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【Shooto2023#04】田上こゆると対戦、ザ・タイガー石井─01─「修斗ってコレで良いんですか?」

【写真】タイトルの言葉の前には「勝った自分が言うのもなんですが」という前置きがある(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、ザ・タイガー石井が田上こゆると対戦する。
Text by Shojiro Kameike

石井は今年4月の沖縄大会で12年ぶりに修斗に参戦、世界ストロー級2位の旭那拳を判定で下した。旭那戦はストロー級リミットではなく54キロ契約であったため、石井が新たに世界ランク入りすることはない。それでも現在の修斗ストロー級に、一つの大きな風を巻き起こしたことは間違いない。そして迎える次の相手は、またも世界ランカーの田上。しかも相手の地元で戦う。そんななかで石井は、修斗の現状に問題提起を発した。


――今日はよろしくお願いいたします。……前回のインタビューと同じ構図ですね。

前回のインタビューのスクショ

「前回と同じ時間に、同じ場所に車を止めています。車も同じです(笑)」

――違いといえば、前回よりも髪が少し長いぐらいですか。

「アハハハ、これももうすぐ切ります。それだけで何グラムも落ちるので」

――えっ……、次の田上戦は4月の旭那戦と同じく、ストロー級リミットではなく54キロ契約です。それでも減量はキツいのでしょうか。

「いえいえ、今回は試合間隔が1カ月で――それも沖縄の時と同じですね(苦笑)。ただ、オファーを頂いてから試合までの期間に余裕があるわけではなかったので。とはいえ減量は大丈夫です」

――となるとフライ級に上げて試合をするという選択肢もあるかと思いますが、石井選手にとってフライ級は大きすぎるのでしょうか。

「そうですね。いずれストロー級に落として戦いたいと思っています」

――なるほど。まずは旭那戦ですが、12年ぶりの修斗参戦となった石井選手がストロー級のランカーに勝利したことについて、周囲の声はいかがでしょうか。

「いろんな声をかけていただいていますね。試合会場に行くと、みんな声をかけてくれて。修斗の世界ランカーに勝つと、ここまで評価が違うんだって思います」

――その旭那戦ですが、勝因は何だったと考えていますか。

「自分のできることをやった。それが一番だと思います。最初に自分のパンチが当たってから、僕が前に出ると相手が下がるようになりましたよね。相手にとっては、すごくやりづらかったんだろうなぁと感じました。あのパンチは狙っていたわけではないんです。まずフェイントとして出してみようと思っていたパンチが当たったので、自分でもビックリしました。そういうパンチが意外と当たって、効いたりするんですよ」

――ワンツーで右ストレートを当てようと思ったら、先の左ジャブが効いたりだとか。

「そのパターン、よくありますよね。まず右でダウンを奪ったので、右を軸に試合を進めようと思いました。2Rは僕がダウンを奪って、パウンドに行かずに腕を取られたらひっくり返されて。そういうムーブは巧いなと思いましたが、そこで相手は取り切れずに、僕にとっては救われましたね。それと久しぶりに修斗で試合をして感じたことというか……」

――12年ぶりの修斗参戦で、以前と何か違うものを感じましたか。

「修斗に戻ってきたなぁと感慨深いものはありました。もう一つ——『昔のような修斗じゃないんだなぁ』と感じましたね」

――昔のような修斗ではない……それは、どのような意味でしょうか。

「これは悪い意味ではなくて。単純に、僕たちが後楽園ホールや北沢タウンホールで試合をしていた頃の修斗とは違うなと思いました。空気というか」

――石井選手が感じたものとはリングがケージに変わったり、場所が東京ではなく沖縄だったことは関係ありますか。

「それもあります。反対に昔から馴染みの人たちも会場にたくさんいて、そういう意味では変わっていないところもありますよ。でも、それも懐かしさであったり……。以前のようなピリピリした雰囲気や、緊張感は薄れていたかもしれないです。僕がキャリアも年齢も重ねたからですかね?」

――どちらが良いかどうかはともかく、石井選手が出場していた頃の北沢タウンホールの雰囲気とは違うと思います。前回も同じような話になりましたが(苦笑)。

「アハハハ、そうですね。北沢だけじゃなく後楽園ホールでも、相手をブッ殺すような気持ちで挑んでいた選手が多かったじゃないですか。僕が修斗の前に、キックボクシングに出ていた時もそうだったんですよ。試合前は死刑台に昇るような気持ちで。もう試合後のことは何も考えられないというか」

――……。

「北沢タウンホールって劇場だからか、バックステージが暗くて。だけど対戦相手の顔は見えるので、試合前は緊張感が凄かったです。あの相手を潰して、自分が上に行くことしか考えていませんでした。当時は軽量級なら修斗しか選択肢がなかったし、そこで這い上がるしかなかったので。

そういえば、沖縄ではサイダーさん(※金内サイダー雄哉。現在は旭那と同じTheパラエストラ沖縄所属)と会って、昔からの知り合いなので話をしました。でも昔の自分だったら、サイダーさんと話をすることはなかったと思います。対戦相手だけでなく、対戦相手と同じチームの人とも話をすることはなかったでしょう。自分も変わってきたのだと思います。

それも時代の流れなのでしょうね。いくら懐かしがっても、あの頃には戻れませんし。それならそれで良くなっていってほしいと、自分の中で受け入れるしかないです。でも、ちょっと言いたいことはあるんですよ」

——はい、ぜひお願いします。

「あの時は、旭那選手が絶対に勝たなきゃいけない試合じゃないですか。でも12年ぶりに修斗で試合をした人間が、世界ランカーに勝った。世界ランカーが地元で、こんなワケ分からないヤツに負ける。勝った自分が言うのも変だけど、修斗ってコレで良いんですか?」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午後1時00分~ Twit Casting LIVE

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【Shooto2023#04】22歳差対決=田上こゆる✖ザ・タイガー石井。10年振りに加マーク納がプロ修斗参戦

【写真】なんだか、おとぎ話のようなマッチアップだ (C)MMAPLANET & SHOJIRO KAMEIKE

5月31日(水)、半期に一度のプロ修斗大阪大会の開催とカード発表がSustainよりあった。18日(日)に大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04は、キックの8人トーナメントが、従来の大阪大会と同じく組まれている。

修斗公式戦で目を引くのは、4月の沖縄大会で12年振りの修斗出場でストロー級ランカーの旭那拳を破ったザ・タイガー石井の参戦。対戦相手は──負けられないだけでなく、MMAとしての成長を見せ続ける必要がある田上こゆるだ。


1979年7月生まれ、43歳の石井が初めて修斗のリングに上がったのは2003年5月のこと。田上が1歳4カ月の時に、石井はキックからMMAに転向を果たした。年の差実に22歳というマッチアップは、田上にとって対戦相手がひたすら組んでテイクダウン&コントロールを狙ってこない初めての試合になるかもしれない。

田上にとっては、昨年の夏のミルウォーキー、ルーファスポート修行で感じた組み技の成長を確信に変える試合が組まれたといっても過ではない。とはいっても、石井はムエタイをMMAに落とし込んだ、組み技を持つ。仮に田上がMMAに拘り過ぎれば、打撃と組みが一体化した石井の一発にヒジやヒザの餌食、さらに崩しを食らうことも十分にあり得る。

田上がMMAをするには、打の圧で石井を上回ること。そうすれば田上のMMAは回り始める。今後、組み力のアップデートが必要な田上だが、それは彼の持つ打撃の強さを生かすため。

正直、修斗関係者は誰も石井が旭那を破るとは思っていなかったはず。それ故に広がるザ・タイガー石井幻想。MMAで勝つために打撃の圧が絶対に必要な田上と、そんな若さをザ・タイガーが老獪さでいなすことができるのか。興味深い交わりといえよう。

ザ・タイガーのプロ修斗カムバックロードの裏で、34歳=加マーク納の修斗10年振りの参戦もコア層には気になるところだ。

加マーク納は2013年にその後の修斗世界王者、そして今は京葉間で事業家としての成功を目指す岡田遼とプロデビュー戦を戦い、RNCで一本負け。以来、Wardog、GRANDSLAM、HEAT、GLADIATOR、パンクラス、DEEP、ZST、さらにGrachanでキャリアを積んできた。

グラジとZSTではフライ級王座に絡んだが、ベルト奪取ならず。現時点で直近の試合となったグラチャンでは王座決定T及びフライ級タイトル戦線に当然のように顔を出すと思われていたが、継続参戦はなかった。

前回の長野将大戦では跳びヒザKOというキャリアハイの勝ち方をしており、井口翔太と続けて「しょうた」を相対する加マーク納──流れ流れて原点回帰にも注目したい。

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【TORAO29】福岡大会で畠山隆称戦、泰斗─02─「打撃もグラップリングもやる気満々です」

【写真】本田良介のスタイルで、打撃を織り交ぜることができれば──それはも北米スタイル(C)MMAPLANET

28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、畠山隆称と対戦する泰斗のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

プロデビューから3連勝。順調にキャリアを重ねていたと思われたが、昨年12月、田上こゆるに敗れた泰斗は敗戦から何を感じたのか。畠山との福岡×ルーキー対決、泰斗は「フルラウンド動き続ける」と断言した。

<泰斗インタビューPart.01はコチラから>


――目標である本田選手がDEEPフライ級GPの決勝まで進んだことは、どのように捉えていますか。

「本当に凄かったし、嬉しかったです。決勝は残念な結果に終わって、良介君も少し落ち込んでいました。でも僕も含めて練習仲間の試合が続々と決まっているので、今は前を向いて一緒に練習していますね。良介君だけでなく、僕たち全員が」

――その本田選手と同じようにフルラウンド動き続けることができるようになったのは、レンジャーズジムに入ってどれくらい時間が掛かりましたか。

「まずレンジャーズジムに入って1年で、修斗でプロデビューすることができました。ジムに入る前から、同じ階級の中ではフィジカルが強かったほうだと思います。あとは技術を覚えることを意識していて。その結果、自分の得意な形が見えてきました。自分の得意なところを見つけることができたというのが一番良かったですね」

――現在のスタイルを考えると、ジムにフルケージが設置されている環境も影響したのではないでしょうか。

「僕がジムに入った頃は、まだケージがなくて。プロデビューする頃にはケージが入ったので、それは大きいです。ケージがあることについては皆さんから言われるし、本当に良い環境で練習させてもらっています」

――レンジャーズジムでは田中半蔵選手も練習しているのですよね。

「はい。階級が違うのでスパーとかで絡むことは少ないんですけど、福岡にある宝満山という山で一緒に走ったりしています。結構高い山(※標高約830メートル)で、傾斜もキツイですけど道がしっかりしているので、良いトレーニング場所なんですよ。

そういったトレーニングのおかげで、プロデビューしてからもフィジカルでは相手より上だと感じていました。体つきは、もともと筋肉質だと思いますけど――あまり筋トレをしなくても筋肉が付きやすいですね」

――今回はZOOMのインタビューですが、画面で見える姿が試合時のゴツい体とは違っていて、別人かと思いました(笑)。

「アハハハ、着痩せするタイプなんですよ」

――なるほど。その結果プロデビューから3連勝を収めましたが、昨年12月に田上こゆる戦で初黒星を喫しました。田上戦の感想を教えてください。

「試合が決まった時は嬉しかったです。田上選手はずっと有名で、僕も試合を見ていた選手でしたから。こんなに早いタイミングで試合できるのか、と思いました。正直、自分のスタイルとハマるんじゃないかと考えていて。打撃についても、田上選手とやり合えたら自分にとっても自信になる。ここで勝ったらランキング入りできる。強敵やけど、やるしかない。そう覚悟を決めて挑みました。

でも試合をしてみると、田上選手もフィジカルが強くて。自分の中ではテイクダウンで背中を着けさせるイメージが出来上がっていたんですが、相手も対策ができていて、しっかり倒すことができませんでした。特に、組んでいる時のヒジがポイントだったと思います。相手がヒジを打ってくることを想定していなかったわけじゃないですけど、田上選手の良いところにハマッてしまったと思います。

ただ、良い経験をさせてもらいました。3Rフルで戦えたこと。最後にバックを奪った時も、体力は切れていなくて。しかも、そこまで力を使うこともなかったです。3Rでもスタミナが切れることなく、力を出せたことは良かったですね」

――まさに本田良介スタイルですね。

「それはもう――良介君がバテたところを見たことがないです(笑)」

――アハハハ。そんな田上戦から5カ月、この期間に新しく取り組んだことはありますか。

「何かコレといった、新しいものはないですね。日々、全面的にレベルアップさせていくことが大事だと思っています。もちろん対戦相手が決まったら対策は立てますけど、今回は普段から練習量をアップさせてきました。今後は良介君の真似をするだけじゃなく、どんどん自分の色も出していく。もっと自分なりの打撃を出したりしていきたいです」

――では次の対戦相手、畠山隆称選手の印象を教えてください。

「まだキャリアが浅い選手同士の潰し合いですよね。すごく楽しみです。畠山選手は何でもできるタイプで、際の部分もしっかりしているし、気が抜けない相手だと思います。僕も全面的に戦いたいですね。体格的には畠山選手のほうが大きいと思いますが、僕も大きな選手と試合するのは慣れています。試合でも常に相手のほうが大きいですし。自分にとっても大きな相手のほうが戦いやすいです」

――テイクダウンで動き続ける泰斗選手と、グラウンドで動き続ける畠山選手の対戦は、とてもタフな試合になると思います。そこで組みの展開以外、打撃面はどう考えますか。

「打撃もグラップリングもやる気満々です。畠山選手が相手なら、絶対にどちらの展開もあると思うので。良介君もそうだし、デメトリウス・ジョンソンのようにフルラウンド動き続けるスタイルが理想なんです。それがMMAだと考えています。そうなるためには、もっともっとキツい練習が待っていますけど(苦笑)」

――確かにそうですね。最後に、今後MMAを続けていくうえでの目標を教えてください。

「ベルトを獲りたいし、ONEなど世界で戦いたいです。そして将来は自分のジムを持ちたいと考えています。もともと格闘技でメシを食うつもりはなかったし、趣味でMMAを始めた人間です。でもレンジャーズジムに入って、気持ちが変わりました。『自分には格闘技しかない』と。外で遊ぶよりも練習や指導しているほうが楽しくて、もうMMAこそが自分の人生だと思っていますよ」

■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

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K-1 MMA MMAPLANET o Torao TORAO29 キック ボクシング 上田将竜 修斗 本田良介 泰斗 田上こゆる 畠山隆弥

【TORAO29】地元・福岡大会称とルーキー対決、泰斗─01─「一番の目標は本田良介君」

【写真】「良介君」という呼び方に、信頼関係の強さがうかがえる(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、地元・福岡レンジャーズジムの泰斗が沖縄の畠山隆称を迎え撃つ。

Text by Shojiro Kameike

2020年に修斗でプロデビューした泰斗は、テイクダウンスタイルを武器に2022年修斗新人王トーナメントのストロー級を制している。これまでMMAは3勝1敗。昨年12月に田上こゆるに初黒星を喫してからの復帰戦は、畠山隆弥との福岡×沖縄ルーキー対決となった。そんな泰斗にMMAのキャリアを訊いたところ、目標として挙げたのが――これぞテイクダウンスタイル、本田良介の名前だった。


――地元の福岡で開催されるTORAOでプロ5戦目を行う泰斗選手です。まずは格闘技のキャリアについて教えてください。

「格闘技を始めたのは16歳の時です。ふわっとキックボクシングをやりたくなって、半年ぐらい週1~2のペースで練習していました。次にサークルみたいな形で、格闘技好きの人たちが集まってスパーリングするような感じの練習を、23歳ぐらいまでやっていました」

――なぜ16歳の時にキックボクシングを始めたのでしょうか。

「男として強くなりたい、っていう理由ですね。子供の頃にK-1とかを見ていて、格闘技に憧れがありました。ずっと格闘技をやりたいと思っていたけど、なかなか始めるキッカケがなくて……。格闘技をやりたいと言っても、小学校や中学校の頃は遊んでばかりいました(苦笑)。それで16歳の時、最初は空手とキックボクシングをやっているジムに入って、そこから知り合いに誘われて格闘技サークルに参加するようになったんです」

――サークルということは、ジムのように指導者がいるものではなかったのですか。

「ずっと格闘技をやっていた方が教えてくれていましたね。30代や40代ぐらいの人たちに、練習の相手をしてもらっていました。当時は格闘技のジムとかもよく知らないなか、アウトサイダーや地下格闘技が流行っていて。プロの世界にも憧れていましたけど、アウトサイダーや地下格闘技のほうもカッコいいなと思って、最初は地下格闘技に出ていました」

――なるほど。地下格闘技は何戦ほど経験しているのでしょうか。

「10戦ぐらいですね。サークルで練習し始めてから1年ぐらいで、地下格闘技に出るようになりました。最初に出たのは18歳の時です。それから地元の福岡や、久留米で開催されていた大会にも出ていて。最後は4~5年前にアウトサイダーに出たあと、プロを目指してレンジャーズジムに入りました」

――サークル活動のままでは、プロになるのは難しいと感じたのですか。

「サークルで一緒に練習していた人たちは、強い人たちばかりでした。ただ、年齢的に上の人たちが多かったんですよね。するとスパーリングでも抑えめになっていて――自分もプロを目指すかぎりは、しっかりとした指導者が教えてくれて、同年代の強い選手がたくさんいる環境で練習したいと思いました」

――地下格闘技に出場している頃から、プロでやりたいと思い始めていたのでしょうか。

「本音を言うと、そこまで深くは考えていなかったです。地下格闘技の頃は、格闘技で食っていこうと考えることはなく、『格闘技を続けていたら何か見つかるやろう』みたいな感じで。そもそも簡単にプロになれるような世界じゃないと思っていましたし。意識が変わったのはレンジャーズジムに入ってからです。本気でMMAをやっていこう、って」

――レンジャーズジムに入る前と入った後では、何が違ったのですか。

「周りの人たちの覚悟が違いました。ジムでは同じ世代の選手が多かったこともモチベーションになっていて。プロを目指している人たちの練習を見て、『これだけ覚悟が違うのか。ここなら自分も本気でMMAに打ち込める』と思ったんですよ。サークルの時は趣味っていう雰囲気で、練習も多くて週2~3回ぐらい。曜日で決まっている練習日に参加できなかったら、週1程度の練習になってしまいます。でもレンジャーズジムは毎日やっていて、それだけの練習相手もいる。もう一つ、自分は23歳の時に入って……やっぱり23歳ぐらいになると、自分自身の将来について考えないといけない。そこで覚悟を決めました」

――同年代でプロを目指している場合、それまでに他の格闘技を経験してからレンジャーズジムでMMAをやっている選手も多かったのではないですか。柔道やレスリング、空手やキックボクシングなど……。

「はい、そうですね」

――「この中でやっていけるかな?」という不安や、劣等感のようなものはなかったですか。

「それはなかったです。ジムに入る前に、闘争本能みたいなものは身についていたと思うんです。あとは、とにかく技術を身につけたいという気持ちが大きくて。それと自分の場合は、体格が小さいじゃないですか。MMAでは一番軽いストロー級で、大きな選手と練習で張り合うだけでも、自分にとっては『負けていない』という自信になりました。そこで簡単にやられていたら、劣等感もあったでしょうし、自信をなくしていたでしょうけど」

――同時に、レンジャーズジムの練習は厳しくはなかったですか。

「代表の屋宮さん(大宮ハント)は、最初にお会いした時は怖かったです。あの風貌だから、第一印象は怖くて――みんなも同じことを言っています(笑)。でも指導は優しくて。『これをやれ、あれをやれ』って強制する人じゃないんですよ。『自由に、やりたいことをやれ』と。だから僕たちも自由に『これを教えてほしい』と聞いて、屋宮さんも何でも教えてくれる。反対に『これが自分に合わないと思ったら、無理してやらなくていいよ』という感じで」

――そうだったのですね。自由なスタイルでは自主性も求められます。そのなかで泰斗選手は、まず何に取り組もうと思ったのでしょうか。

「一番は、本田良介君みたいになりたいと思いました」

――本田良介選手! その一言で、泰斗選手のテイクダウン中心のスタイルが理解できました。

「良介君はずっとレンジャーズジムの練習に来てくれて、僕たちを引っ張ってくれています。良介君についていけば安心できる、そういう人なんです。上田将竜さんもそうですね。試合スタイル、練習への取り組み方、普段の過ごし方まで全て勉強させてもらっています。良介君が一番の目標です」

<この項、続く>

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ABEMA Combate Global MMA MMAPLANET o UFC イアン・ギャリー エフェヴィガ雄志 オーディン シャクハト・ラクモノフ ジェイソン・ジャクソン チャンネル ロビー・ローラー 佐藤天 修斗 北野一声 北野雄司 堀内佑馬 平田樹 木下憂朔 本野美樹 海外 澤田千優 田上こゆる 高木オーディン祥多

【ABEMA&Combate Global】エフェヴィガ雄志&澤田千優。武者修行プロジェクトからコンバテ出場へ

【写真】出稽古とフィーダーショー出場がセットされた武者修行プロジェクト。さぁ、どのような成長過程を見せてくれるか (C)MMAPLANET

8日(水)、ABEMAより海外MMA武者修行プロジェクトの第6及び第7期生の発表があり、TRIBE TOKYO MMAのエフェヴィガ雄志、澤田千優が2カ月に渡り、それぞれフロリダの切りクリフFC、カリフォルニアのチーム・オーヤマで出稽古を行うことが発表されている。

平田樹、田上こゆる、北野一声、本野美樹、高木オーディン祥多、木下憂朔に続き、修斗新人王=エフェヴィガ、修斗女子アトム級チャンピオン澤田の海外修行が決まった。


キルクリフはもう説明の必要がないだろう。佐藤天、木下憂朔が拠点とし、ウェルター級にはロビー・ローラー、ビセンチ・ルケ、ジルベウト・ドリーニョ、イアン・ギャリー、シャクハト・ラクモノフ、リー・ジーリャン、ジェイソン・ジャクソンら世界中から頂点を目指すファイターが集まっている。

一方、澤田が出稽古を行うチーム・オーヤマは、堀内佑馬が長らく在籍し、UFC世界女子ストロー級王者カーラ・エルパルザも所属しており、そのキャプテンシーに触れるだけで最高の経験となるだろう。

同プロジェクトは今期より、滞在期間を従来に1カ月想定から2カ月に拡大し、選手だけでなく指導者の現地滞在費用もABEMAが持つという風にボリュームアップを果たした。

さらにはこの両者、5月6日(土・現地時間)にフロリダ州マイアミのユニビジョン・スタジオで開催されるCombate Globalの大会出場を決っており、同大会はABEMAでライブ中継されるという。

これらの日本勢の出場に関して、同プロモーションのマイク・フロモヴィッツ執行役員は「日本から選手が出場し、その日本から注目度が上がることはとても嬉しいことだ。この2人だけでなく、3人目の出場を待っているところなんだ」と両者の出場についてMMAPLANETに歓迎の言葉を伝えてきた。

まだ同プロジェクトの陣頭指揮を執る北野雄司AMEBA格闘チャンネルEPは同リリースに「この僅か期間で別人のように強くなることはできなくても『何か』を掴んで帰って来てほしいです」というコメントを寄せているが、試合結果は当然として──そこに向かうための日々の姿勢こそ大切になってくる。両者には最高の経験にしてほしいものだ。

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ABEMA MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#08 泰斗 田上こゆる

【Shooto2022#08】田上こゆる、泰斗のシングルレッグを切りきれずも背中もつかせず3-0で連敗阻止

<ストロー級/5分3R>
田上こゆる(日本)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
泰斗(日本)

ケージ中央に田上、泰斗がケージ前を左右に移動する。間合いを図る展開が続くなか、田上がスイッチを見せる場面も。コンタクトがないまま1分が過ぎ、泰斗、そして田上という順でローを蹴る。再びスイッチから構えを戻した田上に対し、泰斗が左ロー。田上が左ジャブを伸ばす。リードフックに距離を取った泰斗は、左ローを蹴られる。田上は両手を長く伸ばす構えから左ジャブも、両者とも手数が少ない。そのなかでローから左ハイを蹴った田上に対し、残り20秒で泰斗がシングルレッグへ。切ってバックを狙った田上だが、取り切れずケージに詰められた。

2R、積極的な攻めが欲しい両者。右ローで体が流れた泰斗が左を伸ばし、シングルレッグへ。腰を掴まれて尻もちをつかされた田上は、ケージまで下がり背中をつけて立ちに行く。両足を束ねられそうになったところで足を抜いた田上だが、泰斗がすかさず組み直してボディロックへ。左足を抜いて立ち上がった田上はワキを潜られた泰斗にバック、さらにボディロックで倒される。背中はつけずに、ウィザーで立ち上がりにかかる田上は再度ボディロックで尻もちをつかさせた。

残り2分、アンクルピックの泰斗に田上はエルボーを落とす。立ち上がった田上をダブルで組んだ泰斗は、ネルソンからエルボーを被弾してもまた足をコントロールして尻もちに持ち込む。半身のエルボーの田上が、泰斗の執拗な組みにヒジを入れ、頭を押して必死で立とうとする。泰斗も背中をつかせようとするが、倒しきれず時間に。泰斗が田上を対処方の戦いを強いて、ラウンドを挽回したか。

最終回、まずは田上が左ロー。スイッチして左ミドルを蹴る。泰斗は左ハイ、そしてローから組みの展開を伺っているか。田上は右ボディストレートを入れ、距離を取り直す。すり足で左ハイ、続いて左ローを当てた田上は、テイクダウンを警戒した打撃を続ける。スイッチして右ローと前足を削る田上に対し、泰斗は動きが無く逆に対処法の戦いを強いられている。

左右に動き、体を大きく上下させた田上がワンツーを入れる。泰斗も距離を詰めるが、一旦離れる続くシングルを切りきれなかった田上は、ケージを背負って座らされると立ち上がり際にバックを許す。泰斗はここで両足をフック。そのままホールドした泰斗を、後ろへのパンチで殴る田上は、残り30秒で登って足のフックから逃れると、ついに胸を合わせることに成功する。

殴られた泰斗は、レッスルアップから左腕を差して起き上がり、上を取る。田上はここでもエルボーを連打し、時間とともに勝利をアピールした。初回は田上、2Rは泰斗、最終回は田上の打撃が、泰斗のバックコントロールを上回ったか。結果、3-0で田上が連敗を3で止める判定勝ちを手にした。

田上は「3連敗してしんどかったんですけど、この1年色々な経験をさせてもらって、色々な人にと支えてもらって判定ですけど勝利を掴むことができました。練習ほど出せていないので、もっと強い田上こゆるを見せられるように応援宜しくお願いします。ありがとうございました」と話し、満面の笑みを浮かべた中蔵会長とハグをした。

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MMA MMAPLANET o RIZIN Shooto SHOOTO OKINAWA07 その他 マッチョ・ザ・バタフライ 修斗 南風原吉良斗 宮城友一 当真佳直 田上こゆる 結城大樹 藤谷敦史 鎌田悠介 黒部三奈

【The Shooto OKINAWA07】計量終了。沖縄大会で連続メイン、当真佳直「5R戦えるスタミナがある」

【写真】2大会連続メインの当真は計量を一発でクリア。マッチョ・ザ・バタフライの再計量結果については、追ってお伝えします(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催される『SHOOTO OKINAWA07』の計量が行われた。メインに出場するマッチョ・ザ・バタフライは600グラムオーバーで再計量へ。その他の選手は全員一発クリアとなっている。

Text by Shojiro Kameike


今大会では当真佳直が、4月に続きメインを務める。前回は田上こゆるの打撃を、徹底したテイクダウンとグラウンドコントロールで封じ込め、判定勝ちし世界ランキング入りを果たした。地元・沖縄で大金星を得た当真は田上戦について、こう振り返る。

「最初にメインを任された時(2020年11月、木内SKINNY ZOMBIE崇雅戦)は負けてしまったのに、またチャンスをもらえて絶対に勝たないといけない。それでメチャクチャ練習して、結果にもつながったので嬉しかったです。正直、5R戦えるぐらいのスタミナがついた自信があります。前回の試合も、あと2Rやれと言われれば、やれていました。前回の試合が自分の殻を破ってくれたと思います。自分は3Rの経験は浅いですが、今回も3Rでいいのかな? 5R決着がつくまでやってやる、という気持ちになっています」

対するマッチョ・ザ・バタフライも昨年12月に田上を判定で下しており、同じ相手との対戦経験があることで比較もしやすいだろう。「相手はベテランで、強い相手です。自分が負けた木内選手と同じベテランで、寝技が強い相手なので油断はできません。でも、ここで勝って次の試合は東京でやりたいです」と意気込みを語った。

一方のマッチョ・ザ・バタフライは、計量1回目で600グラムオーバー。このレポートを執筆している時点では、17時に予定されている再計量に向けて体重を落としているところだ。当真がTD&コントロールを狙っても、自分の距離を保ちながら不規則なパンチを当て、自身の得意な形でグラウンドに持ち込める能力を持つマッチョだ。まずは再計量クリアと、コンディションの回復を待ちたい。

セミは宮城友一と鎌田悠介のフライ級戦だ。沖縄のベテランファイター、宮城は現在、修斗とRIZINで2連敗を喫している。「やっぱり沖縄での試合は気合いが入ります」という宮城は、「相手は打撃が強いし、もちろん寝技もできると思います。しかし自分もしっかり準備をしてきたので大丈夫です。ここで勝ってさらに上へ行きたいです」と意気込みを語った。

■視聴方法
11月6日(日)
午後2時30分~ ツイキャス

■SHOOTO OKINAWA07計量結果

<ストロー級/5分3R>
マッチョ・ザ・バタフライ(600グラムオーバー → 再計量)
当真佳直(52.10キロ)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(56.50キロ)
鎌田悠介(56.36キロ)

<フェザー級/5分3R>
結城大樹(65.76キロ)
工藤圭一郎(65.68キロ)

<スペシャルエキシビジョンマッチ/3分1R>
黒部三奈(日本)
小生由紀(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝 バンタム級/5分2R>
南風原吉良斗(61.18キロ)
藤谷敦史(60.86キロ)

<ストロー級/5分2R>
畠山隆称(51.96キロ)
大城正也(52.14キロ)

<バンタム級/5分2R>
波平コング(60.70キロ)
テンガイ(61.08キロ)

<ストロー級/5分2R>
わっしょい内田(52.08キロ)
梅木勇徳(52.16キロ)

<ストロー級/5分2R>
Pinky(51.70キロ)
大田ノヒロ(52.08キロ)

<トライアウトマッチ公式戦フェザー級/3分2R>
松浦真実也(65.72キロ)
山本敦章(65.72キロ)

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【ABEMA】武者修行プロジェクトから帰国、田上こゆる─01─「気持ちに自信がつきました」

【写真】ルーファスポートで得た自信が発揮される次戦は、いつになるのか(C)MMAPLANET

ABEMA海外部者修行プロジェクト第2期生、田上こゆる。北野一声と共に行ったウィスコンシン州ミルウォーキーにあるルーファスポートでの出稽古を終え、帰国した。

その田上を帰国後直後に所属するBLOWSでインタビュー。米国での練習の成果と、これからについて尋ねた。


──ルーファスポートでの武者修行プログラムを終えた田上選手です(※取材は9月23日に行われた)。自分は最初の3日間ほど一緒にいさせてもらったのですが、あれ以降は宿泊先なども変更されたそうですね。最初の宿泊先はジムまで相当な距離があったので、そこは実は気になっていました。

「そうですね、歩いて30分は掛からないところに移って。でも、途中から自転車とスケートボードがあったので、僕が自転車に乗ってスケボーの北野(一声)君を引っ張るような感じで通うようになっていました(笑)。それにルームメイトが車に乗せてくれることもありました」

――ルームメイトは何人いたのですか。

「4人ですね。プロ間近のトップアマという感じの選手が2人、プロが2人でした」

――ところで今回、BLOWSには戎橋から宗右衛門町を歩いてきたのですが、田上選手のような年頃の若い子たちが楽しい気にたくさん歩いていました。ミルウォーキーの郊外を自転車とスケボーでジムに通うとはえらい違いですね。

「アハハハ。僕がそっちにあまり興味ないというのもありますけど、遊ぶとしたら同じように見えると思いますよ。まぁ、こことは別世界ですよね(笑)」

――誘惑に負けることはないですか。

「う~んなんも感じないです。朝から仕事して、夜はここで練習するのが日常なので。とにかく練習を終えたら飯食って、寝て、体を休めようとしか考えていないので」

――なるほど。では、よりMMAに集中していたミルウォーキーの生活に関して教えてください。さぞかし充実の日々だったと思います。

「そうですね。月曜日から木曜日は午前中に2時間の選手クラスがあって、夜は普通に会員さんのクラスに出て。金曜日は午前中が一般クラスのグラップリング、夜は自主練習。それか車でサウナに行って、リラックスしたり。土曜日はレスリングの技術とスパーリングをガッツリやる。そういう練習を続けていました。途中でデューク(ルーファス代表)さんが風邪をひいてしまって、思っていたよりマンツーマンのミット打ちの数が少なかったので、そこはもっとやり込みたかったです。

そうですね、やっぱりグラップリングが凄く勉強になりました。技術もそうですが、ガンガン行けるっていう気持ちを創れたんかなって。日本に戻ってきて練習をしたら、そう思えました。ルーファスポートに行くまでのプロ練習では入っていけなかったところでも、自分からテイクダウンをしかけることができるようになっていました。そういう風に動くことができる自信をつけることができたかなって思います」

――1カ月の武者修行で組みに自信がついた、と。

「ハイ。気持ちに自信がつきました」

――気持ちに自信がつくというのは?

「一番自信につながったのは、向こうに行って外国人選手とやるとテクニック的にもボコられると思っていたのが、それほどでなくて。一本を取ることができたり。日本でやってきたことに関して、向こうでも通じたから自信になったということですかね。向こうで体感できたから、気持ちにつながって自信を持てました。

理由は分からないんですけど、あっちでは自分から組みにいくことができたんです。結果、組みの攻防ができた。組みから逃げるんじゃなくて、組んで戦うことができたので自信になったんやと思います」

──自分の滞在中にはビッグネームは夏休み中でしたが、UFCやBellatorファイターと交流はできましたか。

「いえ、ファイト前でなかったのかラフェオン・スタッツはジムに来なかったです。セルジオ・ペティスは帰国する2週間前から、ジムには来るようになっていました。ただ、ヒザのケガがあるからスパーリングはせずにミットとかやっていましたね。正直、セルジオとかアンソニー・ペティスとかに本気で打撃でぶつかったらどうなるのかというのは、楽しみしていたので。そこがデキなかったことは、少し心残りですね」

――なるほど。では強くなったという反応は帰国後にありましたか。

「中蔵(隆志BLOWS代表)さんから、直接は言われていないです(笑)。ただBLOWSには三角(みかど)さやかさんという関西大学の大学院に在学中で、健康学の修士を取得し、健康運動指導士の方がいまして。フィジカル……食事を中心に健康面というのか、体のことを見てくれるコーチなのですが、その女性から落ち着いて動くようになったと言ってもらえました。以前は場面、場面で焦っていたところが落ち着いて対処できていると。

今回、ABEMAのおかげであんな経験ができたので、今練習で感じているように試合でも結果として、その成果を出したいです。結果……ただ勝つだけでなく、一本を取るとか成長の跡を見せられるような内容を伴った結果を残したいと思っています」

──また海外での練習をしたいという気持ちは?

「行きたいです。行きたい気持ちはあります。ルーファスポートにも行きたいですし、他のジムをことは知らないのですが、経験したいというのはあります」

──他のジムのことを知ってから行く方が良くないですか。こういうジムで、こういう軽量級の選手がいて、こういう練習がしたいと自分で想えるようになってからの方が効果的かと。

「あぁ……確かに、そうですね。……」

──まるで歯が立たなかった。そういう経験をしてみたいという想いも海外武者修行のなかにはなかったでしょうか。どれだけできるか試してみたいという気持ちの裏側には。

「あっ、そうですね。キックをずっとやってきて、『この人には敵わない』って直感で思うことってありました。そういう経験がMMAではあまりなくて、そういう経験がしたいという気持ちがあって米国に行ったというのもあります。今回は、そこまで感じるものがなかったので、やっぱり経験してみたいですね」

<この項、続く>

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【ABEMA】海外武者修行プロジェクト第2期生=田上こゆる&北野一声がルーファスポートで、即キック参加

【写真】空港から宿に行き、荷物を下ろしてルーファスポートに向かった田上と北野が……(C)MMAPLANET

ABEMA海外武者修行プロジェクト第2期生、田上こゆる&北野一声のストロー級コンビが、11日(木・現地時間)にウィスコンシン州ミルウォーキーにあるルーファスポートでの出稽古を開始した。

修斗とネクサスのストロー級戦線で活躍する両者は、NY経由で17時間の長旅を終え現地の宿舎に到着後、さっそくルーファスポートに視察へ。

そこで一般のキッククラスに誘われ、一切の疲れを見せることなく練習に参加し、デューク・ルーファスの右腕スコット・クッシュマン打撃ヘッドコーチの指導を受けた。

34歳からキックを始め実戦経験はないもののキャリア終盤のルーファスのスパーリングパートナーを務め、今年で59歳になるクッシュマン・コーチは「選手のファンダメンタルを大切にして、細かいディティールを指導する」という指針を持つ。

その指針通り、ローをかわして足払いの際の蹴る位置、相手の攻撃をかわすときに上体を反らないで即殴るコツ、距離を詰めてのハイはサークリングで背後に回るのではなくステップで内に入る、首相撲での手のサバキと頭の押さえ方などディティールにこだわった――微調整を鋭い動きと大きなゼスチャーで指導していた。

僅か1時間のトレーニングながら、そのきめの細かさに触れた両者は1カ月のミルウォーキー生活の初日をウォルマートの買い出しで締めた。

なお両者を含め、第5期生まで決定している海外修行プロジェクトの模様はABEMA格闘チャンネル公式YouTubeのコンテンツ=「Fighter’s Diary」で発信されることが決まっている。

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【FORCE16】安芸柊斗が丸山幹太と。高岡宏気は地元で再度の地固め。藤川×南風=FORCE×沖縄対決

【写真】中央で試合が組まれないときに、地元大会があるのは絶対的にアドバンテージだ(C)MMAPLANET

8日(月)にTORAO NATION STATEより9月11日(日)に香川県高松市の高松シンボルタワー展示場で開催されるプロ修斗公式戦FORCE16 の追加カードが発表されている。

7月29日にイベント開催とカードの第一弾発表があった同大会、これで全容がほぼ明らかとなった。


リングからケージに完全移行を果たしたFORCEが4月に続き、今年2度目の開催となり、カード第2弾では4月大会のメインでマッチョ・ザ・バタフライにKO勝ちしている安芸柊斗が、フライ級で丸山幹太と対戦することが分かった。

修斗、グラジエイターで0勝4敗の丸山とRoad to ONEで現ストロー級KOP=山北渓人に敗れてから、修斗公式戦で田上こゆる、前述したマッチョ・ザ・バタフライという関西勢を破り、通算戦績を7勝3敗1分とした安芸との対戦。数字だけ見れば既にミスマッチとも捉えることができるが、猿丸ジュンジへ挑戦が叶わなかった安芸にとっては、その鬱憤を晴らすべき2大会連続のFORCE出場だ。

また既報のカードでは7試合中、5カードに四国勢の名前が見られ、残りの2試合は沖縄勢の畠山隆称と波平コングが、それぞれ岡山の木村旬志&広島の近藤洋平と戦うなど、闘裸男&FORCEと沖縄勢の交流が継続していることが分かる試合が組まれている。

その修斗地方大会を支えるべき両者の激突といっても過言でないのが、愛媛の藤川智史と南風吉良斗のバンタム級戦となる。さらに地元も地元の高松FORCEジム所属の高岡宏気は、7月のサステイン興行にスクランブル出場し齋藤奨司に敗れたが、FORCEで再び地固めのニシダ☆ショー戦となった。

修斗が競技を名乗るのであれば闘裸男、FORCE、沖縄修斗の勝者が首都圏や大阪での大会に食い込んでいくのか競技の摂理。ここから修斗内ステップアップを果たすのは誰になるのか――も込みで楽しみたい。

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