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【Special】J-MMA2023─2024、透暉鷹「形に入ってしまえば、それほど力は使わなくていい」

【写真】2つ目のパンクラスのベルトを巻いた透暉鷹。前編はタイトル奪取について詳細を語ってもらった。気になる今後──は、後編で(C)SHOJIRO KAMEIKE&MATSUNAO KOKUBO

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第十一弾はバンタム級KOPの透暉鷹に話を訊いた。昨年のクリスマスイブに、1年振りの試合かつバンタム級初戦で河村泰博を下し、フェザー級に続きバンタム級のベルトを巻いた。結果、バンタム級転向の手応えを得ることはできたのか。名古屋市守山区にあるISHITSUNA MMA/ GROUNDSLAM MORIYAMAに透暉鷹を訪ねた。

■2023年透暉鷹戦績

12月24日 Pancrase340
○1R4分45秒 by 肩固め 河村泰博(日本)


――ベルト奪取&2階級制覇おめでとうございます。

「ありがとうございます! 良い新年を迎えることができました」

――試合内容は会心の出来だったのではないでしょうか。

「想定していたどおり、理想的な展開になりました。相手が一番強い展開は、ジャブで距離を創り、僕が焦って遠い距離から組みに行くとダースチョークを合わせてくるというもので。僕としてはケージの真ん中で、タイミングでテイクダウンすること。そして4~5Rぐらいで極めようと考えていました」

――えっ!? 終盤勝負のプランだったのですか。いきなり1Rで極めていましたが……。

「はい、フルラウンド戦う想定をしていました。形に入ってしまえば、いつでも極められるとは思っていて。だから1~3Rはしっかりと削っていくつもりだったんです」

――透暉鷹選手の想定に対して、河村選手のほうが考えているよりも早く極めに来たのでしょうか。テイクダウンされても河村選手は守りに入りませんでした。

「それはあるかもしれないですね。僕がパスガードしようとしたら、河村選手はシザースチョークを狙ってきたじゃないですか。あれは極まるほどの形ではなかったけど、シザースチョークから煽られてから50/50みたいな感じで足関節を狙われました。あの流れは見栄えも良くなかったですよね。でも、ああいう流れに対して、パウンドを打ちながら徐々に足関節を解除していくという練習はしていました」

――河村選手がシザースチョークに入った瞬間、確かに極まるような形ではなかったものの、「これはシンドイ試合になるのでは?」と思いました。あのシザースチョークから抜けるために力も体力も使うでしょう。

「あぁ、なるほど。逆にあの場面は河村選手のほうが力も体力も使っていたと思います。シザースチョークで絞め上げる脚の力、足関節を極めようとする時の力——だから、相手が攻め終わった時が自分のチャンスだなと考えて。あの日、Ryo選手と栁川唯人もそうだったじゃないですか」

――Ryo選手が最終ラウンドに逆転の腕十字を極めた試合ですね。

「ずっとRyo選手が劣勢だったのに、最後はバックを取った相手を振り落として腕十字を極めに行きましたよね。あの試合を見ながら、日沖(発)さんと『ピンチのあとにチャンスがある』という話をしていたんです。Ryoさんの試合は、いつもそういう展開で」

――どれだけ不利になっても、決して諦めない。気持ちが強い選手なのだと思います。

「そうなんですよ。僕の試合も、少し相手のペースになりかけていました。そこはパウンドを打ちながらパスガードして、自分から攻めていこうと考えていました」

――では肩固めの形に入った瞬間、「これは極まる」と感じたわけですか。

「それが――河村選手の腕はちゃんと流れて、首も絞まっていました。そこで相手が首抜き後転みたいな感じで、後ろに回ろうとしましたよね。肩固めでちゃんと形に入っている時は、首抜き後転をやると余計に絞まってしまうんですよ。その動きは相手にとってミスだったと思います。僕としては『このまま落ちるな』と感じて。でも1R残り15~20秒の段階で、力を使いすぎてしまうと5Rまで戦うのはキツい。Ryo戦(2021年5月)も序盤で力を使いすぎてしまって、最後にギロチンを極められてしまいましたから」

――透暉鷹選手自身が過去に同じような経験をしていました。

「でも形に入ってしまえば、それほど力は使わなくていいんですよね。結果、河村選手もスーッと落ちた感じで。やはり極め急ごうとしたら相手にもバレちゃいます。パンチでもサブミッションでも同じですよね。狙おう、狙おうとしたらダメ。まずはしっかりと形に入ったことで、結果的にスーッと落とすことができたと思います」

――なるほど。ただ、残り15~20秒の段階だと相手が我慢しきってしまうことがあります。そうなると試合は2Rへ突入しますが、相手が耐えきることは考えていましたか。

「その展開も想定していました。もしサブミッションに行って、しっかりと形に入っていなければ、無理に力を使わなくていい。河村選手の場合はRIZINのヒロ・ヤマニハ戦(2022年11月に判定負け)でも、後転して肩固めから逃れていますから」

――後転やシザースチョークで脱出するのが得意であることは、透暉鷹選手も認識していたわけですね。

「でも僕との試合では、しっかりと形に入っていましたから逆に、後転したために極まってしまったと思うんですよ。とにかくその点は意識していて、セコンドの日沖さんからは『自分の感覚で形に入っていないと分かれば極めにいかなくていい。力を使いすぎるな、行けると思えば行っていい。その判断は透暉鷹の感覚に任せる』と言われていました。最後は自分の感覚で『極める!』と思ったので、力は使いすぎないようにして極めに行きましたね」

――そしてバンタム級転向初戦で一本勝ちし、フェザー級に続き2階級制覇を果たしました。初めてバンタム級で試合をしてみて、ご自身の動きはいかがでしたか。

「動きは良かったです。5Rやってみないと分からないところもありますけど、リカバリーからアップまで調子の良さは感じていました」

――計量を見ていて「やはりゲッソリしたな……」と思いましたが、リカバリーして迎えた試合当日は、理想的な逆三角形の体型になっていましたね。

「ありがとうございます(笑)。試合当日の体重は68~69キロぐらいで。試合2週間前は69キロで体を動かしていたので、リカバリーもうまくやれました。あとはこの体重で長いラウンドを経験しておかないといけないとは思っています」

<この項、続く>


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『PANCRASE 340 ~PANCRASE 30周年記念大会 Vol.2~』試合結果

まんがでわかる 30歳から伸びる人、30歳で止まる人



第14試合 メインイベント パンクラス・ウェルター級チャンピオンシップ 5分5R
×林 源平(和術慧舟會IggyHandsGym/王者)※初防衛戦
○住村竜市朗(TEAM ONE/2位、元DEEP王者)
5R 2’09” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※住村が王者に

第13試合 コーメイン パンクラス・フライ級暫定チャンピオンシップ(王者決定戦) 5分5R
○伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/1位、元ZSTフライ級王者)
×有川直毅(K-PLACE/3位)
2R 3’05” 裸絞め
※伊藤が暫定王者に

第12試合 パンクラス第5代バンタム級チャンピオンシップ(王者決定戦) 5分5R
×河村泰博(和術慧舟會AKZA/1位、Fighting NEXUS王者)
○透暉鷹[ときたか](ISHITSUNA MMA/2位、元パンクラス・フェザー級王者)
1R 4’45” 肩固め
※透暉鷹が王者に

第11試合 パンクラス・ライト級王者挑戦者決定戦 5分3R
×粕谷優介(CROWN/1位)
○雑賀 ヤン坊 達也(DOBUITA/4位)
判定0-3 (出口27-30/荒牧27-30/松井27-30)

第10試合 パンクラス初代女子アトム級(47.6kg)王者決定トーナメント一回戦 5分3R
○沙弥子(リバーサルジム横浜グランドスラム/2位)
×V.V Mei[ヴィーヴィーメイ](フリー/元DEEP JEWELSアトム級王者、元VALKYRIEフェザー級(52kg)王者)
判定2-1 (大藪28-29/山崎29-28/梅木28-29)

第9試合 パンクラス初代女子アトム級(47.6kg)王者決定トーナメント一回戦 5分3R
×ジェニー・ファン(台湾/AACC/1位)
○SARAMI(パンクラスイズム横浜/修斗女子スーパーアトム級(50kg)世界4位・元王者)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

第8試合 フェザー級 5分3R
×亀井晨佑[しんすけ](パラエストラ八王子/2位、ネオブラッドトーナメント2018同級優勝)
○平田直樹(トライフォース柔術アカデミー/5位)※フリーから所属変更
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

第7試合 フェザー級 5分3R
△高橋遼伍(KRAZY BEE/元修斗環太平洋王者)
△キム・サンウォン(韓国/コリアントップチーム/8位、元Double G王者)
3R 負傷判定1-1 (梅木28-30/荒牧30-28/出口29-29)

第6試合 フェザー級 5分3R
○Ryo(グランドスラム/RINGS/6位、元THE OUTSIDER 70-75kg級王者)
×栁川唯人(K-PLACE/11位、ネオブラッドトーナメント2023同級優勝)
3R 0’33” 腕ひしぎ十字固め

第5試合 フライ級 5分3R
○ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン/カトランジム/5位、IMMAF 2022 世界選手権フライ級優勝)
×松井斗輝(パラエストラ柏/8位)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)

第4試合 71.5kg契約 5分3R
×近藤有己(パンクラスイズム横浜/元ミドル級・ライトヘビー級・無差別級王者)
○美木 航(NATURAL9)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

第3試合 バンタム級 5分3R
○田嶋 椋(OOTA DOJO/5位・元暫定王者、ネオブラッド・トーナメント2022同級優勝&MVP)
×笹 晋久(パラエストラ柏/6位、修斗2017同級新人王)
判定3-0 (山崎29-28/出口29-28/大藪29-28)

第2試合 ウェルター級 5分3R
×川中孝浩(BRAVE/元GRAND王者)
○佐藤生虎[しょうご](UNITED GYM TOKYO)
1R 1’21” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第1試合 プレリミナリーファイト フライ級 5分3R
○眞藤源太(KINGCRAFT)
×梅原規祥[みさき](リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
1R 1’51” 裸絞め

 遅ればせながら12月24日に横浜武道館で開催された『PANCRASE 340 ~PANCRASE 30周年記念大会 Vol.2~』の試合結果。メインイベントのウェルター級チャンピオンシップは住村竜市朗が林源平に5R TKO勝ちし新王者に。セミファイナルのフライ級暫定王座決定戦は伊藤盛一郎が有川直毅に2R裸絞めで勝利。第12試合のバンタム級王座決定戦は透暉鷹が河村泰博に1R肩固めで勝利しています。続きを読む・・・
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【Pancrase340】透暉鷹が肩固めで河村に一本勝ち。2階級制覇で「これから世界で勝つ選手になる」

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
透暉鷹(日本)
Def.1R4分45秒 by 肩固め
河村泰博(日本)

河村がはガードを下げた構えでケージ内をサークリングする。透暉鷹がミドルを蹴ると、河村は飛び込むような左フックを見せる。

透暉鷹はその左フックに合わせて組んでテイクダウンする。河村はシザーズチョークを狙い、そこからアンクルホールドへ。

透暉鷹がシザースチョークを外すと、河村はヒール・アンクルと足関節をしつこく狙い続ける。透暉鷹が回転して正対すると、そのまま肩固めの組み手を作ってサイドポジションへ。

何とか耐える河村だったが、そのまま透暉鷹が絞め落とし、見事な一本勝ちでバンタム級のベルトを巻いた。

フェザー級に続いてバンタム級でも王者となった透暉鷹は「河村選手、ありがとうございました。でもパンクラスを代表して一言言わせてください。パンクラスなめんなよ!…………冗談です。河村選手、盛り上げてくれてありがとうございました」と対戦相手の河村にメッセージ。

「試合が1年空いちゃって、手術もして、階級も変更して、色んなことが重なったんですけど、支えてくれた周りの人たちに感謝しています。バンタム級に変えて初戦だったんですけど、これから世界で勝っていける選手になるんでついてきてください!」と今後の飛躍を誓った。


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【Pancrase340】12・24を読む サロハイディノフと対戦、松井斗輝「みんなが言うほど強い相手じゃない」

【写真】スッキリした表情で自信をのぞかせた(C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(土)、東京都目黒区のU-NEXT内カンファレンスルームで、翌24日に横浜武道館で開催されるPANCRASE340の計量が行われた。
Text by Shojiro Kameike

計量では14試合=28選手のうち、フライ級暫定王座決定戦に出場する有川直毅が再計量でクリア。計量終了後、ムハンマド・サロハイディノフと対戦する松井斗輝に試合直前の意気込みを訊いた。


――先ほど計量が終わり、松井選手は56.95キロでクリアしました。

「いつも結構ギリギリですけど、今回は余裕を持ってクリアできました」

――計量後のフェイスオフでは、突然サロハイディノフに持ち上げられましたね。松井選手は挑発に乗りませんでしたが……。

「アハハハ、あれはビックリしました。僕は別に何とも思わないけど、相手は顔が赤くなっていて――自分でやって恥ずかしかったのかなって(笑)」

――今回、サロハイディノフ戦のオファーが来た時は、どう思いましたか。

「たぶんサロハイディノフと対戦することになると思っていたので、『やっぱり来たか』という感じでしたね。今回はランキング上位の選手と試合をさせてほしいと伝えていて」

――サロハイディノフはまだプロで1試合しか経験していませんが、評価が高い選手です。

「そうですね。確かに強いです。でも、みんなが言うほどでは――と思いますよ」

――おっ!! 周囲が抱いている印象と、松井選手の印象とはどのように違いますか。

「確かに勢いは凄いし、ずっと攻め続けてきますけど、細かい技術はそうでもないんじゃないかって思います」

――ご自身については、いかがでしょうか。先ほど計量後のコメントでは「前回の試合より2倍強くなっている」と仰っていました。

「半年前からフィジカルトレーニングをやり始めて、ここ2~3カ月でフィジカルも強くなってきたと実感していますね」

――半年前というと、7月の大塚智貴戦はフィジカルトレーニングを始めた直後ぐらいですか。

「そうです。あの試合は、ちょうどフィジカルトレーニングの効果が出始めたぐらいですね。今までは自重のトレーニングぐらいしかやっていなくて。それがビッグ3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)を中心に、ガンガン重さを上げて鍛えてきました。おかげで大塚戦は、今までの試合よりも安定した試合運びができたんじゃないかと思っています」

――それだけ鍛えると、通常体重が増えていませんか。

「増えましたけど、それでも1~2キロぐらいですね。これからフライ級で上に行くには、しっかりと筋量を増やしていきたいと考えています」

――他に新しく取り組んでいることはありますか。

「打撃の練習量を増やしました。MMAを始めてから、ほとんど打撃の練習はやっていなくて、ほぼ寝技の練習だけでした。打撃に関して言えば、今までの貯金で戦っていたようなもので。でも最近その貯金も無くなってきたというか、うまく行かないことも増えてきたんですよ」

――うまく行かないこと、というのは……。

「パンクラスでの2試合は、どちらも3R戦ったじゃないですか。あれは正直、流してしまったんです。初戦はKO勝ちできたけど、2戦目は完全に『ポイントで勝っているからいいや』という感じで。でも試合内容を考えると、まだまだ気持ちもスタミナも足りないところがある。もう一度、しっかり倒せるようになりたくて打撃の練習量を増やしました」

――……と、いま画面越しに見える耳の湧き方が凄いです。打撃だけでなく、それだけ組みの練習もしてきたということですね。

「そういうことです(笑)。正直、サロハイディノフにはテイクダウンされるかもしれません。でも倒されてから立ち上がる練習をガンガンやってきたので、大丈夫だと思います」

――なるほど。この試合に勝てばランキングも上がり、タイトルマッチも見えてくるかと思います。今大会では伊藤×有川のフライ級暫定王座決定戦も行われます。どちらと対戦したい、という希望はありますか。

「自分にとって相性が良いのは、有川選手だと思います。でも今回は伊藤選手が一本勝ちするんじゃないかと予想していて。そうなれば伊藤選手に挑むことになることになるかもしれませんが、どちらでも構わないです。今回勝ったら、次はタイトルマッチやりたいですね」

■視聴方法(予定)
2023年12月24日(日)
午後1時15分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

■ 対戦カード/計量結果

<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 林源平:76.90キロ
[挑戦者] 住村竜市朗:77.10キロ

<フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
伊藤盛一郎:56.65キロ
有川直毅:57.5キロ → 再計量 56.70キロでクリア

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
河村泰博:61.20キロ
透暉鷹:61.05キロ

<ライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
粕谷優介:70.40キロ
雑賀“ヤン坊”達也:70.05キロ

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
沙弥子:47.70キロ
V.V Mei:47.90キロ

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
ジェニー・ファン:47.45キロ
SARAMI:47.85キロ

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑:66.05キロ
平田直樹:66.10キロ

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍:66.10キロ
キム・サンウォン:65.90キロ

<フェザー級/5分3R>
Ryo:65.95キロ
栁川唯人:65.95キロ

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・サロハイディノフ:57.15キロ
松井斗輝:56.95キロ

<71.5キロ契約/5分3R>
近藤有己:70.90キロ
美木航:71.30キロ

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋:61.15キロ
笹晋久:61.40キロ

<ウェルター級/5分3R>
川中孝浩:77.20キロ
佐藤生虎:77.30キロ

<フライ級/5分3R>
眞藤源太:56.55キロ
梅原規祥:57.00キロ

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【Pancrase340】12・24を読む ベルトを賭けて河村泰博と戦う透暉鷹─02─「相手の戦績に説得力がない」

【写真】体重を落とすことで練習内容も変わってきたという透暉鷹(C)MMAPLANET

24日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE340で、空位のバンタム級王座を賭けて河村泰博と対戦する透暉鷹のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

1年振りの試合、バンタム級転向初戦でタイトルマッチ――それもフェザー級時代の実績があってこそ。そのタイトルマッチの相手であり、煽りコメントも目立つ河村のことをどのように見ているのか。そんな質問に対し、透暉鷹は「全く気にしていない」と言い切った。


――バンタム級転向初戦で、いきなりタイトルマッチになるとは考えていなかったのではないですか。

「それはなかったですね。もちろんバンタム級に転向しても、パンクラスで試合をしたいと思っていました。でも『すぐにタイトルマッチをやらせてほしい』という気持ちは全くなかったです。ただ、バンタム級なら中島太一選手と試合がしたいとは思っていたんですよ。でも暫定王座決定戦になり、さらに中島選手がベルトを返上して正規王者の決定戦になって。その経緯は仕方ないですが、パンクラスが実力を認めてくれているのか――バンタム級に転向していきなりタイトルマッチというのは本当に嬉しいです」

――「実力を認めてくれるのか」とは、昨年4戦4勝で3試合でフィニッシュし、ベルトを獲得している選手が何を言っているのですか(笑)。

「アハハハ。ありがとうございます」

――もちろん評価されているでしょうし、転向初戦がタイトルマッチでも不思議には思わない実績です。ただ、その対戦相手が河村選手になるとは予想もしていなかったでしょう。

「そうですね。オファーが来た時はビックリしました。試合をしていない間も、ランキング上位の選手はチェックしていたんですよ。そこで河村選手が飛び出してくるとは考えていなくて。井村選手との試合も、井村選手が勝つかなって考えていました。でも一発で決めて――そういう力は警戒しています」

――河村選手の煽りに対しては、どのような印象を抱いていますか。

「煽ってきますねぇ(笑)。SNSもそうですし、記者会見でも煽ってくれているので、ありがたいです。実際はすごく良い人で」

――記者会見のフェイスオフでも、表情に良い人ぶりがにじみ出ていました。選手としての印象はいかがですか。

「不思議な感じですよね。とにかくフィニッシュする、狙ってくるという印象はあります。う~ん、どうなんだろう? 何ていうのか……」

――ここは正直な印象を聞かせてください。

「はい。あんまり相手のことは気にしていないです(笑)。河村選手がこれまで日本のトップ中のトップに勝っていたら、気にはなりますよ。でも、そうではなくて。だから煽られても気にならないし。要は、どれだけ言っていても河村選手の戦績に説得力がないわけで」

――……。

「本当は良い人だし、格闘技を盛り上げるために煽ってくれていることは分かります。盛り上げ方は人それぞれで。だから、それはそれで良いことだと思いますよ。たとえば選手として、極めが強い。フィニッシュを狙ってくる――といっても、自分も今まで練習で積み重ねてきたものがあります。だから今までやってきたことを確認するとしても、何か特別に河村選手の対策を組むということはないですね」

――では透暉鷹選手にとって、この試合の意味とは何でしょうか。

「対戦相手どうこうではないです。河村選手が相手だから――ということはなくて。自分がどれだけ試合に向けて練習できたか。そして、今までやってきたことを試合で出せるかどうか。今後のことを考えたら、自分自身がどうするのかっていうほうが大事ですよね」

――確かに。1年のブランクは気にしていないとのことでしたが、初のバンタム級戦という点はいかがですか。

「実は……完全にバンタム級でやると決めていたわけではなかったんですよ」

――えっ!?

「まず一度バンタム級で試合をしてみる。バンタム級のリミットまで落とすことは問題なくて。でも落としたことで動きが悪くなっていたら、バンタム級で戦う意味はないですよね。正直、そう思っていました。でもフェザー級のベルトを返上して、バンタム級でもタイトルマッチが組まれて――」

――もうバンタム級でやっていかざるをえなくなったと(笑)。

「アハハハ。とにかく、まずはバンタム級で試合をしてみてから――という感じです。もちろんベルトを獲ったらバンタム級で防衛戦をしないといけませんし。ただ、この階級で戦うことに対して不安はなくて。まずはこの1年間、自分がやってきたことを試合で出す。だから次のタイトルマッチは、試合内容を見てほしいです」

――この1年間で何が変わってきましたか。

「やっぱり体が軽くなると、スピードも動きも全然違います。逆に体重を落としても、組み力や体幹などは変わっていませんね。それだけ動きが良いと、スパーリングでも自分から先にペースを作っていくことができているんですよ。そうなると自分はスタミナが落ちず、反対に相手が疲れてくる。だから体重を落としたことで、どんどん自分のレベルも上がっていると思います」

――反対に、通常体重から減らしていることでストレスはないですか。

「それは無いです。ちゃんと管理栄養士さんと相談しながら、何か食べないとか無理をしているわけではないので。好きなお菓子を食べることが減ったぐらいですかね(笑)」

――それは良かったです(笑)。では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「1年振りの試合で、初のバンタム級戦です。手術をして試合ができない間も、たくさんの方にサポートしていただきました。そうして応援し続けている方たちに恩返しができるような試合を見せたいです。よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
2023年12月24日(日)
午後1時15分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

■ 対戦カード

<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 林源平(日本)
[挑戦者] 住村竜市朗(日本)

<フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
伊藤盛一郎(日本)
有川直毅(日本)

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
河村泰博(日本)
透暉鷹(日本)

<ライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
粕谷優介(日本)
雑賀“ヤン坊”達也(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
沙弥子(日本)
V.V Mei(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
ジェニー・ファン(台湾)
SARAMI(日本)

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
平田直樹(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
Ryo(日本)
栁川唯人(日本)

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)
松井斗輝(日本)

<71.5キロ契約/5分3R>
近藤有己(日本)
美木航(日本)

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
川中孝浩(日本)
佐藤生虎(日本)

<フライ級/5分3R>
眞藤源太(日本)
梅原規祥(日本)

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【Pancrase340】ヤン坊と挑戦者決定戦、粕谷優介「別にやりたくもないし、あのパンチは避けられない」

【写真】試合前は弱気一点張りの粕谷だが、ケージに入ると覚悟が決まるという (C)MMAPLANET

24日(日)に横浜市中区の横浜武道館で開催されるPancrase340で、雑賀“ヤン坊”達也とライト級KOPアキラへの挑戦権を賭けて戦う粕谷優介。
Text by Manabu Takashima

モチベーションは勝利後の子供たちとの記念撮影。そんな粕谷のMMA観は、タイトル戦線に戻ってきても何ら変わっていなかった。


――UFC後、パンクラス参戦から序盤は1勝4敗と黒星先行で厳しい状態でしたが、ここのところは3連勝で王座挑戦権を賭けて戦うまで復調しました。

「結果が出ていなかったときは、日々忙しいというのが一番でした。会社員をやりながら道場を経営して、試合に向けて調整する。そこに関して自分でも内心、『限界はあるよな』とは思っていました。道場も忙しく、仕事も忙しい。そうですね、限界かなと」

――限界を感じてもプロ格闘家を続けました。

「2年前にある日突然、格闘家ではなくて会社員であることに限界がきました。13年間働き、そこそこ責任のある立場だったのに会社を素通りして家に戻ってしまったことがあったんです。その日は休ませてもらったのですが、立場があるのにこれを繰り返してはいけないと思いました。

そのある程度の立場になったことで、仕事に対してモチベーションを保つことができなくなっていました。社長にも『ウィンカーを出したのに、会社に入れなかった。これはもう続けることはできないです』と説明をして。会社の方も相当に引き留めてくれましたが、もう行くことができなかったです」

――サラリーマンとしての収入をなくしても、道場でやっていけるということ算段は?

「う~ん、実際にやっていけるというのではなくて見込みがあるという状態でしたね。『なんとかなるかな』って。結果、仕事を辞めると単純に練習時間が増えて疲れも取れるようになりました」

――そこが好調の原因だと。

「まぁ、それだけが理由で勝てているのかは分からないですけど、シンプルに格闘技のことを考えている時間は増えました」

――プロ練習や出稽古は?

「やっていないです。時間がないので。会社員を辞めて時間が取れると思ったのですが、思いのほかパーソナル・トレーニングの予約が入ってきて」

――経営者として良いことですが、ファイターとしては以前と変わらないのでは?

「いえ、それが僕のやっているパーソナルは、は時代と逆行して『ゲロを吐くまでやらせる。優しくしないパーソナル』なんです。追い込みまくる(笑)。それなのに、なぜか受けてくれる人が多くて。パーソナルの時に僕自身も相当に体を動かしているので一石二鳥になっているのかもしれないです(笑)。

それだけで、何も新しいことをやっているわけではないので、結果が残せている理由は自分でも分からない。ガチスパーもやっていないですし、ずっと打ち込みばかりをしていて。ヘロヘロになるまで打ち込みをやる。逆にガチスパーをやっていないので、ケガがなくなったということはありますね。前回の試合は少しあったのですが……」

――では対策練習は?

「なんとなくやる程度です。結局、できることは限られてきてしまうので。くっついてバックに回る。それを確認する作業……ですね。ただ柔術は週に6度練習しています。試合のためでなく、子供たちとただ楽しくやっているようなものでも柔術の技術に関しては『よく、何もしらないでやっていたな』と以前の自分のことを思うようになりました。

それとヴァンガード柔術のレアンドロ・オカモト先生のところ……秦野には通っています。オカモト先生と生徒さんと2時間、バッチリと練習するためにその日だけはパーソナルはお断りしています。それも楽しいから行っているのですが――。

MMAのスパーリングは前回の試合前も、道場生と3回か4回やっただけですね。プロ練習のような強度の高いスパーリングは大事だと思います。でも、もう13年もやってきているので、そこはイイかなと。その分、柔術の練習で極められまくりますし。未だにエビすら、真っ当にできないので日曜日に子供と3人でやっています。柔術は強くなるためでなく、知らないことを教えてもらえるから楽しい。そうやって考えると、格闘技をやる楽しさを思い出したから、試合も戦おうと思えるようになったのかと」

――その結果の3連勝で、今回は挑戦者決定戦を戦います。

「まぁランキング的にはソロソロかとは思っていたのですが、如何せん……UFCから松嶋(こよみ)君、ISAO選手と4連敗をしたことは引きずってきました。あの4連敗を経験して、続けているということが一番自慢できることです。心は完全に折れていて、辞めたいとしか思っていなかったんです。でも、続けることができたので」

――UFCの負けの一つはアレックス・ヴォルカノフスキーが相手ですし。

「子供がUFCの凄さを理解できるようになり始めた時に『このメチャクチャ殴られているの、パパだよね』って言ってきて(苦笑)。勝った試合より、その負けが凄いと。子供たちは柔術を5年ぐらいやっているので、分かるようになったんですよね。『エビができていない』、『なんで足関節にいく?』とか『なんで、普通のフックスイープをしないの?』なんて言われています。勝ち負けでなく、そういうことを言ってくるんですよ。

でもちゃんと教えている通りに、自分も動かないといけないなって思わされます。キッズには一番安全なことを指導しているので、それは自分も同じじゃないかと。あと自分の子供は週に4日、柔術の練習をしています。土曜日は柔術と空手の2部練習。子供が週に4日やっているなら、選手としてではなく親として週に5度は練習しないといけないです。そして子供たちが頑張れという限りは、自分も頑張る。その頑張りが一番伝わるのが試合だから出ているんです。

だから試合に勝った後の記念撮影は、すぐに退場ってマイクで急かさないでもう少し時間が欲しいです(笑)。思い出創りなので、もう少し待ってくださいって。ただ試合をする限り勝ちにはこだわりますし、戦うからには強い人とやりたい。怖いからこそ、そこと戦わないと」

――結果、試合は嫌だと以前と同じことを口にする?(笑)。

「今日も会見でヤン坊選手と向き合って、嫌でした(笑)。別にやりたくもないし、あのパンチは避けられない。絶対に貰うので」

――組んでバックが勝利の方程式ですが、粕谷選手は打撃戦も展開します。

「まぁ、貰う覚悟というか殴られる前提で戦っているので」

――そこで怖さというのは?

「ケージに入ると覚悟は決まります。入るまでは殴られたくないし、ずっと寝技だけをやっていたい。でも、分かりやすく強いのはMMA。そうなると試合をするしかないですよね。殴られるのは嫌ですけど、けっこう殴られてきました。殴られることから逃げていると、勝てないです。で、そこで倒されてもそこまでの技量しかない。そうですね……勝ちたいですけど、道場で教えている人間としては勝ちも負けも両方を見せるしかない。ほんと、だから今はメチャクチャ辞め時かなって。キッズたちは『先生、結構強いぞ』と思ってくれている今こそ、そのタイミングなんじゃないかと」

――タイトル挑戦、ベルト奪取。そこから先に何を目指すのかと尋ねようと思っていたのですが……(笑)。

「でも、辞める辞める詐欺になりますよ(笑)。辞めたいけど、どうせやるんだろうって。結局、環境のせいにしたり諦めちゃう人が多い世の中なので、諦めないでズルズルやっている人もいるよ――というのを見てくれる人がいれば。別に勇気や希望を与えたいわけじゃない。見たかったら、見てくださいというテンションでしかないです。辞めないのは、他に頑張ろうと思えるものを探してもなかなか見つからないです。

こういうことを言うと『舐めている』とか『本気じゃない』って言われますけど、僕の中では全部本気でやっています。ずっと、本気でやってきました」

■視聴方法(予定)
2023年12月24日(日)
午後1時15分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

■ 対戦カード

<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 林源平(日本)
[挑戦者] 住村竜市朗(日本)

<フライ級暫定王座決定戦/5分5R>
伊藤盛一郎(日本)
有川直毅(日本)

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
河村泰博(日本)
透暉鷹(日本)

<ライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
粕谷優介(日本)
雑賀“ヤン坊”達也(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
沙弥子(日本)
V.V Mei(日本)

<女子アトム級王座決定T準決勝/5分3R>
ジェニー・ファン(台湾)
SARAMI(日本)

<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
平田直樹(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
Ryo(日本)
栁川唯人(日本)

<フライ級/5分3R>
ムハンマド・サロハイディノフ(タジキスタン)
松井斗輝(日本)

<71.5キロ契約/5分3R>
近藤有己(日本)
美木航(日本)

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
笹晋久(日本)

<ウェルター級/5分3R>
川中孝浩(日本)
佐藤生虎(日本)

<フライ級/5分3R>
眞藤源太(日本)
梅原規祥(日本)

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【Pancrase340】12・24を読む ベルトを賭けたバンタム級転向初戦、透暉鷹─01─「練習の質も上がった」

【写真】取材は12月16日に行われた。試合1週間前、初のバンタム級に向けてコンディションは良さそうだ(C) SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE340で、元フェザー級暫定KOPの透暉鷹が空位のバンタム級王座を賭けて河村泰博と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスに年間MVPの制度があれば、間違いなく2022年は透暉鷹の年だった。3試合連続フィニッシュで暫定フェザー級KOPとなり、初の国際戦となった年末のパン・ジェヒョクは大苦戦となったものの判定勝ちを収めている。4戦全勝で迎える2023年は――なんと今回の試合が初戦となった。かねてよりバンタム級転向の話は出ていたものの、なぜ試合間隔が1年も空いたのか。そして階級変更の経緯と、バンタム級で目指すものを訊いた。


――MMAPLANETでは1年振りのインタビューとなります。

「どうも、ご無沙汰しています!」

――次はバンタム級転向第1戦となります。すでに減量に入っているかと思いますが、1年前にフェザー級での試合を控えていた時と顔つきが変わらないような……。

(C)1年前の透暉鷹

「今回は長い時間をかけて落としているので、減量も順調ですね」

――そもそもバンタム級に転向しようと思った理由から教えてください。

「やっぱりフレームを考えた場合、フェザー級だと海外の選手と比べて僕は小さいじゃないですか。海外の試合を目指すならバンタム級でやっていかないといけない、と思っていました。stArt JAPANで練習させていただいている日沖発さんからも『フレームを考えたらバンタム級じゃないか』とは言われていて。ただ、同時に『適正階級は人それぞれだから、まずは1回やってみてから考えたほうが良い』という話をしていました」

――そのように考え始めたのは、いつ頃でしょうか。

「しっかり考え始めたのは手術してからですね。いろいろと考え直す時間ができて、そこから食事の内容を見直したり――」

――え!? 手術というのは……。

「去年12月のパン・ジェヒョク戦が終わったあと、関節ネズミ(関節内遊離体)の除去手術をしたんです。実は以前から両ヒジに関節ネズミがあり、練習はできるけど、ふとした時にヒジが曲がったりとか――特に試合前は痛みが出ていました。お医者さんとも相談した結果、『両ヒジの関節ネズミが悪化しているので手術したほうが良い』と言われて。まず関節ネズミをしっかり治してから、海外の試合に向けて練習しようと決めたんですよ」

――そうだったのですね。手術をしたのは今年に入ってからですか。

「今年の2月に片方のヒジを手術して、もう一方は3月ですね。一度に両ヒジを手術してしまうと生活に支障をきたしてしまうので、3週間ぐらい空けて片ヒジずつ手術しました」

――3月に手術を終え、練習を再開するまでには時間が掛かりましたか。

「スパーリングを再開したのは、7月か8月ぐらいだったと思います。それまでは走ったり、何かできることをやっているという状態でしたね」

――それだけ練習の間隔が空いてしまうと筋量も落ちてしまったのではないでしょうか。

「筋肉も体力も落ちました。体を動かしていないから太ってしまいましたし。でも5月から管理栄養士さんと相談しながら、いろいろ食事の内容を変えながら身体をつくっていくと、体重も落ちていったんですよ。すると体が軽いほうが、練習の質も上がってきて」

――その時点ではバンタム級に落とすことを念頭に体重を落としていたわけですね。

「はい。通常体重もフェザー級で試合をしている時より3~4キロは落としました。もともとフェザー級の時は通常が74キロぐらいで。そこから3~4キロというのも、ちょうどフェザー級とバンタム級の差ぐらいですね」

――なるほど。ではフェザー級暫定王座の防衛戦、あるいは正規王者であったISAO選手との統一戦も、バンタム級転向により視野からは外れたということですか。

「今年に入ってから、まず海外で試合をしたかったんですよ。でもバンタム級初戦が海外となったら、減量やリカバリーも大変になってくるので。だから日本で――できればパンクラスで、バンタム級の試合を経験したいと思いました。でもISAO選手とのフェザー級王座統一戦はやりたかったです。ISAO選手に勝ってこそ、パンクラスのベルトを巻く価値があると思っていたので」

――ISAO選手がベラトールと契約し、ベルトを返上したために統一戦は実現しませんでした。そのISAO選手がベラトール再挑戦の1試合目で、イーブ・ランジュに敗れたことについて何か思うところはありますか。

「どうなんでしょうね……。僕がバンタム級転向を決めたあとの試合でしたし、統一戦でISAO選手と戦いたかった時とは、視ている感覚も違いました。だから対戦したい相手とかではなく一人の選手として視た場合でも、特に気にはしていないです。ISAO選手が負けたから世界との差が――なんて考えはなく、そもそも自分自身と世界の間に差があるので」

――他の誰がどう、ではなくご自身のことを客観的に考えることができているのですね。

「やっぱり世界のトップと戦うには、まだ実力が足りないです。そこは冷静に見ています。まだまだ経験が足りないし、やらないといけないことも多いので。でもそれは、自分の中に伸びしろがあるんだと思っています」

――現時点で、世界で戦うために何を伸ばさなければいけないと思いますか。

「一番はストライキングです。ずっと打撃の向上については取り組んできていて、次の試合も打撃がカギになってくると思います。特に打撃からテイクダウンするまでの距離感やタイミングといったところですね」

――距離感の面では、1年前のパン・ジェヒョク戦は相手の距離感に惑わされた末の判定勝利でした。

「やりにくい相手でしたね。相性という面では、すごく相性の悪い相手でした。試合をして『強いなぁ』と感じていましたし、そのあとグラジエイターのチャンピオンになっても驚きはしなかったです。自分も試合ではスタンドでペースを掴めず、手数を出せない。かといってパン・ジェヒョク選手は腰が重いので、なかなかテイクダウンもできない。でも海外に行けば、そういう選手はたくさんいる。だから、そんな時に自分がどうすれば良いのかっていう練習もやっています」

<この項、続く>

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IMMAF MMA MMAPLANET NEXUS o PANCRASE Pancrase340 YouTube チャンネル パンクラス ボクシング ムハンマド・サロハイディノフ ライカ 井村塁 伊藤盛一郎 住村竜市朗 佐藤生虎 川中孝浩 有川直毅 村山暁洋 松井斗輝 林源平 河村泰博 田嶋涼 笹晋久 美木航 藤田大 近藤有己 透暉鷹

【Pancrase340】横浜武道館大会の追加対戦カード発表。透暉鷹がバンタム級暫定王座戦へ

【写真】会見はYouTubeで中継(C)MMAPLANET

15日(水)、都内にて12月24日(日)に横浜武道館で開催されるPANCRASE340の追加対戦カード発表記者会見が行われた。
Text by Shojiro Kameike

会見は1部と2部に分かれ、パンクラスのYouTube公式チャンネルでも中継されている。今回の記者会見で発表されたのは次の7カードだ。

ウェルター級KOP選手権試合:林源平×住村竜市朗
バンタム級暫定王者決定戦:河村泰博×透暉鷹
フライ級暫定王座決定戦:伊藤盛一郎×有川直毅
フライ級:ムハンマド・サロハイディノフ×松井斗輝
バンタム級:田嶋涼×笹晋久
71.5キロ契約:近藤有己×美木航
ウェルター級:川中孝浩×佐藤生虎


バンタム級転向のために保持していたフェザー級のベルトを返上していた透暉鷹が、転向初戦で暫定ながらタイトルマッチに挑む。対戦相手は現NEXUS王者であり、今年9月に井村塁をギロチンで秒殺してランキング1位に昇ってきた河村だ。透暉鷹にとっては2階級制覇、河村にとっては2冠王者を目指す戦いとなる。

ウェルター級は今年6月に村山暁洋を判定で下し、新王者となった林源平に住村竜市朗が挑む。野球のヘルメットを被って会見に臨んだ住村は、ややスベり気味――しかしこれが、関西特有のスベり芸なのか。ともあれ、右主体のストライカーだった林は村山戦で鋭い左ジャブでアウトボクシングを展開。一方の住村も「塩漬け上等」と言いながら9月の藤田大戦は怒涛のパウンドアウトと、新しい一面を見せ続けている両者だけに、どのような展開になるか楽しみだ。

また、近藤有己が71.5キロ契約で、これが約7年ぶりのMMAを戦う美木航を迎え撃つことに。「2年ぐらい前から試合用の練習をしていた」という美木は、これがパンクラス初参戦となる。さらにIMMAF世界王者で、9月にパンクラスでプロデビューしたサロハイディノフと、プロデビューから6連勝中の松井斗輝が対戦することも決定している。

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AB DEEP ISAO MMA MMAPLANET o ONE PANCRASE Pancrase338 RIZIN Road to UFC RYO SASUKE UFC YouTube キム・サンウォン チャンネル パンクラス ボクシング ライカ 三宅輝砂 丸山数馬 井村塁 修斗 前田浩平 名田英平 大塚智貴 平岡将英 平田丈二 新居すぐる 松本光史 海外 瀧口脩生 矢澤諒 竹中大地 糸川義人 荒井勇二 西尾真輔 透暉鷹 重田ホノカ 鈴木悠斗 高城光弘 高木凌

【Pancrase338】西の実力者、韓国の猛者キム・サンウォン戦へ。名田英平「殺しに来てくれると思うので」

【写真】ココを取れば──そんな一戦が巡ってきた(C)MMAPLANET

明日12日(日)に東京都港区のニューピアホールでPancrase338&339が開催される。そしてダブルヘッダー第一部のコメインで、名田英平が韓国MMA界の猛者キム・サンウォンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

いわゆる関西の地味強ファイター、取りこぼしがなければベルトを巻く位置にいてもおかしくない実力者は、アンダードッグ的な今回の国際戦を逆に大いになるチャンスと捉えていた。MMAPLANET初登場の名田にMMAを始めたきっかけなどを尋ね、そのコツコツMMAファイター人生のステッピングボードとなるファイトについて話してもらった。


――キム・サンウォン戦を約1カ月後に控えた名田選手です(※取材は10月9日に行われた)。名田選手とのマッチアップは彼をタイトル戦線に送り込むための一拍を置くファイトのような印象があります。

「あぁ、勿論です。そういう試合だと分かっています。それでも海外の選手をバンバン連れてきてくれた方が活気づきますし、日本人同士よりも海外の選手とやる方がファイターとして燃えます。オファーが来た瞬間、初めての国際戦だったのでテンションが上がりました」

──逆にチャンスだと。

「ハイ。Road to UFCで修斗のチャンピオンのSASUKE選手をしっかりと倒していますしね。しかも初回はSASUKE選手がゲームメイクしているなかで、2Rにワンツーで仕留める。凄く能力の高い選手ですね。当て勘も良くて、バックステップとかも見ても凄く良い選手で。きっと殺しに来てくれると思うので、どうなるか分からないですけど、やれる試合にはなるやろなと思います。踏み台にされるかもしれない試合ですけど、前回の試合に負けているのに僕を選んでくれて有難いです」

──フェザー級王座はISAO選手が返上、続いて透暉鷹選手もバンタム級に転向で返上。挑戦者決定トーナメントに関わっていた選手として、新居すぐる選手のフェザー級王座戴冠については、どのような想いでいますか。

「なんかこう面白いですよね。あの人、ずっと負け続けていたのに連勝して、RIZINでも結果を残して。練習環境を変えたのか、打撃も凄く良くなっていて。シンプルに強いです。前は極めの一発はあっても、打撃とかない選手やったのに亀井選手との試合を見て、フェザー級の選手は皆がビックリしたんじゃないですか」

──混沌としているフェザー級戦線で、名田選手ご自身では自分の位置をどのように捉えていますか。

「結果的にRYO選手に負けているし……あと2回ぐらい勝たないと挑戦は難しいと思っています」

──だからこそキム・サンウォン戦は印象として、勝てば大きいですね。

「韓国のトップ選手とやれるのは、僕のキャリアのなかで一番大きい肩書を持っている相手になります」

──では、先ほどから良い選手だと言われていたキム・サンウォンですが、改めて印象を教えてください。

「打たれ強いし、スタミナがあります。やられても圧を掛け続けることができる。粘り強いし、打たれ強い。パウンドも凄い強力で。そこも気を付けたいです」

──そのような相手に対して、どのような戦いを挑みたいでしょうか。

「今やっているレスリングもそうですし、打撃も良くなってきているので、そういうところを見せたいですね」

──今日はパラエストラ東大阪のプロ練習、竹中大地選手と瀧口脩生選手、健斗デリカット選手という実力がありながら、少し停滞気味のファイターたちとの力のこもったスパーリングが見られました。

「基本、このメンバーでやっていて。あとは林RISE選手、それと起一(ストラッサー)さんと月・金でやらせてもらっています」

──他の曜日の練習はどのようになっているのですか。

「火・木がカルペディウム芦屋で岩﨑(正寛)さんのところに行かせてもらって。ほんで水曜日は岸本(泰昭)のSISUでやらせてもらっています。あとは所属するコブラ会の夜のグラップリングクラスで、やってくる選手と練習して」

──つまり軸となるのは昼のプロ練習ということですね。

「そうですね。基本、昼に動かしてもらって。夜はコブラ会もそうだし、ボクシングジムとかで腕を磨くような練習をしています」

──そんな名田選手ですが、なぜMMAを始めコブラ会で練習するようになったのですか。

「MMAを始めたのは16歳ぐらいで、西成にあったチーム・クラッチという地下格、パワーゲートに出ているジムだったんです。友達が中三ぐらいの時からやっていて、僕は柔道をやっていたのですがMMAに凄く興味があったので、通うようになりました。その時からもうコブラ会でも練習していて。でも、じつはどっちのジムにも二カ所で練習していることは言い辛くて黙っていたんです」

──ハイ。

「でも試合に出る時にチーム・クラッチから出ることになって、まだ昔の慣わしがあった頃で二つの所属って無理だったんですよね。その試合で勝って──17歳の時だったんですけど、もっと強くなりたいと思ったのでコブラ会一本で練習するようになりました。もう12年とか前の話です」

──当時と比較すると、パンクラスのMMAもプロ練習もあり、交流もあって凄く変わりましたね。

「ハイ。組み技が凄く強くなりました。打撃は昔から強いジムはあったのですが、特に組み技……レスリングも身近になりました。岩崎さんが来てくれてから、凄く良い環境になっていますね」

──キャリア的にはDEEPからパンクラスで戦ってきましたが、久しく大阪大会が途絶えたパンクラスに拘っているのは?

「単に強いヤツが多いからです。高木凌選手とか、こないだはRIZINで負けてしまったけど、あの選手のストレートとか凄くヤバいです。イケメンやし、そういう選手に勝ちたいんです」

──そういうイケメンの選手を倒して(笑)、ベルトを目指すと。

「ベルトもそうやし、やっぱり今回のように海外の選手とやっていきたいですね。ここに勝っての話ですけど、海外勢にとってパンクラスの門番のようになって──いずれは海外でも試合がしたいです。ONEとか、アジア圏で」

──そこに向けて、絶好のアピールになるのが今回のキム・サンウォン戦かと思います。

「そうですね。しっかりと戦って、倒す──相手よりしんどいことをやって、しっかりと勝ちたいです」

■Pancrase339視聴方法(予定)
2023年11月12日(日)
午後5時~ PANCRASE YouTube チャンネル、U-NEXT、TIGET/PPV(英語のみ)

■Pancrase339対戦カード

<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
西尾真輔(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
矢澤諒(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
丸山数馬(日本)

<ミドル級/5分3R>
佐藤龍汰朗(日本)
荒井勇二(日本)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
岡田拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
濱田巧(日本)
大塚智貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
谷内晴柾(日本)

<ストロー級/5分3R>
米山唯人(日本)
織部修也(日本)

■Pancrase338視聴方法(予定)
2023年11月12日(日)
午前11時45分~ PANCRASE YouTube チャンネル、U-NEXT、TIGET/PPV(英語のみ)

■Pancrase338対戦カード

<フェザー級/5分3R>
三宅輝砂(日本)
櫻井裕康(日本)

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
重田ホノカ(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
寺岡拓永(日本)

<バンタム級/5分3R>
高城光弘(日本)
平田丈二(日本)

<フライ級/5分3R>
萩原幸太郎(日本)
前田浩平(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
上田智大(日本)

<フライ級/5分3R>
饒平名知靖(日本)
金澤臣人(日本)

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Black Combat DEEP DEEP115 KOMA MMA MMAPLANET o RIZIN UFC YouTube キム・ソンウン シン・スンミン タクミ チェ・ジュンソ パク・シウ パク・シユン パン・ジェヒョク 北岡悟 大島沙緒里 平良達郎 浅倉カンナ 海外 神田コウヤ 透暉鷹 鈴木槙吾 青井人 駒杵嵩大

【DEEP115】あの惨敗を忘れてはならない。北岡悟がDEEP X BC対抗戦を振り返る─01─「大島だけは……」

【写真】終わってみればアウェイで圧勝。そして会場の雰囲気は決してアウェイでなかったBlack Combat勢(C)DEEP

9月18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦で、ホームのDEEPは2勝5敗と惨敗を喫した。
Text by Manabu Takashima

ヘビー級、ウェルター級、ライト級、バンタム級、JEWELSも含め2階級制覇、5人のチャンピオンが全て敗れるという想いもしない結末に終わった。今、国内で圧倒的に勢いがあるDEEPのトップが、韓国MMA界に伸し上がってきたBlack Combat勢に完敗。この情景を同大会のTV中継ブースから眺めていた北岡悟に、どう対抗戦を振り返ってもらった。

時間の流れが早く、一つの勝ち、一つの敗北が消化され忘れ去れる現代社会において、この敗北は胸にとどめておかなければならない。そのためにも北岡の感想をぜひとも聞きたかった。そして対抗戦には興味がないと企画そのものを根底から覆す発言が早々に聞かれたなかで一つ一つの勝負として、振り返ってくれた北岡の言葉から改めてMMAとは何かを考えさせられた。


――DEEP ✖ Black Combatの解説をされていましたが、DEEP勢が2勝5敗という予想外の惨敗に終わりました。今回はライト級ファイターとしてではなく、日本のMMA界関係者としてこの対抗戦について振り返っていただいたいと思っています。

「ハイ。解説もするのでBlack Combatの選手の試合を動画でチェックしようと思っていたのですが、ハングルで書いてあるからどこに何があるのか分からなくて(苦笑)。結果、MMAPLANETの中村拓己さんのプレビュー記事を読んで勉強したぐらいで。あとは大島沙緒里選手の相手のパク・シユンが、赤林檎選手と戦った試合だけYouTubeで視ることができました(笑)」

──そうなると我々もそうですが、勝敗予想をする時に過去の実績を重視する傾向になりがちです。

「そうですね。誰に勝っているのか、とか。そんなもんですよね」

──その線で行くとDEEPの4勝3敗、もしくは5勝2敗もあると思っていました。この辺り、北岡選手はどのように考えていましたか。

「結局、映像を視ることができなかったので──僕としては、大島選手だけは固い。大島選手はどう転んでも極めて勝つと思っていました。ただ、この取材を根底から覆してしまうのですが、当日もアナウンサーの方が対抗戦ムードを凄く大切にしていたけど、僕はもうそんな気持ちでは見たくなかったんです」

──本当に根底から覆してしまう一言です(笑)。

「フラットに見たいって、冷や水をぶっかけてしまって(笑)。高島さんも日本を強くしたいって、そういうナショナリズムを持っているじゃないですか」

──ナショナリズムというのか、やはり日本人選手がUFCで勝って欲しい。そこがこの仕事を続ける起因となり、帰結しています。

「僕、日本としてっていう気持ちが余りないんですよ。もちろん、近しい選手には強くなってほしいし勝って欲しい。でも日本でもそれほど関係ないジムと、海外のジムは変わりないというか……。いたずらなグローバルな気持ちがあるというか(笑)。協力し合える関係、リンクしている選手、練習を一緒にしていたり、それこそ過去に戦ったことがある選手が気になるし、勝って欲しいというような姿勢ですね。だからDEEPとBlack Combatの対抗戦でも韓国人選手の中で、仮に個人的に近い選手がいれば、その選手を応援しますし。

ぶっちゃけて僕にとっては平良達郎選手が、UFCで勝っていても外国人選手が勝っているのと変わりないんです。正直なことをいえば。まぁ、そういうところがあってDEEPという場所で、コレが行われているから、という想いはあるけど──別にそこまでではなくて」

──とはいえ今、国内でRIZINを除けば圧倒的に勢いのあるDEEPです。

「ハイ、まさに圧倒的に。その通りだと思います」

──対して、韓国MMA界を席巻しているのがBlack Combatです。両プロモーションの王者、あるいはトップ対決は日韓の力を見比べる良い機会であるとは思っていました。そういうなかで日本人選手と韓国人選手の対戦として──の第1試合、駒杵嵩大選手がキム・ソンウンに勝った時はどのような印象を韓国勢に持っていましたか。

「こんな感じかと、1試合目は思いました。キャリアも浅い選手ですし、謎のブリッジを決めるとか身体能力は高かったですが、こんな感じかっていう風でした。

駒杵選手は攻撃力があって良い選手だと分かっているので、こんな感じで始まるのかと。そんな風に見ていましたね」

──続いて解説で絶賛されていた青井人選手が、シン・スンミンにTKO勝ちして2連勝になりました。

「青井人選手は最初に出てきた時、児山(佳宏)君やタクミさんをぶっ飛ばしていたけど、その後はちょっと沈滞気味で、RIZINでもパッとしなかったので良い使われ方をしなかった。DEEPでも神田コウヤ選手にはヒジでやられていましたよね。だから、これだけ良いんだと……。

シン・スンミンも圧力がある選手で、結果的に相性が悪かった。今の青井選手とは。シン・スンミンは最後まで圧があったけど、それを青井選手が捌き切っていました。

ビビっていないし、バランスがずっと良いままでした。位置取りが良くて、打撃は細かいのも、強いのも変化を加えたのも出す。対角線の攻撃も良かったです。

加えてアプローチ・アタックも入れる。松嶋(こよみ)君とも『青井人が良かった』という話をしましたからね。それは青井人選手が、ここまで良すぎると神田選手とのタイトル戦の可能性があるから松嶋君の今後にも関わってくるからですけどね」

──それだけ良かったということですね。

「あれだけ良いと、否定できないです。相手もBlack Combatのチャンピオンだし、パン・ジェヒョクに勝っている。つまり、そういうことです。パン・ジェヒョクと戦っている日本人は(河名)マスト、亀井(晨佑)選手、そして透暉鷹選手ですよね……。うん、乱暴な三段論法でいえば青井人の方が強いだろって。レベルは、そりゃそうだろって」

──この試合で覚醒したという感覚ですか。

「いや、状態が整ったということじゃないでしょうか。元々良いモノがあり、ここまで仕上った。選手として整った状態じゃないかと思います」

──続いてウェルター級王者の鈴木槙吾選手が、ミドル級で戦ってチェ・ジュンソにKO負けを喫しました。

「ちょっと体格差のある相手が、リーチ差を生かしたジャブを突いてきた。相手としては当たり前のことをやったに過ぎない試合です」

──チェ・ジュンソは均整が取れていました。

「鈴木選手も打撃に良いモノがあって、復帰後は住村(竜市朗)さんと阿部(大治)をKOしている。その割に、厳しかったですね」

──そして絶対だと思っていた大島選手の敗北です。

「大島選手の試合だけは、対戦相手の勉強を事前にできていたので。パク・シユンは赤林檎選手を相手にテイクダウンも取れなかったし、打撃でボコボコにはされていないけどまぁ勝ち目はなかった。対して大島選手は浅倉カンナ選手、山本美憂選手に勝っていて。パク・シウと1勝1敗の選手で、日本ではミクロ級は当然としてアトム級でもトップの選手です。

ただパンチを練習していて、それを出して組んでとパク・シユン戦ではなくて、この先のことを見越した戦いをしていたように感じました。まぁ、それも選手としてやって然りなんですけどね。ただし、試合をリードされていたのに戦い方を変えなかったのは、どうなのかと。

スパーリングや、グラップリングの試合だったら、大島選手が極めてしまうと思います。だから、これはMMAの試合ならでは。そう思います。

大島選手の気強さ、良さは出ていたと思いますが、MMAとしては良くなかったです。ダブルレッグとかもともとある選手ではない印象ですけど、そこで引き込んでからのアテンプトはあった。この試合に勝つなら、あの仕掛けは悪くないし、賢い選択だったと思います」

<この項、続く>

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