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お蔵入り厳禁【Road FC60】キム・スーチョルが5月に語っていた、日本への想い「潮時かと思っていた」

【写真】Rising Onフェザー級、ONE世界バンタム級、Road FCバンタム級に続き4本目のベルトを手にしたキム・スーチョル (C)ROAD FC

9月25日(日)に開催されるRIZIN38でキム・スーチョルが扇久保博正と対戦する。MMAPLANETでは5月14日に開催されたRoad FC60でパク・ヘジンに勝利し、Road FCフェザー級チャンピオンとなったキム・スーチョルのインタビューを行っていた。

その時点ではRIZIN出場は決まっていなかったが、Road FCからキム・スーチョルのインタビュー依頼があり、『これは日本で戦うアピールの機会を設けたい』のだという勝手な理解の下、日本での試合が決まればアップしようと試合の5日後にスーチョルをインタビューを敢行。結果、6月半ばには一度は扇久保戦が7月に実施されることが決まったという情報も流れてきたが正式発表はなく、この度9月に両者が戦うことが決まった。

お蔵入り厳禁、Road FCフェザー級チャンピオンになったばかりのキム・スーチョルが語っていた日本への想いとは。


──スーチョル選手、フェザー級のベルトを獲りました。その前に昨年9月にパク・ヘジンにダウンを奪われ、ギロチンで敗れた試合を振り返ってもらえますか。あの時はどのような心境でしたか。

「今になって言えるのは、あの時は試合前から嫌な予感がしていました。試合前にチーム・フォースで他の選手の指導もあり、またジョン・ムンホン館長もあまり練習に顔を出すことができず、自分の練習があまりできていなかったです。なので実は『負けるかも』と思っていて、その通りになってしまいました」

──そのような精神状態で戦ったことは以前にありましたか。

「なかったです。試合の2、3日前から、不安でしょうがなくなり眠れなくなるということはなかったです」

──そこまでだったのですね。

「自分はMMAに向いている性格でないと思っています。でも、チームの皆のサポートがあって『皆の期待に応えたい』と思って戦ってきたので、去年の9月は試合前から戦う状態になかったと思います」

──対して今回の試合では、また一丸となって向かい合うことができたのでしょうか。

「今回はチームの皆とジョン代表とも、しっかりと練習できました。ただ、それでも試合の2、3日前までは不安でしょうがなかったです。それが前回とは違い、試合が近づけば近づくほど自信が蘇ってきて、一度は無くしてしまっていたファイターの気持ちを取り戻せていました」

──パク・ヘジンのサドルからの足関節の仕掛けなど、しっかりと対処していました。

「自分のチームにも、そういう技術を使う人がいます。イ・ヨンジュン選手とジェ・ヨンスン選手、もともとRoad FCで活躍していて今は柔術に重きを置いている2人に足関節対策をしてもらいました。サドルをセットされそうになると、足を踏み込んで組ませないよう対処して、その瞬間に足を抜くという対策を徹底してやりました」

──対処なしに足を抜こうとすると、足が浮いてそのまま入られていたと思います。

「ハイ。対策通りの動きがデキて良かったです」

──と同時に、Road FCは打撃の真っ向勝負がまた増えてきましたね。

「最近の若い選手たちの試合は、そういう傾向がありますね。観客が喜ぶからという理由もありますし、自分の名前を早く売るためにそういう戦いをしているのだと思います」

──あの戦いで米国人、ブラジル人、ロシア人とやり合えますか。

「そうですね。自分から見ていてもスマートに戦っていないと感じます。その点、自分はキャリアを通して試合後に病院で診察が必要だったようなダメージを受けたことがないです。そこはジョン・ムンホン館長にしっかりと、MMAの戦い方を教わったからで。館長には感謝しています。

それでも乱打戦になることはありますけど、相手によってはそういう戦い方をするのも有りだと思います。それで勝てるなら、ですね。実際、今回の自分は粗かったです。こんな戦いは強い相手にすると、危ないですね。マルロン・サンドロやビビアーノ・フェルナンデスと戦ったことで、自分自身スマートな試合をしないといけないと思うようになったので」

──Road FCフェザー級チャンピオンになりました。今後のキャリアはどのように考えていますか。

「まだ階級が分かっていないのですが、Road FCで高額の賞金が懸かったトーナメントが開催される予定です。そこをターゲットにしたいと思っています。それと再戦を受けてくれたパク・ヘジン選手が3度目を要求するなら、そこは応えないといけないと考えています」

──そのトーナメントに日本人選手が出られるなら良いという想いと、やはりスーチョル選手の試合を日本で見たいという気持ちになってしまいます。

「トーナメントがフェザー級で開かれるなら、日本人選手に出て欲しいですね。朝倉未来選手はファイトマネーが高過ぎて韓国に呼べないと思いますが……(笑)。それでも誰か出て欲しいです。日本人選手が参加すると、空気が変わりますからね。

実は自分は佐々木信治選手が凄く格好良いと思っています。佐々木選手の復帰を知り、自分もまた戦いたいという気持ちになれました。佐々木選手がトーナメントに出てくれるなら嬉しいです」

──いやぁ佐々木選手はライト級ですし、トーナメントがライト級で開かれたとしてもスーチョル選手に大きすぎませんか。

「そうですね(苦笑)。自分も日本で戦いたい気持ちは強いです。でもRIZINから声が掛からないので、潮時かなって(苦笑)。ただし、オファーがあるならファイターなる者は戦って然りです。

特に2015年のマイケ・リニャーレス戦の試合内容は、自分でも全然満足できないモノでした。機会があるなら、是非とも日本の人達の前でキム・スーチョルらしいファイトを披露したいです」

──その日が来ることが熱望している日本のファンに一言お願いします。

「これまで日本で良い試合ができていなくて、申し訳ないと思っています。今後、日本で活躍できる機会を得ることができるなら、自分の名前を憶えてもらえる颯爽とした試合をしたいと思っています。応援、宜しくお願いします。カムサハムニダ」

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【Road FC60】左ハイ→右ストレート→パウンドでパク・ヘジンが失神。スーチョルがフェザー級王者に

【写真】ハイキック、右からパウンドの連打で昨年9月のリベンジを果たしたキム・スーチョルがRoad FCフェザー級王者に(C)ROAD FC

<Road FCフェザー級選手権試合/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
Def.2R0分09秒by KO
パク・ヘジン(韓国)

昨年9月の王座決定戦ではダウンを奪われギロチンで敗れたキム・スーチョルにとって、リベンジ戦となったダイレクトリマッチ=タイトル戦。

ワンツーから前足の左ミドルを2発、さらにローを蹴るキム・スーチョル。パク・ヘジンも右ローを返すが、ミドルを続けられガードが下がる。自らのカーフをチェックされ、下がって姿勢を崩したパク・ヘジンを首相撲で捕らえたキム・スーチョルがヒザをボディに突き刺す。

左腕を差してケージに押し込んだパク・ヘジンが、ビクトル投げから足関節を狙いつつトップを伺う。先に立ち上がったキム・スーチョルはシングルを切ってハイキック、組んでケージに押し込んでいく。ケージ際で体を入れ替えた両者、離れたキム・スーチョルは左ミドルを連続で蹴るが、パク・ヘジンが右から左を打ち込む。前回の戦いをデジャブのように接近戦での打ち合いから、クリンチの攻防になるとパク・ヘジンがゆっくりとしたカニバサミでサドルへ。キム・スーチョルは組んだ足を左足で蹴って右足を抜く。

シングルを潰されたパク・ヘジンが引き込むと、キム・スーチョルが左のパウンドを連打する。潜った王者がディープハーフからスイープを狙うが、これもキム・スーチョルが殴って対処する。とパク・ヘジンは後方回転で左足を取るが、ここもキム・スーチョルが取られていない方の右足で左足を蹴ってパク・ヘジンに足を組ませない。

立ち上がってきたパク・ヘジンに対し、キム・スーチョルは中途半端なクリンチから離れ際に左ショートフックを被弾する。それでも下がりながらの左フックをヒットさせたキム・スーチョルが直後にダブルレッグでテイクダウンを奪い、パク・ヘジンの立ち上がる際にパンチを入れて間合いを取り直す。ワンツーで前に出た王者がケージにキム・スーチョルを押し込むも、体を入れ替えられて打撃の間合いに。右カーフで体がよれたパク・ヘジンは、時間と当時に笑顔を浮かべた。

2R、グローブタッチ後、右を見せて左ハイをキム・スーチョルが蹴る。これを食らったパク・ヘジンの足がもつれ、追撃の右を打ち抜かれてダウン。

右のパウンド連打でパク・ヘジンの意識が飛び──レフェリーが割って入り勝負は決した。王者はレフェリーをロックアップしたところで、意識を取り戻して敗北を認識。キム・スーチョルは涙を浮かべて勝ち名乗りを受けた。


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【Road to UFC】UFC行きを賭けたサバイバルT出場選手発表。オクタゴンへの道は、史上最大の日韓対決!!

【写真】UFCとの契約に向け、7人の侍が出陣(C)LFA & MMAPLANET

13日(金・現地時間)、UFC ASIAより6月9日(木・同)、&10日(金・同)というUFC275ファイトウィークにシンガポール・インドアスタジアムで、Road to UFCが開催されフライ級からライト級まで5階級の出場選手が正式発表された。

日本から出場するのは以下の7選手だ。

【フライ級】
堀内佑馬
【バンタム級】
風間敏臣
中村倫也
野瀬翔平
【フェザー級】
SASUKE
松嶋こよみ
【ライト級】
宇佐美正パトリック


各階級8人、コンテンダーシリーズと違い3試合を勝ち抜く必要があり、当然のように勝ち上がれば日本人対決が組まれることもあるだろう。

まだトーナメント枠は発表されていないが、インドネシア、タイ、中国、韓国、フィリピンから出場する選手達で注意すべきファイターの名前を挙げたい。

(C)DOUBLE GCF

フライ級ではまず韓国Double GFCフライ級王者パク・ヒョンソンだ。

パワフルな打撃、テイクダウンにヒザを合わせるセンスに加え、倒されず──寝技もこなすウェルラウンダーの26歳。名門MMA STORY所属だけにフィニッシュにもいけ、戦術も駆使もできる注目株だ。

さらにこの階級ではトップノイ・キウラムがタイから参戦する。タイガームエタイの元ヘッドコーチ、ジョージ・ヒックマン率いるバンタオ・ムエタイ&MMAに転じたトップノイ、テイクダウン防御という課題が克服できていればチームメイトのローマ・ロックンブンミーに続く可能性も広がるか。

(C)ROAD FC

バンタム級は元ROAD FCバンタム級王者キム・ミンウがついに、世界への一歩に踏み出す。

根津優太を15秒でKO、打ち合いに熱くなりすぎてスプリット判定負けを喫したムン・ジェフンを再戦で135秒、三角絞めで仕留めた。長身、リーチが長く、その利点を打撃だけでなくレスリングとグラップリングにも生かす──本来、このトーナメントに出るのは不本意な実力者といえる。それでもUFCを目指しRoad FCとの契約更新をせず、雌伏の時を経験した。そんなキム・ミンウは日本勢3人にとっても、非常に厳しい相手になることは間違いない。

(C)DOUBLE GCF

フェザー級ではDouble GFCとAngel’s FCフェザー級統一王者のホン・ジュンヨン、さらに前Road FCフェザー級王者イ・ジョンヨンが揃い踏みを果たす。

ホン・ジュンヨンはコリアンゾンビ門下、カーフで削り相手が前に出てくるとK-MMA界の象徴といえるストレートに合わせたアッパーというKOパンチを持つ。ゴリゴリの組みとパンチの両面で削り合い上等の根性ファイターだ。

(C)ROAD FC

イ・ジョンヨンは韓国MMA界のミスターパーフェクト=チェ・ムギョムを倒してRoadの頂点に立つと、パク・ヘジンを10秒KOで初防衛に成功。

それから2年7カ月間実戦から離れ──契約解除とともにステップアップを目指したが、この生き残り合戦を戦うことを強いられる。

(C)UAEW

またライト級ではHEATライト級王者だったキム・ギョンピョとGladiatorライト級王者のキ・ウォンビンという日本のケージで活躍した選手の出場も決まっている。

現ONE世界ライト級王者オク・レユンとともにコロナ前は日本を活動拠点にステップアップを計っていたキム・ギョンピョとキ・ウォンビンだが、来日が困難になると両者の選択は対照的だった。

キム・ギョンピョは中東を目指しUAE Warriorで勝利後、ロシアのRCCでTKO負けもUFC行きを掛けたトーナメントへの出場権を得た。

(C)DOUBLE GFC

キ・ウォンビは母国に戻り、Double GFCでオク・レユンとのライト級王座決定戦に競り負け。その後キム・サンウォンをKOし、オクが返上したベルトを巻いている。

中国からはコンテンダーシリーズ2021の──表現方法は悪いが、負け組、チロ・ルェン(フライ級)、シャオ・ロン(バンタム級)、元ONEファイターのシェ・ビン(フェザー級)、元UFCファイターのウリジブレンがバンタム級にエントリーしている。

他の中国勢は未知数、インドやインドネシア勢もチェックが必要だが、上に挙げたコンテンダーシリーズ敗退組に遅れをとるようでは、UFCとの契約は夢物語。アジアの人材発掘トーナメントは、どうやら熾烈な日韓対決になりそうだ。

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【Road FC60】韓国に戻った山本聖悟。イ・ジュンヒョン戦へ「過去の自分を新しくなった自分が倒す」

【写真】インチョンからテグまで移動する社内で今回のインタビューは行われた。まるでインプラントのような真っ白な歯は「日焼けして真っ白く見えるだけ」とのこと (C)MMAPLANET

14 日(土)、韓国テグのテグ体育館でRoad FC60が開催れて、現地ではキム・ソンオ名──山本聖悟がコロナ以降、初めて母の母国のケージに足を踏み入れる。

完全打撃は、バチバチの殴り合いを求めRoad FCと契約、2019年11月の初陣ではパク・ソクハンを2分45秒でKOした。しかし、コロナパンデミックを機に拠点を移していたプサンから帰国、RIZIN、DEEP、Road to ONEと3連敗を喫した。

その山本が再びRoad FCで戦う。対戦相手は6勝0敗のホープ=イ・ジュンヒョンだ。殴り合い上等の地に再び赴いた山本はこの2年間の日本での戦いでMMAファイターとしてMMAの見方、取り組み方が変化していた。

計量前日、お隣の国とは思えないハードな移動と、待ち受ける水抜きを目前に控えた山本に話を訊いた。


──空港を出てテグへ向かう最中にインタビューを受けていただきありがとうございます。

「いえ、4時間以上かかるので全然大丈夫です」

──えっ、4時間以上もかかるのですか!! プサンのキメ国際空港からだと2時間も掛からなかった記憶があります。いや、それ以前にLCCで成田~テグの直行便があったかと。

「それがコロナの影響で、国際便はインチョン国際空港しか発着していないんですよ」

──ではコロナ以前に拠点を置いていたプサンで試合の準備をするという考えはなかったですか。

「考えました。ただ仕事を休むことになるのと、減量もきつくて。塩抜きの食事を摂るのも日本の方が成分表示なんかも信用できるんです。それに症状がなくても、コロナの陽性者数が韓国がもの凄く多くて。それで試合ができなくなるのは避けたかったです。日本でフライトの48時間以内にPCR検査をして、陰性で現地に向かう方がリスクは低いと思いました。

隔離の免除も申請が必要で、それと観光客は受け入れていないので入国にはビザが必要です。僕の場合は興行ビザを取得して韓国にやってきました。日本に戻る時も陰性証明がいりますし、正直ワクチンは反対派だったんですけど海外で戦う、韓国で戦う選択をしたのでワクチン接種も済ませました」

──コロナとの共生時代に入っても、以前と比較すると全くもって不便なままですね。

「ハイ。日本は6月から規制が緩くなるとも聞いていますし、韓国もそこに追従して楽になって欲しいです。本当は日本で勝ち星を得ることが大切だと分かっているんです。でも、こうやってこのタイミングで韓国で戦えるのは僕にしかできないことなので、この選択をしてしまいました。

今、日本とK-MMAを誰がつなげるのかとなったら、韓国にルーツがある僕にしかできないことなので。それが僕の役割で、Road FCが呼んでくれましたし役割を全うします」

──それだけ面倒なことクリアしての渡韓ですし、覚悟のほどがうかがえます。それと今、ZOOMの画面で見る限り相当に頬がこけており、計量前日の現地入りだと相当に絞り込んで韓国に入ったということでしょうか。

「そうですね、日本で落として創ってきました。あと水抜きで4キロですね」

──えぇ、まだ水抜きで4キロも落とさないといけないのですか!!

「今回73キロから落としてきたので」

──73キロ!! 確認しますが、フライ級マッチですよね?!

「そうです。16キロ減量する必要がありました。このところ、秋山さんとのフィジカルトレーニングが成果があって筋量が増えてきたんです。正直、フライ級に落とすのは本当にしんどいとは思っていました。でも、その秋山さんが青木さんとの試合であそこまで落とし切ったので、さすがに僕がノーだとか計量失敗はできないです。だからメチャクチャ怖いです。今もビビっています……(苦笑)。今日の夜が一番怖いです。

藤田選手と戦ったときも水抜き5キロで本当に厳しくて。アレを思い出してしまいます……。ホントはフライ級だとコンディションはバンタム級より悪いです。でも、未練があるというか──フライ級でやるべきことをやっていないので」

──そこに行き着くまでに、まずは減量という大勝負が待っているわけですね。そして現状、3連敗中です。日本で勝ち星が挙げることができず、勝負のファイトになります。対戦相手のイ・ジュンヒョン選手の印象を教えてください。コロナ禍でRoad FCとAfreecaTVの共催イベント=ARCで5勝、Road FCでは1勝と無敗の選手です。ただ、個人的にARCは3分✖3Rで寝技は30秒という限定でMMAであって、本当のMMAではないと思っています。

「僕もそう思っています。あのルールなら、僕もレコードを稼ぐことができます。だからこそ僕は今回の相手にしっかりとMMAを3Rやりきることがテーマです。KOしたいとか、打撃で勝つということじゃないんです。イ・ジュンヒョンもそうだし、打撃ばかりやっている韓国の若い選手達って昔の自分を見ているみたいなんです。

打撃ばっかりだと試合をしていても楽しいです。でも、それじゃ勝てない。MMAなので。今回はMMAをやりに韓国に来ました。僕は日本で3連敗しましたけど、小野島選手と試合ができて本当に良い経験になりました。あの試合もオファーが2週間前で、しかも秋山さんからだったから断れなくて受けました」

──ケガもあって本調子でなかったとも、オフレコで試合前に話してくれました。

「そういう状況で戦って、小野島選手にテイクダウンを奪われても立つことができた。凄くしんどい試合で負けもしましたが、しんどいことを最後まで投げずにできたので自分のなかで成長も感じることができたんです」

──では今回の試合前は組みという部分も重視してきたと。

「試合前だけでなく、小野島選手との試合前からそうです。この試合に向けてもグラント・ボクダノフ選手のALFA FIGHT GYM LIFEで練習してきて。セコンドに就いてくれる吉野(光)選手も『倒せない。立たれる。ブリッジ返しもできない』って言ってくれて。その成果を試合で見せたいですね。

母親の祖国で試合をすることは、いつも楽しみで。それに3連敗してもRoad FCがオファーをくれた。だから彼らの期待を裏切る試合展開になり、もう声が掛からないようになるかもしれないですけど、僕はテイクダウンをして判定勝ちしたいと思っています。それが僕にとって成長になるので。そこを試したうえで打撃を使う試合をしたいです」

──正直、凄く変わりましたね。

「ROAD FCは自分が大好きな大会です。でも鎖国してしまっている状態です。日本に帰国して試合をして、自分が井の中の蛙だったと気づかされました。さっきも言いましたが、今回の相手や韓国の若い選手を見ていると昔の自分を見ているみたいなので。MMAはテイクダウンを織り交ぜた方が、勝つ確率が1パーセントでも上がります。

現状、向うは6連勝の選手で僕は3連敗中。ここで勝たないと終わりだというぐらいの気持ちです。だからこそ今回は自分との戦いだと思っています。過去の自分を新しくなった自分が倒すつもりです」

──ここで勝てばタイトル戦が見てくる試合だと、韓国から伝わっています。

「ハイ。なのでここで勝って、もう1試合フライ級で戦ってベルトを巻いてバンタムに上げます。そして日本に戻って試合をしたいと思います。小野島選手まで辿り着きたいです。僕と戦った次の試合で、小野島選手がチャンピオンになったのは嬉しかったです。次は石井逸人選手と防衛戦ですけど、前の試合は小野島選手が勝ったと僕は思っています。僕自身、石井逸人選手レベルまで上がっていかないといけないです。

そこまであと2段階ぐらい。手を伸ばせて届くところまで来ていると思うので、そこまでしっかりと行きたいと思います」

■ ROAD FC60対戦カード

<Road FCフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パク・ヘジン(韓国)
[挑戦者]キム・スーチョル(韓国)

<85キロ契約ボクシング戦/3分3R>
クォン・アソル(韓国)
ナム・ウィチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヒョン(韓国)
山本聖悟(日本)

<バンタム級/5分3R>
キム・ヒョンウ(韓国)
ヤン・ジヨン(韓国)

<73キロ契約/5分3R>
ムングントスウ・ナンディンエルデン(モンゴル)
ヨ・ジェウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
イム・ドンフアン(韓国)
ユン・テヨン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ジャン・ギョンビン(韓国)
ヤン・ジファン(韓国)

<51キロ契約/5分2R>
ゴ・ナヨン(韓国)
パク・ソヨン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
イ・シンウ(韓国)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分2R>
ジョン・セボック(韓国)
キム・ミョンハン(韓国)

<フライ級/5分2R>
パク・ジンウ(韓国)
キム・ジュンソク(韓国)

<バンタム級/5分2R>
キム・ジングク(韓国)
ジョ・ミンギュ(韓国

<ライト級/5分2R>
キム・ミンヒョン(韓国)
ウィ・ジョンウォン(韓国)

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【Road FC60】キム・スーチョル✖パク・ヘジン=タイトル戦&リベンジ。山本誠悟も6勝0敗のホープと対戦

【写真】序盤は攻勢だったスーチョルは、初回の一本負けに呆然としていた(C)ROAD FC

韓国のROAD FCが4日(月・現地時間)、5月14日(土・同にテグ広域市のテグ体育館でRoad FC60の開催と対戦カードの発表を行っている。

昨年9月以来、実に8カ月振りのイベントでは前回大会の再戦、Road FCフェザー級選手権試合=王者パク・ヘジン✖キム・スーチョルが組まれた。前回、両者は王座決定戦で戦い左フックでダウンを喫したキム・スーチョルが、パク・ヘジンのギロチンに下っている。


このフェザー級以外にバンタム級もタイトル戦=王座決定戦が組まれた。韓国MMA界の未来といっても過言でなかった完成度の高さを誇るキム・ミンウは、パンデミック発生前の2019年11月を最後に防衛戦を行っておらず、契約満了を迎えて王座返上に。

「長かった」とSNSに投降したキム・ミンウの今後が気になる一方で、彼の返上したベルトを賭けて5月大会ではムン・ジェフンとジャン・イクファンが戦うことになった。

ともにキム・ミンウに敗れている元タイトル・コンテンダーで、新鮮味は欠けるが現有勢力のなかで実績重視でタイトル戦に抜擢されたという見方もできる。

さらに山本聖悟がキム・ソンオの名でイ・ジョンヒョンと戦うフライ級マッチも明らかとなっている。

山本もコロナ禍でプサンから帰国し、DEEPとRIZINへの出場がROAD FCから認められているなかで兄と慕う秋山成勲プレゼンツのRoad to ONEにも出場──も、村元友太郎、藤田大和、小野島恒太に敗れ3連敗中だ。

対戦相手のイ・ジョンヒョンは、コロナ禍でRoad FCがAfreeca TVと共催してきた寝技限定のモディファイドMMAルールで経験を積み、Road FC59でのKO勝ちと合わせて現在6勝0敗のホープだ。とはいえ、その対戦相手は無名の選手ばかりだったので現地ではイ・ジョンヒョンにとって初試練到来という風にも捉えられている。

山本として、実戦だけでなく練習で経験してきた殴り合い上等でないMMAを消化し、いかに打撃の強さを見せるか。この2年間を確認する試合といえる。

また今大会ではボクシング戦が組まれ、クォン・アソルがソル・ヨンホと拳を交える。ご存知、元Road FCライト級王者のクォン・アソルに対するソル・ヨンホは──これもAfreecaとRoadが手を組んで展開したネット配信によるリアリティTV=ファイトクラブの優勝者で、もとは釣りを題材としたYoutuberとのこと。

この試合を組むことに、現地のメディアも賛否両論となっており、真っ向から批判している専門媒体もあるようだ。

1月のRoad to BRAVE後、急激なコロナ拡大が影響したか、音無しの構えだったK-MMA界。しかし4月はBRAVE CF58の前日にAngel’s FC、5月にはこのRoad FC60 以外もDouble GFCのイベントも控えており、ようやく賑やかさが戻って来そうだ。

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【Special】月刊、青木真也のこの一番:9月─その壱─パク・ヘジン✖キム・スーチョル「コリアンBOX」

【写真】サウスポーで構えたスーチョルが、左足でオーソのパク・ヘジンの後ろ足を蹴る。この近距離で戦い続けた (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年9月の一番、第一弾は9月2日に行われたRoad FC49より、Road FCフェザー級王座決定戦=パク・ヘジン✖キム・スーチョル戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ9月の一番、最初の試合は何になりますか。

「パク・ヘジン✖キム・スーチョルですね。この試合、スーチョルが奥足をローで蹴っていたんですよ」

──サウスポーのキム・スーチョルが、オーソのパク・ヘジンの右足を左ローで蹴っていたということですね。

「そうなんです。MMAではなかなかないですよね。あの近い距離って。ガードを固めて、首相撲に行ったりもするんですが、自分の奥足で相手の後ろ側にある足を蹴るって……。こんなことあるのかって思いましたね。そりゃあ、最後は殴られるだろうと」

──パク・ヘジンは、一発があるグラップラーです。前足にシングルなども仕掛けていました。

「ハイ。最後はギロチンでした。ただ、あれはその前の左フックがあったからですよね。あの瞬間、スーチョルをオーソで左フックを振って、左を受けて実質はノックアウトでした」

──組みだけを警戒していたのか。

「それにしても、あの距離で奥足のローはないです。

僕もキックボクサーとキックのマスとかすると、奥足を蹴られるんですよね。K-1系のジムの選手はよく使う。昔、ボクサーが魔裟斗にローでやられるみたいな。MMAなのに、キックボクシングの距離であのローを蹴るのは、信じられなかったです。というより、ちょっと笑っちゃいました(笑)。あんなリスキーなことを、なぜする必要があるんだって思って」

──確かにあの距離は両者が、ダメージを蓄積させ両足が揃った状態で殴り合う。そんな展開ぐらいでしか見ない位置関係ともいえます。

「そう、その戦いになるとローなんて出ないです。結果論ですけど、あの距離で戦ったことが敗因になりますよね。スーチョルはミットの映像を見ても近いです。僕はコリアン・ボクシングと呼んでいるんですけど。

畑山隆則(元WBA世界スーパーフェザー級及びライト級王者)さんが近い距離で戦う人で。彼のトレーナーが柳和龍(ユ・ファヨン)っていう韓国人だったんです。

柳トレーナーに近い距離のボクシングを指導された畑山さんが、インタビューで「僕みたいな選手はもう出てこないでしょう」と言っていて凄く印象に残っているんですよね。それが柳トレーナーの教えで。だからスーチョルのミットとかも文化としてコリアン・ボクシングに近いのかと。

MMAではやっちゃいけない距離です。でも、それが韓国人選手ならではというか。そこに彼らは理屈があるんだと思います」

──イ・ユンジュン、チェ・ムギョム、最近ではオク・レユンらはあの距離ではないですよね。

「コリアンゾンビは近いし、チェ・ドゥホもそうですよね」

──確かにそうですね。そして後ろの手でアッパーを当てます。

「つまり距離が近いってことですよね。アッパーを当てるわけですから。そこがコリアン・ボクシングの文化だと思います。だから良い試合をしても、負ける。チェ・ドゥホとかそうですよね」

──アジアで打ち勝てたけど、UFCではそうではない……。ただスーチョルが、韓国国内であの距離で負けたのはショックです。

「それはやっぱり4年とか実戦から離れていたことは関係していると思います。コロナの影響もあってコンディション的にも万全ではなかったはずです。これだけ長い間、試合をしていないと負けもありえます。だから、スーチョルが負けたことには驚いてはいなくて。ただ、あの距離は何なのって思った試合でした」

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【Road FC59】スーチョルがダウンを奪われギロチンでパク・ヘジンに一本負け、復活V&王座奪取ならず

【写真】ここからスイープしてマウントを取ったパク・ヘジンが、スーチョルからタップを奪った(C)ROAD FC

<Road FCフェザー級王座決定戦/5分3R>
パク・ヘジン(韓国)
Def.1R4分50秒by ギロチンチョーク
キム・スーチョル(韓国)

キム・スーチョルの4年5カ月振りの復帰戦。体格で一回り大きな・ヘジンにロー、ミドルを蹴り、ボディを殴る。パク・ヘジンもボディ、そして右アッパーをヒットさせる。組みでなく打撃勝負に見えたパク・ヘジンが、シングルレッグから引き込んで足関節を狙う。体を捻って足を抜いたキム・スーチョルに対し、立ち上がったパク・ヘジンはシングルをキャッチして再び引き込んでから足を狙う。

ここも対処したキム・スーチョルは、スタンドに戻ると左ローを効かせる。パク・ヘジンもアッパーを返すが、ボディ、ダーティーボクシングで連打を入れたキム・スーチョルは、・ヘジンの引き込みからの足関節を防いで離れる。

キム・スーチョルはパク・ヘジンの足を捌いてパウンドを落とし、立ち上がってローへ。レフェリーがブレイクを命じて試合がスタンドへ戻ると、パクが左右のフックをヒットさせる。キム・スーチョルは左ローを続け、ケージにパク・ヘジンを押し込むが離れ際に左フックを被弾しダウンする。すぐに起き上って組みついてくキム・スーチョルをギロチンで捕えたパク・ヘジンが、スイープからマウントを取る。このまま絞めあげられたキム・スーチョルがタップ──なんと、一本負けでRoad FCフェザー級王座はパク・ヘジンが就くこととなった。

キム・スーチョルは一発の威力があるが、やや粗い打撃になっていた感は否めない。ブランク、もしくは体格差が問題なのか。なにはともあれ、キム・スーチョルの打撃戦に応じることができるグラップラー=新チャンピオンの今後に注目だ。

勝者に続きインタビューを受けたキム・スーチョルは、パク・ヘジンを呼び寄せ「本当に本当に努力してきたのですが、本当に強かったです。おめでとう。自分はこの負けを糧として、また試合の機会が来れば強くなって戻ってきます」と話した。


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【Road FC59】MMA復帰=フェザー級王座決定戦、キム・スーチョル─02─「毎日、泣きそうになる」

【写真】2019年12月にグラップリングでケージに復帰していたスーチョル。土曜日の夜はMMAグローブを装着した彼に会える(C)MMAPLANET

4 日(土・現地時間)に韓国ウォンジュのウォンジュ総合体育館で開催されるRoad FC59で、パク・ヘジンとRoad FCフェザー級王座決定戦を戦うキムキム・スーチョル・インタビュー後編。

女子アトム級王座決定戦=パク・ジョンウン✖シム・ユリと並び、ダブル・クラウンで4年5カ月振りのMMAを戦うキム・スーチョルは、ケージの中とともに人として強くなることを常に目指してきた。

コロナ禍でより大人に、そして内面が強くなったキム・スーチョルの今回の試合に賭ける意気込みとは。

<キム・スーチョル・インタビューPart.01はコチラから>


──コロナの時代を経験して、各々が人間として真価を問われると自分は感じています。スーチョル選手もこの間に、何か学んだという感覚はありますか。

「自分の周囲にも仕事を失ったり、命の危険に陥った人もいました。生きる上で危機感が高まった時期でした。そのなかで自分も子供はまだできていませんが、家庭を持っています。人として強くならないと、ここを生き残ることはできない。少しでも強くなろうと、覚悟を決めた期間でもありました」

──スーチョル選手も人として強くなったのは、もうずっと以前からですよ。ONEの頃、Road FCで戦っていた時、そして今はケージの外の顔つきが違います。ケージの中は以前からずば抜けて使ったのですが(笑)。

「ありがとうございます。以前より……前も少しは成長していたかと思っていたのですが、今は常に気を強くしないとダメです。だから、以前以上にその気持ちで頑張っています」

──押忍。今回、対戦相手はさきほども言われましたが、最近の韓国では寝技が秀でた選手です。その一方で打撃に穴があると思われます。

「そういう風に思わる選手かとは思います。確かに打撃のテクニックはそれほどではないです。ただし、一発があります。一発で相手を倒せますし、ダメージを与えるパンチの持ち主です。一発が重いので、そこは気を付けないといけない相手です。パク・ヘジン選手のパンチで危ないシーンに追い込まれることは十分にあると警戒しています」

──今回はフェザー級のタイトル戦です。今後もフェザー級で戦っていくということでしょうか。

「そこは考え中です。バンタム級とフェザー級の掛け持ちで戦う方が、チャンスが広がると思っています。ただし、バンタム級でも4、5キロほどの減量なのでフェザー級では小さいです」

──ここから先、キム・スーチョルのMMAファイター人生第2章、目標はどこに置いていますか。

「復帰を決めたので、世界一を目指しています」

──柔術の練習が多いということですが、明らかに青タンがありますし、万全の状態で復帰戦に臨めることを願っています。

「カムハサムニダ。これはシン・ドングク選手とのスパーリングで、頭が当たってしまったんです。頭を振って打撃を打って来る選手なので、これ以上のケガをしないように気をつけます」

──キム・スーチョルの復活を楽しみにしている日本のファンに一言、お願いします。

「今日はインタビューで、練習に制限があるということを話してきましたが、そのなかでも練習内容は過去にないほど自分を追い込んできました。毎日、泣きそうになりながら練習を続けています。絶対にファンの皆さんががっかりするような試合だけはしたくありません。最後の最後まで動き続けることができる、最高の戦いをするつもりです。応援、宜しくお願いします」

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【Road FC59】4年5カ月振りのMMA復帰、キム・スーチョル─01─「1人でトレーニングをするしか……」

【写真】とにかくスーチョルの復帰は嬉しい限りだ(C)MMAPLANET

9 月4 日(土・現地時間)に韓国ウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC59で、キムキム・スーチョルがパク・ヘジンとRoad FCフェザー級王座決定戦を戦う。

女子アトム級王座決定戦=パク・ジョンウン✖シム・ユリと並び、ダブル・クラウンでキム・スーチョルのMMA復帰が決まった。キム・スーチョルは2017年にRoad FCバンタム級王者でキャリアのピークにありながら突然、引退を発表。2年後の2019年12月にグラップリングマッチで実戦復帰を果たすと、2020年に待望のMMA復帰を宣言していた。

しかしながら、ご存知のように世界はコロナ禍に見舞われ、Road FCの活動休止が長引いたため復帰戦も棚上げされた状態だった。ようやくケージに戻ってくる、しかもタイトル戦を戦うキム・スーチョルに話を訊いた。


──4年半ぶりのMMA復帰戦を控え、今の気持ちを教えてください。

「率直に良い気持ちでいます。MMAで再び戦えることが素直に嬉しいです。試合には出ていなかったですが、練習で色々なことをやってきました。ただし、その練習してきたことが実際に試合で通じるのかという不安もあります」

──2019年12月にグラップリングマッチを戦った際、『2020年にMMAに復帰したい』と言っていましたが、すぐにコロナパンデミックが世界を襲いました。あの時点では2020年のいつ頃にMMAを戦うつもりだったのですか。

「自分の気持ちとしては2020年の中頃には、戦いたいと思っていました。コロナウィルス感染拡大で酷いことになり、ここまで復帰が延びたことは致し方ないですが、残念でした」

──ROAD FC自体が活動を1年8カ月に渡り活動を休止していました。ただし、韓国内でもDouble GFCやAngel’s FC、そしてUFCへONEで戦うファイターは実戦経験をこの間も続けてきました。そこでキャリアの積み方を再考することはなかったですか。

「ロードFCはAfreeca TVとARCという大会を続けていて、自分の試合を組むという話が何度かありました。ただし、対戦相手の調整がつかなく結局できなかったんです。本当に何度も相手の名前が挙がってはなくなる。その繰り返しでした。でも、そうやって試合を組もうという風に周囲が動いてくれているのは確かだったので、またRoad FCで試合ができるという風に考えていました」

──しっかりとその日を待っていたわけですね。とはいえ、その間コロナ禍において、トレーニングに影響も出たのではないでしょうか。

「韓国の感染状況は今も良くないです。多くの人が集まって練習することはできないですから、当時は1人でトレーニングをするしかなかったです。スパーリングパートナーもなく、イメージトレーニングをして、あとはフィジカルを高める運動をしていました。

対人練習をするようになったのは、今年の始めからです。でも、すぐに国の感染予防対策が1段階から4段階まであるなかで、一番厳しい4段階に引き上げられることになりました(※イベントの開催が禁止、結婚式も親族のみ。スポーツ観戦は無観客、アルコールの販売が行われる店の影響は禁止。午後6時までは家族以外の会場は4人まで。午後6時以降は2人まで。スポーツ営業施設で試合の準備などの場合は、ワクチン接種が住んでいれば4人以上集まることも可)。

それからも規制段階の上下が繰り返されたので、それまでのように練習をすることは今もできていないです」

──UFCやONEに出ている選手は、人数制限はあっても以前に近い練習を行えていると取材で話してくれていましたが、また状況が違うようですね。

「きっとソウルやプサンの選手は、規制段階が緩和されればそういう練習ができるのだと思います。所属チームにプロ選手も多いですしね。そういう時期で政府や自治体から何か制限が特別に掛かるということはないのですが、自分が住んでいるウォンジュは地方都市ですし、コロナに対する見方も大きな都市とは違います」

──日本と同じですね。今やその段階を越えた感もありますが、当初は感染者を自分たちの街から出すな。東京から帰郷もしないでくれ──という空気でした。

「そこは日本と韓国も変わらないと思います。自主隔離を2週間ほどするという所もありました。実際に知人も陽性になり、隔離後もビジネスを2カ月間も休むということがあったんです。そういう地方都市独特の閉そく感はありました。

何よりチーム・フォースもそれほどプロ選手は在籍していないです。以前は他のチームの選手が出稽古に来て、またウォンジュに住んでいない選手も練習していました。規制段階が下がっても、ジムの方では出稽古で他のチームの選手が来館することを禁じていました。自発的に出稽古を中止にした形ですね」

──なるほどぉ、チーム内で練習するので練習相手も限りがあるということですね。

「ハイ。それでも今回の試合が決まってからは1週間に3、4回の対人練習をして2、3回はスパーリングです。それ以外は体力トレーニングですね。アジリティの強化に集中してきました。

ただ今回の対戦相手パク・ヘジンは柔術が強いので、自分の方からソウルに行き、柔術家のチェ・ワンギ選手(2017年アジアでイザッキ・パイヴァに勝利し準優勝)やチェ・ヨンスン選手(2019年アジア選手権ライト級でクレベル・コイケや森戸新士を下し優勝。MMAでも田村一聖に一本勝ちしている)とも練習をしています。

彼らはガードからの攻めが強い選手ですが、今回の試合はMMAということで自分に合わせてスクランブルやトップからの攻撃、足関節などを積極的に使ってくれています」

<この項、続く>

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【Road FC59】キム・スーチョルの復帰戦はフェザー級王座決定戦。パク・ジョンウンもアトム級王座決定戦

【写真】キム・スーチョル、パク・ジョンウンが揃ってタイトル戦に(C)MMAPLANET

9 月4 日(土・現地時間)に韓国ウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC59の対戦カードが出揃い、メインでキム・スーチョルがパク・ヘジンとRoad FCフェザー級王座決定戦を戦うことが明らかとなっている。

このタイトル戦決定前からシン・ドンシグク✖バク・スンモ戦のライト級戦が決まっていた同大会だが、フェザー級に続き女子アトム級でもタイトル戦が決まり、パク・ジョンウンがシム・ユリと戦うことも発表されている。


Road FCバンタム級王者だったキム・スーチョルはキャリアの絶頂期にありながら、2017年一杯で引退を表明。2年後の2019年12月にRoad FC57でのグラップリングマッチを経て、2020年にMMAを戦うことを宣言していた。しかしながらコロナパンデミックで、Road FCの活動休止が長引いたため復帰戦も棚上げされた状態だった。

今回のカムバック戦に関しては、関西&打撃系MMAファイターが対戦相手になるという噂もあったが、結局──韓国も海外からの来韓者には隔離措置が取られている状態で、この案は見直されることに。

結果、キム・スーチョルはイ・ジョンヨンが返上したタイトルを──その前王者に10秒でKO負けしたパク・ヘジンと争うことになった。22歳でチャンピオンになった前王者=イ・ジョンヨンは、パク・ヘジンとのタイトル初防衛戦後、2年近く実戦から遠ざかっているが、UFCと契約を目指すためにタイトルを返上。Road FCから離れてフリーエージェントになる道を選んだそうだ。

彼の所属するセンジジムは、所属選手をRoad FCにしか出場させてないだけに、ここでRoadとの契約解除はUFCとの交渉が進んでいるのか、ありいは退路を断ってUFC行きに賭けているという見方もできる。スーチョルの復帰戦も楽しみだが、イ・ジョンヨンの行方も気になるところだ。

他方、ハム・ソヒが返上した女子アトム級王座を賭けて戦うパク・ジョンウンとシム・ユリは2019年12月、現状で最後の試合で直接対決しており、パク・ジョンウンがパウンドアウトでTKO勝ちを収めている。

トップどころは海外と契約し、コロナ期に活動を取りやめているベテラン&中堅勢も少なくなく、国際戦が組めないことで韓国のドメスティック・プロモーション全体が、マッチメイクに苦労の跡が見られる。

加えてRoad FCはDouble GFCやAngele’s FCと違いクロスプロモーションを行わないため、若い力の成長を待つ時期に入ったともいえる。そんななかで男女の軸となるべくファイターがタイトル戦に名乗りを挙げるのは朗報といえるだろう。

一方で日本国内とは数字は違うが、デルタ株により感染拡大が続く韓国だけに、現状で同大会はチアック体育館のキャパ20パーセント、800人程度の有観客大会で実施される予定だが、感染状況が悪化すれば延期もありうるというのが現地での見方だ。

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