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【ONE Heavy Hitters】大会2日前、岡見勇信×アタイジ消滅……仙三の対戦相手は変更と$5万ボーナス開始

【写真】仙三の対戦相手はシレガーに変わった。キャリア4勝1敗、しっかりと勝ちたい (C)MMAPLANET

12日(水・現地時間)、ONE Championshipより14日(金・同)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Heavy Hittersのカードが改めてホームページやオフィシャルSNSで発表され、岡見勇信×レアンドロ・アタイジが消滅、仙三の相手がジェレミー・ミアドからエリピツア・シレガーに変更されることが明らかとなった。

試合数は12試合から8試合に減少、そのなかに岡見の試合が含まれるというショッキングなアナウンスがイベント2日前になされたが、現時点でプレスリリースやオフィシャルの公式見解はなされていない。


MMAPLANETでは先週末からアタイジに取材を申し込んでいたが、一度は決まった時間がキャンセルになり、そのまま確定しないという状況にあった。取材キャンセルの理由はアタイジの欠場により、理由が理解できた次第だ。

加えて仙三の対戦相手であったミアドは、タイを離れる前夜に取材を終えていたが、シンガポールに入ってから事態が急変した模様だ。結果、第1試合でロビン・カタランと対戦予定だったシレガーと仙三は拳を交えることになる。

現状、出国の48時間以内、空港、現地入りが日曜日でその日と、月曜日にもPCR検査が行われており、機内で濃厚接触者になるケースも存在することを考えると、ファイトウィークに入ってもこのような事態に陥ることは十分にあり得るという見方ができる。

この他、ONEキックボクシング世界ヘビー級選手権試合=ロマン・クリキア×ムラット・アイグン、ムエタイ・フライ級のエリアス・マムーディ×ヴァウテウ・ゴンカウベスもキャンセルされている。ブラジル勢が揃って欠場となったのは、コロナかビザの問題か……オフィシャルの発表がないため不明だ。

いずれによせ、岡見の2年3カ月振りのファイトがなくなったのは残念というしかない。

その一方でONEは昨年12月のWinter Warriors大会から5万ドルのパフォーマンス・ボーナス制を開始しており、同大会ではダギ・アサラナリエフとティモフィー・ナシューヒンの両者がボーナスを獲得した。

今大会から全イベントで最低1名、最大5人までボーナスが支払われることをチャトリ・シットヨートンが明言しており、そういう意味では12試合=24名から、8試合=16名となった今週の大会では日本人選手にも、ボーナス獲得のチャンスは広まったといえる。

■視聴方法(予定)
1月14日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Super App

<ONE世界女子ストロー級(※キロ) 選手権試合/5分5R>
[王者] シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]三浦彩佳(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジェイムス・ナカシマ(米国)
ザイード・イサガクマエフ(ロシア)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<ストロー級 (※キロ)/5分3R>
仙三(日本)
エリピツア・シレガー(インドネシア)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ベイブラット・イサエフ(ロシア)
ヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
トロイ・ウォーセン(米国)
上久保周哉(日本)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ティファニー・テオ(シンガポール)
モン・ボー(中国)

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【ONE Heavy Hitters】三浦彩佳の挑戦を受けるパンダ=シィオン・ヂィンナン「何よりも自分を信じている」

【写真】アトム級の時と比べると、絶対的にコンディションが良さそうな女子ストロー級王者だ (C)MMAPLANET

14日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Heavy Hittersで三浦彩佳の挑戦を受けるONE世界女子ストロー級チャンピオンのシィオン・ヂィンナン。

ヂィンナンはパンデミック後、母国に戻るもなくシンガポールで自身の強化に取り組んできた。立ち技も含め、5度防衛成功はONEの最長記録。そして6度目の防衛を目指すヂィンナンの話を訊いた。


──ファイトウィークのメディアデーに個別インタビューの機会を与えてくれてありがとうございます。なかなかハードなスケジュールのようですね。

「そうなの今日は試合前で一番忙しい日で(笑)。でもアヤカ・ミウラとの試合に向けて、精神的にも肉体的にも最高に仕上げてきたわ。私はこれまでに十分な試合経験があり、たくさんのイベントに参加してきたから、どのようにファイトウィークを過ごせば良いのか──如何に自分をコントロールできるかは分かっている。凄く自信もあるし、試合ができることを幸せに思っているわ」

──最後にヂィンナン選手にインタビューをしたのは2019年10月の日本大会後でした。その後、世界は変わりました……。

「本当に久しぶりね。パンデミックで世界は変わったけど、私の生活は極めて簡潔で家とジムを行き来する……それだけだったわ。この間に新しい技術を学び、新しい戦い方を新しいコーチと構築してきたわ」

──中国に帰国することなく、ずっとシンガポールにいたのですか。

「そうね。もう2年以上、中国に戻ったことはないわ」

──一昨年はともかく2021年になると中国の感染状況は良くなり、MMA選手は以前と変わりなく練習できると言っていました。対してシンガポールはかなりの制限があったかと。それでもシンガポールに滞在し続けたのですね。

「私のチームはシンガポールにあるから。リュート(澤田龍人)もリトゥ(フォーガット)もコーチのシアー(バハドゥルサダ)も、誰も国に戻っていないわ。世界中から世界チャンピオンがEVOLVE MMAに集まっている。私が優先すべきは自分を成長させることだから、チームと一緒にいることを選択したの。シンガポールを離れるなんて考えなかったわ。

確かにトレーニングに制限が加わる時間、家から出られない時間が多かった。でも今はずっと状況は良くなっている。以前はパートナーは1人、小さな空間でしか練習できない時期もあったけど、もうジムにはたくさんの人が来ることが出来ようになったわ。シンガポールの状況は、全てにおいて好転しているから」

──ところでONE女子MMA戦線を考えると、アトム級はGPがあるなど盛り上がりを見せ、ストロー級はヂィンナン選手が淡々と挑戦者を倒している印象があります。今後、ストロー級をアトム級のように盛り上げるのか、再びアトム級に挑戦することを視野に入れているのか、どちらでしょうか。

「以前からアトム級に再度挑むことは頭にあった。と同時にストロー級を支配し続けたい。そして同じことをアトム級でも、やり遂げたい……と思っている」

──了解しました。ではチャレンジャー三浦選手の印象を教えてください。

「なんといっても、素晴らしい柔道家ね。名前は忘れてしまって申し訳ないけど、首と肩を固めるテクニックは素晴らしいわ。そして常に対戦相手の腕を極めてきた。そこが一番印象深いわ」

──三浦選手はヂィンナン選手が完封したティファニー・テオに敗れています。それから1勝をしたのみですが、チャレンジャーに相応しいと考えていますか。

「対戦相手がチャレンジャーとして相応しいかどうかなんて考えたこともない。ONEはハードにトレーニングを積んでいる選手たち対して、フェアにタイトルを掛けて戦う機会を与えているわ。Aという選手がBという選手に負けて。Bという選手がCという選手に負けたからといって、CがAに勝てるとは限らない。勝負に三段論法は通じないから」

──その通りですね。では三浦選手の首投げからの袈裟、そしてキーロックに対して。組み技や寝技での防御にはどれほど自信を持っていますか。

「試合がグラップリングやレスリングの展開になっても、何も問題ない。打撃、グラップリング、レスリングの全てにおいて、トレーニングキャンプで新しい技術を摂り入れてきた。何よりも自分を信じている。そこが一番大切で、自分が勝つことを一切疑っていないわ。

シィオン・ヂィンナンがネクストレベルに進んだことを世界に証明したい。キャリアの序盤から変わらず、多くの人が私をストライカー、ボクサーとして認識しているようだけど、これまでにどれだけ強いグラップラーと戦ってきたか。前回の防衛戦ではミッシェル・ニコリニの柔術に屈しなかった。寝技も対応できたわ。全てのおいて新しくなっているところをアヤカ・ミウラとの試合で見せたいと思っている」

──ヂィンナン選手のハートの強さを十分に知っている日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンにはいつも感謝しているわ。2年前に日本で戦った時に接してくれた日本のファンほど、私のキャリアで真摯に応援してくれる人達はいなかったわ。何人ものファンが私に迷惑を掛けないように、凄く長い間ジッとホテルで待ってくれてから、サインや写真撮影をお願いしてきてくれたの。そんなファンの人達に、変わらず良い試合を見てもらいたい。ベストを尽くすわ」

■視聴方法(予定)
1月14日(金・日本時間)
午後7時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時00分~ONE Super App

<ONE世界女子ストロー級(※キロ) 選手権試合/5分5R>
[王者] シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]三浦彩佳(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジェイムス・ナカシマ(米国)
ザイード・イサガクマエフ(ロシア)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<ストロー級 (※キロ)/5分3R>
仙三(日本)
エリープトゥア・シレガール(インドネシア)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ベイブラット・イサエフ(ロシア)
ヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
トロイ・ウォーセン(米国)
上久保周哉(日本)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ティファニー・テオ(シンガポール)
モン・ボー(中国)

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【ONE Heavy Hitters】ミアド戦へ、満身創痍=仙三─01─「明日でも、今日でも。やる覚悟はできている」

【写真】13カ月前、ホイ・リアン戦では仙三は拳を負傷しても、守りに入ることなく勝利を手にしていた (C)ONE

14日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Heavy Hitterで仙三が、ジェレミー・ミアドと対戦する。

ONEで戦うようになって3年、大きなケガが続いた仙三にとって、1年1カ月振りの試合。決して体調的には万全でないことが、言葉からも伝わってきたが──その分、覚悟ができている。前回、拳が折れても前に出てジャブ、ヒザを続けたように仙三はミアド戦に、いやMMAファイター人生に向き合っていた。


――年が明けて14日にジャレミー・ミアドと戦う仙三選手です(※取材は昨年12月25日に行われた)。調子の方は如何ですか。

「今、試合に向けて追い込み練習と体重を落とすというところで一番キツイ時期ですね」

──2020年12月以来、1年1カ月振りの試合になります。前回のホイ・リアン戦は思わぬ苦戦といいますか、仙三選手の調子が悪かったように見えました。

「あの試合は正直、めちゃくちゃきつかったです。全くプランとは違う試合になってしまって。思った通りの動きが全くできず、終わった後も負けたような気持ちでいて……凄く反省していました。回りからは『勝ったんだから、良かったじゃん』とは言われたのですが、最悪の試合をしてしまいました」

──体調が悪かったのかと思ったような動きでした。

「実は試合が始まって30秒ぐらいで、最初のパンチで拳が折れてしまって……」

──あぁ……、そういうことが起こってしまっていたのですね。

「めちゃくちゃ痛くて、気がつけば初回は攻め込まれていました。2Rも作戦とか全て飛んでしまって」

──作戦通り戦えないのは、その状況では致し方ないかと……。

「とにかく、前に出続けようと思って戦っていました」

──試合前、試合中と仙三選手が万全の体調で戦うことができたのは、いつが最後だろうと思ってしまいます。

「本当に……ONEの3試合、ここ3、4年はケガが多くて……」

──しかも小さなケガでなく、骨折など大きなケガが多いです。

「そうですね……パンクラスで(若松)佑弥君と試合をしてから(※2018年2月)ずっとですね。肩が折れて、足が折れて、拳が折れました。そういうのが立て続けで……。完治せずに試合をして……やっぱりファイターなんで。戦わないとファイターじゃないんで」

──それだけケガ続きだと、調整にも問題が生じていたかと。

「練習はできていなかったです……。前の試合も全くスパーリングができていなくて。アディワンとの試合でヒジが折れて、スパーリングができなかったことと初回に拳が折れたことが影響したと自分では思っています。

今回の試合は実戦的なスパーリングの数を増やして、その練習に絞って調整してきて数週間やってきました」

──ここで1年空いたことで体調的な部分でも持ち直せたと願っています。

「そうですね……。やれることはやってきたという感じです。自分も年齢も年齢なので、試合はしっかりとやっていきたいのですが、これだけ空いたことは今となってはポジティブに捉えています。日々、こうやって格闘技が出来ていること、あの舞台で試合ができることが最高で有難いです。

メンタルの部分ではこの1年、自分のなかで成長したというのは感じています。反面、格闘技の技術であったり、何か上積みされたかといえば、その時間はなかったです。ケガを治す時間が長く、練習する時間が十分だったとは言えないので。その分、考える時間がもの凄く長かったので…格闘技に対する考え方、試合に対する考え方、自分に対して向き合ってきたことが試合に生きるかと思っています」

──そういうなかでONEも大会開催を取りやめたり、カードの調整がたびたび見られましたが、今回のミアド戦のオファーはいつ頃だったのでしょうか。

「決まったのは12月になったばかりか、その直前でしたね。正直、体調的にどうだろうが、試合のオファーがあれば戦うつもりでいつもいます。練習が十分にできているかといえば、決してそうではなくても」

──その分、覚悟はできているという風に感じられます。

「覚悟は常にできています。明日だろうが、今日だろうが、いつでもやれるという気持ちでいます」

──神田コウヤ選手に話を伺った時、プロになりたいという選手はそこそこ集まってきても、気が付けばいなくなっている、と。それだけの練習が松戸や柏では行われているということですよね。

「そうですね、自分はデキる人間としかやっていないので。若い、分からない子とはあまり肌を合わせないようにしていて。でも新しいデキる選手もいますし、今日も杉山(廣平)君にマンツーマンで練習してもらっていました。強くて、若い選手がいっぱい入ってきているので練習相手には困らないです。誰かしら、そういう強い選手がいるのでスパーリング相手という部分では全く問題ないです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
1月14日(金・日本時間)
午後7時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時00分~ONE Super App

<ONE世界女子ストロー級(※キロ) 選手権試合/5分5R>
[王者] シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]三浦彩佳(日本)

<ONEキックボクシング世界ヘビー級選手権試合/3分5R>
[王者] ロマン・クリキア(ウクライナ)
[挑戦者] ムラット・アイグン(トルコ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジェイムス・ナカシマ(米国)
ザイード・イサガクマエフ(ロシア)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<ストロー級 (※キロ)/5分3R>
仙三(日本)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
エリアス・マムーディ(アルジェリア)
ヴァウテウ・ゴンカウベス(ブラジル)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ベイブラット・イサエフ(ロシア)
ヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
岡見勇信(日本)
レアンドロ・アタイジ(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
トロイ・ウォーセン(米国)
上久保周哉(日本)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ティファニー・テオ(シンガポール)
モン・ボー(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
エリープトゥア・シレガール(インドネシア)

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【ONE Heavy Hitter】来年1月14日、三浦と岡見が揃い踏み。新たなるダゲスタンの脅威もONE初陣

【写真】ついに三浦が世界挑戦。岡見は選手育成でなく、ファイターとしての顔が久しぶりに見られる(C)MMAPLANET

17日(金)にONE Championship Japanより来年1月14日(金・現地時間)に開催されるONE Heavy Hitterで三浦彩佳が、ONE世界女子ストロー級王者シイォン・ヂィンナンに挑戦する世界戦と、岡見勇信のミドル級転向初戦=レアンドロ・アタイジ戦が組まれることが、2022年度上四半期のイベント・スケジュールとともに発表された。

同大会を皮切りに1月28日(金・同)、2月11日(金・同)、2月25日(金・同)、3月11日(金・同)、3月26日(土・同)の6大会が行われる2022年のONE。コロナパンデミック以前の水準、月に2大会のライブ中継イベントが組まれる予定だ。

開催地、会場は未発表だが、気になるのが3月26日大会だ。他のイベントが金曜日開催なのに対し、同イベントのみシンガポール軸で考えると土曜日開催になっている。

12月5日に予定されていた初のPPVショー=ONE Xはシンガポールの日曜に予定されていたが、金曜開催でないこの日のイベントが通常大会とは違った形式になるのか注視したい。


なお同リリースで寄せられた三浦と岡見の次戦に関する意気込みは以下の通りだ。

三浦彩佳
「今回、1月14日にタイトルマッチが決まりました。タイトルマッチが決まった時、“遂に来た”という気持ちでした。チャンピオンのヂィンナンは何度も防衛をしていて皆さんご存知の通りとても強い選手ですが、トライブの仲間と共にたくさん練習をしたりアドバイスをもらったりしてきました。前の試合後からずっとヂィンナン選手と戦う準備をしてきました。この試合ではねちっこく勝ちに拘り、やることをやりたいと思います。いつも応援してくださっている皆さんへ。2022年一発目からしっかり盛り上げていきたいと思います。日本のゾンビは強いんだということを皆さんにお見せしたいと思うので、応援宜しくお願いします!」

岡見勇信
「約2年3カ月ぶりの試合。コロナ禍などで試合から遠ざかっていたこの期間は、己について考える機会となりました。19歳でプロデビューしてから、ずっとコンスタントに途切れず試合をしてきて、前回の試合後に、戦う気力が消えかけていました。しかし、その状態から、この期間で、格闘家としての自分を一から見つめ直し、世界ランク2位の記録を残しているミドル級に階級を上げて戻ることを決意しました。
『日本人は不利だ』と言われる重量級でも、そしてたとえ40歳だとしても、世界で勝つことができる。それを証明したい。そう、ふつふつと、また闘いたいという想いが沸いてきました。

そして練習仲間の試合、格闘DREAMERS、選手育成を通して、たくさんのエネルギーをもらい、彼らのおかげで心の中の『闘いの火』がどんどん燃え上がっていきました。今はただ、レアンドロとの戦いが待ち遠しいです。この気持ちを思い出させてくれたみんなに恩を返すために、私の戦いで報いたい。
私の持つ心技体すべてを、レアンドロにぶつける。ミドル級で戦い「岡見勇信」という格闘家、その姿を見届けてほしい。ご期待ください」

同コメントで岡見が触れているミドル級は北米階級で84キロ、ONEミドル級は92キロで名称は同じだが、階級は実質1クラス重くなる。通常体重に近いであろう今回の階級変更は、岡見にとってファイナルカウントダウンの一歩であることは間違いない。豪腕柔術家のアタイジに対し、3R戦い切れるペースと圧力を岡見は見せたい。

(C)ONE

また今回のリリースではザイード・イザガクマエフがジェームズ・ナカシマとのライト級戦でONE初陣を戦うことも合わせてアナウンスされている。

イザガクマエフはカビブ・ヌルマゴメドフの15年来のトレーニング・パートナーで、キャリア19勝2敗。旧ゴリラFC──つまりヌルマゴが買収しイーグルFCと名称を変えたロシアのフィーダーショーの暫定ウェルター級王者だった。

昨年1月10日のダナ・ホワイト御前大会とUFCへのステップアップの舞台を整えてもらっていたUAEW15とEFC32の合同イベントで、ルタリーブリ戦士カールストン・ハリスに敗れ──そのハリスがUFCと契約を果たすという厳しい現実をイザガクマエフは経験している。

ここを経てONEに戦いの場を求めたイザガクマエフだが、強烈なレスリングコントロールの持ち主で、がぶってヒザ蹴りがあるONEルールの最適化ファイターともいえる。ジェイムス・ナカシマ戦次第では、オク・レユン政権のライト級でダイ・アサラナリエフと並ぶ、ダゲスタンの脅威となる可能性は十分にある。

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ONE Result ONE Unbreakable ONE116 ザキムラッド・アブデュラエフ ジェイムス・ナカシマ ブログ モン・ボー リト・アディワン 川原波輝 青木真也

【ONE116】試合結果 青木真也がナカシマに一本勝ち、川原波輝はアディワンにKO負け

【写真】コロナ時代のMMAファイターを地で行った川原波輝。敗れはしたが、目標を目指せる位置に立てることになったのは絶対だ(C)ONE

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE116「Unbreakable」。

セミで青木真也がジェイムス・ナカシマに激勝、9日のオファーを受けた川原波輝はリト・アディワンにKO負け、ザキムラッド・アブデュラエフというダゲスタンの恐怖が初陣を飾った同大会の試合結果は以下の通りだ。

ONE116「Unbreakable」
<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
○カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)2R1分56秒
KO
×アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
○青木真也(日本)1R2分42秒
フェイスロック
詳細はコチラ
×ジェイムス・ナカシマ(米国)
<キック・ヘビー級/3分3R>
○ラーデ・オバチチッチ(セルビア)2R1分11秒
判定
×ブルーノ・スサノ(ポルトガル)
<<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>>
○ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)1R2分08秒
ネッククランク
詳細はコチラ
×ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
<54.8キロ契約/5分3R>
○モン・ボー(中国)3R
判定
詳細はコチラ
×サマラ・サントス(ブラジル)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
○リト・アディワン(フィリピン)2R2分02秒
KO
詳細はコチラ
×川原波輝(日本)

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 青木真也 飯村健一

【ONE116】イベント終了直後の青木真也─03─「僕には僕の理屈があって。それが出せたのが良かった」

【写真】打撃、組み技、普段から磨いてきたモノが見られたナカシマ戦の勝利──日々の表れだった(C)ONE

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE116「Unbreakable」でジェイムス・ナカシマをネッククランクで一蹴した青木真也を大会終了直後にABEMA TVとMMAPLANETが共同で行った単独インタビュー最終回。

青木のなかでの達成感は、他から理解を得ることができていないかもしれない飯村健一氏と積み上げてきたムエタイだった。

<青木真也インタビューPart.02はコチラから>


──結果論として話すのに外れてしまっているので、おかしな話ですが……テイクダウン&コントロールのナカシマ相手にグラップリング用のグラップリングで培ってきた技術が生きるのかと思いました。しかし、スクランブルにすらならなかったです。そこがスクランブルMMAへの青木選手のアンチテーゼのようにも感じられました。

「う~ん、そう言われればそうですけど……。スクランブルゲームは極力したくないというのもあったし。スクランブルを仕掛けられなかった弱さがありますけどね」

──あぁ……。

「自分からいけなかった」

──と同時にナカシマにその展開に持ち込ませなかったです。スタンドでバックをとると、前方に落とされるケースも少ないなから立ったままでRNCを極めました。

「あれは岩本(健汰)選手と何回も練習してきて。岩本さんに教えつつ、教わるような。岩本選手は『青木さんに習った』と言うと思います。でも、それはチョット逆で。岩本選手に指導すると対策されて、教わっているというのがあるんです」

──ケージ側にあった右足でワンフックを取った。逆側で横に倒れて寝技というのではなくて。

「利き足が右足だというのはあります。左足を入れる時に襷にしない。ボディロックにしていて、足をフックできてからシートベルトにする。そうすれば左足はいつかは入る。そういうバック・クリンチのドリルをずってやってきていて、そこは大切にしてきたところです。そういう部分を出せて良かったです。

それでも今回は打撃の立ち姿勢が全てだったと思います。僕は他の人は違う打撃のスタイルをやっているから、直接言われることはないけど『お前、違うだろ』っていう考えの人もいると思います。それは当然、分かっています。でも、僕には僕の理屈というか、考え方があって。それがちゃんと出せたのが良かったと思いました」

──信じているからできることですよね。

「ハイ。僕は信じているし、飯村さんの影響も凄く強いです。実際にイヴォルブにいた時にナムサックノーイやアタチャイというクラスの人に触れさせてもらった。そこで『こういう理屈、こういうことができるんだ』っていうのが、やっぱりあったんです。

それがあるから、その部分を今回の試合で出せたのが良かったかなと思います」

──バック・クリンチにしても、構えにしても積んできたことが試合で出たということになりますね。青木選手はラッキーという表現を使いますが。

「勝負だから、当たるっていうことはラッキーで。やんなきゃ、それは……やっているから土俵に立てるというのはあります」

──やっていないとラッキーもないと。ところで勝負論のある試合と同時に、その後に秋山選手との対戦を考えるということは、日本を活性化……揺り起こしたいという気持ちがあるということでしょうか。

「う~ん、揺り起こしたいっていうよりも……結局、皆が一生懸命やってくれないというのはありますよね。だったら、僕には関わってくれている人がいる以上、自分のできることはやったほうが良いなぁという感じですよね。

でも、元気なうちに勝負論のあることをその前にやっておきたいです。なんか、本当にもっとタフなファイトになって、顔がボロボロになり、体が削れるというイメージでいたので……。だから、本当にラッキーだなって思っちゃいます」

──そうならないのが青木選手の試合だということですよね。

「そう言う意味ではヒクソンのようなモノを見せた試合でした。ゲームの作り方が、そうでした。25年ぐらい前のMMAを見てきた人間の発想でしたか」

──立ち方の件も含め、見る者が考える試合をしてくれたと思います。

「『立ち技が綺麗』という言う人間はいないですよ。今はMMAで強くなる王道スタイルのようなモノが確立されていますが、川原波輝選手の試合とか余計にそう思っちゃいました」

──どういうことでしょうか。

「ああいう形の打撃戦になってしまうんだなって。もっと、武器がある選手だし。メチャクチャ上手だと思うんですよ。それでも右のストレートも当ていたし、KO勝ちもできる試合でした。だから、もうちょっとやりようがあったかとは思います」

──力を発揮したとは言い難い試合でした。結果が出てしまったことなので、言ってもしょうがないことになりますが。

「でも、川原選手はもっと強いですよね」

──もっと強いはずです。

「上手くやろうとしているのか。もっとファイトすれば良いのに。僕らはどうしても外見に騙されちゃうけど、凄く真面目な人じゃないですか。う~ん、もっとやりようがあったのに……」

──そこは川原選手がいかに軌道修正していくのか、ですね。しかし青木選手、今回は本当に良いモノを見せてもらいました。感謝しています。

「こちらこそ、元日からありがとうございました。これから、旧正月だと思ってください(笑)」

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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Bu et Sports de combat Interview ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手 青木真也

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。青木真也✖ナカシマ「武術的には突きの選手」

【写真】武術的な観点に立つと、青木のパンチは組みと融合することで質量が非常に高く間を制することができる。それでも青木が言う『ラッキー』の意味とは(C)ONE

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──ONE113における青木真也✖ジェイムス・ナカシマとは?!


──青木選手が見事にネッククランクで勝利をしたのですが、スタンドでバックを取る前に両ワキを差せた。その組みに行くまでのスタンドの攻防をどのように見られましたか。

「青木選手がムエタイ志向であることは、私も承知しています。そして最初の構えが非常に落ち着いて、よく見えていたと思います。ムエタイの蹴りは私が分かるとは言えないのですが、蹴って終わりにしなかったことが良かったのではないでしょうか」

──それはどういうことでしょうか。

「右のミドル自体は、状態は崩れているといっても良い蹴りです。ただし、青木選手は組まれてから強いから構わない。あの蹴りをグラップリングが弱い人は使ってはいけないかと。あれで相手が入ってきても、組めば自分のフィールドですから。そこまで考えて使っているのだと思いました。特に青木選手はテイクダウンとトップが強いだけでなく、下もできますからね。

MMAを見ていて下が強いって凄いなって、シミジミと感じるようになったんです。とにかく単純な算数としてナカシマの質量に対して、青木選手の質量が優っていました。その大きな要因は突きからのシングルですね」

──フィニッシュに結びついたのは、ナカシマの左をかわしてからの組みでした。そして、その前に右フックを当てていますが、シングルは取りに行っていませんが……。

「ハイ。開始30秒ぐらい、蹴りの後に見せた右。あそこは武術空手の理がMMAで生きるという部分に非常に似ていました。最初にシングルに行った時、サウスポーの構えから、右足で踏み込んで右のパンチを出し、左手で左足を触りに行っています。つまり右の追い突きになっていたんです。

青木選手本人はそう思っていないでしょうが、武術的に見ると青木選手は突きの選手です。パンチではなく、突きです。重心が突きなので、蹴りから突きはできない。ただし、フルコンタクト空手はその重心で蹴りが出せるのが特徴です。

オランダのキックボクサーは、極真の影響を受けて始まったこともあり、突きの重心で蹴りが出せ、蹴りの重心で突きが出せる。そこが米国のストライカーとの違いですね。米国のストライカーは蹴りとパンチにギアチェンジが必要で、タイムラグがある。なかったのはTJ・ディラショーでした」

──そうなると青木選手の突きと組みは、タイムラグがないわけですか。

「ハイ。非常に組みと突きの相性が良いです。青木選手が追い突きを意識することはないでしょう。でも、この追い突きはダメージを与えるということではなく、試合を進めるうえでとても有効でした。完全に入ることができていました。

組みから離れた後に右フックを当てました。間が青木選手だったんです。あの時ナカシマは右足を触られると思っていたのではないでしょうか。青木選手は殴って組む、組もうとして殴るという2つのパンチを出すことができます。

その後、組んでから両差しも完全に青木選手の間であり、質量も青木選手の方が高いままでした。ナカシマがもっとガムシャラに打撃を出して、どんどん組んでいけばまた流れも変わり、あのように落ち着いついていられなくなったかもしれなかった。でも、ナカシマはずっと青木選手を落ち着かせたまま戦っていました」

──青木選手は、ナカシマは10月30日のタイトル戦に負けた試合の影響もあるだろうと言っていました。

「そういう分析力が青木選手にはあるかと思います。自分の試合を他人のことのように分析できるのでしょうね」

──ただし青木選手は右フックが当たったことをラッキーだと言い続けています。

「青木選手のなかで右フックが当たったことは法則性がない。だからラッキーだと考えているのだと思います。理(ことわり)があることを法則性と言います」

──青木選手は技術を語る時に、理という言葉を良く使っています。理があるから信頼があるという風に。

「本当にそうなのでしょう。青木選手は左ストレートも良いモノを持っています。例えば……ベン・アスクレンを倒せるような左の持ち主です。でも、その左ストレートも信じていない。信頼していない。

ベン・アスクレン戦の左ストレートやナカシマ戦の右フックが、猛ラッシュをかけてきたクリスチャン・リーに当たっていたら絶対に倒せています。でも、青木選手自身がそう思っていないだろうから、そこは栓無きことで。

あれだけ組みが強い選手だから、勝負の軸を崩すことはできないでしょうし、そうすることもない。ナカシマ戦の右フックは青木選手のなかでは理……法則性がないモノだから再現できない。結果ラッキーだったことになる。逆にバックに回ってしまえば、完全に法則性があるから、一連の動きはいくらでも再現できる。理があるんです。でもあんな強さ、他の選手に見たことないですよ(笑)。それが青木選手の形(かたち)で、あんな風に勝てる人は地球上にそうそういないということです」

──なるほどぉ。

「それと格闘技とは自分が全面に出る。自己顕示欲のぶつかり合いです。でも、青木選手がマイクで話したこと。人への感謝の気持ち、喜んでほしいから戦うという感情、利他(りた)──他を利する。他人の幸福を願うようになる。自分だけ楽しくてもしょうがない。自分だけ凄くでもしょうがないという風になれる。

きっと他を圧倒するグラップリング力があり、孤独だったと思います。誰にも負けない、達人だっていうのは20代なら悦に入れるかもしれないけど、それだけでは決して幸せな人生にならない。そういうことも気付いているのでしょうね」

──自分だけ凄くて、他が笑っていないって怖いですよね……考えると。

「その通りです。それは本当に不幸です。そこに気付いた──苦労がそれだけあったのでしょうね」

──その青木選手がムエタイを追求していて、武術空手の要素が突きと組むという部分にあった。非常に興味深い話でした。

「ムエタイを追求している青木選手も、武術空手を追求する我々も頭があって胴体から手が2本、足が2本出ている人間です。そのなかでやることですから、ムエタイ、空手、キックといっても違いはそれほどでない。

そのなかで武術空手と格闘技の違いは……格闘技って人によって意見が違うものですよね。一つの攻防に関しては、考え方は三者三様です。そして、どれか合うモノを採り入れれば良くて。でも型は全員が同じことをするモノなんです。ちゃんと折らないと紙飛行機は飛びません。誰が折っても、正しい順序を踏んでいれば折り鶴は美しい──それが型、理(ことわり)です。

そこには再現性、普遍性。客観性がある。いつ何時、誰がやっても同じ事象が起こる。試合でやることは、型を形にしないといけないということなんです。そして、バックからあのように勝てる、それが青木選手の形なんです。青木真也の形が発芽した。そういう花が咲いた試合ということではないでしょうか」

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Interview ONE ONE Unbreakable ONE116 ジェイムス・ナカシマ ブログ 青木真也

【ONE116】イベント終了直後の青木真也─02─「俺はもう頑張れない」&「頑張る理由がないんだもん」

【写真】青木真也は辞める理由を見つけるのではなく、戦い続けるための理由を創り続けている(C)ONE

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE116「Unbreakable」でジェイムス・ナカシマをネッククランクで一蹴した青木真也を──ABEMA TVとMMAPLANETが共同&単独インタビュー第2弾。

前回の立ち技の攻防から、話題は『下がれない環境を創って、試合に挑む』という試合の臨む尋常でない背景を青木が語った。

<青木真也インタビューPart.01はコチラから>


──両ワキを差してバックに回りました。

「多分、さっき言ったように右が効いていたんだと思います」

──ナカシマから受けのプレッシャーはなかったですか。

「なかったですね。きっと前の試合でTKO負けしていて、あの試合が大きいんだと僕は思います。岡見選手との試合を見ていると、もっともっと来る選手のはずなので。あの前戦でリズムを崩したんじゃないかと」

──10月30日にキャムラン・アバソフとヒザからパウンドを受けてTKO負けですしね。

「あの試合の影響はあると思います」

──それはあったとしても完璧な一本勝ちでした。ところで今回の試合も青木選手はやるだけやれば勝敗はついてくるものという発言をしていますが、実は青木選手ほど負けられない試合、負けると失うモノが多い状態で試合をしている選手は国内にいないと思います。

「確かにそうかもしれないですねぇ」

──論客というポジションも、選手であるうちは勝っていないと説得力はなくなる。そしてABEMAではMMAを数字で引っ張らないといけない。そのために積み上げてきたもの、これからやっていくことが敗北で崩れてしまう。この状況で、よくあの勝ち方ができたと感心しました。

「それで言うと……普通じゃ頑張れなくなっていると思うんですよ。普通じゃ、俺はもう頑張れないんです。色々な人を巻き込んで下がれない理由を創らないと、下がっちゃうと思います──正直(苦笑)。

ここまで試合前のプロモーションを含めて、色々と付き合って頑張らせてもらったこともあるし。ホント、DDTのレスラーの皆さんにも協力してもらっているから僕、下がれないんですよ。

勝ち負け……何だろうな、負けても意地を見せることができなかったら。寝ました、ゴロンって倒されましたってことをやったら、ちょっとなぁっていうことを想っちゃうから。意地──なんか下がれないような状況を創らないと頑張れないのかもしれないです」

──格闘技が好きなだけなら、練習して、指導をしていうことだけでも続けることはできます。

「ですよね。それは皆が続けることができる(笑)」

──けれども引き下がれない状況を創ってまで勝負へ挑むのですね。

「もう無理ですね。そういうことをしないと、頑張れないです。例えば意地悪な言い方になってしまいますけど、修斗で1試合──休憩前にただ試合をするっていうんだったら頑張れないと思います」

──人を巻き込んで、その人たちのためにも勝つという気持ちがあるのは、自分のためだけに戦うよりも粘ることができると個人的に思っています。だから、青木真也は強さをキープできているのかと。

「ホント、もう頑張れないと思います。頑張る理由がないんだもん、正直言うと。2003年から試合をやってきて、55戦、56戦目とかですよね。『取りあえずベルトも獲って、防衛とかもして。地上波にも出て──もう良いじゃない、あんた』って若い子は思っちゃいますよね。

回りが『もう良いじゃん』って思っていると僕も流されちゃうから、頑張れるために人を巻き込んで担がれないと頑張れない」

──神輿に乗せてくれる人がいるから、頑張ることができる?

「ハイ。若い子たちはそういう意味では凄いですよ。自分を認めさせたいとか、そういうことで頑張れる。僕もそれでやって来たけど、いつしか……それだとしんどくなりますからね」

──そこが青木選手は団体と一緒に何かを創っていくという風に人を巻き込んでいました。ONEともABEMAの中継が始まり、日本大会が始まる時にそのように創ってきました。今回はそうではなく青木選手個人の物語という体でしたが、大会前のシンガポール本隊の青木選手の試合のプッシュは相当なモノに感じました。この経験を経て青木選手個人のストーリーとONEの日本での活動がリンクしてくることはあるでしょうか。

「言うたら4回とかチャンピオンシップで勝ってきたので、『俺たちのチャンピオンだ』という風に想ってくれているのは感じました。10年、やってきましたからね。それだけの想い入れを持ってくれていることは、凄く有難いと思います」

──それは日本にいる時よりもシンガポールでより感じられた部分でしょうか。

「まぁ来たら、来たで人当りは皆良いから。良くしてくれるし。必要としてくれたら頑張ります。ただ無理にやっていこうという意識はそれほどないです」

──北岡選手がABEMAの解説で、この相手にこの勝ち方ができる青木真也を日本で格闘技を生業にしている人間は無視するなというようなことを言っていました。

「難しいこと言いますね(笑)。真っ直ぐですよね。そこでいうと僕は思ったことを言い続けます。正しいと思ったことを言うし、僕は頑張っている。ただし、それを認めてほしいとはあまり思っていないかな」

──では共同会見で秋山選手の名前を対戦相手候補として挙げていました。あれは国内を揺り起こす方向へ発言かと捉えたのですが。

「日本でやるなら、そういうことをしないとダメじゃないですか。でも、今は秋山じゃないです。正直な話をすると。だからといってクリスチャンとやりたいというのは正直ない。1回やっているし。あの試合は僕の中で割と大きくバトンタッチをしたという要素もあるから。だから1、2回、勝負論のある試合をできるうちにさせてもらったら良いかな。秋山はその後で」

──タイトルは目指さないですが、ナカシマ戦のようなONEのなかで負けたら終わりという勝負論のある試合を望むと。

「タイトルとか全然思っていないから。でも、下りたくない。いつだってレジェンド枠というか、わちゃわちゃイージーなファイトに切り替えて見せるのは、別に苦手じゃないからできるとは思っています。でも、もうちょっとやっておかないと。できるうちにやっておくと、良い厚みがつくからやっておきたいです」

<この項、続く>

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

The post 【ONE116】イベント終了直後の青木真也─02─「俺はもう頑張れない」&「頑張る理由がないんだもん」 first appeared on MMAPLANET.

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【ONE116】イベント終了直後の青木真也─01─「綺麗な構えと綺麗な蹴りが好きだから、それを信じている」

【写真】共同バーチャル会見後にONEの協力で単独取材を行うことができた (C)ONE

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE116「Unbreakable」でジェイムス・ナカシマをネッククランクで一蹴した青木真也を大会終了直後にABEMA TVとMMAPLANETが共同で単独取材。

試合が終わった直後の青木が、ファイターから人に戻る狭間の肉声をお届けしたい。


──TシャツのAge is just a Numberという文字に関して共同会見では質問があり、『関係ない。若く見えるでしょ?』という返答をしていました。ただ、その言葉とは対照的に「年齢もあって、いつ落ちてもおかしくない。久々に追い詰められていました」という連絡を試合直後にくれていました。

「落ちていない。僕は今、元気だと思っていますけど、でも年齢ってデータとしてあるじゃないですか。多くのファイターが35歳をピークとして、そこから下降していく。それは事実だと思います。ウェイトトレの数字が上がっているとか、強くなっていると言ったところで。だからいつ落ちるか分からない恐怖は常に持っています。

それが今回かもしれないし。いつ落ちるか分からないというのは考えますよね」

──それは普段の練習でなく、試合で如実に明らかになるというものなのでしょうか。

「いえ、単純にデータです。僕は格闘技が好きだから色々な選手のことを見ているじゃないですか」

──ハイ。

「どんな選手も落ちるんですよ。同じグラップラーのジェイク・シールズですら36、37、38歳で落ちている。PFLで幕を下ろしたのが39歳で。僕も38歳を前にしている。そういうタイミングだから、凄く意識してきたジェイク・シールズでも落ちた。なら、自分が下がってくるというのは感じます」

──ジェイクがブラダボーイに2度敗れた。タイプが違うとはいえ、ナカシマ戦の青木選手の立ち位置は同じでした。下からの突き上げという部分で。

「一番相性が悪い相手ですよ。今回の相手は」

──ストライカーに負けるのは、それはそれで勝負。ただし、レスリング&コントロールの相手に敗れると青木ブランドが崩壊するような顔合わせでした。

「ねぇ。だから相性は抜群に悪かったと思います」

──試合では組む前に蹴りを出した。フォラヤン戦などはありましたが、あのミドルハイの高さの蹴りを今回のように勢いよく蹴っていった印象は過去の試合ではなかったです。

「単純にですね、怖くてダブルレッグに入れなかった。それだけです」

──そこでしっかりと蹴ることができたのは、日々積んできたモノが出たということではないですか。

「打撃はミット打ちなんかでも、日本のMMAファイターの中では綺麗な方だと思います。勉強して、やり込んでいる方だから。特にナカシマがテイクダウンディフェンスに自信があって、打撃をやる構えできたから、これだったら一応立ち会えるよというのは思いました」

──MMAではヒザから出て、腰が詰まらず伸びるムエタイ流の蹴りはあまり見られないです。

「僕、ムエタイが好きじゃないですか。ムエタイが好きで、ムエタイの考え方が好きだから。綺麗な構えと綺麗な蹴りが好きだから、それを信じているという話になるかもしれないです」

──MMAはガチャガチャの文化です。

「僕がガチャガチャできないのは、どうしても年齢があります。年齢があるから反応できないんです」

──……。

「ぴょんぴょんっていう堀口恭司選手みたいな動きをされると反応できない。だから階級も落とせないんです。体重的には落とせても。ゆっくりなリズムでできる限りやりたくて。これは護身術的ですけど、ゆっくりなリズムで戦いたいから年齢も含めて、今の僕に間違っていることだとは思わない」

──そして、打撃でナカシマが崩れました。

「蹴りが割とわき腹に入ったのと、たまたまラッキーだったのですが、組むぞってフェイントで入れて右のフックを振ったのが結構強く、感触があったんですよ。あれがチョット効いたんじゃないかと僕は思っています」

──試合後からラッキーという言葉を連呼していますが、決してラッキーではないと思います。

「いやラッキーでしょう、アレは。ジャブと右ミドルはずっと練習して、アップでも凄く確認していたけど、アレはやっていなかったので」

──2012年の大晦日、アントニオ・マッキー戦でも右を当てて組みついたことがありました。そのパンチが十分に効いていた。このフェイクで当てるということを、試合で2度成功したのですから、それはラッキーではないかと。

「セコンドの宇野さんからも『凄く効いたと思ったし、あの後にパンチでいこうと思わなかったの』って聞かれて。絶対に思わないですって。アハハハ。それぐらい自分のパンチを信じていないです。

組んでバックに回ったときに『あっ、これ効いているかもしれない』って感じて」

──その前にナカシマがワンツーで入ってきたときにケージに詰まりそうになった。でも、すぐに回って間合を取り直せました。

「間に関しては、ずっと飯村(健一・大道塾吉祥寺支部代表)先生から言われていて。『綺麗な構えでゆっくり、近くに行ってゆっくり見る』と。今のMMAからすれば、違う理屈じゃないですか」

──ハイ、確かに。

「サウスポー同士だから、触ることができる距離になれば、とにかく良く見なさい、と。まさにそこの部分で、綺麗な構えでゆっくり、近くというのをやっていました」

──ナカシマの左をしっかりと見て、組むことが出来ました。

「ワンツーはもう全然、『あっ、来た』という感じで。彼はワンツーが綺麗な選手で、岡見さんとの試合もワンツーを効かせていた。で、たまたまダブルアンダーフックを取れました。そこからはイージーというか。割と難しくなかったです」

<この項、続く>

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1月29日(金・日本時間)
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午後9時30分~ONE Super App

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マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

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<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
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ONE ONE Unbreakable ONE116 Report ジェイムス・ナカシマ ブログ 青木真也

【ONE116】「37年生きてきて、一番幸せ」──青木真也、ジェイムス・ナカシマから初回一本勝ち!!

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
Def.1R by ネッククランク
ジェイムス・ナカシマ(米国)

しっかりと握手を交わした両者。サウスポー同士、青木が右ハイからローを蹴る。さらにミドルを入れた青木はパンチを見せてクリンチへ。ケージに押し込んだのはナカシマの方。ナカシマはヒザ蹴りを見せて離れる。右を当てた青木は、ナカシマのワンツーにケージ際から離れる。左ストレートに組んだ青木は、両差しからバックに回る。

スタンドでワンフックの青木は背中に乗りつつ、襷を取りたい。左のワキを取りに行く青木が左足も乗せて両足フック。スタンドのまま右腕をアゴの上から絞めて左手とクラッチし、フェイスロックへ。ナカシマが観念したようにタップし、青木が一本勝ちを決めた。

「ベルトとか考えていないです。でも、凄く幸せな時間で。俺、もう格闘技別にやらなくて。でも、俺がこうやって格闘技を戦うと喜んでくれる人いてくれて。好きなだけ、日本には本当にいっぱい俺のことを応援してくれる人がいて。37年生きていて、今が一番幸せです。ありがとう」と青木は涙で話した。


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