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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o RIZIN   しなしさとこ 五明宏人 伊藤裕樹 住村竜市朗 修斗 力也 北岡悟 古林礼名 宇田悠斗 山本有人 嶋田伊吹 本田良介 渡部修斗 神田コウヤ 福田龍彌 鈴木槙吾 阿部大治 高野優樹

【DEEP112】計量終了 本田良介「コイツがメインで良かったなと」✖伊藤裕樹「早いものであと2回」

【写真】良い仕上がり具合のメインイベンター2人 (C)MMAPLANET

明日11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP 112 Impactの計量が、雪化粧の東京の街が中野区の中野サンプラザ12階で行われた。

いよいよ準決勝を迎えるフライ級GP出場4選手も始め、全選手が計量を一発でクリアしている。

そのフライ級GP準決勝、そしてメインで戦う本田良介は「明日はこんな無名ですけど、RIZINとかいっぱい出ている選手を差し置いて抽選で運よくメインを張れたんですけど、結果で『コイツがメインで良かったな』と思ってもらえるようにやって、しっかり決勝に繋げたいです。伊藤裕樹選手、強いと言われているけどしっかりやっつけます」と抱負を語る。

対して伊藤は「早いもので準決勝、あと2回。最高の相手を用意してもらったんで、明日は潰されないようにしっかりぶちのめしたいと思うので」と応えた。

コメインで組まれたもう1つの準決に臨む宇田悠斗は「相手は福田選手ということで、強い相手と分かっている。皆知っていると思うんで。ホント、この1カ月、福田選手のことを考えて抜かりなく準備してきたんで。俺はもう決勝のことは考えていないんで。明日、殺るか殺られるか。俺は明日死ぬ気でいくんで。福田選手とならデキると思うんで、ぜひお願いします。胸貸してください」と下剋上宣言。

一方、福田は減量がこれまで上手くいったのか声が枯れることなく「ええと、いつも通り楽しみだけです」と言葉短めにコメントした。

ウェルター級と暫定フェザー級のタイトル戦を含めて、他の試合の出場選手のコメントは以下の通りだ。


鈴木槙吾
「明日、阿部選手に挑戦させていただきます。タイトルマッチがね、メインじゃなかったので。ちょっとどうかなと思っているんですけど。後から僕らの試合をメインにすれば良かったと言ってもらえるような試合ができればと思います」

阿部大治
「2年振りにDEEPに戻って来ました。明日はメイン級の試合
をやります」

五明宏人
「毎日、朝倉未来さんと練習してきました。明日は全局面で圧倒します。押忍」

神田コウヤ
「意気込みなどはENCOUNT様で取材頂いたので、そっち方見てください。明日はPPVもあります。今日までに購入で前売り券などで是非お求めやすい価格で勝ってください」

高野優樹
「今回ライト級で挑戦させていただくんですけど、体重どうこうというよりはもちろん勝つだけっていう形なので気にせず、逆にバンタムの時と比べてマイクの時にこんなに声が出るんだという感覚もあるんですけど、しっかり楽しんで試合をしてきたいと思います。前回、後楽園ホールでチャンスを頂いたんですけど、試合が中止になってしまって。今回、またこういう形でチャンスをいただけたので、とにかく勝つだけです。それだけを考えてきたので応援宜しくお願いします」

北岡悟
「頑張ります」

嶋田伊吹
「またトップどころを引きずり下ろすチャンスを貰えたんで。明日は全力で叩き潰します」

住村竜市朗
「ハイ。勝ちたい。明日は勝ちたい。以上です」

古林礼名
「明日は女子格のレジェンドのしなし選手との試合なんですけど、自分がやることは決まっていると思うので明日はそれをやるだけのつもりです。応援宜しくお願いしま~す」

しなしさとこ
「46歳の挑戦です。多分、最年長だと思います。3年振りなんですが、しっかり勝ちたいと思います。応援宜しくお願いしまぁす」

力也
「明日は格の違い見せます。押忍」

渡部修斗
「今までやってきたことを信じて、明日は全力で戦って勝ちます。押忍」

KENTA
「後楽園ホールで連続3回出させてもらって、とりあえず3連勝目指して頑張ります。少しずつレベルが上がっているんで。明日は一発目から盛り上げます」

山本有人
「今年一発目、明日はしっかりと勝ちたいと思います」

秋元強真
「明日はKOして勝ちます」

高柳京之介
「明日はオープニングなんですけど、しっかり勝って先輩のKENTAさんと高野さんに繋げられるように頑張りたいと思います」

■視聴方法(予定)
2月11日(土)
午後5時30分~サムライTV
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ DEEP112計量結果

<フライ級GP準決勝/5分3R>
伊藤裕樹:57.05キロ
本田良介:57.05キロ

<フライ級GP準決勝/5分3R>
福田龍彌:57.15キロ
宇田悠斗:56.8キロ

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
阿部大治:77.0キロ
鈴木槙吾:76.95キロ

<DEEP暫定フェザー級選手権試合/5分3R>
神田コウヤ:65.7キロ
五明宏人:65.7キロ

<ライト級/5分3R>
北岡悟:70.7キロ
高野優樹:69.5キロ

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗:77.55キロ
嶋田伊吹:77.4キロ

<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ:43.4キロ
古林礼名:43.75キロ

<バンタム級/5分3R>
渡部修斗:61.6キロ
力也:61.5キロ

<バンタム級/5分2R>
山本有人:61.6キロ
KENTA:61.6キロ

<フライ級/5分2R>
高柳京之介:57.5キロ
秋元強真:57.2キロ

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【DEEP112】古林礼名と対戦=しなしさとこ─02─「これからは最年長一本勝ち記録を目指したいです」

【写真】人生、常にピース──サインとはいかないから、良いのです(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112で古林礼名と対戦する、しなしさとこインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

プロデビューから20年――変化した面もあれば、変わらないところもある。出産と育児でブランクをつくりながらも、しなしは戦い続けてきた。勝ち続けることに対する執着は無くなった、といっても負けることは絶対に嫌な46歳の現役ファイター。選手としてカドは取れていない。そんな彼女の新しい挑戦が、今回の古林戦から始まる。

<しなしさとこインタビューPart.01はコチラから>


――将来、息子さんが『MMAをやりたい』と言ったら、どうしますか。

「いやぁ、どうなんでしょうね(苦笑)。どんどん体は大きくなるでしょうし……。今はまだ170センチぐらいで」

――中学1年生で170センチは大きなほうだと思います(※13歳男子の平均身長は160センチ前後)。

「そうなんですか!? そうなれば息子の良いお手本になれるよう、私も頑張っていきたいですね。試合の結果だけではなく、一緒に暮らしているなかで試合に臨む過程を見てもらいたいです」

――母として試合に臨む気持ちは理解できました。一方で、いちファイターとしては今後戦い続ける先に何を見ているのでしょうか。

「何でしょうね? 最近は女子も選手が増えてきたけど、RIZINでも海外でも女子44キロって試合がないですよね。だから、そういうところは求めていないです。何だろう――幸せ、かな(笑)」

――意外な答えが返ってきました。しなし選手にとっての幸せとは……。

「心の在り方ですよね。年齢を重ねるにつれて、そう思うようになってきたんです。自分が好きなことをやっていると、気持ちが豊かになるし、穏やかにもなるから。最近は、そういう幸せを求めています」

――……その幸せが格闘技を続けていく先にしかない人生って、素敵なことだと思います。

「私はやりたいようにやらせてもらっているので、今も幸せだなって思います。どうですか? あんまり幸せじゃないですかね(苦笑)」

――人それぞれではないでしょうか。これまで多くのファイターを見てきて、戦うことで幸せを得た選手もいるし、そうではない選手もいたと思います。何より命に関わる怪我を負う可能性がある競技なので、MMAを続けることが良いのか良くないのかは第三者として言えません。ただ、しなし選手を見ていると……楽しそうです。

「アハハハ、楽しいですよ。もちろん練習はキツいです。でも何でも楽しまないと、もったいない気がします。この年齢で格闘技を続けられること自体が幸せだと思うし。特に、46歳で挑戦できること――もう吹っ切れましたよね。吹っ切れたので、今までよりも心が強いと思います」

――何に対して吹っ切れたのでしょうか。

「最初に言ったように、ずっと勝ち続けることばかり追求していました。負けたら終わり。でもそこにこだわり続けると自分が小さくなってしまう気がして。今はそんなこだわりを捨てることができて、私にとっては46歳の新しい挑戦なんですよね。ちなみに、毎年つくっている年賀状も楽しいんですよ」

――毎回新しいコスプレに挑戦している年賀状ですか。

「今年の年賀状も撮影した時点で『次は何をやろうかなぁ』って考えていますから。こうなったら年賀状も、できるだけ続けたい。毎年、お正月から皆さんに笑いを届けたいです」

――えっ、あの年賀状は笑いのためにやっていたのですか! てっきりコスプレの趣味があるのかと思っていました。

「そんなわけないじゃないですか(笑)。『皆さんが少しでも笑顔になってくれれば良いなぁ』という気持ちですよ」

――なるほど。話が逸れすぎてしまいましたが、試合のお話に戻ります(笑)。今回の対戦相手、古林選手の印象を教えてください。

「やりづらそうな相手ですよね。結構しつこく組んでくる選手で、しかもケージ際で振り回してくるじゃないですか。力も強そうで」

――にっせー戦では、しなし選手がケージに押し込みながら100パーセントの状態で組むことはできていませんでした。今回もケージレスリングで苦戦すると思いますか。

「前の試合(にっせー戦)は、前蹴りをもらって効いちゃっていたんですよ。それで力が入らなくて。でも負けるつもりはないし、勝ちに行かせていただきます。今回は2R、10分フルで戦うことになるかもしれないです。相手もサクッと極めさせてくれないでしょうし」

――勝つことへの執着はなくなったとしても、やはりフィニッシュへのこだわりは持ち続けているのでしょうか。

「もちろんです。いろんなパターンをイメージしていて、そのパターンにハマればフィニッシュできると思います。ただ、相手がいる試合ですからね。どうなるかは分からないですけど、必ず仕留めたいです。判定は考えていません。今までMMAの試合で、判定で勝とうなんて一度も思ったことがないですから」

――「勝ち続けることにこだわらない」としながら、そう仰っている表情が、やはりファイターなんだなと思います。

「そうですか(笑)。何て言うんでしょうね。スマックガールに出始めた頃(2001年12月にプロデビュー)って、できることが少なかったんです。極めるしか勝つ方法がなかった。そこから極めないと勝ちじゃないと思うようになりましたね。プラス今は、できることも増えていますから」

――判定勝ちよりもKO負けのほうが良いと思うタイプですか。

「いやいや、それはないです。負けたら、また気持ちが落ちちゃいますから。自分も情けないし、周りの人にも申し訳ないし……。だからKOに関わらず負けと、判定勝ちは同じぐらい悔しいかな。今どういう記録があるか知らないけど、これからは最年長一本勝ち記録を目指したいです」

■視聴方法(予定)
2月11日(土)
午後5時30分~サムライTV
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ DEEP112対戦カード

<フライ級GP準決勝/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
本田良介(日本)

<フライ級GP準決勝/5分3R>
福田龍彌(日本)
宇田悠斗(日本)

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
阿部大治(日本)
鈴木槙吾(日本)

<DEEP暫定フェザー級選手権試合/5分3R>
神田コウヤ(日本)
五明宏人(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
高野優樹(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
嶋田伊吹(日本)

<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ(日本)
古林礼名(日本)

<バンタム級/5分3R>
渡部修斗(日本)
力也(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
KENTA(日本)

<フライ級/5分2R>
高柳京之介(日本)
秋元強真(日本)

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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o しなしさとこ にっせー 久遠 古林礼名 国内MMA

【DPPE112】3年2カ月振りの実戦復帰、しなしさとこ─01─「60歳ぐらいまで試合ができると思います」

【写真】若い頃の自分とツーショット。これができるのは今も意気揚々、充実している証拠 (C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112で、しなしさとこが古林礼名を相手に3年2カ月ぶりの試合を行う。
Text by Shojiro Kamaike

しなしにとって前戦は2019年12月、にっせーにKO負けを喫した。プロデビューから20年、現在46歳のしなしがケージの中に戻ってきた理由とは? ファイターとして、そして母として――しなしは戦い続けている……のか?


――プロデビューから20年――2月11日に45戦目のMMAを戦う、しなし選手です。

「そう聞くと、すごいですね。長くないですか(笑)」

――はい。女子だけでなく国内MMA全体でも大ベテランとなりました。ただ、それでも3年2カ月のブランクを経て復帰戦を行う理由から教えてください。

「この期間も、試合用の練習ではなかったんですけど、練習自体は継続していました。何て言うんでしょうね……。今やらないと、一生復帰できない。そんな気がしました。だから『今やろう!』と思ったんです」

――しなし選手は、このまま生涯現役を貫くのでしょうか。

「アハハハ。コンディショニングがしっかり出来ていれば、60歳ぐらいまで試合ができると思いますよ(笑)。あくまで希望ですけど」

――60歳まで!

「他の競技でも、そこまで試合をしている人はいないですよね。スマックガール初期に出ていた人たちも、みんな引退しているし……。あ、久江ちゃん(渡辺久江、現・久遠)が復帰しましたよね。それは嬉しいです。私自身、戦うことが好きなんです。一方でマイペースな性格なので、自分のペースで試合をしたいと思っています。普段から身体はつくっていたいし、試合となれば尚更ちゃんと身体をつくってから出たくて」

――しなし選手といえば、現在でもバキバキの腹筋を披露しています。

「もう不摂生はしなくなりましたよ。基本的に夜は出かけない。コロナ禍もあって、友人から食事に誘われても断ることが多くなりました。朝は5時ぐらいに起きて子供のお弁当づくり、夜は9時ぐらいには寝ます。食事もバランス良く――ウチは炊飯器ではなく土鍋でごはんを炊いているんです。大変だけど丁寧に食事の支度をしていると、年齢を重ねるにつれて生活も丁寧になったというか。年を取ると、余計なものを食べなくなりませんか?」

――余計なものを食べないといいますか、以前よりも食に対するこだわりは無くなりました。あとは、お肉も脂身が多いものを食べる量は減っています。

「そうなんですね。私は今でもお肉が好きだから(笑)」

――肉を欲する、それが今でも戦っている証ではないでしょうか。試合をしていない期間は、何か物足りなさを感じませんでしたか。

「ベルトを返上してからは自分のペースで試合ができているので、そういう物足りなさはなかったです。今までずっと試合をしてきたから、むしろ少し休めましたよね。コロナ禍で練習環境も難しくて、応援に来られる人も少ないでしょうし、そんななかで慌てて試合をする必要もないのかなと思いました。休める時に休もう、ということで。あと、一度負けたらメンタルが回復するまでに時間が掛かるんです。アハハハ」

――……。

「でもお休みしていたおかげで、ここ10年ぐらいのなかで今が一番調子が良いです。若い時のようなガツガツ感もなくなりましたよね。記者の方からも『カドが取れましたよね』って言われるぐらいで(笑)。ただ、ガツガツ感はなくなったけど、いつも自分らしくいられている気はします」

――「一度負けたらメンタルが回復するまで時間が掛かる」ということは、にっせー戦の敗北はご自身のなかで大きな傷が出来てしまったのでしょうか。

「毎回そうなんですよ。久江ちゃんに負けた時(2006年8月にKO負け)も、すぐブラジルに逃げちゃって。負けると気持ちが落ちちゃいます。勝ち続けることのストレスが大きいので。ただ勝つだけなら、そうでもないです。でも勝ち続けることは難しいじゃないですか。一般的に強いと言われている相手でも、私とは実力差があると言われている相手であっても。私の場合は、10回に1回ぐらい試合に集中しきれない時があって、その時はだいたい負けています。前回の試合もそうでした」

――そんなことがあったのですか。これは失礼な言い方になるかもしれませんが、しなし選手はすでに現役で戦う必要のない人生を送っています。これまで44試合に出場し、敗れたのはわずか4戦のみ。過去にはDEEPのベルトも巻きました。それでも試合に出続けるのは、15歳で柔道を始めてから30年間ずっと戦ってきたからなのか……。

「確かに体を動かしていなかったのは、2009年に息子を産んでから数年間ぐらいですね。出産前は周囲に『産んでから1カ月ぐらいで復帰する』と言っていました。それが全身麻酔の帝王切開という超難産になって。産んだあとも母乳をあげていたので、練習もできていなかったんです。でも、私の復帰を待ってくれている人がいるし、そのまま復帰しなかったら嘘つきになってしまう。だから2014年に思い切って復帰しました」

――息子さんは今もお母さんが戦っていることについて何と言っているのでしょうか。

「昔は小さかったので、私が何をやっているのか分かっていなかったです。『お母さんは相撲をやっているんだよ』ぐらいのイメージで。そんな息子が、もう中学1年生になりました。その年齢だとMMAも認識できるし――実は、息子が中学校に入ってからレスリングを始めたんですよ」

――えぇっ!! やはり格闘遺伝子なのでしょうか。

「中1から始めるって、まさかって感じですよ。やっぱり血って怖いなと思いました(苦笑)。『自分が決めたことだから、高校まで6年間しっかり続けなさい』と伝えました。まだ初心者で、投げることすら難しい状態です。でも息子がレスリングを始めた時に思ったんです。私がケージの中で戦って、母親として息子に勝負の厳しさを見せたい。そしてレスリングを頑張ってほしい。そのために今、私は復帰するんです」

<この項、続く>

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DEEP95 Interview J-CAGE しなしさとこ にっせー ブログ

【DEEP95】5月6日のにっせー戦がなくなった、しなしさとこ─02─「家でデキることをエンジョイ」

Shinashi【写真】取材をした日の夜の献立はビーフシチューとズッキーニカルパッチョ、塩麹チキンと紫タメネギのサラダ。ご飯も土鍋で炊いている凝りようだ(C)SATOKO SHINASHI

5月6日、DEEP後楽園ホール大会でDEEP女子アトム級選手権試合で、にっせーと対戦予定だったしなしさとこインタビュー後編。

大会は中止となったが、それまで息子と離れて生活し、練習を続けていたという彼女は、試合がなくなったことに関しては淡泊なほどに「しょうがない」という感情しかなかったという。

家族と離れてまで練習をする──しなしの格闘家として性とは、正反対のように試合がなくなるとステイホームの楽しむ性質。コロナのある時代の日常生活と格闘技への取り組み方、常にベストを尽くす──しなしさとこの生態が明らかになった。

<しなしさとこインタビューPart.01はコチラから>


──それでも事態が変わってくるなか、中止に至るまで色々と気持ちがブレることはなかったですか。

「試合がある、ないに関係なく練習はしていました。今回はコロナウィルスという問題が加わりましたけど、私は小さいし、年はいっているし、弱いから常にケガに気を付けて、自分がやらないといけないことをしっかりとやるという気持ちでやってきました。

練習はサボらないこと。息子と離れていても、勝ちたかったです。でも私、ヤバイですよね(笑)」

──ヤバイですねぇ(笑)。ただ、中止になった時はホッとしたとかはなかったですか。

「K-1が開催されて、色々と叩かれた時点で大会は絶対にないと思っていました。だから、中止決定の時に感情のブレはなかったですね。自分は自分、それまではやることをしっかりとやるしかなかったですし。いつでも戦える準備をしておかないと、試合を戦うことはできないですから。命が大切だということは当然ですし、だから中止が決まった時も『しょうがない』と思っただけです。

それからはデキることをやる方向に切り替えましたけどね。実家の道場を使ったり」

──普段の生活も変わったのではないですか。

「だって犬としか会わないですから(笑)」

──アハハハハ。

「あとは家にこもって、掃除と料理を徹底してやっています。今は特に料理に走っていますね。スコーンとかマフィンまだ家で焼くようになりました」

──それは凝り性ですね(笑)。素敵なステイホーム方法だと思います。

「料理って……普段の生活では、そこまでできないから。もう、こんな時だからこそデキることで楽しもうかなって思っています。暗い話ばかりしてもしょうがないですしね。既に世界にはコロナが存在しているので。私自身は現状を見ると、年内は試合ができないかもしれないと思っているし」

──無観客大会を開くところ、そうでないところと2つの流れが日本の格闘技界も出てきそうですね。

「私はお客さんに来てもらわないと収入にならないので、今は試合をしなくて良いかと思っています」

──にっせー選手にリベンジしたいという気持ちも、それで抑え込むことができるのですね。

「う~ん、それとこれとでは問題が違いますからね。今はそういうことを言っている時期ではない。ただ試合がしたいという年齢でもないですし、世間体も大切です。これからコロナで不景気になることは間違いないですから。

そうなると一般の人が家計から削るのは、娯楽ですよね。格闘技観戦は娯楽で、今は皆がそこを楽しむ余裕がないです。ワクチンができるまでは、格闘技の大会があるのはそういう世間に対してイメージ的にも良くないと思います。人が一か所に集まるということを考えると、試合はしない方が良いと思っています。

私自身、道場には行っても実家にも寄らないですし。最悪の状況を考慮するからこそ、親とも2カ月半とか3カ月近く会っていないです。だから今、家でデキることをエンジョイしようと思って料理に凝っている感じですね(笑)」

──コロナがある時代だからこそ、できることを楽しむということですね。しなし選手は。

「ハイ。家で、できて。他の人の感染リスクを高めないなら、何でも良いと思いますよ。だから私は料理以外でも、映画を凄くたくさん視ています」

──あぁ、我が家でも娘も家内もNetflixで映画を視まくっていますよ。

「あのう……私はDVDです。私、そのネット系とか弱くて(笑)。BSとかWOWOWは視ているんですけど!!」

──Netflixの料理番組とか、凄く楽しいですよ。

「ネットフリックスぅ?? 私、アナログなんですよ。ちょっと調べてみますね。それで申し込みます」

──申し込むことは決定ですか(笑)。いやぁ、しなしさとこ面白いですね。一応、DVDもデジタルですけどね。DVDのDはデジタルですしね(笑)。

「アハハハハ。私、毎日のようにレンタルしに行っていました(笑)。早朝に行くと、人も少ないですし。今、早寝早起きなんです。朝5時に起きて、2度寝して7時に起きて料理を始める感じで」

──料理を趣味にしていると、バターが買えなくて困ったりしませんか?

「えぇ? 売っていないですか?」

──自分の家は基本は生協の宅配なんですが、足らないモノは人を避けてスーパーの閉店2時間ぐらい前に行くようにしているんです。1時間前からまた駆け込みで込んでくるので。

「あぁ、夜だからバターとかないんですね」

──はい。粉モノも。

「でも子供の時間に合わせていると、すぐに昼になってしまいますよね。分かるぅ、ソレ(笑)。私は夕方は行列が凄いので、その時間にスーパーに行くことはないです。午前中にすべきことを済ませ、それから出るのは犬の散歩ぐらいですね(笑)。

こんなこと言うと不謹慎かもしれないですけど、家から出ないのも結構良いものですよ。だから格闘技のファンの皆さんも、今、家でできる楽しいことを見つけて乗り切って欲しいです。そして、コロナが終息すれば格闘技を思いっきり応援してもらえればと思います」

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【DEEP95】5月6日のにっせー戦がなくなった、しなしさとこ─01─「息子と別々に暮らし練習していました」

Shinashi【写真】なぜ、この写真なのかは──後編で明らかになります (C)SATOKO SHINASHI

5月6日、DEEP95=後楽園ホール大会でDEEP女子アトム級選手権試合で、ニッセーと対戦予定だったしなしさとこ。

大会は中止となったが、昨年4月にキャリア3戦目のにっせーに負けた事実を彼女はどのように捉えていたのか。そして、再戦に向けコロナ感染拡大が続くなかでの練習への取り組み方──中止決定後の生き方について──自由人しなしさとこに尋ねた。


──まず昨年12月に、にっせー選手に敗れてから4カ月。再戦する予定だった大会が中止になりましたが、まずキャリア3戦目の選手に敗れたことについて、どのように捉えていましたか。

「あの時は……交通事故にあっちゃったみたいな感じでした。勝ち続けないといけないっていうプレッシャーは格闘技を始めてから持ち続けてきたのですが……あの試合は、やっちゃたなって」

──周囲はどのような反応でしたか。

「(練習パートナーで、セコンドを務める若林)次郎さんは、『負けたんだから、またやって勝てば良いだろう』っていう感じで凄くクールでしたね。私は勝ち負けに拘り過ぎる人間で、常に勝たないと我慢できない性格なので……」

──分かります(笑)。

「なので、試合後に顔が腫れて次郎さんが『とりあえず氷を当てて』と言ってくれても『氷なんて要らないっ』、『キーっ』って感じで」

──キーっですか(笑)。

「ハイ、もう悔しいし負けを認めなくないし。そうしたら次郎さんは『まぁ今は考えられないかもしれないけど、次にやって勝てば良いのだから。今はとにかく休んで』っていう風でした」

──プロ練習に参加しているグランドスラムの勝村周一朗代表は?

「周ちゃんは会場にはこられなかったのですが、あとから会った時に『やっちゃったね』みたいな感じでした。それと『女子と練習する時間を増やして』と言ってくれて、5月の試合の準備をしているときも、周ちゃんところの女子選手と練習をするようになっていたんです」

──グランドスラムでは女子選手と練習できる環境が今あるのですか。

「あの試合に負けるまでは沙弥子がプロ選手ではいるのですが、彼女は日中に働いているからプロ練習に参加できることが少なくて。私は子供がいて逆に夜の練習に通うことはできないから、ほんの少ししか練習したことはなかったです。でも、あれからはアマチュアの子とも一緒に練習しています」

──しなし選手が女子と練習するのは、もう2000年代の序盤移行は印象がないです。

「でも滝本美咲ちゃんは近所に住んでいたので、週末は一緒に練習させてもらっていましたよ。今は道場が閉まっていてできないですが、今年はグランドスラムで女子とする練習は増えていました。女子とやるときは、なんか気持ちの持ちようが違いますね。やっぱり女子は女子と練習すべきだったんだって改めて思うようになりました」

──気持ちが違うというのは?

「ピリピリ感が違いますね。なんか私、子供を産んでからピリピリ感を失っていたなって。やっぱり人と揉めることが嫌いになるし、角が取れて丸くなってしまっていて。居心地良い生活を求めると、自分の世界が居心地の良くなっちゃっていて」

──ある意味、当然なのですが。

「ハイ、普通に生活しているなら当然です。でも私はまた戦うようになっていたし。それなのに練習中に他の人とぶつかると『大丈夫?』って気遣ったり、合間に笑顔で話すとか、そんなもん練習中に必要ないのに。

ピリピリしていないと、私は体が小さいから労わってって思ったりして(笑)。何のための練習だったのって。それがキャリアの少ない女子選手が、200パーセントで向かってきてくれて。組んじゃうと差があるので、打撃でガンガン来てくれるのが、今の私に必要な練習になっています。

もちろん次郎さんと繰り返して反復練習をするという軸は崩さないで、そこに女子選手とのスパーリングを取り入れて、凄く良い練習ができていました」

──女子、体格の二重苦をようやく解消しつつあったと。

「ハイ。そうやって練習していると、前の負けも吹っ切れちゃって。だって誰だって負けるのに。無敗なんて無理ですから。今からすると、ようやく自分の階級ができたことで浮かれていて集中力が欠けていたかもしれないです。でも、タイトルマッチでもないし普通の試合で、やっちゃっただけだから」

──負けの認め方も、負けず嫌いじゃないですか(笑)。

「アハハ。そりゃ1つの負けで、全てを持っていかれるのは嫌だなって思いますよ」

──ただ交通事故とはいっても、あの前蹴りはにっせー選手が練習してきた技で。そこを貰ってからペースが崩れたというのはあります。

「そうですね、見えていなかったです。(渡辺)久江の時のように一発でやられていたら納得できるのですが、それがないから『なんで止めるの?』とはなっちゃいました。

vs Nisse組んで大内に行った時にケージを掴まれて。それも想定していたのに、慌てていたから右フックとかもらっちゃいましたし。でも、離れ際のパンチとか足関節の対応とかはしっかりと対策を練られていたなって思います」

──いや、やはりメッチャ悔しそうですよ。

「そうそうそう(笑)。でも、良いことでしょ?  悔しいって。まぁまぁまぁ負けちゃったから、しょうがないですけど腹の底からクゥーってなりましたからね。私ってキキキキっていうオバサンの怒り方じゃなくて、クゥーっていう怒りが勝つまでずっと続くんですよ。それがあったから、なんか私はまだまだできるなって思いました」

──そして再戦が決まったのですが、格闘技に限らずスポーツ、エンテーテイメントが軒並み中止になるなかで、コロナ感染の恐怖などはなかったですか。

「ハイ、格闘技の対人練習は濃厚接触ですからね。そこは……ですね。私には息子がいるし、あの子に感染させちゃ絶対にダメだと思っていました。かといって私が実家へ行っても両親も高齢ですから、寝泊りなんてできない。だから小学校が休みになった時点で息子と別々に暮らして、練習をしていたんです」

──えっ? いや……しなし選手、それは正気の沙汰ではないですね。

「ですよね。でも、勝ちたいから練習をしないわけにはいかないし」

──う~む……。

「そうしたら、犬を飼うようになっちゃいました(笑)」

<この項、続く>