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【Colors02】新女子修斗興行 東京大会第2弾にパンクラスからソルトとKARENが出場、国際戦に臨む

【写真】KARENは初の修斗、初の国際戦でパク・ソヨンと対戦する(C)MMAPLANET

12月2日(日)、東京都江東区の豊洲PITで開催される女子プロ修斗興行「Colors02」の追加対戦カードが発表された。なんと現在はパンクラスを主戦場としているソルトとKARENが出場。それぞれ韓国のホ・ジュギュン、パク・ソヨンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike


すでに世界女子アトム級選手権試合として澤田千優×中村未来が発表されていた今大会。追加カードとして、ソルトとKARENの出場が決定したことは驚きだ。

今年に入り元パンクラスQOPの藤野恵実が修斗のインフィニティ・リーグに出場し、一方で元修斗世界王者のSARAMIがパンクラス初代女子ストロー級王者決定トーナメントに参戦するなど、女子においては修斗とパンクラスが意外な動きを見せている。そんななかソルトとKARENが、戦う舞台はともかく国際戦に挑むことも大きい。

ソルトは2022年に修斗でプロデビュー後、パンクラスでKARENに2連勝してストロー級QOPのベルトを巻いた。今回は2022年7月以来、1年5カ月振りの修斗出場となる。KARENにとって、パンクラス以外で戦うのはこの試合が初めてとなる。

現在修斗では女子ストロー級でインフィニティ・リーグが開催されていることも関係しているであろうが、それでもソルトとKARENの参戦で『さぁ対抗戦!』とならず韓国ファイターとの国際戦が決まったことは画期的ともいえる。興行面のみならず日本の女子MMAファイターが強くなるうえで、こうした国際戦は絶対に必要だ。

KARENと対戦するパク・ソヨンは過去、修斗には2度参戦している。今年8月にはColors広島大会で古賀愛蘭と対戦して判定負けを喫したものの、古賀のパウンド&サブミッションによる猛攻を凌いだタフネスで、KARENを苦しめることができるか。KARENはパラエストラ柏に移籍し、組み技がレベルアップしたことで本来の持ち味である打撃と、さらにスタミナ面も向上してきた。ソルトに敗れて以降の成長を示す相手として、パク・ソヨンは適したタイプだろう。

この他、グラップリングマッチでも前澤智×山田海南江、緒方亜香里×奥谷晴加も決定。当日は「Fight&Mosh」との2部興行で、Colors02は昼の部として開催される。

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【UFN229】デモパウロス戦へ、村田夏南子─02─「相手の気持ちを折りに行く試合をしたい」

【写真】とにかく雰囲気の良さが伝わるMe,We (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC Apexで開催されるUFN229:UFN on ESPN+87「Dawson vs Green」で、ヴァネッサ・デモパウロスと対戦する村田夏南子のインタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

2年4カ月振りの試合、トラウマになりかねないタイでの負傷を乗り越えて、再びオクタゴンの頂点を目指す村田は負傷前より強くなったと力強く──いや、いつものようにボソボソと語った。

<村田夏南子インタビューPart.01はコチラから>


──筋量自体が減ってしまっていた形ですか。

「筋量は測っていないので分からなかったですが、動くのが辛かったです(笑)。年が明けるとやって良い練習がどんどんと増えて行って。最初はそれでも軽いモノからだったのですが、マウスピースを創ってもらってヘッドギアをつけていたらグラップリングも打撃もマスがOKになり、そこまでガチじゃないですけど普通に練習ができるようになったのは1月の終わりぐらいですね。2月になってから、どんどん強度を上げてやってきました」

──練習を再開するうえで、理不尽なケガの仕方がトラウマになることはなかったですか。

「怖いです。やっぱり試合だったらしょうがないですけど、練習で知らない人に打ち抜かれたので。ただ自分がスパーリングをしているよりも、他の人のスパーリングを見ている方が怖くて。やっぱりヒザを合わされているところとかあるので。怖いッスね。練習はヘッドギアを必ずして、毎週のように歯医者さんに通っていました」

──そうだったのですね。

「揺れの確認や、神経が生きているのかそうじゃないのか、ずっと分かっていなかったので。先生も神経を少しでも残したいと思ってくれていたので、神経の反応を毎週のようにチェックしてくれて。時間は掛かりました」

──練習の強度を上げるイコール試合がしたいということだったのですか。

「練習がちゃんとやれるようになったら、その気持ちは強くなりました。でも長い間、試合をしていなくてスパーリングでも感覚が掴めないところあったので、感覚を戻そうとやってきました」

──そして、今日の練習のように弾けるような動きが見られるようになったと。

「でも、上手くいかないことの方が多いです」

──それは負傷前と比較して、ですか。

「いえ、新しいことを取り入れているからです」

──底上げをしているということですね。

「ラスベガスに行ってジェシカ・アンドレジとかと練習したり……、最終的にNYに行ってと一緒に練習していたんですけど、打撃が上手で。魅津希ちゃんにその打撃の部分を教えてもらって、自分はレスリングを教えて……みたいな感じで。打撃が伸びて、寝技はMe,We、IGLOOの山田海南江選手と練習をして底上げをしてきました」

──では復帰戦の相手、デモパウロスに関してどのような印象を持っていますか。

「これまで自分より背の高い人との試合が多かったのですが、同じぐらいの身長で珍しいです。タフで勝っても負けても頑張っている印象があります。だからこそ、相手に負けない強い気持ちを持たないといけない。相手の気持ちを折りに行く試合をしないといけないです」

──この間の苦労を経験したことで、より強い想いをもってオクタゴンに足を踏み入れることができるのでしょうか。

「それは思わないです。う~ん、練習をしていたら勝ちたいという気持ちが強くなります。試合は絶対に勝てるモノではなくて、練習をするのは勝率を上げるためです。練習をして確率を上げて……でも、相手もやっていて。自分も打撃の部分、寝技の部分、全ての面で底上げしてきたので。相手のパンチが見えてきたから、テイクダウンのカウンターも合わせることができます。それができるようになってきました。組んだら前以上にできます。それに気持ち的にも強くなったかと(笑)」

──トップ10、トップ5にステップアップするために、今回はどのような試合をしたいと思っていますか。

「ここで勝つのと負けるのでは、次の相手が代わってきます。上に行くために勝たないといけない相手──気持ちを折りに行く試合をしたいです」


■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN229対戦カード

<ライト級/5分5 R>
グラント・ドーソン(米国)
ボビー・グリーン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・パイファー(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー(米国)
ライアン・グレン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ムニョスJr(米国)
アオリーチーラン(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
村田夏南子(日本)
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
マテウス・メンドンサ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ(米国)
JJ・オルドリッチ(米国)

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ABEMA KAREN MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase326 RIZIN UFC キック ボクシング 山田海南江 海外 藤野恵実

【Pancrase326】KARENの挑戦を受けるストロー級QOP藤野恵実―01―「全然――伸びしろがある」

【写真】そう思えるのが、素晴らしい(C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、ストロー級クイーン・オブ・パンクラスの藤野恵実が、ランキング1位のKARENを挑戦者に迎えて、ベルトの初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

2018年8月、藤野はストロー級QOP決定戦でヴィヴィアニ・アロージョに敗れた。そのヴィヴィアニがUFCと契約したことで、2019年9月から暫定王者決定トーナメントがスタート。1回戦でエジナ・トラキスをTKOで下した藤野は、続く12月8日の決勝でチャン・ヒョンジにRNCを極め、念願のベストを腰に巻いている。

王座戴冠から2年3カ月――RIZIN出場やグラップリングマッチを経て、再びデカゴンに立つ藤野に現在の心境を訊いた。


――2019年12月に獲得したベルトの防衛戦が12日後に行われます(※取材は3月9日に行われた)。現在のコンディションはいかがですか。

「コンディションは変わらず、ですね。いつもどおり……今は練習もコンディションも変わらないし、変えないようにしています。常に同じ状態でいるように努めていますね」

――常に同じ状態にしているというのは、いつ頃からでしょうか。

「いつからだろう……だいぶ記憶力が無くなってきていますね(笑)。でも、ここ数年はずっと同じですよ。試合前だからって特別な追い込みをすることもなく、試合がないからって練習しないわけじゃないですし」

――2019年12月にパンクラスでベルトを巻いて以降、MMAの試合は昨年9月にRIZINで浜崎朱加選手と対戦(判定負け)しているのみです。その間、海外のプロモーションと交渉していたというお話ですが……。

「それは私のことを気にかけてくれていた方が、いろいろと紹介してくださっていたんです。私もいつまで戦えるかは分からないけど、最後まで強い選手と対戦したい。同時に、パンクラスでは戦う相手がいない。そんな想いと状況を汲んでくださったと思うんですね」

―-パンクラス王者となってから、藤野選手の目標はどこにあったのでしょうか。

「もともと2つの目標があったんです。ひとつはベルトを獲ること。もうひとつは、ずっとUFCに行きたいと思っていました。でもUFCは年齢やキャリアのこともあって行けなかった。そこでパンクラスのベルトを獲って、次はどうするかとなった時に……もちろんパンクラスで防衛戦を行いたいと思っていたんですけど、やっぱり相手がいないのは大きくて」

――……。

「そうなると、パンクラスが認めてくれるなら、いろんなところで戦いたいと思って。できるだけ強い選手と戦っていきたい、という気持ちが一番強かったです」

――しかし、海外プロモーションとの契約は成りませんでした。MMAの試合間隔が空いたのは、そうした交渉が理由だったのですか。

「いえ、そういうわけではないんです。パンクラスからも外国人選手との試合のお話をもらっていて、あとは発表待ちの状態だったんですけど、コロナ禍で入国規制が掛かり……」

――そうだったのですか。2019年は3試合を戦っている藤野選手にとって、これだけブランクが空いた影響はあるのでしょうか。

「基本的には、1年に3試合はしたいと思っています。でも、試合がないからモチベーションが下がるということはなくて。練習は日常としてやっていることだし、それが最初に言った『変えないようにしている』ということなんです」

――なるほど。

「ただ、RIZINに出た時に、試合勘がないことを実感したんですよ。3R目になってようやく試合の感覚が戻ってきて」

――試合勘がなくなっている……それは、どういった状態なのでしょうか。

「行くべきところで行けない、ココっていう時に見てしまう、とかですね。たとえば、スパーだと危ない状態になったら止めるじゃないですか。そこから追撃しなかったり。でもそれって、試合なら行くべきところですよね。その部分が切り替えられなかったのは大きいです」

――藤野選手にとっては、これだけブランクがあるのは初めてですか。

「デビューしたての頃に交通事故があって、ブランクをつくったことはありました。でもそれはデビューしたての頃なので、参考にならないですよね。それ以外だとないです。MMAの試合がなかったらキックボクシングとか、何でも出ていたので」

――確かに過去、藤野選手はキックボクシングやシュートボクシング、さらにレスリングのマスターズ大会にも出場していました。それらと同じように、UNRIBVALEDに出場したのですね(山田海南江に1-6で敗れる)。

「そうですね。あとはクインテッドとか。ただ、MMAPLANETのインタビューでも言ったんですけど、アマチュア大会に参加費を払って出るのに、あんなに大きく書かれちゃって……」

――アマチュア大会でも藤野選手が出場するとなれば、間違いなく大きく扱われます(笑)。

「アハハハ。私としては、今の自分の力を試したいというぐらいの感覚だったんですけどね」

――では反対に、ブランクが空いたことによるメリットはありますか。

「しっかり練習できました。以前よりも基礎をやろうという感じで練習できたことは良かったです。試合が次々決まっていると、どうしても捨てなきゃいけないものが出て来るんですよ」

――捨てなければいけないもの、ですか。

「たとえばMMAの試合が決まっているなかで、柔術だけの練習をやるかといえば、そうはいかないじゃないですか。それよりはMMAの練習をしようと思ってしまう。試合がない間は、そうやってシフトできていたのかなって」

――その結果、自身のなかで掴めたものはありますか。

「まだ伸びしろがあるな、って。まだまだ全然――伸びしろがあるなって思いました」

<この項、続く>

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JJ Globo Report UNRIVALED タツノスケ ブログ 山田海南江 村田卓実 藤野恵実

【UNRIVALED】藤野恵実、総合組み技戦で山田海南江に敗れる。異種組み技から総合組み技への一歩

【写真】立ちの攻防をスポイルさせないポイント制のアンライバルドだからこそ、スイープとスクランブルの攻防が重要になり手に汗握る攻防になる(C)MMAPLANET

22日(土)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで「UNRIVALED ALTANA」が開催され藤野恵実が山田海南江に1-6で敗れた。

アンライバルドは最近の潮流にあるノーポイント&サブオンリーではなく、ポイント制を用いている。背中から落とした投げに一本、引き込みがマイナス2P、抑え込みと一部のサブミッションに捕らえられた状態からエスケープして立ち上がり、正対するとリカバリーの1Pが与えられる。

立ち技をスポイルしないことで、柔道、サンボ、MMAファイターにも門戸を開くトータルグラップリングの確立を目指す大会だ。そんなアンライバルドのアマチュア大会にクィーン・オブ・パンクラシスト藤野が出場し、トップレスラーから柔術に転じ、このルールに最も適していると思われるスタイルの山田と対戦した。


<グラップリング59キロ/10分1R>
山田海南江(日本)
Def.6-1
藤野恵実(日本)

フィジカルで上回る藤野だが、彼女のテイクダウンは打撃があってのテイクダウンであり、グラップリングでは受けのファイトにならざるを得ない。

そんな立ちレスの状態で山田が見事なニータップ気味の朽木倒しでテイクダウンを奪うと、スタンドに戻ることなく寝技勝負を挑んだ。

ハーフの藤野からパスを決め、しっかりと抑える山田。足を戻せない藤野は、腹ばいになりシングルに出るも、がぶった山田がバックに回り両足をフック、ポイントを6-0とする。

足を開かせ、腰をずらして胸を合わせたい藤野だったが、このタイミングで山田が巧みにトップをキープし肩固めの要領で抑える。

藤野はフレームを作って解除し、背中を預けてスクランブルへ。ここも立ち切れず、山田がワンフックのバックから再びトップを取りにいく。

このタイミングで足を引き、柔術立ちした藤野のリカバリーに1Pが入る。

ただし時間は殆ど残っておらず、立ちレスの攻防で時間となり山田が藤野を6-1で破った。

テイクダウン→パス→バックグラブでポイントを重ね、藤野がスクランブルで1Pを挽回。この試合はサブミッション・アテンプトがあればアンライバルドの目指す総合組み技戦=トータルグラップリングを体現しているファイトであったといえよう。

その点でいえば最終試合もアンライバルドらしい、試合展開であった。

<グラップリング65キロ級/10分1R>
タツノスケ(日本)
Def.2-0
村田卓実(日本)

タツノスケが立ちレスでテイクダウンを狙い、スタンドで圧力をかける。

村田はマイナス覚悟で引き込みを続け、下からフィニッシュを狙いつつ、とり切れないと判断するとリバーサルでマイナス分を取り戻す。

さらに上からキムラの狙いの村田に対し、タツノスケがハーフでブリッジしたスイープは、彼がカルペディエム芦屋所属ということを考えると、攻防で魅せる部分では大会ハイライトといえよう。

結果的に上を取り切ったタツノスケが2-0でポイント勝利となった一戦は、同じ意志を持つ同種格闘技のなかで互いが攻防を見せたノーギグラップリング、そして大会ベストバウトだった。

対して山田✖藤野は異種の格闘家が、トータル組み技能力を競い合った対戦であった。

総合組み技力を問うアンライバルドだが、現状は異種組み技戦という要素が強い。特に道着の2試合は引き込みを選択した相手の土俵に、上の選手が足を踏み入れないよう戦う時間が多かった。それでも果敢にパスを狙うシーンも見られ、また結果的に自分のフィールドに持ち込んで足関決着もあり出場選手のチャレンジ精神は十分に伝わってきた。ともあれ引き込んで減点された相手に対し、上の選手が寝技に応じない点において柔術的な見方をすれば、不満が残るのも事実だろう。

と同時に総合的な組技を目指すのであれば、マイナス覚悟でも十分な形で引き込むことも重要視される。現状、ルールセットは総合組み技戦、マインドセットは異種組み技戦のアンライバルドだけに、山田✖藤野が異種ながら総合組み技戦となった──いや山田がそう戦ったことが光った。ルールセットの設定は試行錯誤があっても容易い。その一方でマインドセットの浸透は勝負が掛かっているのだから、簡単ではない。総合でなくても、出場選手は勝ちたい。結果的に総合力がないと勝てないよ──という状況まで、試合内容を昇華させることが、総合組み技戦=アンライバルドにとって不可欠。長い旅ははじまったばかりだ。

■その他の試合結果

<グラップリング無差別級/10分1R>
アンディコング(日本)
Def.18-6
谷口実(日本)

<グラップリング80キロ/10分1R>
高橋快人(日本)
Def.3分56秒by ストレートフットロック
ヨシイノウエ(日本)

<道着60キロ級/10分1R>
宮川太暉(日本)
Def.2- -2
堤宏太(日本)

<道着80キロ級/10分1R>
下前快喜(日本)
Def.5分03秒by トーホールド
深沢新(日本)

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Interview JJ Globo UNRIVALED ブログ 山田海南江 藤野恵実

【UNRIVALED】「まだ生きているよ」藤野藤野恵実が組み技戦で、天皇杯3位の紫帯・山田海南江と対戦

【写真】がぶっても、これはダメ!! 上攻め重視のアンライバルドで藤野がどのようなMMAグラップリングを見せるか (C)KEISUKE TAKAZAWA

明日22日日(土)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるグラップリング大会「UNRIVALED ALTANA」で、藤野恵実が出場しエキスパート59キロ級で山田海南江と対戦する

MMAは一昨年12月以来、試合機会が巡って来ないQOP藤野は、3月のQuintetに続きグラップリングで戦うことを決めた。エントリー費用を納めて、試合をする──純然たるアマチュア組み技戦への出場に関して、「ひっそり試合がしたかった」と何度も言葉を重ねる藤野が、試合前日にインタビューに応じてくれた。

Unrivaled(アンライバルド)はグラップリングながら、最近流行りのノーポイント&サブオンリーではなく、またIBJJFノーギ柔術とも違う。柔道、サンボ、MMAグラップリング、柔術の技術をスポイルしない総合組み技格闘技を実践するために独自のポイント制を用いている。

テイクダウンは2P、引き込むと-2P、リバーサルで上を取れば2P、さらにマウント、サイド、バックマウントにも各2Pが与えられ、抑え込みとサブミッションからエスケープして立ち上がり、向き合うとエスケープで1Pが入るのも大きな特徴だ(サブミッションに関しては、下からの腕十字や三角、足関節を上の選手が逃げて立ち上がってもポイントとはならない。あくまでも下でサブミッションの態勢に入られたり、バックチョークなどの攻撃を受けている選手が技を解き、立ち上がってエスケープすることで加点される)。

もちろんサブミッションによるフィニッシュ、加えて投げ技でも背中から落とせば一本が認められている。そんなアンライバルドで藤野が対戦する山田海南江は2016年レスリング天皇杯48キロ級3位、社会人選手権でも上位入賞を繰り返したレスラーで、柔術ではTriforceからIglooに籍を移し紫帯を巻く。

柔術に偏らないためのグラップリング=アンライバルド・ルールにもっと適した山田との対戦を翌日に控え、藤野に話を訊いた。


──アンライバルドの対戦カードに藤野選手の名前を見つけて、正直驚かされました。

「ひっそりと出たかったのですが、SNSでプロマッチのように紹介されてしまって(苦笑)。ちょっと待ってよ……と。参加費払って出る試合なのにって」

──ともあれ、このタイミングでグラップリングマッチに出場するというのは?

「MMAの試合がなかなかなくて、相手やタイミングが合わないということで。もう1年半戦っていないですからね。ただケガもあって、ヒザの調子もあってMMAは難しいという時にQuintetの話を頂いて。それを機に出られる試合はどんどん出たいと思うようになりました。

それに立ち技でプロMMA選手がアマチュアの試合に出るというのも難しいのですが、グラップリングはプロやアマチュアという区切りはないので、出てみようと思いました」

──ではヒザの具合は?

「日常生活はできないけど、スパーリングはデキるという感じです」

──どういうことでしょうか(苦笑)、逆じゃないですか。普通は!!

「慣れているので、練習はアドレナリンと気を抜かないでいると大丈夫なんです。でも、日常生活は気を張っていないので……」

──なるほど、そういうことですか。ではアンライバルドですが、組み技といっても柔術家がすぐに座るケースが多いノーポイント&サブオンリーとも、IBJJFのノーギとも一線を画したポイント制を用いています。

「ルールに関しては、そんなこだわりはないです。ただアンライバルドの下重視では組み技ルールというのは、出ようと思ったきっかけにはなっています。あくまでも一番戦いたいのいはMMAですし、アンライバルドのルールだとMMAグラップリングでも戦えると思いました」

──それが……対戦相手はレスリングで実績を残している山田選手になりました。

「ほんと引き込まないだろうし、テイクダウンを取られるかもしれないですし。アンライバルド・ルールの利点が、こっちにない。だからひっそりと試合をしたかったです(苦笑)」

──これまで練習で顔を合わせたことなどは?

「私はIGLOOの女子練習に参加したことがあったのですが、その時には一緒ではなかったです。結局、時間的に合わなかったので、1度しかIGLOOの女子練に参加できていないのですが、あの後に彼女は入会したようです。

でも、このクラスのレスラーと組める機会もないので、これまでやってきたことを出したいです。相手ありきの出場ではないですし、エントリーシートを見て山田選手と戦うことを知りました。それこそ勝って当たり前の試合だと意味がないですし、強い相手で良かった……かな?(笑)」

──アハハハハ。59キロは藤野選手の体重ですよね。

「ハイ。試合が組まれるかどうか、一昨日まで分からなかったです。きっと体重を合わせてくれたのでしょうね。10キロも違いはないでしょうが、私の方が大きいです」

──では上を取ることが重視されたグラップリングで、どのような試合をしたいですか。

「正直な話、プロの試合は結果とチケットを買ってくれた人達のために面白い試合をしないといけないですけど、今回は完全に自分の練習と勉強のため。だから、試合内容はどうだろうが勝つことだけ考えて、自分ができることで一番得意なことをぶつけます」

──この試合をMMAに生かす、その気持ちは?

「もちろんあります。逆にもうMMAがないなら、この試合も出ていないです。まだ生きているよって、見せたいです」

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