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【Pancrase322】6月大会でストロー級ネオブラ優勝者対決=尾崎龍紀✖山北渓人が決定

【写真】じっくりパンクラスでキャリアアップ、Road to ONEで外敵と──という道を進む山北 (C)MMAPLANET

8日(土)、パンクラスから6月27日(日)に東京都江東区USENスタジオコーストで開催されるPancrase322で尾崎龍紀✖山北渓人のストロー級戦が組まれることが発表されている。

2021年の首都圏でのパンクラス第2戦で2019年ネオブラ・ストロー級優勝の尾崎✖2020年ネオブラ・ストロー級優勝者・山北というフレッシュなサバイバル戦が決まった。


キャリア序盤の黒星先行から7連勝を経て、戦績を9勝6敗とした尾崎は、昨年12月の八田亮戦で99秒ギロチンで敗れており、ウィンニングトラック復帰を賭けた一戦に挑む。

対する山北は今やJ-MMA界に燦然と輝く専修大閥の最新鋭ファイターで、MMAファイターとして力をつけるために学生時代をレスリングに費やし、その成果もありプロでは4連勝──アマ時代から通算14連勝と負け知らず、だ。

今年の2月にはRoad to ONE04で年下ながら格上と見られた安芸柊斗をONEルール特有のがぶってからヒザを効かせ、パウンドアウトしている。修斗もこの敗北を受けて、山北に上位ランカーを用意しているという話も伝わっていたが、パンクラスで5連勝を目指すこととなった。

同大会では既に松岡嵩志✖粕谷優介というライト級ランカー対決、そして無差別級で佐藤光留✖渕上幹斗、さらにはネオブラ・ライト級で白川洸汰✖ホブソン・タカノという柔術食の強いカードが決定している。

そのパンクラス、緊急事態宣言が延長されたなか5月30日のPancrase321はキャパの5割の有観客イベントとして実施する方向で会場側と話をしているということだ。

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Interview J-CAGE Road to ONE04 ブログ 安芸柊斗 山北渓人

お蔵入り厳禁【Road to ONE04】山北渓人─02─「山崎さんの一言で体に鞭を入れることができました」

【写真】レスリングの動きが自然とできる。これはMMAで結果を残すうえで大きな武器といえる (C)MMAPLANET

2月22日のRoad to ONE04で安芸柊斗を下した山北渓人インタビュー後編。

専修大学卒業までみっちりとレスリングをやり込んだ──それがMMAのためになると断言した山北は、その言葉を立証したかのようにがぶり&ヒザ蹴りという攻撃を安芸戦でも見せていた。

Road to ONEで修斗ランカーに勝った勝利を今度、どのように生かしていくのか。そして、彼にとって如何に山崎剛Me,We代表が大切な存在であるかを訊いた。

<山北渓人インタビューPart.01はコチラから>


──ぶっちゃけて言うと、北米ルールよりもONEルールの方が戦いやすいというのはなかったですか。

「そうでね、がぶってヒザが打てますし。レスリングって力が必要だと思われがちですけど、ずっと練習しているとパワーを使わなくなってくるんです。力を使わずに抑えて、ヒザを蹴ることができるのは有利な点だと思います。

本当にトップ選手は合気道みたいに力を使わないで、相手を倒し、制することができるんです。専修大学のヘッドコーチは佐藤満先生(※ソウル五輪52キロ級金メダリスト。世界大会で銀✖1、銅✖2獲得)で、もう60歳近いのですが重量級の学生でも結構ボコボコにしてしまうんです」

──!!

「力を使っていないと先生は言うんですけど、やっていると凄く力は感じます。力がちゃんとある人が、力の要らない組み方をするので、まるで歯が立たないです。今、柔術家やグラップラーとも練習させてもらっていて、ボコボコにされていて強いなとは思っています──けど、佐藤先生の強さは別物で。クオリティというか、完成度が凄いです」

──それだけレスリングをやってきて、MMAの難しさはどこに感じていますか。

「やはり打撃があるので、最初の頃は別々になってしまっていました。今もそうなりがちなので、打撃と組みの繋ぎ目を気にして練習しています。レスリングは勝手に体が動くので、ネオブラの決勝で殴られて飛んでいる状態で、自分でも気づかないうちでテイクダウンを仕掛けていました。

から今回の試合は、打撃だけをやる感覚で入ると、体が勝手にテイクダウンを仕掛けて一体化していた感じです」

──安芸柊斗選手は当て勘が良く、初回は圧されていました。その打撃だけと思って自然とテイクダウンにいける動きこそ、安芸選手は予期できない組みになっていたのかもしれないですね。

「もともと警戒していたのですが、安芸選手は打撃が凄く上手かったです。カウンターが得意で、距離を作るのが上手いのでなかなか入れなかったです」

──2R、セコンドの山崎さんが『(前日にDEEP暫定フライ級王座に就いた藤田)大和もやり切っただろ。お前もやり切れ』という指示を出されていたのが、凄く印象に残っています。

「しっかりと試合中にでも、聞こえていました。疲れて楽をしたいと思いそうになっていたところで、あの一言で体に鞭を入れることができました。山崎さんのセコンドが心強くて、試合中でも自信を持たせてくれます」

──普段から面倒見の良い山崎さんに、アレを言われると動くしかない?(笑)。

「そうですね……。山崎さんは本当にいつもジムにいますし、それだけ自分のことを分かってくれているので。だから試合中に休もうとしているのも分かるんだと思います。本当に山崎さんがいてくれて、やりきることができました。

大和さんも打撃は当然ですけど、組みも凄く強くて。打撃で大和さんより強い人はいないと思うので、そこも安芸選手との試合をするにも、自信を持って戦えた要因です」

──今、ジムには同じレスリング出身で、UFCファイターの村田夏南子選手もいます。

「夏南子さんは男が相手でも、ばんばん倒しにいきます。僕は自分より大きな人とやると、敵わなくてもしょうがないというところがあるのですが、夏南子さんはそういうことが全然ないんです。お構いなしに、向かっていきます。

僕も男なので、女の人とやるときは力をいれないで練習するようにしているのですが、夏南子さんとするときは力を入れないとやられてしまいます。

Me,Weはストロー級でも本当に良い練習相手が多いです。ケガでフルにはできないですけど、神部(建斗)君もいますし。凄く良い練習ができていると思います」

──ところで、今回は自分などはなぜ山北選手がネクスト・ヤングガンズ・アワードでなかったのかと憤りを感じてしまっているのですが。

「ありがとうございます。僕も実は少し期待していたので、そう言ってもらえると嬉しいです。

それでもRoad to ONEで勝てたことは大きいです。ABEMAで色々な人も視てくれて……僕は戦績的にはまだ無敗ですけど、ここ2試合は判定勝ちだったので、今回の勝利は本当に良かったと思います」

──✖修斗という試合で勝てたことも、大きいかと思います。この勝利をどのように今後のキャリアアップに結びつけていきたいと思っていますか。

「今回、寝技でのヒザありルールということで、フィニッシュに結び付けることができたと思います。ただ、ヒザ無しでもフィニッシュはともかく、勝てることはできたと考えています。だからルールに拘らず、ストロー級で頭が抜けているところを見せたいです」

──Road to ONEを経験しましたが、パンクラスの活動再開がなった時は、どのような舞台で戦いたいと思っていますか。

「今回、この機会が巡ってきて生かすことができました。フィニッシュもできましたし、またチャンスが巡ってくると思っています。パンクラスが先か、他のチャンスが先かわからないですけど、与えられた機会を生かしていきたいです」

──修斗のランカーに勝ちました。修斗で安芸選手より上のランカーと戦いたいという気持ちは?

「あぁ……。う~ん……。Road to ONEがまたあって、呼んでもらえた時に修斗の選手から、僕と戦いたいと言ってもらえるようならやりたいです。どんどん上に行きたいですし、チャンスがあればモノにしたいです。でも同時に山崎さんが『焦らないで』と言ってくださっていて。

今回の試合は格上の相手を選んだのですが、じっくりと力をつけたい気持ちもあります。正直、打撃とかまだまだ全然なので。組みもフィジカルでカバーしている部分多くて……、やっぱり一歩、一歩、進みたいです」

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Interview J-CAGE Road to ONE04 ブログ 安芸柊斗 山北渓人

お蔵入り厳禁【Road to ONE04】山北渓人─01─「大学でレスリングを続けて遅れるとは思わなかった」

【写真】なぜノーマークだったのか、見る目の無さが再確認された山北の勝ちっぷりだった (C)MMAPLANET

2月22日のRoad to ONE04で安芸柊斗を下した山北渓人

MMAキャリア4戦目、大会前にノーマークに等しかった昨年のネオブラ優勝の山北は、当て勘が良く、勝負を決めに行くときの殺傷能力の高さに定評のある安芸をONEルール特有のがぶってのヒザ=グラウンドのヒザを効かせ、パウンドアウトした。

MMAPLANET的にはNext Young Guns Awardだった山北──レスリング・エリートからMMAでの成功を目指す彼を、大会から6日後に取材した。お蔵入り厳禁──山北のMMAに賭ける想いとは……。


──2021年に入り、主戦場としていたパンクラスからイベントスケジュールがなかなか出ない。その状況でRoad to ONEからオファーがあった時はどのような気持ちでしたか。

「去年の12月に試合をしたのですが、ケガをしていて。調整も試合も大変だったので、次は3月か4月ぐらいで考えていました。そんな時にRoad to ONEから声が掛かって、注目度も高いし気持ちを切り替えてやろうと……。しっかりと創り直すことができて、戦うことはできました」

──安芸選手は修斗のランカーで、年下でもキャリアは山北選手より長い選手でした。

「パンクラス✖修斗ということに加えて、格上になるけどチャンスだと思いました。ネオブラッドTでは勝たないといけない試合をしてきて、安芸選手との試合は自分がどの位置にいるのか試すことができる試合だと捉えていました」

──現在24歳、MMAデビューは昨年2月で正直早くないというか、かなり遅いといって良い年齢です。

「2019年にアマチュアの試合には出ていたのですが、大学卒業までレスリングをしていたので、Me,Weに入門して3カ月ぐらいでグラチャンのアマの試合に出て。その後アマチュア・パンクラスのトーナメントで優勝した時に、プロからのオファーもありましたが、山崎(剛)さんは『焦らず1年間はアマチュアで頑張ろう』という方針だったので、アマチュアで10試合(※10勝)ほど経験を積めました」

──満を持してプロデビューだったわけですね。もともとMMAには興味があったのですか。

「ハイ。保育園の時から分からないながらお父さんと一緒にPRIDEを見ていて、僕は記憶にないのですが凄く好きだったみたいです。物心がついた時にはなんとなく格闘技が好きで、近くにキッズレスリングを教わることができる場所があり、小学4年生から通るようになりました。

中学生の時にはDREAMの時代になっていたのですが、やりたいというよりもやるんだろうなと思っていました。レスリング・クラブを運営している方が、いなべ総合学園という高校でレスリング部の指導をしていて、中学を卒業すると先生のいる高校に進学したんです」

──山北選手はもともと、いなべ市のご出身なのですか。

「ハイ。三重県の一番北部で、凄い田舎なんです。愛知県と三重県の境で」

──ググってみます。あぁ、桑名からナローゲージの三岐鉄道北勢線が走っている街なのですね。762ミリの元々は軽便鉄道だった電車で一度、乗ってみたいと思っていた鉄道です(笑)。

「アハハハ。桑名とか四日市から奥にいったところで」

──何も知らなくて申し訳ないのですが、この場所でレスリングが学べたのですね。

「たまたま実家の近くに、いなべ総合学園があり先生のレスリング・クラブで練習していたのでエスカレーター的に。大学は専修大学に進学しました」

──おぉ、では長州力さんの後輩ですね。

「あっ、そうなんです(笑)。長州さんは会ったことはないですけど、馳(浩)さんが監督で、議員で忙しいのに練習によく来てくださっていました」

──レスリングの実績としては?

「高校の時は県大会で優勝して、全国選抜選手権で3位。国体は2位、インハイは取れなかったです。大学では57キロ級で新人戦が3位、東日本選手権で2位、国体で2位でした。普段から60キロほどだったので、それほど減量はしてこなかったです」

──いや立派過ぎる戦績なのですが、レスリングで就職を考えるということは考えなかったですか。

「なかったです。完全にMMAのことしか頭になくて。4年間はしっかりとレスリングをやろうと思っていたのも、MMAのためでした。だからオリンピックに出たいとかは、正直なところ全然なかったです」

──専修大学だと……MMAでは先輩に……。

「レスリング部だと上迫(博仁)さんや江藤(公洋)さん、武田光司選手が先輩です」

──錚々たるメンバーですね。しかし22歳になるということは、どのように捉えていましたか。松嶋こよみ選手などは大学を辞めて、MMAに転じましたが。

「とにかく早くやりたかったので、高校を卒業したときにもMMAを始めたかったです。でもKID選手とかも大学を出ていてMMAを始めていたし、大学で4年間みっちりとレスリングを続けることでMMAをするのにマイナスになる……遅れるとは思っていなかったです。逆にそれが必要だという考えでした」

──とはいえレスリングと違い、社会人MMAなどはない環境ですが……。

「ハイ、飲食関係の会社にMMAをするということを承知のうえで就職し、凄く協力してもらっていました。それでも、どうしても練習時間に制限が出てきてしまうので、給料を下げてもらって練習時間を確保していました」

──おお、凄い話です。しかも理解のある会社で。

「はい。本当に感謝しています。それでも……もっと練習がしたくて結局、退職させてもらって下北沢のトイカツ道場でインストラクターをさせてもらいながら練習しています」

──Me,Weで練習するようになったのは?

「先輩がRIZINのバイトをしていて、山崎さんと顔見知りだったんです。興味がある人、練習に連れてきなよという話になった時に、僕も一緒に行かせてもらったんです。ジムの雰囲気も良くて、すぐに『ここでやろう』と思って。4年生の12月に最後のレスリングの試合があって、そこからは毎日Me,Weで2部練をしていました」

<この項、続く>

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J-CAGE ONE Report Road to ONE04 ブログ 安芸柊冬 山北渓人

【Road to ONE04】レスリングの強さを生かした山北渓人、グラウンドのヒザ蹴りで安芸柊斗にTKO勝利

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
Def.2R0分22秒 by TKO
安芸柊斗(日本)

山北が右ロー。対する安芸はカーフを当てる。さらに安芸の右ローに合わせて山北がシングルで飛び込む。これをカットした安芸は、組み付いてくる山北に右をヒット。しかし左フックをかわされて、組み付かれる。山北がボディクラッチから安芸をケージに押し込み、大内刈りでテイクダウンに成功する。パウンドを放つ山北の左腕を取り、腕十字を仕掛けた安芸。山北が腕を抜いた瞬間にスイープしてトップを奪う。

すぐに立ち上がった安芸に対して、再びダブルでテイクダウンを奪った山北。立ち上がる安芸のバックに回る。ケージを活用して倒されまいと試みる安芸を、山北がリフトアップしてグラウンドに持ち込む。下からヒジを狙う安芸が、足を上げていく。トップの山北は秋の顔面に鉄槌を落とす。ここで立ち上がった安芸が、最後は山北をケージ際に追い込んだ。

2R、スイッチする安芸をテイクダウンした山北。安芸は下から三角を狙う。これを凌いだ山北は、ガブりからヒザ蹴りを顔面とボディに散らす。4点ポジションのまま動きが止まる安芸。山北は顔面へヒザの連打、さらにパンチに切り替える。動きが完全に止まり、連打をもらう安芸を見てレフェリーが試合を止めた。


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Interview J-CAGE ONE Road to ONE04 ブログ 安芸柊斗 山北渓人

【Road to ONE04】山北渓人戦へ。安芸柊斗の拘り─02─「徳島の子に見せていくべきモノがある」

【写真】安芸の「修斗」道は練習、試合だけでなく指導も含まれていた(C)MMAPLANET

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE04「Young Guns」で山北渓人と対戦する安芸柊斗インタビュー後編。

小学校入学前から修斗を始め、高校生でプロデビューした安芸は生まれ育った徳島で強くなることに拘っている。その拘りはフィニッシュを狙う姿勢にも相通じ、キッズから修斗を戦ってきたことで、安芸の感性は出来上がってきた。

<安芸柊斗インタビューPart.01はコチラから>


──修斗でなくて、違うスポーツをしたいという気持ちはなかったですか。

「めちゃくちゃありました。サッカーやバスケ、野球とか。小学年になる前ぐらいから始めて、小3のときに『辞めたい』と一度、言ったこともあったぐらいです」

──修斗じゃなくて、蹴人──徳島ヴォルティスに行きたいんやと(笑)。

「たまたま回りが野球をしている友達が多かったので、『野球がしたい』と父に伝えて。でも、『アカン。格闘技を辞めて、誇れるモノが自分にあるんか』って言われたんです」

──小学3年生に。いや、それは子ども扱いじゃない。立派な姿勢だと思います。

「あの言葉は今でも忘れていないです。言い返す言葉もなかったですし。そのまま修斗を続けて中学に進学してから、部活動でサッカーを始めました(笑)」

──一旦、修斗の練習は中断したのですか。

「いえ、練習も続けていました。それで部活動を引退してから、本気でプロになろうと思うようになったんです」

──子供の頃からMMAをしていて、練習相手は大人だったのですか。

「いえ、小2の時に今はプロになっている石原慎之介とか、大勝たくにいとか友達もジムに入って来ていて、一緒にやっていました。もうキッズからなので10年以上ですね」

──キッズからプロになるまで、一貫して練習仲間が同じだったというのは凄い話です。そうなると自然にプロになろうという空気になっていったのですか。

「中3の時に高松のFORCEにスタッフとして会場に行って、メインで青井人選手が戦った(2016年11月。前口緑一色に勝利)時に、高校生の時からプロやったと聞いたんです。それで『俺もなろう』って思いました」

──それをお父さんに伝えると、どういう反応でしたか。

「いや、それ言わなかったです。言うのは悔しいので」

──思い通りプロになったわけですが、プロの試合に出るというだけで暮らしていけるわけではありません。

「ハイ。高校を卒業して一度、就職をしました。本田君と戦った時とか、働いていた時です」

──働いていた時ということは……。

「辞めました。数週間単位の出張のある仕事だったので、これでは格闘技ができないと思ったので」

──辞めるべきは仕事であって、修斗ではなかったのですね。その時、格闘技を続けるデメリットも知り抜いているお父さんはどのような反応でしたか。

「『別にえぇんちゃう。やりたいことをやれば』と。格闘技の厳しさを知っていても、続けてほしいと思っていたと思います。父も仕事を辞めている人間なので」

──あぁ、では何も言えないと(笑)。親子、同じ選択をしたわけですね。

「ハイ、似とんなぁ。嫌やなぁとは思いましたけど。今はバイトを掛け持ちでしています」

──練習環境という面で、大阪や東京に出て選手生活を送りたいと思ったことはないですか。

「う~ん、出稽古ではゴンズ・ジムとか、長期ではrootsに行ったりしていたんですけど、徳島を出ていくことはせんでえぇかなというのはあります。やっぱり東京や関西と比較すると、練習の質とかは違うと思いますけど。

僕はこのままジムを父から継ぐことになると思います。その僕が東京に出て行って現役生活を送り、徳島に戻ったとしても、その間にジムには色々な子が入会していて、その空白を埋めることができるんかって思うんです。例え僕が有名なファイターになっていたとしても。

だから僕は徳島で指導と練習を続け、この間にジムには入ってきた子たちに『柊斗君みたいになりたい』と思ってもらえるようになる方が格好良いんと違うかなって。

実際に高校を卒業する時に、父からも『東京へ行って良いよ』と言ってもらいました。でも、『それは違う。徳島の子に見せていくべきモノがあるから』って話をしたんです。恩返しがしたいですし」

──地方都市、徳島でやってきた意地がありますか。

「ぜっんぜん、あります。ここで強くなった方が面白いじゃないですか」

──そういう気持ちで戦っているわけですね。そんな安芸選手にとっても、今回の大会はいって見れば誰が日本の将来を担えるのかを篩に掛ける品評会のような大会です。

「ABEMAの取材でも、『上の世代についてどう思うか』って聞かれて──ちょっと嫌らしいかなって思ったんですけど、上選手が持っているモノ、勝つための技術だったり、勝つための守りは凄いと思いますけど、そんな戦いをしても面白くないって答えさせてもらったんです。

僕は面白さの先に強さがあると思っています。KO、一本を狙う選手の方が勝つだけの選手より面白いんで。負けた時の保険じゃないですけど、内容も大切やと思います。でもガッチリ固めて勝って、『えっ?  そこで満足してるん?』って思われるのは嫌なんです」

──それは安芸選手が、本当に戦いたいMMAなのですよね。取材用のコメントではなくて。

「ハイ。そう思っています。キッズから同年代の仲間とはライバルとしてやってきて──口にはしないですけど、キッズの時って賞状よりもトロフィーとか盾が欲しくて競い合っていました。なら判定勝ちよりも、一本やKO勝ちやないですか。

だから子供の頃から一本やKOを狙って戦う習性が身についたのかなって。それはゴンズイ先生──北川(純)先生がキッズ修斗をしてくれていたから。そのおかげで、今の自分のスタイルがあるかなって思っています」

──安芸柊斗の習性として、どのような試合を山北選手を相手にしたいと思っていますか。

「判定勝ちで満足していたら、成長が止まってしまうので、KO勝ちか一本勝ちを狙いたいです。僕の持ち味は距離とカウンターです。これはアマの時から、立ち位置や距離は褒めてもらってきたので、自分にとっての強味はそこにしようと思ってやってきました。

パンチを貰わなかったから、負けることはないので。バチバチの試合も面白いですけど、バチバチになる前に綺麗に決めます。バチバチは技術的には面白くないので」

──面白いの観点が、そこにあるんですね。

「止まっている選手は面白くないです。動きが膠着している試合はスキップされてしまいますから。そんな風にスキップされない試合をしたいです。気持ちが入った試合をしたいと思います」

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹
(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE04 ブログ 安芸柊斗 山北渓人

【Road to ONE04】Shootoの名前を持つ親子鷹=安芸柊斗─01─「自然に……強制的に修斗を始めました」

【写真】その当て勘は抜群のモノがある、安芸柊斗(C)MMAPLANET

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE04「Young Guns」で四国・徳島から安芸柊斗が参戦し、山北渓人と対戦する。

Shootoの名前を持つの20歳のプロフェッショナル・シューターはメインが初めて修斗以外のルールで戦う。安芸のシューター人生を振り返ってもらった。


──Road to ONE04、山北戦が近づいてきました。今の心境を教えてください(※取材は19日に行われた)。

「いつも通りですね。落ち着いて、試合のことをイメージしたりしています」

──修斗以外の大会で、若い選手達が集合する。この大会のオファーがあった時はどのような気持ちになりましたか。

「メチャクチャ嬉しかったですね。こんなチャンスを突然くれるんやなって。Road to ONEから声を掛けてもらったことが、何より驚きでした。12月に旭那(拳)選手に勝って、後楽園ホール大会に出られたらエェなって思っていたんで」

──いや大会終了後、思い切り後楽園ホールで試合がしたいと北森氏にアピールしていたではないですか(笑)。

「アハハハハ。していましたね、そうッスね。北森さんにも『東京行くか』って言ってもらえらて、よっしゃって思っていたんです」

──後楽園ホールではなく、渋谷O-EASTになりました。ルールも修斗とは違います。対戦相手もパンクラスで戦う山北選手です。

「ルールに関しては、自分もONEで戦いたいというのもあるので、グラウンドでヒザ蹴りや真下に落とすエルボーにすぐに対応できないぐらいなら、それも無理だと思います。相手がパンクラスで戦っているのは、気にしないです。

映像を探したら、Grachanか何かの試合が残っていて、それを流して見たぐらいで。調べたら高校の時に国体のレスリングで準優勝していたようですね。その実績は凄いことですし、レスリング・ベースの選手なんかなって」

──心配りのある名指導者、山崎剛さん率いるMe,We所属というのは気にならないですか。

「所属とか関係ないかなって。誰が来ても戦うつもりでいましたし、いつも通り普段通り戦うと大丈夫だと思います。自分の得意なところで戦えば絶対にいけます」

──2021年のスケジュールがなかなか発表されないパンクラスで戦っているので、この一戦に賭ける集中力は相当なモノかと思われます。

「僕も四国でやっているので、呼ばれた大会で結果を残さないと東京に行けんと思って戦っているので。その気持ちなら同じです」

──17歳でデビューし、高校生シューターということで注目を浴びました。地方で戦っている選手はキャリアの違う相手との試合が組まれる印象が修斗には強いです。そして、皆、試合機会が限られているので断らない。

「ガチでそうでしたね(笑)。僕はデビュー戦の相手だった阿部(剛)さんが9戦目の選手で、次が(ふじい☆)ペリーさん。それから3戦目の大阪での試合がマッチョさんでした」

──プロ3戦目でキャリア20戦以上のマッチョ・ザ・バタフライ選手と。でも、三角絞めで勝ってしまうから──また次も強い相手となりますね。結果、木内Skinny Zombie崇雅選手、本田良介選手に連敗を喫してしまいました。個人的にセンスはあっても、フィジカルの差が大きすぎると感じました。

「アマチュアの時はフライ級で出ていて、リミットも余裕だったので。それでプロになってもウェイトとか全くしていなかったです。本田君と戦った時もそうでした。あの試合から……というわけではないのですが、筋トレはしないといけないと思っていたのにやっていなくて。コロナで1階級上の体重でやることになってから、体を創らないと厳しいと感じました」

──170センチの長身、リーチはストロー級ではアドバンテージではありますが……。

「だから大きくはできなかったんですよね。やっぱり筋肉をつけすぎると減量が厳しくなるので。それでも瞬発系を鍛えるために、ロープとか自重メインのフィジカルはやっていたんです。スパーリングでも20キロぐらい重い選手とやっているので、そこで創る筋肉を大切にしたり。柔らかい筋肉が欲しくて」

──修斗がユニファイドの計量方法に戻すと、これからの階級はどう考えていますか。

「ストロー級でいきます。今、思えばはあの時は自分でもホンマに細かったと思います。ストロー級でやるのも創らないといけないです。

初めて負けた時、坂本(一弘)さんには走れって言われて、ルミナさんには体を創れと言われました。だからジョグでなく、ダッシュも練習に採り入れました」

──12月の旭那選手との試合では、体も出来てきていて、従来の距離感の良さ、踏み込みのタイミングの良さを維持していましたね。

「ありがとうございます。重い荷重を一気に挙げるというのはでなくて、抑え目の荷重を数多く挙げるという形でやってきたので、動きは落ちていないです」

──ところで徳島で、お父さんがプロシューターだと自然と修斗の路に進む人生になったのでしょうか。

「父が修斗の練習をしていたので自然というか、強制的にジムに連れていかれて──それが自然という感じで修斗を始めましたね。そのまま続けてきてプロになった形です」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹
(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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