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CJJW2023#02 Report ドリアン・オリヴァレス ブログ 高橋SUBMISSION雄己

【CJJW2023#02】高橋Subの冒険──17歳のオリヴァレズのパスと掌底の圧力、RNCで終幕~の第一歩

<バンタム級T準々決勝/10分1R>
ドリアン・オリヴァレズ(米国)
Def.4分02秒by RNC
高橋Submission雄己(日本)

直ぐに座った高橋に対し、オリヴァレズは足首を掴んで左右に回りつつ掌底を打つ。ハーフから一気に足を抜きに掛かるオリヴァレズは、足を絡ませようとする高橋に容赦のない勢いで掌底を振り下ろす。高橋のニーシールドにも、オリヴァレズは右ワキを差した圧を掛けると一転、上体起こして掌底を連打する。パスと掌底のプレッシャーの前に足を抱えることができない高橋は、続いて担ぎパスの圧力にさらされる。

それでも足を効かせた高橋だが、足を取ろうと腕を伸ばすと凄まじい勢いで掌打を打ち込む。両手で顔を覆っても、その隙間に掌を打ち抜くオリヴァレズに対し、高橋は懸命に右足を抱え、足を絡ませていく。さらに一瞬体を浮かせて、その右足をワキの下に抱える。と、オリヴァレズは高橋の頭を抱えて足を抜き、高橋がガードに戻そうと背中をマットにつけた瞬間にパスを決めて上四方に。

ワキを締めて、腕を胸の前でクロスして腕を取られないようとした高橋は上四方で頭をステップオーバーされて掌底の連打を受けて厳しい時間が続く。殴られてもキムラを取らせない高橋はワキ腹、側頭部にパームハンドパンチを入れられ、さらには逆側に回ったオリヴァレズがニーインベリーへ。エビで戻した高橋のニーシールドをスプロールして潰したオリヴァレズ。しかし、高橋も左足を抱えて足関節をエントリーし、ついにはアウトサイド・アシの態勢を取ることに成功する。

殴られながらも高橋はオリヴァレズを崩して、外ヒールに入る。左へのスピンから、右にスイッチして足を抜きにかかったオリヴァレズが、そのまま前転しながらバックへ。ボディトライアングルに取ったオリヴァレズはRNCへ。フェイスロック気味の絞めに耐える高橋は、マウスピースを吐き出し「戻してくれ」とレフェリーに訴える。これをスルーされた高橋は万事休す、右手でタップした。

17歳のB-Teamグラップラー=オリヴァレズは、掌底有りとはいえ61.2キロの戦いでトップゲーム&パスを駆使し、足関を防いで完勝してしまった。軽量級のグラップリングに、中量級以上の流れを持ち込んだ相手に敗れた──これこそ、高橋がメキシコまで足を運んだことで、垣間見ることができた世界の一端といえるだろう。


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CJJW2023#02 MMA MMAPLANET o リチャード・アラルコン

【CJJW2023#02】ワイントウラブの防御を崩し、アラルコンが本戦で腕十字を極めて準決勝進出

<バンタム級T準々決勝/10分1R>
リチャード・アラルコン(米国)
Def.8分39秒by 腕十字
デイヴィッド・ワイントラウブ(米国)

アラルコンの準々決勝の相手は、初戦でジェフ・レアルのバックを取り続け最後は腕十字で一本勝ちしたワイントラウブだ。立ちレスが45秒以上続き、アラルコンがローシングルから両足をリフトするようにテイクダウンに成功する。クローズドガード&ダブルアンダーフックのワイントラウブにペチペチと掌底を入れる。立ち上がったアラルコンはフレームを創り、顔に掌底を打っていく。アンダーフックを諦め頭をマットにつけたワイントラウブに、引き続きアラルコンが掌底を落とす。

たまらずクローズドを解いたワイントラウブは、パスの圧の下で右足を抜かれてハーフで抑えられる。さらにパスに成功したアラルコンはすぐに足を戻されると、体をツイストしてジャンプ。直後にワイントラウブが立ち上がり試合はスタンドに戻った。アラルコンが積極に前に出るが、ワイントラウブも防御に徹してゲッドアウン発令。アラルコンはトップを選ぶ。バタフライ&ダブルアンダーフックから、手足を離したワイントラウブが立ち上がる。またも立ちレスに戻り、スナップダウンからがぶったワイントラウブだがアラルコンも即頭を抜く。残り20秒でゲットダウンという時点で、シングルレッグでテイクダウを決めたアラルコンが、一気にパスを決める。上四方に足を戻したワイントラウブだが、簡単にパスを許す。アラルコンはここでもノースサウスからワキをすくっていく。胸を合わせてサイド、掌底を落として頭をステップオーバーしたアラルコンだが、ワイントラウブが足を戻して立ち上がる。

ここも即パスから上四方のアラルコンはキムラロックを仕掛けつつ、抑え続ける。やがて手元にあるワイントラウブの左腕をターゲットにしたアラルコンは、ワキの下に抱えるようにして尻、背中とマットにつけて、頭を足で制して腕十字を極めた。


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CJJW2023#02 MMA MMAPLANET o ゲイブリエル・デフロン

【CJJW2023#02】ミケールのアウトサイド・アシ&ストレートフットロックに、内ヒールでデフロン快勝

<バンタム級T1回戦/10分1R>
ゲイブリエル・デフロン(米国)
Def.0分55秒by ヒールフック
サム・ミケール(米国)

ミケールのシングルレッグに、デフロンは前転するもミケールも足を取られないように振り上げる。結果、前回りをしただけになったデフロンがニーシールドを取り、下から掌底を打っていく。殴れるたびに額を突き出して受けるミケールは目の前にある左足を抱えて、アウトサイド・アシからストレートフットレッグを狙う。その瞬間デフロンが左足を取って内ヒール一閃、ミケールは絶叫タップした。


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CJJW2023#02 MMA MMAPLANET o マニー・ヴァスケス

【CJJW2023#02】マニー・ヴァスケス、圧巻。デッドオーチャードでアルファメール所属モラレスの右腕斬り

<バンタム級T1回戦/10分1R>
マニー・ヴァスケス(米国)
Def.3分01秒by デッドオーチャード
ジョセフ・モラレス(米国)

立ちレスからニータップでテイクダウンを奪ったヴァスケスは、モラレスのギロチンを抜くと足を一本抜く。足を戻してバタフライガードのモラレスは、スイープの仕掛けからスクランブル──試合がスタンドに戻る。シングルを切ったヴァスケスはジャンピングガ―ドに。ここでモラレスがスラムし、注意が与えられる。ヴァスケスはラバーガードから掌底を入れ、デッドオーチャードで固めるとモラレスの右腕にアームバーでタップを奪った。


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CJJW2023#02 MMA MMAPLANET o

【CJJW2023#02】ドリアン・オリヴァレズ、トップの圧力&掌底からRNCで圧勝。準々決で高橋Sub戦へ

<バンタム級T1回戦/10分1R>
ドリアン・オリヴァレズ(米国)
Def.1分30秒by デッドオーチャード
マニュエル・プリエゴ(米国)

注目のオリヴァレズは座ったプリエゴとの距離を詰め、思い切り掌底を落とす。そしてパスの圧力をかけて殴り、パスを嫌がったプリエゴのバックを取る。オリヴァレズはそのまま足をフックしてボディトライアングルから掌底を連打しRNCで圧勝した。


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CJJW2023#02 MMA MMAPLANET o コンバット柔術 ルカス・カント 高橋SUBMISSION雄己

【CJJW2023#02】高橋Sub。オーバータイムまで頭にいれた戦略で、予想以上の強敵カントを下し準々決勝へ

<バンタム級T1回戦/10分1R>
高橋Submission雄己(日本)
Def.OT 1st term 11秒by RNC
ルカス・カント(アルゼンチン)

昨年のノーギワールド茶帯ライトフェザー級3位のカントに対し、高橋はニーシールド気味にスネを当て自ら判定して足を取りに行く。後方回転し既にカントの左足を取った高橋だが、起き上ったカントが前転して解除にかかる。高橋は右足に狙いを変え、ストレートフットロックからサドルのセットアップ狙いか。ロールしつつ正対したカントがここで掌底を打ち下ろす。カントは立ち上がって掌底を落とすと、高橋は顔を守るために足を解除する──と見せかけ、右足を取る。カントも高橋の左足首をコントロールして、足を抜き捌いてパスを仕掛ける。

ヒザを入れて掌底を落とすカントに対し、高橋はその左足を抱える。カントは正座して防ぎダースを狙う。高橋は横回転で取らせず、ガードを取り直す。飛び込むように掌底を落とすカントは、ここでもヒザを入れ掌底を打っていく。高橋は立ち上がり、試合は仕切り直しに。立ちレスが続き、押し込むカントは内股からカニバサミに移行させず高橋の右足を左手で刈りにいく。引き込むように下になった高橋はここでも掌底を受けながら、右足を取るがカントは高橋の仕掛けに対し、しっかりとヒザを抜いて対処を続ける。

カウンターのバック狙いに、高橋が掌底を繰り出す。ならばとカントはトラックポジションへの移行を測るが、高橋も左足を取って防ぐ。正対しつつ右の掌を落としたカントが足を抜くと、高橋が起き上ってリバーサル──ではなく、足を取ろうとする。その刹那、起き上ってヒザ立ちになったカントが掌底を打つ。カントは高橋の足関節のエントリーにも対応し、体に軸のある状態で右の掌打を炸裂させる。

アゴを殴られた高橋、パウンドを受けた経験で掌底にアレルギーはないという言葉があったが、トーナメント初戦で頭が揺れるような打撃をアゴに受けないに限る。高橋はこれを嫌がって立ち上がり、試合は3度目のスタンドに。ここで5分が過ぎ、カントは座ってリバースデラヒーから回転して高橋の左足を取る。右足をヒザ裏について伸ばした高橋がディフェンスしたが、ここでカントが掌底を繰り出す。

立ち上がった高橋は、ヒザを一気の外ヒールへ。ロールしてヒザを抜いたカントはバック狙い、背中をつけなおした高橋にダースを仕掛ける。高橋のニーシールドに構わず右のオープンハンドを見舞ったカント、足関節を防ぐだけでなく要所で掌底を打ちながらバックを狙う。ここからカントはスタンドに戻ると跳びつきで何かを仕掛けるも、空振りして落下。ガードを取ったカントの足首を掴んだ高橋だが、左足を取られる。

互いに横周り、ダブルガードの形になった刹那、カントが右のパームハンドパンチを入れる。ここでカントが背中をつけ、立ち上がった高橋が掌底へ。とカントは足関を仕掛けるという序盤とは逆の流れに。さらにカントは殴って、足をより深く入れるという打と足関節のコンビネーションも見せる。取られることはない高橋だが、コンバット柔術としての攻防ではカントが優勢だ。

残り2分を切り、上を選択したカントがパスを仕掛けながら掌底へ。高橋の足のきかせ方は取るよりも、防ぐ方に重点が置かれてきたか。リバースデラヒーバから回転し右足を取る高橋だが、極めるという空気はもうマット上では感じられない。互いにOTが頭に入ってくるだろうという時間帯で、高橋は力の入った掌底を入れる。さらに足関狙いに左右の掌底を振り落とす高橋がダメージと精神的プレッシャーを与えてOTに持ち込んだ。

第1ターム、シートベルトを選択した高橋はアゴの上から左足を滑り込ませ11秒でタップを奪う。後攻のカントもバックを選んだが、11秒で極め切ることはできず高橋が初戦突破。予想以上の強豪相手に、結果体にはOT込みのストラテジーで高橋が上回った。


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CJJW2023#02 MMA MMAPLANET o リチャード・アラルコン

【CJJW2023#02】まずはリチャード・アラルコンがRNCでクラゲットを秒殺、準々決勝へ

<バンタム級T1回戦/10分1R>
リチャード・アラルコン(米国)
Def.1分09秒by RNC
ハンター・クラゲット(米国)

序盤は立ちレスが続き、激しめの組み手争いのなかアラルコンがダブルレッグでテイクダウンを奪う。スクランブルでバックを取りつつ、崩してグラウンドに。既にボディトライアングルに取ったアラルコンがRNCをセットするとクラゲットはタップするしかなかった。


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CJJW2023#02 Level-G MMA MMAPLANET o UFC YouTube YUKI エステヴァン・マルチネス エライアス・アンダーソン ガブリエル・ソウザ ゲイリー・トノン コンバット柔術 ゴードン・ライアン デミアン・アンダーソン ファブリシオ・アンドレイ マニー・ヴァスケス リチャード・アラルコン 海外 高橋SUBMISSION雄己

【CJJW2023#02】高橋Submission雄己の大冒険「ここに入ってみて。ここで見つけて、日本の皆に伝えたい」

【写真】Viva メヒコな高橋サブ (C)YUKI SUBMISSION TAKAHASHI

30日(日・現地時間)メキシコのビーチリゾート地であるプラヤ・デル・カルメンのポリフォルム・プラヤ・デル・カルメンで行われるCombat Jiu-Jitsu Worlds2023 The Bantamweights。同大会に高橋Submission雄己が出場する。

国内ではプロデューサーとしてグラップリングの普及に努め、現役グラップラーとしては海外での試合に挑む。メキシコ入りした高橋をインタビュー、このチャレンジの意義を尋ねた。


──今、カンクンは朝の10時半かと思いますが、長旅や時差の影響はありませんか。(※取材は29日に行われた)

「着いてから24時間ぐらい爆睡していたので、朝起きてから動きの確認やストレッチをして体をほぐしています。メキシコは治安が心配だったのですが、特に何もなく過ごせています」

――宿泊しているホテルで、試合も行われる感じでしょうか。

「それが良く分かっていないんですよ(笑)。僕らは他の出場選手たちよりも1日早く到着して、本来は今日の午後に皆が集まってくるのでスタッフもそれほどいなくて。エディ(ブラボー)も同じホテルだと思うのですが、まだ会っていないです」

――では前日計量でなく、当日計量なのですか。

「ハイ。僕にとって当日計量の61.2キロは丁度良いです。さすがに前日計量の61.2キロでUFCファイターみたいな減量をされると、体格が違いすぎるので」

――まさか1人でメキシコへ?

「いえ僕や須藤(拓真)選手の練習パートナーで、エクストリーム・エビナの橋本敦貴君にセコンドで来てもらっています」

――グラップリングを普及させるプロデューサー活動を行う高橋選手ですが、グラップラーとして今回のコンバット柔術ワールズに出場に関して、どのような気持ちで取り組んできましたか。

「僕も60キロぐらいの体重で、70キロから落としてきた選手とレスリングをやってADCCルールで勝つのは難しいので。61.2キロというADCCにはない階級でやるうえで、ちょっと特殊なルールですが今回のコンバット柔術、EBIとかPolarisというところのタイトルは1つは欲しくて、キャリアの中で狙っていかないといけないタイトルだと思ってきました。

イベントとしてCJJWは格好良くて、Level-Gでもこういう空気感を創っていきたいというのがあるのですが、選手としては勝っていかないといけないところです」

――66キロでは小さい選手が、色々な大会でインパクトを残していくとADCCでも60キロ級が創設されるのではという期待は?

「そこもなくはなさそうですよね。女子の軽い階級ができたじゃないですか」

――55キロ級ですね。

「ADCCでもLAオープンとか、大きな大会では60キロ以下級が男子にもあるので。世界大会でやってくれても、おかしくはないと思っています」

――ところで今大会、トーナメント枠などが全く情報がないのですが、高橋選手は既に初戦の相手など分かっているのですか。

「まだ知らされてないんですよ。EBIでも前日計量の時にブラケットが発表されたので、1日前がデフォルトかもしれないです(※初戦がルカス・カントに決定。勝てばドリアン・オリヴァレズ×マニュエル・プリエゴと対戦)」

――現状、今回のトーナメントで気になっている相手は誰になりますか。ここに勝てば、優勝が近づくという相手は。

「皆、面倒くさい一芸を持っている感はあるのですが、極めが強そうなのはガブリエル・ダフロン。対戦すると極め合いになって極まらず、OTになるのは嫌ですね。あとはMMAをやっていたマニー・ヴァスケス。MMAファイターとしてトップから掌底が強いので、ボトムから崩し辛かったから苦戦するかなと(※ダフロンとヴァスケスともに高橋と逆側の山で、順当に勝てばこの両者が準々決勝で戦う)。

それにドリアン・オリヴァレズも気になるし。今成さんは、自分がヒールで勝ったから『なんにもない。すぐに取れる。大したことない』というけど(笑)……エライアス・アンダーソン(※欠場)、それにリチャード・アラルコン(※両者が順当に勝ち上がれば準決勝で対戦)。2人のチャンピオン経験者は気になります」

――掌底があることで、高橋選手がMMAを戦っていたことは強みになるでしょうか。

「ゲームメイクするうえで掌底にアレルギーを持っていないのは良かったと思います。ただ掌底はパウンドとは違った効力があるかと思います。音と衝撃で視界を遮られたり……まぁコンバット柔術は初めてなので正確には分からないのですが、MMAをやってきたことで『こんなものだろう』ということは分かるので。ボトムの時間を創れるのは、そこが想像がつくことが大きいと思います」

――高橋選手がトップで掌底を落とすことは?

「それはしっかり練習してきました。デラヒーバなりリバース・デラヒーバなり、一本巻かれると難しい。腰で為を創って打たないと強い掌底は打てないですが、為を創るとどちらかに崩される恐れがあります。打てる瞬間はだいぶ限られる。それでも掌底とパスと足関節を組み合わせて、トップの時間は創っていこうと思います」

――トーナメント前ですが、今後のフィールドで考えるとADCCでも66キロでは勝てなくても、60キロなら強いという選手は米国、ブラジルにはわんさか存在しているかと。

「マイキー(ムスメシ)とか、その筆頭じゃないかと思います。自分の見積もりでは(ジエゴ)パト(オリヴェイラ)、ガブリエル・ソウザ、デミアン・アンダーソンが61.2キロの世界の一軍クラスだと思います。今回出てきているメンバーは、そこより一枚落ちる第2グループのトップで。自分がいるのも、そこぐらいだと」

――今、名前が挙がった一軍の選手たちは奇しくも道着で結果を残している選手ばかりですね。

「そこは考えていないです。IBJJFの試合でなく、ノーギのサブオンリーの試合を見て強い。ゲイリー・トノン、ゴードン・ライアンというノーギだけで強い人が出てきた裏で、道着で強い人がノーギで弱くなったわけではないということだと思います。道着が強い人はノーギも強い。でも専業のノーギの人が出てきたということで」

――そこに確実に世界の頂がある。それを垣間見る、高橋Submission雄己の大冒険ですね。

「それこそ、地球の裏側に来ていますしね(笑)。でも、今は普通に試合前の憂鬱があるだけですけどね(苦笑)」

――世界のグラップリングは若い力の台頭が著しいです。そのなかで、高橋選手が海外で戦うことで日本も新しい時代に来たことを示したいということはありますか。

「そこはあります。ただ日本人では岩本(健汰)選手が一番、世界と戦っていると思います。その活躍を皆が視て、また本人も発信していることで、77キロの戦い方が世界標準のように受け取られている部分があると思うんです。足関は極まらず、トップを取ってパスをして削らないと勝てないという風な感じで。足関が極まってこないようになっているのは事実ですが、体の大きさで使う技術が違うのが格闘技じゃないですか。

僕らの体重でゴリゴリやっても、そんなに削ることはできないと思います。だから、僕がやることは違ってくる。ファブリシオ・アンドレイが、エステヴァン・マルチネスを15分間攻めたててパスできていない。なら僕らがやらないといけないことは、上のクラスのトップ戦線とは違うこと。だから、ここに入ってやってみて――感じたことを日本に持ち帰る。軽量級の僕らが練習でやらないといけないことを、一つここで見つけて皆に伝えたいです」

■視聴方法(予定)
7月31日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS

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BELLATOR CJJW2023#02 MMA MMAPLANET o UFC YouTube エディ・ブラボー エライアス・アンダーソン クリス・ゴンザレス コンバット柔術 ジアニ・グリッポ ダナ・ホワイト ベン・エディ マニー・ヴァスケス ユライア・フェイバー リチャード・アラルコン 今成正和 修斗 海外 田中路教 須藤拓真 高橋SUBMISSION雄己

【CJJW2023#02】コンバット柔術ワールズ、バンタム級。掌底有りルール、世界の猛者に挑む高橋SUB雄己

【写真】須藤拓真を相手に、掌底もまま入れる練習をしていた高橋(C)MMAPLANET

30日(日・現地時間)メキシコのビーチリゾート地であるプラヤ・デル・カルメンのポリフォルム・プラヤ・デル・カルメンで行われるCombat Jiu-Jitsu Worlds2023 The Bantamweightsに高橋Submission雄己が出場し、その模様がUFC Fight Passにて生中継される。
Text by Isamu Horiuchi

コンバット柔術は、柔術界の革命児ことエディ・ブラボーが考案した大会。やはり自ら創案したサブミッションオンリーのグラップリングであるEBIに寝技状態における掌打を加えたルールで、グラップリングとMMAの中間的な競技形態だ。


選手としては柔術とグラップリングの専門家としてキャリアを築いたブラボーだが、指導者&技術開発者としては常にMMAを念頭に置いていた。代名詞であるラバーガードも、距離を潰して相手の打撃の威力を殺しながら相手を極める技術として創り上げたものだ。そんなブラボーの思想を踏まえると、MMA進出も視野に入れたグラップラー達が、打撃が許された状況下で寝技の技術を磨くことのできるこのルールの開発は必然だったといえる。

(C)ESTHER LIN

エディがコンバット柔術を公の場で公開したのは2012年5月20日。

LAのクラブノキアで開催されたCAMO(カリフォルニア・アマチュアMMAオーガニゼーション)が開いたアマMMAの大会のでのこと。この日、10thPLANETのエリック・クルーズとKINSA MMAのクリス・ゴンザレスの間で3分3R、掌底ではなくMMAグローブ着用でスタンドの打撃は一切禁止というルールで実施された。

本来はプロとしてアスレチックコミッションの認可を受けようとしていたエディだが、アマチュアでしか許可が下りなかった故のCAMOでのお披露目となった。さらに試合タイムもエディが所望した10分1Rでなく、コミッションは3分3RというアマMMAのレギュレーションをコンバット柔術に当て込んだ。

当時、エディはトップ柔術家がMMAへステップアップを果たす前のワンクッション──MMAと柔術の架け橋となる戦いこそコンバット柔術にコンセプトとしていた。その後、2017年のEBIで掌底&10分1Rという形でコンバット柔術が導入されて以来、数々の強豪グラップラーやMMA選手が参加して規模拡大を続けている。

(C)DAVE MANDEL

2019年5月のCBJJWフェザー級Tに所英男が出場。

2回戦でヘスース・アルビナのマルセロチンで一本負けも、日本との交流を強く望むエディは翌2020年3月のフェザー級では所だけでなく今成正和も招聘した。ここでも所は2回戦で、今成は準決勝で共に優勝者のトム・ヘルペンに一本負け。また、昨年12月のチーム戦Team Duelにはチーム・アルファメールのメンバーとして田中路教が出場したが、Bチームのイサン・クレリンステンに一方的に攻め込まれ続け、辛うじてドローに持ち込んでいる。

日本トップの組技系MMAファイター達でも容易にトップに食い込めないほど、コンバット柔術の出場選手達のレベルは高い。間違いなく海外組技メジャーイベントの一角を占めるこの大会に挑む4人目の日本人となる高橋は、24歳の若さにして日本屈指の足関節の知識と技術を誇る。

昨年6月に英国で行われたPolaris 20で判定勝利し、また今年2月26日にはフィラデルフィアのFinishers Kombat 04ではラミロ・ヒメネスを内ヒールで21秒殺。この実績が評価されて4月にはNY州のEBIルール大会、Emerald City Invitational 06への参戦権を得たものの、なんと搭乗した飛行機のトラブルで無念の出場断念。それでもこうして再びメジャー大会から声がかかるのだから、海外におけるその評価と期待の高さが伺われるというものだ。

強豪がズラリと顔を揃える今大会。

優勝候補として外せないのは、一昨年のバンタム級トーナメントを制した現同級王者のエライアス・アンダーソンだろう。米国BJJ界黎明期の黒帯取得者の一人であり、1999のUFC 22でジョン・ルイスと戦ったこともある父ロウェルの下で幼少時から柔術に親しんできたアンダーソンは、どこからでも積極的に極めを狙ってゆくダイナミックな戦い方を身上とする。立ち技でもアームドラッグ等を積極的に仕掛け、足関節の攻防や自ら下になっての首狙いも厭わない。そして何より、上からも下からも仕掛けるファーサイドへの腕狙いの切れ味が超一級品だ。

前述のトーナメントでは下では誰からもパスを許さず、上のポジションではラバーガードの達人ベン・エディからもパスを奪っている。さらにエスケープ力と極め力の双方に秀でており、準決勝ではエディ&決勝では前王者のアラルコンにOTで競り勝っている。

昨年12月のコンバット柔術大会のスーパーファイトではユライア・フェイバーと対戦し、通常体重よりも重いウェイトだったにもかかわらず五角以上に渡り合い、OTで腕を極めて勝利している。全ての局面に強い万能型グラップラーだ。

ちなみにこのアンダーソン、2020年のフェザー級T今成正和に足を極められて敗退している。今成の弟子の足関節師である高橋との再戦が実現したら、リベンジ戦としてのストーリーも楽しめることとなる。

アンダーソンの対抗馬一番手は、2019年コンバット柔術バンタム級世界王者のリチャード・アラルコンか。NCAA Division 1 という強力なレスリングベースを持ち、腕十字の名手ジヴァ・サンタナの弟子であるアラルコンは、2019年にコンバット柔術バンタム級トーナメントを制し、さらにADCC世界大会にてジアニ・グリッポに勝利したことで一躍名を挙げた。

一昨年の大会におけるアンダーソンとの決勝でも、OTの第一ターンではチョークを深く食い込ませアンダーソンを大ピンチに追い込んでおり、第3ターンで腕を取られて逆転負けを喫したものの、コンバット柔術史上に残る名勝負を繰り広げた。この時を含めアンダーソンとはこのルールで2度対戦し、いずれもOTで腕を取られて敗れているだけに、今回こそと期するものは大きいだろう。

そのほか、Bellatorやダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズに出場したMMAファイターにして、現在10th planet グリーンヴィル支部を主催するマニー・ヴァスケス。

今年4月、高橋が出場できなかったECI 06において優勝候補のエステヴァン・マルティネスをOTで下してベスト4に進出したガブリエル・ダフロン。

一昨年のコンバット前回大会1回戦にて、そのダフロンからOTでチョークを極めて勝利したザック・シュナイダー(次戦でアンダーソンの腕十字に本戦一本負け)、UFCでの3戦を含めてMMA戦績12勝2敗のジョセフ・モラエス等、強豪が多数エントリーしている。

高橋自身はアンダーソンよりも、ヴァスケスやダフロンを警戒するという発言もあり、寝技に対応できるフィジカル系グラップラーがこのルール下においては優位に立つという見方も成り立つ。

ともあれ掌打による顔面打撃ありの状況下で、優勝するには4試合を勝たねばならないという過酷なトーナメントだ。

そのなかで、もう一人注目を集めているのがBチーム所属の17歳、ドリアン・オリヴァレズだ。今年8月にはUSAレスリングフォークスタイル・ナショナルズのジュニア138パウンド以下級も制した全米トップクラスの高校生レスラーのオリヴァレズは、Bチーム所属で紫帯を保持するノーギグラップラーでもある。

昨年12月のコンバット柔術Team Duelでは、青帯にしてBチームのメンバーとして出場。初戦はテイクダウンからパス、ノース&サウスチョークで圧勝し、決勝のTeam 10th planet戦でもレスリング力で圧倒的に攻め込むが、極めきれずに本戦を引き分けた。チーム戦の決着が代表同士によるOT戦(双方が相手チームの代表を選ぶという変則ルールだ)にもつれ込むと、相手チームから指名されてしまい、OTにおける経験不足を突かれて敗れ、チーム優勝を逃している。

が、前回の試合では弱点となったOTにおけるエスケープ力も、その身体能力と若さからして短期間で飛躍的に向上している可能性がある。12月に見せたポテンシャル、年齢、練習環境、レスリングの実績を考えれば、この大会が将来のADCC世界王者候補とすら言えるこの若者の初ブレイクの舞台となる可能性は決して少なくないだろう。

この凄まじいメンバーの中に、高橋は単身日本から殴り込みをかける形となる。以前プロ修斗でも2度にわたり見事な一本勝ちを収めているだけに、掌打ありの寝技に戸惑うことはないだろう。OTに持ち込まれてしまうと経験的にもスタイル的にも不利は免れないだけに、打撃が許された状況を最大限に活かしての快進撃に期待だ。

■視聴方法(予定)
7月31日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS

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