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Interview Special ブログ 中島太一 堀江圭功 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:9月─その参─中島太一×堀江圭功「鈍感力、ガッツ」

【写真】試合前の青木の予想は、堀江の一方的になることもあるというものだった…… (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年9月の一番、第3 弾は27日に開催されたPancrase318から暫定フェザー級王座決定戦=中島太一✖堀江圭功の一戦を語らおう。


──9月の青木真也が選ぶ、この一番。3試合目は?

「中島太一✖堀江圭功戦です。中島選手とは今は練習していないですけど、堀江選手とは練習させてもらっていることがあって、組んだ感じでいえば『これは本当に強いな』と思ったんです」

──その発言は試合後の中島太一選手のインタビューで引用させていただきました。

「堀江選手はちょっと才能とか素質的にも一つ抜けていると感じていました。相当に強くて上手いです」

──では青木選手は試合前の見立ては堀江勝利だったのでしょうか。

「そうですね。堀江選手が勝つと思っていました。最初に組み合って中島選手が崩されると、勝負の行方は決まる。堀江選手のワンサイドになると」

──打撃ではなく、組みで戦局が読めると

「ハイ。中島選手が良い形で最初に組めないと、堀江選手のペースになり試合にならないかというぐらいでいました」

──組みの前に中島選手が懐に飛び込むタイミングを掴めず、無理やり行くと一発入る。そんな予想も私はしていました。

「あぁあ……KOがあるとすれば、堀江選手が仕掛けてカウンターを狙う。そういうことならあるかと思っていました。中島太一は打撃で仕掛けることはないと予想していたので。中島がするのはベタベタした試合で10-9.9を3つ狙うような」

──組ませないで、下がって殴る。それができるのか堀江選手だと私は予想していたんです。

「まぁ堀江選手の方が強いと思っていましたよね。実際に試合を見て中島選手が強いと感じたのは、凄く分かりやすいのですが……彼は怖がらずに前に出ていた部分で」

──やはりそこですか。

「そこ、そこだけだと思います。中島選手が勝っている部分は少ない」

──試合後のインタビューでは『遠い距離の方が嫌だった。近くで戦ってくれて良かった』と言っていました。

「遠い距離、近い距離……それ、中島選手はそう見えているかもしれないですけど、距離が近いか遠いかは、どっちが前に出て、どっちが下がるか。あれは中島選手が前に出た結果で、あそこで堀江選手が大きいのを入れることが出来れば、中島選手が下がる展開になっていたはずです。

つまり堀江選手は最初に入れることができなかった。そこがずっと影響してしまいました。とにかく中島は肝が座っていましたよ」

──実はテイクダウンは1度、ボディロックの展開にもほぼほぼ持ち込めていないのに、押し込みで判定勝ちができました。

「そうなんですよね。クリンチでちょっと優位なところを取っているだけで。主導権をほんの少し握っていた。結果10-9.9の試合をやり通したけど、やっつけてはいないです。

決して自分の試合じゃないし、有利になっていると言い切れる試合でもない。でも、あの戦いを3R通して実行できる。これは、良い意味での鈍感力です。今の世の中では、言い方を考えないといけないけど、戦いってバカになる必要があると思います」

──バカになる?

「ハイ。色々と考えたり、周囲の評価を気にしているのではなく、何も気にせずに自分を無条件に信じる。鈍感力であり、勘違い。だって上手い相手、予備知識がある相手じゃないとフェイントは引っ掛からなないですよ。どんくさいヤツはフェイントに掛らない。

僕はもう、当たるわけないじゃんっていう手だけバタバタした動きをしているんですけど、あれだとクロスカウンターを合わせられるリスクもないし、相手の綺麗なリズムが崩れます。だから、わざと下手でいるんです」

──青木選手は意識をしてそうしていますが、そうでない選手もいるということですね。

「中島選手もそうですよ。それって言いかえると才能、天才です。本当にリズムが全然違う。トンパチだから、レコードもトンパチで、ロシアに行ってしまうのもトンパチ。ACAの経験で強くなれたと思い込める。それだって……こういうと、思い込む力です。

堀江選手は逆に受けちゃいますよね。練習でもずっと受けている。テイクダウンを切る練習をして……僕らとやっている時は受けるだけで、攻めていなかった。受けが強いことで、僕らもより強く感じる。

でもMMAは喧嘩というか、最初に『この野郎』っていかないと。それが出来れば堀江選手のゲームで始めることができる。結果論ですけど、中島選手はガッツでいった。そこが勝敗の分かれ目になりました」

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Interview Special コルビー・コビントン タイロン・ウッドリー ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:9月─その弐─コビントン×ウッドリー「ここが残っているのは」

【写真】レスラー対決、テイクダウンを決めたのはコビントンだった (C) Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年9月の一番、第2 弾は19日に開催されたUFN178からコルビー・コビントン✖タイロン・ウッドリーの一戦を語らおう。


──8 月の青木真也が選ぶ、この一番。2試合目は?

「コビントン✖ウッドリーですね。コビントンがいきなりダブルレッグでテイクダウンを決めた。アレが全てだと思います。あんな風にすぐに取れちゃうんだって。ウッドリーってD1レスラーなのに、MMAだとあんなに簡単にテイクダウンを取られる……こんなに差があるのかと驚かされました。

同時にローリー・マクドナルドと戦った時と同じぐらい、ウッドリーが動けていなかったです」

──この試合はアブドゥルバクヘヴァ✖サルナフスキーの対極にあるように感じました。ロシア人は5分✖5Rをガツガツとやり合っています。対して、コビントン✖ウッドリーは燃費合戦になっていました。

「ボクシングを軽くやって、一つのテイクダウンが大きくモノをいうという試合ですね。省エネファイトになるのは、USADAがテストをするようになって変わったというのはないですか」

──ACAにチェックがなく、ああいう試合になるかもしれないという点を差し引いても、コロナ禍のUFCの5Rはこの傾向が強いように感じます。

「そうですね、もたなくなっていますね。練習環境が整っていないというのはあったかもしれないですね。ウッドリーは優しい感じが出ています。もう、何が何でもという風になっていない。その気持ちは試合でも出ています。スクランブルすら応じなくて、馴れ合い感すらありました。『もうイージーで良いや』っていう」

──その割には試合前と試合後の方が、言葉のやり取りが盛んにあって。コビントンのトラッシュトークも、もうスクリプト感すらあってあまり乗れなかったです。

「それでもテイクダウンを取るんだってってのはありましたけど、そこからはコビントンもつまらないですからね(笑)。今のUFCウェルター級はしんどさがありますよ、この上がカマル・ウスマンですし。映えるファイターはウスマンやコビントンに消される。結果、ここが残っているのはどういうことだというのは示せているような気がします」

──ならアスクレンには劇的ではあったけど、躓かないで彼らと戦ってほしかったという想いも出てきます。

「そこはですね、レスリングは素晴らしくてもアスクレンはMMAにフォーカスしていないから、打撃でプレッシャーをかけることもできないし。コビントンとかウスマンはそれができているから、映える選手に勝てるわけですし。

MMAだとアスクレンは、ウスマンやコビントンにテイクダウンを奪われるかもしれないし。いえばウッドリーだって、レスリングだけだったらコビントンにテイクダウンされないかもしれない」

──この次の週のライトヘビー級とミドル級の世界戦が打撃で決着がついたのですが、レスリングという要素がないファイトでした。

「そうなんですよね。結局、打撃が強いレスラーは押し相撲ができる。打撃だけだと、それはないので凄い勝ち方をしていても、大切なところで勝てないということはでてくる。対して、押し相撲ができる選手は安定していますよね。

MMAならウッドリーがテイクダウンを奪われる。当たり前のことをコビントンとの試合でまた学習できました」

──その興味でウスマン✖コビントンも楽しめますか。

「ウスマンの方が打撃もレスリングもできるし、そこで勝ってきたコビントンがどうなるのか。策で返すのか、技術でごまかすことができるのか、そこは興味深いです。コビントンが上を取られて、『もっと動けよ』ってなるのか。それすらない、お互いが出ない試合になるかもしれないですし。

楽しむとすれば戦略的なことを考える。試合を見るだけでなく、試合前から楽しめる試合ですよ。その結果は『こうなるよな』ってことで終わったとしても。なんかサッカーみたいですよね、試合前に戦略が記事になる」

──確かにサッカーの専門誌はフォーメーションと出場予想選手を並べて、キープレイヤーなどプレビュー記事にページを割いています。

「そういうことですよね。MMAもそういう愉しみ方ができる。MMAを戦術、戦略、組み立て方で楽しめる。そういうフェーズに入ってきましたね(笑)」

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ACA111 Interview Special アブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァ タイガー・サルナフスキー ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:9月─その壱─アブドゥルバクヘヴァ×サルナフスキー「ロシア同士」

【写真】新ACAライト級王者となったアブドゥルバクヘヴァ(C) ACA

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年9月の一番、第一弾は19日に行われたACA111からアブドゥルアジス・アブドゥルバクヘヴァ✖タイガー・サルナフスキーのACAライト級王座決定戦について語らおう。


──9月度の青木真也が選ぶ、この一番。最初の試合をお願いします。

「ACAのアブドゥルバクヘヴァ✖サルナフスキーですね」

──おお、ロシア・ライト級最強の座を表す一番です。

「ACAライト級は3強ですね。アリ・バゴフ、エドゥアルド・ヴァルタニャン、アブドゥルバクヘヴァの3人でタイトルが行ったり来たりしていて。バゴフはライト級王座を返上してウェルター級に転向したけど、タイトルを取れなかったから次はどうなるのか」

──バゴフが抜けて、ユーサップ・サイソフをそこに収めたかったような気がします。

「フェザー級チャンピオンから上げてきましたよね。でもACAのライト級ってACB時代にアブドゥルバクヘヴァはバゴフに勝って、ヴァルタニャンを相手に防衛した。そしてバゴフとの2回目に負けた。そういう戦いに入って来られるのか……。フェザー級で圧倒的でもなく、ゴリゴリで勝ってきたのでライト級では分からない部分はありました。

結果、今大会のセミでカザフスタンの選手(アルテム・ラズニコフ)に負けちゃって……。まぁACAとしては痛い敗北だったでしょうね」

──それでいえばサルナフスキーの挑戦は妥当だったのかと。現在のサルナフスキーはちょっと届いてない選手かという気もしていました。

「そうですね。実際にヴァルタニャンに負けているし。でも、このところ盛り返してはきていた」

──ロシア人相手でなく国際戦で連勝し王座決定戦という流れですね。

「37勝8敗で凄いレコードだけど、ADW(※UAEW)でマカコと競い合ったり、Bellator以降はあの頃のような強さはないです」

──だからアブドゥルバクヘヴァが圧勝するかと予想していました。

「それでもサルナフスキーも下がって老獪に戦っていました。やられないように戦って」

──そうしていると2Rにアッパーを当ててアブドゥルバクヘヴァの動きを止めるとう場面も。

「そでもアブドゥルバクヘヴァは下がらない。ジャブを突いて、前に出て。2R終盤にグラつかされたので、さすがに3Rの動きは悪かった。でも前に出るので盛り返してしまう。クリンチをしてヒジを打ったり、そこも上手かったです。離れ際のアッパーも。回復力と早さで、結果的には3Rと4R、最後も取ってしまった。あの前にでる強さは安藤(晃司)みたいですよね」

──UFCがロシアを掘り、ACBの景気が良かったときに一気にロシアの恐怖が世界に広まりました。結果、掘ってしまったが故に強いは強いですが、幻想が現実になったことで落ち着いた感があります。

「僕はそれが面白いですね。もうロシア同士でやってくれた方が、ブラジルや元UFCファイターが混ざってくるのより面白い。ACAに関しては、ですよ」

──ACAになってからは派手な国際戦は減り、加えてコロナ禍で米国やブラジル人ファイターの出場が途絶えました。メディアとしては比較対象がないとファンに浸透し辛くなってしまって。

「あぁ、僕にはそういう感覚はないなぁ。ただタイ人の名前は覚えられるけど、ロシア人の名前は覚えられないですよね(笑)」

──風貌もスキンヘッドか短髪、そして髭がしっかりと生えている。でも試合は高レベルで。皆が強いからガツガツ&ドロドロの展開になる。

「皆が強くて、真っ向勝負。完全にタフファイトで。試合だけでいえば面白いです。スクランブルもUFC並みに見られます。それにピョートル・ヤンやマゴメドシャリポフみたいにACA(※ACB時代も含める)のチャンピオンは、UFCで強さを見せつけているから、UFCをリリースされた選手との国際戦より、ロシア人同士でやっていて構わないと思います。ACAはACAで、ロシア人同士でやっている方が楽しめます」

──コロナ禍でもACAで出ている旧ソ連勢が、台頭してきている感もあります。

「現にライソフに勝ったカザフスタン人がいて、タジキスタンとか、なんとかスタンっていう中央アジアが出てきている。それも楽しいじゃないですか」

──モスクワの大会でも、やけにタジキスタン選手に声援が集まっていました。

「ロシア国内での民族闘争みたいな感じで、盛り上がっている。僕はもうそこが面白いです。政治も絡んでいる感じで(笑)。ロシアを掘ったら、中央アジアが出てきた。アジアといってもヨーロッパ寄りでレスリングが強くて、ボクシングも強い。国威発揚のための格闘技強化……社会主義時代の貯金が中央アジアの格闘技には残っている。そこが出てくるのは楽しみです」

──それがこれからのACAの楽しみ方だと。

「ハイ。それとライト級ではヴァルタニャンです。柔道の香りがして、MMAで内股を決める。ヴァルタニャンがもう1回、タイトルに絡んで来て内股が見たいです(笑)」

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Interview ONE Road to ONE03 ブログ 江藤公洋 青木真也

【Road to ONE03】青木真也に訊いた──さいたま発言の真意「そんなの出るわけねぇじゃん。話題創りです」

【写真】試合後、興奮状態にあるようでいて──さいたま発言の真意からも、感情的な本音の連続だったように感じられた (C)MMAPLANET

10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されたROAD TO ONE 3rd :TOKYO FIGHT NIGHT。同大会のメインで青木真也が江藤公洋を3R判定で下した。

3R、15分ほぼバックを制して勝利が確定的だった青木は、勝ち名乗りを受けるまでにグローブを叩きつけ、江藤のコーナーである大沢ケンジを罵倒し、ウィナーコール後もONE JAPAN 秦英之代表に厳しい表情で何やら言い放っていた。

そしてマイクを握って、「5年振りにさいたまスポーツアリーナで戦いたい」と発言した青木に控室で、その真意を尋ねた。


──かなりお怒りモードの試合後でしたね。

「だって勝負する気ないじゃん。あんなに動かないんだったら、試合にならないッスね。分かります? 俺の気持ち!!」

──青木選手の気持ちは分かるとはいえないですが……。

「ハイ」

──ただONEはラウンドマストではないし、3Rは逆転を賭けた動きをしてほしかったですね。でも、最後の方に青木選手も隙を与えて動かそうとしてしましたが。

「そう……でも、ぜんっぜん動かない。大沢もクソ。偉そうなこと言いやがって。大沢はね、俺に五分の口を聞ける格じゃないッスよ。分かりますよね? この俺の言っていることは。ABEMAの意向もあるんだろうけど、生意気いうじゃねぇよって。

『勝てるかも知れない』とかってお前、何言ってんだよ。誰に口きいてんだよって、ずっとムカついていました」

──いや、それは言うのではないですか。

「ふざけんなよ、テメェバカ野郎。〇してやるぞ、お前って」

──いやいやいや、試合前の対戦相手のチームの指導者ですよ。それは言いますよ。

「ふざけんじゃないって、この野郎」

──いや、大沢さんの立場でそう言わないわけがないではないですか。なのに、その言いようは大沢さんが気の毒ですよ。

「まぁ、そうですけどね……。ハッキリいえば、それぐらいのテンションになっていたってことなんです、俺は。ふざけんじゃねぇよ、この野郎っていう。それだけ俺も必死だったということですよね……俺も必死だった」

──試合の流れとしてバックを制して、仕留め切れない。良い流れではなかったです。

「あれでしょ、青木の負けパターンですよね。だから1Rが終わった時点で、変な話……山は創ったじゃないですか。2Rはテイクダウンしたら、3Rはこれで良いと思っていたので。フィームーで逃げるみたいな。お前がそんなんやるなら、これで良いよってなりましたね」

──何かしないといけないけど、それができなかったのでしょうね。

「それでも、ないです。アレはない」

──ところで、そんなにイライラしていて戦えるものなのですね。

「いや、試合中は逆に凄く冷静です。ふざけんじゃねぇって。でも、俺だってレフェリーが注意できないレベルで汚いこともしていましたよ。それぐらい必死だったし。それだけ勝ちたかった」

──江藤選手が最後まで勝ちに来なかったことに関しては。

「それは俺の都合じゃないですよね。取れるなら、取れるし」

──ところで、試合中はセコンドの北岡選手の声が凄く良かったように見えました。

「力使うなってね、北岡さんが。だから、全く息があがることなかったです」

──そして、試合後に一気に怒りが出たわけですか。それにしても、記念撮影の時も秦社長に険しい表情で何か言っていましたね。

「俺が何で、この試合をしたのか分かっているよねって伝えただけです。だって俺以外、みんな満額ですよ。で、俺の残りカス食って。いや、この大会があって、ここまで創ってくれたことには凄く感謝しています。本当に多くの人に……皆に感謝しています。

そりゃさ、俺は那須川天心みたいに全てを仕上げることはできないですよ。堀口恭司とか武尊とかみたいに……残念ながら。それはこれまでの歴史を見れば分かることじゃないですか。でも俺、精いっぱい自分の可能性以上に背伸びしています。

俺は……自分のできること精いっぱい背伸びしていますよ。これ以上できないくらい。これ以上、誰にも文句言われないぐらい格闘技が好きで。格闘技好きとか、愛しているとか皆が言うけど、俺はその気持ちだけでもっているから。だから、分かっているなんて思わると……嫌な気持ちにはなります」

──そのなかでONEの日本人選手は、ここでなくシンガポールを見ているという部分でも苛立ちはありましたか。

「10月を待っているでしょ? じゃぁ、これで俺はケガがないから10月に試合ができますって言うじゃないですか。これで俺を使わないなら嘘になりますよね」

──その気持ちが、最後のマイクの発言になったのでしょうか。

「あっ、さいたまですか? あんなの見出しに決まっているじゃないですか(笑)。一番インターネットがザワザワするでしょうし(笑)」

──人が悪い。乗らされてしまいましたよ(笑)。

「だって……そんなの出るわけねぇじゃん。ふざけんじゃねぇよって(笑)。話題創りですよ。日本ではONEよりRIZINの方が大きいから、話題になるでしょ。食いついてもらって。確かに猿田✖のび太とか、凄く良い試合でした。のび太が凄く頑張って、良かった。でも、それ以上の話題にするには……それぐらいニュースになって、形に残って、自分の物語にするのに必死ですよ。

皆が言うほど俺、余裕ないッスよ。本当に15年とか、ずうっとドロドロのことをしていますよね。辛かったです。今日も昨日も辛かった。でも明日も明後日も辛いんでしょうね」

──そういう真意があっての発言というか、次はつまり……。

「10月、やりますよ。俺が10月に使われないなら、言っちゃうと要らないってことになるし(笑)」

──ONEのスマートさと、青木選手のドロドロさは少し平行線のように感じます。青木選手のやり方が理解できると日本定着に通じると思うのですが。

「まぁ本音と建て前ってのが、ありますからね(笑)」

──我々の国は(笑)。青木選手はジャパニーズMMAですからね。もう今や1人ジャパニーズMMAです。これが他の国の人に理解してもらうのは困難かもしれないですが。

「アレなんだよ。佐藤大輔に人生狂わされましたよ。あれを5、6年やりましたから。いっつもですよ、『青木、今回はヒールね。今回、ベビーね』って(笑)。俺、そんなに人格ないんですけどねって……」

──ただし、今や若い選手から相当に尊敬されているじゃないですか。

「あっ、あのABEMAの映像?」

──ハイ。

「アレは……若い人たちは……名須川さんは僕よりも大きなことをやっているけど、平田の言葉とか、アレは涙が出ないぐらい響いた。『ありがとう』って。本当に響いた。ありがとう、感謝している。本当に皆に感謝しています──ありがとうって」

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ONE Report Road to ONE03 ブログ 江藤公洋 青木真也

【Road to ONE03】バックを取り続けた青木真也、判定勝ち。そして「5年振り、さいたま」をアピール

【写真】青木のさいたまスーパーアリーナ宣言=RIZIN出場アピールはどのような波紋を広げるのか(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
Def.3-0
江藤公洋(日本)

左ジャブから右を伸ばした江藤が青木の最初の組みからシングルに反応するが、直後に青木が左足を触って肩を押し込みテイクダウンを決める。江藤の左足を束ねて、そのままバックに回った青木は時間をかけてコントロールする。足のフックを耐える江藤を後方から殴った青木が両足をフックする。

残り3分、上体を潰していく青木は江藤の手首を掴んでエルボーを落とす。左の連打、右エルボーを入れると江藤が頭を下げる。防戦一辺倒の江藤は、耐えどころだ。側頭部にヒジを入れる青木はワキの下からアッパー、頭を抱えるようになった江藤にエルボーを断続的にいれる青木は、2Rになることを頭に入れたようなラウンド終盤だった。

2R、右から組むフェイクを見せた青木が、ヒザ蹴りをキャッチするが江藤がバックに回る。前方に落とされるのを嫌がった着地した江藤に対し、ボディロックから青木が背中に回る。手首を掴んで絞めの防ぐ江藤。青木は右手首を掴む江藤の左手首を右手で掴んでクラッチを外しにかかる。

ワキの下と上の上から左でパンチを入れる青木はパンチを続け、絞めの機会を伺う。青木の右手を掴んで、防御に徹する江藤。残り30秒、青木はそのままペースを変えずラウンド終了まで背中に乗って殴り、ラスト10秒になりパンチの回転数を上げた。

最終回、江藤は前蹴り、青木はケージの前を左に回る。右ミドルを空振りした江藤の左足を挟むようにボディロックテイクダウンを決めた青木が、バックへ。自らマットに背中をつけた青木が、四の字フック。喉に腕を入れられないよう守る江藤に、青木は左のパンチを続ける。

強力な四の字フックに胸を合わせに行けない江藤──時間は90秒を切る。青木はもう負けはないという時間と態勢いになり、江藤を動かせにいく。徹底してサバイブファイトに江藤が、最後の5秒で胸を合わせに行ったが、青木が許さず時間に。

グローブを叩きつけた青木が当然、判定勝ちし「蓋開けてみたら、ここまでの貧乏くじを引かされると思わなかったよ。日本の格闘技を盛り上げるというなら、俺がここで試合をしているのはおかしいだろう。俺は5年振りにさいたまスーパーアリーナで戦いたいんだ。関係者、偉そうに格闘技を盛り上げるっていうなら、このカード実現させてみろ」と今度はマイクを叩きつけた。


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News ONE Road to ONE03 グンダー・カルンダ ブログ 今成正和 内藤のび太 手塚裕之 根津優太 江藤公洋 猿田洋祐 青木真也

【Road to ONE03】記者会見─03─猿田「コスプレじゃない」。カルンダ「I love Ramen」

【写真】メディアもソーシャルディスタンスを忘れてしまう件…… (C)MMAPLANET

8日(火)、10日(木)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE 3rd TOKYO FINGHT NIGHTの記者会見が港区の東京ミッドタウン・カンファレンスROOM7行われた。

ここではMMAファイターと記者の質疑応答の模様を振り返りたい(※要約)。

──猿田選手とのび太選手に質問なのですが、珠理奈さんにも注目の試合に挙げられていました。今の心境を教えてください。

内藤のび太 ありがとうございます。ちょっと照れる感じです。なんか男性からのラブコールを受けたみたいで、嬉しいです。あっ、ちょっと気持ち悪い感じになっちゃうんですけど……。凄く嬉しい──と思います。ハイ。

猿田洋祐 自分が長年、修斗時代から戦いたいと思っていた試合が──自分だけでなく、回りの人も思ってくれるようになった。そこまで持ってこられたのが良かったなと思います。自分のなかで成長できたなと思います。


──青木選手に質問です。青木選手は格闘技界自体をプロデュースして生きてきていると思うのですが、そういう立場になるなかで青木選手と今成選手だけ、この場にいて違和感のある馴染まない雰囲気です。昔から一緒にやってきた今成選手とこのタイミングで同じ大会で試合をする。プロデューサー的な立場でなく、青木真也個人としてどのような気持ちですか。

青木真也 まず一つ言えるのが、好きだと思うんですよ、格闘技が。格闘技が好きで、別に世界だとか一番だとかってことをやっていないけど、格闘技が好きと思ってくれるだけで、なんか僕は許せるというか。

ここにいるとさ、皆が格闘技好きです、尊敬していますっていうわけなんですよ。色々言いますよ。でも、そんなの向き合い方で分かるから。格闘技が好きっていう気持ちを持ってくれている──僕も格闘技が好き、それだけが全てじゃないかな。色々なんかあって、僕も人と上手くいかなかったりするけど、格闘技が好きなヤツは許せる。そこに尽きると思います。

──今成選手、今の青木選手の言葉を受けて一言お願いします。

今成正和 凄く良いこと言うなぁって思います(笑)。

──手塚選手に質問です。ソーシャルディスタンスのなか既に触れあってしまったのですが、実際に触れてみてグンダー・カルンダ選手の圧力、肉体力はどのように感じましたか。

手塚裕之 まぁそうッスね。凄い勢いで突っかかってきて……こっちの方が強いかなって感じですね。食っているモンも、やっているモンも。こっちの方が上のことをやっているので。

──手塚選手はお米を作って、お米で体を作っています。カルンダ選手は日本で何を食べて体を作っていますか。

グンダー・カルンダ アイ・ライク・ラーメン(笑)。ラーメン、スシ、フィッシュ、ウォーター。

──のび太選手と猿田選手へ。今回は入場に気合を入れるとか。意気込みがあれば教えてください。

内藤のび太 そこの対決はないかなと思います(笑)。

──コスプレはしない?

内藤のび太 コスプレっていうか、いつもしているのでアレはやると思います。

猿田洋祐 コスプレじゃないんで。忍者なのでやります!!

──青木選手に質問です。格闘技好きという言葉がありましたが、逆にABEMAの中継を通して格闘技がそこまで好きじゃない世間一般にはどのような受け入れられ方をしたいと思いますか。

青木真也 そもそも格闘技が世間に届いているかといえば、首を傾げることが多いじゃないですか。なんかこう、格闘技が世の中に届いています──メジャーですって。

格闘技をメジャーにしたいってやつ100パーセント信用していなくて。そもそもメジャーにならないし、サブカルチャーというか……サブカルチャーだからこそできる、自分で表現できるというのは多分にあると思うので、メジャーにしたいという考えがそもそも余りないです。

結局、格闘技を外に伝えたいときに、何を伝えるかというとコレに尽きると思います。僕の場合は生きろってことで、要約すると。凄く雑な言い方ですけど、どう生きるんだ。お前はこの世の中とどう組み合って、生きていくんだっていうメッセージを伝えたいですね。

それがない格闘技なんて、ただ運動の得意な人が取っ組み合っているだけだからさ。そんなもん、なんの価値もないからさ。何か自分がやっていることで、主義主張はしてほしいね──と思って、伝えたいと思います。ハイ。

──誰にとか、どういう人に向かってとか青木選手はありますか。

青木真也 俺は……僕は別にヒーローになりたいとか思っていないから。子供のヒーローになりたいとか全く思っていない。世の中の人って失敗したりだとか、コミュニティからあぶれたりとか、そういうこと……失敗することの方が多いんですよ。ここにいる人間も全員が強いわけではなくて、ただ強さに憧れて、自分の弱さを認められない人間なわけですよ。そういうなかで、僕の場合は世の中からあぶれたり、上手くやっていけない人間の、転がっている奴らの希望でありたいとは思っています。

なので、潤風満帆な人は見なくて良いです。

──江藤選手は何か伝えたいモノはありますか。

江藤公洋 自分自身は試合に向かうなかで怖さだったり、恐怖心を凄く感じるタイプなので。それを乗り越えて試合に向かう、どういう結果になるかは分からないですけど、今回の試合に向けての取り組みと試合のなかでどういう風なことを周りに感じてもらえるのか。恐怖を乗り越えた結果をどういう風に受け止めてもらえるか。そのために準備をしてきたので何かを感じてもらえればとは思っています。

──青木選手という存在は恐怖ですか。

江藤公洋 それもありますけど、試合は誰と戦っても恐怖は感じるので。それは青木選手だから、とかではないと思います。

──青木選手が言われたことに対して、のび太選手も取り扱われ方も特殊な、内気な感じの生き方があるかと思うのですが……。そういう同じような引き込まってしまう人に、何かを見せたいというのはあったりするのですか。

内藤のび太 そういう人たちには、そういう人たちの色々なアレがあると思うので、そういう人たちに見て欲しいということではないですけど、そういう人たちが見た時に、何かを感じてくれれば良いなというのはあります。ハイ。何が糧になるかとか、分からないですが。

──根津選手に質問です。青木選手がうだつの上がらない人に試合を見て欲しいと言われましたが、根津選手は明日の活力にしてほしいというモットーで戦っていますが、今回、この状況でどういう人の活力になるような試合をしたいですか。

根津優太 この状況ですから、全ての人が皆もう頑張っているので。だからチョット頑張り疲れた人達に『もう1回、明日も頑張ろう』とか思ってもらいたいですね。

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News ONE Road to ONE03 ブログ 大沢ケンジ 手塚裕之 松井珠理奈 江藤公洋 青木真也

【Road to ONE03】記者会見─02─松井珠理奈「どんな青木真也を?」✖青木真也「遊びじゃないからさ」

【写真】江藤への質問をし、目を見て真剣に返答に聞き入る松井珠理奈。そして、後方の今成はピンが来ていなくても良い味すぎるのが伝わってくる (C)MMAPLANET

8日(火)、10日(木)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE 3rd TOKYO FINGHT NIGHTの記者会見が港区の東京ミッドタウン・カンファレンスROOM7行われた。

出場選手がそれぞれ意気込みを語ると、大会ゲストで当日も解説を加わる松井珠理奈自らが選手に質問を投げかけ、選手が返答。ここではそのやり取りを振り返りたい。

松井珠理奈 江藤選手に質問したいのですが、青木さんと戦うことになって青木選手の存在が変わったなとか、今どのように考えていますか。

江藤公洋 一緒に練習したこともありますし、強さもそのなかで感じています。実際にやってもそれは変わらないです。変わらないのですけど、勝つためにどうやれば良いのかをずっと準備してきたので、それを試合で見せられたらと思っています。


松井珠理奈 ありがとうございます。手塚選手に聞きたいのですが、最近の筋肉の調子はどうですか。

手塚裕之 筋肉の調子はバッチリです。筋細胞が疼いているので。もう滾っているので。

松井珠理奈 筋肉とお米は?

手塚裕之 裏切らないっ!!

松井珠理奈 最後に青木選手に質問したいのですけど、今回のテーマ──どんな青木真也を見せたいですか。

青木真也 遊びじゃないからさ。遊びじゃないからさ、2005年からこれで飯食っているんだけど『お前ら、俺に何か言葉発せられるヤツいるのか』、偉そうに言って『青木真也って名前、お前ら出せるヤツいるのか?』、『誰もいねぇよ』、『勘違いすんなよ』って感じかな。

松井珠理奈 ハイ。ありがとうございます。

大沢ケンジ そういう風になかなか簡単に名前は出せないですよね。

青木真也 だから出すなよ。だから出すなよ。

大沢ケンジ これだけ緊張感があるので、僕の喋りも控えた方が良いですね。

この後、会見は記者との質疑応答へ移った。

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【Road to ONE03】イベント2日前・記者会見─01─松井珠理奈降臨、「特に注目は猿田選手とのび太選手」

【写真】会見中の青木と今成が驚くべき程、同じような仕草を見せていた。自分があり過ぎる(C)MMAPLANET

8日(火)、東京都港区の東京ミッドタウン・カンファレンスROOM7で開催が2日後に迫ってきたRoad to ONE 3rd TOKYO FIGHT NIGHTの記者会見が行われた。

今回の会見には全6試合から11名の出場選手と、大会ゲストの松井珠理奈も登壇し選手に質問を行い、自らも記者の質疑応答に応えていた。

まず試合を務めた大沢ケンジ氏が「僕も緊張してきました。いよいよだなって。(江藤も猿田も)覚悟を決めています。勝てると思います」という心境を吐露した直後に、第1試合から出場選手から順にステージに登壇。

グンター・カルンダと手塚裕之が向き合って距離を詰まると小競り合いになると、その大沢氏が割って入って両者を止めるという一幕も見られた。

メインに出場の青木真也までがステージの席に着くと、松井珠理奈がトリを務める形で登場し、「佐藤将光選手のお父様がデザインした服を今日は着てきました(笑)」とまずは開口一番、笑顔を見せる。

そして「ピリピリしている感じがしていて、自分がここにいて良いのかなっていう気持ちなります。全試合が楽しみですが、なかでも猿田選手とのび太選手は修斗の時代から猿田選手がのび太選手を追いかけていたということで、その2人が交わるということで楽しみです。そして、もしかしたら勝者がパシオ選手と戦うかもしれないというワクワク感があって凄く注目しています」とONE通らしい発言をした。

続いて秦英之ONE JAPAN代表がマイクを握り、英語と日本語を駆使して挨拶。「10月以降、世界大会の準備も開始しています。できれば木曜日を皮切りに……普段から練習はやっているかと思いますけど、Road to ONEという名前の通り、世界でとにかく一番になる選手を受け入れる体制をONE全体で準備していますので、とにかく熱い戦いを木曜日ぜひご期待ください」と、10月に予定されているシンガポール大会で日本人選手の招聘に向けて、準備が進んでいることを匂わせる発言があった。

ここからは各MMAマッチに出場する選手の抱負の言葉をお届けしたい。


根津優太
「全てのタイミングが良くて今回、試合を受けさせてもらいました。相手が今成選手とやるとは思っていなかったので、これも良いタイミングだと思います。しっかりと勝ちにいきます」

今成正和
「特に意気込みはないですが、まぁ勝つつもりで痛くないようにやります」

グンター・カルンダ
「コンニチワ。マイネーム・イズ・グンター・カルンダ。アフリカからやってきた。ONEの大会に出られることにお礼を言いたい。そして、僕のチームTRY.Hにも。ゲームをするためにONEで戦うんじゃない。プロのファイト・イベント、プロファイト・ショーだ。だから、出場するんだ」

手塚裕之
「このような時期に試合ができるということで、皆さまに感謝しています。しっかり積み上げてきたモノがあるので、それを出して……さっき突っかかってきて、ちょっと舐めてんなって思ったのですが、差を見せつけて勝ちたいと思います」

内藤のび太
「こんちわ。内藤のび太です。自分と戦いたいと言ってくれたことに照れていたのですけど、嬉しいです。頑張ります」

猿田洋祐
「自分が望んでいた試合がやっと実現できて、ファンの皆さんも松井さんにも注目していただいて凄く嬉しいです。どんな試合展開になるか分からないでですけど、どんな試合になっても苦しくて激しい、凄い削り合いになると思いますので、自分が最後に削り勝って、日本人で初めてのび太選手に勝つ選手になろうと思っています。それと自分たちのことを知らないファンの方もいると思いますが、世界で活躍する日本人がいること知って欲しいです」

江藤公洋
「今回、このような状況のなかで試合を組んでもらったこと凄く有難く思っています。そのなかで青木選手という強い選手とやらせてもらうので、良い試合をするために準備してきたのではなく、勝つために準備してきました。それを当日見せます」

青木真也
「ハイ。ヨロシクッ、終り!!」

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Interview Special シャノン・ウィラチャイ ファビオ・ピンカ ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─その弐─ウィラチャイ×ピンカ「ウィラチャイ勝利は救い」

【写真】このスピニングバックフィストが当たるのもMMAならでは (C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年8月の一番、第3 弾は21日に中継されたONE No Surrender IIIからシャノン・ウィラチャイ✖ファビオ・ピンカの一戦を語らおう。


──8月の青木真也が選ぶ、この一番。3試合目は?

「シャノン・ウィラチャイ✖ファビオ・ピンカです。正直、競技レベルでいえばそんなに高くないですよ。でも、十分に楽しめました」

──どういう部分で、ですか。

「ウィラチャイがテイクダウンを切られ、でもスピニングバックフィストが当たるとか。MMAなんだよって部分ですね」

──本来、MMAはMMAでラジャのチャンピオンだったから勝てることはない。それがフランス人でアレだけムエタイに挑戦し、そして2年間MMAの練習をしてきたという情報でどれだけ、ムエタイをMMAで見せてくれるのかという部分で幻想が持てました。

「そうなんですよね。でも、これはMMAだから本来はピンカがどこまでやれるかという見方をすべきなんです。ラジャのチャンピオンだからって、MMAで即通用することはないので。いわばMMAファイターが勝って当然なわけで」

──そこをONEという磁場が、狂わせてしまったのかと。

「そういうことですね。ファビオ・ピンカはムエタイでは最高峰ではなかった。でもヨーロッパで一番という見方はできました。外国人がタイの国技に挑戦する。そういう美学を持っていますが、ムエタイではないといえばムエタイではない。

それにMMAをやり込んだという部分では、ムエタイ選手の中ではランバー・ソムデートM16が一番だったと思います。ちょっと異常なぐらいできていました。植松さんが一緒だったというのもありましたけど。やっぱり一番MMAができていたムエタイの選手はランバーです。そして、ランバーと比較するとピンカは打撃も、倒された時もまるでできていなかったです」

──ウィラチャイが踏ん張ったともいえる試合でした。

「ウィラチャイは僕に負けてから4連敗中でしたけど、中堅以下として安定はしている選手です。そんなに弱くないんです。それなのにテイクダウンを仕掛けて、切られていたのは最高でした(笑)。

でも、そうやってテイクダウンが切れたから、ウィラチャイのスピニングバックフィストでピンカはダウンしたのかもしれない。それがMMAの妙ですよね。確かにペースを握っていたのはピンカです。でも2度ダウンをしていますからね」

──裁定結果は、スプリットでした。

「怖いです。リングジェネラルシップを取ったということですけど……あれは、ムエタイでも負けです。2度もダウンしていたら、勝ちはあり得ないです。

この試合でピンカを楽しめるという部分は削げてしまいました。かといってウィラチャイが凄くアップするわけでもなかった。MMAなのにジェネラルシップを取られてしまうし。結果、『あぁあピンカ、ウィラチャイに負けちゃって』という試合になってしまいました。

ただし、MMAとしてあの試合でウィラチャイが勝ったのは救いでした。そこに尽きます。組みがあるから、あのパンチも当たる。組みが合って小さいグローブでやると、こういうことが起こる。ムエタイの実績が、そのままMMAで通じるならMMAなんてやる必要がなくなってしまいますよ」

──その通りですね。そういう意味ではハイキックを空振りしてピンカがバランスを崩しましたが、ムエタイならレフェリーが間に入って安全に立つことができます。でも、MMAはそうじゃなかった。

「つまりは完全に別競技。そこ挑戦したピンカはこれまで練習していたとしても、パニックに陥ってしまったかもしれないです。なんせデビュー戦ですから」

──そうなると、打撃をどう効かすという部分よりも、そういうMMAとしてやるべきことができているのかという部分で、次のピンカの試合を楽しめるかと。

「それなのにムエタイの評価で、ピンカをMMAで高く見積もっちゃダメってことです」

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Bellator243 Interview Special ブログ ベンソン・ヘンダーソン マイケル・チャンドラー 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─その弐─チャンドラー×ベンヘン「幻想を抱けるファイター」

【写真】これがベラトールで魅せる最後の雄姿となったチャンドラー (C) BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年8月の一番、第2 弾は7日に開催されたBellator243からマイケル・チャンドラー✖ベンソン・ヘンダーソンの一戦を語らおう。


──8 月の青木真也が選ぶ、この一番。2試合目は?

「マイケル・チャンドラー✖ベンソン・ヘンダーソンですね。なんかベンヘンが良くなかったというのか、疲れているような気がします」

──そうですか!! あの左ボディフックとかエゲツナイ攻撃だったように見えましたが。

「当然、凄いですよ。でもベンソン・ヘンダーソンだろうっていうのはあります。もうベラトールに移って4年以上経っているんですよね。まだ皆がUFC時代のベンヘンを求めているから、それはギャップがあるかと思います。対してチャンドラーはずっとエネルギッシュです」

──そもそも試合前は、この試合に関してどのような期待感があったのでしょうか。

「それが……リマッチなので、あまり新鮮味がなかったです。それこそベンヘンはUFCの頃の姿を求められているといっても、その点においてはもう新鮮味がない。小慣れてきてベラトールのキャストに入ると、面白味がなくなってきて」

──あくまでもUFCからの刺客でないと、ベラトールは何かを創っていくことはできない?

「異種格闘技感はないですね。スコット・コーカーのベラトールはUFCから抜いてきた選手と生え抜きで創って来ていて、そのうえUFCから来た選手を楽しめる寿命は決して長くないなって思います。そもそも僕はUFCからベラトールに来て、ぶつけるっていうマッチメイクは興奮できないですし」

──ほお、そうなのですね。

「ビヨン・レブニー体制の時の方が正直、面白かったです。選手もトーナメントのプラットフォームも。なんかスゲェ強いロシア人が出てきたり、パット・カランのようなUFCが拾わなかった実力者が、結果を出して上がっていく。そういう戦いがあの頃は見られていました。

今はその発掘感がなくなりました。だって、面白いのは『こんなところに、こんなヤツがいたっ!!』っていう発掘感が面白いわけで。今はそれが起こりづらくなりましたよね」

──UFCは今も続けていますが、あまりも層が厚いのでベラトールのトーナメントのように1/8、1/4、1/2という注目の集め方はできないですよね。凄まじい潰し合いをしていて。

「ハイ。そしてTitan FCやLFA、ACAまでもが発掘の場になっています。それもまた、レブニーの頃に見たベラトールの面白味ではないですしね。

だって米国のイベントだから、懸命に米国人をトーナメントの決勝に残す努力をしている裏でロシア人とかブラジルの強い選手をぶち込むから、その選手たちを初戦とか準決勝で潰し合わせていて(笑)」

──商売の仕方としてメチャクチャですが、だからこその面白さがありました。

「マルコ・ロウロがトーナメントで優勝しちゃったから、ドゥドゥ・ダンタスとノバウニオン同士で世界タイトルをやったり。それが計算じゃないから、面白かったです(笑)。さっきも言ったパット・カランとか、マルチン・ヘルドのような選手が出てきた。マイケル・チャンドラーだって、そんなもんだし。そういうベラトールが、僕は一番面白かったです。ベンヘンでなく、ロジャー・フエルタで引っ張ったような」

──では、そのチャンドラーの今後に関しては、青木選手はどこで試合が見たいですか。

「そりゃあUFCです。UFCで戦うチャンドラーが見たいと思っちゃいます。ダスティン・ゲイジーとなんて、メチャクチャ楽しみですし。ヌルメゴメドフも見たいですけど、チャンドラー✖ゲイジーはもう単純に腕自慢同士の一戦で。

チャンドラーはパンチが目立っていますけど、それはレスリングが強いから。レスリングで培った高い運動能力があるから、パンチも強い。まぁ、フレッシュなままなのは何があるのか分からないですけど(笑)。

結局、UFCで戦ったらどうなるんだろうって思われる選手が少なくなってきましたね。もうベラトールの一部ぐらいか……。LFAやTitan FCの選手はランク外から上がっていく素材であって、いきなりチャンピオンとの対戦が楽しめる選手じゃない。もう、そういう選手がいなくなりましたよ。RIZINから行く日本のファンが応援したい選手だって、トップ10スタートでもないわけで。

そういう意味でジャスティン・ゲイジーやマルロン・サンドロが行って、今はチャンドラー。幻想を抱くことができるファイターって少ないんですよね。今年はPFLが活動休止しまって。未知の強豪の発掘が、今年は止まってしまっている形です。UFCはリアルな場だから、幻想を抱けるファイターが育つ、そういう大会がUFC以外に必要になってきますね」