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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN02   アンジェラ・リー キック クレベル・ソウザ シアー・バハドゥルサダ ジヒン・ラズワン スタンプ・フェアテックス タン・カイ チャンネル ティモフィ・ナシューヒン ボクシング マイキー・ムスメシ マーチン・ウェン 高橋遼伍

【ONE FN02】アンジェラと決着戦。シィオン・ヂィンナン「ベルトをキープし、他競技のベルトに挑みたい」

【写真】凄く落ち着き、笑顔も多いパンダだった(C)MMAPLANET

10月1日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night02「Xiong vs Lee 3」。そのメインでONE世界女子ストロー級王者シイォン・ヂィンナンがアンジェラ・リーの挑戦を受け、7度目の王座防衛戦を行う。

アンジェラとはこれまで1勝1敗、2試合とも東京で戦い──初戦のストロー級王座防衛戦ではTKO勝ちし、2試合目のアトム級王座挑戦試合ではRNCに敗れた。2試合とも決着5Rという激闘だったが、それ以降の3度のタイトルディフェンディング・ファイトでヂィンナンは全く付け入る隙を見せずに防衛に成功してきた。

しかし、そんな彼女を支えてきたEvolve MMAのシアー・バハドゥルサダが4月にチームを離れた。固い絆で結ばれていたと思われた関係が、一瞬に崩れた影響は? 新体制で挑む今回の防衛戦への意気込みをシィオン・ヂィンナンに尋ねた。


――土曜日の朝、アンジェラ・リーの挑戦を受けます。今の心境を教えてください。

「凄く楽しみだけど、とても落ち着いているわ。土曜日の朝に、サークルケージでこの興奮をぶつけるつもりよ」

──ヂィンナンはONEで初の中国人世界王者となりましたが、中国人男子として8月にタン・カイがONEの世界フェザー級王座に就きました。

「今はまだ2つだけど、これから中国人選手が巻くベルトの数はもっと増えるわ。それはMMAだけでなく、他のルールも含めてね。中国のコンバットスポーツは凄い勢いで成長しているから。この成長は嬉しいことだし、誇りでもあるわ」

──これから増えるということは、土曜日に減ることは絶対にないということですね。

「もちろん、このベルトはキープし続けるし、私自身はONEがチャンスを与えてくれるなら他の競技のベルトにも挑みたいと思っている」

──それはムエタイやキックのベルトに挑戦したいということですか。

「ONEで組まれている全ての競技ね。サブミッショングラップリングも含めて」

──何と、それは素直に楽しみです。特に女子ストロー級王座は敵なしの状態ですから。とはいえ今回のチャレンジャーはアンジェラ・リーです。この世界戦に向けての仕上がり具合を教えてください。

「この試合は私にとって、とても重要なチャレンジになる。新しいコーチとの初めての試合だし、合流して1カ月で新しい戦術やテクニックを採り入れてきたから。それが、どう試合で生かすことができるか」

──元ONEファイターで、柔術黒帯のアダム・カユーンがヘッドコーチになったと聞きました。実はヂィンナンに尋ねたかったのは、そこだったんです。ヂィンナンはイヴォルブMMAのチームメイトの試合でコーナーに就き、勝利も敗北にも付き添い本当にチームを大切にしてきました。そしてチームを離れたシアー・バハドゥルサダとの絆も深かった。彼が突然、チームを離れた時はどのような気持ちになったのでしょうか。

「あの時は少し……いえ、涙を止めらないほど動揺したわ。シアーの突然のチーム離脱によって、精神面と肉体の両方で影響を受けたのは事実。でも人間って、どういう経験も糧にしないといけないと思うの。シアーが離れたことで調子が落ちた分、自分で考えて取り戻さないといけないという意志を持って回復に取り組み、乗り越えることができた。その事実に対して、私は自分を誇りに思っている。

シアーのチームからの突然の離脱があったから、私はより強くなれた。人生には良いことも悪いことも起こる。でも立ち止まらないでモチベーションとして前に進まないと、ね。今の私は以前より進歩しているわ」

──素晴らしいです。そしてこれまでアンジェラとは1勝1敗。その2試合ともキャリアで最もタフな戦いだったと思います。この3度目の戦いで、前回の2試合とどのような違いを見せたいと考えていますか。

「絶対的に、いくつか新しい部分を見せることになるでしょうね。誰だって進歩し、成長している。私自身もそうだし、ファンの皆に多くの違う面とよりシェイプされた戦いを見せたいと思っている」

──今回は125ポンドでの試合です。115ポンドで戦った時は、減量が厳しくて本来の力を発揮できなかったのではないかと思ってきました。実際、ストロー級の防衛戦でアンジェラに勝利し、アトム級王座に挑戦して敗れていますし。

「敗因は階級だけじゃなくて、コンディショニングやレンジなどあらゆることが関係していたはず。そういうことが合わさって、穴ができて私の弱点になっていた」

──ストロー級ではそのような不安要素は少ないと思います。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「東京で試合をした時に応援してくれた日本のファン、皆に感謝しているわ。試合が終わってからも、皆が応援メッセージを送ってくれて。そんな日本のファンに、最高の試合を見せると約束するわ。いつもサポートありがとう。謝謝」

■放送予定
10月1日(土・日本時間)
午前9時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE Fight Night02対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ) 選手権試合/5分5R>
[王者] シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]アンジェラ・リー(米国)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] タイフン・オズカン(オランダ)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)王座決定戦/12分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)

<キック・フェザー級/3分3R>
マラット・グリゴリアン(アルメニア)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
オ・テホク(韓国)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
ダオコンファー・バンチャメーク(タイ)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
ジヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

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【ONE FN02】初の組み技世界王者へ、マイキー・ムスメシ「このルールは……結果、柔術の発展に寄与する」

【写真】いつも通り、興奮しているようで理路整然とした返答ばかりのマイキーだった(C)MMAPLANET

10月1日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night02「Xiong vs Lee 3」で、マイキー・ムスメシがクレベル・ソウザを相手にONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)王座決定戦を戦う。

昨年、ノーギの世界一を目指し道着を脱いだ戦いに進出するや、すぐに強烈な強さをサブオンリー・ルールでも見せつけたマイキーだが、目標としていたADCC世界大会への出場はキャンセルされ、今回のタイトルマッチに集中することとなった。

ファンにとっては残念でならないこの決断だが、マイキーがサブミッショングラップラーいや柔術家といて生きていくためにごく自然が判断だった。


――マイキー、サブミッショングラップリングの世界王座を賭けて世界最大のファイティング・プロモーションの一つであるONEで試合をし、その模様が米国のプライムタイムにAmazon Prime Videoで配信されます。今の気持ちを教えてください。

「それほど深く考えていないよ。いつものように試合の準備に集中してきた。体の調子も良い具合でキープできているし、もう100パーセントの状態で試合に向かうことができるよ。イコー!!」

──イコー??

「日本語でGoっていう意味だよね?」

──おお、行こうですね。Let’s go !!

「そうだよ。イコー!!だよ(笑)。ONEで最初のサブミッショングラップリングのタイトルショットに出場できてホント、ワクワクしている。僕の人生で一番のビッグファイトだしね」

──今回の試合の準備はラスベガスで?

「そうだよ。いつも通りFTCC(Faito Tamashii Combat Club)の柔術マットと僕のガレージで、これまで柔術の世界タイトルを取った時と同じ仲間たちと練習してきた。全ての練習が僕がタイトルを取るために欠かせないモノだったよ」

──このタイトル戦のために、しっかりと集中してきたと思います。が、それでもADCCに不参加だったのは残念です。

「6月に虫垂炎の緊急手術をしないといけなくなり、その影響でトレーニングと試合から離れないといけなくなった。試合用にハードな練習ができるようになったのは8月の中旬で、これだと2週間少ししかADCCへの準備ができなかった。その状態で無理をして、本来の僕の階級よりも2つも重い階級で戦う意味はないと思ったんだ。それなら、この試合の集中したかった。このタイトル戦は、僕にとってもっと重要な試合だから」

──ADCCは勝ち上がりに4試合、決勝では30分以上試合をすることになるかもしれないですしね。

「その準備をするのに、あの時の僕の体調は厳しすぎたよ。繰り返すけど、2階級も重いクラスで戦うわけだからね」

──戦い方を変える必要はそれほどないかと思いますが、金網があることを意識しますか。

「マットとは全く違う経験だね。僕は米国の狭くて小さい体育館のマット、床で試合をしてきた。今では数千人のファン、数億人のTV視聴者の前でケージのなかで戦っている。本当にこれまでに経験したことがない環境だけど、凄く楽しんでいるよ。こんな状況の一部として、戦ったことは過去になかった。だから、この環境で戦えることが心地良いんだ。もっと、こういう試合を重ねていきたいと思っている。

前回、今成との試合でしっかりとケージに対応できていた。あの試合を経験できたことで、今回はずっと戦いやすくなるだろう。前回のイマナリとの試合が、今回のタイトル戦に生きてくるに違いない」

──金網があるから、その方向に回れないだとか考えることはありますか。

「それほど影響はないよ。レスリングだと金網に押し込む展開とか重要になってくるけど、僕はレスリングをそれほど使うわけでもないし。大した影響はない。ただ足関節を使った時、ケージがあるから相手がロールできないとか、蹴って離れることができないということはある。そういう時はケージが役立つこともあるだろう。そういうところが、また楽しいんだよ」

──ではクレベル・ソウザの印象を教えてください。

「タフだよ。とても強い。でも、相手のことはそれほど関係ない。自分がどう戦うか。自分がどういうポジションを取れるかが重要になってくるから、普段から対戦相手のことを想定して練習をしたりはしないんだ。僕が取れる最高のポジションで戦う。大切なことは、そこだよ。対して、相手がどういう反応をしてくるのか。見極めるのは、そういうところだよ」

──これまで柔術でもグラップリングでも、その知識があるファンの前で戦っていました。ただし、ONEではキックやムエタイのような打撃が好きなファンの前で組み技マッチを戦います。

「ムエタイ、キックボクシング、柔術、そしてMMAというマーシャルアーツが一つのイベントで行われ、全てのファンが集まるっていうのは最高だよ。だからこそ、エキサイティングな試合をしないといけないという責任感が生じる。特に柔術を知らないファンに対して、ね。サブミッショングラップリングでも柔術でも、他の競技を見たいと思っている人に認められないといけない。

そういう責任感を持って戦うことが、また楽しいんだよ。サブミッショングラップリングをメジャーなプラットフォームで届けることができる。そしてサブミッショングラップリングを戦うことで、MMAの人々と同じようにファイトマネーを得ることができる。以前はサブミッショングラップラーが大金を手にするには、MMAに転向するしかなかった。それが柔術家やサブミッショングラップラーが、サブミッショングラップリングを戦うことでビッグマネーを手にデキる時代がやってきた。最高だよ。サブミッショングラップリングを戦って、生きていけるなんて」

──エキサイティングな試合をする。サブミッションで極めるというメンタルを持つことで、マイキーはより強くなれるでしょうか。

「僕らが戦ってきた柔術トーナメントは、ポイント制でポジションとドミネイトを第一に考えて戦う。サブミッションの仕掛けは減ってくるよ。でも、このルールでは一本を極めることが唯一のゴールに設定されている。ポジション支配でなく、サブミッションのキャッチが有効になるのだから、純粋により攻撃的になるよね。つまり、僕のゲームがよりアクティブになるんだ。このルールだと、アスリートはよりアグレッシブになる。結果、柔術の発展に寄与すると信じているよ」

──マイキー、ケージのなかでベルトを賭けて戦う姿を見るのが待ち切れないです。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「最高だね。ホント、僕は日本に行きたくてしょうがないんだ(笑)」

■放送予定
10月1日(土・日本時間)
午前9時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE Fight Night02対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ) 選手権試合/5分5R>
[王者] シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]アンジェラ・リー(米国)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] タイフン・オズカン(オランダ)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)王座決定戦/12分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)

<キック・フェザー級/3分3R>
マラット・グリゴリアン(アルメニア)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
オ・テホク(韓国)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
ダオコンファー・バンチャメーク(タイ)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
ジヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

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【ONE161】米国向けイベント、第一弾で平田樹の再起戦=難敵リン・フーチン戦が決定!!

【写真】再起戦、今後のキャリアアップを考えても連敗は許されない平田は、穴があるようでないリン・フーチンと対戦(C)MMAPLANET & ONE

7日(金・現地時間)、ONE Championshipが8月27日にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催するONE161「Moraes vs Johnson 2」の全対戦カードを発表し──日本から平田樹が出場、中国のリン・フーチンと対戦することが明らかとなった。

前夜のONE160の終了時間から半日も経ず、米国のプライムタイムに合わせスタートする今大会。その全容が明らかになった。


既報の通り米国向け大会のメインはONE世界フライ級選手権試合=王者アドリアーノ・モライシュ✖挑戦者デメトリウス・ジョンソンの再戦だが、それ以外のメインカードはムエタイの世界戦とフライ級GP、そしてヘビー級2試合という顔触れに。

メインカードは6試合、プレリミは2試合のコンパクトショーでMMAは4試合、ムエタイが4試合と完全ミックスショーで、女子戦はMMAとムエタイでそれぞれ1試合ずつという構成になっている。

またアジア勢対決は平田とリン戦のみ、逆にアジア勢が絡まない試合は3試合を数える。

日本時間では午前10時スタートの同大会、3月のONE Xでジヒン・ラズワンに手痛いプロ初黒星を喫した平田は、来週にもNYに渡りセラ・ロンゴMMAに合流する予定だ。

対戦相手のリン・フーチンはこれまでの戦績が15勝3敗1分で、ONEでは2勝1敗でビー・ニューイェンとジョマリー・トーレスに勝ち、リトゥ・フォーガットには昨年7月に判定負けを喫している。

散打出身、リン・フーチンは前足となる左足によるやや内回し気味のサイドキックは顔面にも届き、関節も蹴っていく。奥足でも蹴ることができ、共にパンチとのコンビネーションも持っている。速い攻撃は左ジャブだが、リトゥを相手にした時はかなり簡単に組みつかれており、首投げ、いなしてからのシングル、ケージに押し込まれてのシングルレッグと3度テイクダウンを許している。

ここからスタンドに戻れたのは、初回の首投げにバックを狙っていた展開の時のみ。下から蹴り上げなど狙うために比較的簡単にパスも許している。とはいえトーレス戦では三角絞めで一本勝ちもしており、中国時代は微妙なレフェリーのストップがあるもののパウンドアウトでの勝利も複数回記録している。

平田としては戦いにくい相手でもあるが、御し易さも残る相手といえる。なかでも参考にしたいのはリトゥ戦だ。打撃系のニューイェン戦や中国で戦った試合と比較すると、リン・フーチンは明らかに蹴りもパンチも慎重になり、打撃系ファイターと戦った時の下がりながらのパンチもほぼ見せることなく、ケージに詰められている。

ここからリン・ホーチンにはヒザ蹴りという展開、右を差してのテイクダウンがある。平田としては、リン・フーチンの痛くても一発で倒す力はないパンチに怯むことなく、どんどん組みの圧力を掛けて削っていきたい。

ラウンドが進むほど、テイクダウンを奪えばリン・フーチンは足が効かなくなるので、平田は寝技に持ち込めば殴って削っていける。その平田の短所は想い描いた試合展開にならないと、頭と体とともに気持ちも止まってしまうこと。

逆に長所は調子に乗れば、迷いなく打撃も振れるので、組みの圧力と相まってスタンドでも優位に立てることだ。つまり、まずは組んで倒せることができれば、そこで立たれようが同じことを繰り返すよう体は動く。

ONEが新たなチャプターに臨む2日間のイベントには、フィリピン勢も平田以外の日本人ファイターの出場もない。ここに出られる意味、ここで認められるリターンは計り知れない。それだけに平田には、上手くいかなくて当然というところからスタートし、平然と戦える頭と気持ちをNYで養ってほしい。

■放送予定
8月27日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午前10時00分~ONE Supper App

■ONE161対戦カード

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONEムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] リアム・ハリソン(英国)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP準決勝/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
サヴァス・マイケル(キプロス)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
マウロ・チリリ(イタリア)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP補欠戦/3分3R>
アミール・ナセリ(イラン)
ジョナサン・ハガティー(英国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
リン・フーチン(中国)

<ムエタイ58キロ契約/3分3R>
ディアンドラ・マーティン(豪州)
アンバー・キッチン(英国)

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ABEMA DEEP MMA MMAPLANET o ONE ONE130 RIZIN Special UFC アンジェラ・リー ジヒン・ラズワン スタンプ・フェアテックス パンクラス プロレス 修斗 大沢ケンジ

【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:3月:アンジェラ✖スタンプ「MMAは皆ができる競技になった」

【写真】ONE史上最大のビッグショーで女子最軽量級の世界戦がメインで組まれたこと、試合内容でも納得させたことに大沢ケンジは何を感じたのとか…… (C) MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、大沢ケンジ氏が選んだ2022 年3 月の一番。ONE130で組まれたアンジェラ・リー×スタンプ・フェアテックス戦について語らおう。


──大沢さんが選んだ3月の一番は?

「これはベタな選択かもしれないですが、アンジェラ・リー✖スタンプ・フェアテックスです」

──ベタでしょうか(笑)。

「解説をさせてもらっている大会のメインですしね。そういうことだろうって思われるじゃないですか(苦笑)」

──そんな下衆な意見は無視しましょう。素晴らしい試合でした。

「これは凄いことだと思ったんです。女子の最軽量級の試合が、10周年記念大会のメインを張っている。格闘技って、青木君も口にしますけど、『大きくないと』っていう見方があるじゃないですか。

それってプロレスとかもあるんですけど、格闘技が見世物じゃないけど怪物と怪物が戦い合うモノという見方があり、大きな選手しかメインを張れない。そういう時代が確実にありました。UFCも随分と軽量級の価値観を上げる試合を組んできましたけど、やはりビッグショーのメイン……その最後の最後にフライ級の試合やバンタム級の試合が来るってなかなかないです」

──トリプルメインの一発目──的な試合ですよね。

「そう、そうなんです。ないんですよ。そのなかでONEの10周年記念大会で女子アトム級のタイトル戦がメインになり、それを皆が受け入れている。さらにいえば、皆を納得させるメインでした」

──その通りですね。20試合、10時間超のイベント。最初から視聴しているファンは疲労困憊だったと思います。でも、そんな疲れを吹き飛ばす試合内容でした。

「それってONEの功績であると思うんです。ONEが始まった2011年にタイの女の子がMMAファイターになろうなんて、誰が思うことがあったのかっていうことですよね。

ONEはシンガポールは当然としてタイやマレーシア、インドネシア、フィリピンの血管の隅々まで血を巡らせた。本当にそう思える大会であり、メインでした。アジア、東南アジアの国はMMAというスポーツにおいて後進国でした。でも、そこにMMAを根付かせた。その象徴がスタンプの今大会のメイン出場だったと思います」

──ONE以前にMMA、しかも女子MMAが存在した日本。そこから出場している平田選手は、暫らく戦いたい相手にスタンプという選手名は出してはいけない。そう感じるほどでした。

「平田選手に関してはここで意見することは控えますけど、ONEの功績という部分でいえば彼女に勝ったジヒン・ラズワンはマレーシア人です。ONEがなければマレーシア人女子選手がここまで育つことはなかったと思います。

普通の体格、日本人でもいくらでもいる体格の女子がオールター大会のメインを締めた。アンジェラはママですしね。そのアンジェラがボディを効かされた。ボディを効かせたスタンプがまず凄いです。そしてアンジェラは完全に気持ちが折れた。

それでも挽回した。組まれたスタンプも、そこで一方的に攻撃されるわけでなく反撃もしていた。

アンジェラはツイスターまで駆使して戦って。それをまたスタンプも耐えていた。最後、RNCを極めていないとアンジェラは負けていたと思います」

──確かに。試合がラウンドを跨ぎ、スタンドでボディを抉られると終わっていたでしょう。

「彼女自身も賭けに出ていたと思います。結果、MMAの面白いところが全て詰まった試合になっていました。僕がMMAを始めた時って、僕の階級(※バンタム級)は世界になくて。日本でもパンクラスもDEEPもなかったです。重い階級の人しか目立つことがないスポーツでした。

それが少しずつ下の階級が充実してきた。修斗でもベルトが誕生し、キャリアの終わりごろにメジャー・タイトルもできた。日本には女子MMAはあったけど、マニアックな人気しかなかった」

──レベル的にも北米で女子が定着するまで、男子が認めないのも頷ける状態も長かったです。

「ハイ。ホント、そうですよね。それが国内ではRIZINで女子が認められるようになった。ONEという規模がさらに大きな舞台で……繰り返しますけど、アンジェラとスタンプがメインを戦い、試合内容で納得させた。凄い時代になったと思います。

MMAは選ばれた人にしかできないモノではなくて、皆がデキる競技になった。そう思わせてくれる試合で、本当に感慨深いモノがありました。

きっとタイで、あの試合を見て『私が敵を討つ』って思った女の子たちがMMAを始めますよ。個人的には勝てば最低でも1300万の女子タイトルマッチ──日本からも、そこをもっと目指して欲しいです。あの舞台を」

<この項、続く>

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ABEMA Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o ONE UFC キック キム・ジェウン ジヒン・ラズワン タン・カイ ボクシング 中国武術 剛毅會 岩﨑達也 平田樹 松嶋こよみ 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。タン・カイ✖キム・ジェウン&ジヒン✖平田樹

【写真】一発で終わる──そんな空気が流れる立ち合いのなかで、キム・ジェウンとタン・ガイにどのような差があったのだろうか (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たタン・カイ✖キム・ジェウン、そしてジヒン・ラズワン✖平田樹とは?!


──教え子である松嶋こよみ選手が離脱したONEフェザー級戦線で非常に高度な試合が見られたと感じました。

「互いにボクシングで戦っているなかで、動いて質量を養成するキム・ジェウンと定位置で質量を養成するタン・カイという対戦でした」

──その場で力を養成する選手、久方ぶりの登場です。

「タン・カイは倒れたキム・ジェウンに、即パウンドを落としていました。以前にも効かせた後の追撃で試合を決めるという場面がありました。1から2、2から3と動きが移行するなかで、タン・カイはラグなく動くことができます。それは──その場に質量があるからです。構えた時にエネルギーがあるので、それを目標に置くだけだからラグが生じないスムーズな攻撃が可能になります。

対してキム・ジェウンは動いて、エネルギーを創って打っています。凄く良いタイミングで右も左も打てているんです。ただし、タン・カイはきっと見えていたと思います」

──フィニッシュの左フック。完全にキム・ジェウンの右のタイミングを掴んでいたように感じました。それ以前の攻防で計っていたように。

「それは怖くないからできるんですよね。貰っても痛くない。見えている攻撃は、さほど痛くない。振りが大きくて強い感じがするパンチを打っているのはキム・ジェウンなんですが、タン・カイは見えていたと思います。

それとキム・ジェウンの構えでは、お腹が死んでしまいます。中心を無くしている。頭を振ったり、上半身を揺らして相手の攻撃を避ける。キム・ジェウンはそういう風に動くことが、動きやすくなっているんだと思います。ただし中心を無くしているので、体が一つにまとまらないようになっています。

中国武術の口訣(※カオチェ=「くけつ」。文書に認めず口で伝える奥義)のなかに外三合(ワイサンフウォ=「そとさんごう」、あるいは「がいさんごう」)という言葉がありますが──腕と脚、ヒジとヒザ、肩と股関節が揃って動いた時に力が出るとされています。この試合ではキム・ジェウンでなく、タン・カイの方が外三合でした」

──タン・カイが中国人だからということは関係ありますか。

「う~ん、彼のベースが何か分からないですが、打撃を続けてきたことで自然と……結果的にそうなったのだと思います。体が一つにまとまっていて、ブレがない。勢いでなく、強いパンチが打てるのは、打つ前からそういう状態にあるからです。

質量も当然タン・カイが高く、結果として間もタン・カイになります。あの空間に入り込むと、キム・ジェウンはぶっ飛ばされます。実はこの試合を見ている最中にネット環境が良くなかったのか、ABEMAの中継がフリーズしてしまったんです。ただし、その空間が見えていたので、この試合はよほどのことが起こらない限りタン・カイが倒せるなと思っていました。そして画面が動くようになると、タン・カイが勝っていたんです(笑)」

──強いパンチが打てる状態。つまり定位置でエネルギーを養成できていると。

「ハイ。動きながらエネルギーを創るのと、存在しているエネルギーを運ぶことは全く違います。とはいえ、これは武術でなくボクシング、キックボクシング、MMAファイターにもそういう選手はいます。そして、一目瞭然です」

──なるほどぉ。それにしてもタン・カイは強かったですね。

「定位置で要請しているエネルギーがあっても精神的な状態で試合に生かせる、生かせないがあります。それを試合で生かすことができるのは、タン・カイが日々厳しい稽古を課しているからです。キム・ジェウンを相手にビビらず、臆することなく戦っていたからですね。

強そうなのは平田。体力やセンスも平田だろう。では平田はどこでジヒンに遅れを取ったのだろうか

いや、今回のONEを見ているとアジア勢の成長に日本はついていけていない現状が見え隠れしましたね。

平田樹選手に勝ったジヒン・ラズワン、あの素人みたいな構え。

『これは相手にならないわ』と実は思ったんです。そうするとあの詠春拳のような素人構えのジヒンが左右にステップを踏んだ。アレをやられると、ボクシングが本当に身についていなくて、形だけ半身の平田選手の打撃ではジヒンを捕らえることができなくなります。

あの構えで蹴りを使っても、効果の得られないのに繰り返してキャッチされていましたし。組み勝てるなら、そうすれば良い。ただし、投げ勝てても組み勝ててはいなかった。

それもジヒンがあの構えで正面に立っているだけなら、そうはならないです。ただ彼女は左右にステップを踏んだ。アレは何かの武術なのかと思ったほどです。ジヒンはテイクダウンして寝技に行こうというなかで、打撃で勝とうとしていないです。グラップラーが下手にボクシングをすると、組みの圧力が落ちます。組みが強い選手が、組み力を犠牲にしない打撃が必要で」

──それがジヒン・ラズワンにあったということですか。

「ハイ。打撃で平田選手を攻めさせなかったのは、理論的でなく偶然だったかもしれないです。ただし、彼女があの構えをして動いていたのは組むため。平田選手は組まれるのが嫌になり、かといって打撃でもジヒンを捕らえることができなかった。ジヒン、ジヒンの指導者には感心させられましたよ。

結果論ですが、マレーシアの女子選手の方がしっかりとMMAを考えて戦っていた。きっと環境は日本より良くないでしょう。でも、平田選手より自分の組みを犠牲にしない打撃を使っていたんです。陣営としてジヒンの方が、平田選手より優っていた。平田選手はジヒンが嫌がる攻撃をしていなかった。対して、ジヒンは平田選手が嫌がることをやっていました。戦いの基本姿勢がそこには存在していたということです」

──う~ん、非常に興味深い話です。そして色々と考えさせられる。そんななか話をタン・カイに戻しますと──下世話な話ですが、松嶋こよみ選手はタン・カイと戦って勝っていたでしょうか。

「いつだったか、一度オファーがあり鼻の骨が折れていて断ったことがあったと記憶しています。まぁ指導している人間のことなので、色んな事は言いたくないですが──私のMMAを見る姿勢として、ボクシングだけの人と蹴りがある人ということです。2本と4本では、どっちの武器が多いのかと。注意するのも2つと4つでは違います。

だからといってボクシングがデキる選手が、蹴りを入れることで2+2が4になるかというと、これが相当に違います。キックボクシングで2+2ができていてもテイクダウンのあるMMAでは話が違ってくる。キックの打撃がMMAで生きるかといえば、それも別問題で。それがMMAの難しさであり、面白さなんです。

MMAグローブで戦うけど、練習で思い切りぶん殴ることなんてできない。だからMMAは難しいです。ONEでMMAグローブのムエタイを始めた当初、一流のムエタイの選手も戦い方が崩れていましたよね。ただし、今は作り直してMMAグローブ用のムエタイを彼らは見せるようになった。

そうですね、タン・カイやキム・ジェウンがMMAグローブでぶん殴って来る。それを想定して、ジャブ、ジャブ、ジャブっていう戦いができるのか。そこを見て稽古する必要があるということです。MMAとは、そういうことだと思います。とはいってもタン・カイにも弱点はありました」

──あの試合で弱点が見られたのでしょうか。

「ハイ。タン・カイは居着いています」

──居着く……。あっ、キム・ジェウンの攻撃を計っていた。

「そうです。相手の攻撃を見ていた。つまり、居着いていたんです。計るということは、相手の攻撃に自分を合わせてしまっているんです。だから後の先を取れたのですが、キム・ジェウンがナイフを持っているような武器があれば、あの戦いをタン・カイはできないです。

キム・ジェウンが先の先が取れていると、キム・ジェウンが勝てた試合です。タン・カイは後の先を取るのではなく、取ろうとして戦っていたので。つまり試合中のほとんどの時間で取れていなかったことになります。取るために戦っていた。なら、先の先を取っていれば勝てた。キム・ジェウンが数センチ、足の位置をずらしていれば……例えば蹴りを見せていれば、タン・カイは反応するのであの戦い方はできなかった。そうなればキム・ジェウンは先の先が取れていた。そうなっていればタン・カイは受けに回ることになります。受けに回る、それが居着くということです。

この試合ではカウンターが取れたので、後の先が取れたことになります。取れなければ、居着いていた。相手を居着かせるのが、武術の究極の目的であり、そういう戦い方が存在します。数センチの違いであれだけ強いタン・カイをキム・ジェウンは倒す可能性もあった。非常に興味深い試合でした」

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MMA MMAPLANET o ONE ONE130 ジヒン・ラズワン 平田樹

【ONE130】投げるも抑え込めず――ラズワンがTDとコントロールで上回り、平田樹は初黒星

【写真】平田は6カ月ぶりの試合で初黒星――この経験を今後にどう生かすか(C)MMAPLANET

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジヒン・ラズワン(マレーシア)
Def.2-1
平田樹(日本)

高くガードを構える両者、ともに左ローを繰り出したあと、平田がダブルレッグで組みつく。しかしワキを差されながら下がって離れたラズワン。平田の右ローをすくい、そのままケージに押し込んでいく。両腕を差し込むラズワンに対し、オーバーフックで対応する平田が首相撲から体勢を入れ替えた。ケージに押し込みながら、払い腰でテイクダウンを狙う平田だが、これをオーバーフックで防いだラズワンが立ち上がり、平田をケージに押し込む。

ケージ際で右ヒジを出すラズワンに対し、体勢を入れ替えた平田だが、ラズワンにポジションを取り返されてしまう。ケージからはなれた平田、ケージ中央で左ジャブと前蹴りで距離を探るも、ラズワンが一気に距離を詰めて平田をケージに押し込む。平田が相手の頭を押さえてヒザ蹴りを突き上げる。しかし体勢を入れ替えることはできず、レフェリーからもアクションの注意が入り、さらにブレイクが掛かった。残り30秒、ケージ中央で平田が右を当てるも、投げをかわされ、ラズワンがバックを狙いながらケージに押し込み続けた。

2R、平田が右ストレートから前蹴り。この蹴り足をキャッチされ、テイクダウンを狙われてしまう。平田の投げをかわしたラズワン、ケージに押し込まれるも離れて、反対に打撃で平田にケージを背負わせた。平田はダブルレッグで組みつき、ラズワンをケージに押し込んだが、ラズワンが体勢を入れ替えた。平田は右腕でオーバーフックを取りながら払い腰でテイクダウンに成功する。しかし抑え込むことができず、ラズワンが立ち上がって平田をケージに押し込んだ。

ケージ際の差し合いから、再び同じ形でラズワンに背中を着けさせた平田。バックを狙うラズワンを抑え込むが、ラズワンもケージをつたって立ち上がった。平田はそのラズワンをボディロックから押し込んでいく。グラウンドに引きづりこみ、バックに回る平田だったが、ラズワンに立たれてしまう。すると反り投げでテイクダウンした平田。ラズワンは下から平田の右足を取りに行った。平田は足を組んでディフェンス、ラズワンがそのクラッチを解こうとしたところでラウンド終了のゴングが鳴った。

最終回、ラズワンが前後のステップからロー。平田は右前蹴りを相手の顔面に突き刺すも、ラズワンが組みついて平田をケージに押し込んだ。体勢を入れ替えた平田の首を取ったラズワンが、頭を抜いた平田にダブルレッグで尻もちを着かせた。立ち上がる平田。相手を押し込んで右ヒジを見せるも、続く前蹴りをキャッチされ、尻もちを着かされた。平田の足をたたみ、しっかりとケージに押し込むラズワン。平田は立ち上がり、ケージに押し込まれながら足をかけにいくも、反対にラズワンにシングルでこかされてしまう。

マットに背中を着かされた平田。ラズワンしっかりとホールドして抑え込む。左足を上げていく平田だがラズワンの抑え込みが強い。平田はスイープ、しかしラズワンが体勢を戻して立ち上がった平田をケージに押し込む。ボディロックで組むラズワンをこかした平田だが、ラズワンが下から足を回して仕掛ける。残り20秒で立ち上がった平田、レフェリーもブレイクをかけるが、平田は仕掛けることができず。ラズワンが観客へピースサインを見せた。

裁定は割れたがラズワンの勝利。平田樹はこれがMMA初黒星となった。


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【ONE130】ガルバォンと組み技戦、二階級王者ライニア・デリア―「ガルバォンは15分間サバイブできない」

【写真】ガルバォンのボディがヤバい……(C)MMAPLANET

本日26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」でONE世界ミドル級&ライトヘビー級世界王者ライニア・デリガーがアンドレ・ガルバォンとグラップリングマッチを戦う。

2月にウェルター級王者キャムラン・アバソフの挑戦を一蹴し、その組み技力の高さを改めて見せたデリダ―が、柔術界のレジェンドとの戦いに向け――自信のほどを口にした。


――2月25日にキャムラン・アバソフを一方的な展開で下し、その時にマイクアピールをしていたアンドレ・ガルバォンとのグラップリングマッチが実現します。それにしてもアバソフを一方的に下したミドル級の防衛戦には驚かされました。

「上手くいったね。試合はいつだって一方的にドミネイトしたいと考えているし、少しでも早く極めたいと思っている。いつもそうなるとは限らないから、凄く達成感があるよ。あの試合後、少しだけ家族と過ごしてシンガポールをまた訪れることが楽しみだよ(※取材は3月16日に行われた)」

――ライニアは打撃でKOをするタイプではないですが、しっかりと相手の打撃を見ることができる。そして組み技につなげて、最後はグラウンドで仕留めるウェルラウンダーだと再確認できました。

「だって毎日のようにオランダのキックボクサーと練習しているからね。常に進歩しているよ。打撃の練習も好きだし、楽しんでいる。けど常に僕は柔術を代表して戦っているつもりだ。いつか僕のテイクダウンをストップする相手が現れた時は、打撃をもっと披露することになるだろうね」

――その柔術に関して、以前のインタビューで「ポイント制でホールドするのが嫌いで、柔術の試合には出ないようになった」と言っていました。そのライニアがサブオンリーでガルバォンというレジェンドとサークルケージの中で戦います。

「なぜ、試合場に来て戦わずに守ることばかりを考えるのか、僕には理解できないんだ。生き残れば良いのかな? 僕は自分の培ってきた技術の全てを駆使して、ガルバォンを倒しに行く。僕のグラップラーとしてのキャリアのなかでも、ガルバォンのような強豪と戦うのは初めてだし、凄く楽しみにしている。もっと楽しみなのが、彼に勝つこと。この機会を得ることができて、本当にハッピーだよ」

――とはいえ、ここ数年のガルバォンのADCCでのスーパーファイトはポイントを取って守るというものです。それでもポイントがあれば、まだ観客は勝ち負けの目安が観客も分かります。今回はサブオンリーで、観客にもタフなファイトになるかもしれないです。

「試合はケージで行われる。ガルバォンは逃げる場所がないよ」

――防御能力の高さ、それがIBJJFのトーナメントで優勝できる選手の共通項です。そのガルバォンが守りに徹すると、相当に難しい試合になるかと。

「対戦相手が何をするか、それは関係ない。僕がこれまでどういう試合をしてきたか。今回も同じように、完全にドミネイトすることを考え。少しでも早くフィニッシュするために戦うよ。ガルバォンは15分間もサバイブできない。

彼はテイクダウンから試合を組み立てていく。立ち技ではスナップダウンがとても巧妙だ。スナップダウンに引っかからないよう、しっかりと間合いを考えて戦う必要がある。ガルバォンがトップを取ると安全策を取って厄介になるからね。でも、僕がテイクダウンを奪われることはないよ」

――いなしに注意。そこが楽しめるファンは相当にコアですね。ところでMMAでは上攻めのグラップラーですが、パンチがないグラップリング戦だと下になる選択はありますか。

「ノー。僕が引き込むことはないよ。テイクダウンされたり、スイープされてボトムを取ることはあっても、自分から下にはならない。狙いはテイクダウン、トップを取ってバックに回ることだよ。MMAから打撃を抜いた組み技をする。引き込むことはない」

――15分間だと、ガルバォンも慎重になるでしょうね。スタミナを切らさないために。

「その通りだ。だから僕はプッシュし続ける。15分間、動き続けるだけのコンディションを創っているしね。動いて、ガルバォンをもっと疲れさせるんだ。彼のゆっくりしたペースを速く動いて、崩す必要があるからね」

――キック、ムエタイ、MMAのなかで行うグラップリング。観客には知識と我慢が必要なのがグラップリングです。その状況でどうファンを満足させたいと考えていますか。

「積極的に動いて、極めを狙う。そしてキックやムエタイ、MMAの試合を楽しんでもらうストラクチャーの役割を果たすよ。僕はヘッドライナーじゃないし、自分の試合を楽しんでから、ビールでも飲みながら他の試合を視て楽しむよ。それにこの歴史的なショーに参加できること自体が嬉しいしね」

――今後もグラップリングマッチを戦うことはありますか。

「もちろんMMAが僕のメインフォーカスだ。ただビッグネームと戦えるなら、グラップリングファイトもチャレンジしたい。ブシェシャ、ゴードン・ライアン、そんなビッグネームとならグラップリングでも戦いたい」

――ではMMAファイターとしての今後は?

「ヘビー級のベルトを狙いたい。正規王者のアージャン・ブラーと暫定王者のアナトリ―・マリキンがまずは戦うべきなんだろうけど。マリキンはロシア人だから、この先ONEで戦えるのか……。そこも関係してくるね」

――ライニア、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「実は今、リキ・フクダ(福田力)と練習しているんだ。リキはUFCやアジア(※Road FC)で戦ってきた、本当のナイスガイだ。日本はMMAで長い歴史を持っている。そんな日本のファンにも僕とガルバォンのグラップリングマッチを楽しんでほしい。そして、いつの日が僕も日本で戦いたいと思っている」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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【ONE130】アジア最高峰のフェザー級戦=キム・ジェウン戦へ、タン・カイ「全世界に衝撃を与える」

【写真】この2人とやりあえる日本人ファイターが、どれだけいるのか。いや、両者の戦いに割って入る日本人選手が現れてほしい(C)MMAPLANET

本日26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」でタン・カイがキム・ジェウンと対戦する。

1月28日に対戦する予定だった――このアジア最高峰のフェザー級マッチは、試合当日はキャンセルとなった。ボーナス獲得まで青写真を描いていたタン・カイに、仕切り直しの一番を記念大会で戦うことになった心境を尋ねた。


――1月28日に対戦が決まりながら、流れたキム・ジェウン戦がついに実現します。

「あの時は試合当日にキムが陽性になったことが分かったんだ。僕が知ったのも、大会当日のお昼で会場に向かう数時間前だった。ホント、あの時は落ち込んだよ。どのように試合を終わらせるかをずっと頭の中に描くだけでなく、5万ドルのボーナスを手にすることも思い描けていた。それが全てなくなってしまって、もう言葉もなかったよ」

――結果、ONE XというONEの歴史で最大のイベントで戦うことになりました。

「ONEの10周年記念大会で戦えることは、とても光栄に思っている。特に僕は今大会に出場する唯一の中国人選手だし。この試合は僕を応援してくれるファンが待ち望んだ試合で、このビッグショーでONEが試合を組んでくれたことは、僕がそれだけ買われている表れだと思っている。その期待に応えるために、良い試合をしたい」

――20試合が組まれた今大会でも、ボーナスを獲得する自信はありますか。

「自信? メチャクチャあるよ。20試合、40人の選手が戦うイベントでボーナスを獲得するにはただフィニッシュするだけじゃ物足りない。見た目も最高のKOで勝ちたい。必ず、そんなKOを皆に見てもらうよ。全世界に衝撃を与えるようなKO勝ちを、ね」

――派手な打ち合いの方がボーナスは貰いやすいです。そんな殴り合いか、一方的な勝利か、どちらを望みますか。

「そりゃあドミネイトしたいよ。でも、簡単に行くわけがない。キム・ジェウンはそれだけの強豪だからね。結果、ギリギリの殴り合いにならざるをえないだろう。と同時に、僕とキムの試合はONE Xにおいて、もっともテクニカルな戦いになるはずだ」

――キム・ジェウンは本当にタフな相手です。この一番がタイトル挑戦に向け、とても重要になってくるはずです。

「うむ……3月11日の大会後の会見で、チャトリが僕らの試合の勝者がタイトル挑戦権を手にできると発言したはずだ。だから、次のタイトルチャレンジャーは僕になる」

――それだけの自信、どこから湧いてくるのでしょうか。

「絶対的に打撃は僕の方が上だ。スピード、移動、フットワークも僕の方が優れている。どの状況になっても、少し僕の方が速いと思う。それが僕のアドバンテージだ」

――ターゲットであるタン・リーが、56秒でゲイリー・トノンを破ったことについて、どのような印象を持っていますか。

「タン・リーは素晴らしい試合をした。ゲイリー・トノンはとても危険なファイターだけど、皆が知っているようにウェルラウンディット・ファイターじゃない。柔術に関しても、超一流だ。ただし、打撃など弱点もある。それにしても、あの足関節にパニックにならず冷静に対処し、パウンドで失神させるなんてタン・リーは本当に良い仕事をしたよ」

――グラップリング、ムエタイ、キック、フリースタイル、MMAが混在する中で、キムとの本格派対決でどのような試合を世界に見せたいと思っていますか。

「さっきも言ったようにお祭りのようなイベントのなかで、僕らの試合は最高にテクニカルな試合になるだろう。そんなタフな試合で、自分の知る限りの知識を使い、できる限り最高の動きをする。現状で最高のタン・カイの戦いをすることを約束するよ」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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【ONE130】2月17日に秋山成勲が語っていた青木真也戦「青木君ってビビり、あの子も臆病ですよね」

【写真】本計量から5時間近くを経て、セレモニアル計量で対峙した両者。リカバリーがあるとはいえ凄まじい肉体を誇る秋山と通常体重の青木(C)MMAPLANET

本日26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」。同大会で青木真也と秋山成勲が対戦する。

DREAM時代からの因縁、両者の立ち位置が違ってきても水と油であることは変わりなかった両者の一戦は、昨年10月のRoad to ONEでの青木のマイクアピールより、遺恨が表面化し対決の時を迎えた。

両者がケージに相対する時が刻々と迫る中、同カードが決定し発表前に取材した秋山の声をあえたこのタイミングでお届けしたい。2月17日に秋山成勲が語っていた青木真也戦――とは。


――まずONE10周年記念大会での青木真也戦が決まった秋山選手です。正直、青木真也側のマッチアップであり、秋山選手にとっては貰い事故ではないかと。

「アハハハハ、貰い事故。良い例え方しますね。まぁ、貰い事故という言い方をすると青木君が悪くなってしまうので。喧嘩でも、喧嘩両成敗ということがあるようにどっちがどうこうというのはないと思うのですが、青木選手の階級に自分が行くということで、そういう風に見えてしまうのは仕方ないと思います。

単純に自分が水抜き減量なしで、77キロで戦うことがなかったのでリスキーはリスキーです。そこに関しては不利でしかないというのもあります。でも、それも全部踏まえて俺の人生の1ページなので。長い目で見ると、楽しい思い出になるとは思っています。気負っているとか、そういう変な意味でなく。この年になると、人生を長く見るような形になってきてしまうので。それはそれで受け入れて、勝ちをもぎ取るというほうが人間として恰好良いかなと思っていて。まぁ、巻き込まれているという言い方をされるのも分かりますし……そうですね、良いところをついた表現ですよね、貰い事故というのは」

――秋山選手がONEでやるべきことは、韓国のMMAをONEとともに盛り上げる。底上げするということが第一だったと思っています。

「うん、そうなんですよ。そこは、本当に」

――韓国の将来のために、世代交代マッチならいざしらず。青木選手主導の遺恨マッチによく足を踏み入れたな。うまみの無いファイトの相手役を受けたという印象が強いです。

「アハハハハ、そうですよね。まぁ青木君とABEMAの北野(雄司)さんの目論見じゃないですか(笑)。この試合はそうですよ。それに俺が乗っかったようなもので」

――ただし、昨年10月のあの青木選手のマイクに対し、秋山選手が馬鹿丁寧に正論で言葉を返した。あの返答、ファンもついてこられないような両者のズレで青木ワールドだけでなく、秋山色に染まった感がありました。あれは面白かったですよ。

「あぁ、そうなんですか(笑)。ありがとうございます」

――あの「年上の人間に口の利き方が――」というな道徳の教科書かっていう返しで(笑)。

「あの日、何かを言われるとは思っていましたけど、答えを用意して解説をしていたわけではなかったです。それにセリフじみたことを言っても、皆にばれちゃいますし。でも生中継中で、だんまりを決め込むわけにもいかない。なら正直に話すことが何よりも皆に伝わると思いました。ケガをして戦えないのだから、無理なものは無理で。なら、ごめんねと伝える。それだけのことだと思うんです。だから。それについてガタガタ言われても……それよりも、年上にはちゃんと喋らないといけないでしょ、みたいな」

――アハハハ。それが絶妙でした。

「あの興行は俺が創って、青木君のファイトマネーも俺が払ってんだよって。そこは言いたくなかったけど(笑)。なんで、興行主にそんな唾を吐いてくるんだとは思っていたんです。でも、そこはぐっと我慢して口にせず、『いやいやいや』と。それだけですよ」

――ニュー秋山カラーというのか。実際、ヌルヌル事件にしましても、そこをずっと言及されるのも事実だし、キレーごとを言いやがってと捉える人もいると思います。ただ、自分は2015年11月のUFCソウル大会、あの場で韓国語で韓国人の記者と、韓国社会の中に入ってやりとりをしている秋山選手の姿を見て、どれだけのことを乗り越えてきたんだろうと思ったことがありました。

「いろいろと敏感なところ、その狭間で生きてきた人間が韓国社会に受け入れられるまでに凄く叩かれたこともありました。だからといって、桜庭さんと戦った時にやったこととは別です。違う話です。それは一生背負っていかないといけないもので、秋山は変わったと思われ、そこをチャラにできるとは思っていないです。仮に今の私を見て、そのように思ってくださる人がいればありがたいということで。

今回の青木君との試合を見て、そんな風に思ってくれる人がいるなら、それもありがたいです。でも、なかったことにはできないですからね」

――青木真也ペースのなかで、この試合を受けた。そして、自分のモノにしようという気持ちもあるかと思います。それが今の秋山成勲なのかと。

「そこまで考えてやっていることではないです。ただ、やるしかない。やるしかないのだからやります。今、韓国はオク・レユンがONEの世界ライト級王者になり、キム・ジェウンがマーチン・ウェンをKOした。キム・ウォンイルもケビン・ベリンゴンをKOしています。

ここで僕が負けると、ONEの韓国大会を頭とってやれる状況でなくなってしまいますからね。この試合、実は韓国では心配されているんですよ。身内になると優しいので、77キロで戦えるのか――って、オカンみたいに見守られている感じです(笑)」

――改めてONE10周年記念興行で戦うことに関しては、もう異論はなかったですか。

「戦える状態なので試合をするのは当然なんですけど、やはり体重のことがあったので、階級が違うから契約体重でも良いのではないかと提案はしました。そうしたら完全に蹴られたので、『なんだ、こいつ。プロレスラーじゃねぇなんだな』と思いつつ、自分が頑張るしかないなと思って受けたという形ですね。

それが青木君の勝ちにこだわる。素晴らしい点だと思います。だから素晴らしい選手と戦えるということをモチベーションにしないといけないですよね。正直、1カ月ちょいあっても体重がなかなか落ちなくても、ヤキモキしている状態です。その殻を破ることがストレスにめちゃくちゃなっているのですが、それ以上に青木選手と戦えることを楽しみに感じないと体重は落ちないと思います。

だからムカつくとか、ああだこうだは置いて素晴らしい選手と戦える……強いやつと戦いたい、それが嬉しいという子供のような気持ちでいないと、マジで厳しいですね。それぐらいリスキーな部分が……、これまでやったことがないので、やはり思います。でも、その初戦でチャンピオンクラスの人と戦えるのは、格闘家として良いことで。この試合はチャンスだと捉えないと、やっていられないなと思います」

――その慎重さ、気持ちの作り方は臆病さの表れでもあるかと思っています。同時に怖さを克服するという部分こそ、勝敗を別にすると何よりも大切なことだと思えるんです。

「ホンマ、そうですね。77キロに落としても力で勝負したいです。正直、83キロより全然力は落ちると思います。77キロの青木君の方があるかもしれない。でも『なんだ、こいつ』と思わせたいです。柔道から培ってきた貯金を上手く使いながら、青木君を面食らわせたいですね。

青木君ってビビり、あの子も臆病ですよね。だから勝ちにこだわる。その臆病な部分を引き出すことができれば、勝ちにつながる。そこが自分の勝負どころだと思います」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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【ONE130】ロッタンとミックスファイトを戦うDJ「MMAでの経験をムエタイルールに持ち込む」

【写真】高度な格闘議論をご機嫌な様子で語ってくれたDJ(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、デメトリウス・ジョンソンがロッタン・シットムアンノンとムエタイ→MMA→ムエタイ→MMAというフリースタイル=ミックスファイト戦う。

一方が完全に得意とする分野で交互で戦う――ある意味、見世物的な要素が高い試合もDJにかかると高度な格闘術となる。ムエタイルールを戦うことで、よりDJのMMAファイター像が明白となる言葉が聞かれた。


――今はまだワシントン州ですか。

「そうだよ。日曜日にシンガポールへ向かうよ(※取材は3月19日に行われた)」

――フリースタイル=ミックスルールでロッタンと対戦します。非常にユニークな経験になりますね。

「昨日、最後のトレーニングセッションが終了したんだ。コーチのマット・ヒュームから『何も問題ない。サブミッションはOKだし、コンビネーションも抜群だ。スタミナも十分』と言われたよ」

――このルールセットでロッタンと戦うというオファーはいつあったのでしょうか。

「最初は11月だったと思う。12月に戦う予定だったけど、コロナで延期になったけどね。こういうルールで戦うのも楽しみだよ。ロッタンはムエタイのナンバーワン・ファイターだからね。その彼がMMAもある、ミックスファイトに挑んでくるのだから」

――この手のルールは見世物感がありますが、DJとロッタンが戦うということで興味深いです。

「キョージ・ホリグチがテンシンにキックルールで挑んだり、シンヤ・アオキがK-1ファイターとミックスルールで戦ったり、K-1からミルコ・クロコップがヴァンダレイ・シウバにMMAで戦ったこともあった。2つの分野のトップ選手が戦うというのは、凄くエンターテイメントなファイトのなかにも価値があるよね。

今回のムエタイとMMAが交互に行われる試合に、MMAのトップの1人である僕とムエタイのベストであるロッタンが戦うのも同じだ。ただムエタイ選手とMMAファイターが戦う場合、立っても寝ても戦えるMMAファイターが有利なのは当然のことだよ」

――今、例に上がったファイトは全て日本で行われてきたものです。今回の試合、米国のファンのリアクションはどのようなものなのでしょうか。

「米国のファンは『なせ?』と思っているだろうね。昨年4月にアドリアーノ・モライシュにグラウンドでのヒザでTKO負けしても、なぜ反則勝ちじゃないんだという風に捉えられていた。ONEでは有効なヒザ蹴りが、米国では反則と思われている。グラウンドでのヒザ蹴りですら、米国では馴染みのないものだから今回のスペシャルルールは、あまり理解されていない向きはあるよ。日本とは違うんだ。日本だとグラウンドでのニーに戸惑うファンはいないじゃないか」

――DJも言われたようにMMAファイターはMMAルールで戦えば絶対的に有利な試合だと思われます。だから先に立ち技のルールが用いられます。

「今回の試合は1R3分、3分×4R制というのがまずMMAと違う。もちろんMMAが最初にくれば最高だよ。グラウンドに持ち込んで早々にサブミットだってできるだろう。でも、同様にムエタイルールで僕は早々にKOされる可能性がある。どんなことだって起こりえるのが、このルールだ。そして僕はムエタイを取り入れてMMAを戦ってきた。その3分間も、逃げ回るわけじゃない」

――勝ち負けでなく、試合展開として2Rは予想がつきやすいです。ただ初回は分からない。厳格にムエタイルールが守られ、拳や蹴りの届く位置で常に手を出し合って戦うことを強要されると、本当に厳しくなります。逆にMMAの距離で戦うことができれば、DJが3分間を乗り切る可能性は高くなる。

「1R……そうだね、ロッタンがこれまでONEで戦ってきたムエタイの試合でも、対戦相手はウェスタン流というか、普段は真っ向勝負しているのにロッタンを相手にはそういう戦いはしなかった。ステップを踏み、距離を考えて動いていた。ONEはマーシャルアーツの価値を尊ぶ組織だ。ウェスタン・ムエタイというべき、立ち技戦を僕はロッタンに挑むつもりだ。

もともと角度とタイミングを重視するというのは、僕のMMAの一部だ。そうやってプレッシャーをかけてきた。その先にはテイクダウンがあるからね。MMAでの経験をムエタイルールに持ち込む。ロッタンが首相撲を仕掛けてきても、僕だって対応できる。過去10年、ずっと見せてきたようにね。これまで培ってきた技術を駆使して、僕はムエタイに対応する。そういう試合を世界に披露するんだ」

――いよいよ、どのようなムエタイになるのか予想がつかないのですが、とても楽しみになってきます。首相撲で対抗するって、相当にリスキーではないですか。

「凄くリスキーだよ。それは承知している。だって、そうしないならこのルールに挑む必要はないだろう。何も示さないのに戦う意味はない。ムエタイが3分、MMAが3分。1R3分の試合を最後に戦たったのはアマチュアの時だよ。MMAルールでも試合はスタンドから始まる。ロッタンはクリンチも使えるだろう。90秒の間にテイクダウンしてグラウンドに持ち込む。そう断言するよ。3分しかないからね。5分あれば2分間をスタンドで過ごしても構わない。でも3分だ、積極的なアタックし続ける。

ただし焦りは禁物だ。急がないことが大切になってくる。同時にロッタンもMMAルールで逃げ回ることはないだろう。テイクダウンをスプロールしようとして、戦ってくるはずだ。ムエタイからMMAに転じるとアングル、レンジとプレッシャーをかける。2人の取るべきスタンスが、ラウンドごとに変わるようになる。だから、この試合は面白いファイトになるんだ」

――ただ過去のミックスファイトルールでは、青木真也選手が初回のキックルールを生きのびた直後、MMAルールになりテイクダウンにヒザを合わされてKO負けということがありました。

「まず、あの頃のシンヤ・アオキは打撃ができていなかった。今はムエタイをもっと使えるようになっている。あの試合から学べることは……焦らないこと。初回、アオキは手を使わず料理しろと言われていたようなものだった。そして、2Rは手を使って良いと言われた。その瞬間、なんでもできると攻め気になった。2Rになってもラッシュはかけない。自分のゲームをすれば、それで良いんだ。プレッシャーをかけてからだよ、組んでグラウンドに持ち込むのは。シンヤはあの時、急ぎ過ぎていた」

――10周年記念大会にスペシャルルールで戦うDJですが、この大会以降は再びMMAのフィールドに戻りタイトルを目指すのでしょうか。それともスペシャルな存在として、何か特別な意味合いのある戦いに挑み続けることになりますか。

「MMAに戻るよ。僕はMMAを愛しているし、MMAの練習をすることが生きがいになっている。世の中にはベストボクサー、ベスト・ムエタイファイター、ベスト・キックボクサー、ベスト柔術家、ベストレスラーが存在するけど、それが一体化したときのレベルの高さには自分でも自信を持っている」

――もちろんです。そこにかけてDJほど、MMAをMMAとして多くの技術を融合できているファイターは今も稀です。

「ボクシングを使う局面なのか、ムエタイなのか。その判断が自然とでき、動きに連弩うできるかどうか。スパーリングでも自分の体が求める動きをしているんだ。だからムエタイを戦っていても、自然な反応で相手の動きを止めることができるはずだ。ブルース・リーがいった『Empty your mind, be formless, shapeless – like water』だよ」

――心を空にして、形をなくす。水のように――ですね。

「ブルース・リーの言っていることは、一つのスキルセットに固執するんじゃなくて、どんな状況でも適した手段をこうじろということだと思うんだ」

――ジークンドーでなく、それがDJのMMAコンセプトですね。ところでONEが開拓しようとするグラップリングシーンでマイキー・ムスメシと戦うようなことは考えていますか。

「マイキーはピュアグラップリングではモンスターだ。僕のグラップリングの腕前をチェックしたいんだね(笑)」

――ケージがあるなかで、DJはどのようなグラップリングを見せることができるのか。そこが凄く興味深いです。

「あぁ、なるほどねぇ。そういうことか、それならやる意味があるね。言いたいことは分かったよ。確かに興味深いね」

――ハイ。マイキーにMMAを戦ってほしいとは特に思わないですし。もちろん、興味深くはあるのですが……。ところでONE Xで行われる世界フライ級選手権試合、DJはどのように予想していますか。

「ユーヤ・ワカマツのスキルセットは、フットワークを駆使パワーのあるパンチでKO勝ちを狙うものだ。ただしミキーニョも、立ち技に優れたウェルラウンダーだ。グラップリングにおいてはユーヤ・ワカマツをリードしている。スピードで上回るのはユーヤだけど……いや予想はできないよ。KOならユーヤ。サブミットならミキーニョだよ」

――DJ、興味深い話をありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本の皆のサポートに感謝しているよ。また皆に会いたいし、日本で試合がしたい。コロナ禍でもしっかりと健康に気をつけてほしい。日本で試合ができる機会が訪れるなら、いつだって戦うよ。いつでも、ね」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

The post 【ONE130】ロッタンとミックスファイトを戦うDJ「MMAでの経験をムエタイルールに持ち込む」 first appeared on MMAPLANET.