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【UFC310】展望 アンカラエフ×ポアタンII。世にも奇妙な対面スマホ・トラッシュトーク合戦の行方は……

【写真】(C)Zuffa/UFC

4日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガス近郊のパラダイスのT-モバイルアリーナにて、UFC 320「Ankalaev vs Pereira 2」 が開催される。コメインとして絶対王者マラブ・デヴァリシビリにコリー・サンドハーゲンが挑むバンタム級タイトルマッチが組まれている今大会のメインは、新王者マゴメド・アンカラエフに前王者にアレックス・ポアタン・ペレイラがダイレクト・リマッチを挑むライトヘビー級タイトル戦だ。
Text by Isamu Horiuchi

両者の初対決が行われたのは、今年3月のUFC 313だ。当時の王者ポアタン(石の拳)ことペレイラは、2023年末にイリー・プロハースカを2RTKOに下して2階級制覇を達成。昨年はジャマール・ヒル、プロハースカ、カリル・ラウントリーの3人を驚異的な破壊力の打撃で沈めて3連続防衛を果たし、UFC最大のメガスターの座に昇り詰めた。

そんなペレイラとは対照的に、日陰の道を行くことを余儀なくされてきたのがアンカラエフだ。元凶は2022年12月のヤン・ブラホヴィッチとの王座決定戦にまで遡る。終盤組技で圧倒し逆転勝利を挙げたかに見えたアンカラエフだったが、まさかのドロー判定で戴冠を逃してしまった。さらに地味な試合展開にダナ・ホワイト代表が激怒。不可解判定の犠牲者ともいえるアンカラエフに救済措置が施されることはなく、次の王座決定戦はグローバー・テイシェイラとジャマール・ヒルの間で行われた。

英語を話さず派手なアピールも好まない質実剛健な立ち居振る舞いも災いし、その後アンカラエフには下位ランカーとの試合ばかりが組まれてゆく。自分より実績の低い選手達が次々とタイトル戦に抜擢される中、腐ることなく2年間勝ち続けたアンカラエフがやっと手に入れたのが、7カ月前のペレイラ戦だったのだ。


ノートラッシュトークの前回の対戦に対し、奇妙な因縁が生まれた再戦

人気では天と地ほどの差があったものの、実力的にはきわめて拮抗した頂上決戦となった前戦。アンカラエフは、ペレイラの前足の外側に踏み込んでの左ストレートを有効に使って主導権を握り、2R終盤には一瞬ペレイラのヒザを落とすビッグショットを当てた。さらに後半は組みついて金網に押し付けてのダーディボクシングで巧みにポイントを稼ぎ、逆転を狙うペレイラにビッグヒットを許さないまま試合終了。

冷遇に次ぐ冷遇を乗り越えたアンカラエフが、現在UFC最大のドル箱王者を判定3-0で下し、悲願の初戴冠を果たしたのだった。

そこから7カ月の時間を置いてのダイレクト・リマッチとなった今回、実は両者の間には前回は見られなかった奇妙な遺恨が生まれている。ことの始まりは、アンカラエフの公式アカウントより投稿されるツイートの数々だ。以前からこのアカウントでは、(片言の英語すらほとんど話さず相手を挑発することもない)アンカラエフの普段の言動とは合致しない攻撃的な英語ツイートが投稿されており、本人ではなくマネジャーのアリ・アブデルアジズの仕業であることが半ば公然の事実扱いされていた。

そんなアンカラエフ公式アカウントは、戴冠後も時折挑発的なコメントを投稿。「逃げてばかりいる相手と戦うのはなかなか大変だったよ」、「奴はケージ側に押し付けられたと怒っているが、私は奴をKO寸前まで追い込んだ」、「UFCから6月にアレックスと再戦のオファーを受けて私は承諾したのに、向こうが断ったのだ」等、ペレイラに向けられたものが多かった。

当初はこれらを静観していた前王者ペレイラだが、徐々に怒りが蓄積していったようだ。今回の再戦が公式に発表されると「マネジャーの手によるものなのだろうが、奴の名の下で書かれているのだから奴にも責任がある」、「俺は逃げてなどいない。嘘を書く奴らは気に食わない」とメディアで反論を開始した。

そして先週、公式YouTubeアカウントにてペレイラは「アンカラエフは犬の糞の如き王者だ」という過激なタイトルの動画を投稿。そこでペレイラは、ともにベガスのUFC PIで練習をする両陣営のニアミスを避けるために、PIのスタッフが別の部屋にいるアンカラエフに「今はまだペレイラ達がラウンジにいるから出てこないで」と指示を出し、それを受けたアンカラエフは部屋に篭っていた(とスタッフの女の子が言っていた)という話をまくしたてた。

その上で「奴は俺らチームと鉢合わせするのを恐れて隠れているんだ。俺たちはプロだから、決してこんな場所で相手を襲ったりしないのに。マヌケ野郎のクソ王者が!」と、たとえそれが事実だとしても(単にUFC側の方針に素直に従っていただけの)アンカラエフ側からすればイチャモンとしか思えないであろう論法で罵倒した。

すると、アンカラエフ公式ツイッターも英語で「私が戦う予定の愚か者が、私が隠れているとか言ったようだが、私が奴にリマッチを与えてやるのだから、奴は大いに感謝すべきだ」と反撃に出た。

さらに数日後、ペレイラ陣営とアンカラエフ&コーチがUFC PIのラウンジで顔合わせ。お互いの言語を解さないので当初は会話が成り立たなかったが、やがてスマホの英語ーロシア語の翻訳機能(と、英語とポルトガル語を話すペレイラ側の若手選手による通訳)を介したやりとりが開始。かくて、恐るべき戦闘能力を持つ巨人二人が、小さなスマホに向かって背を丸めて言葉を吹き込んでは、それが相手の言葉に翻訳され、読んだ相手がスマホに向かって返答し、再翻訳されるのをおとなしく待ってから、再びスマホに向かって話す…というUFC史上もっともシュールなトラッシュトーク合戦(?)が幕を開けたのだった。ペレイラ陣営の動画チームによって録画されたその内容は……。

アンカラエフ 僕がいつ隠れたというのだ?

ペレイラ 女の子がそう言った。動画にも残っている

アンカラエフ その子が何を言おうと関係ない。僕はここにいるんだから。何か用があるのか?

ペレイラ 今更どうでもいい。コイツは言いたいことを言えばいい。今俺たちは戦えないんだから

アンカラエフ 僕は大丈夫だ。いつでも構わない。

ペレイラ お前のことはプロとして尊敬するが、10月4日にはぶん殴る。顔を引っ叩いてやる。

アンカラエフ 僕らは10月4日に戦うのだから、これ以上(罵倒の)言葉を交わす必要はないね。

ペレイラ 俺から何かを言ったことなどない。いろいろ言うのはコイツの方じゃないか。そして今こうやって面を突き合わせてみても、コイツはクソ野郎だ。

アンカラエフ なんの話をしているんだ? なんで僕が隠れていることになるんだ?

以上のように話はどうにも上手く転がらず。やがてアンカラエフが去ろうとすると、ペレイラは自身のキャッチフレーズである「Chama! (やるぞ!)」と一言。するとアンカラエフも「No Chama! Let’s go! 10月4日だ!」と返答してその場を後にした。

その後同日に撮られたメディアインタビューでは、アンカラエフは通訳を通して「今回僕は怒っている。ぶちのめしてやりたいし、その瞬間を待っている」、「最近までアレックスをリスペクトしていたけど、もうその気持ちは失せた。こちらが隠れているなどと嘘を吐く人間は尊敬できない」、「アレックスは世間で過大評価されていたと思う。でも僕は実際に戦って奴を体感し、倒した。今回は前回より楽に勝てる。フィニッシュするよ。向こうも戦い方を変えて僕に勝てるとは思っていないだろう。それをするには年寄りすぎる。僕と再戦するのは、ただ大金を稼ぎたいだけだと思う」と、以前とは比べ物にならない強い口調で前王者をこき下ろしてみせた。

有意義なものを何も生み出さなかったかに見えた人間凶器二人の珍妙なるスマホトークだったが、結果として、今まで柔和な髭面と言語の壁、そして本人の意志に構わず放言するマネジャーの影に隠れていたアンカラエフの「喧嘩上等」な一面を覚醒させたようだ。

ちなみにその後アンカラエフ公式アカウントは「ところで僕は、この2カ月は自分でツイートしているんだよ。チャットGPTとグーグル翻訳は最高だ!」と投稿。当然の如くファン達からは「嘘つけ、アリ!」というツッコミが殺到したのだった…。

ライトヘビー級最高峰の対戦はテイクダウンの攻防が与える影響、心理戦が鍵?!

とまれ、紛れもなく世界の重量級頂上決戦である今回の再戦、その鍵は前回同様にスタンドにおける距離の攻防にある。サウスポーのアンカラエフとオーソドックスのペレイラ。前回は、アンカラエフが世界中で恐れられているペレイラの前手=左拳を巧みに捌きつつ、その外側を取りながら踏み込む左ストレートを中心にプレッシャーをかけることに成功し、主導権を握ったことが大きな勝因となった。

その背後では、テイクダウンをめぐる心理的攻防が働いていたようだ。ペレイラは、前戦にていつもより手数が減ってしまったことについて尋ねられた際「相手はテイクダウンを狙ってきていたからね。それによって距離も変わってくるから、調整せざるを得なかった。もっとアグレッシブに戦うべきだったか? おそらくね」と語っている。

実際に試合を見返すと、アンカラエフはテイクダウンを予期させる上半身のフェイントを随所に見せている。そうやってペレイラを警戒させてストレートで圧をかけ、アンカラエフはペースを支配した。戴冠後に公式アカウントも「レスリングを使って打撃の突破口を開くのが、今回のゲームプランだったよ」と語っている。

ならばこの再戦の大きな見どころは、レスリングの練習を重ねているというペレイラが今回、どれほどアンカラエフのテイクダウンを恐れずに自らのストライキングゲームを貫くことができるのか、にあるだろう。


■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC320対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
[挑戦者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
[挑戦者] コリー・サンドハーゲン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
カリル・ラウントリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・エメット(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
アブス・マゴメドフ(ドイツ)

<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ(カメルーン)
トレストン・ヴァインズ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラエルド・マーシャート(米国)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
アンドレ・ムニス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
クリス・グティエレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・サントス(ブラジル)
ユ・ジュサン(韓国)

<女子バンタム級/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
ヤナ・サントス(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
パッチー・ミックス(米国)
ヤクブ・ヴィクワチ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

<ウェルター級/5分3R>
ラムズ・ブラヒメジ(米国)
オースティン・ヴァンダーフォード(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
ブローガン・ウォーカー(米国)

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【UFC315】展望 BOX勝負? それとも上=モハメッド✕下=JDMの柔術?? UFC世界ウェルター級選手権試合 

【写真】テイクダウンがダメージを与える攻撃と比較し、評価されなくなった今、ボクシングと柔術の勝負になるのか (C)Zuffa/UFC

10日(土・現地時間)、カナダのモントリオールにあるベルセンターにて、UFC 315:「Muhammad vs Della Maddalena」 が行われる。ヴァレンチーナ・シェフチェンコ✕マノン・フィオホの女子フライ級タイトルマッチをコメインとする今大会のメインは、新王者ベラル・モハメッドにランキング4位のジャック・デラ・マダレナが挑むウェルター級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

モハメッドは、昨年7月にレオン・エドワーズに挑戦。不利が予想されるなか、打撃で圧をかけ金網側に追い詰めてテイクダウンしコントロールするという、世界中のグラップリング系MMAファイターがストライカーを攻略する際の手本となるような戦いで完勝し、王座に輝いた。その後年末のUFC310にて、当時プロ18戦全勝だったシャクハト・ラクモノフとの初防衛戦が予定されていたが、足指の骨折に起因する骨の感染症のため欠場を余儀なくされた(ちなみにそれが原因で、王者アレッシャンドリ・パントージャにUFC初参戦の朝倉海が挑んだフライ級タイトルマッチが当大会のメインに格上げされたのだった)。

その日ラクマノフは、代打出場のイアン・マシャド・ギャリーとの全勝対決を接戦で制し、モハメッドも抗生物質による治療を経て回復。今回ついに両者の戦いが実現するかと思われたが、今度はラクマノフの方が負傷により出場を断念した(負傷の詳細は公表されていないが、ラクマノフはヒザの怪我を抱えながらギャリーと戦ったという話もあり、今回の負傷もそれと関係しているのではとの推測も流れている)。そこでこのたび挑戦者として抜擢されたのが、豪州出身のストライカー、ジャック・デラ・マダレナ(以下JDM)だ。


挑戦者JDMは、派手さはないが自然と人を惹きつける独特の佇まいの持ち主

少年時代にラグビーに打ち込み、14歳からボクシングをはじめたというJDMは、2016年3月にプロデビューから2連敗を喫するも、その後は連勝。KO勝利にてエターナルMMAウェルター級王座に就くと4連続KO防衛を記録し、21年9月のDWCSでの判定勝利を経て、UFCと契約した。最高峰の舞台でも強力な拳を武器に連勝を重ね、昨年3月には当時ランキング4位にしてタイトル挑戦経験を持つジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズと対戦した。

1Rは多彩なコンビネーションで有利に立つも、2Rはテイクダウンからバックコントロールを許して迎えた勝負の3R。中盤にまたしてもテイクダウンから背中に突かれてしまい万事休すと思われたJDMだが、ここで乾坤一擲の前方ロールを敢行して振り解き、立ち上がることに成功した。次の瞬間、組みにきたドゥリーニョにカウンターの右ヒザをクリーンヒット。後方に倒れ込んだところにヒジとパウンドの連打を浴びせて仕留め、キャリア最大の勝利を挙げるとともに、UFC登場以来7連勝(その前から数えると17連勝)を記録した。

この試合で腕を負傷し手術を受けたJDMは、それに起因する感染症治療のためしばらくオクタゴンから遠ざかることに。一年経過した今年の3月に、元王者エドワーズとの試合が組まれた。が、前述のように第一挑戦権を持つラクマノフが負傷を理由にタイトル挑戦を見送ったことで、今回挑戦権が回ってきた。

挑戦者JDMは、派手さはないが自然と人を惹きつける独特の佇まいの持ち主だ。普段の言動はそのオクタゴンでの戦い方と同様、きわめて冷静沈着。余計なことは言わず相手を煽ることもせず、常に簡潔なその言葉は、余裕と自信を醸し出している。イタリア系の祖父を持ち、いわゆるイケメンではないものの(同郷豪州が生んだレジェンドにして練習仲間でもあるアレクサンダー・ヴォルカノフスキーともどこか共通した)強者特有のオーラを身に纏う。

対照的に王者モハメッドは、以前からとかくファンの反感を集めがちだった選手だ。強力なレスリングベースを活かして相手を「漬けて」の判定勝ちが多く、にもかかわらず独特の高い声&早口で自己アピールを欠かさない。戴冠する前からカマル・ウスマン等歴代王者たちについて「俺の方が実績は上」と主張したり、「もしレオン(エドワーズ)を倒したら、俺は歴史上最も偉大なウェルター級選手となるな!」等と放言することで、ファンのヒートを買ってきた。

さらに遡って4年前、エドワーズのアイポークをもらって試合続行不可能となった時に人目を憚らず泣き叫んだ姿も、長く嘲笑のネタにされてきた。そして──彼がパレスチナ系アメリカ人であり、常に祖国を代表して戦うと公言している事実も、ファンの否定的な反応の多さと無関係とは言えないだろう(実際「なぜベラル・モハメッドにはこんなにアンチが多いのか?」という議論が英語圏のファンの間でされる際には、その戦いぶりや言動に加えて民族的出自がしばしば指摘される)。

そんなモハメッドだが、この防衛戦に向けてのファンの反応は今までと比べてはるかに好意的なものが目立つ。今回彼がJDMを倒し、ラクマノフとの頂上対決が実現することを望む声も多い。前回のエドワーズ戦における素晴らしい戦いぶりが、そのビッグマウスに説得力を与え、またその背後にある多大なる努力の存在を人々に否応無しに伝え、その見方を変えてきているようだ。

以前からUFCと蜜月の仲にあるドナルド・トランプ米大統領が、国内におけるイスラエルへの抗議行動に大きな圧力をかけている現在。パレスチナの旗を背負って戦うモハメッドは、複雑な政治的事情を超越して人々を魅了する力を格闘技が秘めていることを示してくれているとも言える。

さて、(1NCを挟んで)目下10連勝中の王者モハメッドと17連勝中の挑戦者JDMによる今回の一戦だが、下馬評は王者有利と出ている。両者がこれまで戦ってきた相手の違い、そして互いの戦い方の相性を考えると妥当な評価だろう。

JDMの最大の武器は何といってもその拳

(C)Zuffa/UFC

挑戦者JDMの最大の武器は何といってもその拳だ。

常にリラックスした姿勢から放たれる伸びのあるジャブを中心に相手にプレッシャーをかけつつ、距離を支配。コンパクトかつ精度と威力を兼ね備えたパンチを上下にスムーズに打ち分けて相手を倒すその戦いは、UFCウェルター級のベストボクサーという評価に相応しい。

しかしモハメッドは前戦、このような相手を攻略するのに最適と思われる戦い方を見せつけている。これまで(カマル・ウスマンやコルビー・コヴィントンといった強力なレスラー相手に)卓越した距離の支配力とテイクダウンディフェンスを披露してきたエドワーズと対峙したモハメッドは、その打撃を恐れることなく常に体を振りフェイントを多用しながら、鋭いジャブを中心にプレッシャーをかけた。やがて金網側に追い詰めたところでテイクダウンに入ったモハメッドは、しっかりとクラッチを組んでエドワーズの体を高々とリフト。試合を自らの土俵であるグラップリングに持ち込み、主導権を握ってみせた。

そこでこの試合の最大のポイントは、挑戦者がいかなる形で──打倒ストライカー用ブループリント世界最新版と言える──モハメッドの戦い方に対抗するかだ。最初の注目点は、スタンドにおける距離のコントロールと圧力の掛け合いの攻防で、どちらが主導権を握るかだろう。

作戦の詳細を語ることはないJDMだが、「こちらの第一のディフェンスラインは、テイクダウンを防ぐことだ。序盤にそれができれば、その後の試合展開はぐんと楽になる。できると信じている」と話す。そのために一番避けたいのは、スタンドでモハメッドの圧力を受けて金網に詰められてしまうことだ。

前戦でモハメッドは、サウスポーのエドワーズに対してスイッチを繰り返し、巧みに逃げ道を塞ぎつつ圧力をかけてみせた。が、JDMもまたスイッチを用いて、圧力をかけてゆくタイプだ。エドワーズのように簡単に下がらされてしまうことはないだろう。

左右どちらの構えからも変わらず綺麗なコンビネーションを放つJDMは、ジャブの伸び、拳の威力と精度においてはモハメッドを上回る。が、そのぶん王者は打撃に加えてテイクダウンのプレッシャーを混ぜることができる。お互いが相手の動きに応じてスタンスを変え合う中、相手に自分の武器を警戒させ、後退を余儀なくさせるのはどちらか。

ちなみにモハメッドは「俺はこの階級のベストグラップラーというだけでなくベストボクサーだ。俺の(世界4回級制覇の)カネロ・アルヴァレズばりの拳をもって、ボクシングでもジャックを圧倒してやるぜ!」と豪語している。

「ベラルの拳はカネロの如く特別だよ」

(C)Zuffa/UFC

これまたアンチの癇に障りそうな言葉だが、全く説得力がないわけではない。

前回のエドワーズ戦前でも、モハメッドの打撃コーチが「ベラルの拳はカネロの如く特別だよ」と語り、嘲笑のネタとされたことがあった。が、実際に試合でモハメッドはエドワーズと堂々拳で渡り合い、有効打を当てる場面まで作ってみせた。そして戴冠直後のインタビューにて、世界を驚かせた新王者はダニエル・コーミエに向かって「俺がカネロのように戦うという話をみんな笑いやがったが、あのジャブを見ただろ!」と得意満面に捲し立てたのだった。

ビッグマウスの裏でたゆまぬ努力を重ねるモハメッドが、大きく上達したボクシング技術にさらに磨きをかけていることは間違いない。「奴自身の一番得意な分野(=ボクシング)で圧倒して、心を折ってやるさ」という王者の挑発的な言葉がどこまでブラフなのかを見極めるのも、スタンドにおける両者の拳の交換の攻防の楽しみ方だろう。

もっとも、この試合でモハメッドが打撃勝負に専念すると予想する者は少ないだろう。JDMにはテイクダウンを切らずに受け止めてしまう傾向があり、前回のドゥリーニョ戦でも数回テイクダウンを許している。立ち技で圧をかけることができようができまいが、王者がテイクダウンを仕掛け、試合がグラウンドに移行する場面が複数回見られる可能性は高い。

そこでこの試合のさらなる注目点は、グラウンドで抑え付けてドミネイトし、パウンドでダメージを与え究極的にはフィニッシュを狙う王者と、下から動いて立ち上がりたい挑戦者のせめぎ合いにある。

豪州が輩出した世界的重量級グラップラーであるクレイグ・ジョーンズとの練習を重ねているJDM自身「背中を付けさせられても戦う準備はできているよ。下からでも攻撃を仕掛けるし、立ちに戻る術も持っている」と語る。対するモハメッドも、JDMについて「ジャックは確かにテイクダウンを許すけど、その後も諦めずに動き続け、スクランブルをし続ける。一番の強みはそのハートだ。諦めてしまう癖のあるレオン(エドワーズ)と違って、ジャック(の心)をブレイクする(折る)のはより困難だ。だからこそ俺は、あの時よりハードに戦う必要があるんだ」と、その心身の強さを称え、タフファイトになる可能性を暗に認めている。

序盤にモハメッドがテイクダウンを取ったとしても、その度にJDMは王者の上からの圧に対抗し、立つことを試み続けるだろう。この苛烈な攻防で消耗してゆくのはどちらか。5Rのタイトル戦の中盤から後半にかけて相手の心身をブレイクするのは、グラップリングの強さを最大限に活かすために打撃を磨く王者モハメッドか、それともMMA最高峰の拳で勝負するために組みを強化するJDMか。頂点を争う戦いが、互いが全てを出し尽くし奪い合う死闘となる可能性は高い。

元UFCランカーの水垣偉弥氏は、当サイトのインタビューにて、エドワーズ戦におけるモハメッドを「(フィジカル等で突出した要素を持っているわけでない)凡人が見本とする選手」と絶賛している。弛まぬ努力と工夫で究極のストライカー攻略法を実践してみせた王者と、拳と鉄の心でそれを凌駕せんとする挑戦者の戦いは、MMAファイターと打撃系格闘技からの転向組の凌ぎ合いが盛り上がるジャパニーズMMAのより深い楽しみ方をも、我々に教えてくれるだろう。

■視聴方法(予定)
5月4日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前7時30分~U-NEXT

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AB o PANCRASE Pancrase350 UFC UFC310 エイドリアン・ヤネス カマル・ウスマン ギャリー ダナ・ホワイト パンクラス フェルナンド マネル・ケイプ

UFC on ESPN63:オッズ/予想と展望

コルビー・ コビントン 3.40
ホアキン・ バックリー 1.34
カブ・ スワンソン 2.36
ビリー・ クアランティロ 1.62
マネル・ケイプ 1.28
ブルーノ・ シウバ 3.85
ビトー・ ペトリーノ 1.32
ダスティン・ ジャコビー 3.50
エイドリアン・ヤネス 2.70
ダニエル・ マルコス 1.49
ナバホ・ スターリン1.14
トゥコ・ トコス 6.00
マイケル・ ジョンソン 1.49
オットマン・ アザイター 2.70
ヨエル・アルバレス 1.24
ドラッカー・ クロース 4.30
ショーン・ ウッドソン 1.60
フェルナンド・ パディーヤ 2.40
マイルズ・ ジョーンズ 3.00
フェリペ・ リマ 1.41
ミランダ・ マーベリック 1.18
ジェイミー・リン・ ホース 5.10
デイビー・ グラント 1.91
ラモン・ タヴェラス 1.91
ジョセフィン・ クヌットソン 1.42
ピエラ・ ロドリゲス 2.95

2024年UFC終戦。以前は年末または年始の年越しに最も近い週末にイベントを開催していたUFCだが、2018年の年末大会を最後に、12月半ば~1月半ばまで1ヶ月近い年末年始休みを挟むことが恒例となっている。

メインのウェルター級トップ対決は、両者ともに、先週のUFC310の防衛戦を王者ベラルが欠場した際に、代役での暫定王座決定戦に名乗りを上げていた選手。バックリーの場合は、すでにイアン・マシャド・ギャリー戦が発表されていた。結局暫定王座戦は組まれなかったが、ノンタイトル戦とはいえ、ラフモノフ vs. ギャリーの無敗対決がUFC310で組まれ、相手がいなくなったバックリーの相手をコビントンが務めるというカードシャッフルが行われた。

暫定王者コビントンは2019年に当時の王者カマル・ウスマンと対戦し敗戦すると、その後は年1試合ペースで、昨年末にはレオン・エドワーズのタイトルに挑戦したが、特に見せ場なく判定負け。ダナ・ホワイトからも「歳をとって遅くなった」と酷評された。ここ2戦勝った相手は、いずれも年上のウッドリーとマスヴィダル。そろそろトップクラスで戦うのは厳しくなってきており、この試合で負けるようだと、タイトル戦線からは大きく外れることになる。

KOアーティストのバックリーは、ウェルター級に落としてから5連勝中。特に前戦は、キャリアで1度しかKO負けのないディフェンスの固いスティーブン・トンプソンを飛び込んでのパンチでKO。ようやくトップ10ランク入りし、今回が初のメインとなる。

加齢とブランクで反応が鈍っているコビントンに、若くスピードのあるバックリーは厳しそう。バックリーKO勝ち。

セミ前にはマネル・ケイプが登場。UFCデビュー年の2021年は4試合したケイプだが、22年・23年は1試合ずつ。今年も7月のムハンマドモカエフ戦と、この試合でようやく2試合目となる。試合消滅が多いが、自身の体重オーバーや怪我によるものもあるので、あまり強く文句は言えない。

2連敗のあと4連勝していたケイプが、今年7月にムハンマドモカエフと対戦した際には、勝った方がタイトルマッチ挑戦か?とも思われていたが、勝ったモカエフがまさかの再契約されずでリリース。ケイプとしては、負けた相手がいなくなったことで、実質負けをなかったことにできるかもと思ったが、しっかり評価が落ちて、下位ランカーとの対戦に。

相手のブルーノ・グスタボ・ダ・シウバは、UFCデビューから3戦は勝ち星がなかったが、そこから4連続フィニッシュ勝利・4連続ボーナス獲得。前戦でランカーのコーディ・ダーデンを破ってランキング入りしたばかり。軽量級ながら打撃が重く、一発で試合の流れを変えられる。ケイプとは手が合いそう。

フライ級は挑戦者候補が不足しているだけに、この試合で勝った方に、次の試合で次期挑戦者決定戦が組まれてもおかしくない。

第1試合開始は15日朝9時から。メインカードは12時から。当日は12時30分からPANCRASE350があるので、それ以降の試合はパンクラスの速報終了後になります。

 

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o UFC UFC310 YouTube

Israel Adesanya & Navajo Sterling React To The WILD UFC 310 Pay Per View

Two Time UFC Middleweight Champion Israel ‘The Last Stylebender’ Adesanya & City Kickboxings newest addition to the UFC roster Navajo Sterling react to the wild UFC 310 Pay Per View.

Edited by: @StayHYDRATEDVisuals
Shot & Produced by: @DAVEBLAKAMOTO

#ufc310 #alexandrepantoja #shavkatrakhmonov

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC310 アドリアーノ・モライシュ アレッシャンドリ・パントージャ 朝倉海

【UFC310】朝倉海、1Rにヒザ蹴りをヒットさせるも、パントージャの必勝パターン=RNCで一本負け

[王者] アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
Def.2R2分5秒 by RNC
[挑戦者] 朝倉海(日本)

パントージャが右カーフを蹴って前に出る。朝倉は右の飛びヒザ蹴りを見せるが、パントージャはそのまま組みつく。ここは距離が離れるが、パントージャは左フックを当ててダブルレッグで朝倉に尻餅をつかせる。ケージを背にして立ち上がった朝倉はパントージャをケージに押し込んでヒザを入れる。ここで朝倉が距離を取ろうとするが、パントージャは朝倉の頭を持って足をかけてテイクダウンする。パントージャが体を起こしてパスを狙うと、朝倉も一緒に立ち上がって距離を取る。

朝倉は右のスーパーマンパンチ、パントージャは右ストレートを返す。朝倉はインローと三日月蹴り、パントージャも右ストレートからパンチを返す。朝倉は右ボディストレートを振って、右ストレートから左のテンカオ。これがパントージャのボディに突き刺さる。パントージャは変わらず前に出て関節蹴り。ここでも朝倉は右の飛びヒザ蹴りを狙う。浅倉はケージをサークリングして前手のフック、飛び込んでの左フックを見せる。

パントージャはガードを上げて前に出ると、朝倉が左ミドル。パントージャは右ミドルを蹴り返し、左フックから右ロー、ワンツーから前に出てダブルレッグに入ると離れ際にヒザを突き上げる。距離が離れるとパントージャは左フックから右ミドル、左フックら右ストレート、関節蹴り。浅倉はジャブから右膝のフェイントを見せ、パントージャは左フックから右ミドルを蹴る。再びパントージャは左で前に出て右ミドル、ジャブと関節蹴りで距離を取る。

2R、パントージャがガードを上げてジャブで前に出る。朝倉は下がって右ストレートを当てるが、パントージャが組みつく。パントージャは朝倉の上体を振って足をかけてテイクダウンし、朝倉の立ち際にバックに飛び乗る。右足を深く入れてスタンドバックを取るパントージャ。足をかけて朝倉を前方に崩して、背中に飛び乗って足を四の字フックする。ここからパントージャ腕を深く入れてRNCへ。最後はパームトゥパームで一本勝ちを収めた。

試合後、パントージャは「これがUFC、UFCのレベルだ。最高峰なんだ。日本からやってきてベルトを巻こうと思ったんだろうけど、ノー。今度は僕が日本へ行って防衛する。望まれたことをやるよ。ただ、あのキッドは最高だ。タフなウォリアーだった。クレイジーなハイライトリールもあったけど、問題ない。ここが俺の街、オクタゴンなんだ。このボディトライアングルはパフンピーニャ・フックだ。ATTというタフジムで、キョージ・ホリグチ、アドリアーノ・モライシュがずっとサポートしてくれた」と語った。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC310 キック ギャリー シャクハト・ラクモノフ ベラル・モハメッド

【UFC310】3回戦の方が見応えがあったような……コメインでラクモノフがギャリーを下しタイトル戦当確

<ウェルター級/5分5R>
シャクハト・ラクモノフ(カザフスタン)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
イアン・マシャド・ギャリー(アイルランド)

慎重な立ち上がりの中、様子見の打撃戦もそこそこラクモノフが組んでクリンチに。ダブルアンダーフックでケージに押し込まれたギャリーは、ケージに持たれてテイクダウンを防ぐ。小外から右腕を差し上げて倒しにいったラクモノフに対し、切り返して上を取りに行ったギャリー。ここでラクモノフがバックを取る。力のこもったテイクダウンの攻防は、続いてギャリーが大内刈りへ。決まったかと思われたが、ラクモノフが耐える。

残り40秒、打撃の間合いに戻るとラクモノフが右ストレートをヒットさせる。そのまま組んだラクモノフは、ケージにギャリーを押し込む。ギャリーが押し返したところで時間に。右一発で、ラクモノフのラウンドを取った。

静かな打撃戦に終始する2R。ラクモノフがジャブを伸ばし、ギャリーがローを蹴る。ハイキック、ボディを殴ったギャリー、右を被弾しラクモノフが圧を高める。続く左リードフックをかわしたギャリーが組んで、クリンチへ。ヒザを突き刺したギャリーだがケージを背負った状態が続く。ラクモノフはボディロックからワキを潜ってバックに。最後打撃の間合いに戻ると、残り5秒を切ってラクモノフも左とギャリーの右が交錯した。

3R、左ハイミドルのギャリー。続いて左右のローで前足を蹴って行く。さらに左ミドルを入れるなど蹴り重視、そしてラクモノフは見る展開が続く。ギャリーは関節蹴りを繰り出し、ラクモノフも右オーバーハンドをかわしてヒザを見せる。距離を詰めるラクモノフだが、パンチは当たらずクリンチへ。ケージにギャリーを押し込むと、ねちっこい展開に残り70秒でレフェリーブレイクを命じた。

離れた直後にギャリーが左ハイを繰り出す。ジャブの差し合い、ラクモノフの後ろ回し蹴り&スピニングバックフィストは空振りに。直後に左ジャブを入れたラクモノフは、ギャリーのスピングバックフィスト後に右をヒットさせた。

4R、ギャリーは右カーフ。ラクモノフは右を振り、スピニングバックキックで今度は腹を狙う。カーフを再び入れたギャリーの上への蹴りに、ラクモノフが右を合わせようとする。スッと入ってクリンチにいくラクモノフは、離れるとシングルレッグで潜り込みテイクダウンを決める。それだけタイミングが良かったのか、あっさり下になったギャリーは鉄槌に背中を見せて立ち上がる。乗り過ぎて前方に落ちたラクモノフに対し、ギャリーはニンジャチョークを仕掛ける。ラクモノフは頭を抜き、姿勢が乱れたギャリーのバックへ。正対したギャリーは、スピニングバックフィストを空振りしてダブルレッグでこの回2度目のテイクダウンを許す。しなるような鉄槌を振り落とすラクモノフは、腕十字を凌いでラウンドを明確に取った。

最終回、恐らくラクモノフが3つのラウンドを取っており、勝利にはフィニッシュが必要なギャリーが、ラクモノフの執拗なテイクダウン狙いのなかでバックを奪いグラウンドへ。ギャリーは両足をフックして、ボディトライアングルに取る。アゴの上からRNCをセットしたギャリーがパームトゥパームからワンハンド、そしてRNCに組み替えて絞めていく。耐えたラクモノフが胸を強引に合わせていくが、ボディトライアングルがまだ効いている。それでも正対したラクモノフは、四の字でクローズドガードから起き上ってリバーサルを狙ったギャリーを潰す。

オープンから下がってスペースを作って立ち上がったギャリーが、クリンチへ。押し込み返したラクモノフは、そのまま時間を使う。最後に離れた両者、ギャリーのスピニングバックフィストは空を切り、タイムアップとなった。

1Rの力のこもったクリンチの攻防、そして終盤2Rは攻め合ったが、途中の2・3Rのペース争いを考えると3回戦で良かった──と思わせるコメインは、ラクモノフが3-0の判定勝ちを収めケージインしたベラル・モハメッドと、世界タイトルを掛けて戦うことが決まった。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC310 クロン・グレイシー ブライス・ミッチェル

【UFC310】引き込んで腕十字を極めかけたクロンだが…最後はミッチェルがスラムからのヒジでKO

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
Def.3R0分39秒 by KO
クロン・グレイシー(ブラジル)

サウスポー同士の両者、クロンが前蹴りとジャブで前に出ていく。ガードを上げて距離を詰めるクロンに対し、ミッチェルはボディにパンチを振って、首相撲からヒザ蹴り。クロンがガードに引き込むと、ミッチェルがハーフガードでトップキープする。クロンはクローズドガードに戻すと、ミッチェルの上体をホールドする。ミッチェルは頭をクロンの顔につけ、首相撲のように内側から手を入れて細かく殴る。

クロンはミッチェルの右腕を抱えてアームバーを狙うが、ミッチェルも腕を抜いて対応する。クロンはクローズドガードを取ったまま再びアームバーや腕十字を狙うがミッチェルのベースを崩せない。ミッチェルは体を起こして右ヒジ、細かくボディにパンチを落とす。クロンはミッチェルの左腕にもアームバーを狙うが極まらない。この態勢のままラウンド終了を迎えた。

2R、ミッチェルが右の前蹴り、それをフェイントにして左ストレートを当てる。クロンもジャブ・左ストレートで前に出ていくが、ミッチェルがワンツーを当ててヒザ蹴り。これでクロンが下がるが、1Rと同じく組みの攻防になるとクロンが引き込む。

クローズドガードのクロンに対し、ミッチェルはクロンの顔を押してパンチを入れる。立ち上がったミッチェルはスタンドを要求する。試合がスタンドに戻るとミッチェルはワンツーと右ヒザ、クロンもワンツーで前に出て組みになると引き込む。ここでクロンはミッチェルの左腕を取って腕十字を仕掛け、ミッチェルが腰を上げると三角絞めへ移行する。

クロンはバックも狙うが、ミッチェルはクロンの体をケージに押し込んでディフェンスする。ここでクロンが再び腕十字を仕掛け、ミッチェルの左腕を伸ばす。ミッチェルも完全に腕は伸ばさせず、亀になるクロンに一気にパンチを入れる。

3R、クロンがガードを上げて前に出るミッチェルはアッパーを突き上げてヒザ蹴り。これでバランスを崩したミッチェルだが、すぐに立ち上がる。ミッチェルはワンツーと左ボディ、首相撲からヒザを突き差す。

クロンが飛びついてクローズドガードで飛びつくと、ミッチェルは前腕でクロンの顔を押しながら、引き込むクロンを頭からマットに叩きつける。これが効いたか、クロンの動きが一瞬鈍ると、ミッチェルは左ヒジを連打。これで完全にクロンの動きが止まり、レフェリーが試合を止めた。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC310 チェ・ドゥホ ネイト・ランドヴェール ブライス・ミッチェル

【UFC310】打撃でランドヴェールを圧倒。寝ても強い、チェ・ドゥホがクリスフィックス&エルボーでTKO

<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ(韓国)
Def.3R3分21秒by TKO
ネイト・ランドヴェール(米国)

走って距離を詰めたランドヴェールに対し、いきなり左アッパーを突き上げたチェ・ドゥホはさらに右オーバーハンドを打って行く。続くランドヴェールのステップインにも、チェ・ドゥホは左フックを合わせる。右カーフ、左アッパー、ワンツーの左と序盤からランドヴェールを圧倒するチェ・ドゥホは、組んでも即バックに回ってグラウンドに持ち込む。

ランドヴェールはシングルを切られて、背中を譲ると必死にリストを掴んで防御に徹する。チェ・ドゥホはワンフックから両足をフック、ランドヴェールの背中を伸ばしに掛かる。上を向いて胸を合わせつつ、スクランブルに持ち込んだランドヴェール。試合が打撃の間合いに戻ると、チェ・ドゥホが右フック、左アッパー、左ボディショット、右カーフと攻め続ける。ランドヴェールもガードを固めて前に出るが、ここも左アッパーをアゴに受けてしまう。組んでもエルボーを受けたランドヴェールが、離れたところで初回が終わった。

2R、すぐに左アッパー、ボディを連続でいれたチェ・ドゥホが、さらに手数を増し右カーフでランドヴェールのバランスを崩させる。ランドヴェールは組んでヒザを繰り出し、スピニングエルボーを狙う。直後にボディロックから、後方に投げたチェ・ドゥホはサイドからマウントに移行する。背中を向けたランドヴェールを殴るチェ・ドゥホは、自在に寝技でもコントロール。両足をフックして背中を伸ばしに掛かる。必死に腰を上げたランドヴェールだが、両足をフックしなおしたチェ・ドゥホは乗り過ぎの状態から仰向けになり、自らスタンドに戻る。

直後に胸を合わせた状態で、フットスイープでテイクダウンを決める。ランドヴェールはディープハーフを潰され、シングルに出るが上は取れない。試合はスタンドに戻りクリンチ戦が続き──この回もコリアン・スーパーボーイが取った。

最終回、激しいで打撃戦で一発被弾したチェ・ドゥホは、組みの展開でがぶろうとしたランドヴェールを前方にいなして、寝技に持ち込む。サイドで抑え、クルスフィックスにとったチェ・ドゥホがエルボーを打ちつける。暴れるランドヴェールを抑えパンチを落とすチェ・ドゥホ。ランドヴェールは足を絡ませていくが、殴られ断念。それでも両足を振り上げ、サラブリッジと何とかポジションを返そうとするランドヴェールだが、エルボーの連打にレフェリーが試合を止めた。

立ちだけでなく、寝ても強かったチェ・ドゥホは「古い世代の時にランク11位だった。新しい世代のなかでもフェザー級で生き残りたい。10年もUFCで戦っているのだから、グラップリングもこれぐらいできないと。次はブライス・ミッチェルと戦いたい」と話した。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC310 テンバ・ゴリンボ ホルヘ・マスヴィダル ヴィセンチ・ルケ

【UFC310】これぞ接近戦打撃MMA。ルケが右ショートでゴリンボを倒し、ダースチョークで絞め落とす

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
Def.1R0分52秒 by ダースチョーク
テンバ・ゴリンボ(ジンバブエ)

ケージ中央で向かい合う両者、ゴリンボの右ミドルにルケが右カーフを返す。ゴリンボは右ローと右ストレートで攻めるが、ルケがプレスをかける。距離が詰まったところでルケの右ショートがインサイドからクリーンヒット、腰を落としたゴリンボがシングルレッグで組むと、ルケがギロチンへ。ダースチョークに切り替えてゴリンボを絞め落とした。

一本勝ちを収めたルケは「アイ・アム・バック。誰でもフィニッシュできる。この連携を練習してきた。ショートレンジで、クレイジーな戦いをしてきた。ウェルター級で2番目にフィッシュ数が多い。ホルヘ・マスヴィダルが復帰するなら、戦いたい」とマスヴィダル戦を希望した。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC310 アルジャメイン・ステーリング ブログ モフサル・エフロエフ

【UFC310】極上のスクランブル合戦!エフロエフがステーリングに競り勝ち、デビューから無傷の19連勝

<フェザー級/5分3R>
モフサル・エフロエフ(ロシア)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
アルジャメイン・ステーリング(米国)

ステーリングが前後のステップから前に出ていく。サウスポーに構えて左ミドルと右フック、オーソドックスに戻すと右カーフと右のロングフックを見せる。エフロエフも右カーフを蹴るが、ステーリングはスイッチしながら左ミドルを蹴る。ステーリングはダブルレッグで組みつくとエフロエフの体を左右に振ってバックへ。

エフロエフは右手と右ヒザをついて完全にグラウンドには持ち込ませず、ケージまで移動する。ステーリングは左足をフックして後方に崩し、両足をフックする。エフロエフも上体を起こしてコントロールさせないようにするが、ステーリングも足を外してバックキープ。エフロエフが立ち上がると、ステーリングは持ち上げてテイクダウンしてバックへ。

ここでエフロエフはステーリングの腕を一本持って、ステーリングを前に落として逆にバックにつく。エフロエフは左足を入れつつ、ステーリングが立ち上がると後ろから殴る。エフロエフは後方に倒してスクランブルの攻防から上を取る。ステーリングが脇を差して体を起こすとステーリングがパンチを入れ、ステーリングは下からエフロエフの体を左右に振って、シングルレッグからスターリングを担ぐようにして後方に倒す。

2R、エフロエフが右ミドル。ステーリングがダブルレッグを合わせてテイクダウンして、エフロエフをケージに押し込む。エフロエフは小手を巻いて投げを狙いつつ、ステーリングの頭をがぶる。ステーリングが脇を差して起きようとすると、エフロエフは差し返して寝かせてステーリングを寝かせる。サイドを取ったエフロエフはバックへ移行して、後ろから鉄槌を入れる。

バックキープされるステーリングだが一気に反転して正対、エフロエフが組みつくとパイルドライバーのように持ち上げる。エフロエフがステーリングをケージまで押し込むと、ここは両者離れて試合がスタンドに戻る。エフロエフが右ストレート、ステーリングも左を返す。エフロエフがバックスピンキック、ステーリングの蹴り足をとって右を打ち込んで、そのままテイクダウンしてハーフガードでトップキープする。

エフロエフはステーリングの動きに合わせてバックへ。足を一本入れるが、それを外したステーリングが前転して、片足を取ってシングルレッグの形に持ち込む。ここからステーリングは前に出て、ダブルレッグでケージまで落ち込む。エフロエフはがぶってボディを殴る。

3R、ステーリングが構えをスイッチしながら蹴りを見せる。エフロエフも前に出ながら右フックと右ストレート、スピニングバックフィストを見せるが、空振りさせたステーリングがダブルレッグでテイクダウンする。エフロエフをケージに押し込み、ボディロックから左足を足でフックして寝かせようとする。

エフロエフは左腕を小手に巻いて立ち上がるが、スターリングはそのまま持ち上げて落とす。エフロエフが立ち上がると、ステーリングはエフロエフをケージに押し込んでバックにつく。エフロエフが正対するとステーリングを四つ組みでケージに押し込んでバックへ。ステーリングが前に崩してグラウンドに持ち込むと、エフロエフは前転してスクランブルに持ち込んでステーリングを寝かせる。

ステーリングがケージまで移動すると、エフロエフはステーリングの両足を挟むように正座して殴る。ステーリングは背中を見せて立ち上がりエルボーを見せるが、それを空振りさせたエフロエフがテイクダウンしてバックへ。足をフックしてトップキープしつつパンチを入れる。最後はエフロエフが殴る展開で試合終了となった。判定はジャッジ3名とも29-28でエフロエフが判定勝利。ステーリングとの極上のスクランブル合戦に競り勝ち、デビューから無傷の19連勝となった。

試合後、エフロエフは「いつも、同じことを尋ねられるけど、いつだってタイトル挑戦の準備はできている。今日はベストなパフォーマンスじゃなかった。でも今回、元世界チャンピオンの得意な部分、レスリングで柔術マッチに勝った。もっと打撃で戦いたいかったけど、すぐに組んできてこられてレスリングで勝ったんだ」と語った。


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