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【UFC249】世界が注目する5月9日大会で、オレイニクと対戦──ヴェウドゥム「戦うのは、あと3回だ」

Werdum【写真】2018年3月以来の実戦復帰となるヴェウドゥム。最後の勝利は2017年の11月だ (C)Zuffa/UFC

5月9日、フロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナでUFC249が開催される。

1カ月半ぶりで活動再開となるUFCでは、この間に予定されていた大会をシャッフルし、アンダーカードからこれでもかというカードを揃えてきた。

そんななか元世界ヘビー級王者ファブリシオ・ヴェウドゥムが、プレリミでアレクセイ・オレイニクと対戦する。

2018年5月にUSADAの検査で禁止薬物トレンボロンの用正反応が出て2年間の出場停止処分が下ったヴェウドゥムは、この間に42歳を迎えている。

対戦相手のオレイニクも同じ42歳で、柔術とは違うサブミッション・マスターだ。新型コロナウィルス感染拡大、感染者100万人を超えた米国で、活動再開となったUFCで戦うヴェウドゥムに現在の体調、この試合に向けての気持ちを尋ねた。


──5月9日にアレクセイ・オレイニクと対戦します。今の調子は?

「新型コロナウィルスの問題が発生して、最初の大会で戦えることを凄く嬉しく思っている。コーチのハファエル・コルデイロ、柔術のコーチで友人であるフーベン・シャーレス・コブリーニャとしっかりと調整してきた」

──調整はKINGS MMMAで行っているのですか。

「いや、今はビッグベアーにいるよ」

──ビッグベアーということは高地トレーニングですね。

「そうだよ。標高2000メートルで良いスタミナトレーニングができる。基本的にコルデイロとコブリーニャからはオンラインで指導を受けるんだ。でもLAから車で2時間半ほどかかるにも関わらず、彼らがビッグベアーまでやって来てくれることもあるんだ。

僕はここにも家があるからね。普通にこっちで調整している。2014年から2015年にかけて、メキシコで高地トレーニングを行いチャンピオンになれた。2カ月半ほど滞在してね。今は頻繁にレッドベアーに来られるし、今回は1カ月半前から生活のベースをこっちに移している。

今や僕には高地トレーニングは欠かせないモノになっているからね」

──もう完全に体が標高2000メートルに順応しているのでは?

「そうだよ。そのためにここに住んでいるんだ。それにビッグベアーでは感染者が出ていなくて、安心して過ごすことができる」

──基本的にスパーリング・パートナーはおらず、1人で練習しているということですか。

「いや、弟のフィリッピ・ベルドゥムが家族と一緒に来ているから、彼にずっと練習を手伝ってもらっている。それに今日も2時間半、山登りをした。ここでジョギングをするだけでも、凄く良いトレーニングになる。2年振りの試合が待ちきれない」

──この試合はUFC250として、ブラジルで行われる予定でしたが、もともとカリフォルニアから現地へ向かうことになっていたのですか。

「そうだね、もう米国に住むようになって12年だし。年に何回かはブラジルを訪れるけど、ブラジルで試合があっても調整をするのはカリフォルニアだよ。今回はブラジルのUFC250 からフロリダのUFC249に大会は変わったけど、日時は同じだし──絶対に大会が行われると思ってビッグベアーで調整してきた。

ブラジルよりも米国の方が状況は良くなっているからね。ダナ・ホワイトとUFCは本当に素晴らしい仕事をやっているよ。大会もきっと成功するだろう。ブラジルの状況はより困難だけど、それは世界中の皆が向き合っている問題だからね。

この大会は歴史に残る大切なイベントになる。そんななかで試合ができることが、嬉しくてしょうがないんだ」

──それでも調整は通常の試合と違い、難しくなかったですか。

「そりゃあ、いつも通りとはいかないよね。でも新型コロナウィルスは僕だけでなく、世界中の皆にとって脅威になっている。さっきもいったけど、弟が本当によくサポートしてくれているんだ。それにコブリーニャとハファエル・コルデイロの指導を直接受けられるのは週に一度でも、オンラインがしっかりと機能している。これまでやってきた蓄積が、僕らにはあるからね」

──この状況でUFCがイベントを開くことは賛否両論あると思いますが、ファブリシオ自身が何か批判を受けたことはないですか。

「ファイターは誰だって試合を戦いたいはずだ。そして、この困難な時期に試合ができることは幸運でしかない。2年間、試合から遠ざかっているから本当にオクタゴンが恋しかった。色々と言われるかもしれないけど、ファイトは僕とって仕事だ。今はコロナウィルスのことを恐れるようなことはない。とにかく戦って勝ちたいんだ」

──ご家族の反応はどうでしたか。

「問題ないよ。妻は僕がMMAで戦う前からの付き合いで、誰よりも理解してくれている。娘も試合が見たいと言っているしね。人と距離をとり、手洗いを頻繁にするなどコロナ対策はやってきたからね。それに常にマスクをつけている。家族、マイ・ワイフは僕が何をすべきか分かっているよ」

僕とUFCの契約は残り2試合。そして、自分のなかではあと3試合戦えば、もう十分だと思っている。逆にいえば3試合は必ず戦いたい。ひょっとすると4試合かもしれない。そこは、まだ自分でも考えがまとまっていないんだ」

──UFCとの契約が残り2試合で、もう3回か4回戦いたいということは、UFCとの契約更新を考えているのでしょうか。

「う~ん、そうなればUFCで戦うし、ひょっとすると違う選択があるかもしれない。まだ、そこも分からない。今、42歳でUFCの世界チャンピオンにもなれた。ムンジアルで優勝し、ADCCでも世界一になった。本当に自分のキャリアには満足している。なすべきことは、全てやってきた。だから、もうそれ以上多くを戦おうとは思っていないんだ」

──ただ2年間は決して短くないブランクです。

「出場停止期間中も欠かさずトレーニングを続けてきた。復帰が決まってからは、強度を上げてフィジカルトレーニングにも時間を費やしてきたよ。ビッグベアーで生活することで、本当にコンディションは良くなっている」

──では対戦相手のオレイニクの印象を教えてください。

「良いファイターで、同い年なんだよね。キャリア70線以上で一本勝ちも多い(※72戦58勝13敗1分。46の一本勝ち)。油断せず、注意深く戦う必要がある相手だよ。僕のことを悪くいって試合を盛り上げるようなこともないし、トラッシュトークをしない良いヤツだと思っている。映像を見ていると、家族思いのようだし。オレイニクと戦えて嬉しいよ」

──ファブリシオ、今日はありがとうございました。

「こちらこそ、インタビューしてくれて日本ファンに僕の言葉が伝わることを感謝しているよ。今でも日本のことが大好きだ。本当に日本が恋しい。日本で戦ったことは最高の思い出になっている。PRIDE、PRIDE、PRIDE!!(笑)。何より日本のファンからは、他の口とは違うファイターへのリスペクトが感じられた。日本で試合をして、一度たりともブーイングされたことがない。ブーイング自体を見たことがなかった。最高のファン達だよ。

いつの日か、家族を日本に連れていきたいと思っている。僕は10度か11度は日本に行っているけど、ワイフや娘と一緒だったことはないんだ。家族に日本の美味しい食事を食べさせてやりたい。そして、美しい街を歩き、最高の人々と触れ合いたい。日本には良い印象しかないよ。アリガトゴザイマス。押忍」

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【UFC249】UFC、ジャクソンビル市、フロリダ州ボクシングコミッション、三位一体でPPVショー復活

UFC249【写真】ガヌー✖ホーゼンストライク、セラーニ✖ペティス、ファーガソン✖ゲイジー、セフード✖ドミニク、ヴェウドゥム✖オレイニクand more !!! (C)Zuffa/UFCC

24日(金・現地時間)、UFCが5月9日(土・同)にUFC249をフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催をオフィシャル・プレスリリースで行った。

さらには13日(水)、16日(土)と8日間で3つの無観客大会が開かれることに関して、ダナ・ホワイトは「ファンに素晴らしい試合を提供することが待ちきれない。この最高のカードを実現できるよう会場使用を認めてくれたカリー市長(レニー・カニー=ジャクソンビル市長)、ヴィスタ―・ベテランズ・メモリアル・アリーナ、フロリダ州ボクシング・コミッションのパトリック・カニンガム事務局長、メディアパートナーのESPNならびにESPN+、そしてファンに多大なる感謝の言葉を伝えたい。私のチームは準備ができているし、ファイターも連続大会で戦いに戻れることに開かれることにエキサイトしているんだ」とリリースにコメントを寄せている。


フロリダ州では──生活するうえで欠かせないビジネス──として、既に13日(月・同)にWWEが無観客で開催が認められライブ中継が行われている。

そのフロリダ州で北端にあるジャクソンビルは、人口80万を超え市単体ではフロリダ最大の都市である。広域都市圏では140万程度でマイアミ、タンパ、オーランド周辺に続く都市圏が構築されている。米国4大スポーツではNFLのジャクソンビル・ジャガーズが本拠地としており、

今回のリリースには2015年からこの職にあるレニー・カリー市長のコメントもあり、「段階的な景気回復に向けて行動する中で、ヴィスタ―・ベテランズ・メモリアル・アリーナでUFCを開催することを誇りに思う。UFCは名高いエンターテインメントブランドであり、ジャクソンビル市の会場を使用するにあたり安全かつ賢明な計画を提示してくれた。ESPNとESPN+によって、我々の街からUFCが全米に中継されることに興奮している。ジャクソンビル市が他の都市や地域に先駆け、世界規模の国際的なスポーツエンターテインメントを手掛ける団体のイベントを開始し続けられることを光栄に思う」と話している。

またコミッションのパトリック・カニンガムが「フロリダはUFCがサンシャイン・ステートにやってくることを歓迎する。5月9日、13日、16日に開催されるイベントを認可する準備をしている。健康と安全面で実施要項書により、今回のイベントを可能にした一人ひとり、個人の安全と健康を確実にしていく。この3日間のUFCイベント移行もフロリダは今後もUFCが同州でのイベントを開けるよう、引き続きUFCと強力な関係を構築していく」とコメントするなど、今大会がフロリダ州の強力なバックアップがあることがリリースでは強調されていた。

世界女子フェザー級選手権試合=アマンダ・ヌネス✖フェリシア・スペンサーこそ、今大会では組まれていないが、現状に考えられうる最高のラインナップになったことは間違いない。また13日と16日のイベントも追って対戦カードがアナウンスされるとのことだ。

■UFC249対戦カード

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ライアン・スポーン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ユライア・ホール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ニコ・プライス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
チャールス・ロサ(米国)