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【TORAO27】5年8カ月振りの修斗公式戦出場、田中半蔵─01─「寝技のレベルは横浜にいた頃よりも上」

【写真】U turn meets I turn.北九州&博多コネクション (C)HANZO TANAKA

15日(日)、福岡市中央区のよしもと福岡大和証券 / CONNECT劇場で行われるTORAO27で、田中半蔵が結城大樹と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

かつてシューティングジム横浜に所属していた田中は現在、地元である北九州市に拠点を移している。前回の試合から約1年半、復帰戦を控える田中が、これまでの苦悩と新しい練習環境について語ってくれた。


――田中選手は現在、出身地である北九州を拠点に活動されているのですよね。

「はい、地元に戻ってきて4年になります。今は北九州と博多のジムへ出稽古に行ったりしています」

――4年前というと、2018年10月のカイル・アグォン戦(田中が判定負け)の頃ですか。

「その前に上迫戦が流れて(注1)、その時には北九州へ帰ってきていたんですよ。そのあとマイク・グランディとの試合も流れて(注2)、次はアグォン戦でした」

注1:2018年5月20日に上迫博正戦が予定されていたが、前日計量で上迫が脱水症状に陥り、試合は中止となった。

注2:同年8月5日に予定されていたマイク・グランディ戦は、グランディが負傷のため試合2週間前にキャンセルとなっている。

――いきなりネガティブな話題で恐縮ですが、2017年ごろから黒星も多くなっています。その点については、どのように捉えていますか。

「自分で自分の戦績を見ても思うんですけど、前半のほうは連勝していて。そこから負けが続いているので。毎回厳しくなっていくなぁとは思いますね」

――厳しいと感じる要因は何かありますか。

「今まで瞬発系というか、カウンターを当てて倒していたんですよ。日沖戦(2017年5月にKO勝ち)までは自分のカウンターにも自信があって、実際に相手が入ってきたらパンチを当てることができていました。でもアグォン戦の次……堀江戦では、自分のカウンターが当たらなくなってきていることを痛感して」

――2019年3月、堀江圭巧戦では反対にカウンターの右ストレートを食らい、KO負けを喫しました。

「あの試合は、自分が打ちに行ったところまでは覚えているんです。でも相手の打撃をもらってからは、控室まで記憶がなくて。あの試合が初めてのKO負けでした。堀江選手もカウンターが巧いから、同じタイプと対戦すると自分のほうがパンチをもらってしまうようになっていたんですよね。

練習だけでは、自分のカウンターが落ちていることに気づかないんですよ。練習では思いっきりパンチを打てないから。試合をやってみて、初めて分かったんです。あぁ、自分のカウンターが当たらなくなっているなって」

――対して、現在はどのような環境で練習しているのでしょうか。

「所属(FUNS)は僕のスポンサーの会社名で、練習自体は出稽古が中心です。普段は博多だとレンジャージム、あとは今回の試合に向けてカルペディエム福岡で練習させてもらいました。北九州ではパラエストラ北九州で柔術をやっています」

――シューティングジム横浜に所属していた頃と比べて、現在の練習環境はいかがですか。

「うーん……横浜や東京では、同じくらいのレベルの選手と練習できていたんですよ。でも、こちらではプロ選手がいても階級がバラバラだったり、同じぐらいのレベルの選手が少なくて。ただ、寝技のレベルは横浜にいた頃よりも上がってきていると思います」

――田中選手といえば、カウンターを主体とした打撃が印象的です。それはシューティングジム横浜という、打撃面で優れた選手が多いジムの影響もあったかと思います。

「打撃は今、誠流会の溝口先生に教わっているんですよ」

――誠流会の溝口先生とは、元プロシューターの溝口直右(なおすけ)さんですか。

「そうです。パラエストラ北九州では水曜日と金曜日がMMAクラスなんですけど、そのMMAクラスにトレーナーで来られていて。その時にミットを持ってもらっています」

――北九州や博多のプロシューターが集結しているような雰囲気ですね。そのなかで今回の試合に向けて、カルペディエム福岡で練習することになったキッカケは何だったのでしょうか。

「もともとグラップリングの練習では何回かお世話になっていたんですよ。それで1カ月ぐらい前かな? 田村ヒビキ選手と時間を合わせて、MMAの練習をするようになりました。田村選手はジムの指導もあるので、昼の空いた時間に練習させてもらって」

――TORAO27では田村選手がメイン、田中選手がコ・メインという形で出場することになりました。そこで田村選手にもインタビューしていて、田中選手の印象をお聞きしています。田村選手はまず、ジャックナイフツネオ戦の印象が強いそうです。2010年3月、田中選手が右のカウンター一発で相手をKOした試合ですね。

「あぁ、なるほど。同じ日に田村選手も試合していたんですよね(田村は杉江アマゾン大輔に腕十字で敗れている)。同い年で、自分が修斗に出ていた時期に同じ大会に田村選手も出たりしていたから、同じ時代の選手だと思っています。でも当時はお互いに名前は知っているけど、話をしたことはなくて。田村選手と話し始めたのは、僕が福岡県に帰ってきてからなんですよ」

――今回、田村選手とはどのような練習を?

「まず自分の次の相手がグラップラーで、寝技が得意な感じなので、田村選手に連絡させてもらったんです。そうしたら田村選手の相手(ソーキ)がサウスポーで、僕もサウスポーですから。お互い次の対戦相手と同じ部分があるので、週2回ぐらい一緒に練習させてもらうようになりました。最初の練習で見つかった改善点を、次の練習で良くして、また見つかった悪いところを次の練習で改善して……という形だったので、良くなってきています」

<この項、続く>

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【The Shooto OKINAWA06 & TORAO27】沖縄で田上×当真、福岡でソーキ×田村ヒビキなどカード発表

【写真】ソーキとしては、絶対的に意地を見せて関西、首都圏の修斗公式戦に進出を図りたいところだろう(C)MMAPLANET

1日(火)、4月17日(日)に沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto OKINAWA06と、5月15日(日)に福岡市中央区のよしもと福岡大和証券/CONNECT劇場で行われるTORAO27及びTORAO GIG04の対戦カードの一部発表されている。

Theパラエストラ沖縄主催のプロ修斗沖縄大会は恒例の4月、11月というルーティンで開かれ、TNSにとって念願の福岡市内のケージ修斗はGIGと2部制が実施される。


まず沖縄大会ではストロー級の2回戦で旭那拳×竜己、同じくストロー級の3回戦では当真佳直が、田上こゆると戦う一戦、加えてバンタム級の南風原吉良斗×川北晏生、インフィニティリーグ2022女子アトム級=小生由紀×加藤春菜が組まれた。

また闘裸男27では環太平洋ウェルター級選手権試合=王者ソーキ×チャレンジャー田村ヒビキ戦を始め、当日計量のフェザー級契約3回戦で野尻定由×奇天烈、同ミドル級契約の2回戦で加藤正憲×墨吉涼太、そして野瀬翔平、結城大樹、宝珠山桃花の出場もアナウンスされた。

GIG04ではフライ級とライト級の新人王T戦として、それぞれ打威致×KJ Tyler、スモーキー×深見弦汰、当日計量バンタム級契約で若山達也×若宮龍斗が決まっている。

旭那と対戦する竜己は修斗初参戦、昨年2月にTheパラエストラの姉妹ジム=パラエストラ千葉ネットの鶴屋怜のデビュー戦の相手でTKO負けをしており、旭那としては意地でも負けられない一戦だ。

2019年修斗ストロー級新人王の当真は、Road to ONEと地元大阪大会で躓いき、再起を図る田上とのサバイバルが合戦となった。再起といえば、Road to ONEで須藤拓真の足関節に下り11月の地元大会で再起した南風原が、TRIBEの川北晏生と戦う一戦も注目だ。

川北はパンクラスを主戦場してきたが2月にNEXUSで安永有希を下し、39歳の工夫の人に引退を決意させたばかり。2カ月で20違いの選手を相手にする──この試合を含め、他プロモーションから戦場を移す選手が目立ってきている。

そんななか福岡では2019年6月の北九大会での再戦がメインとなった。前回は王座決定戦で戦ったソーキはダイレクトリマッチで田村の挑戦を受ける。田村のために用意されたメインといえる。

さらに中村倫也に瞬殺を喰らった野尻が、同じ福岡勢の野瀬に敗れたTORAOで一本負けを喫している奇天烈とのマッチアップも、紛れもなくサバイバル戦だ。

公式戦が行われてない中部地区からの参戦となるソーキと加藤春菜というナセルドソル勢が、沖縄&福岡勢よりハングリーな状況であることを示す場でもある。地方在住シューターと、ニューカマーの対戦は今の修斗、J-MMAの映す鏡といえる2大会だ。

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MMA ONE Shooto Shooto2021#07 YUKI 岩本健汰 結城大樹

【Shooto2021#07】倒す岩本、立ち上がる結城--岩本健汰がマジョリティ判定勝利でプロMMA2連勝

<フェザー級/5分2R>
岩本健汰(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.19-19.
結城大樹(日本)

いきなり距離を詰めた結城に対し、打撃で迎え撃つ岩本がサークリングしながらシングルレッグを仕掛けて尻もちを着かせる。立ち上がる岩本をケージに押し込む岩本。両腕を差し込みながら、ケージ際でテイクダウンを狙う。岩本がボディロックからテイクダウンを狙うも、ふんばった岩本。ケージ際で一度は尻もちをついた結城だが、すぐに立ち上がる。ケージ際で倒しては立ち上がる工房が続くなか、岩本がしつこく仕掛けて、またも結城に尻もちを着かせた。結城は背中をケージに着けている。残り1分で岩本が一度、結城に背中を着けさせるも、すぐに結城も上半身を起こしていった。

最終回、前に出る結城に対し、右ローを当てる岩本。ローを連打されると、結城のバランスが崩れる。ここで岩本が結城の右足にシングルレッグを狙うも、結城がスプロールしてスタンドに戻った。岩本は左ジャブを当てるも、シングルレッグは失敗。結城が左ジャブを当てていく。岩本は相手の左足にシングルレッグ、結城はスプロールできずも立ち上がり、自らケージ際へ。岩本は両腕を差し上げるが、結城の右オーバーフックで完全なテイクダウンは許さない。

しかし岩本は結城に尻もちを着かせて、両足を叩き込んでいく。結城は足を抜いて立ち上がる。岩本は内掛けから、またも結城に尻もちを着かせた。立ち上がる結城。岩本は左腕を差し上げながら、組み合いはコントロールしていた。


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ABEMA ARAMI MMA ONE SARAMI Shooto Shooto2021#07 VTJ VTJ2021   アルフレド・ムアイアド チャンネル 中村未来 佐藤将光 修斗 原口伸 原口央 宇佐美正パトリック 宇野薫 山内渉 岡澤弘太 岩本健汰 平良達郎 河村泰博 清水洸志 猿丸ジュンジ 結城大樹 菅原和政 西川大和 野村駿太 黒澤亮平 黒部三奈

【VTJ2021】平良達郎と対戦、アルフレド・ムアイアドが計量で見せた執念「ここには勝つために来たんだ」

【写真】計量ならびに会見もリモートで参加したムアイアド。こうしたコロナ対策のもと大会が開催される(C)MMAPLANET

6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催される1VJT2021のメインで平良達郎と対戦するアルフレド・ムアイアド。

地球の反対側から、大会前日までホテルで隔離という厳しい状態で来日した。そしてリモート計量で、動画の数字がよく見えないとナァナァにすることなく、平良の滞在するホテルに呼び、眼前に計量をさせることで納得した。

この勝利への強い執念が、拳に宿ると平良は簡単な試合にならないかもしれない。リモート会見後にムアイアドの話を聞いた。


──ホテルで隔離中ですが、計量と記者会見を終えました。今の気持ちを教えてください。

「調子は良いよ。ホテルで隔離というのは、ストレスにはなったけど試合に向けて最も対戦だったといえる計量を終えることができてよかった。こんな状態だから、せっかく日本に来ることができたのに、ホテルの外に出ることができず、日本を知ることができないのは残念だけど、また来日する機会を得られるよう頑張って、次はこの国を堪能したいと思う」

──隔離中に体を動かすことはできたのですか。

「スペース的には少し狭いというのあるけど、この状況だしできることはやってきた。計画通り、ここまで来ているよ。1日に2度、3度と練習してきたから体は十分に動く。そこは全く問題ないよ」

──長旅、時差、そして隔離いろいろとあったと思います。

「飛行機での移動は確かに疲れたけど、それはもう回復している。1週間近くいるわけだし、ホテルの人たちも本当に親切だ。さっきも言ったように練習もできたし、フィジカル、メンタルともに問題ないよ」

──明日、日本のファンにどのような試合を見せたいと思っていますか。

「タイラの戦い方、戦術は十分に研究してきた。柔術、グラップリングが強いことも分かっている。対して、僕はストライカーだ。でも、ここ数戦はそういうスタイルの相手と戦ってきたからディフェンス面は強化できている。組みを防いで、打撃で勝負する」

──計量もリモートで行ったわけですが、携帯でそのまま平選手の計量の様子を映像で送っても、スケールの数字が見えづらかったのか、納得せずホテルまで呼びつける感じで、目の前に平選手の体重を見て納得をしていました。勝利への執念がヒシヒシと感じられました。

「透明性を徹底したかったので、ああしてもらったんだ。僕らはプロだからね、計量台の数字が見えづらいままでは戦えない。それと最初にオファーが来たときはフライ級のリミットだったんだ。それが58.5キロに変更されたこともあって。僕はそれでも戦うよ。構わない。でも、計量器の数字が見えないのは違うからね。

そこをうやむやにして戦うことはできない。ここには勝つために来ているんだから。そういうことで、ホテルに来てもらったんだ。その方がクリアーだからね」

──同じ日本人として、そこでオーガナイザーが不正を働くことはないとは思いますが、そのこだわりこそ本気度が伝わってきます。

「もし、僕がタイラをホテルに呼んだことで気を悪くしたら申し訳ない。契約体重が変わったことで、これまでに他の大会ではちゃんと計量も行われなかったこともあったので、念のためなんだ。今大会のオーガナイザーには、本当に良くしてもらっているから、悪い印象は本当に持っていない。ただクリアにしたかったんだ。この試合で勝つためにね」

■VTJ2021視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■VTJ2021対戦カード

<58.5キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
アルフレド・ムアイアド(チリ)

<フェザー級/5分3R>
宇野薫(日本)
原口央(日本)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
菅原和政(日本)

<63キロ契約/5分3R>
佐藤将光(日本)
河村泰博(日本)

<ライト級/5分3R>
原口伸(日本)
岡澤弘太(日本)

<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
野村駿太(日本)

■Shooto2021#07視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後1時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#07対戦カード
             
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
[王者] 黒部三奈(日本)
[挑戦者] SARAMI(日本)

<修斗暫定世界ストロー級王座決定戦/5分5R>
猿丸ジュンジ(日本)
黒澤亮平(日本)

<フェザー級/5分2R>
結城大樹(日本)
岩本健汰(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
澤田千優(日本

<フライ級/5分2R>
高橋SUBMISSION雄己(日本)
山内渉(日本)

<ミドル級/5分2R>
岩崎大河(日本)
清水洸志(日本)

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ABEMA ARAMI MMA ONE SARAMI Shooto Shooto2021#07 VTJ VTJ2021   アルフレド・ムアイアド ジョン・リネケル チャンネル ビビアーノ・フェルナンデス 中村未来 佐藤将光 修斗 原口伸 原口央 宇佐美正パトリック 宇野薫 山内渉 岡澤弘太 岩本健汰 平良達郎 河村泰博 海外 清水洸志 猿丸ジュンジ 結城大樹 菅原和政 西川大和 野村駿太 黒澤亮平 黒部三奈

【VTJ2021】川村泰博戦前の佐藤将光「選手は試合をしたいもの」&「やりたいよう、やり切りたい」

【写真】ZOOM取材でスクショに失敗すると、佐藤が自撮り写真を丁寧に同じ構図で送って来てくれた (C)SHOKO SATO

6日(土)、東京都江東区のスタジオ・コーストで行われるVTJ2021で佐藤将光が出場し、河村泰博と対戦する。

2019年5月、佐藤はONEでのキャリアをスタートさせると3連続フィニッシュ勝利を果たす。ビビアーノ・フェルナンデスの持つONEバンタム級王座挑戦の機運が高まっていたが、コロナパンデミックが起こり、その機会は巡って来ず今年の1月にファブリシオ・アンドラジとの激闘で惜敗を喫した。

以来、試合が組まれてなかった佐藤は今回のVTJへの出場を凱旋マッチでも、消化マッチでもないと言い切る。歯に衣着せぬ言動も、人間の権利=自由の行使の一環だ。試合機会を求めるのは、実戦に向かう日々で自身が成長に繋がっていたから。

ONE日本大会以来、2年振りの国内での試合前に佐藤の心境を尋ねた。


──ファブリシオ・アンドラジとの試合から、10カ月近く経ちVTJで河村泰博選手との試合が決まりました。ようやく試合ができることに対し、どのような気持ちですか。

「率直に嬉しいです。ずっと試合がしたかったので。僕は試合を重ねている方がコンディションが創りやすいですし、試合に向けて対策練習をして技術力を上げるタイプで。そうすることで成長できるから、試合が決まって嬉しいです」

──ONEが5月から8月までシンガポールのロックダウンもあり大会がキャンセルになっていましたが、9月の再開からも声が掛からなかったということですね。

「契約満了期間がこの間にあって、その後の更新に向けての話は続けている状態です。まぁONEも致し方ない状況ですし、僕が文句を言ってもしょうがないことです。ただし、選手は試合がしたい。この状況を何とかしたいということは、知ってもらう必要があります。ダメならダメで、日本で戦わせて欲しいという僕の要望を今回はONEが飲んでくれて試合ができます。

このインタビューを読んでくれる人たちは、簡単に試合を組んでもらえるモノだと思うかもしれないけど、色々と難しいことがあります。

一番はONEでベルトを目指したいです。中途半端で終わりたくないですから。ただコロナってすぐには収束しないと思いますし、そうなったら今回のようにただただ試合期間が空いてしまうことは……勝手な意見かもしれないですが、僕は辛いので。どのような理由があっても一定の期間、試合が組まれないなら日本で試合ができるというような条項を契約に盛り込んでもらえるなら、これからも当然ONEで戦い続けたいです」

──ONEの契約も当然のようにコロナ禍を想定していないモノだったでしょうし、コロナ禍においてはフレキシブルに対応してほしいというのが正直なところですね。

「まぁ、そういう障害というモノがあったのですが、色々な人に動いてもらって今回VTJで試合ができることになり、そこは感謝していますし試合ができて良かったです。ONEで試合が組まれないで、このタイミングでVTJに出られる。そこの許可は貰えたのでオファーがあれば修斗の公式戦でも試合をしたい。僕としてはどこでも試合ができるなら、やりたいということです。

色々な煽り方があるので、ファンの人に向けて分かりやすいストーリーラインがあるのは構わないです。ただし、心情としては凱旋マッチでもないし、消化試合でもない。ただただ僕のパフォーマンスを見せる機会ということです」

──佐藤将光が佐藤将光であるための試合。そういう風に捉えています。

「もう勝手なんで、自分がやりたいように生きています」

──将光選手はパンクラスから修斗、修斗からONEとずっと成長しています。敗れたとはいえアンドラジ戦の内容も良かった。それだけに、本当にやっと試合を見ることができます。そして対戦相手がNEXUSのバンタム級王者である河村選手になりました。どのような印象を持っていますか。

「相手の選手に対しては、特に……。テーマとしては、如何に自分のパフォーマンスを見せるのかということなので。いつもと同じで決まった相手の映像を見て、研究する。そこに自分の技術をはめて戦う。特別なことがないのは、他の試合とも同じです。リマッチだったり、昔視ていた選手との試合では特別な想いを持つこともありますが、そうでない試合は『あぁ、こういうタイプね』という感じだけです」

──VTJとONEではルールが違います。その辺りは気になりますか。

「ルールは緩い方が好きなので、ONEルールの方が戦いやすいと思います。けど、グラウンドでのヒザがないだけですからね」

──戦いは危険になりますが、規制が緩くなるという風に捉えているのですね。興味深いです。

「まぁ自分が使いたいので。使いたい方からすると緩いという捉え方になりますね。グラウンドのヒザにしても、攻撃を受けることでなく攻撃することしか考えていないです。練習中でも、今回はここでヒザを蹴ることができないんだなとか考えることはありましたしね」

──なるほどぉ。この試合が、どのように今後のキャリアに関係してくるのか。

「今は今後のことについては、言えないですね……」

──ビビアーノ・フェルナンデスが戻ってきて、ジョン・リネケルと戦うことが一度は決まりました。その10周年記念大会は延期が決定しましたが、ONEバンタム級選手権試合についてはどのようになると予想していましたか。

「リネケルが普通に勝つと思っています。そういう選手と戦っていきたい気持ちは勿論持っています。試合ができるのであれば、最初に言ったように中途半端に戻って来るんじゃなくて、ONEでやって行きたいという気持ちでいました。ただし海外で外国の強豪と戦いたいという想いよりも、試合ができないことが嫌だという気持ちの方が大きいです」

──将光選手の要望とONEの望みが合致し、WIN WINになれることを望みます。そして今回の河村戦、将光選手のどのようなパフォーマンスをファンに見せたいと考えていますか。

「前の試合で負けているので、期待を持ってもらえる試合を──佐藤将光って強いなと思ってもらえる試合がしたいです。ちゃんと倒しにいくスタイルを見せたいですね。あとは思うように自由にやりたい。もちろん試合は見てもらうモノで、見てほしいのですが、一番は自分のやりたいことを見てもらうという感覚です。やりたいように、思い切りやりたいです」

──アンドラジ戦で佐藤将光の力を疑うような人は、まずいないと思います。同時にアンドラジもあそこから試合が組まれていないので、もっと見たい。その強さを他の選手相手にも見せてほしい選手です。

「僕はバンタム級だから、バンタム級の選手の試合がもっと見たいです。DJ✖ロッタンとか、僕は絶対に乗れなくて。だったらDJはMMAのトップ選手と、ロッタンはムエタイの強い選手とやって欲しい。ああいう試合があると、ONEが何を目指しているのか見えなくなるので、どう乗れば良いのか分からないというのはあります。

まぁ期待してもらえるような試合をしたいです。されなくても、続けちゃうんですけど(笑)。皆に見たいと思ってもらう試合を熱気を帯びた会場でやることが一番気持ち良いので、色々背負っている方が辛いけど楽しいです。辛いことの方が楽しいような気がします」

■VTJ2021視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■VTJ2021対戦カード

<58.5キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
アルフレド・ムアイアド(チリ)

<フェザー級/5分3R>
宇野薫(日本)
原口央(日本)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
菅原和政(日本)

<63キロ契約/5分3R>
佐藤将光(日本)
河村泰博(日本)

<ライト級/5分3R>
原口伸(日本)
岡澤弘太(日本)

<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
野村駿太(日本)

■Shooto2021#07視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後1時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#07対戦カード
             
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
[王者] 黒部三奈(日本)
[挑戦者] SARAMI(日本)

<修斗暫定世界ストロー級王座決定戦/5分5R>
猿丸ジュンジ(日本)
黒澤亮平(日本)

<フェザー級/5分2R>
結城大樹(日本)
岩本健汰(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
澤田千優(日本

<フライ級/5分2R>
高橋SUBMISSION雄己(日本)
山内渉(日本)

<ミドル級/5分2R>
岩崎大河(日本)
清水洸志(日本)

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【Shooto2021#07】結城大樹戦へ。レーダーチャートばらつきまくりの岩本健汰「打撃もチョットできるぞ」

【写真】まるで個性派俳優のような岩本。別に俳優などつけなくても、個性派ということで良いのだが…… (C)MMAPLANET

6日(土)、東京都江東区のスタジオコーストで行われるShooto2021#07で、グラップリング国内最強と言われるようになり久しい岩本健汰が、9月に続きMMA2戦目を結城大樹相手に行う。

初陣=椿飛鳥戦では打撃を被弾することなく、ケージに押し込みテイクダウン。組みの展開になると圧倒的な力の差を見せた。とはいえ今回戦う結城は、環太平洋王者だった仲山貴志と7月に分け、修斗戦績は4勝1敗3分とMMAの経験値は岩本とは明白に差がある。

打撃はルーキー、寝技は国内最強。ケージレスリングの強さを折り紙付きという──レーダーチャートが極端にばらつくルーキーは、MMAとしてどのような打・倒・極の回転を見せることができるのか。MMA初戦を振り返り、結城戦について自信のほどを尋ねた。


──修斗2戦目というか、MMAの2試合目が今週末に迫ってきました(※取材は11月2日に行われた)。デビュー戦後に話を聞かせてもらおうと思ったら、さっさと帰宅されてしまったようで(笑)。

「試合は最後まで見たのですが、すぐに帰りました(笑)」

──もう40日前ですが、初めてのMMAの手応えは?

「自分で思っていたよりもスムーズにいきました。もう少し、打撃の洗礼とか受けるかと思っていたので。ケガもなくて終わったので良かったといえば良かったですが、経験という点では本当のMMAの打撃の攻防がなかったので、そこは足らなかったかと思います」

──スタンドで殴られることなく組んでケージへ。その前に蹴りを使っていましたね。

「対峙した時の緊張感が、こういうものかと感触があって。それほど恐怖心はなかったです」

──岩本選手の組みの圧力が、椿選手の打の圧力より上だったかと。椿選手が振りまわす様な無軌道なパンチを振るってくる方が嫌だった?

「そこは……どうですかね。前に出てくる方が、組みやすいといえば組みやすいかもしれないです。凄くプレッシャーを掛けられていたら別ですけど。前にガムシャラに出てくるのなら、組みつくだけなので問題なかったと思います」

──実戦のなかでケージレスリングを初めて行ったかと。その辺りについては?

「グラップリングに関しては、ケージで試合をしたのも過去に1回で相手が引き込むという試合内容でした。でも、グラップリングやケージレスリングに関しては心配はなかったです」

──組みのなかの打撃も互いに少なかったです。

「一応、寝かしたときにチョコチョコ殴ったのですが、効かせたとかはなかったですね」

──それよりも鼻がもげるんじゃないかというチョークの仕掛けを見て、モッティはえげつない絞め方をすんだと思いました(笑)。

「えげつない……ハハハハ、ありがとうございます!! けっこう、無理やりに入れることが多いです」

──そして、すぐに今回の試合が決まりました。

「11月は実はUnrivaledが明日(※3日)にあるじゃないですが、そこに出る予定でいました。だけど1週間ほど考えて、MMAに出たいと伝えました。Unrivaledでは海外の選手を呼ぶと言ってくれていたのですが、それができない状態だったのでUnrivaled側もそこは理解してくれました。

僕自身、グラップリングで日本人選手と戦うなら、今はMMAの経験を積むべきだと考えました。練習もMMAが中心というか、MMAを優先していますし」

──前日計量の65.8キロというのは、2年前のアブダビの66キロ以下級以来ではないでしょうか。

「アブダビの時も水抜きをしましたけど、知識は今の方があるので大丈夫だと思います。前の試合の前から、ずっと試合があるかどうかということで体重を抑えてきて、それほど落とし幅もないですし」

──対戦相手の結城大樹についての印象は?

「試合映像を見ましたが、結城選手も打撃を振るうとすぐに組みつくタイプの選手だったので、僕と戦うときはどうするのかチョット楽しみです。もしかしたら打撃を続けるかもしれないけど、すぐにテイクダウンに来るかもしれないし」

──ジャブで突き放し、徹底して組みを拒否する戦いになると一番厄介でしょうか。

「そうしたら、僕が打撃でプレッシャーをかけます」

──おお!! 

「デビュー戦の時よりも、打撃も成長しています。前回の試合を比較すると、良くなっています。練習していた、どの部分が試合で出すことができるのか分からないですけど怖さも前よりないですし、良くなっていると思います。打撃でプレッシャーを掛けることもできるんじゃないかと思います」

──グラップリングのトップ選手として、西川大和選手のように下から殴って来る戦術をどのように思いますか。

「上を取ったから殴られないとか、危なくないというのは全くないと思います。上を取っても頭の位置とか気を付けないといけないし。だから上を取るだけでなく、ポジショニングが大事だと思います。だから、西川選手のようなスタイルの相手がいればまずは足を一本抜いてハーフに行きます。僕自身はパウンドとかは、ちゃんとポジションを取ってからの方が良いという考えです」

──西川選手ほど上手く使えなくても、あの試合を見て真似る選手は出てくるかと思います。

「下から殴る人は出てくるかもしれないですね。ただ、僕としては簡単に下になってくれる方が楽です」

──なるほど。では、今回の試合ではMMAファイターとして成長した姿を見せるとすると、どこに注目してほしいですか。

「戦い方は相手次第になると思います。ただ打撃もちょっとはできるぞというのは、見せられるんじゃないかと思います」

──不敵な笑みを浮かべていますね。

「アハハハ。打撃に関しては、ここ最近になって以前より見えるようになってきていますし、結城選手が打撃で突っ込んで来ても、見て距離を取る準備をしているので大丈夫だと思います。

それに打撃をもらったとしても気持ちが折れることはないと思います。とにかく負けたくないので、僕の気持ちを折ることはできないです」

■視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後1時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#07対戦カード
             
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
[王者] 黒部三奈(日本)
[挑戦者] SARAMI(日本)

<修斗暫定世界ストロー級王座決定戦/5分5R>
猿丸ジュンジ(日本)
黒澤亮平(日本)

<フェザー級/5分2R>
結城大樹(日本)
岩本健汰(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
澤田千優(日本

<フライ級/5分2R>
高橋SUBMISSION雄己(日本)
山内渉(日本)

<ミドル級/5分2R>
岩崎大河(日本)
清水洸志(日本)

■VTJ2021視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■VTJ2021対戦カード

<58.5キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
アルフレド・ムアイアド(チリ)

<フェザー級/5分3R>
宇野薫(日本)
原口央(日本)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
菅原和政(日本)

<63キロ契約/5分3R>
佐藤将光(日本)
河村泰博(日本)

<ライト級/5分3R>
原口伸(日本)
岡澤弘太(日本)

<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
野村駿太(日本)

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【VTJ2021&Shooto2021#07】坂本一弘代表に訊く、Shootoのヒエラルキー─03─「勝ちゃあ、良い」

【写真】岩本健汰はプロアマ通して、1度もMMAを経験することなくプロ修斗公式戦を戦った(C)MMAPLANET

いよいよ 6日(土)に迫ったVTJ2021とShooto2021#07。東京都江東区のUSENスタジオコーストで両大会を主催するSustainの坂本一弘氏インタビュー最終回。

VTJが復活した今、修斗公式戦では中村倫也及び宇佐美正パトリックというEXFIGHT勢がアマ修斗を経ず、公式戦でKO勝ちデビュー。岩本健汰がアマでもMMAを経験せずにプロ修斗に参戦し、RNCで一本勝ちした。彼らのデビュー関して、修斗のヒエラルキーが崩れるという声がはからずとも起こった。

アマからプロという一貫した競技性を気付いてきた修斗における変化を坂本氏はいかに捉えているのか。そこにはVTJと再び行う意志に通じる、強さへを追求する姿勢が見られた。

<坂本一弘インタビューPart.02はコチラから>


──VTJと修斗と同日興行、その先には海外というモノが存在しています。再び、富国強兵の時がやってきたのかと。

「まぁ修斗とVTJに関連づけると、現状において海外で成功している日本人は堀口恭司──ただ1人ですよね。ならばその成功例を真似るというのは一つの正解だと思います。SASUKE選手とかにもそういう話をしました。同じテンションではできなくても1カ月とか2カ月の間、米国で練習をして、その経験を日本に持ち返る。次の戦いに備えて自分のできることをやっていく。

堀内恭司にはなれなくても、自分のやり方は見つかるはず。だから焦ったり、短絡的な選択をしない。そのためのステップという意味はありますよね──今回のVTJというのは。だから厳しい試合を外から持って来る。今はコロナ禍で制限もありますが、そこを崩しに掛かっているので、90年代にVTJでやってきたことをやる。今回だけでなく、2022年の公式戦に関しても、その方向性で見ています。

日本は最弱ではないです。でも、どこもかしこも強くなっているから置かれている状況は厳しい。厳しいからこそ、厳しいことを強いて殻を破らないといけないです。1996年の『日本最弱』、あれは日本の総合格闘技がピンチを迎えた時ではあったと思います。強さという威厳を保つうえで。で、そのピンチの後には、何があったか……。

VTJが7月7日に浦安のNKホールであり、7月28日にクラブチッタ川崎で第3回全日本アマチュア修斗があったんです」

──ウェルター級(※69キロ)の決勝が……。

「桜井速人✖宇野薫でした。この時は川崎フリーファイトとしてプロの試合も組んで、郷野聡寛が須田匡昇と戦っているんですよね」

──郷野選手はその後のVTJに出場はなく、年が明けて1月の後楽園ホール大会で戦う。そういう印象が強いです。須田選手は98年のVTJでマーク・コールマン門下のブランドン・リー・ヒンクルに足関節を仕掛けてカカトで顔面に蹴られまくった。

「ホント、修斗が世界に逆襲、打倒ブラジルを掲げて99年に成就した。でも、それって今から思うと綺麗なストーリーですけど、当時はひたすらに必死になってやっていただけですからね。とにかく負けるかって言うことで」

──坂本さんは今もある意味、必死のパッチじゃないですか(笑)。

「ホンマにそうですよ(笑)」

──VTJと修斗はレコードのA面とB面という話でしたが、A面の方ではアマ修斗を経ず公式戦デビューをした中村倫也、宇佐美正パトリックの両選手ばかりか、プロアマ問わずMMAを経験していない岩本健汰選手が、プロ修斗でプロMMA初陣を戦う。そしてアマ修斗を経てプロになった選手を圧倒しました。これはA面のヒエラルキーとして、危機感を持つことはないですか。アマ修斗を経ない選手たちの出現に、修斗が修斗でなくなるという声も聞かれますし。

「まぁ、そういう声があるということに関して正直にいうと、『だから、どうなんだ?』ということですよね。修斗のヒエラルキーを守ろうとする人たちに関しては、そういう風に思ってくれて有難いです。修斗をそうやって大切に思ってくれている。そういう人たちがいてくれて、修斗は成り立っているのも確かです。

でも、強い選手にプロ修斗公式戦を戦ってもらうことを否定して良いモノでしょうか。なら外国人選手を招聘することも、厳密にいえばヒエラルキーから外れてきてしまうじゃないですか」

──確かにそうですね。

「20年以上前にマット・ヒューズとデイブ・メネーを招聘した時、『なんで、ククラスBじゃないんだ。修斗で実績がないだろう』という意見も出ました。強い選手はどこにでもいるんですよ。岩本健汰の出場に反対する。それがアマ修斗の存在を脅かすというのであれば、椿飛鳥が岩本に勝たなアカンかったんですよ。アマ修斗の存在感を頑強にするのであれば。

これは椿の敗北に関して、注文をつけているわけじゃないです。青木のあんな要求を受けて、試合を受けた。大したもんです。試合なんです。椿は勝つためにオファーを受けた。勝つチャンスは均等に与えられているんです。

それをモノにするかどうか。これは修斗に関わっている人間に対しての僕の考えです。ファンの人たちに対しての言葉ではないです。ファンの人たちは好き勝手、自分の想う修斗を応援してください。

その一方で、修斗関係者に対しては、自分たちが修斗の在り方を守りたいために、力のある選手が修斗公式戦に出ようという状況を阻害するのはおかしいと思っています。それを守って、強さを追求するというのは違う。それは修斗の理念ではないんじゃないかという気がします。

僕はプロモーターです。だから『お前の解釈だと、岩本が出ることは都合が良いんだろう』って言われたとしても、『強いから、しょうがないやないか』と。別に最初から世界王座に挑戦しているわけでもないですからね。試合になる椿との試合を組んだ。正しいのは勝った岩本です。それだけです。勝ちゃあ、良い。

それだけアマ修斗が大切なら、アマ修斗の全日本王者が無敗でずっと勝ち続けられるよう選手を強化していけば良いじゃないですか。それができていなくて、アマ修斗から勝ち上がってきた選手が、MMA初戦の選手に負けたら、その試合の存在を否定するのではなくて、より強さを目指すアマ修斗であれば良いんじゃいかと」

──はい。

「強くなるという目標に向かっていくと、手段は一つではないです。山の頂上を目指すためには、ルートが複数あるように色々な登り方がある。強さを追求するのも同じことだと思いますよ。それに椿が岩本に負けたからってアマ修斗は否定されるモノではないです。アマ修斗が必要な選手は全国にいくらでもいますから。アマ修斗の経験をプロ修斗で生かす人がいれば、グラップリングや柔術の経験をプロ修斗で生かすことができる選手もいて然りです。活かし方は個人の判断です。それは自分で決めないと。

まぁ、でもそうやって疑問を投げかけてくれる人がいるというのは、本当に有難いことだと思っています。修斗らしさ、アマからプロという筋道を大切にしてほしいと言われるのが修斗なんだと僕は捉えています」

──坂本さんはそういう意見も、我々マスコミが書くことも苦虫を嚙み潰したような表情になるでしょうが、許容してくださっていますしね。だから、修斗だけは書きやすいというのは私のなかではありますね。

「ホンマ、勘弁してほしいですけどね(笑)。皆、それぞれに『俺たちの修斗』がある。これは幸せなことやと思います。昔話をして、振り返って。そこで答え合わせをするのもありです。でも、これからのことを考えるうえで、将来の答え合わせを今することはできない。挑戦するから、答が出てくるわけで。挑戦しないと、分からんままです。

だから岩本とか中村倫也、パトリックの出場もそうだし、VTJの再開もそう。挑戦するから、何かが分かる。岩本に勝ちたい、中村に負けるか。パトリックなんぼのもんじゃ──っていう風な選手が出てくること。VTJから世界目指すんやっていう選手が現れることを期待していますし、それにはこっちが動かないとあかん。そういうもんやと考えています」

■VTJ2021視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■VTJ2021対戦カード

<58.5キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
アルフレド・ムアイアド(チリ)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
菅原和政(日本)

<63キロ契約/5分3R>
佐藤将光(日本)
河村泰博(日本)

<フェザー級/5分3R>
宇野薫(日本)
原口央(日本)

<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
野村駿太(日本)

<ライト級/5分3R>
原口伸(日本)
岡澤弘太(日本)

■Shooto2021#07視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後1時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#07対戦カード
             
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
[王者] 黒部三奈(日本)
[挑戦者] SARAMI(日本)

<修斗暫定世界ストロー級王座決定戦/5分5R>
猿丸ジュンジ(日本)
黒澤亮平(日本)

<ミドル級/5分2R>
岩崎大河(日本)
清水洸志(日本)

<フェザー級/5分2R>
結城大樹(日本)
岩本健汰(日本)

<フライ級/5分2R>
高橋SUBMISSION雄己(日本)
山内渉(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
澤田千優(日本)

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ARAMI MIKE MMA News SARAMI Shooto VTJ2021   修斗 原口央 宇野薫 岩本健汰 猿丸ジュンジ 結城大樹 黒澤亮平 黒部三奈

11.6『VTJ 2021』で宇野薫と原口央が対戦


VTJ 11.6 USEN STUDIO COAST:デビュー25周年・宇野薫が出場。GLADIATORフェザー級新王者・原口央と対戦(バウトレビュー)

 11月6日に新木場のUSEN STUDIO COASTで開催する『VTJ 2021』で宇野薫 vs. 原口央が行われるとのこと。

 宇野は5月16日の『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.3』で内藤太尊に2R KO負けして以来の試合。原口は9月26日の『GLADIATOR 15』でMIKEに2R TKO勝ちしフェザー級王座を戴冠して以来の試合。

11.6 プロフェッショナル修斗・USEN STUDIO COAST大会決定カード 今、トレンドはグラップリング?! 国内屈指のグラップラー岩本健汰が連続参戦! に続き高橋SUBMISSIONも参戦決定! 世界ランカー・結城、ハードストライカー・山内と激突!(日本修斗協会公認サイト)
◎フェザー級5分2R
結城大樹(同級世界9位/マスタージャパン福岡)
vs
岩本健汰(ロータス世田谷)

◎フライ級5分2R
高橋SUBMISSION雄己(和術慧舟會HEARTS)
vs
山内 渉(FIGHT FARM)

◎女子世界スーパーアトム級チャンピオンシップ5分5R
黒部三奈(王者・初防衛戦/マスタージャパン東京)
vs
SARAMI(挑戦者・同級1位/パンクラスイズム横浜)

◎世界ストロー級暫定チャンピオン決定戦5分5R
猿丸ジュンジ(同級1位/修斗GYM東京)
vs
黒澤亮平(同級5位/パラエストラ松戸)

 この日は同会場で昼に『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.7』が開催され、以上のカードが決定しています。続きを読む・・・
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ABEMA ARAMI J-CAGE News Shooto2021#07 ブログ 山内渉 岩本健汰 結城大樹 高橋サブミッション雄己

【Shooto2021#07】結城大樹✖岩本健汰、高橋サブミッション✖山内渉。ダイバーシティ「打・投・極」!!

【写真】組みの粘り強さが身上の結城だが、岩本に組ませてはいけない。そして岩本は組めない時を乗り越える必要がある(C)MMAPLANET

8日(金)、Sustainより11月6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストでVTJ2021と昼夜興行で開催されるShooto2021#07の追加カードが発表された。

修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合=王者・黒部三奈✖挑戦者SARAMI、修斗暫定世界ストロー級王座決定戦=猿丸ジュンジ✖黒沢亮平という2つのタイトル戦が明らかとなっている今大会、追加カードは2回戦2試合だ。


一つはフェザー級2回戦、9月大会でMMAデビューを果たしたばかりの岩本健汰が、同級世界9位の結城大樹と対戦する。グラップリングの世界最高峰を目指すなかで、テイクダウン&スクランブルを身につけるために青木真也に合流した岩本は、いつしかトレーニングパートナーがMMAファイターばかりに。

結果、ADCCという目標を据え置きMMA挑戦を始めた。デビュー戦では椿飛鳥をRNCで落とし、やるべきことを全うし勝利を手にしている。対して、結城はプロ修斗4勝1敗4分、新旧グラジやパンクラス、DEEPでの戦績を合わせると9勝4敗4分というキャリアを誇っている。

結城の師・弘中邦佳のMMA道は、柔術の基礎をしっかりと身につけること。その上でMMAを戦うというスタイルが浸透し、結城は過去10試合で6勝1敗3分と結果を残している。

勝利は判定かバックチョークと弘中イズムを体現しており、その心情は組みで粘りを見せる──ことだ。とはいえ、岩本戦では組技に持ち込まれると力の差は明白だ。組みを習得したMMAファイターとして、結城が組ませない打撃をどれだけ岩本に入れることができるか──そこがまず見もののファイトとなる。

今回明らかとなった、もう一つの2回戦は高橋SUBMISSION雄己✖山内渉のフライ級マッチ。高橋もそのリングネームに表れているように──自らをグラップラーと分類し、MMAを戦う組技師だ。

とはいえ岩本がMMAを戦ううえでトップ重視のMMAグラップリングを実践するのに対し、高橋は迷わず下を選択するなどピュア・グラップリングの技術で修斗を戦う。

現代MMAで下になれば、上から殴られる。判定基準もトップ重視だ。その実──外掛け外ヒールでない限り、日本のMMAファイターの多くはダハナー以降の足関節のエントリーに瞬時に反応し、殴ることはそれほどできていない。

MMAはパンチ、蹴り、ヒザ、エルボー、レスリング、クリンチ、スクランブル、ホールディング、トランジッション、多岐にわたるサブミッション等々、修得すべき技術があり過ぎる。

そして現状でいえば打撃とレスリング、そして寝技という修得順序があり、その寝技での極めはスクランブルでのギロチン、失敗して不利にならないためにポジションを制してのRNCが主流であることも否定できない。

と同時に打と倒、そしてポジションと極めという4つのエレメントを接続させるのではなく、融合させるのが次世代フーリーラウンディットMMAファイターだ。

今回、高橋と対戦する山内は『格闘DREMAERS』出身、EXFIGHTでなくFIGHT FARM所属を選んだファイターで、上に挙げた要素の一つ、一つに大砲を抱えているわけではなく、合間を埋める動きで、ペースを握るウェルラウンダ―だ。

グラップリング・スタイリストの高橋に対し、4要素の繋ぎのスムーズさが最大の特徴の山内にとって、足関節のエントリーという局面がエアポケットにならないか。

現代MMAではフットロッカーが少ないばかりか、ガードファイターがそもそも少ない。自ら下になり足関節を狙うという選手が少ない分、その対処も未成熟ともいえる。高橋の足関節エントリーを埋める動きを山内はデキるのか。そこが可能であれば、回転が武器の山内が遮断MMAで勝機を掴める。

結城✖岩本、高橋✖山内という2つの2回戦は修斗、そしてMMAの多様性が凝縮されたマッチアップといえる。

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ABEMA ARAMI MMA Report SARAMI SASUKE   キック 中村倫也 中村未来 仲山貴志 修斗 安藤達也 工藤諒司 石井逸人 結城大樹 西川大和 論田愛空隆 野瀬翔平

『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5』試合結果/9.20『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.6』で川名TENCHO雄生と西川大和が対戦

修斗 7.25 後楽園ホール:中村倫也、プロデビュー戦は2R左ハイでKO勝ち「俺のオリンピックが始まる」。SASUKE、世界フェザー級王者となるも強気アピール封印。SARAMI、黒部三奈との3度目の対戦へ(バウトレビュー)
第8試合 メインイベント 修斗世界フェザー級チャンピオン決定戦 5分5R
○SASUKE(マスタージャパン東京/世界1位、環太平洋王者)
×工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA/世界7位、環太平洋2位)
判定2-0 (片岡48-47/田澤47-47/福田48-47)
※SASUKEが王者に

第7試合 セミファイナル 修斗女子世界スーパーアトム級(50kg)次期挑戦者決定戦 5分3R
○SARAMI(パンクラスイズム横浜/世界2位)
×中村未来(マルスジム/世界4位)
2R 2’48” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第6試合 バンタム級 5分2R
×論田愛空隆[ろんだ あくり](心技館)
○中村倫也[りんや](EX FIGHT)
2R 0’20” KO (左ハイキック)

第5試合 ライト級 5分2R
×エドモンド金子(BRAVE)
○岡澤弘太(佐山道場)
判定0-3 (田澤18-20/長瀬18-20/豊永18-20)

第4試合 フェザー級 5分2R
△仲山貴志(総合格闘技津田沼道場/世界2位、環太平洋4位、元環太平洋王者)
△結城大樹(マスタージャパン福岡)
判定0-1 (片岡18-20/長瀬19-19/田澤19-19)

第3試合 バンタム級 5分2R
×齋藤 翼(総合格闘技津田沼道場/FIGHT FARM)
○野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
判定0-3 (田澤18-20/片岡18-20/長瀬17-20)

第2試合 フライ級 5分2R
○山内 渉(FIGHT FARM)
×植木“令和”新(シューティング宇留野道場)※植木新 改め。総合格闘技宇留野道場から所属先名称変更
2R 4’35” 三角絞め

第1試合 トライアウト フェザー級 3分2R
○村山大介(マスタージャパン東京)
×スソン(KRAZY BEE)
判定3-0 (長瀬20-18/豊永20-17/福田20-17)

 遅ればせながら7月25日に後楽園ホールで開催された『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5』の試合結果。メインイベントは斎藤裕が返上した修斗世界フェザー級王座の決定戦が行われ、SASUKEが工藤諒司に判定勝ちし新チャンピオンに。セミファイナルの女子世界スーパーアトム級次期挑戦者決定戦はSARAMIが中村未来に2R KO勝ちし黒部三奈への挑戦権を獲得。


 レスリング全日本選手権16~17年2連覇、17年U-23世界選手権優勝の中村倫也のプロデビュー戦は論田愛空隆に2R 0分20秒、左ハイキックでKO勝ちです。現在無料で視聴できます。


 9月20日に後楽園ホールで開催する『PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.6』で川名TENCHO雄生 vs. 西川大和の世界ライト級チャンピオンシップ、安藤達也 vs. 石井逸人の環太平洋バンタム級チャンピオンシップが発表されています。続きを読む・・・