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【ONE113】青木真也が予想するONE世界ライト級選手権試合──勝者:クリスチャン・リー「ワンサイド」

【写真】ハッキリとユーリ・ラピクスは強くないと断言した青木 (C)ONE & MMAPLANET

いよいよ本日、 30日(金・現地時間)にイベント開催となるONE113「Inside the Matrix」。

4大タイトルが組まれた今大会、同階級で戦う選手に世界戦を予想してもらう──シリーズ第7回目は、青木真也がONE世界ライト級選手権試合、王者クリスチャン・リー✖挑戦者ユーリ・ラピクスの勝利者予想とその理由を語った。

青木真也の予想
勝者:クリスチャン・リー
理由
「クリスチャンのワンサイドだと思います。ラピクスはあんまり強いと思っていないです。だってシャノン・ウィラチャイと3R戦っているんですよ。本当に強ければ、ウィラチャイは試合になっていないはずです。

それがズバリなところで。無敗とかっていう勢いを望むONEらしいタイトル戦ですよね。だいたい次の挑戦者は下石(康太)選手とフォラヤンに勝ったピーター・バウシュトだと思っていましたからね。ラピクスが来るとはホントに思っていなかったです。ONEの悪いところであり、良いところでもありますよね──こういうタイトルマッチは。

クリスチャンは僕、そしてダギ(ザイード・フセイン・アサラナリエフ)を越えています。僕以上にダギだと思うんです。でも、結果的にクリスチャンを一番追い詰めたのは俺になるなって思っていて……。クリスチャンとラピクスはMMAとして違いがあります。体格差もラピクスが思っているほどないだろうし。クリスチャンが圧倒して途中で仕留めるかなって。

でも……僕はこの試合より面白いなぁって思っている試合があるんです」

<この項、続く>

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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Interview ONE ONE Inside the Matrix ONE113 クリスチャン・リー ブログ ユーリ・ラピクス

【ONE113】「K-1もMMAも同じ」&「青木は70キロで戦うべき」クリスチャンに挑戦ユーリ・ラピクス─02─

【写真】一本と叫びたくなる払い腰をマラット・ガフロフに決めたラピクス (C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でクリスチャン・リーが持つONE世界ライト級王座に挑戦するユーリ・ラピクス・インタビュー後編。

ジョルジオとアルメンのペトロシアン兄弟とジムと同じ建物で生活し、両者に心酔しているラピクスだが、ペトロシアンは世界最高のストライカーとはいえ、それはキックボクシングでの話だ。

MMAを戦うラピクスが、なぜMMAを始め、どうしてペトロシアンと合流したのか。そしてペトロシアンとの練習がどのようにアドバンテージにあるのかを尋ねた。そして陽気なイタリアンとは完全に一線を画した、東欧&旧ソ連マインドがソビエト崩壊後に生まれた彼からも、ヒシヒシと伝わってきた。

<ユーリ・ラピクス・インタビューPart.01はコチラから>


──最初にMMAを始めたのはどういうジムだったのですか。

「僕がMMAを始めたパラエストラは凄く小さくて、MMAの経験がない人間が多くいたところだよ。ミラノにあったパラエストラだけど、名前も覚えていないなぁ。でも、1年ぐらいでペトロシアンのパラエストラに移ったんだ」

──あのう……そのパラエストラというのは?

「あぁ、イタリアではジムのことはパレストラと呼んでいるんだ」

──えぇ、そうなのですか!! ギリシャ語で勇者(パリカリ)を養成する場所がパラエストラと言うことは日本にも伝わっていたのですが、イタリアでも同じなのですね。ところでペトロシアンのジムはMMAのクラスもあったのですか。

「なかったよ。僕は柔道をやっていたから寝技には自信があった。でもMMAファイターとして打撃の修得が必要だと思ったんだ。だからペトロシアンのところで練習を始めたんだ。

MMAが普及して、結果的にペトロシアンのジムでも、MMAを採り入れることになった。ジムに大人の柔術クラスはないけど、MMAファイターのジュリアーノ・パデッサがキッズには柔術の指導を始めたんだ。今ではジムに根づいているよ」

──ペトロシアンと打撃の練習をすることは、MMAファイターとしてどれだけアドバンテージがあるのでしょうか。

「ジョルジオと練習できることを、今でも凄く光栄に思っている。ベストストライカーと練習できるなんて、他のMMAファイターにはない環境だからね。

ただし彼は世界最高のキックボクサーだ。彼と同じことができるわけがない。でもジョルジオと練習することで、メンタル面が鍛えあげられる。そのおかげで僕のゲームは変わったんだ」

──ペトロシアンの距離感、カウンター、キックボクシングおいて世界最高の芸術品だと思います。ただし、MMAとキックは距離もタイミングも違います。ペトロシアンから学んだことをユーリは自身でMMA用にアジャストしているのですか。

「タイミングも距離も、MMAもK-1も同じだよ」

──えっ?

「もちろん、テイクダウンがあるから距離は違うともいえるよ。ただし、拳が当たる距離やタイミングはMMAもK-1も同じだよ。パンチもキックも変わらないようにね」

──その打撃はクリスチャン・リーに挑戦するうえで最大の武器になるのでしょうか。

「勿論だよ。体も僕の方が大きいし、パワーは絶対的にこっちが上だ。パワーと打撃の違いで、僕はチャンピオンになる」

──ではクリスチャンのどこを最も警戒しないといけないですか。

「特に気を付けることはない。確かにクリスチャン・リーはウェルラウンダーだ。でも、何も気にする必要はない。この試合で僕が証明することは何もない。ただ全力で戦い、ベルトを巻く。それだけさ」

──なるほど。では、ファンにどのような試合を届けたいと思っていますか。

「ベルトを巻く以外に、何かをしようとは思わない。誰かに何かを示したいなんて、まるで考えていない」

──……。ところでONEライト級には青木真也という日本人ファイターがいます。いずれ、拳をかわすことがあると考えていますか。

「凄く良い選手だ。ただしシンヤ・アオキは77キロでなく70キロで戦うべきだろう。この階級では細すぎる」

──でも前世界王者ですよ。

「だから、僕は彼が悪いファイターだとは言っていないよ。でも、彼は70キロで戦った方が77キロより適していると言ったんだ」

──……押忍。今日はありがとうございました。

「こちらこそインタビューの時間を取ってくれて、ありがとう」

──いえ、それはこちらの言葉です。

「そんなことはない。感謝しているよ。そして日本のファンに喜んでもらう試合をすることを約束する」

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】ライト級王座に挑戦ユーリ・ラピクス─01─「ペトロシアン兄弟とジムの上に住んでいる」

【写真】言葉の端々からジョルジオ・ペトロシャンを崇拝していることが伝わってくるラピクス(C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でクリスチャン・リーが持つONE世界ライト級王座にイタリア在住のモルドバ人選手=ユーリ・ラピクスが挑戦する。

ONEでの戦績は2戦2勝、2月の元フェザー級王者マラット・ガフロフを払い腰で投げ、RNCでアッという間に破った。とはいえ、彼の実力はまだまだ未知数。モルドバ人で、ジョルジオ・ペトロシアンと練習していながら、MMAファイターとして14勝0敗というラピクスとは、どのような人間なのか。

コロナ禍の気の持ちようからも、我々とはかなり違うメンタルをラピクスは有しているようだ。


──イタリアは欧州で最初にCOVID19の感染が大きく広まった国です。また寒い季節を迎えフランスやチェコなどと同様に感染者数が多くなっています。まず、3月の段階でユーリにはどのような影響があったでしょうか。

「正直なことを言えば、僕自身は新型コロナウィルスの影響はあまり受けていない。君の言ったようにイタリアでは大きな問題になっていたけど、僕はジョルジオとアルメンのペトロシアン兄弟とジムの上に住んでいるから──言ってみれば、凄く長いトレーニング・キャンプをしてきたようなものだよ。

唯一の問題は5月から延期されていた世界戦がいつ組まれるのかということだけだった。トレーニングに関しては、普段よりもずっと練習できていたからね」

──ロックダウンでジムなどは封鎖にならなかったのですか。

「自由気ままに外出することはできなかったけど、さすがに自宅のある建物内の移動は自由だろう?」

──4月には新型コロナウィルスの実情が今ほど掴めておらず、また医療崩壊が現実化していました。感染を恐れることなく練習を続けていたのですか。

「もちろん心配はしていたよ。特に母が感染しないようにね。パンデミック後、母の下を訪れることはしなくなった。ジョルジオとアルメンとは共同生活をしているから、感染予防を考えながら練習を続けたんだ。外出を控え、他の人と接触はしないようにしてね。ただ、それも自分が感染する心配よりも、母のことを考えての行動だったといえるかな」

──最近になるまで感染がある程度コントロールできていた感もありますが、この間に世界戦が正式に決まりました。それからの調整に新型コロナウィルス感染の影響はなかったですか。

「もちろん、いつも通りにはいかない部分はあったよ。特にスパーリング・パートナーを見つけるという部分で。でも、何とかなったし、何よりもジョルジオとアルメンとは5カ月に渡り練習を続けてきたからね。だから、スパーリング相手は限定されていたけど、大きな問題ではなかった。

今では心身ともに100パーセント仕上がっているよ。いつでも戦える状態さ」

──ところで日本のMMAファンはユーリ・ラピクスのことをまだ余り知らないのが本当のところです。皆が知っているのはモルドバ人で、イタリアのペトロシアンのジムに所属しているということ。ユーリはイタリアではなく、モルドバで生まれ育ったのでしょうか。

「そうだよ。15歳までモルドバに住んでいた。ただ母がより良い仕事を求めてイタリアに働きに出ていて、数年経ってから僕を迎えに来たんだ。僕も一緒にイタリアで新しい人生を歩もうって。

モルドバは知っての通り貧しい国だ。仕事環境も生活環境もイタリアの方が良いから、母は僕をイタリアに呼んでイタリアで生きる選択をしたんだよ」

──もともと格闘技との出会いは?

「7歳から柔道をやっていた。子供だったしナショナル選手権に出るとかそういうことはなかったけど、地域の大会では優勝しているよ。イタリアに来て、MMAを始めてからは僕にはこっちの方が才能があるって気付いたんだ。

モルドバにいるときからMMAに興味はあったんだけど、家の近くで練習できる場所がなかった。そういう現実問題があったけど、イタリアではジムを見つけることができたんだ」

──ユーリが15歳の時だと、今から10年前ですがイタリアではジムが普通に見つかるほどMMAは定着していたのが驚きです。イタリアはキック人気の高い国というイメージだったので。

「確かに2010年頃、イタリアでのMMA人気はそれほど大したものじゃなかったよ。だから、練習場所が見つけられたのは運が良かったのかもしれない。ただし、その後MMA人気はあがり、今では練習場所は簡単に見つかる状態だよ。

とはいっても、キック人気と比較できる状態ではまだないけどね。なんぜジョルジオ・ペトロシアンがキックボクシングには存在しているのから。でもMMA人気は凄くあがっているよ」

<この項、続く

■ONE113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】ラピクスの挑戦を受けるONEライト級王者クリスチャン・リー─02─「それが僕の狙いだ」

【写真】昨年10月の日本での試合がワールドGP決勝だったため、今回がライト級王座の初防衛戦となるクリスチャン (C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でユーリ・ラピクスを相手にONE世界ライト級王座防衛戦を戦うクリスチャン・リー・インタビュー後編。

キャリア14連勝かつ未知な部分の多いラピクスに対し、クリスチャンは油断することなく、また自分への絶対の自信を持っていた。

<クリスチャン・リー・インタビューPart.01はコチラから>


──そんななかでアンジェラとブルーノは柔術アカデミーをオープンし、赤ちゃんまでつくっちゃって凄いですね。

「アハハハハ。柔術ジムのオープンを決めた1カ月にパンデミックが起こって、全てが閉鎖されたんだけど、幸運なことに2人ともしっかりと計画を進めてきた。そして、アンジェラが妊娠したことは僕も凄く嬉しいよ。ずっと2人が願っていたことだからね」

──本当に良かったです。ところで今回の挑戦者ユーリ・ラピクスです。

「もともと5月に戦う予定だったけど、10月になってようやく戦うことができるようになったね」

──私はエドゥアルド・フォラヤンに勝ったピーター・バウシュトが挑戦者になるかと思っていたんです。

「確かにね。僕らの試合が決まったあとでランキングが発表されて、ラピクスが1位になっていた。ピーターは3位だったと思うけど、次は自分の番だと思っているに違いないね」

──現状ラピクスの実態が分かりません。どのようなファイターだと捉えていますか。

「彼は危険なファイターだよ。多くの人の間違いは、ユーリ・ラピクスのような選手を軽く見ることだ。ONEでは2試合しか戦っていないかもしれないけど、彼は14連勝中の選手でずっとフィニッシュしてきている。ユーリのハングリーさが、この戦績に通じている。無敗で自信を持っているはずだから、僕との試合でもフィニッシュを狙ってくるに違いない。つまり、良い試合になることが期待できる。僕もこの試合のために途轍もないハードトレーニングを積んできたからね」

──ONEライト級でも特にサイズが大きいように感じます。

「確かに、少し大きいだろうね。でもマーシャルアーツだ。対戦相手が僕の2倍大きくても、戦うものだから。この階級にしては大きい……ぐらいのことは問題じゃないよ」

──彼のどのような攻撃に気を付けないといけないと思っていますか。

「パンチが重いね。蹴りも、同様だ。でも、気を付けないといけないのはレスリングや柔道だろうね。マラット・ガフロフを投げて、バックを取って勝った時のような試合を僕にもやろうとしてくるに違いない。その攻撃が、彼の最も得意とするところだろうからね」

──あの払い腰に対して、クリスチャン・リーはバックを制することができると思うのですが……。

「イエス。それが僕の狙いだ。準備はできているよ」

──ところでラピクスがケージで戦っている試合映像がなかったのですが、クリスチャンは見つけることはできましたか。

「ONEでもリングだし、それ以前の試合は見つけることすら難しかった。初めてケージで戦う可能性もあるね」

──コーナーのないケージで戦うことは、クリスチャンにとって優位になると考えていますか。

「一つ言えることは、ケージでの経験は僕の方があるということ。そして、僕はリングよりケージの方が戦いやすいと感じている。ただし、ユーリだってこの試合に向けてケージでの戦い方を研究しているに違いない。だから、そこが大きなポイントになるとは思わないよ」

──打撃とテイクダウン、スクランブルと柔術。そのトランジットがよりスムーズ……というより一体化しているのが、クリスチャンかと思います。

「サンキュー。総合力では僕が上回っている。そして100パーセント、自分に自信を持っている。タイトル防衛だけでなく、ユーリを仕留めるよ。何ラウンドで終わらせるのかっていうことは言及できないけど、少しでも速くフィニッシュするつもりさ」

──この大会はパンデミック後、初の大規模なONEの大会になります。

「このビッグ・メガ・イベントで戦えることを、とても嬉しく思っているよ。今年一番、注目されるONEの大会になることは間違いないからね」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「前回、日本で試合をしてファンの素晴らしさを肌で感じることができた。10月30日の試合に勝って、また日本で戦いたいと思っているよ。いつも、サポートありがとう!!」

■ONE113 Inside the Matrix対戦カード

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[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】ラピクスの挑戦を受けるONEライト級王者クリスチャン・リー─01─「新婚旅行から戻ると……」

【写真】昨年10月の日本大会で、姉アンジェラがONE世界女子アトム級王座を防衛し、クリスチャンは急遽出場のライト級ワールドGP決勝で勝利した。1年振りのファイトを戦うクリスチャン、アンジェラは妊娠で休養に入っている(C)MMAPLANET

30日(金・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE113「Inside the Matrix」でクリスチャン・リーが、ユーリ・ラピクスを相手にONE世界ライト級王座防衛戦を行う。

昨年5月に青木真也を破りベルトを巻いたクリスチャンは、10月の日本大会でザイード・フセイン・アサラナリエフを倒しワールドGP優勝も果たした。

そのクリスチャン、今年の2月末にハワイで挙式を済ませ新生活のスタートを切っていた。その直後に始まったニューノーマルを、世界ライト級チャンピオンはどのように過ごしてきたのか。ハワイのMMAの状況とともに語ってもらった。


──クリスチャン、お久しぶりです。シンガポールにはいつ、入ったのでしょうか。

「昨日の早朝だよ(※インタビューは10月23日に行われた)。パンデミックが始まってから、初めてオアフを離れたよ。今はホテルで隔離されている形で、2度検査もした。色々と新しい状況のなかにある感じだね。ONEは感染予防プロトコルに則して、アスリートの安全を確保してくれているよ」

──大会には250人とはいえ、ファンの来場も可能になりました。

「本当に?! いくら限られているからといってもファンがスタジアムで試合を見ることができるのは本当に良いことだよ」

──ところでクリスチャンには「結婚おめでとうございます」という言葉をずっと以前にかけるべきでしたが、ノビノビになってしまっていました。2月の終わりに結婚式を挙げた時には4月にはどこかの国で直接告げることができると思っていたので。

「おぉ、ありがとう。そうだね、式の頃にはアジアで感染が広まってきていたから、僕らもハネムーンをアジアからカナダに変更したんだ。そうしたら、世界的なパンデミックが起こった。ハネムーンから戻ると、すぐにロックダウン状態になったのでこの点においてはラッキーだったよ」

──新生活と同時に、ニューノーマルがやってきたということですね。

「本当だ(笑)。この状況は全人類に関係しているけど、僕らは適応していくしかない。家族が安全に過ごせて、問題がなかったから言えることだけどね」

──練習にも当然のように影響が出たと思います。

「まず3月にはジムを閉めて、一般クラスの指導はできなくなった。でも、ユナイテッドMMAは僕らの家族が経営しているから、僕がジムを使うことは問題なかったんだ。だから、家族内でトレーニングを続けて、この試合の契約を結んでからはフルキャンプでハードトレーニングを積んできたよ」

──その状況でいつものようなキャンプを張ることはできたのですか。

「そうだね、ほとんどがブルーノ(プッシ)と父とやってきた。あとはごくごく親しい選手と、必ず検温をして最大限で5人までという少人数で練習してきたんだ。可能な限り安全な状態で、可能な限りハードなトレーニングをね」

──今、ハワイは昨年のPFLにおけるレイ・クーバー3世に続き、カイ・カマカ3世がUFCと契約するなど若い世代が活躍していますが、やはり出稽古などはできる状況ではないということですね。

「そうだね、ハワイは凄く才能豊かなファイターがいるけど、僕のトレーニングがユナイテッドMMA内でしかできないように、皆がスモールグループでトレーニングしている状況だね。それでも、ちゃんと準備はしてきたよ」

──マックス・ホロウェイがリモート・トレーニングしか行わないで、アレックス・ボロカノフスキーに挑戦したのは驚かされましたが……。

「イエス(笑)。あの試合内容で判定負けは気の毒だったけど、僕もスパーリングなしでUFCの世界戦で戦うなんて凄く驚かされたよ。実際、ジムは閉まっていてもメインランドと比較するとハワイの感染者数は少ないし、スパーリングはできたはずだよ。でもマックスは息子や家族の安全を一番に考えて、あの調整方法を選んだんだと思う」

──このような現状ですが、多くの選手が外にも出られない期間に自宅でトレーニングを続けてきて、コンディションが上がったという言葉もまま聞かれます。

「僕もだよ。現状、体調は過去最高だ。本来、試合前でも僕は1日に4時間、指導をしている。そうなるとスケジュールもタイトで、疲労も抜けにくい。でも、今回は自分の試合のことだけ考えて調整することが可能だったからね」

──ハワイではまだ一般会員の人達の練習は許されていないのですか。

「まだジムも閉まったままだよ。フィットネスジムも3月から休館になっている。本当にジムを閉める人も少なくないし、ビジネス的には大打撃を受けているよ」

──……。ハワイ自体が感染者数を抑えることができるのも、一番の産業である観光客がやってこないからですしね。ここは複雑です。

「COVID19で産業、ビジネス活動が遮断されてしまった。凄くタフな状況だよ。幸いにも僕らの家族がそうなっていないことに感謝しているよ」

<この項、続く>

■ONE 113 Inside the Matrix対戦カード

ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
アントニオ・カルーゾ(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

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【ONE113】ONEがついに10月30日のスーパー・メガショーを公式発表。まずはMMA世界戦4試合から!!

【写真】ついにパンデミック以前の規模のイベントを本拠地シンガポールで行うONE Championship (C)KEISUKE TAKAZAWA & MMAPLANET

5日(月・現地時間)、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長が自らのSNSで10月30日(金・同)にONE113「Inside the Matrix」を開催し、4つの世界タイトル戦を組むことを明らかにしている。

ONEもいよいよCovid19パンデミックによる活動休止期間以前の規模のイベントを実施、いやそれ以上のスーパー・メガイベントが行われることがCEOのSNSに続き、6日(火・同)にオフィシャルオームページで明らかとなった。


10月のビッグショーはかねてからONE周辺で話は伝わっており、日本では9月のRoad to ONE03後に青木真也が「これで出られないと嘘でしょ」という発言もしていた。一部では10月9日のONE112「Reign of Dynasties」によって、シンガポール政府のGoサインが出るか否かの決を下すという情報もあったが、ここを待つまでもなく許可が下りたと捉えることができる──今回の発表だ。

日本人戦出場選手を含め、大会の全容はまだ見えてこないものの、4つの世界戦が組まれることでONEがどれだけ30日のシンガポール大会に力を入れているのかは容易に想像がつく。

そして今回発表されたMMA4階級の世界戦は以下の通りだ。

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ライニア・デリダー(オランダ)

王者ンサンはミャンマーの国民的ヒーロー。

2017年6月に同級王者となり、今回が3度目の防衛戦で、この間にライトヘビー級王座にも就き、ヘビー級世界王者ブランドン・ヴェラの挑戦を退けている。現状ではONEのMMAで唯一のチャンプ・チャンプだ。

デリダーは昨年1月からONEに参戦を始め、3連勝中。今年の2月にレオナルド・アタイジに勝利し王座挑戦権を手にしていたが負傷により、この機会を他者に譲ることになっていた。

その後のパンデミックでONEもリスケが必要となり、今回の挑戦が現実のものとなった。

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者]ユーリ・ラピクス(モルドバ)

クリスチャン・リーは昨年5月に青木真也から同王座を奪取し、10月の日本大会では決勝から出場となったONEライト級GPでダギことザイード・フセイン・アサラナリエフをTKOで下し優勝。

ライト級でもトップファイターであることを世に知らせしめている。

対するラピクスはジョルジオ・ペトロシアンと同門のイタリア在住モルドバ人ファイターで、キャリア12連勝でONEと契約。

2戦目となった今年2月のインドネシア大会で元フェザー級世界王者マラット・ガフロフを払い腰で投げてRNCで秒殺し、次期タイトルチャレンジャーの座を手にしていた。

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]タン・リー(米国)

ベトナム系豪州人世界王者のウェンは2017年4月にフェザー級王座を獲得し、クリスチャン・リー、ジャダンバ・ナラントンガラグ、そして松嶋こよみを破り3度の王座防衛に成功している。

その一方で、同級王座獲得の7カ月後にライト級王者も奪取。ONE史上初の同時3階級制覇を狙いバンタム級王者ビビアーノ・フェルナンデスに挑戦も敗れる。この敗北によりフェザー級のベルトを守ることに専念することになったウェンは、サンフォードMMAの同門ンサンとともに、キャリアのピークを迎えようとしているONEを代表するチャンピオンだ。

ついに北米トップ級の力を持ったファイターがONE世界王座に挑む。

ベトナム系米国人のタン・リーは、ニューオリンズで競技でなく武道としてテコンドー道を邁進してきた選手でTUF出場、コンテンダーシリーズでKO勝ち、LFAではフェザー級暫定王者にもなった。グラスルーツからUFCに進出してもおかしくない力の持ち主が、ONEと契約しユーサップ・サーデュラエフ、朴光哲、高橋遼伍をKOで仕留め──ベトナム人同士の世界戦に臨む。

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]ティファニー・テオ(シンガポール)

パンダことヂィンナンは2018年1月に今回の挑戦者ティファニー・テオを下した初代同級チャンピオンの座に輝くと、これまでアンジェラ・リーを含め3度の王座防衛を果たしている。

昨年10月に階級を下げてアンジェラの持つ女子アトム級王座に挑戦も、減量の影響は大きくRNCで敗れ、ストロー級こそ彼女の階級であることが立証された。現在はシンガポールのEvolve MMAの所属選手となっており、ホームで4度目の王座防衛を迎えることとなった。

他方テオはヂィンナンとの世界王座決定戦で初黒星を喫してからは、柔術界の女帝ミッシャル・ニコリニと日本の三浦彩佳を破り連勝中。

ニコリニに寝技を防ぎ、三浦の首投げにも対処して打撃からパウンドで仕留めたテオは、王座決定戦出場時より評価を高めている選手だ。在籍チームではなく、国籍としてもシンガポールが母国のテオが2月に続き無観客大会を戦う。

超豪華なMMA世戦4試合──過去にONEのMMA戦線では、Super Series導入以前の2014年8月のUAEドバイ大会でフェザー級からミドル級まで4階級の世界戦を予定していたが、ミドル級が実現せずに3階級のみが実施された過去がある。30日大会は立ち技の世界戦や日本勢も含めONEの総力戦になることが予想されるだけに、その全容が気になるところだ。

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