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【Bellator264】バンタム級最恐ドミネイター=マゴメドフ撃破の鍵は、スタッツのスナップダウンと左ハイ

【写真】フェイスオフで、既に良い空気もなっている両者 (C)BELLATOR

13日(金・現地時間)にコネチカット州アンカスビルのFight sphere=モヒガンサン・アリーナで開催されるBellator264「Mousasi vs Salter」。

メインでBellator世界ミドル級選手権試合=王者ゲガール・ムサシ✖挑戦者ジョン・ソルターが組まれている今大会だが、日本のファンにとっては古豪の域に入ってきたムサシの防衛戦と同様に、堀口恭司がタイトル奪回を宣言しているバンタム級のトップ・プロスペクト対決、マゴメド・マゴメドフ✖ラフェオン・スタッツも見逃せないファイトだ。


前UFC世界バンタム級王者ピョートル・ヤンと1勝1敗、彼に喫した敗北がキャリアを通して唯一の黒星というマゴメドフは、バンタム級タイトルチャレンジャー第一候補だ。

18勝1敗、ダブルレッグ、シングルレッグ、ハイクロッチ、ケージレスリング、スクランブル、バックテイク、トップコントロールが圧倒的に強い最恐ドミネイターといえる。マゴメドフのドミネイトの先には圧倒的な判定勝ちだけでなく、バックからチョークやスクランブルでも強烈無比なギロチンというフィニッシュを待ち構えている。

対するスタッツもキャリア16勝1敗、D-2オールアメリカンレスラーはマゴメドフと同様にレスリングを主武器としているが、より打撃を多用しスピニングバックフィストでKO勝ちもしている。

とはいえマゴメドフはストライカーは気にしない。拳が届かない距離から、鋭い踏み込みでシングルやダブルに入り、組めばもう自分の庭で戦えるからだ。そんなマゴメドフにとって嫌なタイプは、テイクダウンを切れるレスラー。加えて、そこに打撃が備わっていれば、思ったように削ることができなくなる。

そう、スタッツのようなファイターとのレスリング勝負で優勢でなければ、マゴメドフのケージコントロールファイトは計算が成り立たない。

打撃でいうオーソの構えから、左手前のレスリングのサウスポーで鋭いシングルやダブルレッグに入るマゴメドフに対し、スタッツは完全な喧嘩四つの相手となる。

右手前の打撃的にはサウスポーのスタッツは、レスリングではオーソになる。そして、この試合の鍵を握っているのはスタッツの受けの強さだ。

前述したように簡単に倒されたり、バックを許すとそこはマゴメドフのフィールドで、スタッツが倒れなければ計算が狂う。そしてスタッツは、過去の試合を見る限り受けが強いというよりも、スナップダウンが巧みだ。

つまり相手の勢いをいなして、姿勢を乱すことに長けているということになる。そしてマゴメドフが最も警戒しないといけないのが、スナップダウンをバランス崩した時のスタッツの左ハイだ。マゴメドフも蹴りを使うが、ミドルもスピニングバックキックも遠いレンジで放たれる。

対してスタッツの左の蹴り、特にハイはミドルよりも近距離で有効だ。

いなされ、見えない角度からスタッツの左ハイが入ればマゴメドフといえども立っていることはできなくなるだろう。いずにせよ、この攻撃もスタッツがマゴメドフに組み負けないという大前提があってのもの。スタッツとすれば、ルーファスポートの同門セルジオ・ペティスがチャンピオンということを考えても、微妙な立場にいるが──ただの太刀持ちでは終わりたくないのは当然だ。

次のワールドGPはバンタム級で行われるということも伝わってくるBellatorだけに、堀口の存在も含めこの試合の勝者が即タイトル挑戦となるかは不明だが──陣容が固まってきた135ポンドの戦い模様に大きな影響を与える試合であることは間違いない。

■視聴方法(予定)
8月14日(土・日本時間)
午前8時15分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前10時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator264計量結果

<Bellator世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]ゲガール・ムサシ: 185ポンド(83.91キロ)
[挑戦者] ジョン・ソルター: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アンドレ・コレシュコフ: 170.75ポンド(77.45キロ)
サバウ・ホアシ: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ: 135.75ポンド(61.57キロ)
ラフェオン・スタッツ: 136ポンド(61.69キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ダヴィオン・フランクリン: 264 ポンド(119.74キロ)
エヴェレット・ガミングス: 257ポンド(116.57キロ)

<ミドル級/5分3R>
タイ・グワーダー: 185ポンド(83.91キロ)
カジムラット・バスタエフ: 185ポンド(83.91キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
パム・ソーレンソン: 145.75ポンド(66.11キロ)
ホベルタ・サマージ: 146ポンド(66.22キロ)

<142ポンド契約/5分3R>
ジェフリー・グロスナー: 142ポンド(64.41キロ
セバスチャン・ルイ: 141.75ポンド(64.29キロ)

<195ポンド契約/5分3R>
オーランド・メンドーザ: 194ポンド(87.99キロ)
ジョン・マクニール: 195ポンド(88.45キロ)

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BELLATOR MMA ONE YouTube   ゲガール・ムサシ ジョン・ソルター マゴメド・マゴメドフ

『Bellator 264: Mousasi vs. Salter』前日計量動画

Bellator 264 weigh-in results: Main card fighters on point; one prelim canceled after big miss(MMAJunkie)
MAIN CARD (Showtime, 9 p.m. ET)

・Champion Gegard Mousasi (185) vs. John Salter (185)
・Sabah Homasi (171) vs. Andrey Koreshkov (170.75)
・Magomed Magomedov (135.75) vs. Raufeon Stots (136)
・Everett Cummings (257) vs. Davion Franklin (264)
・Khadzimurat Bestaev (185) vs. Ty Gwerder (185)

PRELIMINARY CARD (MMA Junkie, 6:30 p.m. ET)

・Roberta Samad (146) vs. Pam Sorenson (145.75)
・Justin Montalvo (155.75) vs. Kendly St-Louis (162.5)*
・Jeffrey Glossner (142) vs. Sebastian Ruiz (141.74) – 142-pound contractweight
・Jon McNeil (195) vs. Orlando Mendoza (194) – 195-pound contractweight

* = St-Louis misses weight by 6.5 pounds, fight canceled

 『Bellator 264: Mousasi vs. Salter』前日計量結果。前座でケンドリー・セントルイスが162.5ポンドとなんと6.5ポンドオーバー。ジャスティン・モンタルヴォ戦は中止になっています。




 前日計量動画。


Bellator 264 predictions: Is anyone picking John Salter over Gegard Mousasi?(MMAJunkie)

・ゲガール・ムサシ vs. ジョン・ソルターは13人全員ムサシ支持。

・アンドレイ・コレシュコフ vs. サバウ・ホマシはコレシュコフ支持12人、ホマシ支持1人。

・ラフェオン・ストッツ vs. マゴメド・マゴメドフはストッツ支持3人、マゴメドフ支持10人。

・ダヴィオン・フランクリン vs. エヴェレット・カミングスはフランクリン支持5人、カミングス支持8人。

・タイ・グワーダー vs. カジムラット・ベスタエフはクワーダー支持9人、ベスタエフ支持4人。続きを読む・・・
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BELLATOR Bellator255 Report シージェイ・ハミルトン ブログ マゴメド・マゴメドフ

【Bellator255】ロシア風ファイトを北米でも貫いたマゴメドフ。ハミルトンに圧勝しベラトールで2連勝

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)
Def.2R1分22秒by RNC
シージェイ・ハミルトン(米国)

スイッチして左右に動くハミルトンに対し、スピニングバックキックを放ったマゴメドフ。ダックでかわしたハミルトンのローをキャッチして、距離を詰めると組んできたところで腰に乗せたマゴメドフが投げる。すぐに立ち上がったハミルトンは、回して離れると左ミドルを蹴る。直後にシングルレッグから回り込むようにテイクダウンを決めたマゴメドフだが、ハミルトンはスイッチからスクランブルに持ち込みヒザを入れる。

間合いを取り直したハミルトンだが、マゴメドフはシングルでケージに押し込みドラックダウンを決める。サイドで抑えたマゴメドフは、足を戻されてもすぐにパス。足を戻してくるところで右のパンチを入れ、パスからバックへ。四の字フックで後方から殴るマゴメドフは、背中を伸ばすと、上を向いたハミルトンにパンチを入れる。背中を向け、ガードに戻したハミルトンに強烈な勢いでパンチ、鉄槌を入れたマゴメドフがバックスープレックスから、パウンドを時間まで続けた。

2R、心が折れてもおかしくない猛攻を受けたハミルトンに対し、マゴメドフはスピニングバックキック。足が止まっているハミルトンは、左ミドルもマゴメドフは跳びヒザから組んでヒザを続ける。シングルにギロチンを合わせたハミルトンだが、即パスから頭を抜いたマゴメドフがエルボーを落とす。立ち上がったハミルトンの背中に飛び乗ったマゴメドフは、両足フックからパームトゥパームで前方に崩してタップを奪った。

「やりたいことができて勝てた。ランカーじゃなかったから、次はトップ5の誰からと戦いたい」とまるで表情を変えずマゴメドフは話した。


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BELLATOR Bellator255 News アレハンドラ・ララ エマニュエル・サンチェス ジェイソン・ジャクソン ネイマン・グレイシー パトリシオ・フレイレ ブログ マゴメド・マゴメドフ ロジャー・フエルタ 渡辺華奈

【Bellator255】計量終了 ベラトール新時代。マゴメドフ、ネーロ×セイシャスらプレリミも見逃せない

【写真】プレリミながら見逃せないマゴメド・マゴメドフのベラトール2戦目(C)BELLATOR

1日(木・現地時間)、 2日(金・同)にコネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナで開催されるBellator255「Pitbull vs Sanchez」の計量が行われた。

メインでBellator世界フェザー級選手権兼ワールドGP準決勝を戦う挑戦者エマニュエル・サンチェスと、パトリシオ・フレイレはフェイスオフ後にインタビューが行われた。

まずサンチェスが「素晴らしい金曜日の夜になる。キリストが僕と一緒にいてくれる。キック、パンチ、ジャンピング・スピニングキック、勝利のためなら何でもする。でもシンプルにジャブ、クロス、拳で敗北を与え、僕が決勝へ行く」と話す。

続いてフレイレは「彼が危険な相手だ。でも最初から終わらせにいく」と語った。

日本から出場する渡辺華奈と対戦するアレハンドラ・ララは、蝶の羽を模したコスチュームを用意しスケールの上、フェイスオフ後にその羽を広げた。


今回、SHOWTIME中継第一弾のベラトールでは、その放送枠に入っていないプレリミが、チケット要員でない流れが続く強力な布陣、しかもニューカマーが動員されている。

ただし、ウェルター級で出場予定だった元ACBウェルター級王者のムカメド・ベルカモフは、3.8ポンドの体重オーバーでハーマン・テラドが対戦に応じず、この一戦は中止に。

さらにブラジルから17勝1敗のミドル級ファイター=ファビオ・アギラルも2.7ポンドの体重超過となったが、ハリド・ムルタザリエフ(※14勝2敗)はキャッチウェイト戦を了承している。

今回がベラトールで2戦目となるマゴメド・マゴメドフもプレリミでシージェイ・ハミルトンと戦う。徹底してテイクダウン&コントロールで組み勝つ試合が信条のマゴメドフ、どこまであのスタイルを貫き通すことができるのか、見ものだ。

LFAで連敗しながらベラトールで戦うチャンスを得て、2勝目を狙うヒカルド・セイシャスと、初勝利を狙うマンデル・ネーロのライト級など、プレリミも楽しみな試合が多い。

そしてプレリミとメインカードとの繋がりはコロナ禍前より強くなったベラトールだけに、ここで挙げた選手たちの試合は今後のメインカードをより楽しむためにも、ぜひとも押さえておきたいところだ。

それだけにムカメド・ベルカモフの試合の中止と、ファビオ・アギラルの契約体重戦──計量失敗が残念でならない。

■視聴方法(予定)
4月3日(土・日本時間)
午前7時~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前10時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator255計量結果

<Bellator世界フェザー級選手権&ワールドGP準決勝/5分5R>
[王者]パトリシオ・フレイレ: 144.1ポンド(65.36キロ)
[挑戦者]エマニュエル・サンチェス: 144.5ポンド(65.54キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ネイマン・グレイシー: 170ポンド(77.11キロ)
ジェイソン・ジャクソン: 170.9ポンド(77.51キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ティレル・フォーチュン: 251.2ポンド(113.94キロ)
ジャック・メイ: 264.3ポンド(119.88キロ)

<ライト級/5分3R>
ウスマン・ヌルマゴメドフ: 155.2ポンド(70.39キロ)
マイク・ハメル: 155ポンド(70.31キロ)

<女子フライ級/5分3R>
アレハンドラ・ララ: 124.2ポンド(56.33キロ)
渡辺華奈: 124.8ポンド(56.6キロ)

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ: 135ポンド(61.24キロ)
シージェイ・ハミルトン: 134.4ポンド(60.96キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ムカメド・ベルカモフ: 173.8ポンド(78.83キロ)
ハーマン・テラド: 169.5ポンド(76.88キロ)

<ライト級/5分3R>
マンデル・ネーロ: 154.9ポンド(70.26キロ)
ヒカルド・セイシャス: 154.9ポンド(70.26キロ)

<ミドル級/5分3R>
ファビオ・アギラル: 187.7ポンド(85.13キロ)
ハリド・ムルタザリエフ: 183.6ポンド(83.27キロ)

<160ポンド契約/5分3R>
ロジャー・フエルタ: 159.4 ポンド(72.3キロ)
クリス・ゴンザレス: 159.2 ポンド(72.21キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョゼ・アウグスト: 203.2ポンド(92.16キロ)
ジョナサン・ウィルソン: 204.2ポンド(92.62キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ローマン・ファラルド: 171.1ポンド(77.6キロ)
トレバー・グッデ: 170ポンド(77.11キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン: 185.1ポンド(83.95キロ)
ブランコ・ビシック: 183.8ポンド(83.41キロ)

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Interview Special オレッグ・ボリソフ シャミル・ニカエフ ピョートル・ヤン ブログ マゴメド・マゴメドフ マテウス・マトス ルスタン・カリモフ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:2020年12月─その壱─マゴメドフ×マトス「レブニー的Bellator」

【写真】超ド級レスラーがベラトール・バンタム級戦線で如何に活躍していくのか(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

今月は変則的に番外編からお届けしたが、今回から従来の形式通りに、背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2020年12月の一番、第一弾は10日に行われたBellator254からマゴメド・マゴメドフ✖マテウス・マトスについて語らおう。


──青木真也が選ぶ2020年12月の一番、最初の試合をお願いします。

「マゴメド・マゴメドフ✖マテウス・マトス戦です。笑っちゃうのがマゴメドフだけでなく、相手のマトスもACBで戦っていた選手なんですよね。ピョートル・ヤンに負けてACBでは2勝1敗とかで」

ピョートル・ヤン✖マゴメド・マゴメドフ(C)ACA

──対するマゴメドフはヤンに勝ってACBバンタム級王者になっています。

「そこ、やっぱり引用しますよね。でもピョートル・ヤンに負けてベルトを失っていることは強調しない」

──それは試合を盛り上げるために、ピョートル・ヤンと1勝1敗、勝ったのは接戦で負けたのは完敗……とはしないですよね(笑)。

オレッグ・ボリソフ(C)ACA

「アハハハ。そしてピョートル・ヤンに勝っているから、バリバリの殴り合いができる選手だと思われていたかもしれないけど、超ド級のレスラーですしね(笑)。ACAとかチェックしていない人は、どんなロシア人が出てきたのかって楽しいだったからもしれないけど、実際は試合が跳ねる系じゃない。

試合内容だとオレッグ・ボリソフやルスタン・カリモフの方が面白い」

──その両名とヤン、マゴメドフでACBバンタム級四強でした。

ルスタン・カリモフ(C)ACA

「ハイ。で、試合でいえばピョートル・ヤン、ボリソフ、カリモフの方が面白いんですよ。ただ試合は跳ねないマゴメドフですけど、ボディクラッチからレスリングは抜群に強いです。襷にしなくて、ボディクラッチが。

エスケープを絶対にさせないし、スクランブルを起こさせない。そういう堅実なレスリングが強い。ヤンとかなんでも強いじゃないですか。UFCの選手ってレスリングだけっていうのはもう見られない。ただし、ここまでレスリングが強い選手はいるのか。

一点突破で何でも強い選手とやってどうなるのだろうかっていうぐらいレスリングは強いですね。ロシアのレスリングでいえば、ブラジル人のACAフェザー級王者のフィリッピ・フロレスが計量オーバーして。そのフロレスにKO負けしたマラット・バラエフ……あのユサップ・ライソフに負けている選手かんですけど、バラエフも打撃に特化しているのに相手がノヴァ・ウニオンのストライカーになると、一気に組みに行ったんです。

ああいう試合を見ていると、ロシア人ってフリースタイル・レスリングやサンボが強いから打ち合えるというのを表していると思います。

まあバラエフは45歳だけど、これから肝になるのはヤングイーグル(※ACAの人材育成大会)出身の選手かと。バラつきがあっても、あそこから抜けてくる選手は強いですよ」

──フライ級王者になったアズマット・カレフォフとか、ヤングイーグル出身ですね。

「あの春日井に勝ったヤツですね。ロシアは篩落としができる。ヤングイーグルで鍛えられた人間が勝ち残ると、やはり強いですよ。でも、そんなレスラーで試合は地味なマゴメドフがマトスと戦うとかっていうのは、ビヨン・レブニー時代のようですね」

──最近の兆候でいえば意外なマッチアップでした。

シャミル・ニカエフ(C)BELLATOR

「ウェルター級のシャミル・ニカエフとか、なんか投入していますしね」

──ニカエフは本来はライト級の選手で、ロシア勢は世界中を侵食しています。そのマゴメドフは、アン・アルタチュラ政権に挑むことになりますが、ベラトールのバンタム級戦線は大晦日に復帰する堀口恭司選手も元チャンピオンで強力なタイトルコンテンダーです(※同取材は12月30日に行われた)。

「堀口選手はケージでも大丈夫ですよね。朝倉海選手は、そこは分からない。堀口選手と朝倉選手が同じ相手10人とやるとアベレージで勝率が高いのは堀口選手だと思います。でも、朝倉選手の方が派手な勝ち方はできる。

だからこそ、この2人の試合は完成度の高さでいえば堀口選手だと思っています。マゴメドフと戦うことを考えても、堀口選手はダリオン・コールドウェルに勝ち、UFC時代にはアリ・バガウティノフに勝っていますからね」

──既に超ド級のレスラーとロシアンに勝っていると。

「堀口選手はラウンドマストでも足が使えて打撃があるから、相性は良いと思います。大晦日にケガ明けでどういう試合ができるのかは見る必要がありますが、堀口選手がマゴメドフやアルタチュラと絡むととても面白いでしょうね。

そこはスコット・コーカーのベラトールですけど、マゴメドフなんてビヨン・レブニー時代のベラトールの面白さでもあるし、興味深いですね(笑)」

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BELLATOR Bellator254 Report ブログ マゴメド・マゴメドフ マテウス・マトス

【Bellator254】マゴメド・マゴメドフ、抜群のテイクダウン&コントロールでマトスを寄せ付けず完勝

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27
マテウス・マトス(ブラジル)

まず右ローから右フックを見せたマゴメドフがダブルレッグへ。これは距離が遠くマトスがバックに回りRNCを狙う。腰をずらしてスクランブルからシングルに出たマゴメドフは、ケージにマトスを詰めてダブルレッグへスイッチ、バックに回る。さらにボディロックからマトスを抱え上げ、頭から落とす。そのままバックコントロールを続けたマゴメドフは、マトスが胸を合わせてくるとハイクロッチへ移行。大きくスラムしてバック&ワンフックに取る。

前方にマトスを崩したマゴメドフは、後方からパンチを入れる。最後にリリースしヒザ蹴り、さらにダブルレッグを狙ったところで初回が終了──マゴメドフが取った。

2R、マットに手をついて蹴り、スピニングバックフィストを見せたマゴメドフは、続いて後ろ回し蹴りへ。そしてマトスの右ストレートにシングルレッグを合わせてケージに押し込む。シングルからすくい投げのようにテイクダウンを決めたマゴメドフは、バックコントロール、前方に崩してから逆に後方に自ら倒れ込み──四の字フックを完成させる。

マトスは立ち上がるも後方から殴られ、必死に手首を掴んで絞めを防御する。勢いのある右フックを入れたマゴメドフは、最後の30秒で着地してサイドバックを選択。離れたマゴメドフは、マトスがヒザをついている状態でヒザを顔面に入れたようにも見えたが、レフェリーは流した。

最終回、互いにミドルを蹴り、マゴメドフはローからサークリング、シングルレッグへ。頭を押して必死にエスケープを図ったマトスの軸足を払って倒したマゴメドフが、バックに回る。骨盤にヒザを入れるマゴメドフはコントロールを続け、残り1分40秒でバックマウントへ。懸命に背中が伸びないように粘るマトスは、上体を起こすもマゴメドフが後方に倒れ厳しい状態が続く。

ある意味、防御に徹したマトスが最後に胸を合わせに行ったが、時間はなくマゴメドフが問題なく判定勝ちを収めた。

「スパシーバ、大きいな大会だし凄くナーバスになっていた。サインしてくれた皆に感謝している。ここに来られて嬉しい。次? 名前は出さないけどベラトール・ジャングルの新しいキングになるために誰とでも戦う」とマゴメドフ話した。


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Bellator254 News other MMA イリマレイ・マクファーレン ゴイチ・ヤマウチ ジュリアナ・ヴェラスケス ブログ ホビソン・グレイシーJr マゴメド・マゴメドフ

【Bellator254】計量終了 マクファーレン「最大のテスト」。ゴイチ・ヤマウチは大幅オーバーで試合が中止

【写真】世界が苦しんだ2020年、ベラトール最後の試合は女子フライ級選手権試合=マクファーレン✖ヴェラスケス戦だ(C) BELLATOR

9日(水・現地時間)、10日(同)にコネチカット州アンカスビルのFightsphere=モヒガンサン・アリーナで開催されるBellator254「Macfarlane vs Velasquez」の計量が行われた。

メインでBellator世界女子フライ級王座を賭けて戦うイリマレイ・マクファーレンとジュリアナ・ヴェラスケスは問題なく計量を終え、配信用フェイスオフでマクファーレンは両手を差しだし、ヴェラスケスと握手を交わした。

ヴェラスケスは「今年は世界中で本当に暗い1年になってしまった。人々がより優しく、愛を持ってほしい。こんな年の最後にチャンピオンになることで、より思い出深いモノになると思う。そういう意味でパーフェクトなタイミングね──今はもういない弟にとっても」とコメント。

対してチャンピオンは「当然、家族や友人たちのいる故郷で試合をすることは大好きだけど、今、ここに居られることに感謝しているわ。ジュリアナが言ったように2020年は皆にとってクレイジーな1年になった。どこだろうが、試合が実現できることが嬉しい。Bellatorに感謝しているし、楽しいたいわ。彼女は本当にフィジカルが強い。これまで私が戦った誰よりもね。それにサウスポーの柔道家と戦ったこともないわ。ジュリアナとの試合は、絶対的に私のキャリアにおいて最大のテストになるわ」と語った。


ホビソン・グレイシーJr

注目のサークルケイジ初出場のマゴメド・マゴメドフも問題なく計量を終えたが、ライト級でネイト・アンドリュースと対戦予定だったゴイチ・ヤマウチは 162.8ポンドと、7.8ポンドのオーバーで試合は中止となった。

プレリミではMMA4戦目のホビソン・グレイシーJr、そして2018年にかつてベラトールを席捲したタイガー・サルナフスキーに判定勝ちするなど、キャリア9勝0敗のロシアン=シャミル・ニカエフに注目だ。

■視聴方法(予定)
12月11日(金・日本時間)
午前10時~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
正午~DAZN

■Bellator254計量結果

<Bellator世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]イリマレイ・マクファーレン: 124.8ポンド(56.6キロ)
[挑戦者]ジュリアナ・ヴェラスケス: 124.4ポンド(56.42キロ)

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ: 136ポンド(61.69キロ)
マテウス・マトス: 135.2ポンド(61.32キロ)

<ヘビー級/5分3R>
リントン・ヴァッセル: 239ポンド(108.4キロ)
ホニー・マルケス: 252.1ポンド(114.35キロ)

<ライト級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ: 162.8ポンド(73.84キロ)
ネイト・アンドリュース: 155.8ポンド(70.66キロ)

<ヘビー級/5分3R>
デヴィオン・フランクリン: 264 ポンド(119.74キロ)
アンソニー・ギャレット: 241ポンド(109.3キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ホビソン・グレイシーJr: 170ポンド(77.11キロ)
ビリー・ゴフ: 169.8ポンド(77.01キロ)

<フェザー級/5分3R>
ケニー・チャンピオン: 144.7ポンド(65.63キロ)
コディ・ロー: 145ポンド(65.77キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロメロ・コットン: 185.1ポンド(83.95キロ)
ジャスティン・サムター: 184.7ポンド(83.77キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
モーリス・ジャクソン: 201.3ポンド(91.3キロ)
グラント・ニール: 204.9ポンド(92.94キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ケムラン・ラチノフ: 170.9ポンド(77.51キロ)
シャミル・ニカエフ: 170.3ポンド(77.24キロ)

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【Bellator254】対戦カード ハワイ大会でなくても1年の締めはイリマレイ・マクファーレン

【写真】12月、恒例のマクファーレンの防衛戦。今年はコロナの影響で、試合出場は1度だけとなった(C)BELLATOR

2020年12月10日(木・現地時間)
Bellator254「Macfarlane vs Velasquez」
コネチカット州アンカスビル
Fightsphere=モヒガンサン・アリーナ

■視聴方法(予定)
12月11日(金・日本時間)
午前10時~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
正午~DAZN

■対戦カード

<Bellator世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]イリマレイ・マクファーレン(米国)
[挑戦者]ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)
マテウス・マトス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
リントン・ヴァッセル(英国)
ホニー・マルケス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
ネイト・アンドリュース(米国)

<ヘビー級/5分3R>
デヴィオン・フランクリン(米国)
アンソニー・ギャレット(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ホビソン・グレイシーJr(ブラジル)
ビリー・ゴフ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ケニー・チャンピオン(米国)
コディ・ロー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ロメロ・コットン(米国)
ジャスティン・サムター(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
モーリス・ジャクソン(米国)
グラント・ニール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ケムラン・ラチノフ(米国)
シャミル・ニカエフ(ロシア)

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【Bellator254】ピョートル・ヤンと1勝1敗、元最恐ロシア・バンタム級四強=マゴメド・マゴメドフが初陣

【写真】あの頃の強さを維持できているなら、ベラトール・バンタム級も世界のベルトはロシア人の持ち物になる可能性は決して低くない (C) ACA

10日(木・現地時間)にコネチカット州アンカスビルのFightsphere=モヒガンサン・アリーナで2020年のベラトール最終イベント=Bellator254「Macfarlane vs Velasquez」が開催される。

メインはイベント名にあるようにBellator世界女子ストロー級王者イリマレイ・マクファーレンが、ジュリアナ・ヴェラスケスの挑戦を受ける一戦が用意されている。キャリア11連勝のチャンピオンにとって5度目の王座防衛戦で、ヴェラスケスはキャリア10勝0敗──ベラトールでも5連勝で挑戦権を獲得した。

米国におけるベラトールの1年の掉尾を飾るイベントは、過去2年はハワイTwo daysという流れであったが、パンデミック以降の北米での大会開催は全てがファイト・スフィアでハワイ大会も見送られた。それでも、1年の締めに登場するのはハワイ出身のワールドチャンピオンであるマクファーレンということになる。


そんな2020年最終イベントにロシアからマゴマド・マゴメドフがベラトール初戦をマテウス・マトスを相手に迎える。元ACBバンタム級チャンピオンのマゴメドフは2016年3月に現UFC世界バンタム級王者ピョートル・ヤンと同級王座決定戦を行いベルトを獲得。2017年4月にヤンにリベンジを許した試合が、キャリア唯一の敗北だ。

つまり世界最強の男と1勝1敗、さらにはオレッグ・ボリソフにはギロチンで一本勝ちしており──ヤン、ボリソフ、ルスタン・カリモフらとACB地獄のバンタム級四強時代を形成していた。

その後ACA王者となったカリモフと並び、長きに渡りUFCとの契約が濃厚と思われていたが、マゴメドフはベラトールに舵を切ったことになる。オーソ機軸のスイッチヒッター、強烈な右オーバーハンド、切れのある右ミドル、レスリングも攻防共に強く、そこにダーティボクシングを融合させている。加えてタップを奪えるアームイン・ギロチンと、ロシアの猛者らしく穴がないマゴメドフだが、丸1年ぶりのファイトと初めて米国で戦うという2点は気掛かりだ。

特にロシア四強時代2年で6試合をこなしているが、それからの3年では3試合しか戦っていない。コンディション的に、どこまで仕上げられているのか。かつてのキレをマゴメドフが持ち続けているなら、バンタム級政権を握ったばかりのフアン・アルチュレタに対して、強烈な政敵が現れることになる。

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