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高田延彦とヒクソン・グレイシーが再会し柔術トレーニング「濃密で至極な時間」

覚悟の言葉 悩める奴らよでてこいや! (ワニブックス〈plus〉新書) [ 高田延彦 ]


 2024年1月28日、髙田延彦が米国カリフォルニア州ロサンゼルスで、ヒクソン・グレイシーと柔術家として、再会した。

 インスタグラムに「LAを訪れ Mr.ヒクソン・グレイシーの指導を仰ぐ」と記したように、髙田は、ロサンゼルスのヒクソンのスタジオを訪問。柔術衣をまとい、ヒクソンの指導を受けた。

 ヒクソン戦から20年が経ち、髙田はさまざまな折り合いをつけて、柔術を本格的に習い始めた。

 ヒクソンの黒帯のアラバンカ柔術アカデミーの山田重孝代表と交流し、ボンサイ柔術では、ホベルト・サトシ・ソウザや、クレベル・コイケらとも柔術衣を着てトレーニングする姿が見られている。

 今回のヒクソンのジム訪問は、山田代表との出会いがきっかけだった。

「もともと髙田さんと私は関係が古く、髙田さんが柔術を始めて数年が経ち、柔術を通してさらに関係が深まりました。ヒクソン先生に黒帯を貰っている私は、世界一の柔術の先生と髙田さんを引き合わせたく、相談したところ、髙田さんも『是非、ヒクソンさんにお会いしてご指南してもらいたい』との事だったので、2年ほど前からヒクソン先生にお願いして、お話を通し実現しました」(山田)

 年が明けた1月、髙田はヒクソンのもとを訪れ、柔術衣を着て、向き合った。

 山田代表は、黙々と柔術する両者を、「かつて闘った同士でしたが、お互いを認め合ってすごく友好的でいい感じでした。道衣を着て稽古が始まったときからいつも通り、エリオ先生の写真に礼をして、お互いに礼をして始まり、何も特別な事はありませんでした。柔術に関してヒクソン先生は、誰にも特別扱いはしません。

 髙田さんもヒクソン先生をすごく尊敬していて、柔術のテクニックを一つ教えてもらうたびに、ため息をついて──それは私も同様です。手解きしてもらった初日でした」と、明かす。その指導は、技術のみならず、柔術を人生で活かすことに繋がるものだった。

「ヒクソン先生も情熱的に指導してました。会話は全て柔術の話。例えば髙田さんが先生の柔術は奥が深い、深い、と感心してヒクソン先生に話すと、ヒクソン先生は『柔術は普段の生活にも活かせる』と、人生のなかに柔術があることを説明していました。テクニックなどの動きだけでなく、呼吸法など、世の中の黒帯の教え方とは全く違う異次元の伝達方法で、今回初めてだった髙田さんはとても刺激を受けていました」(山田)







 『PRIDE.1』と『PRIDE.4』の対戦をリアルタイムで見ている者としては実に感慨深いです。

ヒクソン・グレイシーがパーキンソン病を告白も「これも神からのギフトだ」「あまり気にしていない」と達観(2023年06月22日)

 半年前にヒクソンはパーキンソン病を告白していますが、元気そうに何よりでした。続きを読む・・・
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【RIZIN LANDMARK06】「初めてパウンドで人の顔を殴りました(笑)」イゴール・タナベが前戦を振り返る

【写真】『神は抱えきれない責任を負わせることはない』。そういうモノが身の内に宿る。無神論者としては、素晴らしいなと感じます(C)TAKUMI NAKAMURA

10月1日(日)に愛知県名古屋市中区のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催されたRIZIN LANDMARK06にて、ANIMAL☆KOJIと対戦したイゴール・タナベ。
Text by Takumi Nakamura

フィニッシュは三角絞めでの勝利だったが、スタンドで自信を持って左ミドルを蹴り、パウンドで削るなど、同じ一本勝ちでもプロセスは違って来た。MMAに挑戦する柔術家ではなく、柔術で勝つMMAファイターになるために――。イゴールがMMAへの取り組みについて語った。


――先月RIZIN LANDMARK06でのANIMAL☆KOJI戦では三角絞めによる一本勝ちでしたが、あの試合の一週間後にJBJJFの全日本ブラジリアン柔術選手権2023にも出場されていましたね。

「ちょうどRIZINの一週間後に全日本大会があって、事前にエントリーはしていたんです。それで怪我がなければ出ようと思っていました」

――今はMMAファイターとして試合をしているイゴール選手ですが、柔術の大会には出ていきたいと思っているのですか。

「はい。柔術は子供の頃からやってきたものだし、最後に柔術の試合に出たのもちょうど1年前だったんです。年内に一度は柔術の試合には出たいと思っていたのでタイミングがよかったです」

――優勝したシャビエル・シウバ選手に敗れて3位という結果でしたが、それについてはどう捉えていますか。

「勝てた試合だったと思うので率直に悔しいです。柔術の試合に出たことは後悔していないし、むしろ楽しかったんですけど、結果を出せなかったことは……悔しかったです(苦笑)。これからもMMA中心ではあるんですけど、タイミングが合えば柔術の大会にも継続して出ていきたいですし、いつも言っていることなのですが、僕はまだ黒帯になって柔術の世界大会に出たことがないので、そこには挑戦したいです」

――それではANIMAL戦について聞かせてください。改めて試合を振り返ってみていかがですか。

「7月の阿部大治戦に比べると打撃は良くなったと思います。阿部戦で初めて打ち合って怖さがなくなったというか。今回は打ち合う場面はなかったですが、自分から前に出られたと思います。あと初めてパウンドで人の顔を殴りました(笑)」

――阿部戦はまだ相手の打撃を受けることを警戒しながらの打撃だったと思うのですが、今回は自信を持って打撃を出しているように見えました。

「ちょうど阿部戦から良太郎先生(※初代KNOCK OUT-BLACKウェルター級王者で、多くのファイターの打撃を指導)に打撃を見てもらうようになったんです。阿部戦の時点で打撃は成長していたのですが、まだ打撃をやることに緊張や恐怖心があったんです。でも阿部選手と打撃の攻防をやったことで、打撃に対する怖さがなくなって、練習でも変化を感じるようになりました」

――練習ではスパーリングの回数も増やしているのですか。

「基本的にはミットですね。良太郎先生に週5回ミットを持ってもらって、スパーリングは週2回です」

――MMAグローブで強度の高い打撃のスパーをやるのはラウンド数が限られると思うので、試合で得た経験が大きかったのですね。

「はい。どんぴしゃでクリーンヒットをもらわなかったというのもあるんですけど、殴られることへの恐怖心はなくなりました」

――また試合後にも質問させてもらいましたが、左ミドルがフォームも綺麗で非常によかったと思います。かなり練習では蹴り込んでいたのですか。

「阿部戦は良太郎先生と練習する期間が短かったので、先生からは『今は阿部戦に必要なことだけをやろう』と言われて、パンチとカーフキックに限定して練習していたんです。それで阿部戦が終わった後、練習を再開することになったのですが、阿部選手のスネを蹴って右足を怪我していて。それで『右を蹴れないなら、左ミドルを練習しよう』ということで、ひたすら左ミドルを蹴っていたら、いつの間にか右よりも左の方がいい感じなりました(笑)」

――スパーリングだけでなく反復練習で技を磨く。それは柔術でもキックでも同じですね。ミドルを蹴るようになって、MMAとしてはどこが変わりましたか。

「スタンドの距離感が良くなって、タックルにも入りやすくなりました。良太郎先生が常に僕に言うのが『組み技の選手が打撃の練習を始めると、ストライカーみたいな動きをすることが多い。でもイゴールは打ち合う練習をするんじゃなくて、打撃の駆け引きとか寝技に持っていきやすくするための打撃を練習しよう』ということなんです。ANIMAL戦も試合前にずっと練習していたパターンでテイクダウンを取れました」

――なるほど。良太郎選手とはいい師弟関係が築けているようですね。

「はい。良太郎先生は知識もすごいし、僕に必要なものを教えてくれるし、本当に最高の先生ですね」

――また今回はグラウンドでのパンチも的確に入っていました。スタンドの打撃と同じように練習していたものだと思っていたので「初めてパウンドで人の顔を殴った」というコメントは意外でした。

「ハーフガードになった時にヒザが入ったままになっていて、動きにくかったんですよね。それでどうしようかなと思っていたら目の前に顔があったんで、殴ってみようと思って殴りました。そしたらANIMAL選手がすごく嫌がって動きが止まったので、そのまま殴り続けたという感じですね」

――練習していないにも関わらず非常に安定感のあるパウンドでした。

「あそこで変に動くとバランスを崩すので、足を抜くことよりも殴ることを優先しました。意外とスムーズにパンチを打てたし、効かせることも出来たので新しい武器になりそうな気がします」

――柔術で培ったグラウンドにおけるバランス感覚が活きたようですね。

「間違いなくそれはありますね。ホベルト・サトシ・ソウザが矢地祐介選手とやった時にマウントから殴っていて、みんな『あそこでバランスを崩さずに殴るのはすごい』と言っていたんです。当時僕はMMAをやっていなかったので、あまりピンとこなかったんですけど、今になって思うと柔術で培ったバランスの良さなんだろうなと思います」

――柔術家は自然にグラウンドでバランスをとることが身についているのでしょうね。

「簡単にいうと脱力なんですけど、相手がこちらに動いてきたら、自分はこちらに動く。そうすればバランスをキープできる。そういうことが体に染みついているんだと思います」

――フィニッシュはマウントポジションから腕十字を狙い、最後は三角絞めという流れでした。

「あれはもう『もらった!』という感じですね」

――MMAデビューから4連続一本勝ちとなりましたが、今回はスタンドの打撃やパウンドも出すことが出来て、今までにはない経験が出来たのではないですか。

「本当にそうですね。それまでの3試合とは違う試合内容だったと思います」

――イゴール選手はプロ2戦目でメルヴィン・マヌーフ、3戦目で阿部選手と対戦していて、柔術のバックボーンがあるとは言え、普通はそのキャリアで戦う相手ではないですよね。

「僕も思い返してみて、よくやったなと思います(笑)。マヌーフ戦のオファーが来たときは、正直めちゃくちゃ怖くて、自分が勝つ姿なんて想像できなかったんです。でもここで逃げちゃったら、逃げ癖がつくというか。一度でも“逃げる”壁を超えると、また厳しい試合のオファーが来たときに逃げる選択をしてしまいそうな気がしたんです。僕はキリスト教徒で、キリスト教えの中に『神は抱えきれない責任を負わせることはない』というものがあるんですね。だからマヌーフ戦も乗り越えられると思って試合を受けました」

――結果論ですがものすごい経験値を得ることが出来ましたよね。

「マヌーフは引退してからの復帰戦ということだったんですけど、僕とやる3カ月前にヨエル・ロメロとやっていて、その時点でBellatorのランキングでも8位くらいでしたからね。『全然復帰戦じゃないじゃん!』と思いました(笑)」

――試合のペースとしては普通ですね(笑)。

「それで2戦目でマヌーフとやったから、当分試合で怖いと思うことはないだろうと思ったら、3戦目のオファーが元UFCファイターでパンクラスでもチャンピオンになっている阿部選手と言われて、『えーーー!!』みたいな(笑)。僕はマヌーフより阿部選手の方が怖かったんです。阿部選手はRIZINでもマルコス・ソウザやストラッサー(起一)さんの寝技にも対処して勝ってるし、マヌーフは一か八かの試合ができる選手でしたけど、阿部選手はそういうわけにはいかないですか」

――僕も阿部選手の方がMMAファイターとして完成度が高く、マヌーフ選手よりも手ごわい相手だと思っていました。

「そういう相手に一本勝ちできたというのは自分の中では大きかったですね」

――イゴール選手を見ていると、ただ柔術で勝負するだけでなく、MMAファイターとして強くなってMMAで勝とうとしているところがうかがえます。そこは意識していますか。

「はい。僕は柔術の技術だけでMMAで勝っていけるとは思っていないんですよ。僕も子供の頃からUFCを見ていて、柔術だけでチャンピオンになった選手はいないと思っていて。MMAをやる柔術出身選手として、何々が出来ないからって壁を作りたくないんです。打撃の壁、レスリングの壁、フィジカルの壁……そういうリミットを自分で作りたくないし、MMAをやるならMMAファイターとしてレベルを上げて試合をしたいです」

――次の舞台として狙うはRIZIN大晦日だと思いますが、そこに向けた想いを聞かせてもらえますか。

「やっぱり僕はRIZINで戦っているので、大晦日の大会には出たいですね。あまり海外で試合をしたいとか、どこどこに出たいという気持ちはなくて、今戦っているRIZINでトップに立ちたい。そうすれば自然にチャンスが巡ってくると思っています。組まれた試合を勝ち続けて、色んな扉を開いていきたいです!」

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AJ・マッキー BELLATOR F1 ISAO MMA MMAPLANET o RIZIN Special   アキラ トフィック・ムサエフ パトリシオ・フレイレ パトリッキー・フレイレ ホベルト・サトシ・ソウザ マンスール・ベルナウイ 大沢ケンジ 朝倉海 柏木信吾 榊原信行 水垣偉弥 菊入正行 鈴木千裕

【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:7月―その壱―鈴木千裕✖パトリシオ「お代わりするんですか?」

【写真】ズバリ、舞台裏に終始しています(笑)(C)BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画――が1年ぶりに復活。
Text by Manabu Takashima

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾3人というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は柏木信吾が選んだ2023年7月の一番、7月30日に行われた鈴木千裕×パトリシオ・フレイレ戦――に通じるパトリッキー・フレイレ×ホベルト・サトシ・ソウザの1戦をまずは語らう。


――もう、アゼルバイジャンからは帰国されたのですか(※取材は13日に行われた)。どのような国なのでしょうか。

「自分たちはおもてなしを受けているので、良い部分しか見ていないということはありますが、バクーはとても良い街でした。皆、穏やかな人達で。2007年ぐらいから、石油と天然ガスで凄く発展しているようです」

──イスラム教の国というイメージですが、F1GPも行われた経済的な発展は凄まじいイメージです。

「11月の大会もF1を開催している会社とやっていくことになります。政局的には野党もありますが、事実上は与党が圧倒的に強い国政で安定しているようです。凄く治安も良かったですし。バクーの街は真夜中に1人で出歩くこともできました。

女性もヒシャブですら、している人は少ないです。伝統的な衣装を着ている人は、他のイスラム圏からの観光客で。それほど戒律には厳格ではないと聞きました。普通にバクーの女性は肌も出していますし、凄く綺麗な人もいます」

──いや、それにしても夏休み返上でお疲れさまでした。

「いえ。RIZINで働くようになって初めてですね、こんな風にまとまって休めるのは。僕も今日から家族と一緒に台風を避けつつ、夏休みを楽しもうと思います」

──スミマセン、そのような時に……。

「いえいえ、『今月の一番』の復活楽しみにしていましたから。そしてMMAPLANETがリングも解禁ということで、今回は鈴木千裕×パトリシオ・ピットブルで行かせてください」

──押忍。もう舞台裏から楽しみです。

「ここはもう、本当に書けること書けないことがありますから。その辺りは宜しくお願いします」

──ハイ。ギリギリのところ、狙っていきます(笑)。一つあるのはAJ・マッキーが欠場になり、ホベルト・サトシ選手が代役出場をする。これだけで、とんでもないことが起こっていたと思いますが、そこに加えて……なぜ、この1戦まで追加されているんだと(笑)。

「フフフフフ。本当に99パーセントの人の言葉を代弁していてだきました。今回は全てが重なりました。僕はフライングケージの担当もしていたんですけど、サンノゼから運んで組み立てて。24日の月曜日にリハーサルをすることになっていたんです。

そうしたら23日の朝にBellatorから電話が欲しいと連絡がきて。これは良くない話だとピンときました。そうしたらAJの話で。スミマセン、鈴木選手とパトリシオ・ピットブルの話なんですけど、ここから入らないと……(苦笑)。

その日からどうしようということになり、Bellatorはマンスール・ベルナウイが待機しているからそれで良いという考えでした」

──ハイ。まぁTV中継ができればという判断ですね。

「そうなんです。でも、僕らRIZINサイドは興行主です。BellatorカードのメインはAJ・マッキーとパトリッキー・ピットブルでチケットを買っていただいているので、ベルナウイが代役でOKとはならないです。イベントはRIZIN主催で、リスクの負い方が違う。だから、もう少し抗わさせてほしいと伝えました」

──RIZINファンがベルナウイで納得するとは思えないです。それならトフィック・ムサエフだろうって。アキラ選手には申し訳ないですが。

「いや、それが実はプランBでした。もちろん、プランAはサトシで。そして色々と交渉の結果──サトシの体重は残り1週間では絶対に落ちない。でもBellator側もトーナメントなのに73キロのキャッチを了承してくれました」

──緊急事態の超法的処置ですね。ただ、米国でのBellatorで有り得たのか。やはりRIZINが主催している大会ということも大きく影響していたと思います。

「正直、状況が状況ですし、政治的な背景、大人の判断とこのタイミングだから全てできたと思います」

──まぁ、彼らも色々とありますし。

「ハイ。もちろん、興行会社としてRIZINのリスクも分かってくれていますし。スコットはトーナメント参加者にコンセンサスもとっていました。そこはフェアでしたね」

──誰もが幸せになれる代替カードだったから、超法的処置も通ります。ファンが納得しないカードでは73キロはおかしいだろう……ともなりますし。

「その通りですね。本来ならBellatorもライト級でもう1試合、GPの代役が務める選手の試合を組んでいたはずです。それがコラボレーション興行の一つの弊害というか、キャパというか。試合数も彼らが望むだけ……7試合とかを組むことができなかったです。

BellatorにはBellatorの放送の都合があり、RIZINにはRIZINのPPVと日本の放映権が存在していて様々な事情があるなかで、それを一つひとつクリアして創り上げたイベントなので、どこかにしわ寄せがくる。それがBellatorにとっては試合数で妥協したというのは否定できないです。TV中継枠をこなすのに、体重超過や負傷欠場が──まさに現実になってしまったようにあり得る中で、彼らが受け入れる最少の試合数が5試合でした」

──ここでISAO選手や菊入正行選手の試合を組みたいという想いもあったでしょうし。

「そういうことなんです。ただし、何が起こるか分からないなかで、我々も時間制限もあるので7試合は組めないよ──ということでした。それでもRIZINがライト級チャンピオンを出したことで、双方が納得できたBellatorのメインカードでした」

──本来なら、そこで一件落着です。ただし、そこでパトリシオ・フレイレ×鈴木千裕まで追加カードとして発表があり、あのような結末に至った。AJ欠場のピンチで、こんなボーナスまで引き出してしまう。

「僕は正直、そのアイデアを聞かされて動かないと行けなくなった時──正直、憤っていましたよ(笑)」

――もちろん榊原信行CEOからだと思いますが、いやぁ凄いですね。そこまでやってしまおうというのは。言い方は悪いですけど、火事場泥棒ですよ(笑)。

「あのね、高島さん!! 僕はAJが欠場して、サトシ✖パトリッキー・ピットブルを成立させた。大仕事が終わったばかりだったんですよ。ウルトラCを引っ張りだしたのに、お代わりするんですかって(笑)」

──アハハハハ。

「それがフライングケージのリハーサル中ですよ。イタリアの製作者たちと日本の技師さんたちが、『ああだ。こうだ』とやりとりをしている時に、お代わりが欲しいと連絡があって。千葉の倉庫で、僕はブチ切れていました(笑)」

──しかし、凄いですね。榊原さん。

「やっぱ、スゲェですよ。普通の人だったら言わないことを、あの状態の僕に課してきた。まぁ、榊原社長はAJ欠場の時点で、『パトリシオを出せないかな』ということは言っていました。イベンターなんです、根っからの。朝倉海選手の欠場で、RIZINのメインを無くした。そしてBellator側のメインも無くした。

これはイベントとしては、ケガを負った状態で傷に塩を塗り込まれている状況でした。サトシという最高の応急処置ができたのですが、やっぱり体は弱っている。榊原社長は、そのままではイベンターとして終われなかったのだと思います」

──選手のコンディションなどが、先に頭にある自分のような立場の人間には全く考えが及ばない一手です。

「ハイ、全くアプローチが違いますよね」

──それはもう、火事場泥棒という言い方をしましたが、まさに怪我の功名だったわけですね。この大当たりを引き出す──格闘技界にいても、絶対的に人種が違うのですが、これは凄まじいなと素直に思いました。

「高島さんから、その言葉を聞けるのは素晴らしいと思います。僕も正直、終わったあとにスゲェなと。本当に思いました」

──それも鈴木選手が勝ったから。パトリシオが勝っていれば、まぁスクランブル出場で名前のある方が勝つという過去にも見られたケースで。

「大博打です。博打を打って、勝ったんですよ(笑)。イベント当日を下り坂で迎えてはいけない。向かい風のなかで、イベントが始まってしまうことを避ける。上り坂、追い風にしてイベントを開く。それがイベンターとしての榊原社長の姿勢なんです。『本気なの? この人?』って思ったんですけどね(笑)」

<この項、続く>

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BELLATOR o ONE RIZIN   キック ホベルト・サトシ・ソウザ

ホベルト・サトシ・ソウザ、パトリッキー・ピットブル戦の第1Rで右第五中手骨を骨折していた

ポケットモンスター ~サトシとゴウの物語!~(4)


 2023年7月30日、さいたまスーパーアリーナで開催された『超RIZIN.2』でのBellatorパートにて、元ライト級王者のパトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)に3R、右カーフキックからのパウンドでTKO負けしたホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)が、1R目に右第五中手骨を骨折していたことを明かし、全治2~3カ月と診断されたことが1日、分かった。

「1Rの中盤のパンチで折れて、凄く手が痛んで“折れた”と思ったけど試合は続けた。1R終盤に投げに行って、相手の足を抱えたけど、全然、手の引っ張る力が無いからヤバいな……と思っていた。2Rにも引き込んでクラッチして相手が逃げようとしたときに、手が痛くてクラッチできなかった。右のパンチを思い切り打てないし、投げが出来ない、ガードも出来なくて、少しずつ自信が下がっていった。3Rが始まって、私はどうしよう……と思った」

「キックは当たったけど、ほんとうに当たったのは私の気持ち。手を負傷して勝つ道が見えなくなったから。それで今回、負けました。足抱えて出来るかなと思ったけど、私の動きが止まったから(ストップは)しょうがない」

 全治2~3ヶ月となると年末の復帰を目指す感じでしょうか。ショートノーティス参戦の代償は大きすぎました。続きを読む・・・
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BELLATOR MMA o ONE RIZIN YouTube   クレベル・コイケ チャンネル ホベルト・サトシ・ソウザ 鈴木千裕

『超RIZIN.2』クレベル・コイケがピットブル兄弟の控室で乱闘騒ぎ/パトリシオ「彼は2度とリングに上がるべきではない」パトリッキー「彼は俺に蹴りを入れて逃げた」

改訂4版 イラスト社会人としての心得



 『超RIZIN.2』で鈴木千裕に1R KO負けしたパトリシオ・“ピットブル”・フレイレがツイッターで以下のコメント。

「クレベル・コイケは負け犬で卑怯者だ。彼は俺の負けを祝福し、試合後に兄と口論をした。その後、彼はロッカールームに侵入し、背後から兄を蹴って逃げた。こんなファイターは二度とRIZINのリングに上げるべきではない」


 ケージサイドでこんな口論があったそうです。


 パトリシオは鈴木千裕戦については「素晴らしい歓迎をしてくれた日本には感謝している。残念ながら、俺の日ではなかった。鈴木千裕はおめでとう。だが、この物語には次の章がある。Bellatorで会おう」とコメントしています。


 パトリッキー・“ピットブル”・フレイレはMMAFightingの取材に対し以下のコメント。

「3~4日前に彼が自分のYouTubeチャンネルでくだらないことを言ってたのでムカついたが、パトリシオは無視しろ、気にするなと言った。俺はパトリシオのセコンドには就かずに、ドレスアップした彼が歩いているのを目撃した。 彼はパトリシオにトラッシュトークを仕掛けてくるんじゃないかとか、そんなことを想像していた。 パトリシオが負けた時に彼を見ると、飛び跳ねて笑い大喜びしていた。俺はリングに走ってパトリシオの状態を確認し、それから彼のところに行って『お前はクソッタレだな、叩きのめす』と言うと、彼は急に被害者ぶってきた」

「彼は『俺が? 何かしたか?』という態度だったので、『ネットで俺たちについてくだらないことを言ってるだろ、このクソ野郎』と言って、立ち去った。 廊下でホベルト・サトシ・ソウザに会って、『君のことは好きだが、クレベルは弟の負けを祝福するような卑怯者だな』と言うと、サトシは『ああ、クレベルはちょっとそういうところがあるね』と言うので、俺は『くだらないことを言いたいのなら、卑怯者のように振る舞わないで面と向かって話しに来るべきだ』と言っておいた」

「ロッカールームに行って、ドアに背を向けて座って試合を見ていたんだが、コーチの一人が私に気をつけろ、と言ってきた。 振り返る前に、彼は俺の胸に蹴りを入れてきた。 ロッカールーム内で乱闘が始まったが、彼は逃げた。30人以上の人がいたので、他の部屋にも行って彼を見つけようとしたが、すでに逃亡していたんだ」


 さらにパトリッキーはインスタグラムでクレベル・コイケに「ブラジルに出発する前にお前が現れるのを待っている」というDMを送っています。



 クレベル・コイケのYouTube。『超RIZIN.2』勝敗予想で会場に行くのかと尋ねられ「ノー! 喧嘩になるから」とコメントしていますが、マジでそうなったらダメでしょう…。続きを読む・・・
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【RIZIN】速報中!超RIZIN.2~RIZINパート~

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超RIZIN.2のべラトールパートが終了して約1時間。後半戦のRIZINパートが目前に迫ってきました。堀口恭司×神龍誠のノーコンテスト、ホベルト・サトシ・ソウザの完敗など悲喜こもごもが交錯する内容でしたが、果たしてRIZINパートはどう転ぶのか、朝倉未来×ウガール・ケラモフのフェザー級王者決定戦に、フアン・アーチュレッタ×扇久保博正のバンタム級王者決定戦。そして伊澤星花×クレア・ロペスの女子スーパーアトム級タイトルマッチと見どころ満載。引き続き電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第1試合 MMA 58kg契約】
○伊藤裕樹(ネックスイチムエ)
(判定2-1)
×ヒロヤ(トライフォース赤坂)
1R、軽快なステップで距離を取る両者。ヒロヤは胴タックルで組み付く。するとヒロヤは自ら引き込む。しかし伊藤はすぐに立ち上がる。そこからヒロヤは間髪入れずに組んでいく。伊藤はタックルを切るものの、ヒロヤはスタンドでバックに周ってスクランブルの展開。終盤に身体が離れるとパンチに前蹴りをヒットさせ、さらにギロチンチョークであわやの場面を作るがヒロヤは首を抜いて脱出。ラウンドを終えた。
2R、やはりヒロヤは組み付いていく試合展開。コーナーに押し込むが伊藤の腰は重い。だがヒロヤはスタンドでスルッと体勢を入れ替えてバックに周る。このまま時間を掛けてテイクダウン。だが伊藤は下からアームロック。しかしヒロヤは腕を抜くが、伊藤はその瞬間にスイープして上を取り返して脱出。スタンドに戻ると伊藤は左ミドルにアッパー、フック、ボディとパンチをヒットさせて攻勢。最後は逆に伊藤がテイクダウンを奪ってラウンド終了。
3R、開始直後から伊藤がスタンドでラッシュ。コーナーに追い込んで左右の連打。危ない場面だったがヒロヤはタックル。切られるがヒロヤは自らグラウンドで下になって回避。伊藤はバックに周るとチョークを狙う。しかしヒロヤは正対して逆にバックに周るとジャーマンで投げ捨てる。ここからスクランブルの展開。ヒロヤは上をキープするが伊藤も正対してスタンドに脱出。伊藤の蹴りを掴んだヒロヤに対して伊藤はギロチンチョーク。だがヒロヤは耐えて試合終了。判定はスプリットで伊藤に軍配。


【第2試合 MMA ミドル級】
×阿部大治(フリー)
(1R ヒールホールド)
○イゴール・タナベ(ブラジル/セラヴィー)
1R、開始直後に阿部のパンチがヒット。タナベはスリップ気味にダウン。しかし阿部は深追いせずスタンドを要求。スタンドで再開するとパンチを出して前に出るとタナベはタックル。しかし阿部は冷静に足を抜いてスタンドに戻る。スタンドになると阿部のパンチが上手。タナベは不用意にパンチを被弾する場面。嫌な予感はしたが、タナベはタックルで足を取ると自ら下になる。安部を転ばすと、その瞬間にヒールを極めると即座にタップ。タナベがあっと言う間に足関節を決めた!


【第3試合 MMA バンタム級】
×瀧澤謙太(Fired Up Gym)
(1R TKO)
○太田忍(パラエストラ柏)
1R、サークリングする瀧澤に対して太田は距離を詰める。序盤にタックルで組みに行くが瀧澤は冷静にかわす。身体が離れると瀧澤は意表を突いた後ろ回し蹴り!顔面に入ったが太田は足を掴む。しかし瀧澤は足を抜いてスタンドでプラッシャーを掛ける。ダメージはないのか太田は距離を詰めて組み付くとスタンドでバックに周ってジャーマン。瀧澤はすぐに立ち上がるが太田はスタンドでバックに周って寝かせいく。耐えていた瀧澤だが太田がスタンドのバックから左右のパンチを連打。リング外に身体を出した瀧澤を見てレフェリーが試合を止めた。


【第4試合 MMA ライト級】
○トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン/オリオン・ファイトクラブ)
(2R TKO)
×アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&MOSH)
1R、開始直後からムサエフはイケイケ。パンチを振り回し、ミドル、前蹴りを多用。アキラは持ち前の打たれ強さで凌いでいたが中盤になるとグラつく始める。何度が動きが止まってムサエフの集中砲火を浴びたがアキラは打たれ強い。最後は打ち返し始めてラウンドを終えた。
2R、逆に前に出始めたアキラ。一方のムサエフは手が出なくなってきたかと思った矢先、前に出るアキラの突進をかわすと、コーナーに追い詰めて左右の連打。最後は左フックがクリーンヒット。アキラが鈍くダウンするのを見てレフェリーが試合を止めた!ムサエフが久しぶりのRIZINで快勝です。


【第5試合 MMA 70kg契約】
×パトリシオ・“ピットブル”・フレイレ(ブラジル/ピットブル・ブラザーズ)
(1R KO)
○鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)
1R、開始と同時に前に出る鈴木。パンチの交差から試合は少し落ち着く。パトリシオは様子を見て、鈴木も少しプレッシャーを弱めたか。それも鈴木の右フックがヒットすると再び圧力を強める。積極的にパンチを出してパトリシオをコーナーに追い詰めると両者足を止めての打ち合い。すると鈴木の左右の連打がヒット。ダウンしたパトリシオを見てレフェリーが試合を止めた!鈴木が大アップセット!!


9月24日にさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN.44で萩原京平×牛久絢太郎が決定!さらに11月4日のRIZIN LANDMARKはアゼルバイジャンで開催!アゼルバイジャン×RIZIN世界選抜。ワールドワイドになってきた。
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BELLATOR Bellator x RIZIN02 MMA MMAPLANET o RIZIN キック パトリッキー・フレイレ ホベルト・サトシ・ソウザ

【Bellator x RIZIN02】圧を掛け、跳びヒザでダウンを奪ったパトリッキーが右カーフでサトシを倒す

<ライト級ワールドGP準々決勝73キロ契約/5分5R>
パトリッキー・フレイレ(ブラジル)
Def.1R0分49秒by TKO
ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)

左に回るサトシ、パトリッキーは手を出さす圧を掛ける。サトシは左ジャブ、さらに距離を詰めるパトリッキーは右から左を蹴りに合わせる。サトシも右を繰り出し、左ロー。パトリッキーが勢いのある左フックを見せ、ダブルレッグからのシングルを反転させて足を抜く。組みに固執しないサトシは、ケージを背負う場面が増え右をかわす。サトシが左フック、そして遠い距離から跳びヒザを繰り出す。ショートのワンツーで前に出たパトリッキーは、ケージに詰まったサトシにカーフからフックを振るう。

残り1分を切り、逆にパトリッキーが跳びヒザを繰り出す。そこにローを蹴っていたサトシ、最後の10秒でパトリッキーがミドル、スピニングバックキックからの右ストレートから右アッパーを放ち初回を取った。

2R、両者慎重な戦いを初回から続けるなか、サトシがダブルレッグから引き込む。ケージに押し込みつつスタンドに戻ったパトリッキー、レフェリーがサトシを立たせる。パトリッキーは右カーフ、続くステップインにサトシも右を狙う。両者のステップインが交錯し、離れたパトリッキーが右ストレートを放つ。サトシはジャブ、ローからワンツーを振るうが攻撃が軽いか。パトリッキーは右を伸ばすも、そこからの追撃はない。スイッチからオーソに戻したパトリッキーにダブルを仕掛けたサトシは切られると、右の跳びヒザ蹴りでダウン。パウンドを続けず、離れて立ち上がったパトリッキーが、確実にポイントをリードさせた。

3R、サトシが右ロー。パトリッキーは左に左ハイを合わせようとする。さらにスピニングバックキックの直後に、右カーフを蹴ったパトリッキー。この一発でサトシが表情をゆがめてダウン。パウンドに背中を見せたのを見て、レフェリーが試合を止めた。


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【べラトール】速報中!超RIZIN.2~Bellator MMA vs. RIZIN 2~

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今日は待ちに待った超RIZIN.2の日。朝倉海、AJ・マッキーとメイン級の選手の欠場が相次ぎましたが、それでも胸の高鳴りは抑えられない好カード揃い。まずはべラトールパートとしてBellator MMA vs. RIZIN 2: McKee vs. Pitbullからスタートします。堀口恭司と神龍誠の日本人対決となったフライ級王座決定戦に渡辺華奈の日本凱旋試合。そしてマッキーの代わりに急遽Bellagtorライト級ワールドGPに出場する事になったホベルト・サトシ・ソウザがパトリッキー・ピットブルと1回戦を戦うなど見どころ満載。今日はU-NEXTを観戦しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。
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【Bellator x RIZIN02】サトシ戦へ、パトリッキー・フレイレ「ケージでガードポジションは、自殺行為」

【写真】共同会見の2時間も前に、この取材のために一度会見場の外まで来てくれたパトリッキー。日本は彼のホームといっても過言でないだろう (C)MMAPLANET

30日(日)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催される「超RIZIN02」。Bellatorの部でメインを務めるのが、パトリッキー・フレイレだ。

本来AJ・マッキーがブドウ球菌感染症で来日できず、急遽73キロ契約でBellatorライト級ワールドGP初戦をホベルト・サトシ・ソウザと戦うこととなった。試合前は日本に長期滞在、トライフォース赤坂で朝倉未来とキャンプを張ったパトリッキーは突然の対戦相手の変更にも余裕の表情を浮かべていた。


──直前で対戦相手が代わるという一大事が起こりましたが、試合まで2日間となりました。今の気持ちを改めて教えてください。

「凄くエキサイトしている。サトシはRIZINのチャンピオンで、日本では最高のビッグネームだ。日本の皆は彼のことを愛している。と同時に僕らの試合を見たいとずっと思っていたはずだ。皆の期待に応えられるエキサイティングな試合になることは間違いない。そして、僕がサトシをぶちのめすこともね」

──それにしてもAJ・マッキーが来日不可能になり、ショートノーティスでサトシ選手と戦うというオファーがあった時、衝撃を受けなかったですか。

「対戦相手が代わることは、MMAの一部だ。ごくごく普通に起こり得る。ケガもあるし、病気にもなる。それがこのスポーツだからね。その状況で戦うのが、僕の仕事だ。対戦相手が誰であろうと、戦うことに違いはない」

──ところで朝倉未来選手とのトレーニングの成果は?

「最初、ミクルはパワーのあるファイターだとは全く考えていなかった。それが、練習でテイクダウンを狙っても倒せない。ミクルはフィジカル的にも凄く強いファイターだよ。なにより、疲れないんだ。そのことには、心底ビックリした。

ミクルだけでなくヒロヤやリクト(白川陸斗)も素晴らしい選手だったよ。カイは見ていない。ケガをしているから。ミクルのところでは、皆がスマートでハードに毎日のように練習していた。彼は良いチームを持っているよ。そしてヒロヤは今後、大いに期待できるよ。

あとエリック(アルバラシン)の友人で、東京五輪レスリング王者(乙黒拓斗)とも練習をした。彼は速くて、テクニカルだった。ちょっとポジションの練習をしただけだけど、彼がMMAに転向すれば大金を稼げるよ。まだ『殴ったり、蹴るのは怖い』って言っているようだけど、レスリングだって首が折れる恐怖のなかでやっているわけで。そのうち慣れるだろう(笑)」

──日本滞在の充実ぶりが伺えますね(笑)。

「もう顔も日本人に近づいてきただろう?(笑)。とにかく最高だった。本当に日本を愛している。毎日のように道を歩いていると、ファンから写真やサインを求められてね。皆が『試合で頑張って』と言ってくれたよ。日本のファンは、特別だ。世界中で、日本のファンだけが他の国のファンとは違う」

──では、そんな日本のファンの前で戦うサトシ選手との試合。優れたストライカーと最高の柔術家のマッチアップです。つまりサトシ選手の打撃の防御能力、そしてパトリッキーの柔術のディフェンス力が問われる試合でもあるかと。

「僕もブラジリアン柔術の黒帯だ。サトシの柔術を怖がることはない。ファイトは立ち技からスタートするしね──僕がフィニッシュする。全ての局面で準備はできているよ」

──サークルケージでユニファイドルールを戦うことは、パトリッキーに有利に働くでしょうか。

「僕に有利というよりも、サトシに不利になる。ケージでガードポジションを取ることは、自殺行為だ。彼をしっかりと抑えて、動きを封じる。ヒップエスケープすら許さない。そして彼はエルボーとパンチに餌食になる。ケージとリングは全く違うからね。サトシはリングと同じファイトをケージのなかで見せることはできない」

──では日曜日、どのような試合をファンに見せたいですか。

「ピッチブゥ・スタイル。パンチ、キック、そしてノックアウトだよ(笑)」

■視聴方法(予定)
7月30日(日)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

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【Bellator x RIZIN02】全選手出席のメディアデーからホベルト・サトシ、渡辺崋奈&堀口恭司の一言

【写真】これから水抜きに入る選手たち。米国では当然のように見られるドタキャンは一切なし (C)MMAPLANET

30日(日)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催される「超RIZIN02」のメディアデーが、東京都目黒区のウェスティンホテル東京で行われた。

同大会に出場する26名の選手が午前9時40分より、午後6時半まで20分間隔で途中10分間の休憩を挟み、全選手がメディアの対応を受けるという──恐らくは世界で唯一のメディアデーから、Bellatorに出場するホベルト・サトシ・ソウザ、渡辺華奈、堀口恭司のMMAPLANETの質問への応答をここでお届けしたい。


オフィシャルのインタビューで「GPのことは考えてない。この試合に集中し、勝ったら次の試合のことを考える。今回は打撃勝負と」と話したサトシは、パトリッキー・フレイレが個別インタビューで『サトシのガードワークはケージではリングのように有効ではない』と言っていたこと、そしてユニファイドルールへの対応について尋ねると、以下のような回答があった。

ホベルト・サトシ・ソウザ

「全部の試合で中央で戦っているので、私の場合はケージもリングも変わりないと思います。ルールが違っても、私のゲームプランはそんなに変わりないから。問題ないと思います」

また渡辺は「2019年以来の日本での試合。日本でメディアから取材を受けることは楽しみでもありますか」というオフィシャルの質問に「久しぶりで嬉しい気持ちで。逆に久しぶりすぎて、ファイトウィークの過ごし方が困ります」と笑顔を見せていた。

その渡辺、公開練習時に海外での試合ではカラーリングも自分でしていることを告白しており、今回は日本での試合でカラーリングもド派手な一色でなく、その辺りのことに関して「気持ちに違いはあるか」という質問への返答はこのようなものだった。

渡辺華奈

「毎日、自分で染めなくて良いのが楽なので(笑)。昨日、日本で戦っている時にいつもカラーをしてもらっていた美容師さんにバッチリと気合を入れてやってもらったので、そこからちょっとテンションが上がりますね」

9月9日に地元・群馬で「TOP BRIGHTS」を旗揚げする堀口は、ORICON NEWSの質問に「顔貸しみたいなもの。試合が終わればやれることをやりたい」と話す。これを受け「日本の格闘技の将来を考えて活動することで、自分自身に好影響がありますか」と質問をすると、非常に堀内らしい回答が得られた。

堀口恭司

「自分への好影響……難しいことを聞きますね(笑)。ノーコメントです。アハハハハ。まぁホント、自分に向けてどうこうでなく日本の格闘技界のためです」

■視聴方法(予定)
7月30日(日)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

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