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【ONE163】青木真也と対戦=イザガクマエフ─02─「殴って試合を終らせるよ。彼の柔術は役立たない」

【写真】決戦はいよいよ明日 (C)MMAPLANET

明日19日(土・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE163「AKIMOTO VS PETCHTANONG」で、青木真也と対戦するザイード・イザガクマエフ・インタビュー後編。

世界を席巻するカビブ・ヌルマゴメドフ軍団の実力者はUFC行きを逃した一戦で何を学び、青木戦をどのように捉えているのか。話を訊くほどに、ヌルマゴ軍団とは今は亡きアブドゥルマナップの教え子という誇りを持って戦う集団であることが伝わってきた。

<ザイード・イザガクマエフ・インタビューPart.01はコチラから>


──ダゲスタンは次から次へと強豪ファイターが生まれていますが、ザイードを初めて注目したのは旧Eagle F=Gorilla FCの暫定ウェルター級王者になり、ダナ・ホワイトが観戦したUAEWとEagle FCの合同イベントに出場した時でした。UFCとの契約が目の前にあったファイトでカールストン・ハリスに敗れ、ハリスがオクタゴンへステップアップを果たしました。その後、ザイードはEagle FCで2勝しONEとの契約をしました。

「UAEでの試合を落としたのは……初回は取っていたけど、2Rに拳を負傷してしまったからだ。ケガをしたけど、そのまま戦ってアナコンダチョークを極められてしまった。試合映像を何度も見て、どこにミスがあったのかを確認した。結果、一番の敗因は自信過剰だったことだ。あの試合から俺は変わった、絶対に相手を軽視することなく、集中して戦うようになった。

そしてONEと契約して、最初の試合はランク3位のジェイムス・ナカシマを相手に、見た目も良い勝利を収めることができた。あの試合でも、律し方などさらに厳しく自分を見るめることができるようになった」

──9月にジャン・リーポンを破った際、青木選手を対戦相手に指名しました。

「シンヤはレジェンドだ。子供の頃から彼の試合をずっと見てきた。もうすぐ40歳になることも分かっている。時間の無駄使いになるような試合はしたくないから、シンヤ・アオキと戦いたいとアピールした。彼に勝つと、俺はさらにステップアップできるからね」

──チャトリなどもONEで一・二を争うグラップラー対決だと言っていました。青木選手は極めの強さはが知れ渡っていますが、今やケージレスリングも彼のスタイルを構成する上で欠かせないコアとなっています。その辺り、ザイードはどのように思っていますか。

「彼のスキルは疑いようがない。特にレスリング、テイクダウンに関しては。でも、その点においては僕の方がずっと上回っている。それを試合当日に証明するよ」

──そうなると、青木選手は下からの仕掛けも高度な技術を持っています。彼の柔術についてはどのような印象を持っていますか。

「俺がテイクダウンを奪えば、彼にとっては最悪のポジションにいることになる。殴って試合を終らせるよ。そうなると彼の柔術は何も役立たない。それに彼は打撃戦が苦手なことは誰もが知っている。そして、40歳のファイターがそこをどう変わる手立てがあるのかって話だよ。だから、シンヤはテイクダウンを狙ってくる。距離がバッチリをハマれば、彼の想い通りになる可能性もある。ただし、そうならなければどうなるのか。そこは試合でハッキリさせるから、しっかりと見て欲しい」

──日本のファンにショックを与える自信は? 

「アハハハハ。勿論、日本の人たちは日本人選手を応援するだろう。だけど19日の夜は皆を驚かせることになる。僕の拳は、皆にショックを与えることになるだろうね」

──今、カビブ・ヌルマゴメドフ軍団にはUFC世界ライト級王者イスラム・マカチェフがいて、18日の夜にはウスマン・ヌルマゴメドフがBellator世界ライト級王座に挑戦します。そしてザイードはONEで戦っている。イーグル軍団が世界のメジャー・ライト級王座を独占する自信はどれだけありますか。

「う~ん、もちろんONEライト級王座が目標で、ベルトを巻くために戦っている。でも次の試合を10日後に控えた今、そういうことはあまり考えていない。シンヤ・アオキとの試合に向けてポジティブな気持ちで居続けたい。ただし、この試合で勝てば次はチャンピオンを指名する。そして、タイトルに挑戦してライト級のベルトを巻く。

ONEの関係者、ファン、そしてファイターたちに言いたいのは、この団体のライト級のチャンピオンになるのは、伝説的な指導者アブドゥルマナップ・ヌルマゴメドフの教え子だということだ」

──では最後に日本のMMAファンに一言お願いします。

「可能であれば、僕の勝利を見てもハッピーな気持ちでいてほしい」

■放送予定
11月19日(土・日本時間)
午後7時00分~ PPV ABEMA格闘チャンネル

■ONE163対戦カード

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] 秋元皓貴(日本)
[挑戦者] ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP決勝/3分3R>
ロマン・クリキア(ウクライナ)
イラジ・アジズプール(イラン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ザイード・イザガクマエフ(ロシア)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
岡見勇信(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
平田樹(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
クォン・ウォンイル(韓国)
マーク・アベラルド(ニュージーランド)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ウ・ソンフン(韓国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アブラォン・アモリン(ブラジル)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
ルイ・ポテーリョ(ポルトガル)
朝陽PKセンチャイムエタイジム(日本)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ブルーノ・シャベス(ブラジル)
アフメド・クリッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)

<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/12分1R>
ミレーナ・カオリ(日本)
ビアンカ・バシリオ(ブラジル)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(ウクライナ)
キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)


c
■放送予定
11月19日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE Fight Night04対戦カード

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] キャムラン・アバソフ(キルギス)
[挑戦者]クリスチャン・リー(米国)

<ONE Super Seriesムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジョセフ・ラシリ(イタリア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
スティーブン・ローマン(フィリピン)

<ムエタイ・ウェルター級/3分3R>
コズモ・アレッシャンドリ(ブラジル)
フアン・セルバンテス(英国)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
キム・ジェウン(韓国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョナサン・ハガティー(英国)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ラスラン・エミルベク(キルギス)
イシ・フィティケフ(豪州)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
ダニエラ・ケリー(米国)
マリア・モルチャノワ(ロシア)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
リアム・ノーラン(英国)
エディ・アバソロ(米国)

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MMA MMAPLANET o ONE ONE161 ジャン・リーポン

【ONE161】テイクダウンを奪ったイサガクマエフが、リーポンのガードを越えられずも3-0の判定勝ち

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ザイード・イサガクマエフ(ロシア)
Def.3-0
ジャン・リーポン(中国)

ジャブを伸ばすイサガクマエフ。その左ジャブを当てられたリーポンは、ワンツーに右を打ち返す。ケージを背負ったリーポンに対し、ダブルレッグで組んだイサガクマエフがテイクダウンを奪う。クローズドの中で腰を上げたイサガクマエフが左のパンチを当てる。ハーフバタフライからフックガードに切り替えたリーポンは、右足を抜かれる。リーポンは肩固め狙いを察知し、足を戻していく。

ガードの中からイサガクマエフがパンチを落とし、リーポンが足をすくってきたところを潰す。そのままガードを越えることはなく、初回が終わった。

2R、スイッチしたイサガクマエフがすぐにオーソに戻す。リーポンが右を伸ばし、右ローを蹴る。さらにワンツーを繰り出すが、ダブルレッグでケージに押し込むと、引っこ抜くようにイサガクマエフがテイクダウンを決める。初回と同様にクローズドを取ったリーポンは、懸命に足を利かせてパスを許さない。ならばとイサガクマエフがボディにパンチを落とす。下からリーポンはエルボーを見せるが、イサガクマエフも左ヒジを落とし、スイープ狙いを潰す。

ハイガード、イサガクマエフの動きにバックを伺うリーポンだが、結果クローズドに戻す展開が続く。肩抜き後転も察知したイサガクマエフがトップをキープしたままラウンドを終えた。

最終回、右フックのフェイクに笑顔を浮かべたイサガクマエフは左を被弾しても、ジリジリと前に出て行く。リーポンはケージを背負っており、右オーバーハンドを繰り出すがダブルレッグでテイクダウンを奪われる。ここもクローズドのリーポンは、サバイバルモードか、それとも一発逆転を狙うのか。イサガクマエフはエルボーを入れ、足を抜いてパスを狙う。バタフライガードで耐えたリーポンだったが、その足を越えられマウントを許しそうになる。

足を戻したリーポンは、クローズドを取る。イサガクマエフはボディから顔面にパンチを落とし、残り1分に。懸命にクローズドを続けたリーポンは、パウンドを受けてもクローズドを続け時間を迎えた。結果は当然、3-0でイサガクマエフに軍配が上がった。


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【ONE161】ワン・シュオと再起戦、若松佑弥「何ならこの試合は誰にも見てもらえなくても構わない」

【写真】言っていることはクソ真面目でも。スクショの撮影では、『履いていますよ』モードになってくれた若松(C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで行われるONE161「Petchmorakot vs Tawanchai」で若松佑弥が、ワン・シュオと対戦する。

3月にアドリアーノ・モライシュの持つONE世界フライ級王座に挑戦し、ギロチンチョークで敗れた。念願のタイトル挑戦に敗れ、仕切り直しの一戦を前にして話を訊いた若松は──本人は侍と表現するが、まるで修行僧のような心境になっていた。


──今回の試合が決まったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「最初は2カ月ぐらい前にシェ・ウェイと決まっていたのですが、試合の6、7週間前にワン・シュオに代わりました」

──タイトル挑戦権を得るには並び直しの再起戦ですが、正直ワン・シュオは1月に和田竜光選手に敗れており、正直なところ『おっ』となるマッチアップではなかったです。それはファンからしても、同じ印象だったのではないかと。

「もう日本人に負けている選手だから、そういう風に思われるということですよね。『勝つんだろうな』ってファンの人にも思われる……自分も第3者の立場だったら『若松が絶対に勝つ試合』と思う試合ですよね、でも僕は負けた身ですから、戦うだけです」

──そうですね。それでも……勝つか負けるかというスリルは試合前の時点では、それほど感じられないとは言えます。

「『確実に勝て』、『大胆にKOしてくれ』ということだと自分は理解しました。僕も『コイツに勝ちたい』、『越えていきたい』という選手と戦いたいです。でも、試合です。何が起こるか分からない。だからアドリアーノ戦と同じだけ集中して、これで何かあったら終わりだっていう気持ちです。楽な相手だからって、簡単に行くとは思えないです」

──もちろんです。ワン・シュオも絶対に勝つつもりで、若松選手がどうなろうが関係なく拳を振るってくる。それでもファンは「落とせない」という潜在意識を持った試合になる。

「なんていえば良いのか……。それでも長い人生のなかで、落とせない試合です。相手どうこうじゃなくて、自分との戦いなんですよね。将来、この試合を振り返った時に自分の記録の一つになるだけ、他人がどうこうじゃないっていう心境で。強いヤツと戦って盛り上げたいというよりも、僕はこれからもっともっとMMAを戦っていきたい。もちろん、さっきも言ったように強い選手と戦いたいです。でも、ONEが与えてくれた選手と戦うための自分との勝負。それが自分の将来のためになる。そういう風に思っています。ちょっと説明の仕方が分からないですけど……」

──何があろうが、最高の自分を創るための日々ということですね。

「ハイ。それが他の人に分かってもらえなくても良い。自分が、その大切さを理解していれば。ホント、何ならこの試合は誰にも見てもらえなくても構わないです。自分、応援してくれる人のためだけに僕は戦っていきたいんで」

──最近、MMAPLANETでもそういう論争になることがあるのですが、若松選手は知名度を上げたい派ではないということですね。「強いだけではだめ」だけど「強さは絶対」、「食べていくために知名度を上げる努力も必要」など、色々な意見がありますが。

「僕は開き直っています。俺は一人の侍として、人気がなくても良いし、試合以外のところで面白いパフォーマンスをやったり、目立つ発言をしたりとか……そういうことはやろうとは思わないです。下らない。それより負けないで、長い間MMAを戦っていきたい。一発屋芸人みたいなことはしたくない。強さに貪欲であり続け、毎日自分と向き合っていく。そういう人間になりたいというか、そういう格闘家人生を歩んでいきたいです。

以前は知名度を上げて収入を増やそうって思ったこともありました。YouTubeをすることが必要だと思ってやってみました。でも、僕は違った。強くなって、それで人から見てもらえるようになろうと考えるようになって。実力もないのに、そういうことばかりやって稼ぐより、勝った負けたでファイトマネーの上下があり、そういうところで勝って少しでも稼ぎを増やすプロMMAファイターでいたいです。

正直金は欲しいけど、戦って食うだけ稼げれば良いし。それ以上を求めて、戦いじゃないことに力を入れるのは自分は違うと思っています」

──SNSは全員が使えることができますが、それは車と同じで。車を移動の手段として使う人、モノを運んで稼ぐ人、人を乗せて稼ぐ人、そのなかで自分1人で運転して──競争して勝って億万長者になるF1ドライバーがいるように、SNSで儲けるにはそれができる才能が必要だと思います。猫も杓子もSNSで知名度が上がって、収入が増えるなんてことはない。

「僕はそれは無理だから。なら練習して、強くなって稼ぐ。そっちしか考えていないです。他人に何を想われようが、俺は俺。もうブレない。世界戦で負けて、一度自分を全否定しました……」

──負けたので、その要因は存在すると思います。ただし、自分は罠だろうが、ギロチンが待っていようが、ミキーニョとのスクランブルを制したり、テイクダウンを奪った若松選手をケージサイドで撮影していて、凄く興奮しました。打撃戦は詰将棋ではない。思わぬことが、組み技よりも起こる。そういうなかで、打撃でリードができないから組みでも勝負できる。そこを若松選手は見せていた。

「日本人でアドリアーノからテイクダウンを奪ったのは初めてだと思うし、じゃあ誰がアドリアーノをテイクダウンできるんだっていう気持ちはあります。負けたけど、テイクダウンを取れたことは自信になっています。それに後付けのようになってしまいますけど、僕はあの試合は競り勝つことを目標にしていました。

だから、凄く冷静だったんです。まるで練習みたいな気持ちだったから、ギロチンに対しても練習のようにタップをしてしまって……。普段の僕なら、タップせずに落ちていたと思います。でも、行けると思って入って──あれが待っていた。一瞬で摘んでしまった。冷静過ぎてもダメだと勉強になりました」

──凄まじいものですね。

「でも今までやってきたことは間違っていなかったです。自分は世界で1人、他と比較したり、他人の意見に左右されない。自分にフォーカスして、自信を持つようにしてきました。

そうでないと、SNSで知名度を上げようが、ステロイドで強くなって戦っていたら、メッキはすぐに剝がれてきます。僕はずっと戦える実力をつけて戦っていきたいです」

──常に自分と向き合っていると、モチベーションを外的要因に求めることはないでしょうか。例えばミキーニョに凄い勝ち方をしたDJともう一度戦うことを目標にするなどして。

「あれはトップ中のトップ、氷山の一角です。それよりも、自分に打ち克つこと。それを日々生きていく中で、続けること。自分と向き合うことの方が重要だと思っています。実際にそうやってきて、しんどかったです。でも、これで負けたらしょうがないと思える。それだけやってきました。弱い自分と向き合って、そこに勝つ。そこだけに集中し、打ち克つことをモチベーションにして……『チャンピオンになれるか』なんて考えることなく、『次で最後』という気持ちでやってきたので。

DJの試合を見て『やってやろう』という気持ちにはなります。でも、そんなのは当たり前で。当たり前のことだけやっていては、MMAを戦い続けることはできない。それに日々の誘惑に負けることなく、誰よりも練習していると競技人生も長くなると思います。そういう風に生きていると、またチャンスが巡って来るかもしれない。だから、まずは毎日を全力で自分と向き合うこと。それでも負けることもある。そして試合に負けても、死ぬわけじゃない。究極、回りに家族さえいてくれれば良い。だから自分の出来ることを全て費やすよう、毎日を生きていきたいと思っています。

今、MMAを戦えている時点で自分の限界に挑まないといけない。こういうことがデキない人が、世界中にはたくさんいます。なのに妥協して生きるようなことがあったら、本当にクソです。『こんなんじゃダメだ』って毎日を頑張らないといけない。そうやって過ごしてきました」

──そこまでの想いで迎えるワン・シュオ戦なのですね。では試合として、どのような戦いがしたいですか。

「タフで打撃があって、気持ちも強いという風に思われているみたいですけど、全てを消したいです。いざ試合が始まるとスピードも段違いだし、『あぁ、次元が違っていた』と思われて終わるはずです。僕が勝って当たり前と思われているんだから、そういう試合をします。ホント、相手が悪魔の実かなんか飲んでこない限り向うに勝ち目はない。そう思いつつも、試合は何があるか分からないので気を付けて戦います」


■放送予定
9月29日(木・日本時間)
午後7時~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE161対戦カード

<ONEムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)
[挑戦者] タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ロマン・クリキア(ウクライナ)
グト・イノセンチ(ブラジル)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP準決勝/3分3R>
イラジ・アジズプール(イラン)
ブルーノ・シャベス(ブラジル)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジャン・リーポン(中国)
ザイード・イサガクマエフ(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ティファニー・テオ(シンガポール)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジャン・チェンロン(中国)
センマニー・クロンスアンプルリゾート(タイ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
バトラダズ・ガザエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/12分1R>
ホドリゴ・マレロ(ブラジル)
ルスラン・バグダサリアン(ロシア)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
マテウス・フィリッピ(ブラジル)
アリ・フォラディ(イラン)

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE Shooto オク・レユン クリスチャン・リー ジャン・リーポン ボクシング 修斗 海外 西川大和

【Shooto→?】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(12)西川大和─02─「記憶に残る人間になりたい」

【写真】媚びない、忖度なしの西川大和(C)MMAPLANET

昨年9月に18歳9カ月で修斗世界ライト級のベルトを巻いた西川大和が今、これからの戦いについてどうのように思っているのか――を赤裸々に語ったインタビュー後編。

2022年、夏~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第12弾は、戦いもステップアップの仕方も──そして生き方も独特な西川大和に話を訊いた。

<西川大和インタビューPart.01はコチラから>


――現状と将来、どちらも現実的に見ているということですね。

「そうですね。ONEに関しては、ワクチン接種の義務付けがないのであれば試合をしたい。そこが一番です。本当に」

――可能かどうか分からないのですが、仮にONE日本大会があれば国内ですし接種云々は関係なく試合ができたり、PCRの陰性証明だけで入国できる国の試合のみ出場するという風に、互いの妥協点を見出せると良いですね。

「それはもう……例え1試合だけでも戦えるなら、ONEに出たいです。西川大和が『日本大会があるなら、1試合でも出たい』と言っていると書いてください」

――ハイ。そこまでONEを希望しているのは意外でした。

「ONEのライト級は77キロで、水抜きなしです。そういう点でも戦ってみたいんですよね。それとチャトリさんからは日本の精神、侍の部分が好きなように感じます。そういう純粋な想いで、過去にも日本大会を開いてくれていたんじゃないかと。

そうですね。ONEに出られるなら……それは僕の願いです。僕はMMAをやって有名になりたいとか、これで格好をつけたいとか、そういうことのためにやっているんじゃなくて。この世界でライト級、ウェルター級のなかで『西川大和はヤバかったね』って外国人が言うようなMMAファイターになりたいだけなんです。

そのためにも、自分よりデカくて強い選手と戦いたい。それこそ自分が乗り越えないといけない壁なんです。こんなこと言ったらアレですけど、ブラジル、ロシア、米国人ファイターがしっかりといる階級で、あの侍は自分よりデカいヤツらを倒してきたんだよ――という風に、海外の人のcんです。

だから日本で有名になるとか、そういうことは望んでいないです。とにかく格闘技をやっている人間のなかで、ヤバかったと思われる選手になることを願っています。SNSに力を入れているわけでもなく、スポンサーさんとの付き合いをいの一番にしているわけでもない。その時間があれば練習をしたいと思う人間なので」

――その気持ちのある西川選手がオク・レユン、クリスチャン・リー、ジャン・リーポン、ダギ・アサラナリエフらと交わる日がくればと素直に思います。

「彼らは強いです。ONEのライト級のトップは強い。じゃあ日本人で、誰が彼らに勝てるんだって。今、日本人選手がエンターテイメント路線のMMAを戦ってマネーが動いたとしても、身分不相応な試合を組むと勝てないですよ。

やってみないと分からないですけど、×××××選手とか強いです。×××××選手は上手い。ただ強いか、上手いか。クリスチャン・リーは強くて、上手い。そういう2つとも持っている選手とやって、日本人が勝てるのかって。

だから、僕はONEに出たいんです。父も『日本で騒がれていても、向こうに行けばボコられる』と言っています。レスリング、柔術、ボクシングでエリートだった選手集まっているのが海外のMMAです。そこにノリで一旗揚げるとかいって乗り込んでもボコられるのは普通の話です。日本から乗り込んでいって、ウェルカムで戦えるような甘いものじゃない。敵ですよ。だからタイで練習できるようになったら、まずジムでボコります。そこでまずヤバいやつだという印象を植え付ける。

『ヤマト・ニシカワです。お願いします』なんて気持ちで練習するつもりは一切ないです。だって、向こうの連中だってそういうつもりでやってきますからね。そういう気持ちが足らないです。練習という名の試合なのに。海外で戦うとか口にしている人が多いですよね。だから、仕掛けてもボコられる。それは当たり前のことだと思っています。

朝昼晩と練習している選手に対して、最低限同じだけの練習をして挑まないと勝負にならないです。だからこそ、勝てると思っていることが間違いないなだけで」

――見る者を喜ばせ、同時に戸惑わせて結果を残していた西川選手。ここまでも自分を貫いてきたので、今日の発言のように好き勝手に暴れてほしいと思っています。

「日本には五輪レスリングで金メダリストがいて、ボクシングでも世界王者がいます。それなのにMMAはどうして、差をつけられてしまったのか。テクニックの差が段違いだからです。そこを世界と口にする選手はわきまえるべきなんじゃないかと思います」

――う~ん、そこまで口にしてしまって大丈夫なのか……と心配になります。

「あのう……日本人選手って国内にいると、試合でも知っている者同士の戦いが多いです。出稽古といっても、知り合いとやっています。だけど僕は北海道にいたこともあって、そういう日本のMMA界に染まっていない。だから、このままやらせてもらいます」

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DEEP F1 GLORY K-1 MMA ONE ONE Championship Report YUKI   キック ジャレッド・ブルックス ジャン・リーポン ボクシング ミカエル・デ・ジェズウス ルンピニー ワン・シュオ 修斗 和田竜光 手塚裕之 秋山成勲 箕輪ひろば

『ONE: Only the Brave』試合結果/ハイライト動画

ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング ワールドグランプリ準決勝。アラゾフ&シッティチャイが決勝へ(バウトレビュー)
第9試合 メインイベント 準決勝 3分3R
○シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/ONEフェザー級キック3位、元GLORYライト級(70kg)王者、元ルンピニー認定ウェルター級王者)
×ダビット・キリア(ジョージア/元GLORYライト級王者、クンルンファイト70kg世界トーナメント2018優勝)
判定3-0

第8試合 コーメインイベント 準決勝 3分3R
×ジョー・ナタウット(ムエタイ同級3位)
○チンギス・アラゾフ(ベラルーシ/ONEフェザー級キック4位、元K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級(70kg)王者)
1R 1’55” KO (左ストレート)

第7試合 MMA ライト級 5分3R
×ルスラン・エミベック・ウフール
○ジャン・リーポン
1R 0’32” KO (左ストレート)

第6試合 キックボクシング ヘビー級 3分3R
○ラーデ・オパチッチ
×フランシェスコ・エクシャジャ
2R 2’00” KO (左ボディフック)

第5試合 MMA ウェルター級 5分3R
○手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC/パンクラス・ウェルター級王者)
×エドソン・マルケス(ブラジル)
3R 1’05” KO (左フック)

第4試合 MMA ストロー級 5分3R
×箕輪ひろば(総合格闘技道場STF/4位、修斗世界王者)
○ジャレッド・ブルックス(米国/3位)
判定0-3

第3試合 71.65kg契約 3分3R
○イヴァン・コンドラチェフ
×ドビダス・リムクス
3R 0’35” KO (左ストレート)
※フェザー級GPの交替試合(=リザーブファイト)として組まれていたが、リムクスが計量とハイドレーションテストでオーバーし、70.3kgのフェザー級から71.65kg契約の通常ワンマッチに変更

第2試合 MMA 61.5kg契約 5分3R
○和田竜光(フリー/元DEEPフライ級王者)
×ワン・シュオ(中国)
判定3-0
※ワンが計量とハイドレーションテストでオーバーし、61.2kgのフライ級から変更

第1試合 MMA バンタム級 5分3R
○プレブ・オトゴンジャンガル
×ミカエル・デ・ジェズウス
判定3-0

 ONE Championshipが1月28日にシンガポール・インドアスタジアムで開催した『ONE: Only the Brave』の試合結果。手塚裕之はエドソン・マルケスに3R KO勝ちし秋山成勲戦をアピール。箕輪ひろばはジャレッド・ブルックスに判定負け。和田竜光はワン・シュオに判定勝ちしています。


 ジャン・リーポン vs. ルスラン・エミベック・ウフール ハイライト動画。



 手塚裕之 vs. エドソン・マルケス ハイライト動画。続きを読む・・・
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MMA MMAPLANET ONE ONE Only the Brave ジャン・リーポン ラスラン・エミルベク

【ONE Only the Brave】狙いすました左、下を見て振った右まで当たり、ジャン・リーポンが32秒KO勝ち

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジャン・リーポン(中国)
Def.1R0分32秒by KO
ラスラン・エミルベク(キルギス)

間合いのはかる両者。エミルベクが右を振るっていくと、ジャンが左フックのカウントを打ち込む。この一発で倒された返しの右フックを打ち込む。完全にアゴを打ち抜かれたエミルベクが、倒れそうになると下を向いたままジャンが放った右まで当たる。完全に失神したエミルベク、32秒でKO勝ちのジャンは5万ドルのボーナス獲得の報に両手を広げて飛び上がり、歓喜の雄叫びを挙げた。


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ABEMA MMA ONE ONE Championship ONE Only the Brave アギラン・タニ キック キム・ジェウン ジャレッド・ブルックス ジャン・リーポン ジョシュア・パシオ ゼバスチャン・カデスタム タン・カイ リト・アディワン ワン・シュオ 和田竜光 手塚裕之 竹中大地 箕輪ひろば

【ONE Only the Brave】1月28日大会に箕輪、和田、手塚がそろい踏み。キム・ジェウン×タン・カイも!!

【写真】箕輪、和田、手塚が猛者との勝負の一戦へ(C)ONE & MMAPLANET

31日(金・現地時間)、ONE Championshipより1月28日(金・同)に開催されるONE Only the Braveの対戦カードが発表された。

メインカードはキックの暫定世界ヘビー級王座決定戦、さらにメインカードではフェザー級ワールドGP準決勝が2試合を含め立ち技が4試合、MMAは2試合となっている。

そのMMAではフェザー級でキム・ジェウン×タン・カイのフェザー級韓中対決、そしてジャン・リーポン×ルスラン・エミルベクの中国×キルギスのライト級マッチが組まれた。

さらに6試合のプレリミはMMAが4試合で、うち3試合が日本人絡みのカードとなっている。


プレリミメインではストロー級でジャレッド・ブルックスが2度目のONE参戦=箕輪ひろばと戦うという注目カードが組まれた。

当初は11月に決まっていた顔合わせだが、イベントスケジュールの変更により、10月に前倒しされることに箕輪が応じなかった。ブルックスはその10月の試合(※中継は11月)でリト・アディワンを下し、早くもストロー級で3位にランクされている。

4位の箕輪にとって、世界王者ジョシュア・パシオ以上の実力者と見なされるブルックス戦は、キャリア最強の相手とのマッチアップといえる。

またフライ級で和田竜光が、ワン・シュオと戦うことも決まった。

9月のRoad to ONEで竹中大地との国内実力者対決で、しっかりと勝ち切った和田の相手ワンは、Rebel FCバンタム級王者からONEにステップアップし、これがサークルケイジで2戦目となる。明らかにフィジカル・モンスター系のファイターで自らの名と同じ王(ワン)の頂点を目指す――決して、軽く見積もることができない相手といえる。

さらに10月(※中継は11月)のアギラン・タニ戦のTKO勝ちに勢いづく手塚裕之が、元ONEウェルター級王者ゼバスチャン・カデスタムと戦う。

カデスタムは今月3日にムラッド・ラマザノフのテイクダウン&コントロールに敗れたばかり。手塚も昨年10月(※中継は11月)にラマザノフに同じように倒され、ポジションを挽回できず悔しい負けを経験している。それだけに手塚にとって元世界王者とのストライカー対決は、総合力で差を見せることができれば、タイトル戦線に食い込めるようになる一戦――大勝負だ。

プレリミで組まれるのが勿体ない――立ち技ナイトの日本勢の揃い踏み、厳しい見方をすれば3連敗もありえる。それだけ厳しい試合になることが予想されるが、その分勝てばゲインも大きなファイトとなる。

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ABEMA MMA ONE RIZIN Road to ONE05   オク・レユン キャプテン☆アフリカ ジャン・リーポン 秋山成勲 青木真也

【Road to ONE05】タオル一枚、青木真也──裸の告白「一番やっちゃダメやヤツ。良いアルバイトは」

【写真】シャワーを浴び、心が落ち着くかと思いきや…… (C)MMAPLANET

5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O –Eastで開催されたRoad to ONE05「Sexyama Edition」。同大会でグラップリングマッチに出場しキャプテン☆アフリカとドローとなった青木真也が試合後に、解説席にいる秋山成勲に嚙みついた。

マイクで秋山に対し、12月のONE10周年記念興行における両者の対戦オファーを断ったことに関して、青木は怒りの言葉を投げかけた。秋山は筋断絶が原因で試合を受けることができなかったと場内と中継内で事情を説明するも、青木の怒りはおさまらない。

いや、控室に戻りタオル1枚で話す青木は、過去に見せたことがないような表情を浮かべていた……。


──いやぁ、交渉がまとまらなかったことを公にして怒りのアピール。アレは本気の怒りだったのですか。

「俺は……意地悪(笑)」

──その表情が、最高に意地悪になっていますよ。

「4週間待たせて断って……時系列で詰めて、『お前は悪いヤツだろう』と(笑)」

──そこに至るまでのグラップリングマッチ、結果的にはまたしてもドローでした。

「緊張感がない……グラップリングは緊張感がないです。全然違うし。世界のグラップリングの潮流を見ても、この10分スタイルではほぼフィニッシュしないじゃん? もう緊張間がないですよね。

よく試合したなって自分で思っちゃいます。4週間、秋山に持たれた。こっちはオファーの瞬間に『やります』って答えて。4週間持たれて『やりません』という返答で、あと2カ月もあるのに。さすがに今日の試合は何のためにやるのか。意味があるのかってなりました。

今の世の中で、全部の世の中で起こっていることと一緒で……正直者がバカを見ますよね。一生懸命やっているヤツがバカを見る。38歳にもなって年間3試合欲しいと思って……そのためには良いコンディションをキープして、いつだってオファーを受けられるようにしている。

その3試合だって……3球あって良い球、悪い球、悪い球という感じじゃないですか。でも今の38歳ぐらいの選手って、良い球だけ1年に1回打っているだけで。悪い球を打たないですよ。3球、打とうという取り組みをしている人間からすれば……まぁねぇって感じですね」

──トーマス・ハーンズか、シュガーレイ・レナードか──ですね。

「ハイ。レナードは良いコンディションの時、負けても傷つかない試合をする。コンディションを整えて、自分がオイシイところだけ戦う。注目されるところだけ戦うんです。オイシクナイとこはやらないスタイルの人、僕らの年齢になると多いですよ」

──いや、決してベテラン選手だけじゃないですよ。日本のトップ5とかに入っていない選手でも、RIZNに1度出るとずっとRIZINのオファーを待っている選手が増えたと思います。「あなたぐらいの選手が、年に1回、2回の試合で良い。それは何を目指しているのですか」と尋ねたくなる選手が増えたと思います。契約が独占なのかもしれないですが、タニマチが喜ぶために試合をして、強くなること諦めているだろうって。

「確かに若い子も、オイシイことだけしたがっていますよね。ずっと待っています。いや、お前らRIZIN以外で無双したのか?って。そればっかりになっちゃって。皆が利己的になっていっているような気がします。

『格闘技界のために』とか口にしても、皆で創っているという感覚がないんですよ。だから、それを想うと僕は人を信じているし、人に期待している。希望を持っている。人を信じてきたけど、そこがないなら『俺もオイシイ思いだけしてやっていれば良いじゃん』って思いますよね。

だから虚無感でしかないです。『お疲れ様でした』って。一番やっちゃダメやヤツですよ。良いアルバイトっていうのは」

──確かにオイシイだけのバイトで、コツコツと働くことを放棄しては業界も社会も回らなくなります。あと、言うと繋ぎのグラップリングに関しても過渡期というか、このやり方は厳しいと感じました。

「どういうことですか?」

──サブオンリーも、今ではジャッジ裁定が普通に入ります。時間切れはドローというルールが、今日のような展開を生む要因になるように感じました。

「動かないですよね。腕なんてゆるゆるで、上は力入れなかったですよ。そうやって誘っても、まるで動かない」

──ジャッジ判定でも、ポイントでも劣性な選手は負けます。でも、時間切れ=ドローでは北岡選手がまさに客席から叫んでいた「極められなかったら、良し」という選択を選手はするものだと思います。そうすると、青木選手も負けの危険もないし、緊迫感は生まれないです。

「ハイ、緊張感なかった。動きはないし。これはキャプテン☆アフリカをくさすわけじゃなくて、こういうモンになるってことなんです」

──でも、世羅選手と青木選手の試合は緊張感がありましたよ。

「世羅はイデオロギーを持っているから」

──あの試合で青木選手はひっくり返されることもなく。足関節にいくこともなかった。

「足関節は、何か動きを創らないといけないと思いましたからね。

取るんだったら、ああいうモノで創るしかない」

──そこですよね。世羅戦では負けない試合をした。そこがリアルでした。でも、今日の青木選手は取りに行く、MMAでは見せない動きで創ろうとしました。

「だから良いアルバイトはしちゃいけない。一番いけないことなんです」

──ポイント制なら足関節を仕掛けられると、抜くだけでなく立ち上がるとリバーサルポイントになる。一本負けさえしなければ負けにならない試合より、ひっくり返されると負けになる。その方が緊張感も生まれるかと。

「ノーポイント、サブオンリーはそういう意味でももう効力がないです。取られないことだけになる。もう……しょうがない。虚無感しかないです……。秋山戦がフィックスされていれば、また創れたんだろうけど……」

──繋ぎの試合とはいえ、両者のグラップリングを楽しみにしていたファンもいます。ファンのために戦うのも、仕事ですよね。

「ハイ……もう僕がグラップリングではテンションが上がらないのか……。せめて、向うが勝ちに来てくれれば……こっちも負けるかってなりますけど、あのルールだと守りますからね。う~ん、手詰まりですね。手詰まり」

──ケガの具合というのは、何も言えない部分はあります。が、『やる』という返答はありした。

「12月の試合を断っておいて、それは何だよって。あと2カ月もあるのに。ふざけんじゃねぇよ、この野郎。なんでお前が『やってやる』みたいな言い方をするんだって」

──12月5日、オク・レユン……はあるとしたらダイレクトリマッチですかね。ではジャン・リーポン戦というようなオファーがあれば?

「他の選手でオファーがあるのか。とにかく、どうせやるならちゃんとやりたいというのはあります。どうせやるなら……。今日は絶望感が凄いです」

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MMA ONE ONE Battle Ground02 Special UFC   エドゥアルド・フォラヤン キック ジャン・リーポン 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─その壱─リーポン✖フォラヤン「僕って窓際も窓際」

【写真】リーポンがフォラヤンに快勝も、その対戦アピールに青木の反応は (C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年8月の一番、第一弾は7月30日に行われ8月13日に中継されたONE Battle Ground02より、ジャン・リーポン✖エドゥアルド・フォラヤン戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ8月の一番、最初の試合は何になりますか。

「リーポン✖フォラヤンですね。フォラヤンの負けは予想をしていたのですが、コンディションが良くない状態が続いていますね」

──続くということは、思い切って休息期間を取らないとコンディションが戻ることはないのかと思ってしまいます。

「それなのに試合を続けますよね。なぜ、ここまで出場機会が多いのかも謎です」

──フィリピンというマーケットを大切にしているのか。

「まぁバリューはありますからね。フィリピンはONEが強い国ですけど、フォラヤンばかりですよ。ラカイから試合に出ているのも。にしても、負けが続いています」

──現在4連敗。2019年3月の東京での青木選手との試合から1勝6敗です。

「1勝も(ツォゴーフ)アマルサナーの頭が当たって、負傷判定勝ちですからね。フィニッシュされている試合もあるし、だいぶ厳しい状況ではあると思います」

──勝ったリーポンに関しては、どのような印象を持ちましたか。

「リーポンは元UFCでKunlunから来ているというのは、興味ありましたね。もっと圧倒する説もありましたし、僕もそう思っていました。フォラヤンも何だかんだと、スタンドでのカーフキックからのパンチという流れは強かったです。

でもリーポンがクンルンとの契約があって、試合ができなかったというインタビューを読ませてもらって、そこが興味深かったですね」

──契約問題はクリアーになったというのは恐らくはリーポンにしても、バンマードゥーチーにしても契約満了まで、他で試合をしていなかったということだと思います。2019年10月から、今に至るまでクンルンは開かれていないのですが……。

「そういうことなんだ。それって怖くないですか?」

──いや、怖いですよ。

「それで喪が明けて、ONEと契約したということですね。まぁ2年も試合しないってことは、そんなに甘くないですよ」

──ONEの階級や計量も初めてですし。

「ですよね。77キロの体調が創れていないというのはありますよね」

──ただし、試合前からレジェンドのシンヤ・アオキと戦いたいという発言がありましたね。

「もうそういう歳になったということですね。31歳とかの選手なので、高校生とか多感な時に僕の試合を視ていたから、名前を挙げてくれたんですかね。

でもフォラヤンにここで勝って、『アオキとやりたい』と彼が言ったからって組まれたら……僕って窓際も窓際ってことなんですよね」

──ジェイムス・ナカシマ戦の勝利があり、セイジ・ノースカットの欠場でフォラヤンに勝利した。でも、次はONEで2試合目のリーポンになると。

「そういうことですねよね? 俺って窓際ですよ」

──中国市場は非常に大切。リーポンが青木選手の実績をテイクすることが狙い。

「そうなんですよ。ノースカット戦を受けて、代役のフォラヤンと戦った。ゴードン・ライアンとのグラップリングも受けたけど、引退でなくなった。僕自身は都合の悪い試合もやってきたけど、上と組んでくれないんだなっていうのはありますね」

──リーポンのアピールは青木選手にも伝わっていたかと思います。

「そこは……ちょっと一つあったのが、ONEからリーポンのことについてコメントを求められたんですよ。中継前に」

──リーポンが試合前に発言していたことが、ディレイで伝わってきて、その反応を聞きたかったということですね。

「そう。でも僕はディレイで中継される……彼の試合結果を知らない。それでコメントを出して、もし僕の言葉が試合後に使われでもしたら、究極の後出しジャンケンだから。

結果を教えてくれて、コメントをしないと。結果を知っているであろう主催者側から、どうなったのか知らない僕にコメントを求められても返答できないです。イエス、ノーも含めて、どういうことを話せば良いのか。創ることができないですよ。

録画中継で自分達はストーリーが見えていて、知らない僕がコメントを出すと……ハメられるというか、都合良く使われてしまうかもしれないということが、凄く怖かったです」

──ダークシリーズを現在進行形で伝えるのは、本当に難しいです。

「でもTUFもそうですよね」

──TUFは本大会で行われる決勝戦以外、エキシ扱いで実戦としてカウントされないですから。

「あぁ、そういうことか……。あの時、俺も良くなかったんですよね。『結果どっちですか?』って尋ねなかったから」

──そこはでも『答えられません』なんて返答だと、人間関係的に厳しくなってしまうじゃないですか。リーポンの自発的な発言に乗っての青木選手のコメントをプロモーションが求めたのか。それともリーポンもプロモーションの意向で発言したのか、分からないですし。

「そこなんですよねぇ。だから難しい……難しいとしか言えないかな」

──ですね。自分はメディアとプロモーションって癒着はダメだけど、共犯でいられる関係がベストだと思っているので。

「そうですよね。『答えられません』ではなくて『ケーフェイ』で済ませられれば……ですよね。まぁ、でも次からはその腹積もりで回せるようにします」

──とにかく、お仕事は推進していくと。ただ9月からはダークシリーズは終わります。この不自然さも解消されていくかと。

「皆、慣れないことしてきましたからね。これでリアクションの取り方は、ちょっと楽になりますね」

──ところでリーポンの発言が、ONEのストーリーラインに乗った時、青木選手はどうされるのでしょうか。

「仕事であるからやります。多分、やるんだと思いますよ。でも僕としては、もう僕の試合でしかないです。人としての想いだとか、粋とかね……そういうのを感じたいけど、それはやっぱり日本人の感覚なのかな。ここまでやってきたことを汲んだ試合を組んでくれても良いのになっていうのはあります。その感情は、僕の理屈のなかで間違っていないです」

──なら不謹慎ですけどシンガポールでなく、重慶で大ブーイングのなかでやるとか。そういう痺れるシチュエーションとか欲しくなりますね。

「まぁ、現状でソレは無理なわけだし。それにね、リーポンは選手としては、そんなに特別なわけじゃないですよ。だってホドリゴ・カポラルに負けているんですよ。クンルンの実績がどこまで実績なのかって、分からないですしね。エルミス・フランカとか、動けない選手を呼んでやっつけて」

──青木選手とジャン・リーポン、自分は興味はあります。ただしフォラヤンに勝っただけでなく、ピーター・バウシュトやナシューヒンなど、他の選手との試合をもう1試合挟んで欲しいなと思います。

「僕は……次は、他の選手とやりたいです(笑)。まぁまぁまぁ、どうなるのか楽しみではありますけど」

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MMA ONE ONE Battle Ground02 エドゥアルド・フォラヤン ジャン・リーポン 青木真也

【ONE Battle Ground02】ジャン・リーポンが北米MMAでフォラヤン下し、青木真也にラブコール

【写真】勝利の雄叫びを挙げたリーポン。青木戦を熱望(C)ONE

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジャン・リーポン(中国)
Def.3-0
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)

フォラヤンがまず左から右のローを蹴っていく。リーポンは前蹴り、続いて右ローを繰り出す。フォラヤンもローを返し、右オーバーハンドから右ローへ。さらにワンツーでボディストレートを入れる。ここにダブルレッグからバックに回ったリーポンは、胸を合わされてもボディロックでテイクダウンを奪って足を一本抜いていく。

左のパンチを力強く打ちこむリーポンは、ガードの中に入れられても左のパンチ、右の鉄槌を落とす。再び足を一本抜かれたフォラヤンは、左腕を差していくが左のパンチを被弾する。リーポンはパスに成功し、シングルに来たフォラヤンのバックを制し四の字フックへ。アゴの上からRNCを狙うリーポンは、極まらないとみるとパンチに切り替える。勢いのあるパンチを打ち込むリーポンが、初回をリードした。

2R、いきなりの右ハイは空振りとなったフォラヤンは、左フックに続きく右フックを当てる。リーポンは右前蹴りをアゴに入れ、フォラヤンが右ローを蹴っていく。右オーバーハンドに右を打っていったフォラヤンが、ワンツー。額で受けて前蹴りのリーポンは、後ろ回し蹴りをかわす。リーポンは左ジャブを見せた直後に、ダブルレッグでテイクダウンを決める。北米MMAスタイルでフォラヤンを追い込むリーポンが、左のパウンドを打ち下ろす。バタフライガードからスクランブルのフォラヤンは、バックを許さず立ち上がることに成功する。

間合いを測るリーポンは、前蹴りから組んでバックを伺う。許さず、逆にリーポンをケージに押し込んだフォラヤンが離れる。フォラヤンは左フックを放つが、インパクトのある打撃を入れることはできなかった。

最終回、シングルを切ったフォラヤンは、ダブルレッグもスプロールする。鋭いローを貰ったリーポンは、距離を取る。フォラヤンはローを続け、リーポンが前蹴りを返す。ワンツーからローのフォラヤンは右アッパーを打たれるが、左フックを返してダブルレッグも切っていく。倒されず、組まれなくなったフォラヤンだが初回の劣性を挽回するには、ノックダウン級の攻撃が必要だ。

その一発を貰わず戦うリーポンは、右関節蹴りから左ハイを狙う。残り90秒、ローをかわしたリーポンが後ろ回し蹴りへ。ローをかわすリーポンが左ジャブを当てる。ここにきてジャブを連続で入れるリーポンが、その左ジャブからダブルレッグを仕掛ける。左腕を差したフォラヤンに対し、リーポンはハイクロッチに移行してリフトアップ──テイクダウンを決める。しっかりポイントアウトしたリーポンが、最後はパウンドを纏めて勝利を決定的とした。

判定勝ちのコールに勝利の雄叫びを挙げたリーポンは、「ハッピーだけど、2年振りの試合で疲れた。フォラヤンと戦わせてくれたONEに感謝している。次? シンヤ・アオキのファンだから彼と戦いたい」と話した。


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