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【FGP03】お見事!! UFCファイター同士のピュア・ノーギ柔術。モイカノが下攻めのフーパーを制し判定勝ち

<ウェルター級/8分1R>
ヘナト・モイカノ(ブラジル)
Def. decision
チェイス・フーパー(米国)

すぐに引き込んだフーパーがバタフライガードからスイープを狙い、モイカノが耐える。ガードを取り直したフーパーのニーシールドをボディロックで潰したモイカノは、バタフライスイープもワキを差して防ぎ、パス狙いへ。腰を切って腕十字狙いのフーパーが足を戻してバタフライフックを取り直す。

Zハーフガードに対し足を一本抜いたモイカノだが、フーパーもすぐにバタフライに戻る。さらにロックアップしたフーパーだが、左腕を差したモイカノは一旦立ち上がる。座ったままのフーパーは、直接ワキを差してくるモイカノのパス狙いに足をきかせ、右腕を差してレッスルアップ――と思いきやスパイダーガード、バタフライと徹底して下からのコントロールを狙う。

モイカノもパスの圧力を高め、ついにバックを制すと両足をフックしていく。腰をずらして足を戻したフーパーの動きに観客が拍手を送る。フーパーは再びバタフライ&ロックアップも、スイープはできない。ボディロックのモイカノが、バックへ。フーパーの前転からのスクランブルもマウントを奪い、サイドを選択してコントールを続けるモイカノ。残り1分、ボディロックで背中越しにフーパーの左腕を制したモイカノは、この腕をリリースし最後はスタンドに戻る余裕の展開で、判定勝ちを手にした。

MMAファイター同士のサブオンリー柔術、UFCファイターのピュアグラップリングの強さを見せつけるようなファイトだった。


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Interview Special UFC UFC250 アレックス・カサレス チェイス・フーパー ブログ

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─04─アレックス・カサレス✖チェイス・フーバー

【写真】ジャブで突き放し、試合を支配したカサレス (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が語りたいUFCプレリミマッチ。

第4回からは6日(土・現地時間)のUFC250で行われたフェザー級戦=>アレックス・カサレス✖チェイス・フーパー戦について話してもらった──流れで、田丸匠に対し、強烈な発言が聞かれた……。


──過去1カ月、岡田選手が気になるプレリミ2試合目は?

「カサレス✖フーパーです」

──!?

「アレっ? ピンとこないですか?(笑)」

──カサレスが完封した。う~ん、その記憶しかないですね。

「ハイ、完封でした。チェイス・フーパーって20歳で、勢いがある。UFCも将来性を買っているような感じがする選手だったのですが、カサレスが引き出しの多さと、経験値からなるMMAとしての完成度の高さで完封したというのが凄く印象に残ったんです。僕はメチャクチャ好きな試合内容です」

──その完成度の高さはとは、どういうものだったのでしょうか。

「多分、距離を取るという戦術だったと思うのですが、近づいてきたら出鼻をジャブで潰し、ステップを踏んでの空間支配能力の高さに僕は痺れました。

結果、距離をしっかりと取ってフーパーのやりたいことを何もさせませんでした。凄かったのが、初回に前に出たフーパーに右アッパーを合わせてダウンを奪ったのに、そこで攻めなかったことですね」

──あぁ、ありましたね。立たせて迎え撃つという。

「『なんで追撃しないの?』と思ったのですが、それができるのが凄いなぁと」

──う~ん、仕留めにいかないスタイルでしたね。

「ハイ。ダウンを取っても、パンチを当てていても必要以上に近づかない。勝ちに徹する姿は美しいとさえ思いました」

──なるほどぉ。そういう見方もファイターならではなのですね。しかし、岡田選手は北米MMAに毒されていますね(笑)。

「あっ、タッチ・キックボクシングMMAだけは嫌いなんですよね(笑)」

──特に倒せる時に倒しに行かない。まさにカサレスの初回ですよね(苦笑)。倒せない相手、凄くテイクダウンや寝技が強い相手にソレをするのもMMAなのですが、倒せそうな時には倒せよ……いや、倒しに行けよとは思ってしまうんです。昭和のMMAファンですね(笑)。

「戦いという部分では、その意見も分かります。ただ、僕にアレができるかというと……あのゲームはできないんです。僕なら倒しに行く」

──まさにレスリングの強い倉本選手にパンチを効かせたとき、距離を取って待つようなことはなかったです。

「そうッスね。自分なら行っちゃいます。でも、カサレスはいかずに待った。なんかMMAだからこそ、許される戦い方だし……僕は凄く惹かれました。もちろん仕留めにいくのもMMAだし、いかないカサレスの戦い方もMMAならではだと思います。

ああやって待つことができるのも、自分の技量に自信があるからだろうし……怖いから行くっていう選手は意外と多いはずです。でもカサレスはそれを天秤に掛けて、いかない方が勝率が上がると判断して、実行できている。彼の強さだと思います」

──前に出るとジャブで突き放される。テイクダウンを狙っても、スプロールされる。そういう展開になった時、岡田選手ならどういう風に試合を動かしますか。

「自分の距離が取れないときは、もうブラジル人と同じで玉砕覚悟で組みつくという選択をすると思います。パンチを貰って良いからいく。フーパーは途中から諦めて、下になっていましたね」

──アレはポイント的には。北米MMAで一番勝てない選択ですね。

「ハイ、ソレです。あの時は期待の若手も、こういうモンなんだなって。まぁ、下になるのも面白いですけどね」

──自分は酷評覚悟で、そして判定負けがまだ決まっていない時点なら見てみたい反応があるんです。

「どういう反応ですか?」

──前に出ない。待つという戦いです。

「えっ? アハハハハ。前に出るから殴られる。なら、待ってみると。それは考えなかったですねぇ。それもMMAですね。他の格闘技にはない」

──まぁ、それで負けるとリリースかもしれないですが(笑)。

「確かに(笑)。そこで出ないと……厳しい評価が待っていますね。いやぁ相当な図太さが必要です、それは。でも、全然ありですよ。

それなら無観客の方がやりやすいですね。カサレスも客がいてブーイングが起きたら、もっとレフェリーが攻めるように言われ自分から前に出てしまったかもしれないですしね」

──最終ラウンドを取っても判定で勝てないから、出るしかないですけどね。

「いやぁ、でも選択肢としてありですよ。それがMMAなので」

──やはり毒されていますね(笑)。

「アハハハ。僕もカサレスのように当てて、待って、当てて。そういう側の人間になりたいです。フィニッシュに行けるのに、ニヤニヤ笑って待ってなぶり殺しにするような試合がしたいですね(笑)。そのまま5R、そういう風に戦いたい。それも本当の強さだと思っています」

──奇しくも5Rという言葉が出てきたので……敢えて振らせていただきますが、田丸匠選手が『ランクが2位になった』とSNSで発言していたのは……これは含みがある発言だなと感じたのですが。

「あのガキ……。MMAPLANETのインタビューでアイツ、俺のことを『ボコボコにする』って言いやがって」

──アハハハ。でもボコボコじゃなくて、パカパカだったかと……。

「いや、どっちでも良いですよ。あのクソガキ……。別にやる必要あるとは思っていないですけど、やるようなことがあれば絶対に仕留めないでボコボコにしてなぶり殺しにしてやりますよ」

──そこもインタビューで生かさせていただきます(笑)。

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Report UFC UFC250 アレックス・カサレス チェイス・フーパー ブログ

【UFC250】アレックス・カサレスがチェイス・フーパーを寄せ付けずフルマーク判定で完勝

<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
チェイス・フーパー(米国)

サウスポーから右リードフック、ジャブを伸ばすカサレス。フーパーも左を返し、右を振る。その右にアッパーを合わされ、ヒザを着いたフーパーは立ち上がって前に出るが、カサレスが右をヒットさせる。さらに左を入れたカサレスは、組まれるとバックを伺い、反応されてもヒザを突き上げて離れる。フーパーは左を振るって組みつくとバックへ。スタンドで両足をフックしたフーパーは、着地して胸を合わされそうになると離れる。

カサレスは右ジャブ、右ハイ、右フックを振るう。フーパーは常に前出るが、そこにジャブや左フックを受けることが多い。右から左を当てたカサレスは左ジャブに組んでバックへ。前転についていくとフーパーが足関節へ。ロールして逃れたカサレスが初回を取った。

2R、ワンツーからスリーで前に出るフーパー、カサレスが左に左を合わせる。組まれたカサレは押し返し、ケージに詰めてから離れる。右に回りつつ、フーパーを迎え撃つカサレスがワンツー、スイッチしてきたフーパーにボディを決め、左を入れる。直後に組みついたフーバーがバック残り切れず、前方に落とされる。フーパーは立ち上がり左をヒット。すぐにクリンチ戦となり、ヒザを見せたカサレスが離れる。左ハイの空振りにバランスを崩したフーパーが立ち上がると、カサレスが左フックをヒット。組んだフーパーはジャンピングガ―ドから引き込んでハイガード、体重を預けてから下がったカサレスがスタンドに戻る。

再び引き込んだフーパーに対し、殴って立ち上がったカサレスがローを蹴っていく。前に出てきたカサレスに、草刈りスイープを決めたフーパーがトップから左のパンチを落とす。腹を蹴ったカサレスがスタンドに戻り2Rが終わった。

最終回、ワンツーで前に出るフーパー。左で迎え撃つカサレスは右ボディ、そして左フックへ。右フックを被せ、直後に右ボディを打ち抜くカサレスは、まっすぐ突っ込んでくるフーパーに組まれバックを許す。カサレスはクラッチを剥がして離れると、右ジャブ。直後にフーパーの蹴りが急所に入り、試合が中断する。再開後、左を入れたカサレスが変わらず攻勢をキープする。

残り半分で引き込んだフーパー、カサレスは付き合わずスタンドへ。近距離でエルボー、反れて右フックを当てたカサレスが組んでボディロックへ。ガードを取って引き込んだフーパーだが、カサレスは立ったままなのでスタンドに戻る。そこで左を被弾したフーパーは近距離で組まれると、すぐにガードを取るのでカサレスは怖さを感じる戦うことができる。サブミッションだけ気をつけて殴るカサレスが、立ち上がったところで残り10秒。レフェリーのブレイク後、両者の拳が交錯したところでタイムアップに──結果は当然のようにカサレスに凱歌が挙がった。