──ではそのクレイ・コラードの印象を教えてもらえますか。2月のサウジアラビアでのPFL ✖BellatorではAJに秒殺されました。

「ヤツはレスリングも柔術もできないことを露呈した。俺には都合が良いだけだ(笑)。去年の準優勝者で、ボクシングが巧い。本来はあの試合で見せた姿とは違うファイターだと思っている。タフな相手になるとも覚悟はしている。でも、ファンには俺がコラードを倒すところだけを楽しみにしてほしい。皆に俺の実力を証明する。そして皆が楽しめる試合をする」

──パトリッキー、今日はありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「今も日本の皆、日本という国が大好きだ。シーズン中はPFLに集中しないといけない。でもRIZINとBellatorのクロスプロモーションが続くなら、日本で戦いたいと伝える。PFLもBellatorもボスは同じだから、了承してくれるだろう。ぜひとも大晦日に日本の皆に会いたいと思っている。アリガト!!」


■視聴方法(予定)
4月5日(金・日本時間)
午前7時15分~U-NEXT

■ PFL2024#02対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
アレックス・ポリッジ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン(豪州)
トム・ブリーズ(英国)

<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード(米国)
パトリッキー・フレイレ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
ミカエル・デュフォー(カナダ)

<ライトヘビー級/5分3R>
サディボウ・シ(スウェーデン)
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)
ヤコブ・ネドー(スロヴェニア)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)
シモン・ビヨン(カメルーン)

<ライト級/5分3R>
ブルーノ・ミランダ(ブラジル)
ブレント・プリマス(米国)

<ライト級/5分3R>
ガジ・ラバダノフ(ロシア)
ソロモン・レンフロ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)
アダム・ピコロッティ(米国)

<ライト級シーズン補欠戦/5分3R>
エルヴィン・エスピノーザ(ニカラグア)
アンソニー・ロメロ(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
マルセロ・ヌネス(ブラジル)
ジョーダン・ヘイダーマン(米国)

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45 AB BELLATOR Interview UFC UFN ESPN+98 UFN240 アレキサンダー・ヘルナンデス デイモン・ジャクソン ブログ

【UFN240】26歳でUFCと契約、カット後32歳で再契約。デイモン・ジャクソン「UFCで戦う力」と資質

【写真】ヘルナンデスが計量失敗で、147.5ポンド契約戦を戦うことになったジャクソン(C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN240:UFN on ESPN+98「Allen vs Curtis2」が開催され、コメインでデイモン・ジャクソンがアレキサンダー・ヘルナンデスと戦う。
Text by Manabu Takashima

1995年8月生まれのジャクソンが、初めてUFCで戦ったのは26歳の時だった。レスリング&グラップリングの実力者にセカンドチャンスが訪れたのは、コロナ禍の2020年──32歳の時だった。この間、一度はPFLというメジャーと契約をしたが、常にLFAという#01フィーダーショーで戦い続けてきたジャクソンに、MMAファイターとしての強くなる方法論、UFCとの契約の意味を尋ねた。

強くなる鍛錬を続けることを大前提に、ファイターはどのようにキャリアを重ねれば良いのかをデイモン・ジャクソンが教示してくれた。


――アレキサンダー・ヘルナンデスと週末に戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は4日に行われた)。

「とても良い感じだ。フルキャンプを行って準備はできている。あとは減量をしっかりとして、より良い状態で戦いたい」

──デイモンは26歳の時に一度UFCと契約し、3試合でカットされました。その後、32歳で再契約。そのようなキャリアの持ち主だけに、以前から尋ねたいことがありました。

「シュア。何でも聞いてくれよ」

──アリガトウゴザイマス。UFCは若くてアグレッシブなファイターを求め、そのお眼鏡にかなったファイターがUFCをサインができます。

「そうだね。その通りだ」

──結果、それまでのように思うように戦えないで結果を残せずにリリースされる。そういうことも決して少なくないです。

「あぁ、そういうことかい。僕が最初にUFCとサインをした時、自分なりに本当に必死になって練習をしていたことは絶対だ。でも、1年半しかUFCで戦えなかった。UFCで戦う相手のような、ハイレベルのストライカー、そしてグラップラーと戦った経験がなかったからだ。それまでは簡単にテイクダウンをして、簡単にバックを取ることができていたけどUFCはそういう場所ではなかった。そうだね、3試合でリリースされたことで、僕にはUFCで戦う力がついていないことを学んだ。

UFCはサインすることでなく、ずっと居続けることの方が難しい。そこで戦うには時間をかけ、経験を積んで力をつけること。そう思い知ることになるファイターは少なくない。UFCで戦い続けるには、その前に他のロモーションで経験を積むことが欠かせないよ。一度UFCをカットされると、戻ってくるのは本当に難しいからね」

──デイモンはそのセカンドチャンスを得るまで、ずっとLFAで戦っていました。他にもUFCへの登竜門があり、2、3戦でコールがなければ環境を変えるという選択をする選手も多いです。そんななかデイモンはLegacy FCから、LFAで戦い続けました。3戦目でタイトル戦に敗れ、暫定王者に就いたのは8戦目です。

「LFAはLegacy FCの拠点だったダラス、僕のホームタウンで定期的に大会を開催している。UFCともしっかりとルートのあるLFAの会場に、僕はダラスのファンの足を運ばせることができた。応援してくれりう皆はどこで戦っても僕のことを応援してくれたけど、LFAはフィーダーショーの中でベストのレベルを誇っているからね。

そこで色々なタイプのファイターと戦い、そのキャンプをすることで僕は力をつけることができたんだ。バックグランドの違う選手との試合のために、必要なトレーニングを積むことができた。多くのファイターは、そんな経験を積むことはできない。プロモーターはエキサイティングなショーが必要であって、ファイターの成長に時間をかけることなんてないからね。

優れたコーチとマネージャーがいてくれて、どのようなファイターと戦う必要があるか──そこを導いてもらった。実際に可能になったのも、LFAには多くの選手が戦っていたからだ。グッドストライカー、グッドレスラーと戦うことでMMAに必要な技量を身につけることができた」

──と同時に時間をかけると、年を重ね30歳が近くなります。UFCは基本、若い選手を求めるなかで焦りはなかったですか。

「焦りというよりも、強くなってもUFCからコールがなかったことが凄くフラストレーションだったよ。ショートノーティスで試合を受けるために、常にグッドコンディションを保ち、ハードなトレーニングを続けるしかない。それがどれだけ、精神的にタフであってもね。

試合でケガをしても、UFCと契約できれば次がある。ただし、そのチャンスが巡って来た時に戦える状態にないといけない。そんな時は、本当にコーチや周囲の人の支えが必要になってくる。コールがなければ、全ては終わってしまうからね。僕の場合はコロナ禍になってチャンスが舞い込んだ。それはLFAがあの時もイベントをいち早く定期的に行っていたからに他ならない」

──結果、2019年にデイモンはPFLと契約をしました。UFCかUFC以外か。UFC以外にもBellator、PFL、ONEというグローバルステージは存在していますが、そこがファースト・チョイスになることはなかったですか。

「PFLとBellatorは支払いという面でも、UFCと同様にファイターが生活できるだけの対価を得ることができる。素晴しいプロモーションだよ。ただし、世界のベストファイターを目指す場所はUFC以外には存在しない。BellatorやPFLだと、タイトルに挑戦でき条件もよくなるケースだってある。でも、UFC以外のタイトルに意味があるとは思えない。

PFLと契約した時、PFLでの戦いをエンジョイしようと思った。Bellatorでは多くの友人が戦っている。彼らもMMAを戦い生きている。そしてPFLはBellatorを買収して、UFCとは違うプラットフォームを構築して、この世界で最大の団体を目指している。UFCと違うやり方が存在して、ファイターが良い条件で戦っていけることは良いことだよ。

と同時にUFCがコンテンダーシリーズを行うようになって、世界規模でニュータレントを発掘している。結果、ジャマール・ヒルやショーン・オマリーのようにあの場から世界チャンピオンも生まれた。これからはコンテンダーシリーズから、ビッグネームが生まれるようになってくるだろう。UFCファイターになるには、UFCに近い位置にいて、彼らがなにを求めているのかを敏感に察知する必要もある。そのレールに乗るにも、LFAはベストオプションだと僕は思う」

──如何にキャリアアップするか、UFCを目指す日本人ファイターは指標がないのでデイモンの話が参考になればと思います。LFA云々でなく、よく考えようという点でも。

「日本の若い選手がより多くの機会を得るには、UFCのアジア市場の拡大は欠かせない。時間は掛かるかもしれないけど、実現するよ。アジアでの大会は増える。だからこそ、UFCもアジアにPIを創ったに違いないから」

──その市場とは中国であり、確かに中国でのイベントが増えると日本人選手も機会は増えるかもしれないです。と同時に、人口の違う中国人ファイターがPIで力をつけ続けることが予想されるので、しっかりと日本勢も強くならないと。デイモンがセカンドチャンスを持っていた時のように。

「そうだね。そこが前提にあって、ビジネスの動きがファイターの将来にも大きく関わってくる。でも日本人選手の多くには規律があって、しっかりと練習をしていると聞いているよ。つまり、その時がくれば日本の選手にもチャンスが広がるに違いないということ。そのために自分の夢を追い続け、心を折ることなく必死で練習するしかないんだよ。それは絶対だからね」

──押忍。デイモン、ありがとうございます。

「僕自身、今もそうだ。UFCと再契約して5勝1敗だった戦績が、このところ2度続けて負けて5勝3敗になった。だからこそ、今回の試合は本当に大切になってくる。それは対戦相手も同じで。だからこそ勝利が絶対だ。試合開始10秒でサブミットできればこしたことはないけど、勝利を手にすることが僕のゴールだ」

──デイモンの軸はレスリング、そしてグラップリングにあります。とはいえ対戦相手はレスリングやグラップリングにつき合わなくもジャッジは気にしないです。が、打撃につき合わないとマイナスイメージとなる現実があります。そしてファンもバチバチの打撃戦を好みます。

「レスリングやグラップリングの練習を誰もがハードに行っている。テイクダウンして、抑えることは今のMMAで一番困難なことだからね。大丈夫、MMAが発展しファンの理解も進んでいる。グラップリングがMMAにいかに重要な要素か分かっている。以前のように暴力的なファイトを見たいわけじゃない。バックに回れば歓声があがるようになった。ファンが変われば、プロモーターはその志向に合うモノを求めるようになる。グラウンドでフィニッシュすることをファンだって楽しんでいるからね」

──そこも踏まえて、ヘルナンデス戦で何を見せたいでしょうか。

「今回はしっかりと調整できて体調も良い。過去3試合とは違う。過去3試合とは違って、しっかりとした体調で精神的にも充実しているから、タフな戦いを仕掛けることができる」

──デイモン、試合前に尋ねることではなかったかもしれないですが、丁寧な返答に感謝しています。

「とんでもない。MMAファイターのピークは決して長くない。その時にUFCで戦える選手は一握りだ。でも日本のファイター達が今頑張ることが、次の世代に受け継がれる。アジアのマーケットが大きくなることを僕も願っているよ」

■視聴方法(予定)
4月7日(日・日本時間)
午前4 時00分~UFC FIGHT PASS
午前3時30分~U-NEXT


■ UFN240対戦カード

<ミドル級/5分5R>
ブレンダン・アレン(米国)
クリス・カーティス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)
デイモン・ジャクソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
モーガン・シャリエール(フランス)
チャペ・マリスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
イグナシオ・バハモンデス(チリ)
クリストス・ギアゴス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ウーカシュ・プジェスキ(ポーランド)
ヴァルテル・ウォウケル(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トレヴァー・ピーク(米国)
チャーリー・キャンベル(米国)

<ウェルター級/5分3R>
コート・マッギー(米国)
アレックス・モロノ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ノルマ・ドゥモント(ブラジル)
ジャーメイン・デランダミー(オランダ)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ファルカォン(ブラジル)
ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ジーン・マツモト(ブラジル)
ダニエル・アルゲータ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ディラン・バドカ(米国)
セザー・アルメイダ(ブラジル)

<女子スバンタム級/5分3R>
メリッサ・トーニャ・モリンス(英国)
ノハ・コホノール(フランス)

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BELLATOR o PFL RIZIN ライアン・ベイダー リントン・ヴァッセル

PFL2024#1:メインイベント・アンテ・デリヤ vs. ワレンティン・モルダフスキー

ヘビー級リーグ戦。元RIZINファイター対決。

クロアチアのアンテ・デリヤは2018年のRIZIN.10に参戦(当時の表記はアンデ・デリア)。ミルコの弟子という触れ込みで判定勝ちしたが地味な試合ぶりで二度と呼ばれず。PFLには2019年から出場し、21年準優勝、22年は優勝し100万ドル獲得。昨年は初戦欠場、2戦目で判定勝ちしたが決勝進出のポイントに届かなかった。33歳。

ヒョードルの弟子モルダフスキーはRIZIN旗揚げ戦から参戦。2年目の無差別級GPでは準々決勝でアリアックバリに判定負け。その後Bellatorに戦場を移し、ヘビー級暫定王座を獲得するが、ライアン・ベイダーとの統一戦では僅差判定負け。昨年は3月にリントン・ヴァッセルに1Rマウントからの肘でKO負け、8月にスティーブ・モウリーに判定勝ち。最終ランキングは2位。32歳。

右をヒットさせたデリヤ。詰めて左右のパンチをヒットさせたが、モルダフスキーのローブローがありタイムストップ。すぐ再開。再開後モルダフスキーがプレスしてきた。ケージを背負うデリヤ。パンチを貰い一瞬背中を見せたデリヤ。急に弱気になっている。デリヤすぐケージを背負う。モルダフスキーがパンチ連打。デリヤ頭を抱えて固まる。そこにモルダフスキーのパンチ・ヒザの連打。レフェリーぼーっと見てたがストップ。

モルダフスキー1RKOで6点獲得。

序盤は圧を掛けていたデリヤ、ローブローからの再開後に急に弱気になり、一方的な展開に。

ヘビー級はロシア人4人が全員勝利。モルダフスキー6点、ジェームス・ポポフ5点、ゴルツォフ4点、ビロステニー3点。2試合目の1勝のみでも1Rフィニッシュなら勝ち上がりの可能性がありそうな星勘定。

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BELLATOR o PFL キック

PFL2024#1:セミファイナル・デニス・ゴルツォフ vs. リントン・ヴァッセル

ヘビー級リーグ戦。

ロシアのゴルツォフは2019年からPFLに出場。2019年・2021年は準決勝敗退。2022年は予選は2勝(9点)でトップだったものの、ロシア国籍の選手がイギリスに入国できなかったため棄権。昨年は予選で2試合連続1RKOで最高点の12点を叩き出し、準決勝も1Rフィニッシュしたものの、決勝ではヘナン・フェレイラに2RKO負けで、惜しくも100万ドル獲得ならず。33歳。

ヴァッセルは2013年からBellatorに参戦。ライトヘビー級王座に2度挑んだがタイトル獲得ならず。2019年からヘビー級に上げ、初戦はモルダフスキーに判定負けしたが、そこから5連勝(4KO)で、昨年3月の前戦ではモルダフスキーにKO勝ちでリベンジしている。最終ランキングは1位。40歳。

ゴルツォフが詰めていく。ヴァッセルカーフキックで止める。シングルレッグに入ったヴァッセル。両足を畳んでテイクダウン。左足を超えてハーフにしたヴァッセル。押さえ込みながらパウンド。足を抜いてパス。すぐにマウントに行くが、ゴルツォフブリッジで返そうとする。返せないがガードに戻した。が、すぐに足を抜いてパス。グラウンドの実力差ありそう。ハーフに戻したゴルツォフ。残り1分。またパスしてサイド。あっさりマウント。ヴァッセルパウンド。頭を抱えているだけのゴルツォフだが、力で反転すると上になりパウンド。が、雑にギロチンを狙って下になる。ホーン。

1Rヴァッセル。寝技の実力差がけっこうある。

2R。パンチで出たゴルツォフ。ケージまで押し込むと大内刈りでテイクダウン。ヴァッセル消耗したのか?しかし下から起き上がりタックルに入るとゴルツォフ下に。しかしフックスイープで返したゴルツォフ。ハーフ。亀になったヴァッセル。パウンドを入れるゴルツォフ。動きが悪いヴァッセル。バックから殴られている。ゴルツォフも一気に勝負を決めに行くのではなくコツコツ削る。正対したヴァッセルだが、座った体勢でゴルツォフから殴られる。ゴルツォフもっと強く殴れば止められそうだが。まるでギリギリ止められないように殴っている(そんなわけないと思うが)。そのまま2R終了。

2Rゴルツォフ。10-8つけるジャッジもいそう。

3R。棒立ちのヴァッセル。ゴルツォフのパンチにも反応できず。組まれると亀になるヴァッセル。ゴルツォフパウンド。ゴルツォフも疲れているのか、パウンドのリズムが悪い。もっとまとめて入れれば止められそうなのだが。肩固めのセットをしたが、離してまたコツコツ殴る。煮えきらない攻めに会場からブーイング。連続で殴れば止められそうなのに、2,3発打って止めるのでレフェリーも止めない(止めてもいいが)。ようやく止めた。

ゴルツォフ3RKOで4点獲得。Bellatorヘビー級ランキング1位を下す。

が、攻めが雑だし大味。ヴァッセルがかなり消耗していたので、もっとあっさりフィニッシュできたはず。