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【Road to ADCC】攻撃、受け、77キロ級の行方が決まる? ニッキー・ライアン✖ダンテ・リオン

【写真】ここはADCCならではのポイント制が、勝利の鍵を握ることになるか(C) MIKE CALIMABS/WNO&SATOSHI NARITA

17日(土・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてFlograppling主催のRoad to ADCCが開催される。
Text by Isamu Horiuchi

文字通り、来年開催のADCC世界大会へ向けた今大会。ニッキー・ライアン✖ダンテ・リオンは77キロの軸となる若い力の激突だ。


先月20歳になったばかりのニッキーは、日本では今成正和や所英男から一本勝ちをしたことでも知られる。最近は増量とパワーアップに励むとともに、ジョン・ダナハー軍の代名詞でもある足関節技を封印し、自らの引き出しを増やす戦いに挑んでいる。

4月のWNO 08におけるPJバーチ戦ではシッティングからシングルレッグテイクダウンにつなげる展開を狙い続け、制圧することはできなかったものの、主導権を取り続けて勝利を手にした。続いて5月のWNO 09のガブリエル・アウメイダ戦ではトップから勝負し、ここも一本勝ちは逃したがボディロックパスやクリーンテイクダウンを決めてウィナーコールを受けている。

そんなニッキーに立ちはだかるのは、2019年のADCC世界大会77キロ級にて、競技柔術の絶対王者ルーカス・レプリを倒して世界を驚かせたカナダのダンテ・リオンだ。

注目したいのは、この一戦でのリオンの勝ち方だ。レプリの必殺のニースライスパスをシッティングガードやニーシールドで防いだリオンは、そこから一瞬でシットアップしてシングルレッグを仕掛け、そのままレプリのバックについて勝利を決定付ける4ポイントを獲得した。

つまりリオンは、ニッキーがバーチ戦で試みたシッティングガードからシングルへの移行──最近「レスリングアップ」という名称で改めて脚光を浴びているムーブ──を、世界最高のパスガード・マイスターのレプリに決めてみせたほどの使い手なのだ。自分がトップにいる時の防ぎ方や対処も当然熟知しているだろう。

また、ニッキーがアウメイダ戦で試みたスタンドレスリングの攻防もまた、リオンがもともと得意とするところだ。今年2月のF2W 174におけるマニュエル・ヒバマー戦においても、リオンは階級上の相手に何度も気迫十分のテイクダウンを仕掛け、スタンドレスリングで優勢に試合を進めた。物議を醸した判定で惜敗したものの、リオンの充実ぶりは十分に伝わった。ニッキーが現在強化を試みている分野において、リオンはもともと強い。

このことを踏まえて考えると、今回ニッキーがどのような攻防を挑むかは興味深い。選手が武器を増やすことの主な目的は、試合において相手の弱い分野で戦って勝率を上げることにある。だとするならば、今回あえてリオンが得意とする攻防を挑むのは賢い策とは言えないだろう。だが最近のニッキーが、目の前の相手に対する勝利は目指しつつも、さらにそれ以上の大きな目標を見据えて試合に臨んでいることも明らかだ。そしてこの大会の名称、”Road to ADCC”が示唆するテーマはまさにそれである。

同様の見方は、前回大会にて世界を驚かせつつも4位に終わり、次こそ優勝をと心に誓っているであろうリオンに当てはめることができる。前回の3位決定戦において、ニッキーの兄弟子ゲイリー・トノンと激闘の末外ヒールに屈したリオンは、そのトノン同様に危険な足関節の使い手であり、来年の本戦でも自分に立ちはだかる可能性の高いニッキー相手にどのような攻防を挑むのか。

本戦そのものではなく、それに向けた前哨戦であるということを念頭にこの試合の攻防を味わいたい。

■視聴方法(予定)
7月18日(日・日本時間)、
午前9時00分~Flo Grappling

■ Road to ADCC対戦カード

<無差別級/20分1R>
カイナン・デュアルチ(ブラジル)
マテウス・ジニス(ブラジル)

<175ポンド契約/20分1R>
ダンテ・リオン(カナダ)
ニッキー・ライアン(米国)

<66キロ級/5分3R>
マイキー・ムスメシ(米国)
ジオ・マルチネス(米国)

<88キロ級/5分3R>
ウィリアム・タケット(米国)
ルーカス・バルボーザ(ブラジル)

<女子60キロ以上級/5分3R>
エリザベス・クレイ(米国)
アナ・カロリーナ・ヴィエイラ(ブラジル)

<88キロ級/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
ロベルト・ヒメネス(米国)

<1R20分・88キロ以下契約>
ロベルト・ヒメネズ(米国)
ケイド・ルオトロ(米国)

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MIKE MMA Road to ADCC ジオ・マルチネス ジュニー・オカシオ ハイサム・リダ マイキー・ムスメシ ルーカス・ピニェーロ

【Road to ADCC】ベリンボロ&EBの融合体ジオ・マルチネス✖ファンダメンタル最強マイキー・ムスメシ

【写真】常軌を逸した集中力とでもいうべき、精神力の持ち主でもあるマイキー・ムスメシ (C) MIKE CALIMABS/WNO

17日(土・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてFlograppling主催のRoad to ADCCが開催される。
Text by Isamu Horiuchi

最近のノーギ・ブームにあって、20分という長丁場が揃うのも珍しい。さすがに組み技世界最高峰のADCCの名を冠に持つイベントだけのことはある。

そんな今大会で、66キロ級というADCC最軽量級で要注目の一番=マイキー・ムスメシ✖ジオ・マルチネスが組まれた。


2017年から2019年にかけて連続でムンジアル3連覇、道着着用の柔術において全てを成し遂げた最軽量級絶対王者ムスメシは、今年に入って最後の野望=ADCC世界大会優勝に向けてノーギグラップリングに本格的に挑んでいる。

ノーギの練習を開始して僅か2カ月でルーカス・ピニェーロを内ヒールで秒殺し、その1カ月後には足関節を得意とするノーギ専門家のジュニー・オカシオを足の取り合いで圧倒。驚異的な進化を見せつけている。

その強さとはあまりに対照的なソフトな物腰と笑顔をもって、ギ&ノーギ完全制覇への道を爆進するムスメシの前に今回立ちはだかるのが、ADCC世界大会に4度出場の実績を持つジオ・マルチネスだ。

(C)SATOSHI NARITA

エディ・ブラボー主宰の10th Planet柔術所属、元プロのブレイクダンサーという変わり種のマルチネスは、柔軟かつ強靭な身体をもって、ブラボーの独創的な技術体系とベリンボロ等の回転系の動きを組み合わせた戦いをする。

極めの強さも持っており、20118年のQUINTET IIにて重量級のハイサム・リダをギロチンで仕留めたことで、日本のファンの間でも強烈な印象を残した。

上述の通り、ムスメシはここ2試合もっぱら足関節技の展開を挑み、驚くべき強さを見せている。が、この攻防はマルチネスも熟知している。特に2016年のEBI 10の決勝戦で、ダナハー門下(当時)最高の足関節師エディ・カミングスの快進撃を止めた一戦は印象的だ。

序盤はカミングスに足を持たれると、すぐに背中を軸に旋回して防いだマルチネス。それでもカミングスに足を絡まれてしまうが、そこで持ち前の柔軟性を発揮した。カミングスが狙う側の足をラバーガードの如く自ら抱えて、本戦を守り抜き、最終的にはOTに持ち込み勝利した。

防戦が目立ったとはいえ、マルチネスはダナハー軍の足関節システムを徹底研究していた10th planetのエースとして、足関節への危機察知能力と対応能力の高さを証明した。この分野で急速に進化するムスメシでも、マルチネスの足を極めるのは容易ではないだろう。

また、足関節とは別にムスメシが道着着用時代から得意としていた展開として、ベリンボロ等の回転系の動きからの攻撃がある。特にそこからクラブライド(インヴァーテッドガードのような姿勢で、自分の両スネを下から相手のヒザ裏等に当ててコントロールする状態)に入り、さらにそこから相手の片足に両足で絡むトラックポジションを創るなどし、バックを奪うパターンが強力だ。

とはいえ背中を軸にマットを旋回するこの攻防は、ブレイクダンサーであるマルチネスもお手の物だ。そして上述のトラックポジションを柔術グラップリング界に広めた第一人者は、他ならぬマルチネスの師匠のエディ・ブラボーだ。

必殺技であるツイスターにつなぐ体勢として、(故にツイスターフックとも呼ばれる)このポジションに至るまでの数々の独創的な仕掛けを考案した師ブラボーから学んだマルチネス。この展開においてはムスメシ以上に豊富なバリエーションを使いこなす。簡単に遅れを取ることはないだろう。

このように、マルチネスはムスメシの主要な攻撃手段に対して優れた防御と対抗手段を持つグラップラーだ。だが、実はムスメシを真に絶対王者たらしめているモノは、上記のような現代的技術の洗練度以前の、より原理的な部分──相手との密着の度合い、角度の調整、体捌き等──にある。

これらの柔術ファンダメンタルにおいて卓越しているが故に、パスガード時のプレッシャーや隙のないバックテイク、クローズドガードからの極めのようなオーソドックスな技術の精度、そして威力という点において、ムスメシは他の追従を許さない。だからこそ、ノーギへの対応や足関節の習得も人並み外れて早いと考えることができる。

至高の柔術ファンダメンタルを身に付けた人間が、最新の現代グラップリングの戦法を吸収したらどうなるのか──ムスメシは思考実験を具現化したかのような存在といえよう。それだけに、10年代後半から盛り上がったサブミッション・オンリー・ムーブメントの主役の一人であり、高い身体能力と技術と経験を併せ持つマルチネスとの邂逅は楽しみだ。

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Gladiator014 MMA WNO10 ジュニー・オカシオ マイキー・ムスメシ

【WNO10】マキシー・ムスメシが、足関節デモンストレーションでオカシオに圧勝

【写真】オールドスクールのガード、モダン柔術がしっかりしていると足関節ゲームのお手のモノになってしまうか……マイキー、恐るべし (C)/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催された。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー第3回は、本格的にノーギグラップリングに挑むようになった競技柔術軽量級ナンバーワンのマキシー・ムスメシが、ジュニー・オカシオ戦で足関節のバリエーションの多さを披露した戦いをお届けしたい。


<ノーギ・バンタム級/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def. 3-0
ジュニー・オカシオ(米国)

この世界では新鋭であるオカシオが32歳で、逆に熟練された競技柔術絶対王者のムスメシはまだ24歳だ。だがノーギグラップリングの世界においては、オカシオがすでにトップの地位を確立しているのに対し、ムスメシは本格転向してからまだ3カ月も経っていない。

シッティングを取ったムスメシは、内側からオカシオの左をたぐりにゆく。ヒールで秒殺した前回のピニェーロ戦に続き、足関節を得意とするノーギグラップラーであるオカシオ相手にも足関節の攻防を挑むつもりのようだ。

対するオカシオも上からムスメシの右足を取りにゆき、両者は足を取り合った。

ムスメシは左に絡んでのベリンボロから足を狙うが、オカシオも距離を取って足をとらせず、逆にムスメシの左足に外掛けで絡んで、さらに右足を取りゆく。

ここでムスメシがオカシオの左足を捉え、ストレートフットロックでカウンター。

実はムスメシは2019年のムンジアル決勝戦において、この技でホドネイ・バルボーザを秒殺したほどの使い手だ。強烈に足を締め付けられたオカシオは、場外に出るまでスピンし続けてブレイクを得た。

再開後、ムスメシは再び座ると今度はオカシオの右足に絡み、外掛けから内ヒールへ。オカシオはまたしてもスピンを続けてのエスケープを余儀なくされ、再び場外ブレイクとなった。

中央に戻ると、またしても座ってオカシオの右足に絡むムスメシ。するとオカシオは、ムスメシの足関節の強さを悟ったか、もはや攻防を挑まず背中を向けて引き抜いた。

その後もムスメシが下から絡んで足を狙い、オカシオがそこから逃れる展開が続く。

ヒール、エスティマロック、デラヒーバフットロック、クロスグリップのフットロック等、ムスメシは多様な足関節を繰り出し、極めることはできないが一方的に攻撃を繰り返していった。

残り40秒。ここまで防戦一方だったオカシオも、逆転を狙って足を狙って倒れ込む。するとムスメシはその左足を流しながら掴み、シットアップして超えてニーオンザベリーへ。

オカシオが下からスクランブルを試みると、すかさず首を取ってアナコンダチョーク一閃。深くロックが入り、上から体重をかけて絞めあげ完全決着かというところで、時間切れとなった。

判定は3-0でムスメシに。ノーギの練習を開始してまだ二ヶ月半ほど。ピニェーロ戦での秒殺劇に続き、今度は足関節を得意とするトップノーギグラップラーのオカシオを多彩かつ強烈無比な足関節の仕掛けで圧倒。最後はわずか数秒でトップから制圧し、次の瞬間には深く極めに入るという、まさに底知れぬ強さを見せつけた。

勝利者インタビューでムスメシは「ジュニーがすごく足関節が上手いことを知っていたから、今日はハイレベルな足関節の攻防を感じてみたかったんだ。またたくさん修正点はあるけど、でもうまく戦えた。でもジュニーのエスケープも素晴らしかったね」と、その恐るべき強さとはあまりにも対照的なソフトな口調と笑顔で語った。

ムスメシの次戦は7月17日(日・現地時間)、Road to ADCCのジオ・マルティネスが気会っている。一回り以上大きく、現役の一流ブレイクダンサーとして強靭かつ柔軟な身体を持ち、極め力も抜群の10th planet柔術軽量級のエースとの一戦が、今から楽しみだ。

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EUG02 MMA WNO10 オリバー・タザ ジュニー・オカシオ ジョナタ・アウヴェス タイナン・ダウプラ マイキー・ムスメシ ミカエル・ガルバォン ルーカス・ピニェーロ

【WNO10】マイキー・ムスメシが2大会連続出場。EUG02の衝撃から1週間、ミカ・ガルバォンも

【写真】マイキーの快進撃が始まるか(C)COREY STOKTON/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催される。レビュー最終回はバンタム級のマイキー・ムスメシ✖ジュニー・オカシオ、ウェルター級のミカエル・ガルバォン✖オリバー・タザという注目の2試合の見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi

ムスメシは、言わずと知れた2017年~2019年にムンジアル三連覇を達成し、道着着用の柔術においては誰もが認める軽量級絶対王者だ。今年に入って最後の野望=ADCC制覇に向けてノーギでも本格始動を開始し、5月のWNO 09ではルーカス・ピニェーロ相手にわずか1分半足らず、下から50/50を作っての内ヒールで秒殺勝利している。


3月のマルセロ・コーエン戦(腕を極めて圧勝)後に練習をノーギに切り替えてわずか2カ月にして、その恐るべき対応能力を見せつけたムスメシの対戦相手ジュニー・オカシオは、ミヤオ兄弟の同門でユニティ柔術所属だ。2019年に黒帯を取得すると、Kasai pro 6の予選リーグで今成正和の足関節技を凌いでポジションを奪って8-1で勝利、さらに10thPlanet柔術・軽量級のエース=ジオ・マルチネスとの凌ぎ合いを2-0で制して決勝進出。 決勝こそ先輩のジョアオに惜敗したももの、その実力を知らしめた。

その後も実績を重ねているオカシオは、まぎれもなくノーギグラップリング専門の軽量級トップファイターの一人だ。前回ムスメシが勝利したピニェーロは、超一流選手ではあるものの道着着用柔術をメインとするファイターであり、ヒール等の足関節技に不慣れであったことは否めない。

よって今回のオカシオ戦こそ、怪物ムスメシのノーギグラップリングの技術的洗練度、進化の度合いを図る絶好の機会となりそうだ。

続いてWNO 09(ではアンドリュー・タケットに圧倒的な勝利を挙げ、1週間前のEUG02における道着170パウンド以下級トーナメントにて、世界トップの黒帯たちを相手に驚愕のパフォーマンスを見せたスーパーティーンネイジャー、ミカことミカエル・ガルヴァオンが怒涛の連戦に打って出る。

連戦が可能になり、世界のトップの出場機会が多くなるのが組み技競技の良いところだ。ノーギと道着着用を股にかけて活躍し、現在世界でもっとも熱い注目を集めるグラップラーと呼べるミカの今回の相手は、ジョン・ダナハー門下にしてレバノン出身のカナダ人足関節師、オリバー・タザだ。

タザも先月のWNO 09に出場。奇遇なことに、先日のEUG 2トーナメントの決勝でミカの猛攻を膠着戦法で凌ぎ切って優勝したジョナタ・アウヴェスと対戦している。この試合でタザは一度パスを許してサイドを奪われる場面があったものの、前半に必殺のヒールフックを何度も仕掛け、凌がれたもののサブミッション狙いの数で上回りレフェリー判定勝利を得ている。

ミカがEUG 2のトーナメントにて、トップにおける絶妙のバランスと体捌き、チャンスを逃さない反応速度からの連続攻撃で、超強豪タイナン・ダウプラの強力なガードからのスイープを完封したのは記憶に新しいところ。

驚愕のトップゲームを持つミカが、タザが使いこなす足関節の仕掛けに対してどう対応するのか。同世代のライバルであるルオトロ兄弟が4月のWNO 08で見せた足関節対処法とはまた一味違ったアプローチを、ミカが見せてくれることにも期待したい。

他にメインカードでは、タイの双子の兄弟ケイド・ルオトロと、チンギーニャことマウリシオ・マリアーノの黒帯コール・フランソンの一戦、WNO 08でデイヴィッド・ガルモに完勝したアンドリュー・ウィルツィと、ヴィエイラ兄弟の黒帯カブリエル・アウメイダの試合。

さらには昨年のパン柔術とパンノーギの両方を制したアンドレ・ガルバォンの黒帯ハファエル・ガエデスと、ホイス・グレイシー系の黒帯にしてプロMMAでも2戦2勝の戦績を持つエリン・ハープの女子マッチが組まれている。

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JJ Globo Preview WNO10 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ ハイサム・リダ ブログ マイキー・ムスメシ ミカエル・ガルバォン ミカ・ペルハヴェッツ

【WNO10】クレイグ✖ルオトロ、マイキー&ミカ出場のWNOで、ハイサムがキーナンの愛弟子と対戦

【写真】F2WからWNOプレリミ、今回の試合を勝利してWNOメインカードに進出し名実ともに北米トップグラップラーの仲間入りを果たしたい(C)F2W

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

今やワンマッチのプログラップリングイベントとして世界最高峰といえる同大会だが、今回もクレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロ、マイキー・ムスメシ✖ジュニー・オカシオという注目度の高い試合が組まれている。

さらには先のEUG02で組み技の世界を震撼させたといっても過言でないミカエル・ガルバォンがオリバー・タザと対戦するなど、豪華なだけでなく試合内容を予想するだけで、スリリングでたまらない顔合わせが揃ったといえよう。そんなWNO10にハイサム・リダが、5月大会に続き出場する。


スローン・クライマー戦の完勝を経て、当初の予定ではキーナン・コーネリアスという大物とメインカードで対戦という大抜擢を受けていたハイサムだが、そのキーナンが背中の負傷により欠場としてしまう。

結果、キーナンの愛弟子ミカ・ペルハヴェッツに対戦相手が変更され、またもプレリミ出場になってしまった。

残念すぎるキーナンの欠場だが、ペルハヴェッツは全くもって楽観できる相手ではない。ペルハヴェッツはバルカン諸国スロヴェニア出身で柔道をバックグラウンドに持ち、3カ月前にキーナンから黒帯を授与された。以前からヨーロッパのグラップリングシーンを印象的な活躍をしてきたペルハヴェッツは、英国のノーポイント&サブオンリー大会=Polarisでこれまでに3勝1敗というレコードを持っている。

唯一敗れたリッチー・ブギーマン・マルティネス戦も序盤に豪快な大腰で一本勝ち相当の投げでマットに叩きつけて場内を沸かせているなど、ポラリスでの活躍からも彼が欧州のトップレベルにあることは間違いない。。

跳びつき腕十字で秒殺勝利を挙げたことをあり、強烈な極めも持っているペルハヴェッツは、ハイサムとしては決して油断のできない猛者だ。それでもハイサムとして、ペルハヴェッツを相手にしっかりと勝利し、師匠キーナン・コーネリアスを引きずり出したい。

■視聴方法(予定)
6月19日(土・日本時間)、
午前9時00分~ FloGappling

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JJ Globo MMAPLANET Report WNO09 マイキー・ムスメシ ルーカス・ピニェーロ

【WNO09】脱いでも強かった──マイキー・ムスメシ。ピニェーロを86秒で内ヒール葬

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JJ Globo MMAPLANET Preview WNO09 マイキー・ムスメシ ルーカス・ビニェーロ

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JJ Globo Report WNO07 ブログ マイキー・ムスメシ マルセロ・コーヘン

【WNO07】脱いでも強いんです。マイキー・ムスメシがマルセロ・コーヘンを三角腕固めで一蹴

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催された。世界最強のノーギグラップラーであるゴードン・ライアン、そのチームメイトにして最大のライバル候補であるニック・ロドリゲス、さらに最軽量級柔術絶対王者マイキー・ムスメシら、注目選手の試合レビュー。

第1回はノーギ制覇に乗り出したマイキー・ムスメシとマルセロ・コーヘンの1戦の模様をお伝えしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def. 2分57秒by 腕ひしぎ腕固め
マルセロ・コーヘン(ブラジル)

試合後すぐに座ったムスメシは、コーエンの左手首を掴んでクローズドガードに。ガードが開くと、距離を取ったコーヘンはダイブしてのトーホールド狙いを2連続で繰り出す。ムスメシに難なく対処されてしまったが、積極的だ。

やがてムスメシは、コーヘンの右足に絡んでのハーフガードを作る。腰を引いて防御するコーエンだが、ムスメシは下からその左足をたぐってバランスを崩して上に。そのままコーヘンの左足を腹で潰したムスメシは、首を腕で抱えて上半身も制した上で、下半身を滑らせてマウントを奪取。3分経過のところだった。

コーヘンはなんとか下半身を動かしてハーフに戻すが、ムスメシは左腕で枕を取り、コーヘンの首を完全に殺しているので体勢は崩れない。やがてマウントに戻るムスメシ。コーヘンはハーフやクウォーターに持ち込むが、強烈なプレッシャーで首を制されている状況は変わらない。

コーヘンの左ワキを差したムスメシは、時間をかけてこじ開けにかかる。懸命に抵抗するコーヘンだが、ムスメシがさらに前方に体重をかけてゆくたびに、徐々にワキを開けられてゆく。ここでムスメシが腕を滑らせてプレッシャーが緩んだところで、左ワキを閉じるコーヘン。と、次の瞬間ムスメシは右足でコーヘンの左腕を超えて三角絞めをロックした。

まんまとコーヘンを罠にかけたムスメシは、背中を付けながらコーヘンの右腕を一瞬で伸ばしてフィニッシュした。試合時間は8分足らず。ムスメシが、5年ぶりのノーギグラップリングの試合で圧勝した。

試合後ムスメシは「(ノーギは)ちょっと滑りやすいからそこだけは違ったけど、あとはギと同じだよ」と語ったムスメシは、さらに「ちょっとモチベーションを失っていた。だからロースクール(法科大学院)に行こうかと思ったこともあったけど、DVDを創ったり、ノーギの試合にチャレンジすることでまた燃えてきているんだ」と語った。

スペースを潰してポジションを固め、プレッシャーをかけて相手の隙を作ってフィニッシュ。きわめて完成度の高い柔術ファンダメンタルの力を見せつけてノーギ復帰戦を飾ったムスメシ。この戦いが、より高い専門性を持ったノーギグラップラーとのマッチアップで通用するか非常に楽しみだ。


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【WNO07】コーヘン戦で、IBJJF道着柔術最強マイキー・ムスメシがADCC制覇を目指し始動

【写真】ノーギ、ノーポイント、ファンダメンタルの強さが見たいマイキー(C)MMAPLANET

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催され、Flo Grapplingで放映される。世界最強のノーギ・グラップラーを3度に分けてプレビュー。

最終回はIBJJF道着ルールで、軽量級最強の存在となったマイキー・ムスメシ、5年振りのノーギマッチを深掘りしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
マルセロ・コーヘン(ブラジル)

ムスメシは、2017年から2019年まで柔術世界選手権3連覇中(2017&2018年はライトフェザー級、2019年はルースター級、昨年はコロナ禍により大会なし)。トップ勢の実力が拮坑しがちな軽量級戦線にあって頭一つ抜けた実力を誇り、しかもまだ24歳というのが驚きだ。

2017年はライバルたちをポイントゲームで出し抜いての戴冠という印象があったが、18年は準決勝、決勝とも相手を一方的に攻め込んでの完勝。複雑なスイープはもちろん、クローズドガードからの基本的な極めやバック取りの技術の精度の高さを見せつけた。

2019年はさらに階級を下げて、準決勝で最軽量級絶対王者ブルーノ・マルファシーニと対戦。スイープ合戦の末、最後は盤石のベースで上をキープして勝利。決勝はなんとわずか12秒でホドネイ・バルボーザをストレートフットロックで仕留めてみせた。

さらにムスメシは近年は無差別級にも挑戦。昨年初のヨーロピアン大会では2試合を勝ち抜いて、準々決勝でスーパーヘビー級世界王者のモハメッド・アリーと対戦。僅差で敗れたもののアドバンテージ差の接戦を演じてみせた。

そんな自他共に認める世界最強の軽量級競技柔術家ムスメシが、今回は約5年ぶりのノーギルールでの試合出場となる。もっとも本人はノーギを苦手としていたわけではなく、その5年前の試合ではジョアオ・ミヤオに競り勝ってノーギ・ワールズ黒帯初戴冠を果たしている。

戦い方を見ても、クローズドガードからの仕掛けや低くプレッシャーをかけてのパスガード等の柔術ファンダメンタルにおいて無類の強さを誇り、トラックポジションの奪取等ノーギでもよく使われる動きを得意とするムスメシのスタイルが、ノーギでも猛威を振るうことは容易に想像できる。

「僕は子供の頃からノーギの試合が大好きで、ずっと道着ありと並行してやってきた。ただ成長してからは、練習相手の多くが道着ありで練習していたから、僕もそっちに専念していただけだよ。そして僕は道着着用ルールでは全てを成し遂げた。ノーギでもワールズは優勝したけど、まだADCC世界大会は獲っていない。それが今の僕の夢なんだ」と語るムスメシ。

今や道着とノーギは別物という世界観になるつつあるなか、やはりずぬけた力の持ち主は思考も違ってくるのか。今回の試合はADCC優勝=道着あり&ノーギの両部門における世界完全制覇という野望に向けての第一歩と位置付けられることとなる。

対するコーヘンは37歳ながら近年、パンノーギ大会やノーギアメリカンナショナルズで優勝を果たしている選手。先のコンバット柔術ワールド2021ではリチャード・アラルコンと準々決勝で戦いRNCにより敗れている。その際、コーヘンは上も下も徹底して寝技を避け、OTに賭けるという戦いを見せていた。とはいえ、本来の彼はクローズドガードからのキムラで返して極めるのが必殺パターンだ。グラウンドにおける全てに局面に強いムスメシ相手では圧倒的不利は否めないが、まずは自分の得意の形を作りたいところだ。

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