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【RIZIN44】「頭をつけてのパスは、吉岡大さんがきっかけ」。金原正徳がクレベル戦を振り返る─02─

【写真】写真は3Rに仕掛けたパス。この圧で背中を見せたクレベルからバックを取った(C)RIZIN FF

9月24日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN44のメインベント=クレベル・コイケ戦の勝利を金原正徳自らが振り返るインタビュー後編。
Text by Takumi Nakamura

インタビュー前編ではスタンドの打撃におけるリズムの重要性、ギロチンや足関節の防御を対策練習でなく日々、何年も繰り返してきたと金原は話していた。練り上げという部分において、後編ではパスガード、スクランブルについて振り返った彼は、試合が決まってから対策を始める選手たちに対して。「一緒にすんなって話です」と言い切った。

<金原正徳インタビューPart.01はコチラから>


――そして2Rに金原選手が相手のワキの下に頭を置くパスガードを仕掛けていきます。これは金原選手の必殺技と言ってもいい形ですよね。あれはいつ頃から使うようになったのですか。

「それも北岡さんと練習していて、首を抱える相手に対するパスガードとしてやり始めたんですよ。具体的にいつからっていうのは分からないですけど、あれでバレット・ヨシダ選手をパスガードしたことがあったんです。その時にこの技に自信を持っていいんだなと思って、それが一つのターニングポイントになりましたね」

――クレベル戦後にUFCでの金原選手の試合を見返したのですが、すべてあのパスガードを仕掛けていますよね。

「そうなんです。全部あれなんですよ。ずっと自分の強い部分はトップキープとパスガードだと思っているんで、それで勝てなかったら俺は勝てないよねって開き直りも多少あります」

――まさに必殺技ですね。

「必殺技はどんなに研究されようが、どんなに対応されようが決まるものじゃないですか。あれはそういう必殺技なんですよ。だからクレベルが相手でも自信を持っていきました」

――あのパスガードは誰かに教わったものなのですか。

「自分なりに色々試行錯誤して、最終的にあの形にたどり着きました。僕のパスガードはグラップリングじゃなくて、MMAグラップリングなんです。だからパスガードしきれなくても殴れてヒジが落とせる。逆に殴ってヒジを落としてパスガードもできる。そういう技なんですよね。でも原点という意味で言うなら、数年前に亡くなられた吉岡大さんと柔術の練習をしたときに、吉岡さんが絶望的に強かったんです。

その吉岡さんが僕みたいに頭をマットにつける形ではなかったんですけどフックガード潰しが上手くて、そこで色々と教えてもらっていたんですよね。その時に『これはMMAでも使えるな』と思ったので、そういう導きになったのは吉岡さんがきっかけですね」

――MMAでも使えるという意味で、あのパスガードを仕掛けることで相手を体力的に削ることもできるのかなと。

「クレベルは下になっても強いんですけど、練習仲間から『パスガードの攻防でも削ることはできるから』と言ってもらっていて。だったら完全にパスガードできなくてもハーフガードまで持っていて、パウンドとヒジを入れて相手にダメージを与えて消耗させようと思いました」

――それがまさに2Rの最後でしたね。

「クレベルは2Rが終わってかなり消耗していましたけど、あれは僕がパスガードの攻防で削ることができたんだなと思います」

――そして3Rにはバックを巡る攻防があり、そこでも金原選手が競り勝ってトップポジションをキープします。あれは2Rの攻防でクレベル選手が消耗していたことも影響していたように見えました。

「それはあったと思います。バックからのスクランブルの時、僕は絶対に下になりたくなかったんですけど、クレベルは多少下になってもいいやって考えもあっただろうし。あと試合を見返してもらえれば分かりますけど、3R序盤のレスリングの展開でクレベルはロープを掴んだり、途中で背中を見せて立ち上がろうとしているんですよ。これが僕以外の相手だったらクレベルは引き込んでいたと思うんですよね。

でも僕が相手だとそれをやらずにレスリングで頑張った。僕はここに勝機を見出したんですよね。グラウンドで下になっても自信があるクレベルが下になるのを嫌がっているじゃんって。それが分かったから3Rを頑張れたんですよね」

――なるほど。

「あんなにグラウンドで背中をマットにつけることを気にしないクレベルが、背中をつけたくないからバックを取らせるわけですよ。そんな場面が今までありましたか?と。そのぐらい僕にトップキープされるのが嫌なんだなと思ったから、むちゃくちゃ元気になれたんですよ。ここでトップキープしたらいけるって」

――また金原選手のYouTubeチャンネルを見させていただいて、組手の重要さを説いていましたよね。あの試合でも組手は重要な部分だったのですか。

「あまり細かい部分は言えないんですけど、ちゃんと組手を理解しているならば対応できるってことなんですよ」

――個人的には「組手」というワードを使って試合を振り返る選手があまりいなかったので、そこがすごく興味深かったです。

「はっきり言って、みんな浅いんですよね。三角をとられる・ギロチンをとられるとなった時に、その形になってからどう対処するかを考えるじゃないですか。でも実際は技の形に入る前に組手があって、そこから段階を踏んで技の形に入るわけですよ。だから一番最初の組手の時点で対処できていれば、相手がゴールまでたどり着くことはない。そういうことを考えずに技の逃げ方がどうとか言ってるやつらとはね………一緒にすんなって話です。これちゃんと書いておいてください」

――はい、しっかり書いておきます。

「もちろん技の形になった時の対処法や対応策はありますよ。でも僕のなかで【1】→【2】→【3】くらいの段階があって、まずは【1】でしっかり潰す、【1】で対処することが大事なんですよ。それでも試合だから【2】・【3】まで持っていかれることはあるし、それはもうしょうがない。だからそうなった時の対処法は持っておかないといけない。僕からするとみんなは【2】・【3】の対処ばっかりなんです」

――【1】で対処しておけば逃げられるものでも、【2】・【3】になればなるほどリスクは高くなりますよね。

「そうです。今回で言えばクレベルのレベルまでいくと【2】・【3】の段階まで持っていかれると逃げられないんです。だからそうなる前に対処しようって話で、何も難しいことはないです。簡単です」

――横着せずにやるべきことをやれ、と。

「ただ【1】で対処するという話になったとき、そればっかりになってしまうと他のサブミッションをかけたられたり、スイープされてしまったりする。だから他の技にも対応できるベースを作っておいて、相手が狙っている技を【1】で対処するわけです」

――こうして話を聞いていても、金原選手が色々な経験を積んでMMAの技術を練り上げてきたことが分かります。まさに年季が違うMMAだな、と。

「今まで三角絞めが得意な選手とは何人も戦ってきたし、その時に三角絞め対策を何度もやってきました。そういう経験値があるから、僕ぐらいのキャリアになれば対戦相手用の対策はそこまでやらなくてもいいところはありますよね」

――それだけ経験値がある金原選手が先ほどのパスガードのように、一つの技を練り上げてそれで勝負しているというのがMMAの面白さですね。

「その通りです。みなさんもこれからMMAを勉強していきましょう(笑)」

――僕も引き続き勉強させていただきます(笑)。次の試合は大晦日が期待されていると思いますが、そこに向けては準備を始めているのですか。

「筋肉痛くらいしかなかったので、すぐに練習は再開しました。ヴガール・ケラモフ×鈴木千裕次第になりますけど、大晦日に試合をやってほしいという話もいただきましたし、いつでもいける準備はしています」


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