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BELLATOR Bellator255 Interview Preview アレハンドラ・ララ ブログ 渡辺華奈

【Bellator255】エアポケットを埋めれば柔道で勝てる=渡辺華奈がアレハンドラ・ララとサークルケージ初陣

【写真】既に世界挑戦経験のあるララとベラトール初戦を戦う渡辺(C)BELLATOR & MMAPLANET

2日(金・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのFight sphereことモヒガンサン・アリーナにおいて、昨年12月以来、そして2021年になって初めてのベラトールのイベント=Bellator255「Pitbull vs Sanchez」が開催される。

SHOWTIMEでの中継に向け、しっかりと準備間を置いたベラトール。UFCと並び、全米第2のMMAプロモーションが活動を再開することで、ようやくMMA界も両輪が揃ったように感じられる。

そんなベラトールの活動再開第一弾はBellator世界フェザー級選手権兼ワールドGP準決勝=王者パトリシオ・フレイレ✖挑戦者エマニュエル・サンチェスを筆頭にメインが5試合、プレリミが8試合の13試合が組まれている。

日本でYouTubeでの配信となる今大会だが、米国では前述したSHOWTIMEの中継のオープニングファイトの女子フライ級戦に日本から渡辺華奈が出場し、アレハンドラ・ララと対戦する。


一昨年末のBellator日本大会、RIZINの合同開催だったBellator237でもベラトール運営陣が会場を途中で去った後半試合ではなく、米国中継枠でサークルケイジ初陣でイララ・ジョアニとパウンドアウトした渡辺がついに米国で戦う。

中学、高校、大学、そして社会人と柔道の第一線で戦ってきた素性の良さを、そのままMMAで発揮してきた渡辺。均整の取れたフィジカルから、積極的に打撃戦にトライし、組めば得意の内股など、柔道の投げからトップコントロール、そして極めという流れで勝ち星を9つ積み上げてきた。

対するララのMMA戦績は9勝3敗、ベラトールでは3勝2敗だ。とはいえ、その敗北は前女子フライ級王者イリマレイ・マクファーレンに挑戦し腕十字で敗れた試合と、現王者ジュリアナ・ヴェラスケスにスプリット判定で敗れたもの。

ララは打撃、テイクダウンの攻防、上下の寝技とどの局面でも大きな特徴はないが、穴も少ないウェルラウンダーだ。

また両者揃って1年4カ月実戦から離れており、この間の成長も勝負の行方を大きく握ってくるだろう。渡辺に求められる成長は、立ち技だ。体に軸があるためパンチに倒す力はある。その一方でパンチを被弾するシーンも少なくない。

まだフレッシュなので、国内では殴られても殴り勝つことができた。ララは決して一発が強いファイターではないが、パンチを被弾するとそれだけ相手のペースで打撃だけでなく、組みに持ち込まれてしまう。

その組みに関して、ララのバーチャル会見での言葉を素直に信じると、寝技には相当な自信を持っているようだ。とはいえ、ララが渡辺の投げを簡単に防ぐことができるとは思えない。

ただし、その投げにいくまでに打撃でこれまでの渡辺は穴、エアポケットが存在していた。打撃でオーソの渡辺は、組みは右手が前で──柔道的にはオーソ──打撃的にいえば右手前のサウスポースタンスになる。

ジョアニ戦までの渡辺は、ここにエアポケットが存在した。オーソで殴り、サウスポーで組んだ際に左手の防御がなく、顔面ががら空きになっている。

つまり組みの形に入る時は、MMAの柔道ではなく、殴られる心配のない柔道の柔道になっていた。直ぐに組んで内股でテイクダウンを奪うことができてはいたが、柔道の技を使うにしても、米国でトップを目指すならシングルやダブルで組んでクリンチ、そこから投げるという動きが欲しい。

渡辺も当然、この期間でレスリングという部分で技術を見つめ直してきたに違いない。と同時に打撃の攻防のなか右を打って近づけば、打ち終わりでサウスポーとなり、腰技でなく足技を仕掛けることも十分に可能だ。

全てにおいてレベルが高い北米MMAだが、柔道技への対処はまだまだだ。渡辺にとっては内股でなくても、足払いで姿勢を乱して自分の形で組むことも「今は」難しくない。

打から組みへの空白の瞬間、そして足払いの応用、内股なら投げた後という部分でMMAとしてのアップグレードがあれば、実はボクシング&レスリングというMMAの王道系でなくても、柔道を使った勝利の方程式が渡部には存在する。

そんな渡辺との一戦を前にして、ララはバーチャル会見でいかのように話している。

アレハンドロ・ララ
「ハードな試合になる覚悟はできているわ。良いマッチアップよ。彼女は負け知らずでも十分に彼女のスタイルを研究してきた。

まだ皆が知らない戦いもできるし、驚かせることになると思うわ。特にグラウンドゲームではね。彼女が寝技に持ち込んで来ても、問題ないわ。

ジュリアナ・ヴェラスケスに負けた時とは、別人よ。ケージに入る度に成長している。以前は自分のポテンシャルだけで戦っていたけど、今は全ての局面において強くなっている。対戦相手が何をしてくるのかというよりも、自分がどう戦うかに重点を置いてきた。一つ言えることは、皆に喜んでもらえる試合になるということね。私が常にベストを尽くすことは、皆は知っているはずよ」

1年4カ月という実戦から離れてきた両者、この間の成長度合いがこの試合の決め手となる。

■視聴方法(予定)
4月3日(土・日本時間)
午前7時~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前10時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator255対戦カード

<Bellator世界フェザー級選手権&ワールドGP準決勝/5分5R>
[王者]パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
[挑戦者]エマニュエル・サンチェス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ネイマン・グレイシー(ブラジル)
ジェイソン・ジャクソン(ジャマイカ)

<ヘビー級/5分3R>
ティレル・フォーチュン(米国)
ジャック・メイ(米国)

<ライト級/5分3R>
ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)
マイク・ハメル(米国)

<女子フライ級/5分3R>
アレハンドラ・ララ(コロンビア)
渡辺華奈(日本)

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)
シージェイ・ハミルトン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ムカメド・ベルカモフ(ロシア)
ハーマン・テラド(グアム)

<ライト級/5分3R>
マンデル・ネーロ(カナダ)
ヒカルド・セイシャス(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ファビオ・アギラル(ブラジル)
ハリド・ムルタザリエフ(ロシア)

<160ポンド契約/5分3R>
ロジャー・フエルタ(米国)
クリス・ゴンザレス(ロシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョゼ・アウグスト(ブラジル)
ジョナサン・ウィルソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ローマン・ファラルド(米国)
トレバー・グッデ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン(米国)
ブランコ・ビシック(米国)

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BELLATOR GONG KAKUTOGI Interview イリマレイ・マクファーレン ジュリアナ・ヴェラスケス ブログ 渡辺華奈

【Bellator】1月22日(金)発売GONG#312から。渡辺華奈参戦─Bellator世界女子フライ級王者ヴェラスケス

【写真】ベルトを持った前王者マクファーレンと体格差は歴然。フライ級を越えたフライ級。このフィジカル&ストレングスのアドバンテージは計り知れない?!(C)BELLATOR

2019年のBellator JAPANでイララ・ジョアニから一本勝ちした渡部華奈が昨年末、ベラトールと契約をかわした。

彼女が主戦場とするベラトール女子フライ級戦線は、今から1カ月前に絶対王者と目されていたイリマレイ・マクファーレンからジュリアナ・ヴェラスケスに頂点が入れ替わっている。

ブラジルの元柔道家、その実像が見えてこない新世界女子フライ級チャンピオンのインタビューが今月22日(金)に発売されるゴング格闘技#312でに掲載されている。

ここではスペースの関係上掲載しきれなかったマクファーレン戦の柔術対策と、記事中からフライ級で戦うようになった経緯を抜粋して、ヴェラスケスの言葉を伝えたい。


──マクファーレンは柔術家である一方で、エディ・ブラボー系の10thプラネット柔術の使い手です。その辺りのことは対策を練ることはできたのでしょうか。

「まず私のやるべきことは、ボクシングを強化し立って戦うことだったの。イリマレイが組んでくるところを殴って、キックを入れる。私の打撃が彼女に当たることは確実だったから。

そのうえで十分に柔術の練習もして試合に臨んでいたわよ。ただし、私が取り組んでいたのは柔術で攻撃することではなくて、彼女の柔術から身を守ること。

実際、下になってもマットに背中をつけきることなく立ち上がることができたから、十分に練習の成果はあったと思うわ。組んでくるところに打撃を入れて、最終回にテイクダウンをされたけどディフェンシブ柔術で乗り切ることができたから」

──計量の時、ジュリアナの大きさに驚きました。まるでバンタム級のように見えました。

「そうね、試合中も身長差とリーチの違いで、空間を支配できると確信していたの。そして寝技になってもフィジカル・ストレングスの差は明確に存在していたし。この違いは防御面で浮き彫りになっていた。だからこそ、彼女がトップを取りに来た時も耐えることができて、攻撃に転じることが可能になったの」

──ブラジルではバンタム級で戦っていました。

「その通りね。ブラジルでは、いつも通常体重で戦っていたの。ベラトールで戦う機会が巡ってきたとき、バンタム級はなくてフェザー級に階級を上げるか、それともフライ級に下げるかという状況だった。

マネージャーのジョインア(ブラックハウスのジョルジ・ギマリャエス氏)から『フライ級に落とせるんじゃないか。一度試してみようか』って言われて、下ろせるか減量をしてみたのよ。そこで『フライ級こそ私の階級だ』って確信が持てたわ。そしてフライ級で戦うようになり、想っていたようにバンタム級の時よりもパフォーマスは良くなったの」

<ジュリアナ・ヴェラスケスが語った柔道時代、柔道家のアドバンテージ、そしてベラトールと契約をかわした渡辺華奈について語ったインタビューは、1月22日発売のGONG312号をご愛読ください>

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