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Interview Special UFC アーロン・フィリップス ジャック・ショア ブログ 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─07─ジャック・ショア✖アーロン・フィリップス

【写真】多彩な攻撃、やるべき主題があるなかで、選択肢が多いことは絶対的に優位性を保てる要素になる(C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチ。

ここでは16日(木・現地時間)のUFC ESPN13で行われたバンタム級戦=ジャック・ショア✖アーロン・フィリップス戦について話してもらった。


ファールカップを力点として

──過去1カ月、岡田選手が気になったUFCプレリミ1試合目は?

「一番印象に残っているのはジャック・ショアとアーロン・フィリップスの試合における──ショアですね。個人的な好みなんですけど、ケージレスリングが強い。壁際で崩せるし、強いパウンドも打てる。スタンドで四の字バックを取った時も、自ら解除してサイドバックに戻って良い形を崩さない。

そしてサイドバックから顔面にヒザも入れる。金網際であれだけ多彩な攻撃を出せるというのは素晴らしいと思いました。あの辺は上手かったですねぇ。選手って僕もそうだけど、バックを取れると拘ってしまうので、そこを切り替えることができるのはクレバーです。

しかもあの時、四の字フックが相当に上手く入っていて。あのままでも落ちなかったかもしれない。でも角度が変わると、すぐに解除した。これかぁ、そうくるのかぁと思いました」

──ショアのことは元々注目していたのですか。

「いえ、全然知らなかったです(笑)」

──アハハハ。私も全くノーチェックでした。Cage Warriorsのバンタム級王者で、UFCで2勝目を挙げた。ケージウォリアーズはフォローしていなくて……。

「ウェールズ出身ということですけど、ウェールズ出身のMMAファイターって聞かないですよね」

──そこはもうなぜMMAは英国=イギリスでなく、イングランド、ウェールズ、スコットライト、北アイルランドという国籍を残しているのか。同君連合としてエリザベス女王を君主としている豪州、ニュージーランド、カナダは独立した政府がありますが、英国は単一国家でイングランドやウェールズらとの連邦国家ではないのに……。

「なんか難しい話ですね」

──5教科7科目の相手に合わせました(笑)。

「アハハハ。サッカーとかラグビーとかも、そうですよね。アイルランドは独立しているから分かるのですが……」

──格闘技大会って、国籍を増やしたい傾向があるような気がします。いずれによせ、そのウェールズからショアのような選手が出てきたと。

「本当にどこで練習しているのかも分からないんですけど、英国勢は強くなっていますよね。ショアの2Rに左に合わせてダブルレッグを決めた──あの動きは最高でした。それまでに誘いのミドルを蹴っていて、フィリップスを動かせてテイクダウンを決める。フィリップスがクローズドガードを取ると金網まで押し込んで、エビをできなくして殴る。

そしてガードが割れると、背中を取ってRNCというのは最高の流れですね。フィリップスが横向きでいると、両足フックでなく、一本で背中を潰した。まさに支点・力点・作用点です」

──でたっ!! MMAに学習用語を用いる男。

「アハハハ。ダブルフックでなく、片足をかけているだけで背中を伸ばすことができる。

アレは一本入れた足をフィリップスのヒザ裏において伸ばす。それでフィリップスの足が伸びて、背中も伸ばした。きっとファールカップを力点として使っています」

──ファールカップを押し付けると、痛いものですか。

「痛いですし、一点に釘や杭を打つようにすると、梃子の原理のように力が入ります。自分でも試合でやってみたい流れをショアはやっていました。良い選手だと思いませんでしたか?」

──正直なことを言いますと、この試合は良かったです。でも、相手はどうなんだろうと。ファイトアイランドの4連戦はUFCとしては出場選手の質にバラつきがあった。だから、次が大切というのはあります。

「なるほど。フィリップス相手では査定できないということですね」

──岡田選手、ご自身とフィリップスが戦うとどうなると思いますか。

「正直、この選手なら俺もUFCで勝てると思いました(笑)。相手はお粗末だというのはありましたが、ショアの組みのなかでの距離で凄くえげつないパンチとかは、本当に凄いです。第1試合でこの試合ですからね……。ショアはこれで13連勝のようですし、次の試合を期待して視てみたいと思います」

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Interview J-CAGE Shooto2020#05 ブログ 安藤達也 岡田遼 田丸匠

【Shooto2020#05】環太平洋バンタム級王座決定戦の行方を──暫定世界チャンピオン岡田遼に尋ねる

【写真】別件取材中に思いつきで勝利予想をしてもらうことになったのだが、それは岡田からは『土曜日の試合はめっちゃ楽しみです』と言葉が聞かれたからだった (C)SUSTAIN

8月1日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2020#05で環太平洋バンタム級王座を賭け安藤達也と田丸匠が戦う。

群雄割拠の修斗バンタム級戦線も、頂点が留守にしている間の生き残り合戦の末にかなり趨勢が判明してきた。そんななか5月に暫定世界王座に就いた岡田遼に、王座決定戦の予想をしてもらった。


──安藤達也選手と田丸匠選手の環太平洋王座決定戦、ズバリ勝利者予想をお願いします。

「安藤ですっ!!」

──! 即答でしたが、その理由を教えてください。

「クソジジイ同盟として、クソガキが勝つとは言えないです(笑)」

──アハハハハ、乗っていただきありがとうございます。で、本音は?

「う~ん、それは難しいですねぇ。田丸君ってパワー系に弱いイメージがあります。ライリー・ドゥトロとの試合を見てみると……まぁ、あの時は減量が常識外だったのでまた違うのかもしれないですが、パワー系に弱いままだと……安藤達也のパワーはえげつないですから。

安藤君はキレーにやらずに、本能の赴くまに野性味タップリにラフなぐらいでやった方が良いと思います。凄く、安藤寄りですけど(笑)。そうなると安藤有利だと思います。

ただMMAPLAETの田丸匠インタビューを読んで、彼のMMA論っていうのはちょっと僕に近いというか……シンパシーを感じます。全然、有りだと思っています」

──でも見た感じの試合展開は違いますよね。

「距離の取り方も、下になることも思い切った選択をしているとは思うのですが、見映えが悪くなってしまいますよね。そこは何とかした方が良いのですが、彼が自分で考えてやっていることなので。そういった創意工夫ができるのがMMAの良いところです。田丸君が弱者でもできるMMAをやっているのは僕と同じです」

──「クソジジイと一緒にするな」と言ってきたらどうしますか。

「アハハハハ。いや、だって彼は何も言ってないじゃないですか(笑)。思いっきりの仮定の話で……(笑)。それに、そういう元気な若者が出てこないと困りますよ」

──安藤選手とはドローとはいえ、一度戦いました。そういう意味でも、田丸選手と戦うことを考えることはありますか。

「それは全然考えていないです。彼とやりたくないってことじゃなく、別に戦っても良いのですが……。ただ僕はクソジジイだから、もうそんなに長い間MMAができる時間は残されていないんです。だから、できれば田丸と交わることがないMMA人生を今後は進んでいければなっていうのはあります」


         
■Sooto2020#05対戦カード

<修斗女子スーパーアトム級王座決定戦/5分3R>
黒部三奈(日本)
杉本恵(日本)

<修斗環太平洋バンタム級王座決定戦/5分5R>
安藤達也(日本)
田丸匠(日本)

<フライ級/5分3R>
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)
黒澤亮平(日本)

<インフィニティLバンタム級/5分2R>
小野島恒太(日本)
石井 逸人(日本)

<ウェルター級/5分2R>
宮路智之(日本)
飯田健夫(日本)

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Interview Special UFC ブログ ロクサン・モダフェリ ローレン・マーフィー 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─06─ローレン・マーフィー✖ロクサン・モダフェリ

【写真】ロクサンのファイトが岡田の胸を突き刺した理由は? (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が語りたいUFCプレリミマッチ。

第6回からは20日(土・現地時間)のUFC ESPN11で行われた女子フライ級戦=ローレン・マーフィー✖ロクサン・モダフェリ戦について話してもらった。


──本来は岡田遼のGreat UFCプレリミファイト、1カ月で3試合ということなのですが、どうしても語りたい試合がもう1つあると。

「ハイ。ねじ込ませてください(笑)」

──その1試合というのは?

「ローレン・マーフィー✖ロクサン・モダフェリのロクサンなんです。ロクサンがロックダウンの間も凄く練習しているって聞いていて。で、1月のメイシー・バーバーとの試合が良い勝ち方だったじゃないですか」

──ハイ。

「あの試合のイメージがあったので、『アレっ?』って感じがして。そう思わなかったですか」

──ローレン・マーフィーがこんなにデキるのか、と思って視ていました。

「マーフィー、強かったですねぇ。ロクサンは打撃が凄く伸びていて、ちゃんと練習してきたんだと思うんです。だから打撃ばかり使ってしまったような……。本当ならもっと組み技とか、臨機応変に使える選手のはずなのに。

怪我か何かで、余りレスリングに行けなかったのかと思ってしまうぐらい、寝技が強いのに打撃ばっかりになってしまったなぁっと。

打撃ができなかった時の組みへの執着心と、打撃ができるようになってから組みへの拘りって、やっぱり選手も変わってしまう。いや、本当に練習してきている選手だなっていうは、試合を見ていると伝わってくるんです。そして、余りにも練習してきたことを出して、正々堂々と戦い過ぎていて」

──ロクサンは試合の度に打撃の成長が見える。そんな選手です。

「そうなんですよ。まさにメイシー・バーバー戦なんて、本当に打撃が良くなっていた。思うのですが……ロクサンって僕と同じで、青木さんがいう『素養でいえばBクラス』の人だと思うんです」

──……。

「だからこそ、すごく真面目で、必死に練習してきたことで愚直なまでに勝負をしようとしていた。本当に良い人で頑張ってきた人が、そのままの人の良さで戦っていました。でもMMAってもっと狡くないと。勝つためにも狡猾になる必要もあります。

勝負になると愚直は美徳じゃない。それでも、人が良くて一生懸命にやってきたロクサンに、それを求めるのは僕の気持ちが苦しくなってしまって……。ロクサンって絶対に良い人なんだって、切なくなる試合でした。努力して、積み上げてきて」

──勝負だから勝ち負けは絶対です。でも戦っているのは人間で。ファイターだけど、人間。そこにロクサンらしい素晴らしさがあった。でも、試合は勝たないといけない。

「最終回になり、逆転を掛けて戦いたいロクサンに対して、マーフィーが上手く時間を使った。それでも、ロクサンは打撃でいくしかなかった。そして、打撃を効かせたようになった時にマーフィーがテイクダウンしてしまう。

それこそMMAなんです。でも、いくしかないって打撃で前に出るロクサンもMMAです。ただし、勝つために全力を尽くすってことでいえば、狡く戦うことも全てに含まれている。もちろん、反則はダメですよ。でも、ロクサンはああ戦わないと良さが出ないのかもしれないし。

僕とロクサンは同じで、素養ならBの選手です。でも、ロクサンは僕と違って良い人で、真っすぐで。僕もまぁ、努力ということでは負けていると思わないですが、性格は良くないし、腹黒です。だからこそ、ロクサンの真っすぐさが切なく、心に突き刺さる試合になりました」

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Interview Special UFC UFC250 コディー・ステーマン ブライアン・ケレハー ブログ 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─05─コディ・ステーマン✖ブライアン・ケレハー

【写真】とてもテイクダウンが強烈に強いようには見えなかったケレハー戦のステーマン (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が語りたいUFCプレリミマッチ。

第5回からは6日(土・現地時間)のUFC250で行われた140ポンド契約マッチ=コディ・ステーマン✖ブライアン・ケレハー戦について話してもらった。


──過去1カ月、岡田選手が気になるプレリミ3試合目は?

「ステーマンとケレハーの試合が、この1カ月のプレリミで一番でしたね。いや……ステーマン、あの人ってレスラーなんですよね?」

──NCAAのD-2レスラーですね。でも、高校の時からボクシングもやっていてMMAはダロン・クルックシャンの下で習い、昨年からエクストリーム・クートゥアーの所属になっています。なんでもボクシングでもプロの経験があるようです。

「そうなんですか……。この試合でも解説が良いレスラーって話しているのに、全然レスリングなんてしていなくて。アレックス・ペレスもそうでしたけどね。ステーマンは正面から打撃を使って、スイッチをしてボディにもパンチを散らすことができていました。でも、蹴りも強力で完成度の高いストライカーでしたよ。アッハハハハハ。笑っちゃいますよね」

──ワンツーだけでなく、スリーまで出せる選手かと思いました。

「あの軸の強さは……3つ目に関して普通は、僕だったら体がブレブレになってしまうと思います」

──ソン・ヤードンと戦った時は、テイクダウンを5、6回決めてバックも制し、さらに蹴り上げの反則があったのにドローという意味不明な判定でした。とにかく、あの試合ではレスリング全開で戦っていました。

「なのに打撃があれだけ強い、と。ケレハー戦のテイクダウンは打撃で支配しておいてニータップだとか、本当にローエナジー、疲れないレスリングをしていましたね。楽に倒していました。

ATTで練習していた時に思ったのですが、日本ではレスリングって一番しんどいことをやるというイメージを皆が持っていると思います。でも、米国の連中はそんな気持ちではないですね。サァーって倒して。全体練習の時もマイク・ブラウンは、力を使わずテイクダウンするようにと口を酸っぱくして言っていたんです。

一生懸命頑張り過ぎないでテイクダウンできるような打ち込みもやりました。テイクダウンで疲れるなということは皆の共通項でした」

──例えばレスリングの試合で実力が拮抗している者と戦い、そんな風にエネルギーを使わず戦えるのは、もう達人かと思います。ただ、打撃もあるMMAではより可能になるのかもしれないですね。

「そうですよね。絶対に倒す必要がなく、倒せなくても打撃に自信があれば、打撃でやりあえば良いですし。ATTで経験してきたのも、そこでした。レスラーが決してレスリングありきではない。

打撃ありきだから、崩れたところでそのレスリング能力が生かせている。ステーマンもそうですよね。蹴り足をキャッチして、テイクダウンを取っていますし。押せば倒れる……一番疲れないことをしていました。なので無駄に自分のスタミナをロスしないで戦うことができる。

ただし、そういう試合をするためには打撃で優位に立つ必要があります。しっかりとストライキングの技術があることで、レスリングが生きていました」

──そして3Rは最初にテイクダウンを奪うと、グラウンドにもいかずスタンドで待ちのファイトをし、最後はテイクダウンを仕掛けてきたケレハーに対しギロチンで迎え撃って、時間を使っていました。

「巧かったです。1Rと2Rは打撃でしっかりと試合をリードして、最終回は時間を使う。ラウンド毎に戦い方を変えて、本当に考えて試合をしていると思います。同じバンタム級の選手ですし、凄く面白かったです。

でもアルジャメイン・ステーリングとやった時は、ここまでの完成度は高くなくてバックとられて負けているんですよね」

──あっ、スロエフ・ストレッチで!

「ホント、ステーマンにあんな技で勝って、サンドハーゲンは最初のテイクダウンでRNCを極めてしまうって……どんだけアルジャメインは強いだって話ですよね(笑)」

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Interview Special UFC UFC250 アレックス・ペレス ジョズエ・フォルミーガ ブログ 岡田遼

【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─03─アレックス・ペレス✖ジョズエ・フォルミーガ

【写真】フォルミガを組ませず、ローで勝てるレスラー=ペレス (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ。

第3回からは──岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチとして、6日(土・現地時間)のUFC250で行われたフライ級戦=アレックス・ペレス✖ジョズエ・フォルミーガ戦について話してもらった。


──岡田遼が話したいUFCプレリミマッチ、毎週のように開催されていたUFCからどの試合をピックアップしてもらいましょうか。

「ペレスとフォルミーガです。フォルミーガとはATTで一緒に練習した時に達人的な動きを見ていて、僕は彼が勝つと予想していたんです」

──達人的な動きとはどういうところでしょうか。組んでバックを取るのが上手いという印象が強い選手だったのですが。

「ハイ、それが必勝パターンじゃないですか。でも練習では、そこを使わずに幅広くMMAができる人なんです。絶対的な強さを持っているのに、それを使わない。打撃もかなり上手くてウェルラウンダーでした。そのフォルミーガがローで負けて……いや、ペレスも強いとは思っていました。思ってはいたのですが、あの勝ち方ができるとは驚きです」

──レスラーですが、レスリングを使わずあの試合でフォルミーガに勝ってしまう。

「引き出しが多いですね。フォルミーガが負けたのはショックですし、ペレスが本当に強いところを出さずに勝ててしまうのも印象深いです。

カーフキックに関しては、当たり所もありますが……フォルミーガも効いたのは最後の3発ぐらいだったと思います。それにしても余りにも無策だったというか、最初から効いているとスイッチしたり、強みである組みにいくだとか対処したと思うんです。

実際、僕はいくらフォルミーガが練習であれだけ色々なことをやっていても、試合になると組んでバックを制すだろうと思っていました。打撃の攻防からテイクダウンして、上を取って殴り、背中を制してドミネイトするんだろうなって。

それがまぁ近づけない、入れない(苦笑)。打撃で敵わないとなると、思い切り組んで押し込むという戦い方はあると思うんです、ブラジリアン柔術の強い選手は。でも、フォルミーガが奥の手、その切り札を切ることすらできなかった」

──いきなり我慢できない蹴りが入ってしまったと。

「ATTには打撃のコーチがたくさんいて、タイ人もいるんです。ただ担当制でフォルミーガは、ヘッドコーチのコナン・シウヴェイラの指導を受けていることが多くて……。あまりそういう練習はしていなかったかもしれないですね。

それだけペレスが強いということなのですが、遠い距離ではあの蹴りがあり、近づくと素早いパンチを持っている。過去の試合を見ると、当然のように組みもできますし……完成度が高いです。いやぁ、あんな強い人間を見ると、ちょっと落ち込んでしまいましたね(苦笑)……早朝から。でも、あれがUFCなんですよね。痺れました」

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Interview J-CAGE UFC UFC ESPN09 ティム・エリオット ブランドン・ロイヴァル ブログ 岡田遼

【Special】岡田遼が斬る、UFCプレリミ戦─02─ブランドン・ロイヴァル✖ティム・エリオット

【写真】ガツガツというより、やはりガチャガチャという印象。そのなかで極め切るロイヴァル……(C)Zuffa/UFC

今回より、正式スタートする新企画=修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ。

第2回は5月30日(土)のUFC ESPN09で行われたフライ級戦=ブランドン・ロイヴァル✖ティム・エリオット戦について話してもらった。

<修斗チャンプ岡田遼が斬る、UFCプレリミ戦─01─ケイシー・ケニー✖ルイス・スモルカはコチラから>


──ティム・エリオットにブランドン・ロイヴァルが勝ってしまいましたね。

「ティム・エリオットが見たくて、あの試合を視たんです。でもロイヴァルが勝ってしまって……しかも、普通は勝てないスタイルですよね。すぐに下になり、亀になる」

──あれはエリオットが上手かったと思います。ロイヴァルはテイクダウンされると、背中をつけてクローズドやオモプラッタ、三角に入るので倒すと同時にハーフになっていて。

「あぁ、だから亀になっていたんですね。背中をつけて削られたくなくて。エリオットはテイクダウン後の動きを読んで、反応させないように倒していたんですね。いやぁ、凄いですね。それにしても今のMMAを考えると、ロイヴァルのような選択はできないですよ。現代MMAにあって、あの戦い方を迷いなく選択する勝負度胸……自分の技量に自信があるのでしょうね。コイツも本物だった思いました」

──ハーフで潜らせてもらえず、亀になっていた。ただし、初回の終わりごろからトップを奪う場面も出てきました。

「さすがにエリオットはアタックをし続けて、疲れていました。序盤のキレキレの動きと比べると、ラウンドの終盤はかなり落ちていたと思います。UFCファイターといえども疲れるんだなって。やっぱり、従来のような練習がやり込めていないのでしょうね。米国の方が締め付けも厳しいと思いますし。

ロイヴァルって、いつもあんな感じの試合なんですか」

──自分がチェックした試合はそうですね。下攻め、足をキャッチされるとプロレスの延髄斬りみたいな蹴りを出したり、そこで?というタイミングでスピニング系のパンチやエルボーを使います。

「動き続けている……スクランブルのなかで極めるっていうのは、日本では正直見られないですね。サブミッションに行く人はキチっと止めてから極める選手が多いです。いやぁ、ロイヴァルも凄いとしか言えなかったです」

──最後はマウントを取り、ロールして逃れて上を取ろうしたエリオットを肩固めで切って落としました。

「その前にエリオットがギロチンを仕掛けにいって、それで力をまた使って疲れたというのはあると思います。逆にロイヴァルは倒されて、疲れない戦法を採っていた。エネルギーゲージはかなり違っていましたね」

──まさに半日後に見られた岡田選手の試合と同じでしたね。

「ありがとうございます(笑)。ロイヴァルの最後の動きはRNCと肩固めのコンビネーションに応用のようで、それほど驚くべき流れではなくて、あの肩固めに驚きはなかったです。見たことがある動きなので。ただエリオットのスクランブルが、まだスピードがあったのに合わせた。あの速さは見事だったと思います。

いずれにしても、僕自身はケイシー・ケニーとブランドン・ロイヴァルの試合を視て、『こうだよな』、『そうだよな』って思えて良い空気で試合に挑むことができました」

──では、これからもマニアックな人選でUFCの分析をお願いします。

「了解しました。今週のUFCも楽しみですよね。水垣さんが引退を発表した週にコディー・ガーブラント、アルジャメイン・ステーリング、エディ・ワインランドが出場するって……これは、もう運命ですよ。このバンタム級3試合も凄く楽しみです。でも、水垣さんはハニ・ヤヒーラに勝っているんですよねぇ、凄いなぁと思います」

──またヤヒーラですか(笑)。

「そこが今の僕の経験値なんで(笑)」

■UFC250計量結果

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アマンダ・ヌネス: 146ポンド(66.22キロ)
[挑戦者]フェリシア・スペンサー: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディー・ガーブラント: 136ポンド(61.69キロ)
ハファエル・アスンソン: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング: 136ポンド(61.69キロ)
コリー・サンドハーゲン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー: 171ポンド(77.56キロ)
アンソニー・ロッコ・マーチン: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー: 136ポンド(61.69キロ)
エディ・ワインランド: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー: 145.5ポンド(66.0キロ)
アレックス・カサレス: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッシュ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジェラルド・マーシャート: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ステーマン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ブライアン・ケレハー: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
チャールズ・バード: 184.5ポンド(83.68キロ)
マキ・ピトロ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フライ級/5分3R>
ジョズエ・フォルミーガ: 126ポンド(57.15キロ)
アレックス・ペレス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド: 205ポンド(92.99キロ)
デビン・クラーク: 205.5ポンド(93.21キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
エヴァン・ダナム: 149.5ポンド( 67.81キロ)
エウベウ・バーンズ: 149.5ポンド( 67.81キロ)

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Interview Special UFC ESPN09 ケイシー・ケニー ブログ ルイス・スモルカ 岡田遼

【Special】修斗チャンプ岡田遼が斬る、UFCプレリミ戦─01─ケイシー・ケニー✖ルイス・スモルカ

【写真】修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が受けたケイシー・ケニー✖スモルカ戦の衝撃とは?(C)Zuffa/UFC

今回より、正式スタートする新企画=修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ。

第1回は5月30日(土)のUFC ESPN09で行われたバンタム級戦=ケイシー・ケニー✖ルイス・スモルカ戦について話してもらった。

タイトル戦を控えた朝、岡田の目にケイシー・ケニーはどのように映ったのか。

<修斗チャンプ岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ─序章─はコチラから>


──ケイシー・ケニーのどこに興奮させられたのでしょうか。

「僕、ATTでコーチに口を酸っぱくして言われていたのが、『チェンジ・レベル』、『チェンジ・アングル』、『チェンジ・スピード』の3つだったんです。高さ、角度を変えて緩急をつける。これをずっと言われていて、日本に戻ってきてからも気を付けていたんですけど、だからって簡単にモノにできることではないです。

それがケイシー・ケニーを見て、『これだ。コイツ、全部チェンジしてるじゃん!!』って思ったんです。緩急がついていて、角度も変える。で、高さも違いをつけて戦っていました。正直、これまでケイシー・ケニーのことを知らなくて、漫然と眺めていたら、『なんだ、この選手は?』ってなったんです。

しかも流れるように、ごく自然にできている。『これ、マイク・ブラウンに言われたわ』って(笑)。答を見ることができ、凄く興奮しましたね」

──UFCでの2試合はテイクダウン中心で戦っていたのが、LFA時代に戻ったような試合でした。

「ローとミドルを散らして、どっちも重い。レスラーのスタンスじゃないですよね、あれだけ重い蹴りを使えるなんて。パンチも下がりながら当てていて、メチャクチャ上手い。ちょっと衝撃的でしたね。最後も左から右の返しを決めて、そこからスモルカが、テイクダウンに逃げて」

──一旦切ってから、ギロチンに入りました。あれでスモルカのスクランブルを止めることができるのかと。

「普通はそのままアームインで入るのが定石で。受け止めてからハイエルボーを選択するというのは、僕の常識にはなかったです。いやぁ強いし、美しいとすら思いました」

──ダメージがあったのは確かですが、普通にアームインよりも念を押すかのようにハイエルボーに入ったのかと。確実に上を取るために。

「スモルカが逃げるために背中をつけて、隅返しみたいに返そうとしたけど、それもしっかりと潰してハーフでトップを取って極め切りました。あれで極めてしまうんですよねぇ」

──アームインで頭を抜かれると、下になることもありますしね。

「自分の試合がこれからあるので、『また、ちゃんと後で視よう』って思いました。凄い試合を見てしまったというのが正直なところでしたね……『うわぁ』って。で、会場ですれ違った時にUFCのプレリミと比べるからと言われて、食いついて話してしまったんです(笑)」

──食い気味だったから、驚きました(笑)。

「でも、試合後の共同インタビューで『ケイシー・ケニーと戦ったらどう?』って聞かれて……(苦笑)。情けない話だけど、『今やったら、絶対に勝てない』と思ったんです……もうギクッとして」

──いやぁ、申し訳ない質問でした。では、続いてブランドン・ロイヴァル✖ティム・エリオット戦をお願いします。

<この項、続く>

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Interview Shooto2020#03 Special ブログ 倉本一真 岡田遼 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:5月─その参─岡田遼✖倉本一真「素養はクラスBだけど……」

【写真】素質はクラスB、その岡田がUFCもあるという青木の真意は(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ4月の一番、第3弾は31日に開催されたShooto2020#03から岡田遼✖倉本一真の一戦を語らおう。


──5月の青木真也が選ぶ、この一番。3試合目はどの試合になるのでしょうか。

「岡田遼✖倉本一真ですね。岡田選手は5R制だから、あの戦いができました。それが一番大きいと思います。僕がマラット・ガフロフとやった時の組み方でした。主導権を握って攻めさせる。それを岡田選手がかしこくやりましたね。

倉本選手陣営をくさすことになってしまうかもしれないですが、あの試合運びは完全に作戦ミスです。」

──青木選手が倉本選手のチームなら、どのような作戦を立てましたか。

「ゆっくり見ろと僕なら言います。できる限り力を使わず、テイクダウン。あとはボディクラッチして岡田選手の動きに合わせておけば良いって。泳げってことですね。10-9.8で初回から3Rを取りましょうと言いますね」

──倉本選手はバックと比較して、トップの時の圧力がないように見えました。

「それはサブミッションですね。サブミッションがないから、ゴールがない。だから岡田選手としては、ずっとバックを取られても、グルグルと付き合ってたまにギロチンを狙う。そういう戦いができますよね。倉本選手は終わらせることができないから。

あのギロチンも岡田選手が上手いわけじゃない。あれだけ抱き着いてドミネイトしていると、まぁギロチンは食らいますよ。MMAとして完成度が低い倉本選手が、終らせることができたとすれば、それはテイクダウンのフェイントからぶん殴ってKO。それしか今はないと思います」

──今はそれだけしかできない選手が、ここからMMAを突き詰めていくとUFCで勝てるようにならないでしょうか。

「う~ん、身体的素質が高い選手ならUFCにはいくらでもいますよ。倉本選手はいうても、まだ7試合とか8試合しかやっていない。それで修斗の世界王座に来ること自体が、人材難なんです。だから岡田選手も倉本選手も、この試合でUFCが見えてくるということではないと思います。

皆が世界、世界って言っている時に……まぁ、その世界ってどこなんだよっていうなかで、修斗王座を狙う。そこに愛ある物語があったのが良かったですね、岡田選手は。他と差別化もできて」

──そして、UFCで戦いたいと口にしました。

「良い話ですよ。ATTに行って、そういう気持ちになるって」

──UFCに行きたい、その気持ちは青木選手も持っていましたよね。

「僕も思っていますよ。あのう……何て言うんだろうな、次なる格闘技の人生のなかで機会があって、もう一度北米で何かできれば楽しい……豊かになれるなって思います。僕はUFCに出ている選手へのリスペクトはメチャクチャありますからね。

岡田選手がUFCを目指したいっていうのは良い話ですね。だってさぁ、策士じゃん?」

──アハハハ。

「そもそも……こんなこといったらアレですけど素質的にはクラスBですよ。素養としては。それをアレだけ考えて、整理整頓できて、自分がどこにフォーカスして努力すれば良いのか正解を見出している」

──最高の誉め言葉ではないですか!!

「だから、僕はあると思いますよ。岡田選手のUFCは。UFCのチャンピオンになるとかっていうことは、現実離れしています。でも、UFCに加入して勝ったり負けたりすることは、彼の思考能力からすればあると思います。

やりくり上手じゃないですか。倉本選手との試合で、露骨にのんびりしようぜってできるほど性格は悪いし。1Rと2Rはお前にやるけど、俺は5Rという試合タイムをフルに利用するからよって、戦えるんですよ」

──それって図太いということですよね。

「図太いです。頭が良いし、腹黒い。図太さでいえば、鶴屋門下ですね。倉本選手の方が絶対に良い人ですよ(笑)。なんかKIDさんっぽさがあって。でも策士が勝っちゃうんですよ、良い人に」

──自分は一つ、岡田選手が凄いなと思ったことがあるんです。当日は2階の記者席から写真を撮っていたのですが、試合後にそれに気づいて2階に視線を送ってきました。正直、後楽園やディファのバルコニーで写真を撮影していて、そこに気付いた選手は過去に1人としていなかったです。

「それは凄いッスね。ちゃんと周囲が見えている。自分がコントロールできているんですね」

──それに受験勉強ができる人って、コツコツできる根性があると思いませんか。

「あぁ、ハイ、ハイ、ハイ。だって意味ないですからね。そのゲームを越える以外に。要はセンター試験を越えるって、部活動を頑張るとかよりも、根性ありますよ。だって甲子園に出るとか、サッカーで国立だっていう風に注目を集めるわけでもなく、別に大学に受かっても有名になれるわけでもない。凡人としての強さですね。それがヤツにはあります」

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【Special】修斗チャンプ岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ─序章─「叶うことなら」

【写真】5教科7科目をこなすチャンピオンが、UFCのプレリミについてどのようにメスを入れるのか?! 写真はクリス・グティエレス✖ヴィンス・モラレス (C)MMAPLANET

5月31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されたProfessional Shooto2020 #03で修斗暫定世界バンタム級チャンピオンになった岡田遼。

試合後の共同会見でMMAPLANETから『今日UFCのプレリミで勝利した同じバンタム級のケイシー・ケニーと戦うと、どうなると思いますか』という質問をし、新王者が「いや、あの試合を見て──自分が試合をして、俺はまだまだなって。前に高島さんが『修斗のベルトを獲ったからなんや?』って言っていたのが分かります(笑)」というやり取りがあったのだが、これは試合前に岡田とUFCのプレリミの話をする機会があったことで、行った質問であった。

そして、ならば修斗のチャンピオンにUFCのプレリミ、そして軽量級に特化した──いわば、誰も触らない試合について語ってもらうという企画がスタートした。

まずは序章として、新チャンピオンの現在の心境とこれからについて尋ねた。


──チャンピオンになって3日が過ぎました。改めてどのような気持ちですか。

「試合後は凄くハイテンションになっていましたが、だいぶ落ち着いてきました。でも嬉しい気持ちはそのままです。『良い試合だった』という風に試合内容を誉められたことも嬉しかったです。

ジムの仲間たちもほぼ全員が試合を視聴していてくれて、試合後はLINEが300件ぐらいたまっていました。でも、もう今日からパーソナル・トレーニングの指導も再開しましたし、日常が再開しています」

──修斗でチャンピオンになった。これから先はどのように見ていますか。

「倉本選手との試合は、僕がこれからを考えると一つのバロメーターになると思っていました。彼には申し訳ないですが、倉本選手に苦戦してダメダメな試合をするようだったら、僕は世界では通用しない。そういう風に感じていたので、ひとまず自分のなかでは合格点を挙げられるぐらいにはクリアできた試合になったので……、これから上を目指したいと発言する資格を得ることができたのかなと」

──修斗内でいえば佐藤将光選手が正規王者です。統一戦を視野に入れていますか。

「これは言って良いのか……決まれば戦います。でも佐藤選手からすればONEでビビアーノ・フェルナンデスの首を狙っている。そこで岡田遼が出てきても、なぜ戦う必要があるのかって正直思うはずです。僕が逆の立場ならそう思いますし」

──ただしONEもスケジュール再開の正式発表はまだないです。そのなかで佐藤選手には日本で試合をするという選択があるのか。

「う~ん、もうそこは僕には分からないですよね。僕に関していえば今まで通りの世の中になるなら、やっぱり出たいです」

──あのう……多くの選手が、そこで固有名詞を出さないケースが多い。そういう抽象的な言い方をするのですよね。

「ハッキリ言えと?(笑)。 ハイ。UFCに行きたいです。叶うモノならUFCに行きたい」

──ダハハハ。今回、実は試合前に会場の通路ですれ違った時に自分が軽い気持ちで『今日のUFCのプレリミであった軽量級の試合と比べさせてもらうので』って話すと、岡田選手が滅茶苦茶食いついてきて、凄く驚かされたんです。なぜ、夜にタイトル戦がある選手がUFCをプレリミから見ているんだと、本当に思いました(笑)。

「アハハハハ。逆に試合があるから、プレリミの最初の3試合を視ていたんです。コロナ感染が始まり、こういう世界になってから単純に、僕はUFCに感謝しています。今、UFCがMMAをやってくれていることに、すごく有難みを感じるようになっちゃたんです。

正直、これまでそんな風に思っていなかったです。でも、今やってくれることは本当に有難くて。MMAを視ることって当たり前じゃない──そういう世界になったじゃないですか。

それを認識してからは、毎大会見ています。まぁ自分の試合の前に、他の大会を視るなんてことは今まではなかったです。でも今回は、試合に行く準備を始める前にプレリミを見て『スゲェなっ!』て興奮してしまって。なんかパワーもらえたなっていう気持ちだったんです。それで廊下ですれ違った時にUFCの話題になって、夢中になって話してしまったんです(笑)」

(C)Zuffa/UFC

──なるほど、そういうことだったのですね。

「1試合目と2試合目がバンタム級で、最初の試合からえげつかなかったですよね。

クリス・グティエレスが、左右のローで勝つという。もう凄かったというしかないです。でも2試合目のケイシー・ケニーと3試合目のブランドン・ロイヴァン、この2人の試合はさらに凄まじくて」

──まさかタイトル戦を控えた選手がそのような心境とは思えなかったのでチャンピオンになった岡田選手に、その2試合について寸評をもらいたいと思ってインタビューをお願いしました。

「ハイ。本当に凄い試合でしたね。ケイシー・ケニーには、試合前なの興奮させられましたよ(笑)」

<この項、続く>

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Other MMA Result SASUKE Shooto2020#03 ブログ 世羅智茂 倉本一真 岡田遼 岩本健汰 杉本恵 清水清隆 石井逸人 西川大和 黒部三奈

【Shooto2020#03 】試合結果 暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼──ケージの中央で愛を叫ぶ

【写真】これぞ5RのMMAという戦いをし、2RKO勝ちで環太平洋に続き、暫定ながら世界バンタム級のベルトを巻いた岡田遼──チョット悪い目つき(C)MMAPLANET

5月31日(日)、Shooto2020#03が会場非公開で開催された。

メインで5教科7科目をマスターしたMMAファイター=岡田遼が、一芸に秀でいた倉本一真からKO勝ちし世界暫定バンタム級王座を獲得し、修斗への愛をケージ内で叫んだ。

注目のAOKI PRJECT=グラップリングマッチ=岩本健汰✖世羅智茂は時間切れのドローに。修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝は黒部三奈と杉本恵が勝ち上がり、決勝で対戦することなった。

Shooto2020#03
<修斗暫定世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
○岡田遼(日本)2R3分02秒
KO
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×倉本一真(日本)
<ライト級/5分3R>
○SASUKE(日本)3R
判定
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×西浦ウィッキー聡生(日本)
<グラップリング72キロ契約/10分1R>
△世羅智茂(日本)Draw
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△岩本健汰(日本)
<バンタム級/5分3R>
○清水清隆(日本)2R4分34秒
KO
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×小堀貴広(日本)
<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
○黒部三奈(日本)3R1分54秒
TKO
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×大島沙緒里(日本)
<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝>
○杉本恵(日本2R3分32秒
RNC
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×中村未来(日本)
<フェザー級/5分3R>
○石井逸人(日本)3R
判定
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×齋藤翼(日本)
<ライト級/5分2R>
○西川大和(日本)2R
判定
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×木下タケアキ(日本)