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【The Shooto Okinawa10】メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直「無敗の新人を圧倒して勝ちます」

【写真】プロデビュー戦は沖縄大会だった根井と対戦する、沖縄メインイベンター当真(C)SHOJIRO KAMEIKE

13日(土)、翌日に沖縄市上地のミュージックタウン音市場で開催されるTHE SHOOTO OKINAWA 10の計量が行われ、メインで根井博登を迎え撃つ当真佳直が一発でクリアした。
Text by Shojiro Kameike

ここまで2連敗を喫したこともあった。しかし沖縄で着実に、諦めずに戦ってきたことでランキング的にもベルト挑戦が目前というポジションにいる。そんな当真が迎え撃つのは、現役高校生で2023年度新人王の根井だ。決戦前日、計量後に当真が根井戦について、さらに盟友である同級1位と旭那拳と、修斗ストロー級のベルトについて語ってくれた。


――当真選手が沖縄大会のメインを務めるのは、今大会が4度目となります。

「はい。前回のメイン(2020年11月、マッチョ・ザ・バタフライに判定勝ち)は微妙な試合でした。その点については自分でも考えて、今回はちゃんとフィニッシュするか、圧倒的な差をつけて勝ちたいです」

――マッチョ・ザ・バタフライ選手との初戦は正直なところ、内容的には押されていた末、相手の計量失敗があったことも影響して当真選手の判定勝ちとなりました。そのぶん昨年11月の再戦では絶対に決着をつけるという気持ちは強かったですか。

「そうですね。初戦は――練習ではうまくいっていても、試合では出せないものがあるんだなって思いました。たとえば練習では相手にバックを奪われても逃れることはできるんですけど、試合になると相手も必死だし、全力でキープしてきますよね。だから、そもそもバックを取らせない。その点を徹底していれば勝てる。

あとは自分のギロチンに対して過信していたところもありました。ただただギロチンを取りにいくのではなく、要所要所で使っていく。それがうまく行けば勝てるだろうと思ったんです。再戦ではギロチンこそ狙わなかったけど、作戦を徹底して完封できました」

――まさに正面からの強さこそが当真選手のスタイルだと思います。

「自分のスタイルは、まず相手の打撃にテイクダウンを合わせて、トップをキープしながら削って勝つこと。もちろんフィニッシュしたいですが、そこはまだ足りないところがあるかなって思います。でも練習の中ではフィニッシュする力もついてきているし、打撃も含めて全局面で戦える力はついてきました。あとは練習の試合の差を埋めることが大切で。それがいつも反省点であるけど、今は自信もあります」

――現在、修斗ストロー級ではランカー同士の潰し合いが繰り広げられています。その中でご自身の立ち位置については、どのように考えていますか。

■2023年~2024年 修斗ストロー級 主な試合
【2023年】
3月19日 
安芸柊斗 def 澤田龍人 by TKO

4月16日
ザ・タイガー石井 def. 旭那拳 by 2-0
当真佳直 def. 大城正也 by 3-0

5月22日
阿部マサトシ def. 木内SKINNY ZOMBIE崇雅 by 2-0

5月28日
畠山隆弥 draw 泰斗 by 1-0

6月18日
田上こゆる def. ザ・タイガー石井 by TKO

7月23日 
新井丈 def. 安芸柊斗 by TKO
※新井が王座防衛

11月12日
旭那拳 def. 泰斗 by 3-0
当真佳直 def. マッチョ・ザ・バタフライ by 3-0
畠山隆称 def. 蒔田伸吾 by TKO

【2024年】
1月28日
根井博登 def. 麻生Leg Lock祐弘 by 1R TKO
※根井が2023年度ストロー級新人王に

3月23日
旭那拳 ― 田上こゆる
※旭那の負傷により中止に

4月7日
黒部和沙 def. 澤田龍人 by 変形ツイスター

【試合予定】
4月14日
当真佳直(4位) × 根井博登
畠山隆称(6位) × 牧ケ谷篤

5月26日
泰斗(8位) × 石原愼之介

「今、僕はランキング4位です。まず2位の黒澤亮平選手はパンクラスに出ていて、次はタイトルマッチじゃないですか(4月29日にリトルと暫定ストロー級王座を争う)。次に3位の安芸柊斗選手は、MMAPLANETのインタビューで『フライ級に転向する』と言っていましたよね。あとはチャンピオンの新井丈選手もフライ級で戦うために、メチャクチャ体が大きくなっていて。僕も新井選手への挑戦を見据えていましたが、見ていると新井選手はもうストロー級に落とすのは無理なんじゃないかな、と思うこともあります」

――ということは、1位の旭那拳選手と……。

「そうなるかもしれないですよね。旭那選手の怪我で中止になりましたけど、3月に田上こゆる選手の試合が組まれていて。ここで旭那選手が勝ち、次に僕が勝てば対戦することになっていたかもしれない。その可能性は、まだ残っています。ただ――複雑な気持ちです」

――……。

「練習仲間で、いろんな技術を教わることもあります。プライベートで一緒に遊びに行くこともあります。正直なことを言えば、対戦したくないですよ。でもお互いに一番を目指しているなら、いつか戦わないといけない日が来る。それは分かっています」

――同じ階級の練習仲間で、しかも近い存在であればあるほど心境は複雑でしょう。しかし松根良太さんが修斗沖縄大会を始めて、今回で10回目を迎えます。その結果として、沖縄在住ファイター同士がベルトを賭けて戦う日が来たら、それは喜ばしいことでもあるかと思います。

「僕と旭那選手が戦うなら、沖縄大会でタイトルマッチをやりたいです。松根さんも、そう願ってくれていると思っています」

――そうしてランカー同士の潰し合いが繰り広げられるなかで、根井選手のように新人王トーナメントを制したばかりの新世代が絡んでくるとは思いませんでした。

「僕はそうなると思っていましたよ。根井選手は新人王トーナメント決勝の前から注目されていて、僕はすぐに対戦する日が来るだろうと思っていました。それだけ根井選手は強いし、特に新人王を獲った時に『次は自分だろうな』と。勘でしかなかったけど」

――しかし、ここまで上位陣が潰し合いをして、自身が勝ち残った。そこで新人が来るのか……とは考えなかったですか。

「そういう考えはないです。どんどん新しい選手が出てきてほしいですね。根井選手もそうだし、澤田龍人選手に勝った黒部和沙選手とか。どんどん入ってきて、どんどんランキングを動かしてもらいたいと思います」

――今のところ旭那選手と田上選手の試合については、5月19日のニューピアホール大会にスライドできるよう調整中と発表されています。また、王者である新井丈選手の動向次第でもありますが、当真選手にとって今回の試合はタイトルマッチ前哨戦だと思いますか。

「その気持ちはあります。新井選手か田上選手が相手なら後楽園ホールでも良いけど、旭那選手と対戦するなら、やっぱり沖縄が良いですね。どちらにしても、今回はタイトルマッチ出場をアピールできるよう、しっかり勝ちます。

自分としては、まず修斗のベルトを巻くために着実に進んできました。正直、2連敗した時は『自分はこんなモンなのか……』と考えた時もあります。でも、あの連敗からココまで来ました。もうあの時の自分とは違います」

――2連敗した時と今の自分では、何が違うと思いますか。

「打投極、全てが進化しています。それと――2連敗した時は、一気に攻め込んでダメだったら『もうダメだ……』という気持ちになっていました。でも今は、試合で劣勢になっても、諦めなければ必ずチャンスは来ると考えるようにしています」

――それこそ砂辺イズムなのかもしれませんね。2010年9月に砂辺選手が田原しんぺー選手をKOした試合がすごく印象に残っています。最初に砂辺選手がダウンを喫した時、過去の試合ぶりから『ダウンを跳ね返して勝つんじゃないか』と直感的に思いました。

「えぇ、そうなんですか」

――結果は田原選手の三角絞めをスラムで返してKO勝ち。試合後に聞いたところ、セコンドの勝村周一郎さんも砂辺選手がダウンした時に「勝った!」と思ったそうです。砂辺選手としてはダウンを喫してからのほうが強いのかもしれませんが、最後まで諦めない気持ちというのは理解できます。

「その話を聞けて嬉しいです。今回の相手は高校生で、パワーは僕が勝っていると思います。でも無敗の人間が、絶対に何か持っている。何かあるから無敗なので。だから『高校生だから勝てる』なんて考えていません。無敗だから何か持っているはずだけど、自分としてはこれまで負けたことがあるから分かるものがあると思っています。明日は、そんな無敗の新人を相手に圧倒して勝ちます」

■視聴方法(予定)
4月14日(日)
午後2時25分~ Twit Casting LIVE

■ THE SHOOTO OKINAWA10対戦カード&計量結果

<ストロー級/5分3R>
当真佳直:52.04キロ
根井博登:51.80キロ

<フェザー級/5分3R>
内藤太尊:65.52キロ
宇藤彰貴:65.62キロ

<ストロー級/5分2R>
畠山隆称:52.10キロ
牧ケ谷篤:52.04キロ

<ウェルター級/5分2R>
西條英成:76.92キロ
アイエティ・ケビン:76.80キロ

<フェザー級/5分3R>
南風原吉良斗:65.62キロ
メイヘム和成:65.24キロ

<ストロー級/5分2R>
木村旬志:52.16キロ
大城匡史:52.14キロ

<ストロー級/5分2R>
ふじい☆ペリー:52.48キロ→52.20キロ
知名昴海:51.52キロ

<ストロー級/5分2R>
大田ノヒロ:52.14キロ
高橋佑太:52.20キロ

<2024年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
松本ごだい:52.22キロ
小生隆弘:56.56キロ

<修斗トライアウトマッチ バンタム級/3分2R>
山本敦章:61.10キロ
武田昴大:60.90キロ

<修斗トライアウトマッチ フェザー級/3分2R>
藤崎陽平:65.32キロ
神田篤社:65.48キロ

<アマチュア修斗 女子スーパーアトム級/3分2R>
高田双葉:48.36キロ
徳本望愛:49.22キロ

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【FIGHT&MOSH】リアルがんばれ元気──だけではない猿丸戦。安芸柊斗─01─「ランク上位にいるために」

【写真】ベルト奪取失敗から4カ月、安芸の気持ちはすでに新たな方向へ(C)SHOJIRO KAMEIKE

12月2日(土)、東京都江東区にある豊洲PITで開催されるプロ修斗公式戦「FIGHT&MOSH」で、安芸柊斗が猿丸ジュンジと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2022年4月、高松でマッチョ・ザ・バタフライをKOした安芸柊斗が猿丸ジュンジとの対戦をアピールした時、一つの試合が思い起こされた。安芸×マッチョ戦から14年も前——2008年9月に後楽園ホールで行われた猿丸と、安芸の父である佳孝さんの一戦だ。修斗新人王トーナメント2回戦、注目の新人であった猿丸に対して当時35歳でプロデビューした佳孝さんが真っ向から打ち合いに臨み、パンチでグラつかせるシーンもあった。結果は猿丸の1R TKO勝ちだったが、激闘を展開した佳孝さんにも惜しみない拍手が送られていた。その佳孝さんの息子である安芸が猿丸との対戦を表明した時、『リアルがんばれ元気だ』という声が挙がる。そして今回、猿丸と安芸をサポートするモブスタイルが修斗とタッグを組む興行で両者が対戦することとなった。安芸にとって、この試合に懸ける想いとは。


――昨年、安芸選手が猿丸選手とベルトを賭けた試合をアピールしたあと、猿丸選手は黒澤選手と暫定ストロー級王座を争うことになりました。さらに猿丸選手は王座を獲得したものの、新井選手に敗れベルトを手放した時点で、安芸選手が猿丸選手と対戦することはないだろうと思っていました。

「はい。僕も『もう無い』と思っていました」

――『もう無い』ということは、どこかの段階では『ある』と思っていたのでしょうか。

「猿丸選手と新井選手が対戦する時(昨年9月)ですね。猿丸選手がベルトを防衛したら、次の挑戦者は俺なのかなと思っていました」

――安芸選手が高松大会でベルト挑戦をアピールした時も含めて、猿丸選手が過去にお父さんであり、MMAの師でもある佳孝さんと対戦していたことは意識していましたか。

「そうですね。『このマッチメイクが実現したら、ストーリーとしては面白いよな』とは思っていました。自分はあの試合を現場では観ていなくて。たぶん自分がアマチュア修斗に出始めた時に、DVDで視たんだと思います」

――MMAを始めるうえで、お父さんの試合を全てチェックして……。

「いえ、父の試合は全然視ていないんですよ。たまたま視たDVDの中に父の試合があった、という感じで(笑)。興味ないというわけじゃないですけど、そんなに――っていう」

――アハハハ。師匠と弟子、父と子の微妙な関係ですね(笑)。ではご自身がプロデビューしてストロー級で戦っていくなか、猿丸選手との対戦を意識したことはありましたか。

「デビュー当初は、まだまだ先にいる選手やなと思っていました。でも初めて後楽園ホール大会に出た時、猿丸選手と控室が一緒やったんですよ(2018年11月。安芸は木内“SKINNY ZONBIE”崇雅に判定負け。猿丸は本田良介に判定勝利を収めている)。初めて同じ控室にいた時、『自分が勝ち進んでいけば、いつか対戦する日が来るんかな』とは考えましたね」

――ただ、そこまで現実的に考えることはなかったわけですね。

「現実的に考えるようになったのは、まず猿丸選手が黒澤亮平選手をKOして、ベルトを巻いた時です。二人とも良い選手やから試合前からも楽しみだったし、猿丸選手があの勝ち方をしたのもビックリして。猿丸選手と黒澤選手は一度対戦していましたよね?」

――2015年5月に今回と同じモブスタイル興行で対戦し、猿丸選手がKO勝ちしています。

「1戦目がKOだったし、二人のスタイルから再戦もKO決着かなと思っとったんです。でも、まさかのRNCで一本勝ちして。だけど新井選手に負けてベルトを失った時、猿丸選手との対戦は無いと思いました」

――猿丸選手は今回の試合がラストファイトだと明言しています。ラストファイトで安芸選手との対戦が実現するとは、運命的なものを感じます。

「猿丸選手にとってはモブスタイル興行で引退——というのもあるでしょうし、自分もモブスタイルのサポートを受けているので、このマッチメイクになったのかもしれないです。ひとつ言えるのは、自分が『がんばれ元気』を読んだことがないんですよ(笑)」

――お父さんに勝利した猿丸選手と安芸選手が対戦することになり、『リアルがんばれ元気』だと注目を集めていますね。

「珍しいというか、こんな展開は二度と無いかもしれないですね。まずこれから『がんばれ元気』を読みます(笑)。普段は試合に関してストーリーとか因縁とか、まったく考えていなくて。試合は試合やから。ただ、今回ばかりはストーリーを意識せざるをえないですよね」

――では佳孝さんと猿丸選手の試合を映像で視た時、どのような感想を持ちましたか。

父・佳孝は猿丸との打撃戦の末に敗れた(C)SHOJIRO KAMEIKE

「一方的、っていう感じですかね(苦笑)。でもそんな中で、よう一発当てたなと思います」

――現地で取材していましたが、あの一発で会場は大いに盛り上がりました。お父さんがあの試合後に一度、引退を決意していたのはご存じですか。

「えっ、そうなんですか!?」

――試合後、「この年齢(当時35歳)でプロデビューできて、憧れだった後楽園ホールで試合をすることができました。悔いはないです」と話しかけられました。

「……、……」

――もしも猿丸戦を最後に引退していたら、まさに『がんばれ元気』のとおり安芸選手がお父さんのラストマッチの相手と戦うことになっていたわけですが……。結果そこから関係者とも話し合い、現役を続行したことで翌年の徳島大会の実現に繋がっています。

「そんなことがあったんですね。自分は知りませんでした」

――今回の試合に対して『リアルがんばれ元気』という印象を抱くのは、当時取材していた記者としての感傷的な気持ちも含まれているかもしれません。一方で今を戦っている安芸選手にとっては、この試合がどのような位置づけなのか。

「俺にとっては修斗のランキングで、ずっと上位におるための試合です。今のランキングでいえば俺がストロー級3位で、猿丸選手が4位じゃないですか。自分としては7月にベルトを獲ることができず、もう年内は試合がないんかなと思っていました。KO負けしてダメージもあったし、年内は試合をせんで来年またイチから頑張ればいいかなと考えとったんです。でも、ありがたいことにモブスタイルの田原洋さんから試合のお話を頂いて、すぐに『出ます』と返事をしました。しかも相手は猿丸選手で、しっかり気持ちも戻りました」

<この項、続く>

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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto Okinawa09 The Shooto Okinawa09 キック マッチョ・ザ・バタフライ 修斗 当真佳直

【The Shooto Okinawa09】仕切り直しの再戦、左フックが冴えた当真がマッチョに大差の判定勝利

<ストロー級/5分3R>
当真佳直(日本)
Def.3-0:30-27.30-26.30-25.
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)

両者は昨年11月の修斗沖縄大会で対戦。この時はマッチョが公式計量をクリアできず、減点のペナルティを含む形で当真が勝利していた。今回は仕切り直しの再戦だ。

右カーフキックを蹴る当真。マッチョはジャブと右カーフを蹴る。当真は右フックをかぶせ、マッチョは当真の右にシングルレッグを合わせて組みつく。背中を見せる当真に対し、マッチョがバックついて、そこからグラウンドへ。

当真は足をフックさせずにギロチンを狙い、立ち上がるとパンチを入れる。試合がスタンドに戻ると、お互い右カーフを蹴り合い、当真は右から返しの左フック。マッチョは右カーフを蹴りつつ、当真のパンチに合わせて組みつく。

当真がマッチョの左脇を深く差すと、半身になったマッチョはギロチンへ。グラウンドで下になったマッチョは背中を起こしてスイッチを狙いつつ、シングルレッグへ。今度は当真がギロチンを狙い、がぶりから離れてパンチを入れる。マッチョはシングルレッグからテイクダウンする。

2R、マッチョが右カーフを蹴ると、当真も右カーフを蹴り返す。カーフ合戦のような展開が続き、当真が右から左フックを合わせる。続くパンチは大降りになってしまい、マッチョがシングルレッグから組み付く。

マッチョは当真を寝かせつつバックに回り、ケージに身体を預ける当真に正対してシングルレッグに入る。当真はこれを切って距離を取り、マッチョの前足にローを集める。

マッチョもジャブ・左フックで前に出るが、当真はマットの左に右フックを合わせて左右のフック。さらに飛び込むような左フックを当てると、バランスを崩したマッチョにパンチをまとめる。マッチョも必死にシングルレッグで組み付くが、切った当真がパンチを落とす。

3R、当真はジャブと右カーフキック。当真とマッチョの右ストレートが交錯し、当真は距離を取って右カーフを蹴る。さらに当真はマッチョのシングルレッグを切って、ジャブを顔とボディに振る。

マッチョの蹴り足をすくって倒し、マッチョがグラウンドに誘うが当真は付き合わない。立ったマッチョが右のカーフキック、当真の前蹴りを見せるが、これがローブローとなる。

ブレイク後、当真が左フックを当てると、マッチョがダウン。当真はすぐにパウンドで追撃するが、マッチョも身体を起こしてシングルレッグへ。再びグラウンドに誘うマッチョだが、やはり当真は付き合わない。

ならばと再び組みつくマッチョは当真をケージに押し込み、当真がギロチンを狙ったところで試合終了となった。判定は最大5ポイント差をつけて、当真がマッチョに大差の判定勝利を収めた。


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【The Shooto Okinawa09】泰斗戦へ、旭那拳─02─「ここから一気に全部取り返していきます」

【写真】気持ちも新たに――(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(日)、沖縄県沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Okinawa09で、泰斗と対戦する旭那拳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ザ・タイガー石井戦での敗北、修斗ストロー級1位であることのもどかしさを自分自身で受け止め、旭那はケージに戻ってきた。だからこそストロー級の現状を客観的に語ることができ、自身の試合に臨むこともできる。修斗ストロー級の勢力図が大きく変動する2023年末に何を見せることができるか――旭那がその決意を語る。

<旭那拳インタビューPart.01はコチラから>


――発言権がない、ですか。

「やっぱり前回の敗戦で、僕は信用を失っていると思うんです。だから泰斗選手というか、ランカー一人に勝って『次のステップに進ませてください!』とは言えません。周りも納得しないだろうし、何より自分がそれでは納得できなくて」

――そこでもう一人ランカーを倒せば……ということで、田上選手の名前が挙がるのですね。

「三段論法――石井選手を倒している田上選手に勝てば、僕は石井選手にも勝っているということで(笑)」

――アハハハ。改めて修斗ストロー級のランキングについて考えてみると、いろいろと複雑です。ランカー同士の潰し合いも展開されていて。

「僕が言うのも何ですけど、もうランキングはただの数字としか思っていないです。田上選手も決して6位の選手じゃない。みんな同じぐらいの位置にいて、先の展開が全く読めない状況になっていると思います。どうやって自分がそこから飛び出すのか。そのためには、他のランカーよりも飛び抜けるものを持たないといけないですね」

――仰るとおりだと思います。同時に、こうしてランカー同士の潰し合いが起こるのも、王者である新井丈選手の実績が飛び抜けているためではないでしょうか。

「そうですね。新井選手は自分の拳で証明して、その状況を創り上げたので凄いと思います。新井選手のフライ級王座決定戦への出場は、やっぱり悔しいですよ。『あれだけストロー級で強くて、さらにフライ級でも強いのかよ』って……」

――新井選手がフライ級も制した場合、今後のストロー級の展開も大きく変わってくるでしょう。他のランカーについても考えた場合、現在5位にいる当真佳直選手は……。

「所属は違うけど、バリバリの練習仲間です(苦笑)。僕たちの間では、頂上を争う試合でしか対戦しないと決めています。当真選手も同じ大会でマッチョ・ザ・バタフライ選手との再戦に挑みますけど、最後はストロー級王座を二人で争いたいです」

――沖縄のジム所属選手同士のチャンピオンシップとは、とても浪漫のあるお話です。そこまで先の話をしていると、次の対戦相手である泰斗選手が『自分を差し置いて何を言っているんだ!』と怒るかもしれないですが。

「煽ってきますね(笑)。でも先ほど言ったように、もう自分がランキング1位とか関係ないですし、とにかく僕は勝つしかないので。誰が相手でも、『とにかく早く先に進みたい』という気持ちしかないですね」

――旭那選手の場合、2017年にプロデビューしてコロナ禍を経ながら4連勝を収めました。しかし今年4月に敗戦を喫したことで、ご自身の中でも停滞感は強いのでしょうか。

「まずコロナ禍はキツかったですよね。2019年末から2020年末まで、1年以上も試合ができていなくて。あの時は焦りがありました。ただ、その期間にじっくり練習できたので、2021年からの4連勝に繋がったのかとは思います」

――するとブランクをポジティブに捉えるのであれば、前回の敗戦から次の試合までの7カ月間も、改めて自分を見つめ直す時期になったのでしょうか。

「はい。最初に『石井戦の後にすぐ試合をしたかった』と言いましたが、今考えるとあの時点で試合をしなくて良かったのかなって思います。やっぱり気持ちが先走っていた部分は大きくて、何も準備をしない――何も変わっていないのに試合をしても、同じ結果になってしたかもしれないですね。7カ月間も試合間隔が空いたからこそ、良い調整ができたかなと捉えています」

――修斗ストロー級が大きく動く2023年末に、ご自身としては次の泰斗戦でどんな試合を見せたいですか。

「修斗のストロー級って今は、ストライカーが多いじゃないですか。特にランキング上位陣はストライカーのイメージが多くて。でも今回、僕と泰斗選手の試合だと一本決着になる可能性が高いと思うんです。僕自身はグラップラーを目指そうとは考えていません。これはMMAなので、ストライキングもグラップリングもあります。その中で、僕は寝技で一本を取れるというところも見せていきたいです」

――なるほど。では最後に、試合への意気込みをお願いします。

「僕はランキング上では1位ですけど、崖っぷちの状態にあると思っています。ランキングに甘えず、そういう状況を受け入れてメンタルも創ってきました。もちろんプレッシャーもあります。でもそのプレッシャーがワクワク感にも繋がっていて。ここから一気に全部取り返していきます。次の試合は汚名返上のために、必ずフィニッシュして勝つので楽しみにしていてください。宜しくお願いします!」

2023年11月12日(日)
沖縄県沖縄市
ミュージックタウン音市場
The Shooto OKINAWA09

■視聴方法(予定)
11月12日(日)
午後2時~ Twit Casting LIVE

■対戦カード

<ストロー級/5分3R>
旭那拳(日本)
泰斗(日本)

<ストロー級/5分2R>
当真佳直(日本)
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)

<54キロ契約/5分2R>
畠山隆称(日本)
蒔田伸吾(日本)

<グラップリング・ライト級T決勝/5分1R>
──(日本)
──(日本)

<バンタム級/5分2R>
一條貴洋(日本)
緒方史朗(日本)

<ウェルター級/5分2R>
加藤正憲(日本)
西條英成(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級準決勝/5分2R>
小川隼人(日本)
JAM(日本)

<2023年度新人王Tフライ級準決勝/5分2R>
亮我(日本)
神里昭吾(日本)

<ストロー級/5分2R>
大田ノヒロ(日本)
ウェイ・ワイクワン(香港)

<ストロー級/5分2R>
大城匡史(日本)
三輪勇気(日本)

<フェザー級/5分2R>
工藤圭一郎(日本)
諸石一砂(日本)

<グラップリング・ライト級T準決勝/5分1R>
南風原吉良斗(日本)
新垣勇樹(日本)

<グラップリング・ライト級T準決勝
峯岸零弥(日本)
西尾 勇作(日本)

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【The Shooto Okinawa09】再起戦、旭那拳─01─「『ゆっくり休めばいい』と言われたのがショックで」

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12日(日)、沖縄県沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Okinawa09で、旭那拳が泰斗と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

9回目を迎えるプロ修斗沖縄大会のメインを務めるのは、現在ストロー級ランキング1位の旭那拳だ。旭那にとっては2大会連続のメイン出場となるが、前回はザ・タイガー石井に判定負けを喫してしまった。本来のストロー級ではなく54キロのキャッチウェイト戦ではあったが、ここで12年振りの修斗参戦となる石井に、世界ランカーの旭那が敗れたという結果は衝撃を与えた。

勝利した石井からも「修斗ってコレで良いんですか?」と言われてしまうことに……。そんななか9カ月振りの復帰戦を控える旭那に石井戦後のこと、さらに王者の新井丈を中心に変動し続ける修斗ストロー級戦線について訊いた。


――試合4日前のインタビューとなりますが(※取材は11月8日に行われた)、すでに体もしっかり絞れているようですね。

「はい。ストロー級のリミットまで、あと4キロぐらいです。いつも60キロぐらいから落とすのですが、すごく順調に来ています。ファイトキャンプは昨日で終えて、あとはコンディションを維持しながら最後に水抜きで落とします」

――今回のファイトキャンプでは、どのような点にフォーカスしていたのでしょうか。

「今回はスタミナ強化と、レスリング強化ですね。相手がレスリングベースの選手なので、とにかくスクランブルの展開が多くなると思っています」

――スクランブルの展開になっても良いのか、あるいはスクランブルに持ち込ませたくないか。それはどちらでしょうか。

「できるだけスクランブルには持ち込ませたくないです。でも正直言うと、相手の寝技の能力はそれほどでもないと思っていて。たとえテイクダウンされても問題ないかなとは考えています」

――泰斗選手は前回、旭那選手と同門の畠山隆弥選手と対戦(今年5月に引き分け)しています。その点は泰斗選手の力を測るうえで大きいですね。

「そう思います。チームメイトとの試合でテイクダウンしたあとに展開できていなかったのを見ているので、よく分かりますね」

――旭那選手ご自身は、今年4月にザ・タイガー石井選手に敗れて以来、7カ月振りの試合となります。試合間隔が空いた理由は何だったのでしょうか。

「一番はオファーがなかったことです。もしオファーがあれば、夏にでも1試合したかったですね。ただ立ち位置を考えると、僕がランキング1位だから試合の組み方も難しかったかもしれないですけど……」

――立ち位置、ですか。ここは包み隠さずに言えば、旭那選手はランキング1位ではありながら、ランキングに影響を及ぼさないキャッチウェイト戦で敗れています。しかもランキング外のザ・タイガー石井選手に――その点は引っかかるかもしれません。

「それは自分でも分かっています。あの敗戦は、僕にとっても大きな痛手でした。あの試合で勝っていれば、自分がトントンと上に行けたかもしれないのに……。次が新井丈選手のベルトに挑むか、あるいはもう1試合挟んでチャンピオンシップか。どちらにしても、夏の後楽園ホール大会に出ていたと思うんです」

――はい。

「試合後はしばらく、自分の中でも『やっちまったなぁ……』という気持ちでいっぱいでした。でも今は気持ちも落ち着いてきたし、自分としても『取り戻していくしかない』という意識で次の試合に臨むことができます。

泰斗選手もランキングに入ってきて(現在ストロー級9位)、興行としてもランカー対決という形になって良かったと思っています」

――旭那選手に勝った石井選手は後のインタビューで「12年振りに修斗で試合をした人間が、世界ランカーに勝った。修斗ってコレで良いんですか?」と仰っていました。他にも同じように考えていた人はいたでしょう。

「……直接言われたわけではないけれど、そういう声があったことは知っています。自分もそういう意見を受け止めるしかないです。でも落ちたままでいたら、そこで終わりじゃないですか。あとは自分が、どう食らいついていけるかであって」

――その通りだと思います。

「試合後1カ月ぐらいは、かなり落ち込んでいました。でもパラエストラ沖縄のインストラクターもやっているので、練習しなくても仕事をしにジムには行かないといけないじゃないですか。するとジムの会員さんが、すごく気を遣ってくれて……微妙な距離感になってしまうんです。自分としても『あぁ、この距離感はキツイ』と思って(苦笑)」

――会員さんも優しいがゆえだと思いますが、そういった優しさが身に応えてしまうこともありますよね。

「あとは松根(良太Theパラエストラ沖縄代表)さんから『ゆっくり休めばいいよ』と言われたのがショックで。『あぁ、無理して練習しろよ』とか言われないんだ、って……(苦笑)。でも結局は自分自身の問題ですし、自分がやらないといけないんですよね。だから、すぐに練習を再開しようと思いました」

――では旭那選手が試合をしていない間、最近の修斗ストロー級の動きはどのように見ていましたか。2023年末は、さらにストロー級の動きが活発化しています。

■2023年修斗ストロー級 現ランカーの主な試合
【試合結果】
3月19日 
安芸柊斗 def 澤田龍人 by 1R TKO

4月16日
ザ・タイガー石井 def. 旭那拳 by 2-0
当真佳直 def. 大城正也 by 3-0

5月22日
阿部マサトシ def. 木内SKINNY ZOMBIE崇雅 by 2-0

5月28日
畠山隆弥 draw 泰斗 by 1-0

6月18日
田上こゆるdef. ザ・タイガー石井 by 2R TKO

7月23日 
新井丈 安芸柊斗 by 1R TKO ※新井が王座防衛

【試合予定】
11月12日 
旭那拳(1位)× 泰斗(9位)
当真佳直(5位)× マッチョ・ザ・バタフライ(7位)

11月19日 山内渉 × 新井丈(王者) ※新井がフライ級王座決定戦に出場

12月2日 安芸柊斗(3位)× 猿丸ジュンジ(4位)

「田上こゆる選手がザ・タイガー石井選手と対戦するのは、予想していました。なかなか田上選手の相手が決まっていないなかで、『おそらく自分に勝ったタイガー選手と対戦するんだろうなぁ』って。チャンピオンシップについては、僕は安芸選手が勝つと思っていたんですよ。でも新井選手がパンチで仕留めるなんて、やっぱり強いなって思います。そういう試合を見せつけられると、自分もやらないといけないという気持ちになれましたね。僕は次の試合に勝って、その次は田上選手と対戦したいです」

――次に対戦する泰斗選手を飛び越えて……。

「あっ、決して泰斗選手のことをナメているわけではないですよ。強い選手だと思っています。でも泰斗選手だからどうこうではなく、自分はもうここで踏みとどまっているわけにはいかなくて」

――なるほど。

「自分もプロデビューしてから6年が経ちました。そろそろ次のステップに進まないといけないのに、前回は石井選手に負けてしまって――。今のままじゃ自分に発言権はないんです。ランク1位だけど、そのランキングに甘えていてはいけないと分かっています。だから自分が次へ進むために泰斗選手、田上選手と強い選手に勝っていくしかないんですよ」

<この項、続く>

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【Shooto2023#04】ザ・タイガー石井戦へ、田上こゆる─01─「12年前を知らないし、舐められてたまるか」

【写真】いつも通り、清涼感タップリの田上だったが……(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、田上こゆるがザ・タイガー石井と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年12月に田上は泰斗を判定で下し、2021年末から続いた連敗を脱することに成功した。その勝利にはABEMAの武者修行プログラムに参加したことも影響しているという。そして迎える半年ぶりの試合——今年4月に沖縄で世界ランカーの旭那拳に勝ったベテランの石井を地元で迎え撃つことに。連敗脱出でホッとしたのも束の間、石井のインタビュー記事を読んだ田上のハートに火がついた。


——試合直前のインタビューとなりましたが、随分とリラックスしているように見えます。まだ本格的な減量を始めていない時期なのでしょうか。

「そんなことはないですよ。今回は54キロ契約のキャッチウェイトなので、いつものような減量ではなく、今週から少しずつ落としている感じです」

——もともとストロー級でも過酷な減量はないとお聞きしていました。一方で、キャリアを重ねるにつれて通常体重は増えていないのですか。

「去年12月の試合から、そんなには変わっていないですね。やっぱり体が大きくならなくて。自分でも食べるようにしているんですけど(苦笑)。プロデビューした時は通常体重が54キロぐらいで、その頃に比べたら3キロぐらい増えましたが、まだ——今はそういう身体づくりにも気を遣うようにしています」

——では54キロ契約のキャッチウェイトというのは、田上選手にとって良い方向に働くのでしょうか。

「勝ってランキングも上げたいので、できればストロー級のリミットで試合をしたいです。でも54キロ契約の試合だからって、それで試合に影響が出るとかはないですね」

——昨年12月の泰斗戦は、ABEMAの企画でルーファスポートでの武者修行プラグラムを終えてからの試合でした。米国武者修行の成果は出せましたか。

「完全に出し切れた内容ではなかったです。練習だったら、もっといろんなことができるのにって、試合後も話をしていて。でもテイクダウンされても背中まではつかされなかったのは、修行の成果を見せることができた場面だったじゃないかと思います」

——一方、出し切れなかった点を教えてください。

「今まで自分は打撃で攻めていましたけど、その良さは変えずに、もっと自分から組みに行く展開を見せたかったですね。見合う時間が長くなったところで、打撃から入るのではなくテイクダウンも混ぜるとか。それが練習ではできるようになっていて」

——なぜそれを出し切れなかったのでしょうか。

「3Rを通じて『このラウンドは絶対に取った』と思えるような打撃を当てていたわけではなかったんですよね。そこで新しいことを試せるような試合展開ではなくて。だから打撃でジワジワ攻めていく――それは今の自分にとって『守り』というか。もっと出せるのに、出し切れない。そういう自分の良くない面が出てしまったと思います」

——とはいえ、昨年の新人王を相手に勝って、3連敗から脱したのはホッとしたのではないですか。

「それはもう、ホッとしました(笑)。もちろん勝ち方にもこだわっていかなきゃいけないけど、連敗から脱出したかったので。とにかく勝つことができたのは良かったです」

——正直なところ、2敗目を喫した2021年12月のマッチョ・ザ・バタフライ戦の直後は、師匠の中蔵隆志BLOWS代表も「どうすべきか……」と悩んでいた様子でした。そして昨年4月、沖縄で当真佳直選手に敗れたあとは、中蔵代表も「ここまで負けたのだから、まだ若いし、イチからやらせるしかない」と決意を固めたと受け取れる言葉がありました。

「そうだったんですね。僕としても『また負けてしまった。どうしよう……』となるのではなく、ずっと自分がダメだと考えていたものが、3連敗を通して確信に変わりました。自分のやるべきことがハッキリとしたんです。その部分では、ABEMAの企画で武者修行に行かせてもらい、米国で気持ちを切り替えることができましたね」

——ただ、武者修行後のインタビューでも「とにかく試合がしたい」と仰っていました。しかし今回のザ・タイガー石井戦まで半年もの間、試合がなかったことについては……。

「実は今年に入ってからも試合のオファーを頂いていて、それをお断りさせてもらっていました」

——えっ!? それはなぜですか。

「今年の初めに中蔵さんと話をしたんです。この半年間は、しっかり体をつくり、技術面も上げていくための準備期間にしようと」

——今年に入ってONE Friday Fightからのオファーもあったと聞いています。

「はい。ONE FFからお話は頂いていました。2月の大会で、対戦相手も提示されていました。でも半年間を準備期間にしたくて、お断りさせていただいたんです。ONE側からも『これでONE FF出場の話がなくなるわけじゃないから』ということで。いずれタイミングが合った時に出られるよう、スライドしてくれるようなことを言ってもらえました。自分としても焦らず、しっかりと準備して、最高の状態に仕上げてONEに出たいと思っています」

——そうだったのですね。

「僕はONEを目指しているので、そのためにいずれはONE FFに出たいですね」

——なるほど。その前にまずは次のザ・タイガー石井戦をクリアしなければなりません。昨日、MMAPLANETに掲載された石井選手のインタビューは読みましたか。

「あっ、まだ読んでいないんですよ。いま読んでもいいですか。すみません」

——はい、ぜひお願いします。

一瞬にして、表情が変わった

「……、……、……んっ!?」

——いきなり表情が変わりましたね。

「いや、うーん……」

——石井選手のインタビューについて、率直な感想を聞かせてください。

「緊張感とかピリピリ感のことは分からないです。僕は12年前の修斗を知らないし、12年前の石井選手のことも分からないので。ただ、僕は旭那選手とは違いますよ。舐められたくないですね。舐められてたまるかって──」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午前1時00分~ Twit Casting LIVE

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ストラッサー起一経歴【主戦場】
2014〜2017  UFC(アメリカ)
2017〜2019  RIZIN(日本)
2019〜2020  Bellator(アメリカ)
2021〜. RIZIN(日本)

—-目次—-
0:00 挨拶 (マッチョ選手の試合結果含む)
6:30. 奥田啓介 vs. 久保優太
8:52. 魚井フルスイング vs. ヤン・ジヨン
12:05. アラン“ヒロ”ヤマニハ vs. 河村泰博
15:05. 青井人 vs. 鈴木博昭
19:09. 中村優作 vs. 征矢貴
22:40. カルリ・ギブレイン vs. 貴賢神
26:05. ミノワマンZ vs. 侍マーク・ハント
28:52. 元谷友貴 vs. 倉本一真
32:45. 今成正和 vs. 鈴木千裕
35:15. 弥益ドミネーター聡志 vs. 平本蓮
44:04 平本蓮は朝倉未来に勝てるのか!?
47:13. 質疑応答

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【The Shooto OKINAWA07】計量終了。沖縄大会で連続メイン、当真佳直「5R戦えるスタミナがある」

【写真】2大会連続メインの当真は計量を一発でクリア。マッチョ・ザ・バタフライの再計量結果については、追ってお伝えします(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催される『SHOOTO OKINAWA07』の計量が行われた。メインに出場するマッチョ・ザ・バタフライは600グラムオーバーで再計量へ。その他の選手は全員一発クリアとなっている。

Text by Shojiro Kameike


今大会では当真佳直が、4月に続きメインを務める。前回は田上こゆるの打撃を、徹底したテイクダウンとグラウンドコントロールで封じ込め、判定勝ちし世界ランキング入りを果たした。地元・沖縄で大金星を得た当真は田上戦について、こう振り返る。

「最初にメインを任された時(2020年11月、木内SKINNY ZOMBIE崇雅戦)は負けてしまったのに、またチャンスをもらえて絶対に勝たないといけない。それでメチャクチャ練習して、結果にもつながったので嬉しかったです。正直、5R戦えるぐらいのスタミナがついた自信があります。前回の試合も、あと2Rやれと言われれば、やれていました。前回の試合が自分の殻を破ってくれたと思います。自分は3Rの経験は浅いですが、今回も3Rでいいのかな? 5R決着がつくまでやってやる、という気持ちになっています」

対するマッチョ・ザ・バタフライも昨年12月に田上を判定で下しており、同じ相手との対戦経験があることで比較もしやすいだろう。「相手はベテランで、強い相手です。自分が負けた木内選手と同じベテランで、寝技が強い相手なので油断はできません。でも、ここで勝って次の試合は東京でやりたいです」と意気込みを語った。

一方のマッチョ・ザ・バタフライは、計量1回目で600グラムオーバー。このレポートを執筆している時点では、17時に予定されている再計量に向けて体重を落としているところだ。当真がTD&コントロールを狙っても、自分の距離を保ちながら不規則なパンチを当て、自身の得意な形でグラウンドに持ち込める能力を持つマッチョだ。まずは再計量クリアと、コンディションの回復を待ちたい。

セミは宮城友一と鎌田悠介のフライ級戦だ。沖縄のベテランファイター、宮城は現在、修斗とRIZINで2連敗を喫している。「やっぱり沖縄での試合は気合いが入ります」という宮城は、「相手は打撃が強いし、もちろん寝技もできると思います。しかし自分もしっかり準備をしてきたので大丈夫です。ここで勝ってさらに上へ行きたいです」と意気込みを語った。

■視聴方法
11月6日(日)
午後2時30分~ ツイキャス

■SHOOTO OKINAWA07計量結果

<ストロー級/5分3R>
マッチョ・ザ・バタフライ(600グラムオーバー → 再計量)
当真佳直(52.10キロ)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(56.50キロ)
鎌田悠介(56.36キロ)

<フェザー級/5分3R>
結城大樹(65.76キロ)
工藤圭一郎(65.68キロ)

<スペシャルエキシビジョンマッチ/3分1R>
黒部三奈(日本)
小生由紀(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝 バンタム級/5分2R>
南風原吉良斗(61.18キロ)
藤谷敦史(60.86キロ)

<ストロー級/5分2R>
畠山隆称(51.96キロ)
大城正也(52.14キロ)

<バンタム級/5分2R>
波平コング(60.70キロ)
テンガイ(61.08キロ)

<ストロー級/5分2R>
わっしょい内田(52.08キロ)
梅木勇徳(52.16キロ)

<ストロー級/5分2R>
Pinky(51.70キロ)
大田ノヒロ(52.08キロ)

<トライアウトマッチ公式戦フェザー級/3分2R>
松浦真実也(65.72キロ)
山本敦章(65.72キロ)

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【FORCE16】安芸柊斗が丸山幹太と。高岡宏気は地元で再度の地固め。藤川×南風=FORCE×沖縄対決

【写真】中央で試合が組まれないときに、地元大会があるのは絶対的にアドバンテージだ(C)MMAPLANET

8日(月)にTORAO NATION STATEより9月11日(日)に香川県高松市の高松シンボルタワー展示場で開催されるプロ修斗公式戦FORCE16 の追加カードが発表されている。

7月29日にイベント開催とカードの第一弾発表があった同大会、これで全容がほぼ明らかとなった。


リングからケージに完全移行を果たしたFORCEが4月に続き、今年2度目の開催となり、カード第2弾では4月大会のメインでマッチョ・ザ・バタフライにKO勝ちしている安芸柊斗が、フライ級で丸山幹太と対戦することが分かった。

修斗、グラジエイターで0勝4敗の丸山とRoad to ONEで現ストロー級KOP=山北渓人に敗れてから、修斗公式戦で田上こゆる、前述したマッチョ・ザ・バタフライという関西勢を破り、通算戦績を7勝3敗1分とした安芸との対戦。数字だけ見れば既にミスマッチとも捉えることができるが、猿丸ジュンジへ挑戦が叶わなかった安芸にとっては、その鬱憤を晴らすべき2大会連続のFORCE出場だ。

また既報のカードでは7試合中、5カードに四国勢の名前が見られ、残りの2試合は沖縄勢の畠山隆称と波平コングが、それぞれ岡山の木村旬志&広島の近藤洋平と戦うなど、闘裸男&FORCEと沖縄勢の交流が継続していることが分かる試合が組まれている。

その修斗地方大会を支えるべき両者の激突といっても過言でないのが、愛媛の藤川智史と南風吉良斗のバンタム級戦となる。さらに地元も地元の高松FORCEジム所属の高岡宏気は、7月のサステイン興行にスクランブル出場し齋藤奨司に敗れたが、FORCEで再び地固めのニシダ☆ショー戦となった。

修斗が競技を名乗るのであれば闘裸男、FORCE、沖縄修斗の勝者が首都圏や大阪での大会に食い込んでいくのか競技の摂理。ここから修斗内ステップアップを果たすのは誰になるのか――も込みで楽しみたい。

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【The Shooto OKINAWA06】沖縄で当真佳直戦、田上こゆる─01─「ガムシャラさがなくなってきて……」

【写真】20歳になった田上。2連敗、これ以上負けられない(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(日)、沖縄市のミュージックタウン音市場で開催されるThe Shooto Ookinawa06のメインで、修斗世界フライ級7位の田上こゆるが敵地に乗り込み、当真佳直と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

プロデビューから連勝街道を突き進んでいた田上だったが、昨年は7月の安芸柊斗戦、そして12月のマッチョ・ザ・バタフライ戦と2連敗を喫している。関係者から注目を浴び、スターダムを駆け上がっていくと思われた矢先の敗北――この2連敗を、本人はどのように捉えているのか訊くと、田上はその胸の内と、今後に向けた光明について語ってくれた。


――試合直前にインタビューを受けていただき、ありがとうございます(※取材は4月11日に行われた)。今は追い込みが終わった段階ですか。

「追い込みは先週終わって、あとは体重を落としながらコンディションを調整していくっていう感じですね。それでもスパーリングはやっていますし、試合の感覚に近い形で体は動かしています。今回は土曜日に沖縄へ移動するので、木曜日か金曜日まで体を動かしていると思います」

――今回は敵地での試合なので、長距離の移動が加わりますね。

「はい。大阪での試合が続いていたので、今回は遠征という感じです」

――対戦相手の地元である沖縄の試合……敵地での戦いとなった点については、どう考えていますか。

「そんなに気にはしていないですね。キックボクシングをやっていた頃から数えると、もう50回以上は日本全国で試合しているので。相手の地元で試合をするからどう、っていうことはないです」

――なるほど。ただ、遠征となると日常のスケジュールも変わってきますよね。今は格闘技以外のお仕事はされているのでしょうか。

「現場の仕事をしています。3年前にバイトのような形ですけど、父の仕事の現場に行かせてもらうようになって。2年前から正社員になりました。今年に入ってからは、平日にお休みをもらって練習させてもらうとか、仕事を減らして格闘技のために使う時間を増やすようにさせてもらっています」

――今年に入って……昨年末、判定負けを喫したマッチョ・ザ・バタフライ戦の結果と内容については、どのように受け止めていますか。

「絶対に勝たなアカン試合やったと思うんで、悔しいです。負けてしまったことはショックでした。

試合が終わって思ったんは、もっと前に出て倒しにいかなアカンかった。でも自分が寝技を警戒しすぎて、前に行かれへんかったところがありました。打撃では圧されている感じがなくて、そのまま進めていたんですけど、最終ラウンドにバックを取られたのが印象悪かったかなって思います」

――以前の田上選手には、もっと打撃の手数と回転の速さがあったと思います。しかし昨年7月の安芸柊斗戦から2試合、その手数と回転が見られないように感じたのですが……。

「今は試合の中で考えすぎていて。あとは無敗で来ていたこともあって、そのプレッシャーを感じるようにもなっていました。昔はそういう考えもなくて、ガムシャラにやっていたんですよ。そのガムシャラさがなくなってきているんかな、と思うところはあります」

――やはり無敗で世界ランキングも上がっていくなかで、自分の中に何か守る気持ちがあったのでしょうか。

「負けたらアカン、という気持ちが強くなりました。ガムシャラに前へ出て、寝技に持ち込まれて負けたらアカン……そう思うようになって、昔より守るスタイルになってしまっていたかなと思います」

――ここまで勝ち上がってきたなかで、寝技が全くできないわけはないと思います。しかし、なぜそこまで「寝技に持ち込まれたくない」という意識が強くなってしまうのでしょうか。

「もちろん寝技の練習もやっています。寝技になった時のディフェンスは、こうしようと考えて練習していて。試合前も、寝技でいこうと考えていたりもするんです。でも試合になったら、守りに入ってしまう感じで」

――……。

「この間の試合については、自分がランカーで相手はランカーじゃない。だから負けられない、気持ちが強かったです。さらにマッチョ選手は寝技が上手い選手だったので、余計に打撃で戦おうという意識が強くなってしまい、試合が始まっても打撃ばっかりになったのかなと思います」

――そのなかでマッチョ戦では、セコンドの中蔵隆志BLOWS代表からカーフキックの指示が飛び、田上選手も指示通り右カーフキックを当てていました。

「カーフキックは効いている感じがありました。2R後半からは相手がパンチを打ってきても、前足の踏ん張りが利いてへんなと思って。3Rはそれがハッキリと分かっていたので、ダメージはメッチャあるなと。パンチも1R目ほどは力がないのも感じていました」

――田上選手の中では今、カーフキックを武器にしようと練習しているのでしょうか。

「いえ、練習ではあまりカーフキックは蹴らないんです(笑)。マッチョ戦でカーフを効かせることができて……あとはもっとローを散らしたかったんです。でも相手のパンチに合わせて踏み込んでローを蹴るのは少し怖くて。カーフやとローよりは距離を保ちやすいので、あの試合では結構カーフを蹴ることができましたね」

<この項、続く>

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