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【UFC249】いつでも倒せる─距離となるのか、フランシス・ガヌー✖ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク

UFC249【写真】当たれば終わる。当てるのも上手い。果たして、その間合になるのか(C) Zuffa/UFC

18日(土・現地時間)に決行されるUFC249。同大会のプレリミメインでフランシス・ガヌー✖ジャイルジーニョ・ホーゼンストライクのヘビー級マッチが組まれている。

本来3月28日のUFC ESPN08のメインで組まれていたストライカー対決が、シャッフルされて今大会のESPN枠で視聴されることとなった。


N'Gannouアフリカ・カメルーン出身のガヌーと、南米スリナム生まれのホーゼンストライク。ガヌーは22歳でボクシングを始め、26歳でプロボクサーを目指してフランスに渡るもパリで路上生活を強いられる。その後、ボクシングジムで練習こそ始めたがパリの名門MMAファクトリーでMMAファイターとしての力を見初められるまで、路上生活は続いていた。

一方、サッカーワールドカップで過去3人しかない初戦から決勝まで全試合で得点を挙げた選手の1人、ブラジルの名プレイヤー=ジャイルジーニョの名を持つホーゼンストライクは、18歳でキックを始めると、ボス・ジムの名コーチ=マイケル・バッブに見いだされプロキックボクサーとして活躍。MMAと並行して活動していた終盤も含め、実にキャリア85戦76勝8敗1分という戦績を残している。

2016年には武林風スーパーヘビー級Tを制したローゼンストライクは、2017年からMMAに専念するようになり翌年5月にはRIZINに参戦、アンドレ・コバレフからキャリア唯一の判定勝ちを手にしている。昨年2月からオクタゴンで戦うようになり、現在4連勝中のホーゼンストライクは、2戦目でアレン・クロウダーを9秒で倒し、昨年12月にはアリスター・オーフレイムから残り4秒で逆転TKO勝ちを収めている。

対してガヌーは2015年12月からUFCで活躍中で、オクタゴン戦績は9勝2敗だ。2つの敗北のうち、1試合は2018年1月にUFC世界ヘビー級王者スタイプ・ミオシッチに挑戦し敗れたもの。そう既にガヌーは世界挑戦経験があり、現在3試合連続初回KO勝ち中だ。

ガヌーは前述した世界戦の敗北に続き、お見合いファイトとなったデリック・ルイス戦で判定負けをしているが、UFCで挙げた9勝は全てKO/TKOないし一本勝ちで、うち8試合が初回で勝利を手にしている。ホーゼンストライクの4勝も全てKOもしくはTKO勝ちで、彼の場合はMMA全体でも10連勝と負け知らず、7試合で初回KO勝ちを収めている。

一発必倒のパンチ力を誇る両者。ガヌーは左フック、左アッパー、右フックとどこからでもKOが可能なファイターだ。大きく踏み込んだ左足の外側から左フック、内側から左アッパー、前手でKOすることもあればフォローの右フックで失神に相手を追い込むこともできる。そんなガヌーの多彩なフィニッシュブローも、右ストレートの強さがあるからこそ。やや左外に踏み込み、正中線を捕えるような右ストレートへの警戒を怠ることがでない対戦相手は、角度では外、距離ではインとなったパンチを見落として奈落の底に突き落とされる。

蹴りは右のカーフキックと、時折り見せるサウスポーからの左ハイぐらいで、ガヌーはボクシング中心のストライカーであることは間違いない。UFCで見せた一本勝ちはスタンドでバックを譲った状態でキムラに取り、そのまま倒してニーインベリーで極めた力技だった。

ガヌーはMMA禁止のフランスでパウンドなしの100%Fightというプロモーションでキャリアを序盤を積んでおり、その時代にもオーバーフックに取った相手が座り込み、そのまま腕を極めるなど、非常に強引な関節技も持っている。

レスリングが一番穴であることは間違いなく、ミオシッチにはパンチを入れながらも何度もテイクダウン&トップコントロールで削られて敗れた。とはいっても、ローゼンストライクはガヌーがテイクダウンを許さず、豪快過ぎる左アッパーでKOしたアリスターにテイクダウンから抑えられ、逆転の左→右フックKOがなければ判定でほぼ勝ち目はなかったという試合をしている。

つまりホーゼンストライクが組み勝負を仕掛けることはまず考えられなく、必然的にこの試合は打撃戦となる。ホーゼンストライクの打撃の注意点は、低い構えといえる。特に左の拳の位置は低く、その左フックでキック時代から多くの相手を沈めてきた。もちろん、この左に続くフォローの右もあり、さらに左ハイにつなげる対角線コントロールもイワン・ヒポリットの孫弟子だけに身につけている。

Rozenstruikキック時代のホーゼンストライクのガードは決して低くないことを考えると、今の構えはMMAの距離を頭に入れてアレンジされたモノだろう。そんなガヌーとホーゼンストライクの一戦は、両者揃って下がって打つカウンターの持ち主でもありKO決着必死の戦いになること──間違いないとはいえないのが、MMAの妙だ。

2人揃って目が良い。相手の攻撃を最後まで見ることで、体の強さもあるが接近戦でフルパワーのフックを当てることができる。下がって入れるKOパンチも、相手をその状況に追い込み、ステップインを予見して見えているからこそ、可能になるフィニッシュだ。

それだけ相手が見えることで、ガヌーがルイス戦で陥ったお見合いファイトが起こった。遠い距離でハイを放つルイスは手数が少なく、隙もない。その結果、相手の攻撃に化学反応を起こすガヌーは、動かないルイス相手に自分も動けなくなった。

ホーゼンストライクは手の届く範囲で、相手に打たせてから自分も殴り勝ってきたが、そんなファイトをガヌー相手に仕掛けることができるのか。ガヌーの踏み込みを待つと、ホーゼンストライクも様子見が増えるかもしれない。が、試合を動かすのはホーゼンストライクになる公算が高い。

ボクサーを目指していたといっても、タイミングと距離は完全にMMAのガヌーに対し、真正面から殴るキックの試合を85試合もしてきたホーゼンストライクは、距離を詰める術は持っている。ホーゼンストライクが恐怖に打ち勝つか、恐怖すら感じず無神経に距離を詰めることで試合は動くことになるだろう。その後の展開は、紙のみぞ知るといったところか……。

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【UFC249】タチパレスで開催決定?!→UFC249、5度目の正直とならなかったヌルマゴ✖ファーガソンの歴史

UFC249【写真】果たして6度目の正直が実現することはあるのか──ヌルマゴメド✖ゲイジー(C) Zuffa/UFC

6日(月・現地時間)、開催地は未だに不明だがショーは18日(土・同)に決行されることになったUFC249。同大会は当初の予定ではニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンバークレーセンターで開催され、メインでUFC世界ライト級王者カビブ・ヌルマゴメドフにトニー・ファーガソンが挑戦する予定だった。

Tachi palaceしかし、既報の通りロシアから米国に入国できないチャンピオンに代わり、暫定王座決定戦でファーガソンがジャスティン・ゲイジーと戦うことがアナウンスされている。同大会、ダナ・ホワイトが個人所有の島で行うという発言があったなか、カリフォルニア州リムーアのタチパレス開催という話も──有名サイトSherdog創始者のジェフ・シャーウッド氏=リムーア在住)による発言として米国MMAサイトでは報じられている。

ここでは5度目の延期となったヌルマゴメドフ✖ファーガソンの過去──トップコンテンダー入りを賭けた対決から暫定王座決定戦、さらに世界戦とことごとく実現しなかった両者のニアミスを纏めてみた。


最初に彼らのマッチアップが組まれたのは2015年12月のTUF22フィナーレだった。TUF13ウィナーのファーガソンは、UFC戦績9勝1敗──元Strikeforce世界ライト級王者ジョシュ・トムソンというこの階級のパイオニアを破るなど、上位に顔を覗かせてきた状態だった。対してヌルメゴメドフはキャリア22連勝中、UFCでも6連勝でハファエル・ドスアンジョスを下して以来、ドナルド・セラーニとの対戦が2度に渡りキャンセルされた状況であった。

この時、ヌルマゴドフの負傷欠場によりファーガソンはエジソン・バルボーサと対戦しダースチョークで一本勝ちを収め確実にキャリアップを果たした。

続いて両者の対戦が決まったのは2016年4月のUFC FOX19だった。元々は3月のUFC196でヌルマゴメドフは、ファーガソンがオクタゴンで唯一黒星を喫したマイケル・ジョンソンとの試合が組まれていたが、ジョンソンの欠場でファーガソンに代役の白羽の矢が立てられた。が、この時はファーガソンが肺に不調が生じて流れた。

3度目の正直が期待された2017年3月のUFC209では、2人は暫定ライト級王座を賭けて戦うことが決まっていたものの、計量を翌日に控えたヌルマゴメドフが減量中に体調を崩し、病院に運ばれドクターストップが掛かった。この7カ月後にファーガソンはケビン・リーを破って暫定王者に就いている。

そして2018年4月、UFC223=NYブルックリン大会のメインイベントで世界王座と賭けて暫定王者ファーガソンとヌルマゴメドフの対戦が決まったが──何と試合を6日後に控えたファーガソンがメディアデーで会場のコードに足を引っかけてヒザの靭帯損傷という予想もできないアクシデントで、4度目の対戦も流れた。

この週末、ヌルマゴメドフは代役マックス・ホロウェイの代役で、体重オーバーのアル・イアキンタと自らが勝利したのにベルトを巻くという変則王座決定戦に勝利。晴れてUFC世界ライト級のベルトをその腰に巻いている。

それから1年、NY決戦は人類が過去に経験したことがない新型コロナ・ウィルスのパンデミック下におかれ、五たび実現することはなかった。

tachi out side来週末ファーガソンが2度目の暫定王座獲得を目指しゲイジーと拳を交える同大会。メイン以外でも、マイケル・ジョンソン✖カーマ・ワーシー、ビセンチ・ルケ✖ニコ・プライス、フランシス・ガヌー✖ジャルジーニョ・ホーゼンストライク、サム・アルヴィー✖ライアン・スポーン、ジェシカ・アンドレジ✖ローズ・ナマジュナス、ジェレミー・スティーブンス✖カルヴィン・ケイター、ホナウド・ジャカレ・ソウザ✖ユライア・ホールらが組まれた同大会が開催地は米国領内のどこかの個人所有の島なのか、果たしてタチパレス・カジノリゾートとなるのか続報を待ちたい。

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【UFC249】仰天!!!! UFC249は「アイランズ・ファイツ」?! ダナ保有のプライベート島で開催か??!!

Dana White【写真】仰天プランを話したダナ・ホワイト(C) MMAPLANET

6日(月・現地時間)、UFCが18日(土・同)に開催するUFC249の対戦カードを発表したが、同日ダナ・ホワイトがTMZスポーツの取材を受け同大会を個人所有の島で行う予定だと語った。

「!!」。なんとも想像を遥かに超えたUFCのプランをダナ・ホワイトが明らかにした。対戦カードの変更こそ見られるが、UFC249を当初の日時に行うことをアナウンスしていたUFCだが、TMZスポーツのインタビューでダナは同大会が、彼が保有するプライベート・アイランドに選手やスタッフばかりかコミッション関係者も移動させ、イベントを行うという仰天プランを明かした。当然、何らの圧力が掛かることが予想され、その目をくらますための発言である可能性は否定できないものの、ダナがTMZスポーツで話した内容は以下の通りだ。


「この問題が世界に振りかかってから、何かを決めても翌日に水泡と化するという毎日を過ごしてきた。間違いなく、過去に経験したことがないハードな日々だった」と現状を振り返ったダナは、過去2カ月に渡り毎週のイベントを開くことができる会場を探し続けてきた結果、今回のプランに行き着いたこと明言した。

開催地に関しては、各州のコミッションが認可しないためカリフォルニア州のネイティブアメリカン・リザベーションになるという予測が立てられていたものの、人々の常識内に当てはまらない計画がUFCでは実行に移されていたことになる。

ダナが保有するプライベート島ではインフラを進められ、国際大会の準備に取り掛かっており、新型コロナウィルスのチェックを行い健康であることが確認されたで選手、コミッション関係者、ジャッジ、レフェリー、UFCスタッフを飛行機で移動させ、UFC249は行われるという。まだ最終確定とはなっていないが、近々に全てが決まるとのこと。

開催地を明確とせず、「UFC249はESPNで行われるんだ」と笑顔を見せたダナは、インタビュアーの「ファイトアイランドってネーミングになるの?」という問いかけに対し、声を挙げて笑い「そうだ。アイランド・ファイツだ」と応えている。

「誰もこんな日が来ることは予期できなかったはずだ。例え夢の中でも。ラスベガスがシャットダウンされ、カジノが1カ月、きっとそれ以上閉まるなんて。そんなことが自分の生きている間に起こるとは思いもしなかった」とシリアスな表情になったダナは、「ジョー・ローガンは大会に関わらにと言っているが」と話を振られると、「メディアに出ていることは信じるな。ポッドキャストで話されていることなんて、Bull Shitだ。ローガンは大会にいるよ」と返答し、インタビューは終わった。

トニー・ファーガソン✖ジャスティン・ゲイジーのUFC暫定世界ライト級王座決定戦を始め、ジェシカ・アンドレジ✖ローズ・ナマジュナスの再戦、ヴィセンチ・ルケ✖ニコ・プライス戦などがメインカードに組まれ、3月28日のオハイオ大会のメインで組まれていたフランシス・ガヌー✖ジャルジーニョ・ホーゼンストライクがプレリミメイン。

そのプレリミではホナウド・ジャカレ・ソウザ✖ユライア・ホールもマッチアップされており、ファイトパス・プレリミにマイケル・ジョンソン、サム・アルヴィーが出場する超豪華「アイランズ・ファイツ」は、ダナのプラン通り実現に至るのか。とにかく発想力に加え実行力、何よりも資本力の桁が違うUFCだ。

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【UFC249】ヌルマゴメドフ✖ファーガソン→ファーガソン✖ゲイジーに。開催地は未発表もイベント決行!!

UFC249【写真】果たして、どのような形でイベントは開かれ中継されるのだろうか(C) Zuffa/UFC

6日(月・現地時間)、UFCが18日(土・同)に開催するUFC249の対戦カードを発表した。

同大会はニューヨーク州ニューヨークのMSGで世界ライト級選手権試合=王者ガビブ・ヌルメゴメドフ✖挑戦者トニー・ファーガソンをヘッドラインに開かれる予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大により先行きが不透明となっていた。メインの暫定ライト級王座決定戦トニー・ファーガソン✖ジャスティン・ゲイジー戦を筆頭に12試合の対戦カードが明らかとなっているが、開催場所などは公になっていない。


3月14日のブラジル大会を無観客大会としたUFCでは、同月21日(土・同)のロンドン大会、同28日(土・同)のオハイオ州コロンバス大会=UFC ESPN08と4月11日(土・同)のオレゴン州ポートランド大会=UFN172の延期を決定し、その際にヌルマゴメドフ✖ファーガソンに関しては、「日付は変わらずファイトを組む。無観客になるかもしれないし、米国以外になるかもしれないが、この試合は実現させる」とダナ・ホワイトは決行への強い意志を見せていた。

一方ヌルマゴメドフはロシアの現状を踏まえ、この試合の実現に対して一度は消極的な立場を取りつつも、見込みが薄いとしながらも移動可能な場所で実現するなら戦うという姿勢を見せていた。結果、ヌルマゴメドフ✖トニー・ファーガソンは実現せず、ガビブの従弟ウマル・ヌルマゴメドフ✖ハンター・アジャー、ルーマニアのイオン・クテレバ✖ロシアのマゴメド・アンカラエフ、ウズベキスタンのマフムド・ムラドフ✖カール・ロビンソン、ベン・ロズウェル✖ニューヨーカーのジャン・ヴィランテの試合がラインナップから外れる形となった。

また、ドイツ在住のオットマン・アザイタルに代わりマイケル・ジョンソンがカーマ・ワーシーと、イスラム・マカチェフに代わりオマー・モラレスがアレキサンダー・ヘルナンデスと対戦することに。

そしてグレッグ・ハーディー✖ジョルガン・デ・カストロ、ビセンチ・ルケ✖ニコ・プライス、さらにフランシス・ガヌー✖ジャルジーニョ・ホーゼンストライク、サム・アルヴィー✖ライアン・スポーン、レイ・ボーグ✖マルロン・ベラが新たに加わっている。

ジェシカ・アンドレジ✖ローズ・ナマジュナス、ジェレミー・スティーブンス✖カルヴィン・ケイター、さらにホナウド・ジャカレ・ソウザ✖ユライア・ホールらのオリジナルカードが残っており、えげつないばかりの好カードが並んだこととなる。

とはいっても間違いなく賛否両論が起こるであろう現状での大会開催。10人以上の集会の禁止などイベントを行ううえでの壁をどのようにUFCは越え……あるいは抜け道を見つけ出して実現させるのか、まだまだ動向を見守る必要がある。