カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE   ウ・ソンフン 仙三 和田竜光 若松佑弥

【ONE】2023年へ、若松佑弥―02―「分かってくれる人がいる。そこへの感謝の気持ちがあれば」

【写真】取材時には、当然いくらでも笑顔になっていた若松 (C)MMAPLANET

2022年も最後の1日に。この1年もMMA界には色々な出来事があり、多くの勝者が誕生し、同じ数だけ敗者も生まれた。

2023年に向けて『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビュー──若松佑弥編Part.02。

ウ・ソンフン戦の敗北で、一時的でもMMAが嫌になったという若松は、この敗北を誰の責任にも転嫁せず、自分を見つめなおす材料とした。

<若松佑弥インタビューPart.01はコチラから>


──完全に足に来ていたようにも見えました。あの左を貰ってからの下がり方は。そうでないと若松選手は被弾して下がるタイプの選手ではないと思いますし。

「頭では『ここから盛り返す』って感じだったんですけど、体がまるでいうことを聞かなかったです。今から思えば、それが普通なんですよね。パンチを効かされるということは。ここまでMMAを続けてきて、自分がそうなって初めて怖さが分かりました。

皆が『危ない』と言っていても、あんな風に貰ったことが無いので分かっていなかったです。この負け方は今後MMAを戦っていくうえで必要だった。それこそ神様が教えてくれたお告げだと捉えています。

勝敗に関して……仙三さんのように打たれても前に出て勝てる人もいるけど、それは皆に当てはまることじゃない。僕が試合前に思っていたような仙三さんみたいになりたいというのも違っていて。その必要はないと思い知りました。

無理矢理打ち合わなくても。MMAは戦争じゃないと分かったし。決まった時間内で、自分のテクニックを出して勝ち切る。判定だとつまらないと言われることもありますが、やはり勝たないと始まらないです」

──「もう嫌だ」という気持ちは、どれぐらい続いていましたか。

「そうですね……試合後は『俺が屑だから、勝てなかったんだ』と自分を全否定して、穴があったら入りたいぐらいのきもちでした。頭のなかも真っ白になって。これから、どうすれば良いのか分からない。

長南さんにも『俺、もう辞めます。こんなのやっていられない』って伝えました。長南さんも『辞めたければ、辞めれば良い。でも、俺はずっとTRIBEにいるから。やりたいときはいつでも来い。待っているから』と言ってくれました」

──いや、それ長南さんに言わせちゃダメですよ。若松選手──。

「そうなんです。こんな最高な……幸せなことをやってきて、すぐにそういうことを想うからダメなんだって考え直せました。やるだけのことやったんだから。家族のため、仲間のために妥協せずにやってきた。

それを分かってくれる人いる。なので『俺がやってきたことは間違いない』と気持ちを入れ替えることはできました。同時に家族のために、殺されないために殺しにいく。そんな使命感を持って戦うんじゃなくて、気楽に楽しんで戦おうと。強靭なメンタルも柔軟性があってこそ、だから心の修行をしているんだと敗北を飲みこみました」

──若松選手は敗北を第三者の責任にしていないですね。

「全ては自分の責任です。練習環境でもない。それに今の僕は米国で練習する必要が無いような練習環境があって。そこで、やれるだけのことやって……皆にやらせてもらって。結果として『ああすれば良かった』、『こうすれば良かった』ということは出てきますけど、それは勝っても負けてでも出てくることなので。

ただ入れ込み過ぎない。僕もこれからの人生は長いし、これで終わりじゃないです。長南さんからも『鹿児島にいた時はどうだった? こんなに応援してくれる人間がいたか』と指摘されました。

いなかったです。そうですね……こういう時期なんだなって。TRIBE勢はあれから3連敗して……負けた人間の気持ちも分かるし。それでも確かなことは皆、戦っている。肉体的な強さだけでなくて、精神的に強くなること。それが今、自分に課せられていることだと思っています。

精神力は……自分は全然弱いので。僕は生まれながらに、多分そこが弱いんです。勝っている時は良いんですけど。負けて、それも再確認できました」

──ONEで戦っている日本人選手、特に若松選手や和田竜光選手には世界で名の通った相手、もしくは通のファンなら分かる強豪と試合をしてほしいと常に思ってきました。だからONEでキャリアアップ途中の選手だと、勝って当然という風に捉えがちでした。そこは自分も反省しています。若松選手の敗北を目の当たりにして。もっと対戦相手のことも知らないといけないと感じました。

「いえ、僕もあの相手に負けていられないと思っていたので。本当にそういうところから、自分を見つめ直さないといけないと感じました」

──では現状、練習の方は?

「試合でケガもありましたし、組みも含めてコンタクトする練習はしてこなかったです。また年が明ければ、試合に向けての練習を再開させます。練習には制限があるので、他に自分のできることを試してきました。カポエイラに行ったり、こないだは滝行に行ってきました。それから修行のことを勉強して。千日回峰行って分かりますか」

──クレイジージャーニーか何かで、塩沼亮淳さんの荒行を拝見したことがあります。1日に数10キロ、山道、獣道を歩き、その間人とも話さない。それを9百数十日続けるとか……。

「今、そういう修行を勉強しているんです。悟りを開いて無になるとか。結局、人間って弱いから荒々しい態度を取ったり、色々な手段で自分を強そうに見せます。そういう人がなぜイライラしているのか、相手の気持ちを考えることから考えようと思うようにしています。

結局、シンプルに全てに感謝して。あの敗北にも『ありがとう』と思って生きないといけないし。僕はこれで飯も食えているわけで。如何に自分が幸せなのか改めて分かりました。あの試合で勝っていたら、こういう風にはなっていない。

僕は負けてストーリー作りとかできないけど、ごく僅かでもちゃんと分かってくれる人がいる。そこへの感謝の気持ちがあれば、今後、自分がどういう立場になっても他の人に対して、偉そうな態度を取ったりすることはないと思います。そこに気付けた。自分は恵まれている人間です。そうなる状況を与えてもらえました」

<この項、続く>

The post 【ONE】2023年へ、若松佑弥―02―「分かってくれる人がいる。そこへの感謝の気持ちがあれば」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA F1 MMA MMAPLANET o ONE ONE161 YouTube アドリアーノ・モライシュ キック シェ・ウェイ ジャン・リーポン チャンネル ティファニー・テオ ボクシング リトゥ・フォーガット ワン・シュオ 和田竜光 若松佑弥

【ONE161】ワン・シュオと再起戦、若松佑弥「何ならこの試合は誰にも見てもらえなくても構わない」

【写真】言っていることはクソ真面目でも。スクショの撮影では、『履いていますよ』モードになってくれた若松(C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで行われるONE161「Petchmorakot vs Tawanchai」で若松佑弥が、ワン・シュオと対戦する。

3月にアドリアーノ・モライシュの持つONE世界フライ級王座に挑戦し、ギロチンチョークで敗れた。念願のタイトル挑戦に敗れ、仕切り直しの一戦を前にして話を訊いた若松は──本人は侍と表現するが、まるで修行僧のような心境になっていた。


──今回の試合が決まったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「最初は2カ月ぐらい前にシェ・ウェイと決まっていたのですが、試合の6、7週間前にワン・シュオに代わりました」

──タイトル挑戦権を得るには並び直しの再起戦ですが、正直ワン・シュオは1月に和田竜光選手に敗れており、正直なところ『おっ』となるマッチアップではなかったです。それはファンからしても、同じ印象だったのではないかと。

「もう日本人に負けている選手だから、そういう風に思われるということですよね。『勝つんだろうな』ってファンの人にも思われる……自分も第3者の立場だったら『若松が絶対に勝つ試合』と思う試合ですよね、でも僕は負けた身ですから、戦うだけです」

──そうですね。それでも……勝つか負けるかというスリルは試合前の時点では、それほど感じられないとは言えます。

「『確実に勝て』、『大胆にKOしてくれ』ということだと自分は理解しました。僕も『コイツに勝ちたい』、『越えていきたい』という選手と戦いたいです。でも、試合です。何が起こるか分からない。だからアドリアーノ戦と同じだけ集中して、これで何かあったら終わりだっていう気持ちです。楽な相手だからって、簡単に行くとは思えないです」

──もちろんです。ワン・シュオも絶対に勝つつもりで、若松選手がどうなろうが関係なく拳を振るってくる。それでもファンは「落とせない」という潜在意識を持った試合になる。

「なんていえば良いのか……。それでも長い人生のなかで、落とせない試合です。相手どうこうじゃなくて、自分との戦いなんですよね。将来、この試合を振り返った時に自分の記録の一つになるだけ、他人がどうこうじゃないっていう心境で。強いヤツと戦って盛り上げたいというよりも、僕はこれからもっともっとMMAを戦っていきたい。もちろん、さっきも言ったように強い選手と戦いたいです。でも、ONEが与えてくれた選手と戦うための自分との勝負。それが自分の将来のためになる。そういう風に思っています。ちょっと説明の仕方が分からないですけど……」

──何があろうが、最高の自分を創るための日々ということですね。

「ハイ。それが他の人に分かってもらえなくても良い。自分が、その大切さを理解していれば。ホント、何ならこの試合は誰にも見てもらえなくても構わないです。自分、応援してくれる人のためだけに僕は戦っていきたいんで」

──最近、MMAPLANETでもそういう論争になることがあるのですが、若松選手は知名度を上げたい派ではないということですね。「強いだけではだめ」だけど「強さは絶対」、「食べていくために知名度を上げる努力も必要」など、色々な意見がありますが。

「僕は開き直っています。俺は一人の侍として、人気がなくても良いし、試合以外のところで面白いパフォーマンスをやったり、目立つ発言をしたりとか……そういうことはやろうとは思わないです。下らない。それより負けないで、長い間MMAを戦っていきたい。一発屋芸人みたいなことはしたくない。強さに貪欲であり続け、毎日自分と向き合っていく。そういう人間になりたいというか、そういう格闘家人生を歩んでいきたいです。

以前は知名度を上げて収入を増やそうって思ったこともありました。YouTubeをすることが必要だと思ってやってみました。でも、僕は違った。強くなって、それで人から見てもらえるようになろうと考えるようになって。実力もないのに、そういうことばかりやって稼ぐより、勝った負けたでファイトマネーの上下があり、そういうところで勝って少しでも稼ぎを増やすプロMMAファイターでいたいです。

正直金は欲しいけど、戦って食うだけ稼げれば良いし。それ以上を求めて、戦いじゃないことに力を入れるのは自分は違うと思っています」

──SNSは全員が使えることができますが、それは車と同じで。車を移動の手段として使う人、モノを運んで稼ぐ人、人を乗せて稼ぐ人、そのなかで自分1人で運転して──競争して勝って億万長者になるF1ドライバーがいるように、SNSで儲けるにはそれができる才能が必要だと思います。猫も杓子もSNSで知名度が上がって、収入が増えるなんてことはない。

「僕はそれは無理だから。なら練習して、強くなって稼ぐ。そっちしか考えていないです。他人に何を想われようが、俺は俺。もうブレない。世界戦で負けて、一度自分を全否定しました……」

──負けたので、その要因は存在すると思います。ただし、自分は罠だろうが、ギロチンが待っていようが、ミキーニョとのスクランブルを制したり、テイクダウンを奪った若松選手をケージサイドで撮影していて、凄く興奮しました。打撃戦は詰将棋ではない。思わぬことが、組み技よりも起こる。そういうなかで、打撃でリードができないから組みでも勝負できる。そこを若松選手は見せていた。

「日本人でアドリアーノからテイクダウンを奪ったのは初めてだと思うし、じゃあ誰がアドリアーノをテイクダウンできるんだっていう気持ちはあります。負けたけど、テイクダウンを取れたことは自信になっています。それに後付けのようになってしまいますけど、僕はあの試合は競り勝つことを目標にしていました。

だから、凄く冷静だったんです。まるで練習みたいな気持ちだったから、ギロチンに対しても練習のようにタップをしてしまって……。普段の僕なら、タップせずに落ちていたと思います。でも、行けると思って入って──あれが待っていた。一瞬で摘んでしまった。冷静過ぎてもダメだと勉強になりました」

──凄まじいものですね。

「でも今までやってきたことは間違っていなかったです。自分は世界で1人、他と比較したり、他人の意見に左右されない。自分にフォーカスして、自信を持つようにしてきました。

そうでないと、SNSで知名度を上げようが、ステロイドで強くなって戦っていたら、メッキはすぐに剝がれてきます。僕はずっと戦える実力をつけて戦っていきたいです」

──常に自分と向き合っていると、モチベーションを外的要因に求めることはないでしょうか。例えばミキーニョに凄い勝ち方をしたDJともう一度戦うことを目標にするなどして。

「あれはトップ中のトップ、氷山の一角です。それよりも、自分に打ち克つこと。それを日々生きていく中で、続けること。自分と向き合うことの方が重要だと思っています。実際にそうやってきて、しんどかったです。でも、これで負けたらしょうがないと思える。それだけやってきました。弱い自分と向き合って、そこに勝つ。そこだけに集中し、打ち克つことをモチベーションにして……『チャンピオンになれるか』なんて考えることなく、『次で最後』という気持ちでやってきたので。

DJの試合を見て『やってやろう』という気持ちにはなります。でも、そんなのは当たり前で。当たり前のことだけやっていては、MMAを戦い続けることはできない。それに日々の誘惑に負けることなく、誰よりも練習していると競技人生も長くなると思います。そういう風に生きていると、またチャンスが巡って来るかもしれない。だから、まずは毎日を全力で自分と向き合うこと。それでも負けることもある。そして試合に負けても、死ぬわけじゃない。究極、回りに家族さえいてくれれば良い。だから自分の出来ることを全て費やすよう、毎日を生きていきたいと思っています。

今、MMAを戦えている時点で自分の限界に挑まないといけない。こういうことがデキない人が、世界中にはたくさんいます。なのに妥協して生きるようなことがあったら、本当にクソです。『こんなんじゃダメだ』って毎日を頑張らないといけない。そうやって過ごしてきました」

──そこまでの想いで迎えるワン・シュオ戦なのですね。では試合として、どのような戦いがしたいですか。

「タフで打撃があって、気持ちも強いという風に思われているみたいですけど、全てを消したいです。いざ試合が始まるとスピードも段違いだし、『あぁ、次元が違っていた』と思われて終わるはずです。僕が勝って当たり前と思われているんだから、そういう試合をします。ホント、相手が悪魔の実かなんか飲んでこない限り向うに勝ち目はない。そう思いつつも、試合は何があるか分からないので気を付けて戦います」


■放送予定
9月29日(木・日本時間)
午後7時~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE161対戦カード

<ONEムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)
[挑戦者] タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP準決勝/3分3R>
ロマン・クリキア(ウクライナ)
グト・イノセンチ(ブラジル)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP準決勝/3分3R>
イラジ・アジズプール(イラン)
ブルーノ・シャベス(ブラジル)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ジャン・リーポン(中国)
ザイード・イサガクマエフ(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ティファニー・テオ(シンガポール)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ワン・シュオ(中国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジャン・チェンロン(中国)
センマニー・クロンスアンプルリゾート(タイ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
バトラダズ・ガザエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/12分1R>
ホドリゴ・マレロ(ブラジル)
ルスラン・バグダサリアン(ロシア)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
マテウス・フィリッピ(ブラジル)
アリ・フォラディ(イラン)

The post 【ONE161】ワン・シュオと再起戦、若松佑弥「何ならこの試合は誰にも見てもらえなくても構わない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
o RIZIN UFC アスカル・アスカロフ アマンダ・ヌネス アレックス・ペレス アレッシャンドリ・パントージャ カイ・カラフランス キック キム・ジヨン デリック・ルイス ハファエル・アウベス ボクシング マイケル・モラレス ラファ・ガルシア 和田竜光

UFC277:オッズ/予想と展望

ジュリアナ・ペーニャ 3.30
アマンダ・ヌネス 1.36
ブランドン・モレノ 1.48
カイ・カラフランス 2.80
デリック・ルイス 2.05
セルゲイ・パブロヴィッチ 1.80
アレッシャンドリ・パントージャ 1.56
アレックス・ペレス 2.55
アンソニー・スミス 4.90
マゴメド・アンカラエフ 1.20
アレックス・モロノ 2.35
マシュー・セメルスバーガー 1.65
ドリュー・ドーバー 1.50
ハファエル・アウベス 2.70
ドンテイル・メイエス 1.56
ハムディ・アブデルワハブ 2.55
ドラッカー・クロース 1.44
ラファ・ガルシア 2.90
マイケル・モラレス 1.17
アダム・フューギット 5.50
ジョセリン・エドワーズ 1.77
キム・ジヨン 2.10
ニコラエ・ネグメレアヌ 2.10
イーゴル・ポティエリア 1.77
オリオン・コシ 1.61
ブラッド・ダイアモンド 2.40

メインは女子バンタム級タイトルマッチ。昨年12月に対戦し、ペーニャが勝利した試合のダイレクトリマッチで、TUF30のコーチ対決。

昨年12月の対戦では、当時王者のヌネスが圧倒的フェイバリット。試合も1Rにダウンを奪うなど、序盤は攻勢で、そのまま防衛するかに見られたが、2Rに入りペーニャのジャブを被弾する展開に。ジャブをもらい続けてとうとう下がりだし、最後はテイクダウンからのチョークでペーニャが勝利。昨年のアップセット・オブ・ザ・イヤーを多くのサイトで受賞した。

半年でのダイレクトリマッチとなるが、オッズは前回ほどの大差ではないものの、今回もヌネス優勢。前回の1Rは確かにヌネスがダウンを奪ったものの、ペーニャもジャブが通用することがわかったので、スタンドでも必要以上に恐れることはないはず。ヌネスとしては打撃で勝負するのではなく、今回は組みを混ぜていく展開になるのでは。そうなると、差はなかなかつかないかもしれない。

僅差の判定になれば、ジャブで確実にポイントを稼げるペーニャが優勢か。ヌネスは前回のダウンのようなビッグラウンドをどこまで作れるか。ただフィニッシュするとすればヌネス。

ペーニャ判定勝ち。

セミはフライ級王者フィゲイレードが怪我のため、暫定王座戦が組まれ、前王者のブランドン・モレノRIZINファイターのカラフランスが対戦する。まあ、プロハースカと比べると、1度だけ出て体重オーバーの末に和田竜光に敗れただけのカラフランスはRIZINの印象が薄いが。勝てばシティキックボクシング勢として3階級目の王者となる。

こちらもリマッチとなり、両者は2019年の12月に対戦している。UFC3連勝中だったカラフランスだったが、得意の打撃で押される展開で判定負け。モレノはそこから連勝でフィゲイレードの王座に挑戦し、初戦はドロー、ダイレクトリマッチで一本勝ちして王座を獲得した。カラフランスは元バンタム級王者コーディ・ガーブラントを1RKOし一気に評価を上げると、前戦はキャリア無敗のアスカル・アスカロフ相手に終盤タックルを切って打撃を入れる展開で接戦を制した。

ストライカーのカラフランスに対し、モレノはグラウンドでのフィニッシュが多いものの、打撃でも勝負できるレベルにある。テイクダウンはなかなか奪えないと思うので、今回もフルラウンド打撃勝負になりそう。

3試合続けて5Rのタイトルマッチをやっている(2戦目は3R決着だが)モレノが経験で有利と見て、モレノ判定勝ち。

第1試合開始は31日朝7時から。同日は14時からRIZIN.37もあるが、タイトルマッチ2試合とも判定になった場合はオープニングくらいバッティングしそう。

速報します。

カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE159 UFC   アレックス・シウバ ジャレッド・ブルックス ジン・テホ ダニエル・ウィリアムス チャンネル ボカン・マスンヤネ ライニア・デリダー ヴァウミール・ダ・シウバ 上久保周哉 修斗 和田竜光 海外 石井逸人 箕輪ひろば

【ONE159】修斗王座返上→ボカン戦へ、箕輪ひろば「また僕らのようなトータルファイターの時代が来る」

【写真】全く揺るぎないMMAアイデンティティを持つ箕輪だった(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE159「De Ridder vs Bigdash」で箕輪ひろばがボカン・マスンヤネと戦う。

17日のサステイン後楽園ホール大会で世界ストロー級王座を返上したことが明らかとなった箕輪。キッズ修斗の普及をライフワークとする修斗LOVEにその心境を尋ね、改めてジャレッド・ブルックス戦の敗北と、ボカンとの一戦について話を訊いた。

そして箕輪ひろばは何があろうが、トータルファイトで世界一を目指すMMAファイターであることが再確認できた。


──日曜日の修斗でストロー級王座の返上が発表されました。

「返上することは、今回のマスンヤネ戦のオファーが来るまで考えていなかったです。正直、5月の後楽園ホール大会で防衛をしたいと思っていましたし。僕はONEで戦って修斗でも防衛戦を戦っていきたいという考え方だったので。修斗サイドは『そういう意志があるなら待つよ』ということでしたけど、ONEサイドは『まだブルックスに1度負けただけ。若い、これからの選手という意味合いでオファーを続けたい』と。修斗の防衛戦よりも、ONEを優先してほしいということでした」

──暗にタイトル戦線のトラックにいるのだから、修斗でリスクのある試合はしないでくれ。そういうことですね、ONEとすれば。ある意味、当然だといえます。特にパートナーシップは解消され、しかもパートナーシップが結ばれている時からグレーゾーンのある感じでしたしね。

「そこを確認していなかった僕が悪いんですけど……。僕は感情で動くから修斗のベルトも返上したくないし、ONEでも戦い続けたい。そういう我儘な意見を出させてもらいました。ただ僕の師匠である阿部(直之STF会長)さんは、マネージメントとしての判断として、どちらかに絞るべきだと。そのなかで『キッズたちの手本になりたくて戦っているのに、世界で戦えている状況でその道を閉ざす活動をして良いのか』と考えるようになりました。

なら自分の意志にはそぐわないかもしれないですけど、次に出てくる選手たちの気持ちもあると思うので──返上させてもらうという風に伝えさせてもらいました。でも発表はこの試合後だと思っていました(笑)」

──ではもう箕輪選手は修斗のベルトを持っていないのですね。

「僕がシンガポールに来る時までは家にありましたけど、後楽園ホール大会の時にジムの人が持っていったかもしれないです(笑)」

──とはいえMMAファイターとして箕輪選手は修斗の防衛戦をするためにONEという舞台から降りるという選択をすると、伝える側としてはガッカリですし。当然の選択ではないでしょうか。

「そうですね。正直、そういう選択はなかったです」

──そしてONEのタイトル戦線のトラックにいるということは、それだけ期待されているということで良かったとしか思えないです。

「ONEが修斗より良いから残るという風に捉えられると思いますが、僕は最初からジムの先輩の山上(幹臣。元修斗世界ストロー級王者)さんの背中を追っていて、海外で試合をして修斗の王者でもいたいと思い続けてきました。

でも、いつか選択しないといけない時は来ると覚悟していました。現段階では、海外で戦いたかったということです。間違いなくストロー級で世界最高峰なのは、ONEなので」

──ストロー級の選手がONEで戦いたいというのは、UFCで戦いたいというのと同意語ですしね。

「僕はそのつもりです。そして今回、ONEが僕をどういう風に評価してくれているのかも分かったので、まぁ良かったです」

──そんななかジャレッド・ブルックス戦に触れないわけにはいかないです。試合前に申し訳ありません(※取材は19日に行われた)。

「率直に強かったです。これがストロー級ナンバーワンかと思いました。同階級で、あの感じは体感したことはなかったです。フィジカル面も混みで、自分が想定しているよりも全ての面でプロフェッショナルでした。

テイクダウンというイメージがあるなかで、一発当てられてしまって。そこからはパンチなのか、組んでくるのか分からなくなっていました。カットもさせられて自分のなかではどうでもないつもりだったのですが、セコンドから『焦っていた』と指摘されました」

──猿田戦に続く完敗かと。

「猿田選手との試合は、僕が未熟でした。今回のジャレッド・ブルック戦は相手が1枚も2枚も上手でした」

──そのなか期待の表れが、ボカン・マスンヤネという厳しい相手が用意されました。

「前回負けているので、偉そうなことを言えないのですが、そう思われていることが申し訳ないです。ボカンが厳しいと思われるというのは、僕の力不足でした。実は1月の試合はもともとボカンと戦う予定だったのが、彼がシンガポールに来られないという状態だったのでジャレッド・ブルックスと戦うことになりました。

ただボカンも4月にブルックスに負けたから、どちらも一度下位の選手と戦ってからになるのかとは思っていました。だから5月の終わりに、ボカンとのオファーを貰った時は少し意外でしたね」

──ボカンにも尋ねたのですが、キッズから修斗を戦ってきた箕輪選手も含め、MMAから本格的に格闘技を始めた選手は打と倒と極の回転、融合で勝つということを良く口にします。その一方で、それこそボカンにとってのレスリングのように強いベースがある選手も打撃、柔術と穴を埋めて戦うウェルラウンダーです。そして現状、後者の方が優位に立っているようにも思えます。

「僕は完全に時代だと思います。柔術、レスリング、打撃が強い時代があって、僕らのようなトータルファイトが強い時代もありました。そこがまた一点集中型&+αの時代になっただけなので、僕らがまた平均値を上げて一点集中型+αに勝つようになるしかない。一点集中型はそれでは通用しなくなったので、+αが必要になったわけで。また僕らの時代が来る……来させないといけないです。それを僕らがやらないと。

それに一点集中型って、結局+αにしかなれないです」

──というのは?

「3点を強くするのは無理です。所詮一点集中に+αでは、2点まで。でも僕らバックボーンのない選手はMMAそのものを強くできる。一点集中型に勝つには、より強い一点集中型か、平均値を高くするかの2通りで。120点+60点+20点で200点に勝つには、130+60点+20点で210点にするよりも、70点✖3で210点にする僕らの方が早いです。

僕らは能力を伸ばすことができる部分が、それだけ残っている。でも一点集中型は、得意な部分を伸ばすことはもう難しいです。その集中している部分を削って、他に力を注げるなら強くなれるでしょうけど、そうでないとなかなか伸びない。120点あるものを121点、122点にするのは難しいです。70点が3つある人間が、それぞれを71点、72点にする方が早いです」

──面白いです!! そのためにブルックス戦のあとに何をしてきましたか。

「全体的な強化ですね。トータル面で負けたことは間違いないですけど、やってきたことは間違っていないと思いました。あの敗戦後は、寝技という部分ではTRI.Hスタジオで週に1度、上久保周哉選手や和田竜光選手と練習させてもらうようになりました。

2人とも凄く強いです。上手い寝技の選手はいますけど、上久保さんと和田選手は確実に強い寝技の選手です。チンチンされます。1階級や2階級上なら、寝技では何とかなると思っていました。でも、チンチンされました」

──石井逸人選手も、東京に来て2人の組み技の強さに驚いたと言っていました。極められまくったと。

「僕も逸人君も、どちらかと言うと上手い寝技をやっていたんだと思います。和田さんとか上久保選手は強い方に割り振っています。だから正直をいえば、練習をしていても面白くはないです。2人の動きにひたすらはめられている作業を繰り返しているので……自分が何をしているという風にはならない。

でも、2人と練習させてもらっていると確実に強くなれます。チンチンされたことを、ジムに戻ってどう防ぐことができるのかを試すことで。正直、前回の敗戦から今回までで……チンチンにされなくなったことはないのですが、チンチンのされ方が変わりました」

──アハハハ。良い表現です。

「チンチンさんにされて、自分にどんな穴があるのか分かります。何よりも僕のなかで上久保さんと和田選手は苦手なタイプなんです。アレックス・シウバの方が戦いやすいグラップリングで」

──なんとなく分かります。アレックスの場合は動けるので、より早く反応すれば箕輪選手のファイトになるということですね。でも上久保選手と和田選手は、タイトで動けなくしてくる。結果、2選手との練習がボカン対策になっていませんか。

「ブルックスに負けたので、ブルックス対策だったのですが、ボカン対策にも勿論なっています。ガッチリ来るタイプなので、上久保さんと和田選手との練習は本当に大きいです」

──シューターにこういうのはどうかと思うのですが、ハイブリッドレスリングにならないわけですね。

「ハイ。上久保さんが『全部、最先端の技術を使う必要はない』と言っていて。凄く参考になりました。最先端を知ることは間違っていないですけど、強さを追求するのとは違うと思います。やっぱり自分の強さを伸ばさないといけないので。何もブルックスにコントロールされたからといって、そこから下からの仕掛けで強くなる選手を目指すわけではないですし。そういうことじゃないっていうのを、明確に教えてもらえました」

──では改めて、ボカン戦への決意のほどをお願いします。

「前回の試合では期待を裏切ってしまったので、今回は信用を取り戻すまでには至らないかもしれないですが、もう1度見直してもらえるような試合にはしたいと思っています。最低で勝ち、そろそろ判定の泥試合でなくて、KOや一本が見たいはずなのでKO、一本を取りに行こうかと思います」

■放送予定
7月22日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Supper App

■ ONE159対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] ヴィタリー・ビクダシュ(ロシア)

<ONE Super Seriesムエタイ暫定世界女子アトム級王座決定戦/3分5R>
ジャネット・トッド(米国)
ララ・フェルナンデス(スペイン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
箕輪ひろば(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ツオロンチャアシー(中国)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジョー・ナタワット(タイ)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シムサット・クリンミー(タイ)
リアム・ノーラン(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アリエル・セクストン(コスタリカ)
マラット・ガフロフ(ロシア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)
ジン・テホ(韓国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リー・ビヴィンス(米国)
セバー・バノ(インド)

The post 【ONE159】修斗王座返上→ボカン戦へ、箕輪ひろば「また僕らのようなトータルファイターの時代が来る」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA BELLATOR Bellator281 MMA MMAPLANET o ONE Special UFC UFC ESPN36 アンドレア・リー カイラット・アクメトフ カマル・ウスマン ネイマン・グレイシー ベラトール マイケル・ペイジ ヤーソラフ・アモソフ ローガン・ストーリー ヴィヴィアニ・アロージョ 佐藤天 和田竜光 大沢ケンジ

お蔵入り厳禁【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:5月:ストーリー✖MVP「一芸と穴」

【写真】MMAほど多角的に試合を見ることがデキるコンバットスポーツは存在しない。本当に愉しい (C)BELLATOR

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、大沢ケンジ氏が選んだ2022 年5月の一番。お蔵入り厳禁──5月14日に行われたUFC ESPN36で行われたヴィヴィアニ・アロージョ✖アンドレア・リー戦からのカイラット・アクメトフ✖和田竜光戦経由、5月13日のBellator281からBellator暫定世界ウェルター級王座決定戦=ローガン・ストーリー✖マイケル・ペイジ戦を引き続き語らおう。

<月刊、大沢ケンジのこの一番:5月:ヴィヴィアニ・アロージョ✖アンドレア・リー戦はコチラから>


──ONEルールであっても、結果的にチャンピオンは全ての局面で対応できて、また一つの武器も強いという選手になってきていますね。

「上に来ている選手は和田竜光選手に勝ったカイラット・アクメトフとかにしても、スタミナが切れないし手数の多さと気持ちも強いです。

精度で一つ一つとなると竜光も当てているんです。でもアクメトフは手数が多い。どんどん自分から打って、失敗してもまた自分から動く。あれは凄いです」

──左を当ててテイクダウンに成功すると、もうその左の使い等が大きく広がるように見えました。

(C)ONE

「見せるだけで、リアクションがあるので次に繋げていますよね。逆にテイクダウンを見せて、左とかパンチにも移りやすくなって。

それに色々なテイクダウンを持っています。シングル、ダブル、ボディロックだけでなく、サンボ的な動きも見られますし」

──グレコからコンバットサンボというなかで、なんでもこなせるようになったのですかね。いやぁ、引き出しが多かったです。

「穴のなさと、引き出しの多さ……。いや、実はヴィヴィアニがなんでもできるということと比較対象に、同じベラトールでMVPには穴があるってしたかったのですが、見直してみるとテイクダウンディフェンスをちゃんとやっているんですよね(苦笑)」

──まさかのオチが無くなったということですか(笑)。

「アハハハハ。それだけローガン・ストーリーのテイクダウンが特別なんですよ」

──それはサンフォードMMAのチームメイトである佐藤天選手も言われていますよね。

「それでもMVPは簡単に背中をつけることは、ないんですよね。頑張っているなぁと思っていたら、いや相手はストーリーなんだから、頑張っているどころじゃなかったんですよね。

ストーリーに対し、MVPはジャブを打つ。だから距離が遠くなって入れない。ストーリーはMVPに対してパンチに自信がないから。パンチを顔に当てる距離に入ることができないです」

──そのストーリーが、ネイマン・グレイシーと戦った時はテイクダウンをしても、ネイマンの得意のグラウンドに持ち込まれるので、全く倒しにいかないという選択をしていました。そしてジャブを当て続けると。

「そういう選択をストーリーはできるんです。見ていると面白くないのですが、それで勝てる。逆にネイマンはグラウンドでの一芸だから、そういう風に封じ込まれることがMMAにはあるということなんですよね。

でもMVPをジャブで制することができないから、強引に見えるような飛び込みと組みつき方をする。彼が本来できる、一発で良いところで組めるという展開ではなかったです。そこを創るまで時間が掛かっていて。当然、テイクダウンするまで時間も掛かっています。しかも立たれる。ここでMVPを相手にストーリーがジャブを当てることができれば、本当に怖いファイターになります」

──それこそUFC世界ウェルター級チャンピオンのカマル・ウスマンではないでしょうか。

「そうなんですよ。ウスマンは誰が相手でもジャブを絶対に当てに行きます。遠い距離からテイクダウンを狙いません。ジャブをしっかりと当ててから入る。逆にジャブが当たらないと組まないぐらいでいるんじゃないかと思います」

──相手によって戦い方を変える強さと、変えない強さがあるということですね。

「そうなるとMVPですよ。変えられない強さではなくて、変わらない弱さがある。基本的に変わっていない。組みが強い相手にはジャブまでで入って行けない。ずっとカウンター狙いで。

遠い距離でミドルとか、ちょっと派手な蹴りを見せているだけ。相手が来たところしか狙えない。

だからストーリーもジャブを出さなかったというのはあると思います。ストーリーは組んでしまえば、逃げられることはあっても、反撃される怖さがないですからね。下からの仕掛けがある選手を相手にした時、ストーリーはどうなったのか」

──ネイマン・グレイシー戦ですね。

「そこです。MVPに寝技があれば、ストーリーは強引に組みに行けなかった。そしてMVPにはジャブは打てない。MVPに寝技の圧力が少しでもあれば、試合展開は変わったかもしれないです」

──それこそMMAの妙ですね。

「同時にストーリーの手堅さ、そこで勝てるけどフィニッシュの怖さがない。ジャブとテイクダウンとコントロ―ルで。UFCのトップどころは試合を終わらせる怖さがある。それは勝負にいけるからですよね。

ストーリーと戦うと漬けこまれるかもしれないけど、フィニッシュされる怖さはないというか……。ストーリーもBellatorの暫定世界王者になりましたけど、そこがUFCのトップとの違いかとは思います。そうやって考えた時に、ストーリーはMVPやネイマンのような一芸系の選手に勝って来たんだなって。

それがUFCとBellatorの違いで、Bellatorの面白さではあるんです。ただし、ウクライナ情勢があるので統一戦はすぐにできないかもしれないですけど、ヤーソラフ・アモソフが試合ができるようになったらどうなるのか。そこは興味深いですね」

The post お蔵入り厳禁【Special】月刊、大沢ケンジのこの一番:5月:ストーリー✖MVP「一芸と穴」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP F1 MMA o ONE ONE Championship ONE158   アレックス・シウバ カイラット・アクメトフ キック クォン・ウォンイル シェ・ウェイ ジェネリン・オルシム ジュリー・メザバルバ ボクシング マーカス・アルメイダ ヨッカイカー・フェアテックス リース・マクラーレン 和田竜光

『ONE 158: Tawanchai vs. Larsen』試合結果/ハイライト動画


第13試合 メインイベント ムエタイ フェザー級 3分3R
○タワンチャイ・PKセンチャイ(5位)
×ニコラス・ラーセン
2R 1’42” KO (左ストレート)
※タワンチャイがムエタイフェザー級・ペットモラコット・ペッティンディーアカデミーへの挑戦権獲得

第12試合 MMA バンタム級 5分3R
×クォン・ウォンイル(2位)
○ファブリシオ・アンドラージ(4位)
1R 1’02” KO (左三日月蹴り)

第11試合 MMA フライ級 5分3R
○リース・マクラーレン(5位)
×シェ・ウェイ
1R 3’42” 裸絞め

第10試合 MMA フライ級 5分3R
○カイラット・アクメトフ(2位、元王者)
×和田竜光(フリー/元DEEPフライ級王者)
判定3-0

第9試合 キックボクシング ヘビー級 3分3R
×ラーデ・オパチッチ
○グート・イノセンテ
1R 2’33” KO (左ボディストレート)

第8試合 MMA ストロー級 5分3R
○アレックス・シウバ(元王者)
×エイドリアン・マティス
1R 3’34” ヒールフック

第7試合 MMA フライ級 5分3R
×ヨッカイカー・フェアテックス
○グルダーシャン・マンガット
判定1-2

第6試合 キックボクシング ライト級 3分3R
×マルワーン・トゥートゥー
○コンスタンティン・ルス
判定0-3

第5試合 MMA ヘビー級 5分3R
○マーカス・アルメイダ
×サイモン・カーソン
1R 2’24” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第4試合 MMA ヘビー級 5分3R
○オーディ・デラニー
×メフディー・バルギ
2R 2’22” アームロック

第3試合 MMA ヘビー級 5分3R
×デューク・ディディエ
○ジャスール・ミルザムハメドフ
判定1-2

第2試合 MMA アトム級 5分3R
○ジェネリン・オルシム
×ジュリー・メザバルバ
判定2-1

第1試合 MMA ライト級 5分3R
×キム・キョンロック
○エドソン・マルケス
判定0-3

 ONE Championshipが6月3日にシンガポール・インドアスタジアムで開催した『ONE 158: Tawanchai vs. Larsen』の試合結果。和田竜光がカイラット・アクメトフに判定負けしています。


 タワンチャイ・PKセンチャイ vs. ニコラス・ラーセン ハイライト動画。


 ファブリシオ・アンドラージ vs. クォン・ウォンイル ハイライト動画。


 リース・マクラーレン vs. シェ・ウェイ ハイライト動画。続きを読む・・・
カテゴリー
ABEMA F1 o ONE カイラット・アクメトフ 和田竜光

【ONE】和田竜光がカイラット・アクメトフに判定負け

94: 実況厳禁@名無しの格闘家 2022/06/03(金) 22:28:15.85 ID:q1W0EOK50
カイカラフランスに勝利した和田の試合始まったぞ


続きを読む
カテゴリー
MMA MMAPLANET o ONE ONE158 アドリアーノ・モライシュ カイラット・アクメトフ キック ボクシング 和田竜光

【ONE158】強い。カイラット・アクメトフ、勝利の方程式は崩れず。和田竜光に3-0の快勝

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
Def.3-0
和田竜光(日本)

「勝ってタイトル挑戦をアピールしたい」と試合前に言っていた和田だが、直前に8月27日にアドリアーノ・モライシュ✖DJ 02が発表されケージに足を踏み入れた。

サウスポーのアクメトフの右回り基調に、正面に立たないよう動く和田が右を伸ばす。アクメトフは左ハイ、右サイドキックを繰り出す。和田は踏み込んで右、シングルをまずは切る。右ボディを打った和田は、組んだアクメトフのヒザをボディに貰う。

離れたアクメトフがワンツー、頭で受ける和田は左を避けて左ローを蹴る。左を振るって前に出るアクメトフが左ローを返す。和田は右フックを当てると、続くアクメトフの左ローが急所に入り試合が中断される。再開後、右ローを続けるアクメトフは和田の左をかわす。ステップから右ハイを狙った和田は、ケージを背負った状態で右フックを振るう。ここにアクメトフがダブルレッグを合わせてテイクダウンに成功。立ち上がった和田をシングルレッグに捕えたアクメトフが、レッグリフトも和田は細かいパンチを入れる。

それでも尻もちをつかされた和田は、スクランブルでバックを許し後方にスラム気味のテイクダウンを取られ、パウンドを被弾。立ち上がったが、バックを許した状態が続き最後に再び前方に崩され時間となった。

2R、右ジャブを叩く和田が、右を伸ばす。右から左を入れると、アクメトフが右を返す。アクメトフは左を振るって組むが、和田は首相撲へ。取り切れず離れた和田が左をバックステップでかわす。右ボディから組んだ和田に対し、アクメトフがいなして崩すそうとする。アイポークがあったと和田がアピールするが、レフェリーがファイトを要求する。和田は右ボディを見せ、左ジャブを入れる。アクメトフも左フックを繰り出し、右を当てて組み合いへ。ヒザを突き上げたアクメトフが離れると、右ローを蹴る。ステップインに右を合わせていく和田、アクメトフも力で押し切ろうとする。

残り70秒、和田の強振をかわしたアクメトフが左ミドル、右ジャブを伸ばす。ハイから右ストレートの和田は鼻血を流しているが、右アッパーを当てる。続く右フックに組んだアクメトフがバックへ。サイドバックから細かいパンチ、エルボーを後頭部に落としてしまったアクメトフが終盤にリードを広げた。

最終回、「パンチで入って右ハイ」というアドバイスを受けた和田は、右ストレートを当てる。アクメトフが左フックを返し、オーバーハンドを振るう。左フックで前に出るアクメトフは、近距離の打撃戦で和田に組まれケージに押し込まれる。右を差しても頭をつけることができなかった和田は離れて打撃戦へ。

アクメトフがワンツーを放ち、ダブルレッグを決める。オモプラッタを防がれ、スクランブルでバックに回れた和田は、前方にアクメトフを落とす。すぐに立ち上がり、ダーティーボクシングのアクメトフは左フックから組んでヒザを2つ入れるとケージに押し込んでいく。首相撲を取ろうとした和田に、アクメトフはレベルチェンジからダブルレッグへ。右を差して耐えた和田が、離れようとする。組みを続けるアクメトフにダーティーボクシングでパンチを入れた和田は、首相撲にとるがヒザを逆にもらう。

和田はヒザでなくヒジを出し、アッパーへ。残り1分、アクメトフは明らかに疲れているが、蹴り足をキャッチされた和田はシングルをケンケンで耐えるも、ついには最後の20秒で倒される。しっかりと抑え、最後の10秒でパンチを振るって印象点稼ぎのアクメトフ。和田が話していた──これまでの勝ち方を通したアクメトフが、3-0の判定勝ちを手にした。

勝者は世界戦に向け、「アドリアーノ・モライシュとDJが戦うの構わない。でも僕は5連勝だ。どっちでも構わない。チャトリ、タイトルに挑戦させれくれ」とアピールした。


The post 【ONE158】強い。カイラット・アクメトフ、勝利の方程式は崩れず。和田竜光に3-0の快勝 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE158 UFC   アラン・ナシメント アレックス・シウバ エジソン・マルケス カイラット・アクメトフ キック クォン・ウォンイル ケビン・ベリンゴン シェ・ウェイ ジェネリン・オルシム ジュリー・メザバルバ チェン・ルイ チャンネル デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク デミアン・マイア ファブリシオ・アンドラジ ブラジリアン柔術 ボクシング マーカス・ブシェシャ・アルメイダ ヨッカイカー・フェアテックス リー・カイウェン 今成正和 佐藤将光 和田竜光 松嶋こよみ

【ONE158】計量終了 見逃せない『腹えぐり』対決ウォンイル✖アンドラジとシウバの柔術MMA

【写真】腹攻め、ヒザ✖左レバー、サウスポー✖オーソドックス。どのような結末が待っているか、クォン・ウォンイル✖アンドラジ(C)ONE

本日3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158「Tawanchai vs Larsen」の計量及びハイドレーション結果が発表されている。

和田竜光✖カイラット・アクメトフ、リース・マクラーレン✖シェ・ウェイというフライ級、ヘビー級でブシェシャが出場するMMAファイト、バンタム級とストロー級でも楽しみな試合が組まれている。


コメインのバンタム級戦=ファブリシオ・アンドラジとクォン・ウォンイルの一戦はKO決着必至、しかも腹への攻撃がカギを握るマッチアップといる。

2020年7月、コロナ禍のタイ・ドメスティック大会でONEデビューを飾って以来、4連勝中で佐藤将光以外は全てフィニッシュ勝利のアンドラジ。対するクォン・ウォンイルは、その佐藤に加えて松嶋こよみ、そして今成正和と日本人選手には3タテを食らいながら、それ以外の6試合は全てKO勝ちを収めている。

クォン・ウォイルは現在3連勝中で直近の試合では昨年12月に元ONE世界バンタム級王者のケビン・ベリンゴンを左レバーショットでKO、ブルーノ・プッチとチェン・ルイを合わせた3者を左ボディ、もしくは左ボディを効かせて右ストレート問う流れで仕留めてきた。

対してアンドラジはテンカオだ。ハードパンチャーのリー・カイウェンには腹への左ヒザを効かせて、ハイキックから連打でレフェリーストップ、ジャレミー・ピカティウには右ストレートに左ヒザを合わせて一発KOを決めた。

両者ともエグイ腹攻めを見せているが、クォン・ウォンイルが3連続KOをしてきた選手は全てオーソドックで、今夜の相手のアンドラジはサウスポーで蹴り技を使うことを忘れてはならない。

テンカオだけでなく、左右の前蹴りを三日月気味に入れることができるアンドラジは、オーソの相手に対し左ボディも打ち込める。対して、クォン・ウォンイルはほぼ右ボディは見せていない。もちろん、それは相手がオーソドックスだったからでもあるが、やはり両者の相性を考えると蹴りを自在に使うアンドラジに分があるか。

そのうえでクォン・ウォイルの特徴として、フィニッシュは近距離のボクシングという共通点があるが、そこに至るまでの過程では、ダブルレッグからテイクダウンをしてグラウンドで削るケースや、蹴りを多く使う場合もあることが挙げられる。

つまり最終的にはボクシングの距離で戦うが、それまでには対戦相手に応じて臨機応変に組み立てることができるということだ。組みや寝技に関しては、彼よりも能力の劣る相手に使う限定バージョンであることは想像できるが、アンドラジを相手に蹴りを織り交ぜて、そのまま重心が変わることなくボディショットばかりか、顔面へのパンチを決めることができれば4連続KO勝ちも十分にあり得る──クォン・ウォンイルだ。

一方、タイトル挑戦が現実のモノとなっているアンドラジは、相手の得意とする打撃で勝ちに行くのか。あるいはムエタイ流のバックテイクから今やノヴァウニオンで学ぶグラップリングを披露するのか。その辺りも気になる試合といえる。

グラップリングという観点では、メインカード1試合目に出場するスロトー級のベテラン=アレックス・シウバが面白い。3月に2RKO負けを喫したアドリアン・マタイスとの再戦だが、デミアン・マイアが身を引いた今、MMAでブラジリアン柔術──いやガードワークの妙技を駆使するという点で、シウバはUFCフライ級のアラン・ナシメントと並んで双璧といえる。

かつては下からの腕十字こそ絶対的に強さを持っていたが、そこを凌がれるとじり貧になっていたシウバは、今や絶妙なリバーサルを駆使し、スクランンブルと柔術を合体させたうえで一本勝ちもコントロール勝ちもできるスタイルを構築してきた。

特にハーフガード&アンダーフックからのレッスルアップ&テイクダウン、ハーフバタフライ&ギロチンからのスイープは見事の一言だ。ここに腕十字という伝家の宝刀をシウバは融合させた。ストロー級最年長のチームメイト=デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク引退後、39歳の元世界チャンピオンの柔術MMAをしっかりと目に焼き付けておきたい。

■放送予定
6月3日(金・日本時間)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ONE Supper App

■ONE158計量&ハイドレーション結果

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム:70.08キロ/ 1. 0091
ニクラス・ラーセン:69.85キロ/ 1. 0083

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ:65.77キロ/ 1. 0248
クォン・ウォンイル:65.09キロ/ 1. 0044

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン:60.78キロ/ 1. 0107
シェ・ウェイ:キロ60.89/ 1. 0040

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ:61.0キロ/ 1. 0061
和田竜光:61.0キロ/ 1. 0053

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ:111.92キロ/ 1. 0040
グト・イノセンチ:119.52キロ/ 1. 0057

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ:56.7キロ/ 1. 0244
アドリアン・マタイス:56.47キロ/ 1. 0214

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス:61.0キロ/ 1. 0091
グルダージャン・マンガット:61.0キロ/ 1. 0229

<キック・ライト級/3分3R>
マルワーン・トゥートゥー:77.11キロ/ 1. 0244
コンスタンティン・ルス:76.54キロ/ 1. 0103

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ:115.43キロ/ 1. 0099
サイモン・カーソン:105.46キロ/ 1. 0014

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
オーディ・デラニー:117.82キロ/ 1. 0036
メフディー・バルギ:115.09キロ/ 1. 0244

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
デューク・ディディエ:105.57キロ/ 1. 0036
ジャスール・ミルザムハメドフ:118.38キロ/ 1. 0152

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジェネリン・オルシム:52.05キロ/ 1. 0140
ジュリー・メザバルバ:52.05キロ/ 1. 0009

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
キム・ギョンロ:76.99キロ/ 1. 0152
エジソン・マルケス:76.88キロ/ 1. 0120

The post 【ONE158】計量終了 見逃せない『腹えぐり』対決ウォンイル✖アンドラジとシウバの柔術MMA first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE X ONE158 Road to UFC UFC アレックス・シウバ カイラット・アクメトフ カイ・カラフランス キック ケイド・ルオトロ チャンネル 和田竜光

【ONE158】アクメトフ戦前の和田竜光―02―「コントロールの有効性と凄さをケイドの試合で認めた」

【写真】ONEのグラップリング路線強化に関して、MMAに好影響が出ることを文句のつけようがなく論じた和田 (C)MMAPLANET

3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158でカイラット・アクメトフと戦う和田竜光インタビュー後編。

MMAにおいて、明白に打撃に比重を置いているONEにあって今春からグラップリングに力が入れられるようになった。その現状を和田は、MMAに好影響が出るのではないかと期待していた。

アクメトフとの大一番を前に、ここでは和田の論客振りを実感してほしい。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


J-MMAファンの目が翌週のRoad to UFCに集中するなか、同じシンガポールで日本を代表するフライ級ファイターが28勝2敗、難攻不落のアクメトフと相対する。MMAならでは、その妙が幾重にも折り重なるような高度かつ心身ともにタフな一戦に向かう和田の心境とは。


──そんななかONE X以降、ONEはキック&ムエタイばかりかグラップリングへ相当に力が入っており、MMAはどうなっているんだ……という印象があります。

「今回もムエタイがメインですよね……」

──ケージでMMAは今やスタンダードで、目新しくない。特徴として立ち技や組み技があることでONEの存在感を強調しているのか……。そんななか今大会で和田選手の試合に加えて、ブシェシャやファブシリオ・アンドラジが出て、マクラーレンもいてアレックス・シウバやヨッカイカーも出場しています。MMA勢にインパクトを残して欲しいところです。

「グラップリングに力を入れることは、僕は『おっ、良いじゃん』ってなりました。そうするとグラップリングのことをしっかりと判断できる人間がONEに増えるということでしょうし、ファンも組み技が何かを理解できる環境が整う。

テイクダウンをする大変さが理解できるようになってくるんじゃないかと。そんなことはないかもしれないけど、勝手に期待しています(笑)。そういう風にプラスに思っています」

──おおっ、そういう捉え方をしましたか!!

「ONEはムエタイをメインにしておけば良いという考えの人が多いから、MMAでも打撃への比重が高い。グラップリングに力を入れるなら、グラップリングへの評価が高まるかなって安直な考えです(笑)。

テイクダウンって大変じゃん。コントロールするって、凄いなぁって。ケイド・ルオトロが青木さんから一本は取っていないけど『ポジションを取ったことを評価したよね?』って。それで評価したけど、MMAだと極めていないと評価しないですよね。テイクダウンしただけでダメージは与えてない。でも、それを評価したということは、その有効性を理解しているということになるんで。

だからグラップリングが盛んになることで、MMAの評価も変ってくれればと」

──和田竜光流ONEの風刺ですね。いや、本当にそこに一貫性があれば日本のファンからもキレーごとと捉えられることもなくなって、ONEへの理解が深まると思います。

「しっかりとコントロールすることで、極めに通じるわけですし」

──別に休んでいるわけじゃないのに、「Go to Finish」はないだろうと。

「ハイ、その有効性と凄さをケイド・ルオトロの試合で認めたじゃないかって。MMAもそう思いませんか?とは言いたいです。グラップリングに力を入れるということは、そういうことでしょって。

あれだけグラップリングの価値を同じ大会のなかで見出して、MMAになるとその攻防への評価がないって、それは変だって思わないですか?ってなりますよね。ムエタイやキックで評価するところをMMAで評価しているんだったら、グラップリングで評価するところをMMAで評価してくれないとおかしい。ケイド・ルオトロと青木選手の試合を視て思いました。それで変わるか変わらないかは分からないですけど、そうなってくれれば良いなと思います」

──理論武装として100点です。そうでないとONEはそれぞれの競技に順位付けをしていることになります。バックコントロール、バックグラブを続けるのって楽じゃないんだぞってことですよね。

「ハイ。そう思います。本当にそうッスよ。それこそ、おたつロックなんてやっていますけど、アレ、足が疲れるんですよ。疲れた様子なんて見せないようにしていますけど(笑)。逃げる相手をコントロールするって大変で。もちろん、逃げようとする相手も大変で。それをパンチを一発も当ててないから評価しないと言われるのは……それがONEだとは理解しているんですけどね。

以前、ルールミーティングで『開始直後に一発パンチを当てられた方が、ダウンもせず10秒の時点でテイクダウンをする。そのまま抑え込み続けた。一発もパウンドを当ててない。でも4分50秒間抑えていた。どっちが勝ちますか』と質問したことがあります。そうしたら『パンチを当てた方が勝つ』という返答でした。

『あっ、なるほどね。本当にそういう判断なんだ』と分かりました。ONEとはそういう大会ですねと思って……」

──違うやんという裁定も時々ある(笑)。

「アハハハ。そうなんです。でも4分50秒間抑え込んで、削っている選手を支持するジャッジも絶対に出てくる。俺はそう思っています。ダウンじゃないですからね。結局はジャッジの主観だから、統一はできない。それでも、ONEとは一発のパンチなんだという認識でいます。ただしグラップリングを同時に組んで、コントロールを攻めと評価するならMMAも変ってくれないかなと」

──同時にグラップリングも動き続けないとイエローという北米グラップリング大会にはないシステムもあるのがONE流ですね。格闘技のルール、質は見る目によって変わってくると思います。

「あぁ……」

──寝技は面白くないよ、殴り合えって言うファンが多いと……やはりそうなる。だから主催者はお客さんの目でレギュレーションを固めていくと思っています。

「プロモーターは、お客さんが凄いと思うところを欲しがるのは確かですね。だからこそ、グラップリングの導入でONEのファンの組み技を見る目が変わってくれれば……ということになりますね。

ONEで組まれているグラップリングは相当にレベルが高いです。前回大会はMMAは少なかったけど、あの組み技の試合を視てグラップリングがONEで盛り上がることは、MMAにとっても良いことだと思いました」

──その影響はまだ出ないであろう今大会ですが、改めてカイラット・アクメトフ戦を戦ううえで、どのような意気込みでいるかをお願いします。

「シンプルに僕よりランクが上の選手ですし、僕が記録上は負けた選手に勝っている選手なのでやっぱり強いです。強いと思ったうえで挑むことができるので、ビックリすることはない。パンチを被弾し、テイクダウンを取られることもあるだろうけど、リカバリーして反撃に転じる場面を創って……向うにやり辛いと思わせる。その結果、ぐずぐずでも勝つ。それがプラン……ではなくて、イメージできています」

──強い相手を倒す、和田竜光。ひたすら期待しています。そのうえでJ-MMA界の目が、翌週に集中しているとは感じませんか。

「Road to UFCですね(笑)。UFCはUFCで素晴らしいです。ONEと契約しているけど、UFCが一番凄い大会で僕も出られるなら出たいです。ただし、やっていることは……ことフライ級に関していえば勝負できる選手はいると思っています。劣っているわけじゃない。

佑弥が行っても活躍できると思います。俺が行っても、それなりに活躍できる。アドリアーノが行ったら、チャンピオンになれるかもしれない。DJだって当然通用する。層でいうと違いはあっても、上の方の質でいえば同じで。やっていることは全然負けていない。

現にもう、古い話ですけど僕はカイ・カラフランスとやっていますし。世界チャンピオンになって、どんどん俺の株を上げろって思っています(笑)。だけど、僕と戦った時からカイ・カラフランスが爆発的に成長したわけじゃない。

ビックリするほど強くなっているとは思わないし、だからUFCに対する劣等感はなく、それ以上のことをやっているのでONEも楽しみに見て欲しいです」

■放送予定
6月3日(金・日本時間)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ONE Supper App

The post 【ONE158】アクメトフ戦前の和田竜光―02―「コントロールの有効性と凄さをケイドの試合で認めた」 first appeared on MMAPLANET.