カテゴリー
AB Black Combat DEEP Gladiator Gladiator024 K-MMA MMA MMAPLANET o ONE RIZIN ROAD FC Special UFC YouTube   じゅん イ・スンチョル キック グスタボ・ウーリッツァー チェ・ドンフン チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル テムーレン・アルギルマー バットオチル・バットサイハン フェルナンド ルネ・カタラン 上久保周哉 中川皓貴 久保健太 八木敬志 南友之輔 吉田開威 和田教良 河名マスト 澤田政輝 田中有 竹中大地 若松佑弥 高橋孝徳

【Special】K-MMA、2023年・秋。Gladiator024 出場──イ・スンチョル「若松選手の試合を全てチェック」

【写真】脳梗塞がなければK-MMA界の至宝になっていたこと間違いない──あのイ・ユンジュンに似たルックスのイ・スンチョルだ(C)MMAPLANET

日本と韓国、MMAにおいても永遠のライバルである両国。Road FCを頂点とするK-MMAは規模的には日本のRIZINのようなビッグステージを持たない。対してUFCファイターの評価は引退したコリアンゾンビに代表されるように、韓国勢の方が高い。9月のDEEP vs BLACK COMBATで後者が日本の老舗を圧倒した。日韓関係に少し変化が見られるようにもなった10月最終週に訪韓、K-MMAの今を歩いた。
Text by Manabu Takashima

特集「K-MMA、2023年・秋」。第四弾は明日9日(土)に豊中市の176BOXで開催されるGladiator024で澤田政輝と対戦するイ・スンチョルの声をお届けしたい。

キャリア5勝1敗、早熟化の進むK-MMA界では彼のような戦績で国内大会のタイトルに絡むファイターが増えている。そのなかでイ・スンチョルはグラジエイターで戦うことを選択。その先にはONEという目標を持っていた。


──3日前にプサンで行われた(※取材は10月30日に行われた)BIFCにおけるルネ・カタラン戦。ONE世界ストロー級タイトルコンテンダーに71秒で圧勝しました。

「ベテランで尊敬していた選手なので、凄く緊張していました。間合いが良く、自分の打撃がハマり勝つことができました。あの試合前に勝てば日本で試合ができるかもっていう話を聞いていたので、そんな経験が今までになく意識をしていたことは事実です。でもカタランはベテランの選手なので、集中しないといけないと思って戦いました。とにかく、金曜日の試合に勝たないと何も始まらないので、ケガをしようが関係ないという気持ちで思い切り戦いました、」

──屋外の試合で、かなり寒かったです。そこは問題でなかったですか。

「ずっとウォーミングアップをしていたので、試合の時は寒さは感じていなかったです。でも実は今、風邪気味であの寒さが影響しているんじゃないかと思っています(笑)」

──イ・スンチョル選手にとって日本で戦うことは、どのような意味があるのでしょうか。

「フライ級は日本が強いです。試合だけでなく、練習をしに日本に行きたいと思っていました。日本で試合ができることはとても光栄で、日本流の戦い方を学びたいです」

──日本流の戦い方というのは?

「フライ級の日本人選手はグラップリングが強いです。力づくでなく、テクニカルでスピードがあります。そこは自分も修得したいところなんです。自分はONEで活躍している若松佑弥選手の戦い方が好きで、彼のスタイルを研究していました。若松選手の試合を全てチェックして、打撃での出入り、そこからレスリングへの切り替え方が素晴らしくて。若松選手のそんなところを参考にしています」

──そんなイ・スンチョル選手は、なぜMMAを始めようと思ったのですか。

「本格的にMMAを始めたのは、兵役を終えた4年前でした。学生時代にキックをしていた経験もあり、軍隊にいるころに本格的にMMAファイターになろうと思うようになりました。兵役後、プロになろうと調べてDKジムに入門したんです」

──もともとDKジムのあるウィジョンブ市の生まれなのですか。

「テグ近郊の街に住んでいたのですが、兵役のときにウィジョンブの近くに配属され、その近くでジムを探していました。その時にキックを習っていたジムから、DKジムを教えてもらい練習することにしたんです」

──韓国のMMA界は今もフライ級は層が薄いです。フライ級でMMAファイターを目指した時、どこに目標を置いていたのでしょうか。

「自分の場合はどれだけ食事の量を増やしても、体重は60キロまでしか増えなくて。だからフライ級以外に選択肢がなかったです。韓国のフライ級は選手の数が少なく、試合の機会もその分少ないのは承知の上でプロを目指しました。そのことで、MMAファイターになることを諦めたくなかったので」

──現状、韓国国内にもいくつもプロモーションが共存していますが、国内で戦うことと日本で戦うことの違いをどのように捉えていますか。

「日本の格闘技文化は、選手を尊敬する文化なので実力的にも韓国より上だと思っています。今回に限らず、日本で試合をすることは自分の成長に繋がります。経験もつめるので」

──グラジエイターはフィーダーショーであることを明言しています。そのグラジで戦うことで、どこを目指していますか。

「プロMMAファイターなら、誰もがUFCが最終目標だと思います。ただし、今の自分にとって現実的な目標はONEのストロー級で戦うことです。その後、どうなるか分からないですがONEもメジャーの団体で、ONEの選手もUFCの選手に劣っていないと思います」

──そのためにはグラジエイターで結果を残すことがマストだと思います。

「選手は誰でもベルトが欲しいです。それが自分の好きな選手が多い日本の団体のベルトならなおさらです。グラジエイターのベルトが欲しいです」

──その一歩を示す試合で、どのようなファイトを見せたいと思っていますか。

「自分がプロを目指した時から、戦った相手が『2度とコイツとは戦いたくなく』と思うような圧倒的な試合をしようと思ってきました。体力的にも技術的にも──勝敗以上に相手が戦意を失う試合がしたいです。

技術的に? そうですね、これまで打撃戦が多かったですが、本来はグラップリングに力を入れてきたのでグラップリングのせめぎ合いができれば嬉しいです」


■視聴方法(予定)
12月9日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator024対戦カード

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
宮川日向(日本)

<フェザー級/5分2R>
袖裂雄貴(日本)
福山佳祐(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
今村滉(日本)

<GLADIATORライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
田中有(日本)
グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分3R>
竹中大地(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
上久保周哉(日本)
ペン・ジョウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
中川皓貴(日本)
バットオチル・バットサイハン(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
じゅん(日本)
高橋孝徳(日本)

<フライ級/5分2R>
澤田政輝(日本)
イ・スンチョル(韓国)

<フライ級/5分2R>
和田教良(日本)
シン・ジェヒョク(韓国)

<バンタム級/5分2R>
南友之輔(日本)
健太エスペランサ(日本)

<バンタム級/5分2R>
吉田開威(日本)
フェルナンド(ブラジル)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
スモーキー(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
木村柊也(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
伊藤琥太郎(日本)
辻本涼太(日本)

The post 【Special】K-MMA、2023年・秋。Gladiator024 出場──イ・スンチョル「若松選手の試合を全てチェック」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB Gladiator Gladiator024 MMA MMAPLANET o PFL YouTube   じゅん イ・スンチョル グスタボ・ウーリッツァー チェ・ドンフン チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル チョ・ソンビン テムーレン・アルギルマー ハンセン玲 ハンセン玲雄 バットオチル・バットサイハン バッバ・ジェンキンス パン・ジェヒョク フェルナンド 上久保周哉 中川皓貴 久保健太 八木敬志 南友之輔 吉田開威 和田教良 河名マスト 澤田政輝 田中有 竹中大地 高橋孝徳

【Gladiator024】モンゴルの未知強バットオチルを相手に再起戦、中川皓貴「俺がおるぞ!!」

【写真】11カ月振りの実戦、フェザー級タイトル戦線で巻き返しはなるか(C)MMAPLANET

明日9日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024で中川皓貴がモンゴルのバットオチル・バットサイハンと再起戦を行う。
Text by Manabu Takashima

今年1月、中川皓貴はフェザー級王座決定戦でチョ・ソンビンに惨敗。肋骨2本にひびが入り、救急車で搬送された。一時は引退を口にした中川が、11カ月振りの実戦復帰へ。その裏には西日本で一番熱いジム=リライアブルの練習仲間、応援してくれる人々が存在していた。


──11カ月振りの試合が決まりましたが、正直なところチョ・ソンビン戦の負けを目の当たりにした時は引退してしまうのではないかと危惧していました。

「内心、もう無理やなとは考えました。試合直後には『もう辞めます』と、ポロっと口にしていましたし」

──精神的なダメージもあったかと思いますが、肉体的には?

「あばら骨2本にひびが入っていて……でも、それぐらいで終わって良かったかなっていうぐらいの試合でした。それで道場にもチョット顔を出せなくなっていたら、回りからも『もう辞めるん?』とか、『辞めたん?』って言われて。これじゃあアカンなって思いもしたんですけど、1カ月ぐらいは悩んでいました。ジムの代表のじゅん君にも相談して。その時に『煽り映像を見直してみろ』って言われて。それにジムにいると、やっぱり皆が頑張っている。なら、僕もまだ強くなれるかなって思うようになって。

僕は田中有だったり、じゅん君だったり。背中を追いかけている人がいるので。皆が練習していて、その活気に触れると『やらなアカンな。このままじゃ終われん』となりましたね。いや、やらなアカンよりも……やりたいって感じですね。あれだけ応援してもらっているので」

──実際に世界のメジャーを経験しているチェ・ソンビンとケージに向き合うと、とてつもない圧力があったかと。

「もう行くしかなかったです。で、気がついたら倒れていて救急車が来た──みたいな」

──そのチョ・ソンビンがPFLではバッバ・ジェンキンスに秒殺されました。

「あれは見たくなかったです。もっと行ってくれよぉと思いました(笑)。その前にベルトの返上が早過ぎたことにも納得がいっていなかったですし」

──というのは?

「もう1回やれるなら、やりたいです。まぁ、皆からすると『止めとけ』って言われるんでしょうけどね(笑)」

──いや、それでこそファイターです。

「負けたまんまじゃ終われないです。だからこそ、同じ相手ではないですけど今回の試合で溜飲を下げたいというか。外国人選手に対し、やり返したいです」

──チョ・ソンビン返上後、フェザー級王座はパン・ジェヒョク、ダギースレンという韓国&モンゴル勢、そして河名マスト選手とチハヤフル・ズッキーチョス選手らが争いバンがチャンピオンになりました。中川選手抜きでフェザー級が動いていた時期はどのように思っていましたか。

「皆、強いなとは思いました。と同時に、何で俺とちゃうねんと。なので、ここはもう1回俺が出て取りに行こうかなと思っています。6月の時点で、もうそういう気持ちになっていました。実際、9月大会に向けて準備もしていましたし。でも、仕事の都合で出ることができなかったんです。

だからフェザー級の試合を見ていて、早く戻りたいってなって。で、最初は河名選手と戦うという風にも聞いていたのですが、チハヤフル選手もリライアブルのハンセン玲雄に勝っていて。そこで僕が入ると、おかしくなるみたいな感じになって。それで、このモンゴル人選手と戦うことになりました」

──そのバットオチルですが、1月にモンゴルで練習を見た時は階級が下とはいえテムーレンからテイクダウンを奪い、マウントを取るなどしていました。そして、パワー系のモンゴルにあっていわゆるMMA的な試合運びができるようにも感じました。

「グラジエイターに来ているモンゴル人選手を見ていると、強いんやろうなと思います。でも、ここで1回潰しておかんとモンゴル勢の圧が凄くなるんで(笑)。それにチョ・ソンビンと戦ったことが、生きてくると思います。あの試合は、めちゃくちゃプラスになりました。あんなデカい相手……計量の時と全然違っていて、試合の時は2階級ぐらい上ちゃうんかっていう大きさで」

──はい。まさにウェルター級並みに見えました。

「凄くデカかったです。あのデカい相手に背の低い僕が打撃で行くと、不利ですよね。やっぱり得意の寝技にいく。そのための試合を徹底して組み立てないといけないと分かりました。ガムシャラに行くんじゃなくて、冷静に考えて戦うことが大切だと。今は冷静に一つひとつ創っていくことを意識しています。

チョ・ソンビンの一発はそれだけ強烈でした(笑)。あれ以来、練習中でも深く考えられるようになりました。色々と考えて、組んでいます」

──今も練習はリライアブルだけで?

「ハイ。そうです。でも田中有がタイで練習をしているのを見ていると、僕もめっちゃ行きたいです。そういう修行みたいなことをしたいと思いながら、自分のできることをやってきました」

──次回大会はトーナメント敗退、9月に再起した者同士の一戦=河名✖ズッキーチョス戦も組まれています。恐らくは勝者が次期チャレンジャーになるのだろうというマッチアップです。

「もう、そうですよね。そこに割って入るには? 圧倒的な力の差を見せたい。河名選手とズッキーニョス選手に対しても、『俺がおるぞ』というのは見せておきたいです。2人は僕より上、ベルトに近い場所います。その下には、俺がおるぞという気持ちで戦い、ここで勝てば一緒ぐらいになるので」

──彼らはチョ・ソンビンと戦ってはいません。

「一回、やってみろって言いたいです。アハハハハハ。でも、本当に良い経験になっているので。気持ちは絶対的に強くなりました」

──では現王者パン・ジェヒョクに関しては、どのような印象を持っていますか。

「相手の計量失敗でチャンピオンになったわけやし、ホンマの戦いで巻いたベルトじゃないです。でも、強い相手なのでそこは意識しています。ただ、すぐに挑戦をしたいというわけではないです。試合を積み重ねて、全員を倒したい。パン・ジェヒョクだけ倒して、そこに勝っただけと思われても嫌なんで。強い相手を連続で倒して、挑戦したいです」

──以前、楽しいからMMAをやっていると公言していましたが、何か変わったような気もします。

「今はもう、自分の力を証明したいです。負けが続いているので、自分の強さはどれだけなんかを知りたいし。だからベルトよりも、一つ一つを潰していきたいです」

──同様にこれまでは田中有選手のようになることが、戦う目的でした。今、見ている先が変わったということは?

「それは同じです。田中有を追いかけることが一番です。そこに追いつけるように頑張りたいです」

──次は試合はその田中有選手、じゅん選手と3人で同時出場です。

「めちゃくちゃ嬉しいです。こんな機会があるなら、すぐに出るので。でも、じゅん君の試合は最後にしないと人が客席からいなくなりますよ。だから僕はじゅん君より先に出たいです(笑)。そしてリライアブルの皆に追い込んでもらったので、勝って恩返ししたいと思います」


■視聴方法(予定)
12月9日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator024対戦カード

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
宮川日向(日本)

<フェザー級/5分2R>
袖裂雄貴(日本)
福山佳祐(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
今村滉(日本)

<GLADIATORライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
田中有(日本)
グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分3R>
竹中大地(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
上久保周哉(日本)
ペン・ジョウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
中川皓貴(日本)
バットオチル・バットサイハン(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
じゅん(日本)
高橋孝徳(日本)

<フライ級/5分3R>
澤田政輝(日本)
イ・スンチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
和田教良(日本)
シン・ジェヒョク(韓国)

<バンタム級/5分3R>
南友之輔(日本)
健太エスペランサ(日本)

<バンタム級/5分3R>
吉田開威(日本)
フェルナンド(ブラジル)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
スモーキー(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
木村柊也(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
伊藤琥太郎(日本)
辻本涼太(日本)

The post 【Gladiator024】モンゴルの未知強バットオチルを相手に再起戦、中川皓貴「俺がおるぞ!!」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB Gladiator Gladiator024 MMA MMAPLANET o ROAD FC UFC YouTube   じゅん イ・スンチョル キャプテン☆アフリカ キ・ウォンビン グスタボ・ウーリッツァー チェ・ドンフン チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル チョ・ソンビン テムーレン・アルギルマー バットオチル・バットサイハン フェルナンド マックス・ザ・ボディ 上久保周哉 中川皓貴 久保健太 井上啓太 佐々木信治 修斗 八木敬志 南友之輔 吉田開威 和田教良 河名マスト 海外 澤田政輝 田中有 竹中大地 高橋孝徳

【Gladiator024】ウーリッツァーとライト級挑戦者決定戦、田中有「強い相手やったらそれだけオモロイ」

【写真】何も頼まなくても、やってくれる。さすが関西人!!(C)MMAPLANET

9日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024で田中有が初参戦、いきなりライト級挑戦者決定戦でグスタボ・ウーリッツァーと対戦する。
Text by Manabu Takashima

田中は2016年のプロデビューから、9試合中3試合を修斗公式戦で戦い環太平洋ライト級王座に挑んだこともある。そんな田中はチームメイトの中川皓貴のチョ・ソンビン戦の敗北を目の当たりにして、「オモロイ」とグラジ出場に気持ちが向いたという。

シンプルに強い相手、外国人と戦いたいという田中は、そのポテンシャルの高さを新天地で結果に結びつけることが絶対となる。


──12月9日、1年振りの実戦復帰がこれまで主戦場としていた修斗でなくグラジエイターになりました。グラジ出場のきっかけは、どういったものだったのでしょうか。

「強い選手が集まっている。外国人選手の来日も増えていて、そいつらを倒してやろうと」

──修斗ではチケットを売る力のあるリライアブルの選手として、どうしても大阪大会の主役というポジションが求められているということはあったかと。

「そうですね。東京で試合をしたのは、岡野(裕城)戦が最後なので4年前ですね。やっぱり東京で試合がしたかったけど、大阪大会のオファーだったので大阪で戦ってきました」

──グラジも大阪やんけ、と言われそうですが(笑)。

「そこは大阪とかでなくて、リライアブルの選手はグラジエイターに出ているから大会を見ていると、強い選手が多い。だから挑戦したいと思ったので。それに中川(皓貴)が1月にチョ・ソンビンに負けて……『おお、オモロイなぁ』って思って」

──えっ、田中選手を目標に兄のように慕ってくる中川選手のあのTKO負けにも関わらずオモロイと……。

「ハハハ。シンプルに強いヤツが来たので、こっちは面白いと思いましたね。ファイターなんで、強いヤツとやりたいんで。グラジエイターはフェザー級やバンタム級が賑やかになっていて、ライト級だって面白いぞって見せたいんで。で、強い相手やったらそれだけオモロイことになるじゃないですか。グラジエイターをもっと盛り上げるつもりで戦います」

──1月に面白いと感じて、出場は12月。ここまで期間が空いたのは?

「特にないのですが、マックス・ザ・ボディ戦で足首をケガして、3カ月ぐらい練習ができなかったんです。そこから色々と調整して、夏にはグラジエイターからオファーがあったんです。その時から12月をターゲットにしていたので、僕としては12月に戦うことで全く問題はないです。それでタイに練習にも行けましたし。ただ正直に言って、修斗でやり残したこともあるんですけどね……。逃げたと思われたくもないし。でも、グラジエイターで結果を残せばそんな声も黙らせることができるかなって」

──修斗ライト級戦線もキャプテン☆アフリカ選手、マックス・ザ・ボディ選手がRoad FCのトーナメントに出て留守になっていましたし。

「でも、取りこぼしたという想いはありますよ。それは、めちゃくちゃあります……」

──キャプテン☆アフリカ選手との環太平洋タイトル戦の時は、もう左肩をガチガチにテーピングで固めていて。ケガをしているのが、丸わかりでした。

「それはもう言い訳になるんで、言いたくないです。自分の負け、それが自分の弱さなので。あの負けがあったから、今の自分があると思っています」

──あの時はテーピングの量も半端なかったので、あれはフェイクで本当は逆側がケガをしているのではと疑ったほどでした。

「アハハハハ」

──大昔、〇〇〇〇〇〇選手が大きな試合の前に足首を負傷して、それを米国の記者に書かれて。『その記事は間違っていて、本当のケガの場所は首だ』って書いて情報操作してほしいと頼まれたことがありました。

「えぇっ!! それで書いたんですか?」

──いえ、そんなことできないから違う方の足首にテーピングを巻けばって(笑)。そうしたら、本当にしていました。

「えぇぇぇぇぇぇぇ!! 凄いですね」

──効果はまるでなかったですけどね。

「僕はバカ正直に、痛い方に巻いてしまいましたよ(笑)」

──完全に狙われてしまいました。

「ホンマに、その通りです(笑)。あの時は正直に巻いていないと、ずっと痺れている状態だったんです。練習もできなかったですし。でもケガをして全然練習もできない状態で試合をし、回復して練習をすると強くなったのが実感できたんです」

──当時と比較すると、今の体調は?

「もう全然違いますよ。あの時と比べると、問題ならないぐらいバッチシです」

──さきほどタイに練習に行ったと言われていましたが、どこのジムへ?

「バンタオMMAに2週間ほど。ジョージ・ヒックマンが指導しているところですね。弟のフランクと2人で教えてくれました」

──なぜ、バンタオに?

「タイにいる知り合いが、バンタオが合っていると。なので、とりあえずバンタオに行って次はタイガームエタイに行ってみようと思います。両方に行こうかとも考えたのですが、ジョージがしっかりと教えてくれるので、行ったり来たりはできなかったです」

──2週間、どのような経験ができましたか。

「基本、MMAスパーは2回だけなんですけど。グラップリングとテクニック。グラップリングクラスで、レスリングを教わることが多かったです。それとムエタイですね。でもグラップリングが多かったです。ロシア人、ヌルマゴメドフみたいな人が多くて、ぶんぶん振り回してくるのかと思ったら、意外とテクニックもありました。とにかく外国人選手と練習して、自分の力や技術を試しました」

──手応えの方は?

「ありました。やられても、やり返すこともできたので。勝負ができるところもいっぱいあっると分かり、良かったです。なによりも、凄く面白かったので」

──バンタオで練習をしている時に。ウーリッツァーとの試合は既に決まっていたのですか。

「いえ、その前です。バンタオの最終日ぐらいにグスタボ選手と挑戦者決定戦になるって聞いて。最初はトーナメントっていう話もあったのですが、挑戦者決定戦で戦うことになり。そこからはグスタボ選手のことしか考えていないです」

──井上啓太選手をKOし、キ・ウォンビンにパウンドアウト負けを喫しました。ウーリッに対して、どのような印象を持っていますか。

「一撃がありますね。グラップリングもちょっとはできるかなって。足関節とかやっているので、寝技もあって一発もある。そこを警戒して戦おうかなって思っています」

──ここで勝てば佐々木信治選手に挑戦することになる?

「それは、そうでしょうね。チャンピオンは佐々木選手なので」

──シンプルにそいつらに勝つという言葉が、冒頭で聞かれました。それがグスタボ・ウーリッツァーや佐々木選手になるのでしょうか。

「強い外国人選手とやりたいです。それでベルトを巻いたら、海外。MMAを始めた時からUFCしか見ていなかったので。取りあえずは海外、外国人の強い選手とやりたいです。バンタオでもフィジカル負けをしなかったので、僕はそうとうにフィジカルが強いです。試合を見てもらったら分かると思いますが、ヤバいですよ(笑)」

──では、そのウーリッツァー戦ではどのようなところを見せたいと思っていますか。

「俺だけを見てもらえれば。ライト級は任せてくださいという感じです」

──ではこの試合に向けて、意気込みの方をお願いします。

「意気込み……意気込みですか、難しいですね。応援してください。本物の田中有を見せます」


■視聴方法(予定)
12月9日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator024対戦カード

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
宮川日向(日本)

<フェザー級/5分2R>
袖裂雄貴(日本)
福山佳祐(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
今村滉(日本)

<GLADIATORライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
田中有(日本)
グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分3R>
竹中大地(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
上久保周哉(日本)
ペン・ジョウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
中川皓貴(日本)
バットオチル・バットサイハン(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
じゅん(日本)
高橋孝徳(日本)

<フライ級/5分3R>
澤田政輝(日本)
イ・スンチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
和田教良(日本)
シン・ジェヒョク(韓国)

<バンタム級/5分3R>
南友之輔(日本)
健太エスペランサ(日本)

<バンタム級/5分3R>
吉田開威(日本)
フェルナンド(ブラジル)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
スモーキー(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
木村柊也(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
伊藤琥太郎(日本)
辻本涼太(日本)

The post 【Gladiator024】ウーリッツァーとライト級挑戦者決定戦、田中有「強い相手やったらそれだけオモロイ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB Gladiator Gladiator024 MMA MMAPLANET NavE o ONE RIZIN UFC YouTube じゅん イ・スンチョル グスタボ・ウーリッツァー チェ・ドンフン チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル テムーレン・アルギルマー バットオチル・バットサイハン パン・ジェヒョク フェルナンド 上久保周哉 中川皓貴 久保健太 佐藤将光 修斗 八木敬志 前田吉朗 南友之輔 吉田開威 名田英平 和田教良 山本健斗デリカット 河名マスト 海外 澤田政輝 瀧口脩生 田中有 竹中大地 竹本啓哉 藤井伸樹 金原正徳 高橋孝徳

【Gladiator024】テムーレンとグラジ初戦、竹中大地「世の中に自分の存在を認めてもらえるような試合を」

【写真】怪獣キラー、名田英平、竹中、瀧口脩生、山本健斗デリカット。何かのきっかけて、化けらえるはずの実力者たちとパラエストラ東大阪で腕を磨く(C)MMAPLANET

9日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024で前バンタム級王者テムーレン・アルギルマーと戦う竹中大地。
Text by Manabu Takashima

修斗環太平洋バンタム級王者からJAPANバブル到来前のONEと契約も──想ったようなキャリアを積むことはできなかった。パフォーマンス云々の前に不可抗力、竹中自身がコントロールできない部分で試合のキャンセルが続き、惜しい星の落とし方も経験した。そしてコロナ・パンデミックが起こり、サークルケイジでの日本人選手の需要は明らかに目減りした。

30歳を過ぎ、思うように試合が組まれない状況に国内に目を移した竹中。目指すところはRIZINだが、今回のGladiator出場は意外という印象しかなかった。そんな竹中にグラジ出場の経緯と、これからについて尋ねた。


――9月30日大会で、グラジエイターのケージの中から参戦表明を行いました。これまでグラジを生観戦したことはありましたか。

「いえ、会場で見たのは初めてです。YouTubeはライブ配信をチェックしていましたけど」

──では、その時にはどのような印象を持ちましたか。

「会場が華やかでケージ映えしていて。スクリーンも大きくて見やすくて良かったのですが、冷房がめっちゃきいていて(笑)。半袖で行っていたのでメインが始まる頃には本当に寒くて。その寒さと戦いながら試合を見ていました。移動して、立ち見で試合を見ているとだいぶマシになりました(笑)。

ケージの中では前田吉朗選手とNavE選手のグラップリング、あのMMA寄りのグラップリングが面白かったですね。ああいうグラップリングが盛り上がると、MMAで戦えるグラップリングも進化するんじゃないかというのは思いました」

──目の付けどころか面白いですね。

「やっぱり、やっているからですかねぇ。競技として興味深かったです」

──ところで今日はパラエストラ東大阪のプロ練習を拝見させていただいたのですが、皆が口を揃えてバック奪取能力とキープの強さに舌を巻いていました。曰く「ヘルニア製造機」だと(笑)。

「アハハハ。そうでなくて、背中を伸ばして腰痛を治しているんですよ(笑)。カイロプラクティック的な感じで」

──アハハハハ。物は言いようです。以前より、急がずにキープの時間を長くするよう意識しているようでもありました。

「パーテルバックで削る。フルバックを取る前に相手を消耗させる作業を入れる方が、一本を取れる確率がMMAスパーにおいては上がります。同時に自分の体力の消耗も抑えることができて。いきなりフルバックに行くと完成しないといけない、やり切らないといけないと後戻りができなくなってしまいます。でもパーテルバックだと、またスタンドに戻っても際の打撃を入れることもできますし、自分で選択ができるようになる。そこが強くなると、自分が戦いやすい時間が増えてペース配分もしやすくなるので意識していますね。

そうするためにバックの細かい技術的なマイナーチェンジはしてきました。バックが一番有効なポジションなので。傍から見ると同じように見えるかもしれないですが、手の位置だとか使い方、足のきかせ方も少しずつ変わっています」

──なるほど、凄く興味深いです。同時に正直、修斗からONEで戦ってきた竹中選手がグラジに着目することが意外でした。

「練習仲間が試合に出ていますし、グラジエイターからオファーを貰ったのは実は5月頃だったんです。だから6月大会とかもチェックはしていましたし。日本人が苦手な外国人、課題となる外国人を連れてきているイメージですよね。攻略しづらい……でも、ここに勝たないと海外にも行けないし、日本のトップにもなれない。そこをクリアしないといけない外国人選手たち、難敵を呼んできていますね。

ちょっと粗くてフィジカルが強い。そこが日本人選手との違いですからね。そのなかで柔らかく戦うパン・ジェヒョク選手とかには結構、面食らいました」

──そこまで見ているということは、6月にはもうグラジに出ようという気持ちが固まっていたのでしょうか。そもそも、いつONEから離れたのかも我々は把握していなかったので。

「そこは僕もなんです。あと1試合組むよ──っていうやんわりした状態が続いて。でも、それが『1週間後に試合はどう?』みたいな感じで、微妙に踏ん切りがつかない状態が続いていました。そもそも和田選手との試合の後は『1試合残っているけど、他団体と交渉しても良いよ』という状態で。そのなかでもらった話がどれも実現しない状態だったので、『修斗で試合をしよう』という形になりました。ONEの方に修斗で試合をするというのは、伝えていました」

──そこでONEからオファーがあれば、また勝ってタイトルを目指すような想いは残っていましたか。

「そういう想いが強かったのは、ONEに出るようになって1年目ぐらいですかね。まぁ、僕もケガもありONEとはハマらないことが多かったです。対戦相手のドタキャンとかも含めて。年齢もあるし、早く試合をしないといけないという焦りもありました」

──5月にグラジからオファーがあり、6月大会はそれだけの興味を持って見ていた。それながら7月は修斗で戦ったわけですね。

「修斗とも契約が残っていたので。修斗で試合をしてから、グラジに出たいと話そうという考えでした。もうオファーを頂いて時点で、次はグラジで戦おうと思って過ごしていました」

──それでも、やはり意外でした。

「やっぱり僕は関西に住んでいて、さっきも言ったように練習仲間も出ている大会なんで東京の選手が持つイメージとは違うと思います。それにハードな外国人選手を呼んでいるので、日本人選手と戦うよりも難しい試合になる可能性が高い。それと正直、僕のことを評価してくれている条件で声を掛けてくれたというのもあります。なら地元、関西で試合をしたいなって思いました」

──竹中選手の実力、ポテンシャルを買っているからこそ、いつまで燻っているんだという気持ちはありました。

「そうっスね。試合をしていないので、評価のしようがないと思うんです。だから、どんどん試合をして評価を勝ち取る必要がある。それが今の僕の状況だと思っています」

──では7月の藤井伸樹選手との試合、追い上げを食らい厳しい試合となりましたが、実戦のブランクを感じることは?

「明確な反省点は自分のなかであります。何個もあるんですけど、一つ挙げるとすると2Rの終わりですね。バックコントロールしていて、最後の10秒ぐらいに際で起き上がられて殴られたんですけど、スクランブルで立つ必要はなかったです。あれだけコントロールしていて、スクランブルで上を取ってももう向き合うだけの時間帯だったので。

それなら普通にクローズドガードとかに入れて、休憩すれば良かった。でも普段の練習の癖で、際は妥協しないという気持ちになって立ち上がってしまいました。それで打撃を貰ってしまって。

落ち着いて下を選んでいたら、あのパンチは貰っていなかった。そこの判断は間違えたなと思います。藤井選手もスクランブル、組みの頭になりがちになるなかで、あのアッパーを打てるのですから、アッパレです。これまでも藤井選手の試合を見て、格好良いなと思っていたのですが、そのまんま格好良い選手でした」

──北米MMAレギュレーションに戻ってきて、水抜き減量の久方ぶりに経験しました。

「結構しんどかったですね(笑)。3キロぐらいで軽めにやったんですけど、それでも最後の1キロぐらいは喉が渇いて。でも早めに落ちたし、そこは順調やったんです。水抜きはいくらやっても慣れることはないやろうし、次もしんどいと思います」

──とはいえ藤井選手に勝って、修斗バンタム級戦線で頂点を目指すという気持ちには?

「そうっスね。正直、明確なプランは全くなく修斗に出て。その前の段階で、次はグラジエイターに出るんやって言う風に気持ちは傾いていました。修斗で1試合、そのあとはグラジのつもりだったので修斗バンタム級戦線における自分の姿は想像できなかったです。藤井選手との試合が決まったのも5週間ぐらい前だったので。

決めつけちゃダメなんですけど、『これは7月はないなぁ』って気持ちが途切れたこともありました。あと練習ができるのも4週間というタイミングで、藤井選手に尋ねていますという連絡が来て、正直なところ『えぇ……マジか』って思いました。でも、試合を組んでもらって戦わないわけにはいかないですから。

でも、あの試合内容では満足できない。もっとデキるぞと思っていたので、そこを次の試合で見せたいです」

──その次戦はタイトルを獲得した竹本啓哉選手でなく、前王者となったテムーレンと戦うことになりました。

「相手が決まったのは2日前なんです(※取材は10月9日に行われた)。僕としては竹本選手と戦うことになると思っていたのですが、『テムーレンと戦って欲しい』と連絡があって。あの試合はどっちが勝っていてもおかしくない試合だったし、僕としてはテムーレン選手の方が戦いづらいです」

──それはどういう部分で?

「やっぱりちょっと粗い打撃と組みの受けが強い。フィジカルの部分ですよね。神田選手とか、ちょっと跳ね返されている感じだったので。竹本選手は寝技の巧さの部分でスイープをしたり、ポジションを取っていました。じゃあ、正面から取っ組み合った時に、どういう強さを持っているのかというのは、見ているだけだと分かりづらいです」

──竹本選手は一種のスペシャリストで、王道のMMAスタイルではないです。仮に竹中選手がさらに上の舞台を目指す時に、その場での対戦相手を想定するとテムーレンこそ越えないといけない相手かと。しかも、初来日の時のモチベーションに戻ってくることが予想されます。

「戦績以上に戦いづらい、クリアしづらい相手です。でもクリアしないと、この先はない相手やと思います。しっかりと仕上げて外国人選手のフィジカルと粗さに負けないようにして、仕留めることが重要なんかなと。自分の動きができればクリアできる相手です」

──UFCを目標とし、ONEで経験を積むというプランを持っていました。ただし、この間に33歳になった。実力云々でなくハードルが上がり現実的にUFCを考えられなくなったかと思います。そのなかで、今後の目標をどこに置いているのでしょうか。

「グラジをクリアしてRIZINに出たいです。毎年、春ぐらいに大阪でやっているので。そこで使ってもらって……RIZINに出たいというか、勝負したいです」

──RIZINも金原正徳選手、佐藤将光選手という竹中選手に近いカラーの選手が実力で脚光を浴びるようにもなりつつあります。そのRIZINのバンタム級戦線でやっていける自信のほどは?

「やってみないと分からない部分はありますけど、自信は当然あります。グラジエイターでしっかりと勝って、オファーを貰わないといけないですが、RIZINのトップ戦線とやり合える力はあると思っています……出たい、トップと勝負したいッスね。どんな形でも出られたら爪痕を残す自信はあるので、チャンスがもらえるとモノにするって感じですね」

──危ない橋を渡らず、大阪枠でRIZINに出たい。そういう選手もいるのが現状です。

「それも手ですよね。でも僕はしっかりとテムーレンを倒して、資格を得られるようにします。そのためにも、フィニッシュです。打撃でも寝技でもフィニッシュすることが重要なんかと思います」

──決して国内ではスポットが当たっていたわけではないですが、竹中選手の周囲の人はその強さに絶対の信頼を置いています。そんな人々を含め、次戦への意気込みのほどを最後にお願いします。

「ハイ。33歳になったんですけど、全然自分のキャリアに満足できていないです。体も気持ちもめっちゃ元気なんですよ。でも『そろそろ引退』とか『まだ格闘技をやっているんですか』とか言われたりするようになりました。『昔、格闘技をやっていたんですか』とか──今もやってんねんけどなぁって(笑)。俺も世間からしたら辞めていく人間に見えることに歯がゆさ、悔しさはあります。

なんで、ここからRIZINとか出ると認知もされるし、自分の実力を証明する格好の舞台になります。グラジエイターは、そのための足掛かりになるフィーダーショー的な大会なので、しっかりと勝って世の中に自分の存在を認めてもらえるような試合をどんどんしていきたいと思います」


■視聴方法(予定)
12月9日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator024対戦カード

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
宮川日向(日本)

<フェザー級/5分2R>
袖裂雄貴(日本)
福山佳祐(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
今村滉(日本)

<GLADIATORライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
田中有(日本)
グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分3R>
竹中大地(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
上久保周哉(日本)
ペン・ジョウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
中川皓貴(日本)
バットオチル・バットサイハン(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
じゅん(日本)
高橋孝徳(日本)

<フライ級/5分3R>
澤田政輝(日本)
イ・スンチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
和田教良(日本)
シン・ジェヒョク(韓国)

<バンタム級/5分3R>
南友之輔(日本)
健太エスペランサ(日本)

<バンタム級/5分3R>
吉田開威(日本)
フェルナンド(ブラジル)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
スモーキー(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
木村柊也(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
伊藤琥太郎(日本)
辻本涼太(日本)

The post 【Gladiator024】テムーレンとグラジ初戦、竹中大地「世の中に自分の存在を認めてもらえるような試合を」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB Flash Gladiator Gladiator024 LFA MMA MMAPLANET o ONE RENA Road to UFC UAEW UAEW45 UFC YouTube   じゅん イ・スンチョル イ・チャンホ グスタボ・ウーリッツァー シャオ・ロン シン・ジェヨン チェ・ドンフン チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル テムーレン・アルギルマー トロイ・ウォーセン バットオチル・バットサイハン フェルナンド ブラジリアン柔術 ペ・ジョンウ ボクシング リネット・ハバロフ 上久保周哉 中川皓貴 久保健太 修斗 八木敬志 南友之輔 吉田開威 和田教良 河名マスト 海外 澤田政輝 狩野優 田中有 竹中大地 藤田大 藤田大和 高橋孝徳

【Gladiator024】上久保周哉、グラジ参戦。その意図とこれから「僕のRoad to UFC。ずっとRoad to UFC」

【写真】リアリスト。誇張も悲観もなく。それだけに言葉が突き刺さる(C)MMAPLANET

9日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024に上久保周哉が出場し、韓国のシン・ジェヨンと戦う。
Text by Manabu Takashima

8月のRoad to UFCバンタム級準決勝でまさかの敗退となった上久保は、再起の場にグラジエイターを選んだ理由と、変わりないUFCへの想いを訊いた。


――8月のRoad to UFC、シャオ・ロン戦の敗北は大ショックでした。スポットライトが当たっているとはいえない、同時に『これがMMAなんだ』と上久保選手の征く道を見てきたファンも、そうだったと思います。

「ハイ……。僕も同じ気持ちでした(苦笑)」

──組んで勝つ。触れば五分五分という上久保選手のMMAが、UFCではなくRoad to UFCで崩れた点が一番ショックでした。ただ1Rはあれだけ出来ていたのに、なぜ2Rから思うように戦えなくなったのでしょうか。

「実は2Rにテイクダウンを狙った時に、左ヒザが内側に捩じれてしまって。元々、半月板が悪かったのでロッキングしてしまっていたんです。でも、試合中はアドレナリンが出ているから痛みを感じなくて。それでも、踏ん張れる感がなくて。マットを蹴っても力が入っていないし、変だなと思いながら戦っていました。

普段はロッキングをしたら痛みや緩さで気付くのですが、試合中だったからそこが気付かなくて。足が疲れたのかなとか、勝手に思っていたんです。気付いていれば、インターバルにロックしたのを直すことはできたので、それをやっていれば3Rは普通に動けたのになぁという気持ちは結構あります……。足が疲れたと自分で片づけてしまって、セコンドに言わなかったので磯野(元)さんも濱村(健)さんも、急に動きが悪くなったと感じていたと思います」

──そのようなことが起こっていたのですね。

「……ハイ。あの試合に関しては、途中から試合になっていなかったです」

──逆にケガをしたということで、ホッとしました。上久保周哉の組み技がアジアで跳ね返されたわけではないので。

「まぁ、負けた言い訳はできますからね(笑)」

──そこですか(笑)。

「1Rが本来の実力だったと思って欲しいです。切られることが前提で組んでいたので、そんなに深追いもしなかったし、切るなら切るで用意していたので。1Rは思いのほか、自分の展開になったので逆に拍子抜けした感はありました。むしろ2Rの方が『こうなるよね』という展開ではありました。ただ、あの途中から……ですね。でも、結果が全てですから」

──一旦はUFCとの契約という目標が潰えたことは、どのように感じていましたか。

「悔しかったけど、それは実力を出し切れなかったことが大きくて。だから引退するとかっていうへこみ方ではなかったです。改善点や修正しないといけない点があったけど、初回の展開は思い通りにいっていたので通用する部分は通用する。だから100回やったら、100回勝てない相手とやるまでは辞められないと思いました。準決勝の相手は100回やって100回勝てない相手ではないので、辞められないです。会場からホテルに戻るまでも、全然まだやれる。こんなんじゃ辞められないという気持ちでした」

──目指すところも変わらない?

「変わらないというか、それを目指し続けないと自分が求める相手がいない。他のどっか……国内でも出てくるかもしれないけど、そういうところを目指していないと自分のレベルも上げることができない。自分が強くなっていく過程のなかで、何回やっても絶対に勝てない相手と戦わないと意味がない。強い相手と戦っていないと弱くなります。自分が弱くなると意味がないです。だから目指すところは変わりようがないです」

──そうなると、またRoad to UFCを目指すことになりますが、Gladiator出場が決まるまで、再起の道はどのように考えていましたか。

「準決勝が終わって、まずは諸々のケガを直す時間に当てて。でもRoad toUFC決勝戦が12月9日にあるから、その時にどこかで試合をしたいと思っていました(※その後、Road to UFC決勝は延期となっている)。決勝戦のリザーバーとかの話もあったのですが、それだと試合はないだろうし。海外も考えていましたが、時間もなかったので……」

──えっ、だから12月9日のGladiator参戦なのですか!!

「もともとグラジと〇〇〇〇〇はRoad to UFCの前から声を掛けてくれていました。日本で試合をするなら、そのどっちかになると思っていたんです。で、グラジエイターは日程がRoad to UFC決勝と同じだったので『良いじゃん』と思って。この日に戦うのは禊です。自分のせいで負けたので、自分でケツを拭かないと。

やるなら強い人とやりたい。それには外国人選手と肌を合わさないと本当のところはどうだと分からないので。そういう意味で最初に名前が出た候補とか、グラジエイターは色々と考えて用意してくれていました」

──結果的にその候補がまとまらなかったわけですね。そこでシン・ジェヨンという選手と戦うことになりました。

「スパンが短かったこともあるし、自分も直近は負けているので相手にとって美味しくない。強い人に断られてしまうのはしょうがないです」

──話を伺う限り、12月に1試合を戦ってRoad to UFCから声が掛るのを待つということでしょうか。

「Road to UFCしか選択肢がないなら、Road to UFCですよね。そのRoad to UFCが5月スタートなら、その前にもう1試合する形かと。だから12月の早めに試合を戦いたかったんです。1月になると、次の試合をするとなると時間が欲しくなりますし。2月にも試合の話があって。そのタイミングで試合をする方が、何もしないで待っているより良いと思います。負けて、そのままで声が掛るほど甘くはないので」

──モンゴル勢や竹中大地選手もいるグラジですが、ベルトを狙ったり継続参戦というのは? 練習仲間の狩野優選手などは『国内で日本人選手と戦えば、どれだけ上久保選手が強いかを知ってもらえる』と言っていましたが。

「う~ん、何というですかね。もう一つの団体からは日本選手でオファーをくれました。でも、さっきいった最初の候補に〇〇・〇〇〇〇が入っていたんです。あの名前を見た時に『いいじゃん。やりたい』って。あの名前を見た時に感じた想いが、日本人選手の対戦候補には起きなかったです。やっぱりテンションの上がり方が違って。ONEでトロイ・ウォーセンとやった時も『やりたい』って最初に感じて。それが、グラジエイターが最初に出してくれた候補……複数の候補にはめっちゃあったんです。

国内の選手云々でなくて、僕が日本の選手にそういうことを感じなくなってしまっているだけかもしれないです(笑)。知らない強いヤツ、誰もが強いと思っているヤツとやりたい。そこで最初の候補は日本人との対戦もあって、ほとんど勝っている選手だったので。ときめくか、どうか。そこはありますね。あの候補を見て、グラジエイターは自分のやりたいことに乗ってくれているのを感じました。

だから日本人対決に関しては、期待してくれるのは嬉しいですけど……。竹中選手にしても、ONEに出始めた時に自分が竹中選手と並び立つなんて思っていなかったので。並ぶだけで良いと勝手に思っています。当時、竹中選手は無敗の修斗のチャンピオンだったので。そもそも、僕のなかで特定の誰かと戦いたいとかは全然なくて。理想はここで勝って、Road to UFC。あるいはUFCに通じるとこから引っ掛かるのか。UFCを目指さないと、何のために強くなろうとしているのか分からないから」

──6年2カ月振りに日本でMMAを戦うことは?

「意外と何もないです。それに大阪なので、遠征している感覚だし。海外は試合のことだけを考えていれば良いのですが、大阪でも国内の試合なのでアレコレとやらないとはいけないですけど。ただ国内で外国人と戦うので、珍しくホームになるので……ある意味、楽なところはありますね」

──負傷があったとはいえ、8月の敗北を経て練習内容など変えた部分はありましたか。

「体の負荷を減らさないといけなかったので、MMAの練習量を減らしました。そこで色々考えて、ただ練習の中身を変えたのは負けたことよりも、吉野(光)選手のセコンドでUAEWについて行ったことの方が大きいです」

──10月17日のUAEW45、リネット・ハバロフに2RでTKO負けを喫した試合ですね。そこで何を感じたのですか。

「大会全体もあるし、吉野君の相手が同階級で7勝0敗。ヌルマゴのジムに所属していた選手で。吉野君とは肌を合わせていて、強い部分を出していけば勝負どころを創れるという作戦を色々と立てていました。ただ思っていた以上に、通用しなかった。吉野君は『自分の実力不足です』とは言っていたけど、それ以上に何かちょっとこう……これまでやってきたことは間違いじゃなかったのかと結構ショックだったんです。

正直、自分が負けた時よりも……。今までやってきたことが間違っていたかもって、凄く考えました。他の試合も見て、ヌルマゴのチームと戦い、通用している選手や勝っている選手もいました。キルギス人選手とか勝っていて、彼らの試合を見て『何かを変えないとダメだろう』って思いました。

あまり良い言い方じゃないですけど、日本のMMAのレベルの話をした時に韓国、中国の次という風にいわれるようになったじゃないですか」

──はい、アジアにおいて。

「それにフィリピンも強くなっていて、正直──世界的に見ると下から数えた方が早いんじゃないかって。個々の力で突破できることはあっても──藤田大和選手が、カザフスタンの戦績の良い選手に勝ったように。そういう選手が時折り出てくるかもしれないけど、全体的な総数を見た時に日本人はどれぐらい強いのかと考えると、インドネシアの次ぐらいじゃないかって……。このままじゃ、日本人でヌルマゴのチームと10対10で試合をしましょうってなると、0勝10敗になる。そんな風に思うぐらい、ショックでした。

日本だけで練習していると、う~ん、日本人のなかでは強くなれるかもしれないけど、UFCのチャンピオンになれない。海外に練習に行くのもそうだし、根本的に練習への向き合い方、考え方から変えない限り──敵わない。ジムの設備とかあるのかもしれないけど、変えられる部分から変えていかないといけないと考えるようになりました。もう年齢的にも焦って、直ぐに変えないといけないと思った部分はあります」

──この国のMMA業界は世界的な強さを手にするという方向に向いていません。必要なのはLFAでありContender Seriesであって、KSWではない。でも、業界を変えることは一選手ではできないです。

「MMAを練って考えていたものが、UAEWで打ち砕かれて……。今、やれることはまずは自分を変えること。自分が練習で思っているテーマを変えました。本当は大人数で同じ考えでないといけないのですが、まずは身近の人たちから、と。監獄の人たちは考え方も似ているので、そこから変えて行こうかと。

だたし、自分達が今やっていることが正しいとは限らないです。正しいと思った方向に進んでいれば、変えようという考えが広がっていく。別に日本を強くしようなんて考えはないけど、自分の練習環境を良くするために回りに強くなってもらいたいという感じです」

──監獄グルグルの2分のスパーリングでは、あの速いペースで戦えるものなのかと驚かされました。

「ペースはだいぶ上げました。これまでは2分という限られたなかで丁寧に一つの山を創ろうという形だったのですが、ミスをしても良いからとにかくペースを上げること。山場を2分の間にいくつも創るのが、今のテーマです。

やっぱりリズムの違いっていうのは、大きいし。如何に早く自分の流れにもっていけるのかを大事にする。それが今、意識していることです」

──リカバリーも早くなっていないですか。練習のなかで矢継ぎ早に動くので、バックを取り切れないで落とされることも出てきた。そこからのディープハーフからスクランブルなど立て直しが目を見張る速さでした。

「本当ですか……」

──ロータス世田谷でのグラップリングとは明らかに目的が違うことも伝わってきました。

「ロータスでは5分のグラップリングを回していて。5分を2分、2分、1分と考えて、2分を2回取れば絶対にラウンドを取ることになります。なので最初の2分を如何に取れるのか。そこのアプローチを変えて……手数、種類を増やし、今までやっていなかったことを試す。当然、失敗します。でも練習で失敗するのは全然構わないので。これまでミスを少なくするためにアタックが少なかったと思います。そこも大事なのですが、練習でやっていると失敗が少ないから、自分のなかの色々な判断材料も少なくなってしまうのかなって考えて。情報収集もかねて、色々とやっています」

──新たな技術を手にすることも考えていますか。

「ハイ。色々やりたい技もあるし、体のケガも多いから同じことを今までのようにできなくなる。なら武器を増やすことが必要になってきています」

──12月の試合でも、そのペースという部分を試すことはあるのでしょうか。

「う~ん、今やっているペースを出す……ことが間に合えば良いですね。UAEW後から取り組み始めたことなので、間に合えば良いなぁ……と。ただ間に合わなくても、この間に取り組んできたことは絶対に無駄にならないので。やっているペースなり、アタックの部分とかは出せるようにしたいと思います」

──全てはUFCに辿り着くために?

「これが僕のRoad to UFC──ずっとRoad to UFCです」

■【Flash】上久保周哉の対戦相手が、ペ・ジョンウに変更

6日(水)、Gladiatorより9日(土)、豊中市176BOXで開催されるGladiator024で上久保周哉と対戦予定だったシン・ジェヨンが、練習中に負傷しエキストリーム・コンバットの同門ペ・ジョンウが代役出場すること発表された。

ペ・ジョンウは1995年12月31日生まれの27歳。テコンドーとボクシングの経験があり、ブラジリアン柔術は青帯で韓国軍士官服務時代にはテコンドーとボクシングの教官を務めていたというが、今回がMMAデビュー戦となる。

同ジム所属でRoad to UFCバンタム級決勝戦を控えるイ・チャンホのトレーニングパートナーであるペ・ジョンウは、スクランブル発進&初陣にも関わらず──さらには上久保の承諾の知らせを聞く前から、自ら航空券を抑え今回の試合出場に尋常でないやる気を見せていたという。そんなペ・ジョンウのこの試合に向けた意気込みは以下の通りだ。

ペ・ジョンウ
「昨日までにもイ・チャンホのRTU決勝戦準備を一緒にしたので、4日前のオファーでも問題ないです。このところ、トレーニングキャンプで毎日のようにハードトレーニングをしてきたので、今はもう減量に集中するだけで、むしろ楽な状態です。

上久保選手のような強いファイターと試合ができることになって光栄です。上久保選手には楽しい試合をしようとお願いしたいです。本当にお願いします」

■視聴方法(予定)
12月9日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator024対戦カード

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
宮川日向(日本)

<フェザー級/5分2R>
袖裂雄貴(日本)
福山佳祐(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
今村滉(日本)

<GLADIATORライト級次期挑戦者決定戦/5分3R>
田中有(日本)
グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
河名マスト(日本)

<バンタム級/5分3R>
竹中大地(日本)
テムーレン・アルギルマー(モンゴル)

<バンタム級/5分3R>
上久保周哉(日本)
ペ・ジョンウ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
中川皓貴(日本)
バットオチル・バットサイハン(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
久保健太(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
じゅん(日本)
高橋孝徳(日本)

<フライ級/5分3R>
澤田政輝(日本)
イ・スンチョル(韓国)

<フライ級/5分3R>
和田教良(日本)
シン・ジェヒョク(韓国)

<バンタム級/5分3R>
南友之輔(日本)
健太エスペランサ(日本)

<バンタム級/5分3R>
吉田開威(日本)
フェルナンド(ブラジル)

<ライト級/5分2R>
八木敬志(日本)
スモーキー(日本)

<フェザー級/5分2R>
田口翔太(日本)
木村柊也(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
伊藤琥太郎(日本)
辻本涼太(日本)

The post 【Gladiator024】上久保周哉、グラジ参戦。その意図とこれから「僕のRoad to UFC。ずっとRoad to UFC」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB ACA DEEP GFC Gladiator Gladiator024 Grachan K-MMA MMA MMAPLANET NavE o ONE RIZIN ROAD FC Road to UFC UFC YouTube   じゅん イ・スンチョル キック チェ・ドンフン フェルナンド ライカ ルネ・カタラン 上久保周哉 中川皓貴 久保健太 南友之輔 吉田開威 宮城友一 海外 溝口司 澤田政輝 田中有 竹中大地 若松佑弥 高橋孝徳

【Gladiator024】プレ・フライ級Wars。チェ・ドンフン&イ・スンチョルが来日。じゅんが復活

【写真】自らのイケメンと言ってしまうチェ・ドンフン。3戦目でチャンピオンになった実力の程は──(C) MMAPLANET

23日(木)、GLADIATORより12月19日(土)に豊中市176BOXで開催されるGladiator024の追加カード10試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

3回戦2試合、2回戦8試合が新たに明らかとなったが、まず目につくのがDouble GFCフライ級チャンピオンのチェ・ドンフンの来日&久保健太との対戦だ。

チェ・ドンフンは今年の3月大会で当時のGladiatorフライ級王者NavEと対戦予定だったが、足の小指を骨折して欠場に。彼の代役としてニャムジャルガル・トゥメンデムベレエルがベルトに挑戦することとなった。


そのニャムジャルガルが僅か7秒でNavEをKOし、新チャンピオンに。直後にRoad to UFCと契約したためタイトルを返上し、グラジのフライ級王座は空位となっている。

チェ・ドンフンも狙いは来年のRoad to UFC出場であることを公言して憚らない。その過程で韓国国内でなく、日本=グラジで試合をこなし、ベルトも視野に入れている模様だ。柔道出身のチェ・ドンフンは泣く子も黙るどころか、凍り付く厳しさの韓国海軍に徴兵後も身を置き筋金入りの気持ちの強さを身に着けている。

除隊後にMMAファイターを目指しTeam MAD浦項に入門すると、瞬く間に頭角を表し3戦目でDouble GFCの王座に就き、初防衛後に上にあるようにグラジ出場を決めていた。ムエタイでもプロとして1勝を挙げ、コンバットサンボの国家選抜戦でも優勝しているチェ・ドンフンは、パワーとスピード溢れるウェルラウンダーだ。

対してベテランの久保は今年の1月以来のグラジ出場となる。下のコメントにあるようにコロナ明けで練習ができない状態で挑んだ宮城友一戦でRNCに敗れた。DEEP名古屋大会での再起戦を飾った久保もまた、グラジのフライ級王座を視野に入れて韓国の新鋭と対戦することとなった。

チェ・ドンフンと同じくK-MMAのフライ級からイ・スンチョルの来日も決まった。キャリア5勝1敗、10月にはBIFCでONEストロー級タイトルコンテンダーのルネ・カタランを僅か71秒でKOで破っているイ・スンチョル。キックベースだが、徴兵期間中にMMAファイターを目指すこと決めたイ・スンチョルの憧れのファイターは、日本の若松佑弥だという。その影響かイ・スンチョルもスタイル的にもアグレッシブなストライカーである一方で、しっかりとテイクダウンもできるタイプだ。

このイ・スンチョルの対戦相手に抜擢されたのが、キャリア2戦目の澤田政輝だ。グラジからステップアップを図る溝口司と同門の澤田は柔道ベースながら、思い切った打撃が武器で──倒して極めるスタイルでデビュー戦を飾っている。

2戦目の国際戦、臆することなく気合満々でオファーを受けた澤田がどのようなファイトをやってのけるか、興味深い。

さらにフェザー級でグラジ元バンタム級王者じゅんの4年8カ月振りの実戦復帰=高橋孝徳戦も決まった。今大会には実弟・田中有と中川皓貴が揃って国際戦に挑むこととなっているが、リライアブル神戸を引っ張るボスとして、じゅんがその背中で何を見せるのか。

対戦相手の高橋は昨年Grachanのフェザー級王座決定Tで惜しくも準優勝に終わり、心機一転グラジを戦場に選んだ。高橋といえばケージに押し込み、じっくり戦うという印象が強く──「魅せてナンボ」のじゅんとは対極にある「勝ってこそ」のMMAを戦う。じゅん✖高橋はある意味、MMAイデオロギー闘争的なマッチアップといえる。

また竹中大地&上久保周哉というJ-MMAのトップファイターが参入してきたグラジのバンタム級戦線で、空手ベースで注目を集める吉田開威と南友之輔の連続出場も決まった。

吉田はグラップラーのフェルナンドと対戦するが、ここでの組み対策と攻撃的な打を披露できれば、トップ戦線が一気に近くなる。

一発の強さが魅力的な南は、健太エスペランサとのマッチアップとなる。既に2月のGrachan大阪大会出場も決まっているという話もある南だが、デビュー前から2024年中にグラジ・バンタム級王座に就くと宣言しており、有言実行への期待感を抱かせるファイトができるのか──要注目だ。

以下、今回のプレスリリースから過去最長と言っても過言でない──じゅん&久保山、そして高橋、澤田、韓国勢の次戦への意気込みを完コピでお届けしたい。

じゅん
「いつも選手の事を1番に考えてくれている凄く良い大会です。Gladiatorがインディ団体と言うてる人がいるなら、アホかと言うてやりたいですね(笑)。弱い外国の選手では無く、強い外国の選手を使っている所にも惹かれます。ここに勝てないと世界で勝負出来ない事を明確にさせているので、世界を目指す選手にはめちゃくちゃいい刺激だと思います。余談ですが、凄い金額がかかっている団体だと思っていますが、一体いくらくらいかかっているんですか?(笑)相手選手のことは組みの展開が得意で、そこから判定で勝ちに行くって感じの印象です。でもキックパンツで試合しているのを見ると打撃を本当は試合でしたいんじゃないんですかね? 僕は約5年ぶりの試合でもともと1階級下でやっていたのでパンチもキックも弱いはずです!

日本でトップの選手でもないので、相手の方からすると打撃の試合をやるのにお手頃の相手なんじゃないですか? 僕は盛り上がる試合しかする気がありません。組みでも寝かされても、盛り上がる事したります!勝ちにこした事はありませんが、お客様や興行主様が喜ぶ試合にしたいです。なんで打ち合ってくれれば嬉しいです。こんな事言うたらダメですが、ここで僕を倒してくれれば、また僕のジム生が相手選手を倒しに行くと言うストーリーが出来るので、面白いんじゃ無いんですかね?

僕は倒れないですけどね。

僕はもう選手活動はする気が無かったんですが、色々と考える事があり、その結果また試合をする事にしました。櫻井代表への恩返しになるか分かりませんが、そうなれればいいです」

高橋孝徳
「関西のみならず、アジアの各国から強豪選手が参戦するGladiatorに初めて出場する機会をいただき光栄に思います。私個人としては、前戦でGRACHANのタイトル獲得に失敗してからの再起戦となります。もう一度頂点を目指す上で、しっかりレベルアップした姿をお見せいたします。これまでよりも攻撃的なファイトにご期待ください」

久保健太
「今大会であるGladiator024大会の出場オファーを頂きありがとうございます。前回出場させて頂きました020大会で宮城友一選手との試合では不甲斐にも敗退してしまいとても悔しい思いをしました。宮城選手との試合は偉大な選手なだけに、それなりに懸けていた思いがありました。しかし試合直前の5日前まで初のコロナにかかり寝込んでしまい一時は試合欠場となる状況まで陥っていたこともあったことから、僕自身にとっては不完全な試合となってしまいました。

それでも試合に出場し戦ったこと、宮城選手と試合をさせて頂いたことに何一つ後悔はしていません。そんな状況な中でも試合をした自分に誇りを持っています。その悔しい思いから、その後のDEEP名古屋大会でタイトルを持つ選手から勝利を納めては、Gladiatorでの挽回を待ち望みながらに日々トレーニングと練習の日々を重ねてきました。そしてようやくそのチャンスを頂き、対戦相手をお聞きしたところ海外の強豪選手、韓国のダブルGFCという団体の現王者であるチェ・ドンフン選手でした。戦歴等を確認したところ、MMA無敗の柔道ベース、コンバットサンボでは韓国国家選抜選手権優勝とかなりの実績がある強豪選手でした。

対戦相手に不足はありません。むしろ他団体の現王者相手に僕を指名して頂けたことに感謝と敬意の気持ちを持って全力で闘い勝利を手に入れます。韓国の選手とはRoad FCやCMAでこれまでに何度か戦ったことがあります。CMAカイザーでは僕もタイトルを獲りました。しかし、ここはGladiatorのリング、今ではGladiatorの顔の一人でもある僕だとそう自負しています。この対戦カード、試合で盛り上げるのも、勝利するのも僕じゃないといけないんです。僕も良い年齢になりました。格闘技人生長くはないと思います。

今大会に勝利し、Gladiatorフライ級トーナメントで選抜して頂きそこに宮城選手がいれば再戦はもちろんのこと、行けるところまで駆け上がり王者君臨を目指します。試合当日、楽しみにしていて下さい。注目していて下さい。宜しくお願い致します」

チェ・ドンフン
「自分はこんなイケメンですが、Gladiatorからチャンスを貰えたことで相手を半殺しにするぐらいの覚悟を持って戦います。応援よろしくお願いします。押忍」

澤田政輝
「オープニングファイトから出て。ここで有名になりたいって思ったのがGladiatorでした。Gladiatorで有名になりRIZINとか世界に行けるように頑張ります。今回強い相手選手を候補に挙げて交渉してくださり、自分にとって大事な試合を組んでくれたと思います。強い相手と戦える事が最高のチャンスだと思うので、一番面白い試合するので 皆様見ていてください」

イ・スンチョル
「日本のファンの皆さんは、自分のことを知らないと思いますが、Gladiatorのタイトルに通じる試合になるかもしれないので一生懸命戦い、自分のデキることをすべて駆使し日本のファンに満足してもらえる試合を見せたいと思います。頑張りますので、応援よろしくお願いします」


The post 【Gladiator024】プレ・フライ級Wars。チェ・ドンフン&イ・スンチョルが来日。じゅんが復活 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o RIZIN 小島勝志 高橋孝徳

【Grachan61】冴える左ジャブ、左ボディ。高橋を判定で下して王座獲得の小島がRIZINへのリベンジ宣言

【写真】試合後、新王者の小島はRIZIN再出場をアピールした(C)MMAPLANET

<フェザー級王座トーナメント決勝戦/5分3R>
小島勝志(日本)
Def.3-0
高橋孝徳(日本)

グローブタッチから小島が距離を詰めた。右ローで迎え撃つ高橋に、小島が左ジャブを伸ばす。高橋もジャブ&ローで前に出るも、小島に押され、左ボディーブローの直撃を受ける。高橋が左ミドルから距離を詰めるも、小島が左ジャブで止める。小島の左ボディ、高橋の右ローが交錯したあと、小島は距離を取ってジャブ&ローでけん制する。左インローから左ボディに繋げる小島が、さらに左ボディを突き刺す。

小島の左ジャブをもらって動きが止まる高橋。高橋は小島の左ジャブをキャッチするも、組みの展開に持ち込むことはできない。しかし小島の左ジャブに合わせてシングルレッグで組みついた高橋が、ハイクロッチで小島をケージに押し込む。ボディロックに切り替えた高橋は、足を刈って小島に背中を着かせた。クローズドガードで守る小島が足を上げていくも、高橋は相手の背中の裏でリストコントロールへ。腕を抜いた小島に、高橋がパウンドを連打していった。

1Rはジャッジ3者とも小島を優勢としている。

2R、小島が左ジャブを突き、さらに右アッパーを突き上げる。組みつく高橋を引き離した小島は、左ジャブからパンチの連打で高橋をケージまで追い詰める。さらに右ローで高橋の動きを止める小島は、左インローを打って離れた。右ローからサウスポーにスイッチする小島、オーソドックスに戻してた高橋のシングルレッグをスプロールした。

高橋もパンチからローと打撃戦を選択するが、小島の左右ボディアッパーが突き刺さる。小島がフェイントを見せると下がる高橋、シングルレッグを狙うも組みつくことができない。ローと左ジャブ、左ボディでペースを握る小島に、高橋がシングルレッグで組みつく。ケージまで押し込み、ボディロックから小島に尻もちを着かせた。小島の左足を抑えた高橋が、頭をおっつけて小島の動きを抑え、上下へのパンチで削っていった。

ここで1Rのオープンスコアが修正される。ジャッジ2名が小島、残り1名が高橋を優勢としているが、試合展開にも影響するこの誤りは選手にとって許容できるものではない……。

2Rはジャッジ3者とも小島の優勢とした。

最終回、ガードを固める高橋に小島が左アッパーを突き上げる。お互いにローを繰り出すが、小島の左ローに合わせて高橋が飛び込んだ。シングルレッグで組んだ高橋が小島をケージに押し込む。小島は左のオーバーフックで耐える。ここで高橋がボディロックからテイクダウンを狙ったが、それを潰した小島がサイドからバックへ。高橋もすぐに立ち上がる。

スタンドでは小島の左ボディがヒット。高橋も左縦ヒジを狙うも届かない。ここでバッティングが発生し、試合が中断される。すぐに再開後、小島が左ジャブと左ローを当てた。高橋の右の打ち終わりに左ジャブを突いた小島。高橋もローからシングルレッグで組みついたが、これは切られた。しかし高橋のローで小島の足も流れ始めている。

小島は左ジャブ、高橋も右スピニングバックフィストとシングルレッグを狙うも形勢逆転には至らない。高橋の左ジャブからの左ミドルをブロックした小島は、左でコントロールしながら右フックを当てる。ここで高橋の左耳から出血が見られ、ドクターチェックが入る。

残り1分10秒で試合が再開され、高橋が小島の左ジャブに右を合わせる。小島も右クロス、右テンカオをヒット。高橋の左耳からは再び大量の流血が……。左ボディ、左アッパーを織り交ぜた小島のコンビネーションが高橋を捕える。最後は小島が左ボディを突き刺してから、高橋をケージに追い詰めていった。

裁定はジャッジ3者とも小島の勝利を支持。第4代GRACHANフェザー級王座に就いた小島は、RIZINへのリベンジを宣言した。


The post 【Grachan61】冴える左ジャブ、左ボディ。高橋を判定で下して王座獲得の小島がRIZINへのリベンジ宣言 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o ライカ 小島勝志 福島啓太 高橋孝徳

【Grachan61】小島勝志とフェザー王座決定T決勝戦=高橋孝徳─02─「ツマラナイ試合というのはその通り」

【写真】前回の試合で勝ち名乗りを受ける時の表情。この時に想ったことが、どう生かされているのか。または焼き直されて、その感情は関係ないぐらい強い意思を持って臨むのか。明日が楽しみ (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、小島勝志とのフェザー王座決定トーナメント決勝に臨む高橋孝徳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

前編に続き『試合が面白くなかった』という意見に反論するかと思えば、話は思わぬ方向に……。打ち合うのか、極め合うのか。あるいは潰し合うのか――この高橋×小島のトーナメント決勝は、『MMAとは何か?』と考えられるキッカケになるかもしれない。

<高橋孝徳インタビューPart.01はコチラから>


――MMAで打ち合うことが必要な場合もあるでしょう。ただ、それは勝つために打ち合いへ持ち込む場合であり、高橋選手の仰るとおり勝つと負けるでは違ってきます。

「スタンドの打ち合いだけじゃなくて、組み技についても同じだと思うんですよ。じゃあ極まらないサブミッションを掛け合うほうが面白いのかって。ポジションを整えるより、そちらのほうがアクションと見なされてしまうじゃないですか。テイクダウンに来た相手の首に腕を回していても、ギロチンを狙っているフリだけかもしれない。ちゃんと組み技の攻防が分かる、分かるから自分の試合がツマラナイっていう意見は、受け入れないといけないと思います。打ち合いを楽しみにしている人や、極め合うだけのグラップリングを求めている人が、そういうことを分かってくれる時代が来るのか……」

――大切なのは、やり続けること。そして勝利を目指し続けることではないですか。

「先日からMe,Weの仲間になった福島啓太君が、すごく嬉しいことを言ってくれて。僕が試合後『クソみたいな試合してしまった……』と言ったら、福島君は『でもみんな、1年後には勝ったか負けたかの結果しか覚えていないですから』と。確かにそうなんです。だからファイターって、まずは勝ってナンボだなって思いました」

――では高橋選手ご自身が、タイルの軸は同じであったとしても、小島選手に勝つために今の自分にとって必要なものはありますか。

「作戦に関わるので詳しくは言えないですけど……、何かを大きく変えないといけないとは思っていません。まだ出していない引き出しが、たくさんあるので。そこに相手をハメていけば勝てるんじゃないかと。『これをやりきれば自分が勝てる』という道筋は見えていて。あとは、相手がそれをやらせてくれるかどうか、というのがポイントですね」

――相手がやらせてくれるかどうかとは、相手次第の部分が大きいということですか。

「はい。小島選手の強さが想定を上回っていたら、通じないところもあると思います。そこは実際に試合をしてみないと分からない部分、ということですよね。ただ、特に小島選手はストライカーだし、自分が待つような展開になると、ポイントは相手についてしまう。まずは自分から能動的に動いて、その展開に持っていかないといけないです」

――一方、小島選手はケージに押し込まれてから逃れて打撃を当てる展開も巧いです。

「どうなんでしょうね。そこはまだ測りかねているところです。ここ数戦で間違いなく、テイクダウンディフェンスは強くなっています。簡単には倒せないとは思いますけど、絶対に倒せないかといえば……そこは楽しみにしていてください」

――なるほど。どんな展開になろうとも、小島選手を組み伏せることができる自信があるわけですね。

「組みの部分だけでいえば、僕のほうが強いです。ずっと腰が重く、体重も重い選手たちと練習しているので。そこは自信を持っています。打撃についても――相手の打撃から逃げていると、逆に組みつきにくい。僕にとって良くない展開になりますから」

――山﨑さんも『村田戦のほうが相手に打撃のプレッシャーをかけることができていた』と評していましたね。高橋選手はアップライトに構え、どちらかというと打撃の重心で。

「もう終わった試合なので今さら言ってもアレなんですけど……。実は村田戦も崎山戦も、最初は打撃で行くプランだったんです(苦笑)」

――えっ!? 今までの話が少し変わってきませんか(笑)。

「アハハハ、完全に打撃でやるつもりでした。でも試合の流れで組んだ時、これは組んだほうが勝てるなと感じたんです。それで勝つための戦略に切り替えました」

――とはいえ『これは組んで勝てる』と思って組んで勝つスタイルは、実際に組み力の差がないと実現できないようにも思います。

とはいえ、押し込んでから先の倒すという攻防が見たいのも見る側の心理にある

「よく言えば、結果的に打撃を出さなくても組むだけで勝てるという状態なんです。

特に崎山戦は、意外と容易にケージへ押し込むことができて、押し込んでからテイクダウンを奪うつもりでした。ただ、テイクダウンとなると崎山選手も強くて。この攻防を続けていると、自分も疲労とかリスクがある。

反対に押し込み続けることはできる、削り続けていけば勝てると判断しました。その結果、ああいう信じられないぐらいツマラナイ試合になってしまったんですよ。だからツマラナイ試合っていうのは、そのとおりで。本当にスミマセン(笑)」

――アハハハ。

「村田選手の場合は、相手のほうから組んでくると思っていました。もともと組みが中心の選手でしたから。僕としてはドロドロの展開に持ち込まれる展開が嫌で。それが思いのほか打撃で来たので――蹴り足をキャッチしたら倒せたし、『これは組みで負けない』と感じたんですよ。2Rは打撃でやろうと思いましたが、結果的には組みで圧倒することになって。

僕にとっても想定と違うし、物足りない試合内容になってしまいました。1回戦も準決勝も、試合後に僕の表情は冴えていなかったと思うんです。もっと苦しい展開になると思っていたし、とりあえず一安心っていう感じでした。でも周りからは『手の内を見せずに勝てたね』と言われて。まぁ打撃を出さなかったのか、出せなかったのかは、見た人の主観ですよ(笑)」

――そのどちらだったかは、次の試合で分かるということですね。

「自分で言うのも何ですけど、テイクダウンディフェンスからの打撃という小島選手のスタイルとは好対照じゃないですか。結構面白くなってきたと思いますよ。MMAだから、いろんなスタイルを見てほしい。そんなMMAの面白さを伝えるような試合をして、ベルトを巻きたいです」

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

The post 【Grachan61】小島勝志とフェザー王座決定T決勝戦=高橋孝徳─02─「ツマラナイ試合というのはその通り」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan Grachan61 MMA MMAPLANET o RIZIN キック パンクラス 中川皓貴 亀井晨佑 小島勝志 梶本保希 鈴木千裕 高木凌 高橋孝徳

【Grachan61】フェザー級王座に王手、小島勝志─02─「どちらかというと、自分にはやりやすいタイプ」

【写真】力みがなく、非常に柔らかい印象の小島。特に打撃でジワッと圧を掛けることがデキ、相手にとっては嫌だろう (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、高橋孝徳とフェザー級王座決定トーナメント決勝を争う小島勝志のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

小島といえば、テイクダウンディフェンスからカーフキック、そして右ストレートを主体としたパンチで倒すというスタイルで、トーナメント決勝まで進んできた。そのスタイルはいかにして構築されてきたのか尋ねた。

<小島勝志インタビューPart.01はコチラから>


――なかなか勝てない時期……。2017年から2018年までパンクラスを主戦場としていましたが、戦績は2勝3敗でした。その期間は何を目標としてMMAを戦っていたのですか。

「目標ですか……。正直、当時はMMAをやっていて将来が見えることはなかったです。山梨には自分以外プロのMMA選手がいなかったと思いますし、僕は僕で昼間の仕事もしていて。そんななかでパンクラスから試合のオファーを頂いたのですが、地下格闘技から始まった僕がパンクラスに出るというのは想像していない世界でした。その変化に対して自分の気持ちが追いついていなかったかもしれません」

――2019年からグラチャンに参戦して以降も、2020年までは2勝1敗1分という戦績でした。それが2021年以降は現在まで5勝1敗、唯一の敗北がRIZIN TRIGGERの中川皓貴戦。この間に小島選手の中で技術面などの変化があったのでしょうか。

「初期は相手の寝技に付き合ったりすることが多かったけど、そういうことは一切やめました。今の戦い方になって、試合で倒せるようになってきたのかなって思います。特にテイクダウンディフェンスの練習をするようになったことは大きいです。それまでは昔の名残り――というわけではないけど、『下になっても極めれば良い』なんて中途半端な形で打撃を出していて。そのために、際の甘さが出ていたと思いますね」

――なるほど。最近の試合ではカーフキックも多用しています。あのカーフキックがあるからこそ、より打撃も当たりやすくなったのではないでしょうか。

「カーフを蹴ることでパンチも当たりやすくなるし、相手も組みづらくなってきますよね。いつも試合では、そういうプランでカーフを蹴っています。でも最初はカーフを蹴るつもりではなかったんです。最初は足払いのような形で蹴り始めて。その後にカーフキックの存在を知って、『これは自分も得意かもしれない』と練習し始めました」

――その足払いローキックもカーフキックも、誰かに教わったわけではないのですか。

「教わってはいないです。自分たちの練習の中で試しながら、『ココはもうちょっと変えたほうが良いなぁ』とかチームで話をして。誰か指導者がいるという環境でもなかったので。昔から一緒に練習してきた仲間たちや、新しく育ってきた子たちと練習しています」

――そのような環境の中で3連勝の後、2022年2月にRIZIN TRIGGERで中川選手に判定負けを喫しています。あの試合内容と結果については、いかがですか。

「うーん……正直言うと、僕としてはグラチャン王者になってからRIZINに出たいという気持ちがありました。でも岩﨑さんからお話を頂いて、地元に近い静岡大会でもあったので出ることにしました。モチベーションも高かったし、良い練習はできていたと思いますけど、うまくいかなかったですね」

――そのRIZINの後に、遂にグラチャン王者になるためのトーナメントが始まりました。

「トーナメントに出ることになってからは、1回戦からKO勝ちか一本勝ちすることを自分の中のテーマにしていました。気持ちとして焦っているわけじゃないけど、ここでしっかり倒して勝てないと、チャンピオンになって以降もどうなんだろう――と思っていて。今しっかり倒して勝てていることは自信というか、安心できます」

――そして迎えるトーナメント決勝戦。目指していたベルトが目の前に来ていますが、現在の心境を教えてください。

「実は、そういう感覚がないんです。よく『タイトルマッチでも普段と何も変わらない』って言う選手がいるじゃないですか。今の僕も同じで。感情が揺さぶられていることもないし、これまでの試合と同じ感覚でいます」

――対戦相手である高橋選手の印象はいかがですか。和田戦、鍵山戦に続き、組みが強い選手との3連戦です。

「そういう試合が続くだろうなとは、出場選手が発表された時に思いました。『組みが強いタイプの選手がトーナメントで勝ち上がってくるだろうな』って。僕もグラップリングに付き合いたくないわけじゃないし、寝技なら寝技で仕留めてやろうという気持ちはあります。ただ、最初から試合の組み立てとして考えていないといいますか……。

でも組みのタイプも、それぞれ違いますよね。高橋選手は四つが強くて、首相撲とか四つからの崩しが多い選手で。どちらかというと、自分にはやりやすいタイプだと思います」

――小島選手の場合は、ケージに押し込まれたほうが得意ですか。

「はい。RIZINに出る前から、ケージに押し込まれてからの展開は練習していました。今はパラエストラ八王子のプロ練に行かせてもらっていて、練習でも四つからテイクダウンされることは少ないです」

――パラエストラ八王子には小島選手と同じタイプの選手が多いですね。そのパラエストラ八王子まで山梨から通っているのですか。

「でも高速を使って、車で1時間ぐらいですよ。多い時は週2回ぐらい行かせてもらっています。亀井晨佑選手とはパンクラスのネオブラで対戦していて(2018年5月に亀井が判定勝ち)、その試合があったから塩田GOZO代表も僕のことを知っていてくれたと思います。だから行きやすくて、亀井選手とも『おぉ、久しぶり~』みたいな感じでした(笑)。亀井晨佑選手、高木凌選手、梶本保希選手と同じ階級の良い選手が多くて。鈴木千裕選手も来ていますし、良い練習ができています」

――それは試合が楽しみです。では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。KOか一本勝ちでトーナメントを締めくくり、チャンピオンになります。そして、さらに皆さんが喜んでくれるような舞台へ連れていきたいと思います。まずは今回のトーナメント決勝戦、応援よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

The post 【Grachan61】フェザー級王座に王手、小島勝志─02─「どちらかというと、自分にはやりやすいタイプ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Grachan Grachan61 K-1 MMA MMAPLANET o PRIDE キック パンクラス ボクシング 和田健太郎 小島勝志 山本琢也 鍵山雄介 高橋孝徳

【Grachan61】高橋孝徳とフェザー級王座決定T決勝、小島勝志─01─「いわゆるギャングをやっていました」

【写真】ギャングをやっていました──と、サラっといえるのが何となく凄い (C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、小島勝志×高橋孝徳によるフェザー級王座決定トーナメント決勝戦が行われる。
Text by Shojiro Kameike

山本琢也が返上したフェザー級王座を賭けて、昨年8月よりスタートしたトーナメント。小島は1回戦で和田健太郎を、準決勝で鍵山雄介をそれぞれKOで下して決勝に進んだ。地下格闘技からプロMAファイターへ――山梨県在住のプロファイターとしてのキャリアについて訊くと、スタートは和術慧舟會のバックテイク& RNCだった。


――今回が初インタビューとなります。まずキャリアについてお聞きしたいのですが、MMAだけでなく格闘技を始めたのは、いつ頃なのでしょうか。

「23歳ですね」

――他の競技を経験したのちに23歳ごろからMMAを始める選手もいるかとは思いますが、かなり遅いスタートではないですか。

「アハハハ。特に昔から格闘技が好きだったわけでもなくて。成り行きというか、日常がつまらないと思って、23歳の時に初めて山梨にある和術慧舟會フォーランバス(現在は和術慧舟會ではない)というジムに入会したんです」

――23歳まで他のスポーツ経験はあったのでしょうか。

「小学校からサッカーを始めて、中学時代はクラブチームに入っていました」

――クラブチームということは、Jリーグを目指すようなサッカー選手だったわけですね。

「はい……。でもサッカーは中学まででした」

――そのまま高校に進学して、サッカーを続けようとは思わなかったのですか。

「それが――ちょっとグレてしまったんです(苦笑)。サッカーも中3ぐらいから、やる気を失っていました。高校も定時制には入ったけど、それもすぐに辞めて。16~18歳まで、いわゆるギャングをやっていたんですよね。でも20歳になった頃、もうケンカとかは辞めて仕事をし始めたのですが、日常には不満があって……。その頃に地下格闘技というものがあると知ってジムに入ろうと決めた、という経緯です」

――23歳から地下格闘技へ!

「定時制の高校を辞めてから建設業をやっていたんですよ。それで23歳の時に独立しまして。それで『一つ目標が達成した』という気持ちがありました。本当は、独立してからもっと頑張らないといけないですけどね(笑)。それで次の目標を見つけたい――という時に格闘技と出会いました」

――ただ、K-1やPRIDEを中心とした格闘技ブーム全盛期は知らなかったのですね。

「当時流行っていたとは思いますけど、全く知らなかったです。それよりはアウトサイダーや地下格闘技のほうを知って。でも、元々ファンだったわけではなかったです」

――そこで小島選手をMMAに向かわせた要因は何だったのでしょうか。

「ネットで検索して和術慧舟會フォーランバスに入門した初日に、寝技オタクみたいな人たちにやられて。絶対負けたくない、その気持ちが原動力になりました(笑)。そこから、どっぷりと格闘技に浸かっています」

――そこから地下格闘技は何試合、経験しているのですか。

「細かくは覚えていないですけど、50~60戦ぐらいはやったはずです。 2週連続で試合したり、1カ月に4回出場したこともありましたよ。戦績は……地下格闘技で負けたのは10回ぐらいで、ほとんど負けていなかったと思います」

――地下格闘技時代の試合映像も拝見すると、当時から今のスタイルに繋がる、しっかりと右のナックルを急所に当てる技術を持っていました。てっきり空手や他の打撃競技をやっていたのかと思っていたのですが……。

「ありがとうございます。もともとは打撃をやりたくて。近所にキックボクシングのジムがあったんですけど、なぜか入ることができませんでした。次に近いのが、車で45分ほど行ったところにある和術慧舟會フォーランバスで。そこに入ったものの、打撃はやらせてもらえませんでした(笑)」

――そこで和術慧舟會に入ったおかげか、地下格闘技時代からバックテイクは慧舟會スタイルでしたね。首に腕を回すと同時にスッとバックに回るという。

「そうなんです! 今までのキャリアの中でも、寝技のフィニッシュはRNCが一番多くて。あのやり方をジムの代表に教わっていました」

――なるほど、合点がいきました。一方、打撃面はどのように練習していたのですか。

「特に誰かに教わったというのはないです。友達とミットを持ち合っていたぐらいで、動画を見て研究するタイプでもなかったですし。なんとなく――ですね」

――その後、地下格闘技団体の王者になってから次の道は、どう考えていたのでしょうか。

「次はプロでやりたいと思って、池袋のブルードッグジムへ行かせてもらうようになり、プロを目指して練習していました。東京ではスカイライブRにも行かせてもらって」

――スカイライブRとは、魔裟斗さんのトレーナーを務めていた土居進さんのパーソナルトレーニングジムですよね。

「はい。スカイライブRにはコロナ禍になるまで、週1で山梨から通っていました。僕は集団のクラストレーニングに参加していて、とにかくキツかったです。おかげでスタミナ面では、5分2Rフルで戦える自信はつきました。それまで山梨では経験したことのなかったトレーニングで、衝撃を受けましたよね。K-1に出場されている選手もたくさん来ていて、『これぐらいトレーニングしないとプロでは勝てないのか』と実感しました。そういうところは、すごく大きな影響を受けています」

――その経験から東京に拠点を移そうとは考えなかったのですか。

「実は一時期、東京に住んでいました。でも当時、格闘技へのモチベーションが落ちてしまったんですよ。GRACHANで咲田ケイジ選手に負けた試合(2015年9月、ギロチンで一本負け)と、地下格闘技を含めて4連敗して山梨に戻りました。いま考えると、『もう格闘技は辞めてもいいかな』という気持ちだったと思います」

――そこまでモチベーションが落ちたにも関わらず、再びケージの中に戻ってきた要因は何だったのでしょうか。

「地元では昔からの練習仲間が、変わらず車で片道45分かけて練習していました。そんな彼らのために、近くに良い練習環境をつくりたくて、自分のジム(スタイルプラスジム)を立ち上げたんです。そして彼らと一緒に練習しているうちに、自分も続けようと思いました。

ただ、その後はパンクラスに出ていて、なかなか勝てませんでした。自分としてはジムを軌道に乗せないといけないし、建設業もやっていたので徐々に仕事のほう重きを置くようになって……。そんな時に、グラチャンの岩﨑(ヒロユキ代表)さんから、『最近試合していないけど、どうしたの?』と連絡を頂いたんです。

そして『グラチャンに出るならチャンピオンを目指して、しっかりやっていこう』と言われました。おかげで僕も気持ちを切り替えて、グラチャン王者を目指すことにしたんですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

The post 【Grachan61】高橋孝徳とフェザー級王座決定T決勝、小島勝志─01─「いわゆるギャングをやっていました」 first appeared on MMAPLANET.