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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】ゲイリー・トノン戦から3週間、松嶋こよみ─01─「やられないイメージでやりすぎていた」

【写真】松嶋こよみの打が、ゲイリー・トノンの組みの圧力に敗れた(C)ONE

4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE114「Bing Bang」で、ゲイリー・トノンとの大勝負に敗れた松嶋こよみ。

MMA界髄一といって過言でないトノンの寝技を凌いだ反面、打撃で支配することはできなかった。

現代MMA界でも非常に珍しくなった異種格闘技的な性格のある戦いを経て、松嶋は何を想うのかを尋ねた。


──ゲイリー・トノン戦から3週間、あの敗北をどのように捉えていますか。

「先週まで……2週間ぐらい毎晩、死にたいような気分になっていました(苦笑)。そこから練習を再開するようになって……気持ち的には一旦リセットはできてきたかと思います」

──勝つことはできなかったですが、不甲斐なさなど微塵もなかった試合だったと思います。

「結局、極められはしなかったけど、『じゃあ、お前が何をしたんだ』と問われると、僕は本当にただ守っただけだし何もできなかった。試合が終わってからも、ずっと力を出し切れなかった……という想いが続いています。

2Rまで相手のペースで、自分のやりたいことができていないことが分かっていても、3Rもああいう風に動けなかった。悔しいとかいうよりも、不完全燃焼という気持ちが強いです」

──最終回はトノンが、2Rまででセーフティリードと考え勝負をする必要がなく、その選択を全うしたので凄く難しかったと思います。

「そうですね。少し当てて離れれば良いという感覚で戦っているのも分かっていました。あのサークルケイジだと、追い回すことも難しく、無理から突っ込んでいくとカウンターのテイクダウンが来る……。だからこそ、3Rをあの状態で迎えてはいけなかったです」

──う~ん、とはいえ1Rのバック&RNCを凌いだことは確かです。

「でも、それほど苦しくなかったんです。そこまでガッチリとはトノンも極めにきていなかったような気がします。もちろん僕は守ることに徹するという展開だったわけですけど。

背中を取っている位置がかなり上の方だったので、絞めはそれほど深く入らないという感覚はありました。ただし、あれが続くと、攻防のなかで気持ちが揺らぎそうになりはなりました」

──もう諦めようと?

「そうですね……『負けか……。これでタップするのか』という自分の声も聞こえました。あの態勢を取られると負けるという前提で、ああならないように取り組んできたので。でも、そうなった時にどう対処するのかという練習をしてきたから、何とか耐えることはできた。そういうことだと思います」

──結果論ですが、2Rにテイクダウンを取られずに打撃で圧力を掛けることができていると逆転の目が大きくなっていた。

「その通りですね。自分の打撃で行こうと思っていました。ただ、そうするとすぐにトノンが離れる。一定の距離をずっと取られ続けていました。結果、リズム的にも難しかったです。

そうなると段々と自分の攻撃パターンが少なくなって。相手がサークリングをしてくるので、右の蹴りを出して止めようという意識が強くなりました。そして、練習をしていない蹴りを使ったことで、カウンターのテイクダウンを許すことになりました。

レスリングは大丈夫だという甘いが考えが、あのテイクダウンされる展開に至ったと思います。あそこで即スクランブルに持ち込むと、バックをまた取られて極められる。ならガードで落ち着こうとか考えたのですが、結局のところはトノンが全ておいて上手でした」

──タップしなかったことは、自信にならないですか。

「MMAだと、そんなに極められないんだということで逆に驚いたということの方が大きいです。あの展開になったら、アッサリと極められるだろうと思っていたので。だから自信というよりも、トノンを大きく見過ぎていたかもしれないです。

同時に僕がリードしていたらトノンもああいう風でない、極めに拘った攻めを見せていたかもしれないですし。とにかくトノンの作戦にハメられた試合で、絞めを取られなかったから──他の選手に取られることはないという感覚になるのは良くないです」

──なるほどぉ、深いですね。自分なんてトノンに取られなかったので、あとはどんな組みや寝技の強い選手、あるいは寝技のない選手にもガンガンと打撃で攻めることができるようになると単純に考えてしまっていました。

「圧力に関しては、これまでより掛けていけるんじゃないかという感覚はあります。ただ、これを経験したからこそ、もっとグラップリングの練習をしないといけないと思うようになりました」

──いわば異種格闘技的に捉えると、トノンの組みの圧力が松嶋選手の打の圧力を上回ったということでしょうか。

「そもそも今回は守る練習をしていた。防御を考え過ぎてしまった……勝つイメージよりも、やられないイメージでやりすぎていたというのがあるかと思います。

それって最初から攻撃より、防御に回っているということで。結果として、自分の圧力は落ちている。力が落ちていたのかという感じはします。今更ですけど、もっと自分の攻撃を信じて準備をすれば良かったと思います。

でも……あの練習をしていないとやられていた。そう言う分でトノンは攻略が難しいだけでなく、準備も難しい相手だったと思います」

<この項、続く>

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ONE ONE Big Bang ONE114 Result ゲイリー・トノン ジヒン・ラズワン ブログ ボカン・マスンヤネ リトゥ・フォーガット 松嶋こよみ

【ONE114】試合結果 松嶋こよみ、絞めを凌ぐも拳で恐怖は与えられず。ボカンは37秒KO勝ち

【写真】トノンの寝技を凌いだ、ウェルラウンダーの寝技には負けない&打で追い込める自信を元に、次へ向かってほしい(C)ONE

4日(金・現地時間)、シンガポールはシンガポール・インドアスタジアムでONE114「Big Bang」が行われた。

COVID19の影響で対戦カードの変更が試合当日まで見られ、結果7試合と1中継分の試合数としては活動再開後、最も多くの試合が組まれることなった。

注目の松嶋こよみ✖ゲイリー・トノンはテイクダウンからバック奪取で試合をリードしたトノンが判定勝ち。

松嶋はバックチョークを防ぎきるという部分で特筆すべき戦いをやってのけたが、打撃でトノンを封じ込めることはできなかった。

ストロー級注目のボカン・マスンヤネはタイトルコンテンダーのルネ・カタランを37秒KO勝ちし、一気にタイトル戦線へ。

またライブ中継2大会連続で第1試合に抜擢されたリトゥ・フォーガットもジョマリー・トーレスを危なげなくクルスフィックスからエルボーを連打しTKO勝ちを収めている。

ONE114「Big Bang」
<キック・フェザー級/3分3R>
○マラット・グレゴリアン(アルメニア)2R1分52秒
KO
×イワン・コンドラチェフ(ロシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
○ゲイリー・トノン(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×松嶋こよみ(日本)
<キック・ヘビー級/3分3R>
○ムラット・アイグン(トルコ)3R
判定
×アンダーソン・シウバ(ブラジル)
<キック・フェザー級/3分3R>
○アンディ・サワー(オランダ)3R
判定
×ジャン・チュンユ(中国)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
○ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)1R0分37秒
KO
詳細はコチラ
×レネ・カタラン(フィリピン)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
○ジヒン・ラズワン(マレーシア)3R
判定
詳細はコチラ
×ビー・ニューイェン(米国)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
○リトゥ・フォーガット(インド)1R3分15秒
TKO
詳細はコチラ
×ジョマリー・トーレス(フィリピン)

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ONE ONE Big Bang ONE114 Report ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】トノンのバックチョーク、足関節も凌いだ松嶋こよみ──だが、拳を入れることはできず判定負け

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
Def.3-0
松嶋こよみ(日本)

左の蹴りを見せるトノン、誘いに乗らない松嶋だが逆に蹴り足を掴まれる。ここからパンチを振るい、組んでいったトノン。松嶋は切るが、トノンはジャンピングガ―ドからギロチンを仕掛ける。トノンが外し、松嶋は左を入れる。

トノンは組んで引き込むと、右腕を差し離れようとした松嶋のバックへ。ワンフックでバックに回ったトノンが、四の字ロックに。ツーオンワンで手首を掴んで防ぐ松嶋。トノンは自らの指と指を引っかけて喉下に右腕を入れようとする。

トノンはパンチから右腕をアゴの上から絞める。松嶋は手首を取ってはがしにいくと、トノンがパームトゥパームからRNCに組み直す。アゴの下への絞めを防いだ松嶋、ラウンド終了までの残り90秒だ。一度、胸を合わしに行った松嶋だが、トノンは許さない。トノンは右手で松嶋の右肩を掴み、足を跨いでマウントに移行しパンチを落とす。

再びバックに回ったトノンはケージを背負って、腕を差し入れる。松嶋は手首を掴み、腕を伸ばしてラウンド終了までサバイブしした。

2R、右前蹴りを見えた松嶋、テイクダウン狙いを切り、引き込みにもウィザーからヒザを蹴っていく。引き込んだトノンに付き合わず、立たせると松嶋は右ハイを蹴る。松嶋はテイクダウンのフェイクを見せたが、続く右ローにトノンが逆にダブルレッグを決めスクランブルでバックへ。

再び四の字ロックをとったトノンが、右腕の上から足をフックしていく。トノンは後方から鉄槌を入れるが、足をフックしていることで乗りすぎで絞めには入れない。ロールから上を取りたい松嶋が、ハーフガードに。足を抜かれると再び背中を取り切られるも、足を抱えてフックを許さない。

腹固めに入ったトノンが、続いてアームロックへ。松嶋は腕を抜いてトップへ。トノンはここでギロチンからバックを狙うが、振り落とした松嶋がパンチから顔面にヒザを入れる。さらに殴ろうとしたところでトノンが立ち上がり、ラウンドが終わった。

最終回、組むための打撃のトノン。松嶋は距離を取り、右ローから右フックを狙う。右ミドルを掴み引き込んだトノンのヒールにも鉄槌を入れて立ち上がった松嶋は、右ローを蹴る。

プレッシャーを掛けられたトノンに、松嶋が右ミドルを蹴っていく。組んだ松嶋は、自ら押し放して打撃の機会を伺う、残り2分40秒、松嶋は左ジャブを伸ばし、続いて右で顔を狙っていく。前に出て右フックを当てた松嶋は、回るトノンに左ローを入れる。スイッチ、サークリングを繰り返すトノンに対し、松嶋は右ミドル。トノンは左を合わせようとする。

組みを混ぜて打撃を入れる松嶋は、トノンの前蹴り後に距離を詰める。右フックの相打ち、離れたトノンに松嶋は右オーバーハンド──も空振りに。トノンは回り続け、松嶋は圧は掛けるがクリーンヒットはない。最後も組みを交えた松嶋だったが、ここで試合終了に。
互いにダメージは互いになく、グラウンドでドミネイトしたトノンが3-0で判定勝ちを収めた。最も未開拓の部分で、世界最高峰のグラップラーの攻めを凌いだ松嶋だが、2Rもバックを許したのが痛かった──。

トノンは「凄くタフな試合だった。でも、次の試合はタン・リー。ただ戦うだけじゃない、黄金のベルトを俺が巻く」と世界戦をアピールした。


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News ONE ONE Big Bang ONE114 ゲイリー・トノン ブログ ボカン・マスンヤネ リトゥ・フォーガット レネ・カタラン 松嶋こよみ

【ONE114】対戦カード キンガド✖アクメトフ&アリアックバリ、OUT。ボカン✖カタラン、IN

【写真】リトゥ・フォーガットは2大会連続でLIVE中継オープニングに。インディアンMMAを引っ張る存在になるか(C)MMAPLANET

2020年12月4日(金・現地時間)
ONE114「Big Bang」
シンガポール カラン
シンガポール・インドアスタジアム

■視聴方法(予定)
12月4日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
毎週木曜、26時05分~テレビ東京「格闘王誕生! ONE Championship」

■対戦カード

<ONE Super Seriesムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] ロマン・クリキア(ウクライナ)
[挑戦者] ムラット・アイグン(トルコ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ゲイリー・トノン(米国)

<キック・フェザー級/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
イワン・コンドラチェフ(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
レネ・カタラン(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ジョマリー・トーレス(フィリピン)

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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】ゲイリー・トノン戦へ。松嶋こよみ─02─「この相手に勝つのは、日本には僕しかいない」

【写真】今回のインタビューで松嶋が話してくれたような試合展開に挑むことは、精神的に非常にきつい。その覚悟を日々、養ってきたということか(C)MMAPLANET

4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE114「Bing Bang」で、ゲイリー・トノンと対戦する松嶋こよみインタビュー後編。

稀代のグラップラーと戦う松嶋をABEMA TVのTHE WONDERが追った。

MMAPLANETではトノン戦、トノン対策に特化したインタビューを同コンテンツ内で行った。

MMAとしては相当に特徴的なファイター=トノンに勝利するために、松嶋は自分を隠す──我慢のファイトに徹することを覚悟していた。

<松嶋こよみインタビューPart.01はコチラから>


──ユニファイドと違い、ONEルールではグラウンドでヒザが許されています。

「低い姿勢でのテイクダウン狙いは、ユニファイドと比較すると減ると思います。そこに関しては、ONEルールであることは僕の方に有利に働くでしょうね。

それとユニファイドのラウンドマスト判定でなく、コントロールされていてもダメージを与えることができればという裁定基準なので。全体を通して、自分が最終的には優位に立っていたと印象づける。そういう場面を創るように戦う。ONEで戦うので当然ONEルールになるのですが、ユニファイドでなくて良かった点ですね。

それに武器としてはトノンより、僕の方があると思っています。もちろんトノンは強いグラップラーであるけど、MMAの経験値の低い今、倒しておかないと。これからも成長していくでしょうし、対戦がこのタイミングで良かったと捉えています。それだけに『MMAってこうなんだよ』っていうのを見せないといけないです。

そういう部分でも、今後につながる面でも本当に大切な試合です。まずはトノンがコロナに感染しないで、試合に挑めることが一番かと」

──笑いごとでなく、その通りですね。トノンと対戦する前に、中原選手と彼の試合があったことが良かったということはないでしょうか。

「それはあります。あのヒールをMMAでもできる。それはそうだよなってことを……やっと刀を抜いたかっていうところを中原選手相手に見せていたので。中原選手もそんなアホじゃないと思うので、あれが来ることを想定して戦い、ああいう結果になった。あれを視ることができたので、自分のなかで色々と創ることができました。

あの試合がなければ、『あまり気にしなくて良いか』っていう感じで、イグルーに来ることもなかったかもしれないです。強いけど、MMAでは大丈夫だなっていう準備で戦うことになっていたかもしれない。そういう部分であの試合があって良かったです」

──トノンを相手に、コンビネーションのバン・バン・バンという打撃ではなく、ベースにドンというカラテがあるというのは、どういう風に考えていますか。それとも、そこも意識しないほうが良いのでしょうか。

「あまり意識はしていないですけど、カウンターのテイクダウンはキックボクシングの打撃より、僕の打撃は取られて辛いとは思っています。キックだとリズム&リズムで、ワンツー&蹴り、ワンツー&蹴りってなるところですが、僕の打撃はそれが見え辛い。

トノンのテイクダウンは打撃へのカウンターか、彼自身のガチャガチャした打撃から入って来るので、その一つであるタウンターのテイクダウンは僕の打撃で消すことができると思っています。

もちろん自分がミスをすれば、そこを衝いてこられるのですが、ミスをしないように戦うには、今の打撃は自分に合っていると思います」

──この試合はタイトルに向けてという試合になりますが。

「そこは、あまり意識していないです。タン・リーが上にいるのは分かっていますが、そんなことを意識していると勝てない相手なので。まずは目の前にいる強敵をしっかりと倒すことです。スプリット判定でも良いので、勝つことが大切。なんとかモノにしないといけない試合です」

──自分の階級に新チャンピオンが誕生したことも関係ないですか。

「そうですね、あの2人がまた戦うと思っているので。もともと、このトノンとの試合が決まってから、あの試合を見たので余り気にせずにやってきました。もちろん、2人の強いところを見ることができた試合でしたけど、トノンを倒すことに集中してきました」

──それ以前も含め、2月以来9カ月振りの試合になります。

「意外と試合がない期間を無駄に過ごしてきたという感じはなかったです」

──結果、海外のONE本戦と呼べる大会で戦うことになりました。

「待って良かったということに今回はなりました。Road to ONEがあったり、修斗だとか他に選択肢があるなかで、一番やりたかったトノンとの試合になったので。少し待って、練習に集中して、この機会に恵まれました。運命じゃないですけど……こうなる運命だったのかと(笑)。タン・リーの挑戦が決まっていたし、トノンだろうって気持ちを創ってきたのが良かったのかと思います」

──試合自体は11月20日から2週間ズレました。

「2週間延びたのはきつかったです(笑)。追い込み期間が2週間続いて……。でも、本来なら向うにいて隔離されている期間も、こうやって練習してグラップリングで修得できることも増えました。自分にとっては良い時間になったと思います。練習的にもそうだし、精神的にも余裕を持つことができて、良い自分を創ることができたかなと思っています」

──以前のように勢いで攻めたくならないですか。

「やりたくはなっちゃいますけど(笑)。ずっと試合では自分のやりたいことを思い切り投げ込んで戦う。自分の戦いにハメ込んで戦えば良いと思っていたのが、前回の試合から少しずつ変わってきました。

今回は特に自分を隠す、我慢することが本当に大切だと思っています。自分の攻撃がしたいとは思うのですが、そこは自分を隠す。我慢するという意味では、それはやってはいけないことです」

──攻めるけど、我慢。大変ですね。

「我慢して戦うには、精神的に成長しないといけなかったです。ただ、本当に触ってみないと分からないところもあります。どれだけ自分とトノンにレスリング力の差があるのか。トノンはそこまでレスリングの強さを見せた試合はまだないので。普通のテイクダウンは取られないと思いますが、引き込みからの攻撃とか細心の注意を払っていないと一瞬にして持っていかれるでしょうし。

最後まで気の抜けない辛い試合になるでしょうが、それはトノンも同じで。だから、そこばかりに余り気を遣わずに、やるべきことをやることを意識しようと思います。そうですね、最後の最後まで相手の後ろを走る……そういう試合をしないといけないと思っています」

──それは本当に覚悟が必要ですね。

「結果、見ている人たちに面白くないと思われるかもしれないけど、それはしょうがないでです。この相手に勝つのは、日本には僕しかいないので。とりあえず、それを見せたいと思います」

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Interview ONE ONE Big Bang ONE114 ゲイリー・トノン ブログ 松嶋こよみ

【ONE114】松嶋こよみと対戦、ゲイリー・トノン─02─「この試合はテスト、タフファイトは覚悟」

【写真】どう組むか、どうタイトな距離を続けることができるのか。関節の一発、バック奪取とともに注目だ(C)MMAPLANET

12月4日(金・現地時間)、シンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE114「Bing Bang」で、松嶋こよみと対戦するゲイリー・トノン・インタビュー後編。

コロナ禍により、少なからず影響を受けたトノンは、世界のトップグラップラーであることは違いないが、この試合でトップMMAファイターであることを示そうとしている。

<ゲイリー・トノン・インタビューPart.01はコチラから>


──次に戦う松嶋選手は、蹴りを使うという部分においても過去に対戦したことがないストライカーです。

「ほんとカラテなのかテコンドーなのか、興味深いスタイルの持ち主だよ。そういう試合を遠い位置でして、レスラーという別の顔を持っている。キックで距離を取って、近づくとテイクダウンだ。

ただレスリングに関しては倒してコントロールしたり、サブミッションにつなげるモノじゃないね。どちらかといえばパウンドを打って、KOを狙っている。そういう相手とは戦ったことがないから、面白い挑戦になるよ。

僕がサブミッション・グラップリングで戦うには、彼をテイクダウンできないと大きな問題になる。君が指摘したように、これまで蹴りをあれだけ使う選手と戦ったことはなかった。キック……特にハイキックは一発で試合を決めることがあるしね。ただし、そこに関してもしっかりと準備してきたよ」

──この試合、距離がカギになるかと思われます。

「その通りだ」

──その一方でテイクダウンではなく、引き込むという動きもゲイリーはできます。パウンド有りのなかでガードワークから仕留める自信はありますか。

「もちろん、彼を仕留める技はいくらでもある。ただし、きっとマツシマがやってくることはレスリングを使って寝技にいかないことだ。例えテイクダウンに成功しても、僕にくっつき続けることはないはずだよ。

グラップリングの応酬と、離れて殴りたい人間へのガードワークはまるで意味が違ってくる。基本的に僕はトップから時間から攻める人間だけども、バランス良く下からも攻めることができる。だから、足関節を含めガードから極めることは可能だよ」

──タン・リーが新ONE世界フェザー級王者になりました。タイトル挑戦に向け、今回の試合はどれだけ重要だと考えていますか。

「凄くエキサイトしているよ。この試合の勝者、少なくとも僕が勝った場合はタイトル挑戦権を得ることができるだろう。マツシマは1度、挑戦しているからね。ただタン・リーとマーチン・ウェンのリマッチを組みたがっている風に感じるよ。いずれによせ、この試合に勝ってタン・リー、あるいはマーチン・ウェンかもしれないけど、彼らと戦うポジションに立つことになる。

コヨミ・マツシマのようにタイトル挑戦する前にしっかりと勝つことが求められている。過去の例でいえば、タイトルに挑戦する前の試合はとても大切だ。ファンから『ゲイリーの挑戦がみたい』と言われるようなファイトにしないといけないね」

──まだキャリア5戦目ですが、もう充分に世界タイトルに挑戦する準備はできていますか。

「そこなんだよ。そういう声がついて回るから、次の試合で文句なくタイトルに挑戦する力があることを示さないといけない。もちろんすぐにサブミットすることもそうだけど、もう僕はMMAファイターであって柔術家じゃないから、そうでない勝ち方もできる。

サブミッションだけでなくKO勝ち、TKO勝ちできるウェルラウダ―だということを証明したい。サブミッションで勝つにしてもグラウンドで殴ってダメージを当てる方が極めやすいからね。アンソニー・アンゲレンをパウンドアウトしたように、そういう力があることを皆に見てもらわないと。

プランAはサブミット、プランBはコントロールして殴ってダメージを与える。どっちもできる。さっき言われたようにカギはディスタンスだ。近い距離で戦えるなら、ファイトは僕にとって都合の良いモノになるだろうね」

──日本のMMAファンは世界でも最も寝技に理解のある人達だと思います。だから一本勝ちできるファイターは人気がありますし、柔術家なら国籍に関係なくゲイリーの勝利を願うことすらありそうです。

「アハハハハ。だからこそ、僕もまた日本で戦いたいと思っている。今はこんな状況だけど、事情が許せばすぐにでも再び日本を訪れたい。その時は最もMMAで成功したグラップラー、そしてトップMMAファイターとして日本に行くことになるだろうね。

そのためにもコヨミ・マツシマとの試合は大切になる。多くの柔術家がレスラーを相手に苦戦を強いられてきた。レスラーがグラップリングを理解すると、本当に厄介だ。ユーリ・シモエスが中国人レスラー(※ファン・ロン)に敗れたようにね。僕もレスラーを相手にタフな試合を戦うことになるかもしれない。

そこも覚悟している。タフな状況を乗り越えられるのか。それこそが、僕にとってテストになる。このチャンレジに対して、全力を尽くして戦うから、日本のファンにもしっかりと試合を見てほしい」

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News ONE ONE Big Bang ONE Collision Course ONE114 ONE115 アミル・アリアックバリ カイラット・アクメトフ ゲイリー・トノン ダニー・キンガド ブログ リトゥ・フォーガット ローウェン・タイナネス 松嶋こよみ

【ONE114 & ONE115】12月は4日に松嶋✖トノン、アクメトフ✖キンガド。18日はローウェン・タイナネス!!

【写真】これは楽しみ、中央アジアのパイオニア世代のアクメトフ✖新世代ラカイのエース(C)KEISUKE TAKAZAWA & MMAPLANET

23日(月・現地時間)、ONE Championshipが12月4日(金・同)と18日(金・同)にシンガポール・インドアスタジアムで250人限定の有観客大会を開催することを正式発表した。

20日のABEMA中継で12月4日に松嶋こよみが、ゲイリー・トノンと戦うことが明らかとなっていたが、この大会のイベント名はBig Bang、18日大会はCollision Courseと決まった。


松嶋✖トノンが組まれた大会ONE114のメインはキック世界ライトヘビー級王者ロマン・クリキアが、ムラット・アイグンの挑戦を受ける立ち技マッチ。6試合中MMAは4試合で、フライ級のトップランカー対決となるカイラット・アクメトフ✖ダニー・キンガド、ヘビー級でアミール・アリアックバリ✖イスラム・アバソフ、女子アトム級のリトゥ・フォーガット✖ジョマリー・トーレスがラインナップされた。

18日大会=ONE115もメインは立ち技戦でムエタイ世界バンタム級王者ノンオー・ガイヤーンハーダオが、ロドレックP.K.センチャイムエタイジムとの王座防衛戦に挑む。同大会ではメイン以外は全てMMAでライト級=ムラット・ガフロフ✖ローウェン・タイナネス、バンタム級ではユーサップ・サーデュラエフ✖トロイ・ウォーセン、ライト級のアミール・カーン✖パク・デソン、フライ級のチャン・ロタナ✖シェ・ウェイ、そしてウェルター級=ライモンド・マゴメダリエフ✖エジソン・マルケスの5試合が組まれた。

ONE114では松嶋✖トノンは当然として、アクメトフとキンガドの対戦は若松佑弥、和田竜光の今後にも十分に影響を当たる一番。さらにヘビー級GPではないのかというアリアックバリのデビュー戦も、非常に興味深いところだ。

ONE115は何といってもローウェン・タイナネスに注目だ。ライト級では動きの悪さを露呈したガフロフ戦をステップに、クリスチャン・リーとハワイ頂上対決につなげるのか。ONEライト級の裏番長の1年11カ月振りの実戦復帰は期待大だ。

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News ONE ゲイリー・トノン ゴードン・ライアン トム・デブラス ブログ ホジャー・グレイシー マーカス・アルメイダ

【ONE】ゲイリー・トノンの師匠トム・デブラスと契約。グラップリング路線も気になるところ──

【写真】アジアでの戦いは2012年のマカオ以来となるトム・デブラス(C) MMAPLANET

18日(月・現地時間)、ONE Championshipの公式ホームページがトム・デブラスと契約を結んだことを明らかにした。

MMA戦績9勝2敗、UFCでは福田力に敗れているデブラスは、6年半前にMMAから引退し──天職といえる柔術の指導で成功を収めてきた。少年期にテコンドー、そして陸上競技に勤しんだ後、19歳で柔術の練習を始めた彼はすぐにヒカルド・アルメイダに師事するようになり、6年半後には黒帯を取得する。と同時に自らのアカデミーをオープンし、ゲイリー・トノンを育て上げた。


今回、デブラスが現役復帰を決意したのもトノンがONEで戦い始め、セコンドとしてONEという戦いの場に触れたからだという。「私はサムライの掟が好きで、ONEのようにこの掟が感じられる団体はなかった。38歳だけど、ベストを尽くすことを約束する。この機会を与えてくれたチャトリに感謝している」というデブラス。

MMAではRing of Combatでヘビー級王者になっているが、技術系で荒々しい相手には分が悪かったデブラスだが、MMAを引退後もノーギワールドのマスター黒帯、ADCCアメリカン・ナショナルで優勝し、Fight o WINやKASAI Proでグラップリングの試合は継続して戦ってきた。

パウンドのある戦いで、肉体だけでなく精神のコンディションを上げてくるのか。現状、デブラスのONE初陣がいつになのか公言できる状態ではないが、ヘビー級かライトヘビー級での出場となる模様だ。

またONEではチャトリがホジャー・グレイシー、ゴードン・ライアン、マーカス・アルメイダ・ブシェシャの名前を挙げグラップリングを組むプランを明かしていたが、デブラスはまさに彼らと同体格。MMA、ムエタイ、キックに次いでONEでノーギ・グラップリングが単発的に組まれていくことにも期待が募る──デブラスとの契約といえる。