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Report UFC UFC250 ニール・マグニー ブログ ロッコ・マーチン

【UFC250】序盤の接戦を競り勝ったマグニーが、最終回を完全に取りマーチンから判定勝ち

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
アンソニー・ロッコ・マーチン(米国)

左右に回るサウスポーのマグニー、マーチンが左を伸ばして組みつく。離れたマーチンは右ロー、圧力をかけるマグニーだが組まれてバックを許す。マグニーは胸を合わせて首相撲、マーチンはダブルレッグを仕掛けて逃れる。残り2分でマーチンは離れると、左ジャブを伸ばす。オーソで構えたマグニーも右ジャブから組みつくが、逆にマーチンがケージに押し込む。間合いを取り直した両者、マグニーが右ローを2発入れ、マーチンが左を振ってクリンチへ。マグニーが押し返して離れ、初回が終わった。

2R、マグニーがジャブを伸ばしロー、踏み込んだマーチンが右を伸ばす。マグニーの前進にカウンターで右を被せたマーチンは、ローをチェックしつつ前に出てワンツー、ダブルレッグでテイクダウンを奪う。ハーフから左腕を差したマグニーが、ワールドにもダースにも入らせず立ち上がり、ケージにマーチンを押し込む。体を入れ替えたマーチンは間合を取り、右を伸ばす。続くケージ際のクリンチ戦でマーチンがキムラロック、リリースして距離を取る。

マグニーが追いかけて圧力がかけるが、手数は少なく組んで逆にケージに押し込まれる。残り15秒で打撃の間合いとなった両者、結局マグニーはクリンチを選択した。

最終回、細かいパンチをまとめたマーチン。左ジャブを伸ばすマグニーが前蹴りを見せる。組みついたマーチンはボディッロックテイクダウンを奪ないとみると、離れる。前に出てヒザを入れたマグニーに対し、マーチンは疲れたか。マグニーは右を当てて組みつくと、ボディロックへ。ウィザーで耐えるマーチンは、テイクダウンを許さず右を差し返す。マグニーはエルボーを入れてハマれ、ワンツーを伸ばす。

右を被弾し左に回るマーチン、組んでも力がなくマグニーがヒザをボディに連打する。ガブリからヒザを入れたマグニーは、大きく息をするマーチンに圧力をかけてヒザ、エルボーへ。マーチンはシングルから胸を合わせると、離れて時に完全に動きが落ちる。

ワンツーから右を当て、組んだマグニーは首相撲でヒザを当て、エルボーを打ち込む。マーチンは組んでも粘れず、打ち合いには下がるという厳しい時間に。それでも右を当てたマーチンは、直後に右を被弾しローを蹴られる。パンチを振るったマーチンが組んだところで試合は終了。最終回は完全にマグニーだが、互角の初回と2Rをジャッジはどのように判断するか。

結果、2-0でマグニーが勝利した。


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Report UFC UFC250 エディ・ワインランド ショーン・オマリー ブログ

【UFC250】あのワインランドをワンパン&100点満点KOも、ショーン・オマリーはクールなまま

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー(米国)
Def.1R1分54秒by KO
エディ・ワインランド(米国)

右サイドキックを蹴ったオマリー、さらにローを入れ右ハイを蹴っていく。オマリーの左ハイに踏み込んで、右を振るうワインランド。ワイドスタンスで飛び込むワインランドに対し、オマリーは前蹴りから左を狙う。ここにワインランドは右をカウンターで合わせ、オーソに構えたオマリーが後ろ回し蹴り、そのままサウスポーに戻して左ミドルを蹴り込む。直後に右を当てたオマリーは後ろ回し蹴り。

ワインランドは頭を下げてかわす。バランスを崩してマットに手をついたオマリーだが、すぐに立ちがあり、右アッパーのフェイクから右ストレート一閃。アッパーに若干反応し、ガードが下がったワインランドが、アゴを打ち抜かれると──体が硬直したように一直線にキャンバスに倒れた。

「僕はMMAでベストストライカーだ」と話したオマリーは、ワインランドという元WEC王者と対峙してどう感じたという質問に「全く何も」とクールに返答した。


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Report UFC UFC250 アレックス・カサレス チェイス・フーパー ブログ

【UFC250】アレックス・カサレスがチェイス・フーパーを寄せ付けずフルマーク判定で完勝

<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
チェイス・フーパー(米国)

サウスポーから右リードフック、ジャブを伸ばすカサレス。フーパーも左を返し、右を振る。その右にアッパーを合わされ、ヒザを着いたフーパーは立ち上がって前に出るが、カサレスが右をヒットさせる。さらに左を入れたカサレスは、組まれるとバックを伺い、反応されてもヒザを突き上げて離れる。フーパーは左を振るって組みつくとバックへ。スタンドで両足をフックしたフーパーは、着地して胸を合わされそうになると離れる。

カサレスは右ジャブ、右ハイ、右フックを振るう。フーパーは常に前出るが、そこにジャブや左フックを受けることが多い。右から左を当てたカサレスは左ジャブに組んでバックへ。前転についていくとフーパーが足関節へ。ロールして逃れたカサレスが初回を取った。

2R、ワンツーからスリーで前に出るフーパー、カサレスが左に左を合わせる。組まれたカサレは押し返し、ケージに詰めてから離れる。右に回りつつ、フーパーを迎え撃つカサレスがワンツー、スイッチしてきたフーパーにボディを決め、左を入れる。直後に組みついたフーバーがバック残り切れず、前方に落とされる。フーパーは立ち上がり左をヒット。すぐにクリンチ戦となり、ヒザを見せたカサレスが離れる。左ハイの空振りにバランスを崩したフーパーが立ち上がると、カサレスが左フックをヒット。組んだフーパーはジャンピングガ―ドから引き込んでハイガード、体重を預けてから下がったカサレスがスタンドに戻る。

再び引き込んだフーパーに対し、殴って立ち上がったカサレスがローを蹴っていく。前に出てきたカサレスに、草刈りスイープを決めたフーパーがトップから左のパンチを落とす。腹を蹴ったカサレスがスタンドに戻り2Rが終わった。

最終回、ワンツーで前に出るフーパー。左で迎え撃つカサレスは右ボディ、そして左フックへ。右フックを被せ、直後に右ボディを打ち抜くカサレスは、まっすぐ突っ込んでくるフーパーに組まれバックを許す。カサレスはクラッチを剥がして離れると、右ジャブ。直後にフーパーの蹴りが急所に入り、試合が中断する。再開後、左を入れたカサレスが変わらず攻勢をキープする。

残り半分で引き込んだフーパー、カサレスは付き合わずスタンドへ。近距離でエルボー、反れて右フックを当てたカサレスが組んでボディロックへ。ガードを取って引き込んだフーパーだが、カサレスは立ったままなのでスタンドに戻る。そこで左を被弾したフーパーは近距離で組まれると、すぐにガードを取るのでカサレスは怖さを感じる戦うことができる。サブミッションだけ気をつけて殴るカサレスが、立ち上がったところで残り10秒。レフェリーのブレイク後、両者の拳が交錯したところでタイムアップに──結果は当然のようにカサレスに凱歌が挙がった。


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Report UFC UFC250 イアン・ハイニッシュ ジェラルド・マーシャート ブログ

【UFC250】お見事、ハイニッシュ。TD狙いと思わせ右オーバーハンドでマーシャートを沈める

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッシュ(米国)
Def.1R1分14秒by TKO
ジェラルド・マーシャート(米国)

サウスポーのマーシャートに右ローを蹴るハイニッシュ。続いて右を伸ばしたハイニッシュが、右ローを続ける。マーシャートは左ミドルを返し、右ジャブから左を伸ばす。直後にマーシャートは、ハイニッシュのテイクダウン狙い動きから放った右オーバーハンドを受けてダウン。亀のマーシャートにパウンドを連打したハイニッシュが速攻のTKO勝ちを決めた。


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Report UFC UFC250 コディー・ステーマン ブライアン・ケレハー ブログ

【UFC250】10日前に弟を失くしたコディー・ステーマンが、ブライアン・ケレハーから涙の完勝劇

<フェザー級/5分3R>
コディー・ステーマン(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ブライアン・ケレハー(米国)

ワンツーからミドルを蹴るケレハー。ワンツーで迎え撃つステーマン。ローを蹴り合い、ケレハーが左ハイ。ステーマンが左フックを返す。ローにワンツーを合わせるステーマン、ケレハーはアングルを変えてフックを狙う。低く沈んでワンツーを繰り出すステーマンは、テイクダウンへの布石か。スイッチを織り交ぜるケレハーに対し、ステーマンはステップインから左ハイ、蹴り足をキャッチして倒すとシングルに来たところでパンチを纏める。

ボディを入れたステーマンは、ケレハーの前進に回転数の早いパンチを返す。右オーバーハンドのケレハー、近い距離で優位に立てず通り距離から左右のローを蹴っていく。そのケレハーのワンツーをしっかりと見て上半身の動きでかわしたステーマンが初回を取ったか。

2R、左ストレート、左ハイを繰り出すステーマン。ケレハーがシングルに出ると、ケージを背にしてパンチを打っていく。肩に乗ってシングルを潰したステーマンがエルボーを狙う。離れたケレハーはローを蹴り、ステーマンはスイッチして蹴りのフェイク。そしてワンツーで前に出る。左ジャブから右ボディを被弾してなおケレハーも、前に出て状況を打開しようと試みる。

それでもステーマンがジャブ、右ストレート、左オーバーハンドと攻勢に出る。ステーマンがアイポークを気にして、パンチを纏められそうになる。レフェリーは試合を流し、ケレハーはエルボーを当てる。直後にダブルレッグでテイクダウンを奪ったステーマンがガードの中で息を整える。左の鉄槌を下から当て、立ち上がったケレハーをケージに押し込んだステーマンが最後に後ろ回し蹴りを見せた。

2R、肩を押し、カカトを引いてテイクダウンを奪ったステーマン。スタンドで待ち受け、ケレハーのシングルを切る。左ジャブを当て、左ミドルを蹴られるとスイッチし追撃は受けない。ボディからスピニンングバックフィストを繰り出したケレハーだが、ステーマンはここも見ている。蹴り足を取ってバランスを崩させるステーマンは、残り半分でケレハーのフックを被弾する。

サークリングで間合を取りなおしたステーマンは、クリンチで時間を使い離れ際に右を伸ばす。ケレハーもボディ、アッパーを伸ばしステーマンをケージに詰めるシーンを創る。ステーマンはニータップを見せるが、ここは守りが気持ちで出ているか。動きが緩慢になったステーマンに対し、ケレハーはテイクダウンに出てしまう。ギロチンで動きを固定し時間の経過を待ったステーマンが、しっかりと3Rを戦い切った。

5月27日に18歳の弟を亡くしているステーマンは、裁定を訊く前から涙を浮かべてフルマークの判定勝ちを告げられた。「本当に僕にとっても、家族にとってもハードな時間だった。素晴らしい人々が僕の回りにいて、助けてくれた」と話し、今後はバンタム級に戻ることを明言した。


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Report UFC UFC250 チャールズ・バード ブログ マキ・ピトロ

【UFC250】体重オーバーで佐藤天戦飛ばしたピトロが、ミドル級で大外刈り→パウンドアウト勝利

<ミドル級/5分3R>
マキ・ピトロ(米国)
Def.2R1分10秒by TKO
チャールズ・バード(米国)

2月の豪州大会で体重オーバーにより佐藤天戦を欠場したピトロが、ミドル級で試合機会を得る。そのピトロが前に出てワンツーを見せ、さらに左を当てヒザ蹴りへ。ここで組んだバードがケージにピトロを押し込む。テイクダウン狙いを切り返しトップを取ったピトロがバックを伺う。胸を合わせてトップを取ったバードはネルソンから、ケージを背負うピトロにギロチン、さらにバックを狙う。後方から殴るバード、胸を合わせたピトロが立ち上がりリフトアップしスラムへ。トップを取ったピトロだが、バードが立ち上がりつつハイクラッチで逆にスラムで叩きつける。

サイドからエルボーを落とすバードはニーインベリー、スクランブルでバックへ。嫌がった背中をマットにつけたピトロに鉄槌を落とす。そのスペースをついてピトロがリバーサルを狙い、スクランブルで初回が終わった。

2R、右を振るって前に出るバードが組みへ。切ったピトロは左を当てる。バードが右を打ち返すが、手数で優るピトロはケージを背負ったバードにボディから連打を打っていく。エルボーをいれ、大外刈りでテイクダウンを奪うと──なぜか動きの止まったバードにパウンドを打ちこみTKO勝ちした。


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Report UFC UFC250 アレックス・ぺレス ジョズエ・フォルミーガ ブログ

【UFC250】右ローでフォルミーガを粉砕、アレックス・ペレスがUFC6勝1敗とし挑戦アピール

<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス(米国)
Def.1R4分06秒by TKO
ジョズエ・フォルミーガ(ブラジル)

鋭い右ローを走らせるペレス。左ローも見せたペレスが左フックで前へ。迎え撃つようにフォルミーガがフックを当てる。ペレスはペースを変えずロー、キャッチしたフォルミーガが右を打ちバランスを崩す。立ち上がったペレスはボディから顔面にコンビネーション、フォルミーガのジャブをブロックしワンツーへ。近距離でワンツーのペレス、フォルミーガが左ジャブを伸ばす。手数で優るペレスは、フォルミーガのパンチをブロックして殴るという流れで戦う。

ペレスは右をヒットさせ、強烈な右ローを蹴るとフォルミーガが後方に倒れこむ。立ち上がってフックを振るうフォルミーガだが、次の右ローで声を挙げてダウン。レフェリーが試合を止めた。

これでオクタゴン3連勝、UFC戦績を6勝1敗としたペレスはベルトを巻くポーズを何度も見せた。


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Report UFC UFC250 アロンゾ・メニフィールド デビン・クラーク ブログ

【UFC250】デビン・クラークが組み&打撃でリードし、メニフィールドが10戦目の初黒星

<ライトヘビー級/5分3R>
デビン・クラーク(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
アロンゾ・メニフィールド(米国)

試合開始直後にダブルレッグで組みついたクラークが、ケージにメニフィールドを押し込む。体を入れ替えたメニフィールドは縦ヒジからアッパーを打って離れる。両手で顔を覆い下を向いた状態でクラークが組んでハイクラッチへ。ここも体を入れ替えて離れたメニフィールドに対し、クラークがパンチを2発当てるがすぐにヒザを被弾し頭を下げてしまう。

メニフィールドはここでクリンチを選択すると、ヒザをボディに2発突き上げてエルボーへ。距離ができるとガードの上からハイを蹴ったメニフィールドがアッパーを放ってクリンチから左フック、右ミドル、右の縦ヒジを見せる。クラークはケージを背負ってヒザ蹴り、離れて左ジャブを当てる。ローに右を合わされたメニフィールドはワンツーの左を被弾し逆に組んでいく。メニフィールドがケージにクラークを押し込んだ状態で初回は終わった。

2R、左を伸ばしたメニフィールドに組みついたクラーク。ケージに詰められても、すぐに離れたメニフィールドがパンチで圧力をかけてダブルレッグへ。ケージを背にして耐えたクラークがギロチンを見せ、離れて左ハイキックを蹴っていく。打撃の精度が上と思われたメニフィールドだが、組みを選択する場面が増える。首相撲&ヒザを突き上げるメニフィールドは左フックから右フックを受けるが、右アッパーを打ち返す。口の中から流血が見られるクラークが組んでヒザ蹴りへ。メニフィールドはケージに押し込む。押し返してヒザを入れるクラークが、再度態勢を変えられてもタイクリンチ&ヒザを続ける。クリンチの攻防でヒザをボディに続けたクラークが、最後にパンチをまとめた。

最終回、キャリア9連勝中で初めての3Rに挑むメニフィールドに対し、クラークが右を振るって組みつく。右を当てたメニフィールドはクラークの組みにヒザで応える。シングルを切ったメニフィールドは、首相撲からヒザを受けながらケージにクラークを押し込む。押し返してヒザ、右をボディに入れるクラーク。ねちっこい展開が続くなかで、クラークがテイクダウンに成功する。

背中を向けつつ、半身で耐えるメニフィールドはケージにもたれ背中は譲らない。クレイドルでコントロールしようとしたクラークだが、立ち上がったメニフィールドにケージに押し込まれる。ここも低い態勢から組み、ボディロックに取ったクラークだがケージに押し込まれてしまう。残り1分を切り、離れた両者。直後にクラークが組みつき、クリンチ合戦に。メニフィールドがケージに押し込み左のボディに入れ、離れ際に右フックを放つ。最後の10秒で足を止めての打ち合いとなり、タイムアップに。

結果、クラークがメニフィールドにキャリア初黒星を与えた。


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Report UFC UFC250 エウベウチ・バーンズ エヴァン・ダナム ブログ

【UFC250】バーンズ弟、しっかりとバックを制してベテランのダナムをRNC葬

<150ポンド契約/5分3R>
エウベウチ・バーンズ(ブラジル)
Def.1R1分20秒by RNC
エヴァン・ダナム(米国

左を伸ばしたダナム、右ミドルをバーンズが蹴る。接近戦になるとグラウンドを望むように引き込みに近い動きを見せるバーンズは、右フックを被弾する。直後にダブルレッグからバックに回り、右足をダナムの左ヒザ裏に差し込み、尻もちをついて寝技に持ち込む。そのまま足を組んだバーンズが手首を掴んで防ぐダナムに対し、逆側の腕を差しいれ腹ばいにさせRNCを極めた。

足を引きずりながらバックステージに戻った勝者は「左足をケージに引っ掛けてケガをしたようなんだ。ハードな練習をしてきたので、スーパー・ハッピーだ。ホントに勝ちたかった。どこでも戦える相手にテストになった。最初はKO勝ちだったけど、僕はどこでも戦える柔術家だ。チョークを極めるためにより良いポジションを狙っていて、圧力をかけたんだ」とインタビューで話した。


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Preview UFC UFC250 コディー・ガーブラント ハファエル・アスンソン ブログ

【UFC250】実力者同士の崖っぷち対決。ガーブランドはヘンリー&アルメイダ効果で復活なるか

【写真】元の強さ、元のスタイルに戻っているのか。それとも当たらな武器を携えているのか(C) Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEX開催されるUFC250「Nunes vs Spencer」。同大会のコ・メインイベントでコディー・ガーブラントが3年6カ月振りの勝利を狙いハファエル・アスンソンと対戦する。

元UFC世界バンタム級王者ガーブラントは、MMAキャリア4年でドミニク・クルーズを下し世界の頂点に立った。しかし、初防衛戦でTJ・ディラショーに敗れると、ダイレクトリマッチでも敗北。再起を賭けた昨年3月のペドロ・ムニョスにも右フックを被弾して敗れ、3試合連続でKO負けという苦境に立たされている。


ドミニクに勝つまでのガーブラントは卓越したボクシング技術が、MMAに最もハマっているファイターであったといえる。上半身を大きく動かして、相手のパンチを避け、それだけ動いても体が流れることがない。反動で殴って、大きく荷重が移動するのではなく、しっかりと軸のある姿勢に戻り、より破壊力のあるパンチを打ち込むことができる数少ないMMAファイターだ。

しっかりとした姿勢が取れることで、テイクダウン狙いにも反応できていた。幼少期から五輪補欠だった叔父にボクシングの手解きを受け、その後は母に練習を禁止させられると、レスリングでもD-1カレッジから勧誘を受けるほどの腕前に。彼の選択はD-2の大学進学だったが、アマボクシングでも32勝0敗の戦績を残し、ドロップアウト後にMMAへ。この10代の頃の経験が全てMMAに活きたようなアグレッシブなボクシング&レスリングMMAは、ディラショーの蹴りからパンチという攻撃に翻弄されガーブランドは自らの動きができなくなる。

それが顕著だったのがムニョス戦だ。変わらず破壊力のあるパンチを振ることはできていた。しかし、勝負を急ぎ過ぎて体を振ることを忘れ、ただ勢いのあるパンチを振りまわすことで、右フックを浴びてKO負けに。両足を止め、ガードもない殴り合いは、KO勝ちのチャンスとKO負けの確立は50/50になってしまい──ガーブランドの戦いではいことは明らかだった。

復活に向け、ガーブランドが選択はニュージャージーへ出向き、マーク・ヘンリーとヒカルド・アルメイダの下でトレーニングを積むことだった。アルメイダはこのガーブラントの選択に対して、「もう一段ステップアップするためには、外部からの意見や指導が必要だった。コディーは素晴らしいグラップリング技術を持っている」と話している。

ガーブラント自身も3月28日に決まっていたアスンソン戦に向け、ニュージャージーでハードトレーニングで自身を苛め抜いた。結果、ハードワークがたたり腎臓に問題が起こり試合をキャンセルせざるを得なくなる。その後、新型コロナウィルスの影響で大会自体がキャンセルされ、ラスベガスでアスンソン戦を迎えることに。

4日のバーチャル・メディアデーでガーブラントは「連敗からの復活の鍵はハードワーク。そのせいで腎臓に問題が起こったけど、それだけハードに練習して自信を取り戻した。今は凄くリラックスできている。ハファエル・アスンソンは数少なったWECからの生き残りだ。そしてトップ5をキープしている。凄くリスペクトしているよ」と非常に落ち着いた様子で話していた。

アスンソンはタイトル経験こそないが、UFC在籍9年で11勝4敗、うち2敗は直近の2試合でマルロン・モラエスとコリー・サンドハーゲンに敗れたのもの。そのモラエス、TJ・ディラショーとは1勝1敗で、ペドロ・ムニョス&アルジャメイン・ステーリングに勝利しているアスンソンだが、この試合を落とすようなことがあれば王座挑戦をしないままキャリアを終えることになる可能性が高くなる。

つまり実力はピカ一ながら、揃って崖っぷちの一戦。勝利の鍵を握るのは、やはりガーブラントだろう。強振しなくてもKOパンチを持つ彼が、相手を見てしっかりと本来の被弾しない打撃戦と、そこからのテイクダウン&柔術にどのような進化が見られるのか──非常に気になる。

■UFC250計量結果

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アマンダ・ヌネス: 146ポンド(66.22キロ)
[挑戦者]フェリシア・スペンサー: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディー・ガーブラント: 136ポンド(61.69キロ)
ハファエル・アスンソン: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング: 136ポンド(61.69キロ)
コリー・サンドハーゲン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー: 171ポンド(77.56キロ)
アンソニー・ロッコ・マーチン: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー: 136ポンド(61.69キロ)
エディ・ワインランド: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー: 145.5ポンド(66.0キロ)
アレックス・カサレス: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッシュ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジェラルド・マーシャート: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ステーマン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ブライアン・ケレハー: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
チャールズ・バード: 184.5ポンド(83.68キロ)
マキ・ピトロ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フライ級/5分3R>
ジョズエ・フォルミーガ: 126ポンド(57.15キロ)
アレックス・ペレス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド: 205ポンド(92.99キロ)
デビン・クラーク: 205.5ポンド(93.21キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
エヴァン・ダナム: 149.5ポンド( 67.81キロ)
エウベウ・バーンズ: 149.5ポンド( 67.81キロ)