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【Shooto2023#07】キャリア28年目の宇野薫、約2年ぶりの復帰戦でオーディンと対戦

【写真】宇野と対戦するオーディンはこの試合が修斗2戦目となる(C)MMAPLANET

11月19日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2023#07の追加対戦カードとして、オーディン×宇野薫のフェザー級戦が発表された。
Text by Takumi Nakamura


宇野は2021年11月「VTJ2021」での原口央戦以来、約2年ぶりの復帰戦。原口戦後の練習中に負傷し、試合から遠ざかることとなったが、2023年の修斗公式戦 後楽園大会の最終戦で復帰を果たす。

対戦相手のオーディンは柔道ベース&格闘DREAMERS出身、EXFIGHTやPOUND STORMで試合を重ね、ABEMA格闘チャンネル海外武者修行プロジェクトの5期生として、ATTのアトランタ支部で練習を重ねた。今年7月の修斗デビュー戦では、世界ランカーの結城大樹をパンチで追い込んでのマジョリティ判定で下し、早くもランキング3位に位置している。

プロキャリア28年目を迎える宇野×デビューから3年弱・キャリア3戦目にしてアメリカでの武者修行も経験しているオーディンという両者の対戦。またMMAでの3連敗を現役生活の節目と言い続けてきた宇野にとって、今回の試合は2連敗で迎える一戦=キャリア6度目の崖っぷちの一戦だ。

今大会では世界フライ級王座決定戦として同級1位・山内渉×ストロー級王者・新井丈も発表されている。

山内と新井は7月の修斗後楽園大会に揃って出場し、第8試合でヤックル真吾をKOした山内が新井との対戦をアピール。第10試合で安芸柊斗をKOしてストロー級王座防衛に成功した新井も山内との対戦に応じる姿勢を見せ、ストロー級&フライ級の二階級同時制覇を宣言していた。

フライ級ではランキング外の新井だが、昨年9月のストロー級王座戴冠後にフライ級で2試合を戦って連勝。今年3月には当時フライ級1位だった関口祐冬に勝利しており、事実上のフライ級トップコンテンダー同士の対戦と言える顔合わせだ。

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MMA MMAPLANET o ROAD FC UAEW UAEW45 マゴメド・アルアブドゥラ 原口央

【UAEW45】Road FCグローバルT失格のシェイドゥラエフが、アルアブドゥラをRNCで仕留め9連続一本勝ち

<139ポンド契約/5分3R>
ラバザリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
Def.2R1分20秒by RNC
マゴメド・アルアブドゥラ(ロシア)

Road FCグローバル63キロT準決勝の原口央戦を体重オーバーで失格となったシェイドゥラエフが、キャッチ戦でアルアブドゥラと対戦。ワンツー、前蹴りからローを蹴り、左フックを当てたシェイドゥラエフ。アルアブドゥはシングルレッグからレッグリフトもカニバサミのような動きで防御する。左フックに続き、右アッパー、ボディショットを決めたシェイドゥラエフはアルアブドゥラのクリンチも、投げを打ってサイドで抑える。

上四方のシェイドゥラエフは、潜ろうとするアルアブドゥラを上四方、サイドで抑える。アルアブドゥラは背中を見せて立ちあがるが、シェイドゥラエフがアンクルピックで崩していく。正対してリフトから豪快にスラムを決めたシェイドゥラエフは、ハーフのアルアブドゥラからマウントを奪取しエルボーを落とす。乗り過ぎでスクランブルを許したシェイドゥラエフは、アルアブドゥラにバックを取られる。何度か崩されたが、離れたシェイドゥラエフが首相撲からヒザを突き上げ、ボディロックテイクダウンを決める。アルアブドゥラは懸命にハーフを取り初回が終わった。

2R、シェイドゥラエフは右カーフを蹴り、ワンツーで右を当てるとショートフックから首相撲、足を払われたアルアブドゥラはレッスルアップからシングルへ。離れたシェイドゥラエフが、テイクダウンを決めスクランブルバックを取った。正対されるとシングルで倒し、スイッチを潰したシェイドゥラエフがバックに回る。

ワンフックで殴られたアルアブドゥラは上を向くが右手を制されパンチを被弾する。アルアブドゥラはハーフを取り直すも、エルボーを落とされマウントを取られる。潜るアルアブドゥラを潰したシェイドゥラエフが、バックを取り両足をフック。すぐにRNCをセットしたシェイドゥラエフがタップを奪った。9連勝、9度目の一本勝ちを決めたシェイドゥラエフは29日のRoad FCでトーナメント3位決定戦に出場すると発表されているが……。このインターバルで戦うことなど、あるのだろうか。


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MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC65   アルトゥル・ソロヴィエフ オ・イルハク キム・スーチョル キャプテン☆アフリカ ブログ マックス・ザ・ボディ ラザバリ・シェイドゥラエフ 原口央

【ROAD FC65】計量終了 原口央と戦う予定だったシェイドゥラエフが2つの違反で失格に……

【写真】セレモニアル計量の場には姿が見えた原口央。弟の伸は「ラッキーと思っているんじゃないですか」と言っていたが、彼が明日戦う予定のバーハートゥブールゥ・アトゥボラティも計量開始から40分を過ぎた時点で計量会場に姿を見せていない……(C)ROAD FC

本日26日(土・現地時間)に韓国はアニャンのアニャン室内体育館で開催されるRoad FC65の計量が、昨日25日(金・同)に行われ――グローバル・トーナメント63キロ級準決勝で原口央と対戦予定だったラザバリ・シェイドゥラエフが失格になった。
Text by Manabu Takashima

衝撃的なニュースが韓国から伝わってきた。原口にとってキャリアを賭けた大一番は、キャンセルという未完の形で終幕を迎えた。


本来は11時スタートの本計量、主催者はトーナメント出場選手に限り9時から体重チェックを開始し、リミットは正午まで3時間。そしてシャイドゥラエフは正午から送れること12時12分に計量をし、63.2キロと体重オーバーに。

同トーナメントの契約書には遅刻と体重オーバーが重なった場合は失格という条項が記されていた。これにより原口はセミファイナルを戦わずして10月29日の決勝でキム・スーチョルとブルーノ・アゼベド戦の勝者と戦うことが決まった。

キャプテン☆アフリカ、マックス・ザ・ボディの両者は、対戦相手も含めてパス。

本日午後1時スタートのショーで、2時半からのメインカード出場に備えている。

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後1時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■ROAD FC65主な計量結果

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル:62.8キロ
ブルーノ・アゼベド:62.9キロ

<Road FC グローバル63キロT補欠戦/5分3R>
ムン・ジェフン:62.6キロ
ヤン・ジヨン:62.9キロ

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン:69.9キロ
キャプテン☆アフリカ:69.0キロ

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ:63.2キロ
原口央:62.9キロ

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ:69.9キロ
マックス・ザ・ボディ:69.7キロ

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク:69.6キロ
ハン・サングォン:69.9キロ

<無差別級/5分3R>
関野大成:69.9キロ
オ・イルハク:69.9キロ

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LFA MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC Road to UFC2023 Road to UFC2023Ep06 UFC   イ・チャンホ イー・チャア キム・サンウォン キム・サンウク キ・ウォンビン シャオ・ロン ダールミス・チャウパスゥイ チェ・スングク ナムジャルガル・トゥメンデムベレエル バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ パク・ジェヒョン ピーター・ダナソー マラブ・デヴァリシビリ マーク・クリマコ リー・カイウェン ロン・チュウ 上久保周哉 原口伸 原口央 植田豊 神田コウヤ 鶴屋怜

【Road to UFC2023Ep06】過去最大の相手と準決勝、原口伸「フィジカルの差とか言ってもしょうがない」

【写真】自信、それも確かな自信が感じられた原口伸 (C)MMAPLANET

27日(日・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されるRoad to UFC 2023Ep06のメイン=ライト級準決勝で原口伸がバーハートゥブールゥ・アトゥボラティと対戦する。
Text by Manabu Takashima

キルクリフFC所属のアトゥボラティは、RTUの初戦でダメージを受けた後の後頭部へのパンチで反則勝ち――もフィジカルの違いは明白な元はウェルター級のファイターだ。対する原口は、以前から「UFCで戦うにはフェザー級」と公言してきた、ライト級では小兵だ。その原口、7月のタイガームエタイでダゲスタン人ファイターとのスパーリングをしてきたことで、確かな実力の底上げを感じている。


――今回の試合に向けて、タイガームエタイで練習をしていたそうですね。

「ハイ。7月3日から3週間ほど練習してきました」

――タイガームエタイは、あのジムで何かMMAを学ぶというよりも、チームがそのまま移動してキャンプを張るというイメージが強かったです。

「僕自身、技術的なことを求めていたわけでなくて、がんがんスパーリングをして実力の底上げするために行きました。ちょうどコロナ後に、初めてのトライアウトが行なわれている時で。そのトライアウト勢がたくさんいてスパーリングが激しくて、凄く良い練習になりました。特訓のような練習が多かったので、結果として強さが身についたように感じました」

――どのような選手と練習を?

「ダゲスタン人やカザフスタン人……ダゲスタンの選手とスパーリングをいっぱいやりました。ONE FFに出ていたアリ・ムスリム・アリカノフ選手とか」

――アリカノフ、無敗のライト級ファイターですね。ダゲスタン人ファイターとの練習、手ごたえの方は?

「同じライト級でももともとの体重はちょっと向こうの方が上で、レスリングで転がされたことも多いです」

――そうなのですか!! ピュアレスリングだと、原口選手が遅れを取るようなことはないのではないかと思っていました。

「そうですね、シンプルにレスリングだと。でもMMAのレスリングになると、全然違いました。ガンガン、アッパーを当てて来ようとしてきたり。でも彼らと組みあって自分の長所が、より明白になりました。フィジカルが上の相手にも、通用する勝負のポイントがあって。それが分かって、しっかりと動けたので自信にもなりました」

――良かったです。原口伸のダブルレッグはダゲスタンにも通じると。

「ダブルレッグは基本は取れて。でもシングルレッグになると、日本で練習しているときは暫くジッとしてからでも倒せていたのですが、ダゲスタンの選手はシングルにとってもすぐに持ち替えないとテイクダウンはできなかったです。少しでも迷ったり、動きが止まるとバーンと切られて。どんどん、次の手を打たないとテイクダウンができないことも分かりました。だからこそ、底上げはできたと思います」

――ではタイから戻ってきてから、今回の試合の対策練習を始めるように?

「7月の24日ぐらいに戻ってきてからは、頭をもう1度使って調整してきました」

――では体を使ったタイ、頭を使った日本での練習を経て対戦相手のバーハートゥブールゥ・アトゥボラティにはどのような印象を持っていますか。

「もともとウェルター級で戦ってきた選手なので、そもそもデカさがあります。あとは蹴りが結構厄介、伸びる左ストレートもあります。Road to UFCの初戦でも1Rはキ・ウォンビンにプレッシャーをかけていて、LFAで戦っていたときよりもあげてきている印象です」

――やはり気になるのは、フレーム。サイズの違いかと。

「ただ僕の方も今回は77キロから78キロで保っていて。前回より少し大きくなっており、動きも凄く良いです」

――なるほど、ライト級では小さい原口選手もそれだけ体重を落とすのですね。

「ただ骨格でそこまでの大きなではないので、すぐに4キロぐらいは落ちるんですよ。。でも、もうフィジカルの差とか言ってもしょうがないという気持ちでいます」

――前日に韓国で戦うお兄さん(原口央)の試合と、どちらがタフになると考えていますか(※取材は23日に行われた)。

「アニキの方ですね(笑)。相手が63キロにしては、デカい。ただ、同じ時期に試合があることで同じように追い込み練習をして、同じモチベーションとペースで練習ができました」

――バーハートゥブールゥと戦う上で、同じような体格の練習相手は?

「武田(光司)さんだったり、野村(駿太)先輩が相手をしてくれました。武田さんは普段は82、83キロぐらいあって。70いくつでもしっかりと組み合えていたので、そこはもう気にならなくなってきました」

――ではこの試合でやってはいけないと肝に銘じていることはありますか。

「メチャな打撃の打ち合いをしないことです。一発もらってもカッとしない。打ち合う気はないなかで、打撃を出す。そういうイメージをずっと持って練習してきました。気持ち的に流されない。躍起にならない。しっかりとそのチャンスを待つ。そうやって戦うなかで、組んでテイクダウンしてパウンド。狙えるならサブミッションという練習をずっとやってきました」

――これまで植田豊選手との試合以外ではパウンドを打っても、スクランブルに持ち込ませなかったという印象があります。抑えとパンチの比重はどのように考えていますか。

「立たれても構わないので、思い切り殴ります。立たれると、また倒せば良いので。抑えるよりは殴って、動かして倒す。自分のフィジカルでずっと抑えようとしても、難しいですから。だから倒して、殴って、立たれても倒す。マラブ・デヴァリシビリのように戦う。そこはやり込んできました。

前回の相手とはレベルが違うことは分かっています。だからこそ、楽しみです。組みも打撃もできて、フィジカルもある。そういうレベルの高い相手と戦えることが楽しみでならないです。インパクトを残せるフィニッシュを狙って、しっかりと勝って決勝につなげます」

■視聴方法(予定)
8月27日(日・日本時間)
Ep.05午後5時~UFC FIGHT PASS
Ep.06午後7時~UFC FIGHT PASS
午後4時30分~U-NEXT

■Road to UFC2023 Ep06対戦カード

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
バーハートゥブールゥ・アトゥボラティ(中国)
原口伸(日本)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
ダールミス・チャウパスゥイ(中国)
イ・チャンホ(韓国)

<Road to UFCライト級準決勝/5分3R>
ロン・チュウ(中国)
キム・サンウク(韓国)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
上久保周哉(日本)

<ライト級/5分3R>
パク・ジェヒョン(韓国)
クイラン・サルキルド(豪州)

■Road to UFC2023 Ep06対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
神田コウヤ(日本)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
チーニョーシーユエ(中国)

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
キム・サンウォン(韓国)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
鶴屋怜(日本)
マーク・クリマコ(米国)

<フライ級/5分3R>
ピーター・ダナソー(タイ)
ナムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

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K-MMA MMA MMAPLANET o PRIDE RIZIN ROAD FC Road FC65 アルトゥル・ソロヴィエフ オ・イルハク キム・スーチョル キャプテン☆アフリカ シン・ドングク ハン・サングォン ブルーノ・アゼベド マックス・ザ・ボディ ムングントスズ・ナンディンエルデン ムン・ジェフン ヤン・ジヨン ラザバリ・シェイドゥラエフ 原口央

【Road FC65】Global T準決勝=アゼベド戦へ。キム・スーチョル「プレッシャーを感じる自分を愛して」

【写真】アゼルバイジャン?と首を傾げたキム・スーチョル(笑)。このあと頭も掻いていた(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、韓国はアニャンのアニャン体育館で開催されるRoad FC65のグローバル63キロ・トーナメント準決勝でブルーノ・アゼベドと戦うキム・スーチョル。
Text by Manabu Takashima

6月のトーナメント準々決勝大会では韓国勢が総崩れするなか、スーチョルはわずか55秒でギロチンを極め。初戦突破を果たした。唯一の韓国勢としてK-MMA界代表の責務、そして一家の大黒柱の責務を果たそうというスーチョルを計量終了6時間後にインタビューした。


――大会前日、本計量を終えセレモニアル計量を待つ状態のキム・スーチョル選手です。まず計量を終えて体調の方はいかがですか。

「今回は主催者の計らいでトーナメント出場選手だけ、午前11時スタート予定だった計量が9時に変更されました。なので6時間半ほど前に計量は終わっているのですが、現時点で7キロほどリカバリーできました。年を食ったのか、体重が戻るのが早いです(笑)」

――いやぁ、代謝が今も激しいということではないですか(笑)。明日戦うブルーノ・アゼベドや原口央×ラザバリ・シェイドゥラエフの両選手も問題なかったですか。

「ハイ。ブルーノも計量が早く終わることを喜んでいる感じでした。ただキルギスの選手は随分と遅くに計量にやってきましたが、なんかコンディションは芳しくない様子でした。でも、自分はとにかく眠かったので、何かやっているなぁという感じで気にしていなかったです。自分も減量で『死にそうだ……』っていうぐらいの状況だったので(苦笑)」

――前回の準々決勝大会、スーチョル選手まで韓国人選手が全滅でした。最後の登場でプレッシャーにならなかったですか。

「プレッシャーは感じていました。韓国人としてだけでなく、一家の大黒柱として負けられなかったです。でもプレッシャーを抱えて戦う方が、自分は良いと思います。プレッシャーがないと、危険を察知する能力も下がりポカをしてしまいます。なのでプレッシャーを感じる自分を愛しています(笑)」

――アハハハ。では対戦相手のブルーノ・アゼベドですが、右カーフとねちっこい組み技が印象的です。

「組み技、寝技が強いと思いますが、なぜかオープン・ワークアウトで右のハイばかりを蹴っていて。自信があるのか、何か隠しているのか。ただ、右の蹴りは良かったです。もちろん、それで組んでくることも十分にあると思いますが、それならそれで構わないです。クリンチに来るなら、その局面でも圧倒してやります」

――スーチョル優位の声が圧倒的です。

「そういう声があるのは知っていますが、相手もわざわざ負けるために来るわけがないので。いつも試合中に『相手の打撃は当たらない。試合を支配できる』というフレーズを呟いてマインドコントロールをしていますが、今もやっています」

――どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「自分から攻撃できるよう、その攻撃の幅を厚くしカードも揃えています。接近戦から自分がフィニッシュできる技を披露したいと考えています」

――明日の試合に集中しないといけないのですが、決勝は10月29日です。スーチョルはその後に大晦日のRIZINで戦いたいということを明言していましたが、なんだか11月4日のアゼルバイジャン大会への出場をRIZINは考えていたという話もありました。

「アゼルバイジャンですか……(笑)。そういう風に希望してくれるなら、本当に幸せなことです。ただし、自分は試合前は試合のことしか集中できないんです。そうでないと対戦相手に失礼です。SNSで相手を殴っている写真などアップする人もいますが、それは戦った選手への礼を欠いています。なので、今は明日のことだけを考えて――決勝戦やアゼルバイジャン(苦笑)、大晦日のことはブルーノに勝ってから、決めれば良いことです。自分はジョン・ムンホン館長と並び、大山倍達の両者を誰よりも尊敬しています。なので日本から声が掛かることはとてもありがたいですが、今は明日の試合のことだけを考えています」

――明日、日本からスーチョル選手の応援をしているファンに一言お願いします。

「日本のファンに人たちには、本当にありがとうございますと伝えたいです。日本の格闘技人気が100だとすれば、韓国は10もありません。それでもプロの舞台があるのはPRIDEと日本の格闘技界のおかげです。自分はPRIDEと日本の格闘技が大好きで、ジョン・ムンホン代表が日本の格闘技に挑戦した話と、大山倍達の逸話が本当に大好きです。日本の格闘技があり、二人の先人がいたことで自分がMMAで食べていけるようになりました。つまりは日本の格闘技界と日本のファンのおかげです。本当にありがとうございます」

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後1時00分~KAKAO TV、AFREECA TV

■ROAD FC65主な対戦カード

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

<Road FC グローバル63キロT補欠戦/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク(韓国)
ハン・サングォン(韓国)

<無差別級/5分3R>
関野大成(日本)
オ・イルハク(韓国)

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【Road FC65】キルギスの未知強シェイドゥラエフと対戦、原口央「これは凄い選手が出てきたなと」

【写真】MMAファイターとして、強さを追求するうえでの満足度は200パーセントの相手と韓国で戦う原口央(C)

26日(土・現地時間)、韓国はアニャンのアニャン体育館で開催されるRoad FC65で、原口央がラザバリ・シェイドゥラエフとグローバル63キロトーナメント準決勝で戦う。
Text by Takumi Nakamura

トーナメント準々決勝でムン・ジェフンと対戦し、テイクダウンからのトップ&バックコントロールのファイトスタイルを貫いて勝利した原口。準決勝では9戦9勝すべてフィニッシュして勝利しているキルギスのシェイドゥラエフと対戦する。典型的な未知の強豪との対戦を前に、原口は「知名度に関係なく本当に強い選手たちと戦って勝ちたい」と力強く語った。


――6月のトーナメント準々決勝ではムン・ジェフン選手をテイクダウンしてトップキープするという試合運びで下しました。まずジェフン戦を振り返っていただけますか。

「ジェフン選手はROAD FCのバンタム級チャンピオンで、自分が挑戦者のつもりで戦いました。なので気負うこともなく、5分3R=15分間、自分の試合がしっかりできたと思います」

――ジェフン選手は伸びのある打撃でアグレッシブに攻める韓国人選手らしいファイトスタイルの持ち主でした。どんな試合展開を考えていたのですか。

「爆発力があるのは分かっていたので、距離をとって、自分のスタイルでいけば大丈夫だと思っていました。ただジェフン選手は柔術も黒帯で寝技もできると聞いていて、寝技になっても自分が先に動いて、自分の試合運びをできればいいなと思っていました」

――1Rにテイクダウンを奪ってからは終始、央選手のペースだったと思います。あのテイクダウンで手応えを掴みましたか。

「あのテイクダウンも、相手のミドルキックをキャッチしてのもので、あれで相手との距離感が分かったんです。この距離なら打撃はもらわないと思ったし、油断をせずに1Rと同じ戦いをすればいけるだろうと思いました」

――おそらくあのミドルキックで央選手にダメージはなかったと思いますが、会場から大きな声援が起きていましたよね。アウェーならではのことだと思いますが、そこはどう感じましたか。

「ちょっと場の雰囲気に持っていかれそうだったんですけど、なんとか冷静を装って戦いました(笑)。会場そのものはすごく広かったし、RIZINに似たような雰囲気だったんです。韓国でのMMAの盛り上がりを感じましたね」

――試合の話に戻ると2Rにはテイクダウン・バックコントロールして、3Rを迎えました。3Rもテイクダウンに成功して、試合を優位に進めていましたが、早いタイミングでブレイクを命じられた場面がありましたよね。あのブレイクは想定していましたか。

「試合前にも言われていたんですよ。ROAD FCはバチバチの打ち合いが求められて、もしテイクダウンしてトップをとっていても、レフェリーがこれ以上動きがないと判断したら、早めにブレイクすると。だから僕もそこは意識してトップをとりながら、細かく足を動かしてアピールはしていた……つもりだったのですが、それでもブレイクになっちゃいましたね。

正直、あの時は『まじか!? ここでスタンドに戻ったらきついぞ』と思いました(苦笑)。相手としてもあそこでスタンドに戻って足を止めて打ち合って、自分の得意の展開にしたかったんでしょうけど…僕は空気を読まずに自分のスタイルをやりきりました」

――イベントのカラーとして打撃が重視されて、そうした展開を促すリクエストもあると、自分の考えがぶれる選手もいると思います。央選手はそういうものは気にならないタイプですか。

「僕は周りにああしてほしい、こうしてほしいと言われたからと言って、自分のスタイルを変えるつもりはないし自分のスタイルを貫こうと決めています」

――ジェフン戦以降はどこを意識して練習していますか。

「試合があるからということは意識せずに、普段通りにプロ練習に参加して、自分のレベルを上げています。試合後も試合前も変わらず、僕は試合が終わっても練習量を落とさない方なんで」

――では普段の練習で意識している部分はどこでしょうか。

「試合になると緊張やダメージもあって、練習よりもキツい状況で動かなければいけないと思うんですよ。だから普段の練習でもスパーリングの本数は減らさないで、なるべくインターバルはあけずにやっています。そのスパーリングでもわざと動き続けて、自分が体力的にしんどくなるような練習をしています」

――より試合を想定したスクランブルを意識して練習しているようですね。

「僕は打撃が強いわけでもないし、フィニッシュできるわけでもない。一番の武器はスタミナとねちっこさなので、そこを試合で出すためにどうしたらいいのかを考えて練習しています。疲れた時、しんどい時にどこまで動けるのか。そこは常に意識している部分ですね」

――レスリング・スクランブルの攻防で動き続けるスタイルは精神的・体力的にも一番ハードな戦い方です。×対戦相手だけでなく、妥協しないという面では自分自身との戦いもあると思うのですが、そこをやりきる自信はありますか。

「そこが自分の強いところだし、強い選手は仮に泥仕合になっても最後まで攻めきることができる。正直、僕もあれをしよう、これをしようと迷っていた時期がありました。ちょうどその頃にRIZINのバンタム級GPが行われて、扇久保博正選手が自分のスタイルを一切曲げることなく戦いきって優勝したんですよね。

僕はスタイル的に扇久保選手に似ているし、扇久保選手のように自分のスタイルを貫く選手が最後は勝ち切ることができるんだと思いました。打撃に特化した選手、寝技に特化した選手はいるし、どこか特化した部分があったとしても平均的にトータル強くて、そのスタイルを貫ける選手はすごい。最後まで自分をやりきる貫く選手が、最後は勝てると思っています」

(C)ROAD FC

――では準決勝で対戦するラザバリ・シェイドゥラエフにどのような印象を持っていますか。

「一言で言うと、強い、ですね。周りからもあの選手は強いぞと言われます」

――まさに央選手が前回のインタビューで話していた「知られていなくても、強いヤツ」の典型的なタイプです。

(C)ROAD FC

「今回のトーナメントが行われるまで、シェイドゥラエフ選手のことを知らない人の方が多かったと思うんですよ。

でもいざ蓋を開けるとあれだけ強いという。トーナメントの準々決勝を終えた時点で9戦9勝、4勝が打撃かパウンドによるKOで、5勝がサブミッションによる一本勝ち、これは凄い選手が出てきたなと思います。しかもシェイドゥラエフ選手はまだ22歳なんで、まだまだ強くなっていくでしょうね」

――基本的にシェイドゥラエフ選手は組み技の強みを生かして、打撃はフルスイングする。トップキープしながら絞め系のサブミッションが強いというタイプです。組み技の強さを軸に試合を組み立てるという部分では央選手と共通していますよね。

「組みに自信があるのは僕もシェイドゥラエフ選手も同じだと思います。ただ組みの種類が少し違うと思っていて、僕はピュアレスリング主体で、シェイドゥラエフ選手はどちらかというとグレコ寄り。上半身をしっかり固めてテイクダウンするタイプですよね」

――ではその組みのスタイルの違い、そこでのテイクダウンの攻防が勝敗の一つのポイントになりそうですね。

(C)ROAD FC

「う~ん……もし純粋な組みの勝負になっても間違いなく強いし。

スタンドの打撃も思い切り振ってきて、シェイドゥラエフ選手は穴がないんですよね(苦笑)。だからそこをどう崩すかを練習で積めていこうと思います」

――過去最強の相手という認識ですか。

「はい。今までやってきたなかでトップの選手だと思います。だから自分がどのくらい出来るのか楽しみにもしています」

――今回のグローバルトーナメントに出ると決めた以上、こういった強豪と戦うことは望んでいたことですか。

「そうですね。僕自身、バンタム級に階級を落とした理由が世界と戦いたかったからで。こうして海外の強い選手と試合を組んでもらって、しっかり勝ちにいきたいです」

――今、MMAで上を目指すなかで色んな選択肢があると思います。央選手はファイトスタイル同様、海外の強い選手に勝つという自分の考えを貫いているのですね。

「はい。やるからには強い選手とやりたいし、前回も言ったけど、シェイドゥラエフ選手みたいに名前は知られてなくても強い選手はめちゃくちゃいると思うので、そういう知名度に関係なく本当に強い選手たちと戦って勝ちたいです」

――では最後の質問です。グローバルT準決勝戦、どのような試合を見せたいですか。

「僕は朝倉海選手や井上直樹選手みたいに華のある試合は出来ないですが、こういう選手が海外でも頑張っているんだよという姿を見せたいです」

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【Road FC65】8月のvs世界!! Raod FCで原口央、キャプテン☆アフリカがキルギス&在韓モンゴリアンと!!

【写真】キャリア最強の相手と戦ういっても過言でない原口。翌日にRoad to UFCを戦う実弟・伸に良い形でバトンをつなげることができるか(C)MMAPLANET

8月最終週末、25日(金・現地時間)から26日(土・同)、27日(日・同)にかけてアブダビ、シンガポール、そして韓国で日本勢が世界と戦う。

アブダビ=UAEWには藤田大和、シンガポール=UFC ESPN52には木下憂朔、中村倫也、風間敏臣。Road to UFCには鶴屋怜、上久保周哉、神田コウヤ、原口伸が出場する。

そして26日(土・同)の韓国=Road FCでは6月にスタートを切ったグローバル・トーナメント63キロ級準決勝に原口央、70キロT準決にはキャプテン☆アフリカ、マックス・ザ・ボディと3選手が挑む。


ソウル近郊のアニャンはアニャン室内体育館で開催されるRoad FC65。6月23日にウォンジュで実施された同トーナメント準々決勝を勝ち残った面々が、5カ月間で3試合――10万ドル獲得を目指した短期決戦の折り返しを迎える。

初戦でムン・ジェフンを破った原口は、韓国を襲った中央アジアの猛威=キルギスのラザバリ・シェイドゥラエフとの対戦が決まっている。

RIZINでも連勝中だったヤン・ジヨンをボディロックテイクダウンからRNCで仕留めたシェイドゥラエフは、テイクダウン前の打撃が蹴りも含めて、正確かつ威力がある。組みとの緩急という面も含めて、相当な力を持ち主といえよう。ここを切り抜けるには、やはり思い切りの良さ。スクランブルの先にあるフィニッシュ力が、いよいよ求められる原口央だ。

Road FCフェザー級王者パク・ヘジンとのスイープ合戦を制し、力強いコントロールでセミファイナルに進出を果たしたアフリカは韓国在住のモンゴリアン=ムングントズ・ナンディンエルデンと相対する。いうとテイクダウンを切ってパンチ勝負のナンディンエルデンと、テイクダウンからが命綱のアフリカ。

ナンディンエルデンが徹底して組みを避けるのに対し、アフリカは打撃戦に応じる傾向にある。ここはなりたい自分、K-MMA独特の会場に雰囲気、レフェリーの打撃示唆に影響されることなく、この試合で勝つためのアフリカのベストを見せてほしい。

初戦を反則のグラウンド・ヒザで勝ち上がったマックス・ザ・ボディは、右のカウンター一発でユン・テユンをKOしたロシアのアルトゥル・ソロヴィエフと戦う。

まだソロヴィエフが組みという部分を見せていないが、中間距離よりも近い位置で、倒す右を持っており。如何にソロヴィエフの右ショート、クロスを貰わないで戦うか。まずはそこが、第一関門となろう。

そして2階級揃って韓国勢が総崩れとなったなか、最後の砦となった63キロ級T出場のキム・スーチョルは、パク・ヘギュンを初戦で下したブルーノ・アゼベドを迎撃する。

生まれ故郷で、韓国勢全滅かというプレッシャーをはねのけたスーチョルは、その精神面の成長もあり今がキャリアハイ、ピークといえる状況――ここで、躓くことはあまり考えられない。

■Road FC65対戦カード

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
ブルーノ・アゼベド(ブラジル)

<Road FC グローバル70キロT準々決勝/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
ラザバリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
原口央(日本)

<Road FC グローバル70キロT準決勝/5分3R>
アルトゥル・ソロヴィエフ(ロシア)
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)

<Road FC グローバル70キロT補欠戦/5分3R>
シン・ドングク(韓国)
ハン・サングォン(韓国)

<63キロ/5分3R>
ムン・ジェフン(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<無差別級/5分3R>
関野大成(日本)
オ・イルハク(韓国)

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【DEEP114】「テイクダウンされた後? 楽しみにしてください」。江藤公洋戦へ、野村駿太─02─

【写真】5試合連続で、その手を挙げられることとなるのか。今後のキャリアアップに大きく影響する江藤との一戦だ(C)MMAPLANET

7月2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114で、江藤公洋と対戦する野村駿太のインタビュー後編。

連勝中の野村と江藤が激突するという、まさに次期ライト級挑戦者決定戦の意味合いも持つマッチメイク。野村は小金戦川名戦を経て、どのように成長してきたのか。自身のMMAにとって大きなベースとなる空手と、BRAVEで鍛え上げられた組みの力について語る。

<野村駿太インタビューPart.01はコチラから>


――小金戦では対格差とキャリアの差がある元ZST王者を相手に見せた、最初に効かせてからフィニッシュに持ち込むまでのラッシュは、とても印象深いです。

「正直なことを言うと、あの試合は『なんで小金選手は自分との試合を受けてくれたんやろうなぁ?』と思っていたんです。それだけキャリアが違っていたので。だから僕も、自分が負けることなんてイメージせずに、思いっきり戦うことができました」

――小金戦は伝統派空手らしい出入りの激しい打撃で仕留めました。続く川名戦は、一つの課題と思われたテイクダウンディフェンスやケージレスリングに対する成長も見せることができたのではないですか。

「川名選手との試合は、危なげなく勝てたという面は良かったです。でも途中で僕のほうが『これはテイクダウンされないな』『相手の打撃も大丈夫だ』という気持ちが生まれちゃったんですよ。それで自分から動いて打撃を当てる、っていう試合にできなくて。僕の中では課題が残る試合内容でしたね」

――なるほど。野村選手にとっては安全に試合を運びすぎたのでしょうか。

「それもありますし、逆に狙いすぎちゃった部分もありました。倒されない、打撃も大丈夫——で、タイミングを見て打撃を合わせようとしすぎて行けなかったというか(苦笑)。力みすぎたんですね。いつもなら自分から展開を創ることができた場面でも、相手に合わせすぎちゃいました」

――次の試合も江藤選手はそれだけ組みのプレッシャーが強いので、野村選手のほうから打撃を狙いに行けるかどうかが重要になりますね。

「自分が打撃で、江藤選手がどれだけテイクダウンを取りに来るか、というのが一般的な見方だと思います。でも、それってお互いの得意なところだけを見た結果なんですよ。得意じゃない展開の対応力が、お互い勝つために重要になります。それが自分にとっては、テイクダウンディフェンスが一つですね」

――さらに言えば、江藤選手が相手の場合はテイクダウンされた後の考えなければいけないように思います。なにせテイクダウンとトップキープが強い。その状態から野村選手がどうエスケープするのか。

「江藤選手はパワーもありますからね。ぜひそこも楽しみにしていてください。作戦のこともあるので、細かくは言えないですけど(笑)」

――何よりBRAVEというジムが、レスリング出身選手ばかりですからね。

「それは本当に――試合で抑え込まれたところからエスケープできるのは、『BRAVEにいて良かったなぁ』って思います。BRAVEで打撃系競技からMMAを始めたのは、僕と上田幹雄さんぐらいですかね。実は上田さんとはBRAVEに入る前に、一緒に練習したことがあるんですよ」

――それは空手時代に上田選手と練習していたということですか。

「はい。東京オリンピックの前に全日本空手道連盟と極真会館が友好団体化したじゃないですか。その時、僕と(五明)宏人先輩がいた帝京大学の空手部に、上田さんが練習に来ていたことがあって。まさかBRAVEで一緒に練習することになるとは思いませんでした」

――今大会で野村選手と揃い踏みとなる五明選手と、現在も交流はあるのですか。

「連絡を取り合うことはあります。やっぱり身近に同じ空手出身のMMAファイターがすくいし、意見を交換することはありますね」

――なるほど。では江藤選手の印象を教えてください。

「組みが強いし、その組みの強さを支えるフィジカルが日本のライト級の中でも強いんだろうなっていう印象です。とにかく練習で強いという話を聞きます」

――フィジカル面でいえば、野村選手はライト級でも体格が大きくないと思います。同じBRAVEの原口央選手がフェザー級からバンタム級へ転向したように、野村選手はフェザー級に落とそうとは思いませんか。それともライト級が適正階級なのでしょうか。

「昔の体だったらフェザー級が適正だったと思います。でもMMAに転向して、少しずつ体が大きくなっているんですよ。今まで組みをやっていなかった分、レスリングや寝技の練習をしていると体が大きくなっていて。これから海外で戦うことになったらフェザー級で……と考えていたんですけど、今の体だとフェザー級に落とせるかどうか(苦笑)」

――それだけレスリングや寝技をやる体になり、その体をベースに技術が向上している証でもありますね。

「そうですね。僕はBRAVEに入った時から武田光司さんと原口伸にレスリングで揉まれている状態です。その2人を基準として、組みの練習をやってきました。だから打撃系競技から転向したなかでも、他の選手よりも組みに対応するのは早かったと思います」

――武田選手と原口伸選手と練習していたら、他の選手に組みで負けるわけがないと思いますか。

「いやいや(苦笑)。僕が武田さんと原口伸に組みで勝てるようになったら、そう言えると思います。だけど2人と一緒に練習できている僕は、本当に運が良いですね」

――原口伸選手は小谷直之戦とRTUでもパウンドの強さを見せました。野村選手も小金戦は相手の気持ちを折るようなパンチ力でしたし、拳を見てもナックルの硬さが分かります。

「これはMMAに転向してからですよ。伝統派の場合は練習でも拳で打ち込むことは少ないので。実はMMAの練習を始めてから負傷して、治ってくると同時に拳も強くなってきたと思います。『骨折すると骨が強くなる』って聞くじゃないですか。それに近いんじゃないですか」

――分かりました。最後に次の試合への意気込みをお願いします。

「江藤選手は今、MMAという競技のなかで完成されてきていると思うんですよ。自分はまだまだ発展途上だし、粗削りな部分も多いです。でも、その分だけ伸びしろがある。今の状態で江藤選手を倒して、もっともっとMMAとしての完成度を高めていきたいです」

■視聴方法(予定)
7月2日(日)
午後5時50分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

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【DEEP114】江藤公洋と対戦、野村駿太─01─「キャリアの差がどうとか言われないための試合運び」

【写真】先輩・五明宏人と同じようにMMA歴は短くとも、競技歴の長い選手は試合に向けて落ち着きがある(C)MMAPLANET

7月2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP114で、野村駿太が江藤公洋と対戦する。

野村は現在4連勝中。しかもここ2試合は、元ZST王者の小金翔と元修斗王者の川名Tencho雄生を下し、最もライト級のベルトに近い存在の一人となった。対する江藤も4連勝中で、この試合は大原樹理が持つベルトへの挑戦者決定戦の意味合いも持つことは間違いない。その野村に盟友である原口伸のRaod to UFC出場と、自身のベルト挑戦までの戦いについて語ってもらった。


――今、ちょうどBRAVE勢が出場しているるROAD FCのイベントが行われていますね(※取材は24日に行われた)。

「あぁ、そうですよね! お忙しい時に取材ありがとうございます」

――いえいえ、こちらよりも野村選手はチームメイトの試合を観なくて大丈夫なのですか。

「もうマックス(・ザ・ボディ)さんの試合は終わったんですよね? ちょうどジムで指導を担当している空手のクラスがあって、視られませんでした。原口央さんの試合はまだですか」

――はい。マックス選手は反則勝ちで、原口選手の試合はまだまだ先ですね。それぞれ試合が気になるのはもちろんです。Road to UFCに出場している原口伸選手も含め、チームメイトが海外で試合をしていることについては、どのように感じていますか。

「やっぱり気になります。視ているだけでも、海外の試合のほうが自分の気持ちも入りますよ。みんな日本を代表して戦っている。日本で試合をするよりもプレッシャーは大きいと思います。そうやって海外で戦っている選手には、全員に対してリスペクトがありますね。特に原口伸は、BRAVEの選手寮が出来た時に同じタイミングで寮に入ったので」

――年齢も1歳差(※野村が1997年生まれ、原口が1998年生まれ)で、ジム入門と寮に入るタイミングも一緒とは、まさに盟友ですね。

「ジムの仲間の中でも同期っていう感じだし、あれだけ凄いヤツが一番近いところにいる。お互いに刺激し合って、ここまで来ました。RTUも一緒に出たかったけど、ライト級は原口伸が選ばれました。それは嬉しさと、『やっぱりコイツは強いんだよなぁ』っていう気持ちと、悔しい気持ちもあります」

――野村選手も今年のRTUに申し込んでいたのですか。

「はい、申し込んでいました。もともと原口伸はフェザー級で出るような話もあって。だから一緒に出られれば良いなと思っていたんですけど(苦笑)。自分の場合は申込が、DEEPで川名選手と試合をする前でした。原口伸はベルトを巻いている状態だったので、同じ階級で2人を比べたら、ベルトを持っているほうが評価されるのは仕方ないと思っています。今回は他の日本人選手を見ても、ほとんどベルトを巻いているファイターじゃないですか」

――そのRTU出場メンバーを見ると、野村選手も早くタイトルマッチに臨みたい気持ちになるのではないですか。

「もちろんです。今はそのために――とにかく一つひとつの試合で勝って、目標に近づけるよう取り組んでいます。ただ、ベルトを巻くためにも段階を踏んでいかないといけないとは思っています」

――昨年12月に元ZST王者の小金選手、続いて今年3月に元修斗王者の川名選手を下してきて、DEEPのベルトに近づいているのではないでしょうか。

「他の団体ですけど元チャンピオンの人たちと対戦して、しかも勝っているので近づいている感じはありますね。徐々に――ではありますけど。とにかく強い選手や名前のある選手との試合を組んでいただていることは分かるので、自分にとってはモチベーションに繋がります。次に対戦する江藤選手も今は4連勝中ですし、ここで江藤選手に勝てば自分ももっとベルトに近づくことができる試合なのかなって思います。今は自分よりベルトに近い選手というのが、あまり思い浮かばないですね。それこそ江藤選手ぐらいしかいなくて。だから自分でも『次は江藤選手だろうな』というふうには考えていました」

――元チャンピオンとの対戦が続くと、誰の目にも明らかですよね。ただ、そのマッチメイクはご自身にとってプレッシャーにはなりませんでしたか。

「自分はMMAを始めて2年半で、プロデビューして2年も経っていないんです。だからまだ発展途上というか、自分がどれくらいの位置にいるか分かりませんでした。部活の時はトーナメントで、どこまで勝ち上がるかで今の立ち位置が分かるんですよ」

――野村選手にとっては伝統派空手時代が、まさにそうですよね。

「でもプロはワンマッチだから、この試合に勝って今の自分はどの位置にいるのか、よく分からない状態でした。DEEPにはランキングもないですし。だから不安でもあったんですけど、それが元チャンピオンとの試合っていう――今の自分の立ち位置が分かるような試合を組んでもらえる嬉しさのほうが大きかったです。『この相手に勝ったらデカいよなぁ』っていう、常に挑戦者の気持ちでいることができたので。どちらかというと、強い相手と対戦できる状況を楽しめていたような気がします」

――野村選手にとっては空手時代の先輩である五明宏人選手に、ベルトを巻けなかった要因を訊いたところ、まずキャリアの差という答えが返ってきました。野村選手もまだプロデビューして2年です。ライト級上位陣とのキャリアの差は感じませんか。

「う~ん、宏人先輩の状況は分からないですね。階級も違いますし、あまりフェザー級のことはよく分かっていないので。ただ僕の場合は、単純に比較すると試合数は少ないですが、これまで1試合1試合の大切さを考えて戦ってきました。さっきも言いましたけど、『この試合で勝ったら次は……』、『この相手に勝ったら、こうなるよな』というように必ず次のことを考えたり、先の目標を見据えながら試合をしてきています。

だから一つも試合を落とせないことは当たり前で、そのなかで惰性で試合をしていないというか。毎試合、僕が負けるだろうと思われるような相手と組まれていると思います。そこでキャリアの差がどうとか言われないための試合運びを心がけています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月2日(日)
午後5時50分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

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MMA Report ROAD FC Road FC64 ブログ ムン・ジェフン 原口央

【ROAD FC64】TDからトップ、バックコントロール。RNCを極めかけた原口央がムン・ジェフンに快勝

【写真】しっかりやり切った。兄弟で2カ月連続ROADで勝利(C)ROAD FC

<Road FC グローバル63キロT準々決勝/5分3R>
原口央(日本)
Def.3-0
ムン・ジェフン(韓国)

右ミドルを蹴ったムン・ジェフン、原口と共に長い距離を取る。ムン・ジェフン踏み込んで右の蹴りを繰り出し、これは原口も組みづらい蹴りか。ムン・ジェフンは右ハイ、原口も左の蹴りを見せて距離を詰める。右に回るムン・ジェフンの蹴りをキャッチしてシングルに出た原口。ムン・ジェフンが開脚で耐えるも、原口もヒザをつかせアンクルピックへ。ムン・ジェフンがキムラも、原口はボディロック、そして殴る。

ここでRoad FC特有のグラウンド否定的なブレイクが掛かる。ムン・ジェフンは二段蹴りも、原口はしっかりとダブルレッグを決めて足を束ね、キムラを肩固めで切り返す。ケージキックのムン・ジェフンとのスクランブルを制した原口だが、Road FC裁定ではどれだけリードできたか分からない。

2R、テコンドー流の軸足を変えながらの蹴りを繰り出すムン・ジェフンに対し、原口はミドルをキャッチしてダブルレッグを決める。そのままバックに回った原口はワンフックからRNCをセットする。アゴの上から絞める原口に対し、ムン・ジェフンが懸命に防御し手首を掴む。原口のバックグラブが続き、パンチから絞めの機会を伺う。ムン・ジェフンは、後方へのパンチから起き上って正対する。

すかさずボディロックテイクダウンで上を取り直した原口は、蹴り上げを受けそうになるがガードの中からパンチを落とす。反転し、足を掴むムン・ジェフンが下から鉄槌へ。原口も鉄槌を落として担ぎパスへ。シングル狙いのムン・ジェフンのバックを制した原口は、前転にも巻き込まれずトップをキープしてラウンド終了──リードを広げた。

最終回、蹴りだけでパンチがほぼないムン・ジェフンが右ハイを狙う。これは空を切り、原口はヒザ蹴りにも腰をコントロールしてテイクダウン。バックを狙われたムン・ジェフンが、立ち上がるが原口は果敢にスタンドで背中に乗る。自ら着地し、テイクダウン狙いからサイドバックの原口に対し、背中をつけたムン・ジェフンはハイガードから腕十字を狙う。引き抜くのではなく、体を押し込んで潰した原口がトップに──が、なんとブレイクが入る。

スタンドに戻った原口は、即テイクダウンで。スクランブルでバックに回ると、ボディロックから左足をフックに掛かり、背中に回り込む。残り1分、前転して足関節狙いのムン・ジェフンに対し、足を畳んで簡単に防いだ原口はバックコントロール&パンチの勢いを増す。そのままスイッチを許さず、足を振り上げてトップを取り、最後もバックからパンチを入れてやるべきことをやり切った原口は3-0の判定勝ちを手にした。

「This tournament is mine]と原口はマイクは話した。


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