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【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。グティエレス✖コラレス「答が必要」

【写真】今回は定位置で養成されたパワーを繰り出すことはできなかったグティエレス (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たクリス・グティエレス✖フィリップ・コラレスとは?!


──グティエレスは移動のパワーでなく、定位置でエネルギーを養成することができる珍しい選手だということでしたが、今回はコラレスの蹴りの前にその良さが出せていなかったように見えました。

「結論から言いますと、グティエレスはコラレスをビビっていました。ただし、蹴りに対してではないです。パンチが怖いから、下がってカウンターで倒そうとしていました」

──蹴りで養成したエネルギーを出す機会を奪われたのではなく?

「コラレスの蹴りは、足でペチャンって出しているだけで威力はないですよね。あれは効かないです。拳(ケン)にチンクチが掛かるかのように、蹴りも爪先やカカトという先端部分までエネルギーが伝わっているかどうかで、威力も決まります。

コラレスの蹴りは当たった時に足首から先がプラプラァとしていて、体のエネルギーが爪先まで伝わっておらず、質量が低い蹴りなんです。ですから、効かない蹴りよりもコラレスの前進してからのパンチを嫌がっていた。コラレスもパンチでいけば良かったのですが、カウンターのパンチを嫌がっていたのかもしれないです」

──ともあれグディエレスがアンドレ・イーウェル戦で見せた定位置でのエネルギーの養成もなかったということですね。

「定位置でエネルギーを養成するという部分では、止まった位置で力を創っているのですが、それを運ぶという作業、エネルギーで前進するという点ではピエラ・ロドリゲスの方が上です。そして今回の試合ではただ単に下がってしまっていました。だからエネルギー云々という部分では、グティエレスは話にもならないです。

コラレスの方が質量が高くて、そこに対してただ下がる。それは無防備で下がっている危険な行為です。選択したのが、下がって一発狙い。結果、決して褒められた前進ではないコラレスを勢いづけています。その前進により、コラレスの質量は上がっていました」

──それでもグティエレスが2-1の判定勝ちを収めます。

「それがもう分からないです。1Rと2Rはグティエレスがどう勝とうとしていたのか。3Rはもうコラレスが疲れたのか、右を打たれてからはグティエレスの試合になりました。でも最後の30秒か、言ってみると10秒の間だけです」

──岩﨑さんの見立てだと29-28でコラレス。同じ裁定のジャッジが1人いました。ただ、残りの2人は30-27なんです。

「30-27でグティエレスというのは……それはもう全然分からないです。明確なのは3Rですけど、あのラウンドのグティエレスは良かったんです。ただし、1Rと2Rのカウンターを取りに行った作戦は失敗です。カウンター狙いが逃げになっていたので。それでもグティエレスになるのは……分からないです。

そして定位置でエネルギーを養成できるというのも、そこには法則性がなかった。でも法則性があっても、相手や自分のコンディションで発揮できないことは多々あります。それに定位置でエネルギーを養成していることを指導者が良いと判断していないと、続けられることもないです。

だから私は選手が型をやる必要はないと思っています。でも指導する側は私の場合は型ですが、なぜこうなったのかという答が必要なんです。答を持っているのかどうかで、指導は変わってきますからね」

──と同時にこの試合でグティエレスは勝った。なら指導は間違っていないという見方が成り立ちます。

「勝てばハッピーです。それはコーチも。と同時に、ダメだったところは洗い出さないといけない。試合は勝つためにやります。なので武術の本質をそこで取り入れ、追及することで負けてしまっては何もならない。

明確にジャッジの裁定基準が、空振りでも手数を出して前に出ていると勝てるのであれば、私も試合ではそうさせます。試合は勝つために戦うものなので。そのなかで前進すれば勝てるけど、前進するリスクと危険性を指摘できるようでいたいです。

そのうえで前進して、試合に勝たせに行きます。空振りでも評価されるなら、空振りもさせます。勝つことが一番大切なことですから。それが武術と競技の違いです。だから武術の叡智を生かすのは、テクニックや動作だけではない。これだけ厳しい競技をやっているなかで、自分の持っている武という部分からも、その過酷さを説き、精進させることだと思っています。

武術とは生きる、死ぬというなかで生まれたものです。生死が掛ったところの深刻さから生まれた叡智を格闘技で生かすというのは、そういうところでもあるはずです。だから辞めるなら辞めれば良い。そんなことしないでも格闘技の試合は出ていけます。でも、UFCだ、海外だっていうのなら、それぐらいの気持ちでないとあの連中を相手にして、やり合うことはできない。

私は競技をやってきたけど、殺し合いは経験していないです。だから武術を勉強するんです。

武術をやっていない人間だって、実社会でえげつないことを平気でやっています。それはルールがあって、時間があり、審判がいる格闘技とは比べモノにならない、残酷なことをやります。その残酷極まりなさを考えることで、戦わない平和を追求できると思います。実社会は性悪説のえげつないところです。武術はそういう場で、平常心でいられるよう鍛錬するものです。海外で、UFCで勝つという目的を持った馬鹿者には、武術の叡智が5分✖3Rの戦いで生かせることができればなと。それは男の浪漫。格闘浪漫です」

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MIKE MMA News UFC   クリス・グティエレス

『UFC Fight Night 194: Dern vs. Rodriguez』スプリットデシジョンだった試合のジャッジの採点/主要サイトの採点


Chris Gutierrez defeats Felipe Colares(MMA Decisions)

 クリス・グティエレス vs. フェリペ・コラレスのジャッジの採点。Mike BellとSal D'Amatoがフルマークでグティエレスで30-27グティエレス勝利。Rick Winterが1,2Rコラレス、3Rグティエレスで29-28コラレス勝利でした。

 主要サイトの採点は30-27グティエレス支持6人、29-28グティエレス支持6人。コラレス支持はいませんでした。続きを読む・・・
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MMA UFN194 キック クリス・グティエレス フィリッピ・コラレス

【UFN194】コラレスの蹴りに定位置パワーを養成できずも、盛り返したグティエレスがスプリットで競り勝つ

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
Def.2-1:30-27.30-27.28-29
フィリッピ・コラレス(ブラジル)

左ミドルハイを2発見せたコラレス、蹴りをブロックしたグティエレスはケージにつまりサークリングで間合を取り直す。スピニングバックキックを繰り出したグティエレスだが、コラレスは左右のミドル、ハイを続けワンツーを入れると、そのまま組んでバックに回る。ハイクロッチを両ワキを差して体を入れ替えたグティエレスは、離れると蹴りに左を合わせようとする。

グティエレスの間を蹴りで潰すコラレスだが、組まれてケージに押し込まれる。右腕を差し、ポジションを2度入れ替え、ケージに押し込まれたコラレスの首投げを防いだグティエレスが離れる。ここも蹴りで前に出たコラレスに対し、グティエレスは持ち前の定位置で養成した力を運ぶ打撃を駆使することができない初回となった。

2R、右ローに左を合わされたグティエレスが、蹴りを多用する。コラレスの右オーバーハンドには左を合わせるグティエレスは、初回同様に蹴りでケージに詰まるが、ここから左ジャブを当ててオクタゴン中央で戦うようになる。さらにサークリングを駆使するグティエレスは左ミドルでケージを背負い、右ミドルは外して右を伸ばす。続いて左ストレートを入れたグティエレスは、コラレスの左ミドル後に左ジャブを当てる。

蹴り過ぎが、動きが落ちたコラレスに逆に右ハイを蹴っていったグティエレスだが、それでも左右のミドルを蹴られケージに押し込まれる。ダブルアンダーフックから体を入れ替えて離れたグティエレスは、左ミドルをブロックして左ストレートをヒットさせる。続いてステップインから右を当てたグティエレスは左ボディフック、そして左フックを当てる。最後の3秒でコークスクリューキックを見せたグティエレスだが、これは当たらずガードを取って盛り返した2Rを終えた。

3R、蹴りには蹴りで対応したグティエレスが左を当てて、前蹴りを入れる。ワンツーを振るって前に出たコラレスが、シングルレッグもグティエレスは右腕を差し、ここもダブルアンダーフックで体を入れ替えて離れる。直後に右ボディフックを入れたグティエレスに対し、コラレスが右ミドルを2つ繰り出す。左ミドルから左を返したグティエレス、コラレスも左の蹴りを見せるが、左を被弾。直後の右ミドルでスリップし、起き上ったところでグティエレスが2度左ジャブを当てる。

残り2分、ついにテイクダウンを決めたコラレスは下からのエルボーを受けながらトップをキープする。グティエレスはここでクローズドガードを取ってしまう。腰を切ってからの腕十字を防がれたグティエレスは、スイープ狙いから立ち上がりエルボー、ワンツーを効かせると右を思い切り2発打ちこむ。姿勢を乱し、荒いフックを振るうコラレスだが、グティエレスがダブルレッグでテイクダウンを決める。

直後にスイープでコラレスが上を取ったが、時間に。3Rにテイクダウンを奪われた厳しい局面から、パンチで盛り返せたグティエレスがスプリット判定勝ち──30-27が2人というのは意外だったが──に。グティエレスが勝利者インタビューでコーナーマンを招き、「コーチ・マイク、君は僕の人生の恩人だ。この試合は君と君の家族のために戦った。僕の人生は君無しでは考えられない」と涙を見せてハグをした。


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News UFC UFN ESPN+52 UFN194 クリス・グティエレス ブログ マッケンジー・ダーン マテイス・ニコラウ. フィリッピ・コラレス マリナ・ホドリゲス マリヤ・アガポワ

【UFN194】計量終了 闘志満々マッケンジー✖ホドリゲス。グティエレス、エリオット✖ニコラウに注目

【写真】身長差がなかなかあるホドリゲスとマッケンジー(C)Zuff/UFC

8日(金・現地時間)、 9日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN194:UFN on ESPN+52「Dern vs Rodriguez」の計量が行われた。

今大会のメインはマリナ・ホドリゲス✖マッケンジー・ダーンの女子ストロー級マッチ。両者揃って問題なく計量をパスしているが、よりナーバスに見えたのはホドリゲスで、パスをすると安堵の表情を浮かべ、両手を合わせた。

一方のマッケンジーは、パス後に笑顔を浮かべてガッツポーズ、フェイスオフでも笑顔で握手をしつつ、いざ視線を合わせスト決して目を逸らさない気の強さが見え隠れしていた。

そのマッケンジーは現在4連勝中で、ホドリゲスはアマンダ・ヒーバスとミッシェレ・ウォーターソンという猛者に連勝中。両者にとって、ここを勝ち残ることで11月16日の世界女子ストロー級選手権試合=王者ローズ・マナジュナス✖挑戦者ジャン・ウェイリ戦の勝者への挑戦権が見えてくる大切な一戦となる。


コ・メインのウェルター級ではランディ・ブラウンと対戦するジャレッド・グーデンが 4ポンド超過でキャッチ戦として行われる。

またUFC唯一のカザフスタン女子ファイターのマリヤ・アガポワは事前のインタビューで順調に体重が落ちていることを明言していたが、その言葉通り胸の狼のタトゥーが際立つバキバキボディを披露し、フェイスオフでも終始笑顔を浮かべていた。

プレリミ4試合、メイン5試合のコンパクトな大会で気になるのはメインカードの火蓋を切って落とすバンタム級のクリス・グティエレス✖フィリップ・コラレスの一戦と、フライ級のティム・エリオット✖マテウス・ニコラウのマッチアップだ。

LFAからUFCにステップアップしたグティエレスは、スムーズなパンチと蹴りのコンビネーションを主体に無駄な移動が少ない攻撃で、1分を挟んで4連勝中の上昇基調にある。

グティエレスの特徴は、動きが大きくないこと。移動や体を振った「ため」でパワーを創り出す攻撃でなく、定置で養成したパワーを移動させる打撃を有効活用できている。

グティエレスが安定しているのは、入って来る相手に適切なパンチや蹴りを入れることで、自身の力が伝わる距離で戦えていること。つまり、自分の間で戦うことができるというわけだ。

そんなグティエレスの攻撃を受けても思い切り入るのか、自らは出ずに誘い出すことができるか。コラレスの勝機は、グティエレスの間で戦わないことで訪れる。

フライ級のニコラウ✖エリオットは、前者がオクタゴン2戦目なのに対し、後者は実に16戦目という新旧対決だ。エリオットはスクランブルに持ち込んで、削って競り勝つことを狙うことが予想される。その執拗な攻撃に対して、ニコラウは耐久力とダースやジャパニーズネクタイというフロント系のチョークによる遮断力を持ち得ているのか。

ニコラウもジョン・モラガがマネル・ケイプにスプリットで競り勝っており、ミスを犯さないファイトには長けている。攻めるエリオット、受けて外すニコラウという展開になることが予想されるが、前述したようにニコラウの遮断力=極め力によって勝敗の行方が左右される一番となりそうだ。

■視聴方法(予定)
10月10日(日・日本時間)
午前2時30分~UFC FIGHT PASS

■UFN194計量結果

<女子ストロー級/5分5R>
マリナ・ホドリゲス: 115ポンド(52.16キロ)
マッケンジー・ダーン: 114.5ポンド(51.94キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ランディ・ブラウン: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジャレッド・グーデン: 174ポンド(78.92キロ)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット: 125.5ポンド(56.92キロ)
マテウス・ニコラウ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マリヤ・アガポワ: 125ポンド(56.7キロ)
サビーナ・マゾ: 125ポンド(56.7キロ)

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス: 135ポンド(61.24キロ)
フィリッピ・コラレス: 136ポンド(61.69キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレクサンドル・ロマノフ: 260ポンド(117.93キロ)
ジャレッド・ヴァンデラ: 265.5ポンド(120.42キロ)

<フェザー級/5分3R>
チャールス・ロサ: 145.5ポンド(66.0キロ)
デイモン・ジャクソン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス: 115.5ポンド(52.38キロ)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス: 114ポンド(51.7キロ)

<ライト級/5分3R>
チャーリー・オンテヴェロス: 155.5ポンド(70.53キロ)
スティーブ・ガルシア: 155ポンド(70.31キロ)

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Bu et Sports de combat Interview アンドレ・イーウェル クリス・グティエレス ブログ 剛毅會 岩﨑達也 未分類 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。グティエレス✖イーウェル「その場&移動」 

【写真】出る力、出す力。こういう見方もできるMMAは、実に面白い (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──UFC258におけるクリス・グティエレス✖アンドレ・イーウェルとは?!


──LFA出身でUFCでは敗北スタートから3連勝中のグティエレスが、前評判では評価の高かったイーウェルに判定勝ちした試合でした。

「良い試合でした。お互いに引かず。それでいて、イーウェルが途中から気持ちが折れていく。そこも含めて良かったです」

──イーウェルは1週間前の大会を欠場し、ここで急遽出場となったグティエレスと戦いましたが、両者にとって本来のバンタム級ではなく140ポンド契約で戦っています。

「この試合はグティエレスのその場の打撃に対し、イーウェルの移動の打撃という戦いでした。空手の基本稽古って止まってやるじゃないですか」

──ハイ。

「次に移動稽古があるのですが、このその場の基本稽古というのがなかなか意味のあることだと考えています」

──それはどういうことでしょうか。

「シャドーをやると、とにかく動こうとします。ただし、広いところから達人は生まれないという言葉があるんです。畳が一畳あれば十分に質量を上げることができます。距離を使って力を伝えるのと、その場で威力があるのでは後者の方が高度な打撃とされます。寸勁や発勁って、その場というイメージがあるじゃないですか。一番理想的なのは、定置で養ったエネルギーを移動で運べるということです。

この試合ではグティエレスのその場の質量が常に高かったです。イーウェルは前後移動が上手い。対照的な2人の戦いでしたが、ハイキックをカウンターでもらうというのは前後移動の弊害です。

サウスポーのイーウェルが見せた左のオーバーハンドは、相手のパンチを掻い潜って打つパンチなので、アレを見せた時に間はグティエレスのモノになります。掻い潜るというのは、相手の間になっているのに殴っていっているから頭が下げることになる。だからミドルぐらいの蹴りでヒザが頭に当たってダウンをしていました。

イーウェルは前後移動と左の逆突きは良いのですが、その時に必ず頭を下げていました。頭を下げるというのは質量が低い攻撃になります。高さとは相手がいて、相対的なモノなので。身長が高いイーウェルが、わざわざ頭を低くしてくれるのだからグティエレスも叩きやすくなります。

イーウェルは蹴りも悪くなく、前後移動も良い。そしてリーチも長い。それなのに、なぜリーチを生かした戦い方をしないのか。そこを考えず戦うから、常に質量はグティエレスの方が高かったです」

──グティエレスは左右に構えを変えて、蹴りもパンチもヒザも出る。言い換えればバタバタしているようにも感じたのですが、どれも精度が高かったです。

「グティエレスは左右の後ろ回し蹴りをちゃんと蹴ることができていました。打撃のクオリティが高いです。それとスーパーマンパンチから、ケージを蹴って左ミドルを入れた。あの打撃はその場の質量が高く、それを移動させています。

エネルギーとは養成するよりも、運ぶ方が難しいです。同様にタメを作り重心移動して運ぶというのは、力を起こしているのであって、そこに力は存在していない。グティエレスはそこで力を養成しており、イーウェルは移動をしないと力を起こせない選手でした。そうですね、グティエレスは爆弾を内包していて、イーウェルはモノを投げつける。そういう違いが彼らの打撃に存在しています」

──なるほど、グティエレスは「出る」力で、グティエレスは「出す」力なのですね。

「つまりイーウェルの打撃は、距離がないと成立しない。グティエレスのような選手は本来、イーウェルのような前後移動の上手い選手を苦手とするのですが、自分が嫌な距離を取られることなかったので、どんどん攻撃を当てることができました。イーウェルは逆にそこに自分が入っていってしまっていたんです。それならテイクダウンとか、クリンチとか組んで距離をゼロにすべきでした。

それにしても、2人とも良い選手です。素質はイーウェルでしょうが、グティエレスはしっかりと作っていた。そして、質量は常に高い。開始早々の間はイーウェルだけど、グティエレスが常に質量が高くて、ハイキックのダウンから一方的になりましたね。蹴りからのパンチ、パンチからの蹴りというコンビネーションも良かったです。将来性はイーウェルですが、グティエレスは自分の力を出し切った。意識レベルが高い練習をしてきたから、あの戦いができたのだと思います」

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Report UFC UFC258 アンドレ・イーウェル クリス・グティエレス ブログ

【UFC258】素晴らしき攻撃の散らし方。クリス・グティエレスがレンジコントロールに大技織り交ぜ快勝

<140ポンド契約/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
Def.30-27.29-27.29-28
アンドレ・イーウェル(米国)

サウスポーから素早い右ジャブを連打したイーウェル、グティエレスもスイッチするが左ストレートを被弾する。イーウェルのテイクダウン狙いにヒザを合わせていったグティエレスが、ここから圧力を高める。ボディ打ちで中央を取り返したイーウェルが左オーバーハンドを当てる。

グティエレスはイマナリロールも、足を取れず立ち上がる。遠めのレンジでヒザや蹴りを捌くように左を伸ばすイーウェルに対し、グティエレスもバックステップでかわして右ミドルを入れる。イーウェルは左ボディストレートを当てると離れ、グティエレスが一気に距離を詰めてケージに押し込んでいく。ヒザをボディに入れて離れたグティエレスが、残り10秒でイーウェルのステップインに合わせて左の蹴りをを放つと、ヒザが顔面に当てダウンを奪う。直ぐに立ち上がったイーウェルで攻撃をまとめたグティエレスが初回を取った。

2R、ローから掛け蹴りのような蹴りを見せたグティエレスが、左カーフを入れる。体が流れたイーウェルに対し、次は右ハイを放ったグティエレス。攻撃を散らすグティエレス、イーウェルの効果的な攻撃はボディストレートに限られているか。左ハイも伸びるグティエレスが、イーウェルの前足を蹴る数を増やす。

踏み込んでワンツーからグティエレスをケージに詰めたイーウェルだが、左ローを受けて後退してしまう。ボディへの前蹴りから顔面へのパンチというコンビネーションを見せたイーウェルは踏み込みにボディへの前蹴りを合わされるも、最後の30秒で蹴り足をキャッチして払うようにテイクダウンを奪う。トップを取ったイーウェルは、外ヒールを仕掛けヒザを捻っていく。極めることはでになかったが、パンチを被弾することなくイーウェルは時間を迎えた。

最終回、ローを蹴り合った両者。細かくチェックするグティエレスに対し、外側と内側から蹴られるイーウェルは姿勢を乱す場面も。グティエレスの後ろ回し蹴りでカカトが、イーウェルの顔面かすめる。ここから左右のロー、カーフに左のパンチを交えて戦うグティエレスが攻勢を握る。

右ローで姿勢を乱し、左ハイで顔面を狙われたイーウェルは左ストレートを放った時に姿勢を乱すなど、完全に左足を潰されている。奥足まで蹴られ、体を大きく揺れたイーウェルに対し、攻撃を散らして顔面と左足を甚振るグティエレスが、スーパマンパンチの踏み込みからケージを蹴ってジャンピング左ハイ、組んできたところで首投げ気味にトップを取る。

最後は上から頭を跨いで三角クラッチ&腕を極めに掛かったグティエレスが3-0の判定勝ちを手にし「コーチのマーク・モントーヤとダイナミックな攻撃が必要だと、取り組んできたんだ。世界が無限に広がっている。凄くハッピーだよ」と話した。



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News Preview UFC UFC258 アンソニー・ヘルナンデス カマル・ウスマン クリス・グティエレス ジルベウト・ドゥリーニョ ディエゴ・リマ. アンドレ・イーウェル ブライアン・ケレハー ブログ ベラル・モハメッド ホドウフォ・ヴィエイラ リッキー・シモン

【UFC258】計量終了 アーリープレリミ、プレリミにマーヴェリック、シモン、ホドウフォら注目選手

【写真】いよいよ待ったなし、UFC世界ウェルター級選手権試合 (C)Zuffa/UFC

13日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC258「Usman vs Burns」の計量が12日(金・同)に行われた。

メインでチャンピオン=カマル・ウスマンにチャレンジャー=ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズが挑戦するUFC世界ウェルター級選手権試合を筆頭に、全12試合に出場する24人の選手は誰1人計量失敗がなかった。


PPVラインナップが世界戦に断トツの注目度の高さがあるからか、メインカード5試合、プレリミ4試合、アーリープレリミ3試合のなかにバランスよく気にあるファイトが散りばめらた感のがある。

アーリープレリムではオープニングに昨年末30日で2度目のSUG出場を果たし、Invicta FC世界フライ級タイトルコンテンダーのパール・ゴンザレスを圧倒。

5分という短い本戦試合タイムながら4分11秒にRNCを極めたジリアン・ロバートソンが、そのInvicta FC時代にそのゴンザレスに勝利しているミランダ・マーヴェリックと対戦する。

フェニックスシリーズ優勝、力強いレスリングがベースのメーヴェリックはこの試合を皮切りに順調にステップアップを果たせば今大会のセミで戦うメイシー・バーバーやアレクサ・グロッソのポジションを得られる期待の素材だ。

同じくアーリープレリミからはフェザー級のリッキー・シモン✖ブライアン・ケレハーの一戦も見逃せないマッチアップだ。

コロナから活動を再開した直後のオクタゴンで5月、6月、9月と戦い2勝1敗だったケレハーが、2021年第一弾のUFC ABCでシモンと戦う予定だったが、コロナウィルスに感染し今大会に両者の対戦は延期されていた。

シモンの特徴は打撃とテイクダウンが一体化し、スクランブル上等の動きを止めないスタイルにある。ワイドスタントで前進運動と上半身の捩じり効果を同時に発揮できる強靭な肉体から腹、顔にパンチを振り分け、終着点となるダブルレッグに持ち込む。倒した後は、抑えないでリリースするとこにエネルギーを使い過ぎないアタッキング&省エネという彼の秘密が隠されている。

とはいえケレハーもこの動きに遅れを取らず、また接近戦が続くようであれば圧力でう回ることも十分に考えられる。PPVカードでおかしくない、フェザー級戦は動きを止めた方が敗れる──回遊魚MMAとなろう。

蹴りのレベルチェンジというべき左右の両方向から、上下を散らして下で仕留めるクリス・グティエレスと、UFCで挙げた4勝のうち3試合がスプリット判定勝利という粘り強さが信条のアンドレ・イーウェル。

加点方のグティエレスと、減点しないイーウェルの我慢比べの一戦だ。

ベラル・モハメッドとディエゴ・リマのウェルター級戦も前者が陽性となり、12月に実現しなかったカードの仕切り直しだ。

テイクダウンに帰結する打撃ながら、KOパワーを持つモハメッド、仕切り直しのUFC再契約シリーズ=TUF25から3勝2敗としぶとく粘り、イーウェルにも似て直近の2試合がスプリットを制いているリマ──しんどい削り合いが展開されそうだ。

プレリミメインはミドル級でホドウフォ・ヴィエイラがアンソニー・ヘルナンデスと相対する。黒帯で階級と無差別でムンジアルを制すること5度、2015年のADCCも99キロ級を制したグラップリング無双のホドウフォはMMAでも無敗の7連勝中と怪物ぶりをいかんなく発揮している。

オクタゴンでも2連続で肩固めで一本勝ちというホドウフォが、LFAミドル級王者からUFCにステップアップを果たし、1勝2敗のヘルナンデスを相手にさらなるステップアップを賭けた試合に臨む。

メインカードではライト級のボビー・グリーン✖ジム・ミラーがそれぞれ 156ポンド(70.76キロ)と155.5ポンド(70.53キロ)で計量をパスしていたが、直後にバックステージにグリーンが倒れ試合出場が不可能となった。

■視聴方法(予定)
2月14日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■UFC258「Usman vs Burns」計量結果

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]カマル・ウスマン: 170ポンド(77.11キロ)
[挑戦者]ジルベウト・バーンズ: 170ポンド(77.11キロ)

<女子フライ級/5分3R>
メイシー・バーバー: 126ポンド(57.15キロ)
アレクサ・グラッソ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ミドル級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム: 186ポンド(84.37キロ)
イアン・ハイニッチ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジュリアン・マルケス: 185ポンド(83.91キロ)
マキ・ピトロ: 185ポンド(83.91キロ)

<ミドル級/5分3R>
ホドウフォ・ヴィエイラ: 186ポンド(84.37キロ)
アンソニー・ヘルナンデス: 186ポンド(84.37キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ディエゴ・リマ: 171ポンド(77.56キロ)
ベラル・モハメッド: 169.5ポンド(76.88キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ポリアナ・ヴィアナ: 116ポンド(52.62キロ)
マロリー・マーチン: 115.5ポンド(52.38キロ)

<140ポンド契約/5分3R>
アンドレ・イーウェル: 138.5ポンド(62.82キロ)
クリス・グティエレス: 140ポンド(63.5キロ)

<フェザー級/5分3R>
リッキー・シモン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ブライアン・ケレハー: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ゲイブ・グリーン: 169.5ポンド(76.88キロ)
フィリップ・ロウ: 171ポンド(77.56キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジリアン・ロバートソン: 125.5ポンド(56.92キロ)
ミランダ・マーヴェリック: 125.5ポンド(56.92キロ)

The post 【UFC258】計量終了 アーリープレリミ、プレリミにマーヴェリック、シモン、ホドウフォら注目選手 first appeared on MMAPLANET.

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Interview J-CAGE Shooto UFC UFC ESPN09 クリス・グティエレス ブログ 岡田遼

【Special】修斗チャンプ岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ─序章─「叶うことなら」

【写真】5教科7科目をこなすチャンピオンが、UFCのプレリミについてどのようにメスを入れるのか?! 写真はクリス・グティエレス✖ヴィンス・モラレス (C)MMAPLANET

5月31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されたProfessional Shooto2020 #03で修斗暫定世界バンタム級チャンピオンになった岡田遼。

試合後の共同会見でMMAPLANETから『今日UFCのプレリミで勝利した同じバンタム級のケイシー・ケニーと戦うと、どうなると思いますか』という質問をし、新王者が「いや、あの試合を見て──自分が試合をして、俺はまだまだなって。前に高島さんが『修斗のベルトを獲ったからなんや?』って言っていたのが分かります(笑)」というやり取りがあったのだが、これは試合前に岡田とUFCのプレリミの話をする機会があったことで、行った質問であった。

そして、ならば修斗のチャンピオンにUFCのプレリミ、そして軽量級に特化した──いわば、誰も触らない試合について語ってもらうという企画がスタートした。

まずは序章として、新チャンピオンの現在の心境とこれからについて尋ねた。


──チャンピオンになって3日が過ぎました。改めてどのような気持ちですか。

「試合後は凄くハイテンションになっていましたが、だいぶ落ち着いてきました。でも嬉しい気持ちはそのままです。『良い試合だった』という風に試合内容を誉められたことも嬉しかったです。

ジムの仲間たちもほぼ全員が試合を視聴していてくれて、試合後はLINEが300件ぐらいたまっていました。でも、もう今日からパーソナル・トレーニングの指導も再開しましたし、日常が再開しています」

──修斗でチャンピオンになった。これから先はどのように見ていますか。

「倉本選手との試合は、僕がこれからを考えると一つのバロメーターになると思っていました。彼には申し訳ないですが、倉本選手に苦戦してダメダメな試合をするようだったら、僕は世界では通用しない。そういう風に感じていたので、ひとまず自分のなかでは合格点を挙げられるぐらいにはクリアできた試合になったので……、これから上を目指したいと発言する資格を得ることができたのかなと」

──修斗内でいえば佐藤将光選手が正規王者です。統一戦を視野に入れていますか。

「これは言って良いのか……決まれば戦います。でも佐藤選手からすればONEでビビアーノ・フェルナンデスの首を狙っている。そこで岡田遼が出てきても、なぜ戦う必要があるのかって正直思うはずです。僕が逆の立場ならそう思いますし」

──ただしONEもスケジュール再開の正式発表はまだないです。そのなかで佐藤選手には日本で試合をするという選択があるのか。

「う~ん、もうそこは僕には分からないですよね。僕に関していえば今まで通りの世の中になるなら、やっぱり出たいです」

──あのう……多くの選手が、そこで固有名詞を出さないケースが多い。そういう抽象的な言い方をするのですよね。

「ハッキリ言えと?(笑)。 ハイ。UFCに行きたいです。叶うモノならUFCに行きたい」

──ダハハハ。今回、実は試合前に会場の通路ですれ違った時に自分が軽い気持ちで『今日のUFCのプレリミであった軽量級の試合と比べさせてもらうので』って話すと、岡田選手が滅茶苦茶食いついてきて、凄く驚かされたんです。なぜ、夜にタイトル戦がある選手がUFCをプレリミから見ているんだと、本当に思いました(笑)。

「アハハハハ。逆に試合があるから、プレリミの最初の3試合を視ていたんです。コロナ感染が始まり、こういう世界になってから単純に、僕はUFCに感謝しています。今、UFCがMMAをやってくれていることに、すごく有難みを感じるようになっちゃたんです。

正直、これまでそんな風に思っていなかったです。でも、今やってくれることは本当に有難くて。MMAを視ることって当たり前じゃない──そういう世界になったじゃないですか。

それを認識してからは、毎大会見ています。まぁ自分の試合の前に、他の大会を視るなんてことは今まではなかったです。でも今回は、試合に行く準備を始める前にプレリミを見て『スゲェなっ!』て興奮してしまって。なんかパワーもらえたなっていう気持ちだったんです。それで廊下ですれ違った時にUFCの話題になって、夢中になって話してしまったんです(笑)」

(C)Zuffa/UFC

──なるほど、そういうことだったのですね。

「1試合目と2試合目がバンタム級で、最初の試合からえげつかなかったですよね。

クリス・グティエレスが、左右のローで勝つという。もう凄かったというしかないです。でも2試合目のケイシー・ケニーと3試合目のブランドン・ロイヴァン、この2人の試合はさらに凄まじくて」

──まさかタイトル戦を控えた選手がそのような心境とは思えなかったのでチャンピオンになった岡田選手に、その2試合について寸評をもらいたいと思ってインタビューをお願いしました。

「ハイ。本当に凄い試合でしたね。ケイシー・ケニーには、試合前なの興奮させられましたよ(笑)」

<この項、続く>

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Report UFC UFC ESPN09 クリス・グティエレス ブログ ヴィンス・モラレス

【UFC ESPN09】構えを変えても前足に左右のローを蹴られ続けたモラレス。グティエレスがTKO勝ち

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
Def.2R4分27秒by TKO
ヴィンス・モラレス(米国)

鋭いローを蹴ったグティエレスが、引き続きローを入れる。スイッチし左ストレートをヒットさせたグティエレスは、オーソに戻して上段後ろ回し蹴りを繰り出す。ローを左足に受け続けるモラレスは、左ミドルから、右ローバランスを崩す。ローを左右で走らせるようになったグティエレスは右ローから直後に右ハイを2発蹴っていく。

前に出ることができないモラエスは、ローを蹴られて体が流されるようになる。左ハイ、右ローをスイッチして左ローと攻勢を続けるグティエレスの右ローでモラレスが下がる。グティエレスの踏み込みにようやく右を合わせたモラレスだが、一瞬姿勢を乱したグティエレスが上下の蹴りでモラレスを追い込む。構えをサウスポーに変えても、前足を削られるモラレスは左ローを右足に食らって尻もちをつかされる。最後にハイを見せたグティエレスが初回を圧倒した。

2R、すぐに右ローを蹴ったグティエレスが左ハイ、右ローを続ける。構えてを変えて下がるモラレスは、左右のローを前足に受ける。左ストレートから左ハイを蹴っていくグティエレス。右足を蹴られて体が沈んだモラレスは、どちらの構えでも前足を蹴られて痛みが顔に表れるようになる。

ついには右ロー2発で体を沈みかけたモラレス、グティエレスは後ろ回し蹴り、右ハイのフェイクから右ストレート、左から右ローと一方的に攻め立てる。続く右ロー崩れたモラレスのシングルを切ったグティエレスが、パウンドが立ち上がる。

モラレスは前蹴り、右ハイを見せたグティエレスの右ローで動きが止まる。レフェリーももう試合を止めて良いようなダメージのモラレスは、サウスポーの構えで右足に左ローを受けると、マットに手をつく。ついにはここでレフェリーが試合をストップした。これで3連勝としたグティエレスはバックステージ・インタビューで「この数カ月で色々と修正してきた」と話した。