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【DEEP】元谷友貴×福田龍彌 バンタム級王者決定戦!

ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日に後楽園ホールで開催されるDEEP 119 IMPACT。これまでに北岡悟(パンクラスイズム横浜)×倉本大悟(JAPAN TOP TEAM)、水野竜也(フリー)×ANIMAL☆KOJI(HIGH ROLLER ENTERTAINMENT)、村元友太郎(ALIVE)×KENTA(K-Clann)など対戦カードが発表されていました。

決して悪くはなんだけど、RIZIN参戦経験者を上手く絡めて波に乗る最近のDEEPのマッチメイクを考えたら、もうひと盛り上がりほしいと欲張っていたら、極上カードがやってきました。
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【DEEPバンタム級王者決定戦】
元谷友貴(アメリカン・トップチーム)
福田龍彌(MIBURO)

RIZINで結果を出している者同士の贅沢な一戦。RIZINで組まれていて何ら不思議ではない好カードがDEEPで実現するとは。。。RIZIN隆盛の中でのDEEPの存在感を改めて思い知らされました。BLACK COMBATからの刺客ユ・スヨンがDEEPバンタム級王座を返上した事により、王者決定戦として行われます。

元谷は言わずと知れたバンタム級国内トップクラスのファイター。RIZINでは朝倉海の膝蹴りに屈したものの、金太郎、ヒロ・ヤマニハ、太田忍、倉本一真、CORO、ホジェリオ・ボントリンといったうるさ型の選手を連破。一見すると地味にも見えますが、決して簡単に出来る芸当ではないでしょう。

対する福田は現在絶賛売り出し中。元修斗フライ級王者にしてDEEPフライ級GP王者という肩書きもすごいですが、ファイトスタイルも凄味がハンパない。的確に蓄積させる左ジャブで相手の顔面を削り、時折織り交ぜるボディやアッパーの威力も精度の高さも卓越したスキルを感じます。

フライ級からバンタム級に階級を上げた雅駿介戦ではムエタイ出身の雅のお株を奪う打撃の猛攻で雅を圧倒。パンチでダウンを奪ってからのパウンドアウトでバンタム級転での試運転もは滑り出し上々。しかもストライカーを相手に打撃でKOする姿は衝撃的でした。バンタム級王座奪取に向けて調整は順調と見て間違いなさそうです。

ボクシングテクニックはDEEPフライ級最上位の福田を相手に元谷はどう出るか。ある程度スタンドの打撃に向き合いつつ、テイクダウンの糸口を探るのが常套手段か。

レスリングをバックボーンに持つ山本アーセンも福田をテイクダウンするのには手を焼いていただけに、予定通りにはいかないでしょうが、ヒントになりそうなのは昨年12月に行われたNaiza FCでのディアス・エレンガイポフ戦。

エレンガイポフは福田の打撃に臆せずに応戦しつつ、要所要所で組み付くとテイクダウンに成功。立ち上がられてもしつこく捕獲して福田の動きを封じて判定勝ちを収めました。

同じようにはいかないでしょうが、悔しいかな福田の打撃を封じるお手本のような試合。立っても寝てもそつなく試合を運ぶ元谷なら再現しても不思議ではありません。

逆に福田が元谷を駆逐するような事があれば、いよいよ地殻変動。DEEPどころかRIZINの地図にも影響を及ぼすのは間違いないでしょう。日本のバンタム級戦線を占う意味でも重要な一戦。ゴールデンウィークも後楽園ホールだな。
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45 MMA MMAPLANET o PRIDE RIZIN RIZIN LANDMARK09 山本アーセン

【RIZIN LANDMARK09】柴田がRIZIN初陣でアーセンにヒザ十字で一本勝ち「諦めずにやってきてよかった」

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
Def.1R1分45秒by ヒザ十字
山本アーセン(日本)

サウスポーの山本がインロー、左ストレートを伸ばす。柴田も右フック・右ミドルを返すが、山本は左ストレートで飛び込む。さらに柴田が右フックで組みつこうとしたタイミングで、山本が左のヒザ蹴りをボディに突き刺す。そのまま山本が柴田をケージに押し込むと、柴田が自ら前転してアンクル、ヒザ十字へ。これで山本からギブアップを奪った。

試合後、柴田は「僕、もともとPRIDEを目指していて。連敗したときに道路に飛び込もうとしてことがありました。でも諦めずにやってきてよかったです。みなさん、こういう勝ち方をしたのは僕が生きている理由、価値なんで、また僕をRIZINに連れてきてください」と語った。


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45 AB ABEMA F1 MMA MMAPLANET o RENA RIZIN RIZIN LANDMARK09   アルマン・アシモフ イゴール・タナベ キック シン・ユリ ストラッサー起一 ダイキ・ライトイヤー ブアカーオ・バンチャメーク ホベルト・サトシ・ソウザ 中村K太郎 中村優作 久保優太 井上直樹 佐藤将光 山本アーセン 武田光司 萩原京平 貴賢神 金太郎 高橋遼伍

【RIZIN LANDMARK09】計量終了 イゴール計量失敗に怒りのストラッサー「舐めるな!!」&中村優作は笑顔

【写真】イゴール×ストラッサーは実現するのか…… (C)MMAPLANET

明日23日(土)に神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09のパブリック計量が大阪市阿倍野区のあべのキューズモール内スカイコートで行われた。
Text by Manabu Takashima

2年4カ月振りの神戸大会のパブリック計量は会場から約40キロ離れた大阪第三のターミナル=天王寺(=阿倍野)の屋外ステージで実施され、寒さに負けない熱を持つ関西のファンに出場選手達が応えて、肉体美を披露した。

メインで戦うホベルト・サトシ・ソウザと中村K太郎は、それぞれ70.85キロと70.8キロでパス。記念撮影時にKポーズを取ったK太郎は、一切体の軸がブレることがなかった。1月31日の会見の時には途中で、サトシが支える瞬間があったが、さすがにしっかりと仕上がっているK太郎だった。


このアシモフの何も感じていない感が――怖い

なお本戦&オープニング全15試合で計量失敗の選手が2名。

1人は本戦第一試合で中村優作と対戦するアルマン・アシモフが2.4 キロ・オーバーに。パブリック計量時に、アシモフは何を想ってか中村に握手を求め、中村はその手を握り返す。さらにフェイスオフの際には、RIZINガールの正面に立つギャグが滑りまくった――根が良いヤツ過ぎる――中村は、自らアシモフに握手を求めていた。

もう1人、計量失敗となったイゴール・タナベは3.25キロの超過で体調を鑑みて公開計量の場に姿を見せることはなかった。1人でメディアの撮影を応じた対戦相手のストラッサー起一は非常に険しい表情から、「舐めるな」と叫び、ステージを後にした。

現時点でこの2試合が明日、行われるかどうかは発表がないが、実現させるためには一定の試合時間前に体重を測り、リカバリーの上限を決めたうえでのキャッチウェイトというのが妥当な線か。いずれにせよ、当日の体重差と健康面を考慮されての決定となろう。

アシモフは最終的に2.4キロ・オーバーだったが、残り1キロの時点まで体重を落としていたという話も伝わってくるが……計量後に記者席の後ろに陣取った中村優作は、周囲に「俺は戦います」という言葉を漏らしていた。

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■RIZIN LANDMARK09計量結果

<ライト級/5分3R>
ホベルト・サトシ・ソウザ:70.85キロ
中村K太郎:70.8キロ

<フェザー級/5分3R>
武田光司:65.95キロ
萩原京平:66.0キロ

<バンタム級/5分3R>
井上直樹:60.9キロ
佐藤将光:61.0キロ

<女子スーパーアトム級/5分3R>
RENA:48.85キロ
シン・ユリ:48.6キロ

<ウェルター級/5分3R>
イゴール・タナベ:80.25キロ
ストラッサー起一:76.8キロ

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉:56.7キロ
山本アーセン:56.65キロ

<バンタム級/5分3R>
金太郎:61.0キロ
ダイキ・ライトイヤー:60.95キロ

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神:118.05キロ
コーディー・ジェラベック:99.4キロ

<フェザー級/5分3R>
久保優太:65.9キロ
高橋遼伍:65.85キロ

<キック74キロ契約/3分3R>
ブアカーオ・バンチャメーク:73.85キロ
木村“フィリップ”ミノル:73.7キロ

<キック70キロ契約/3分3R>
憂也:69.95キロ
蛇鬼将矢:69.95キロ

<フライ級/3分3R>
中村優作:56.95キロ
アルマン・アシモフ:59.40キロ

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45 AB ABEMA DEEP F1 MMA MMAPLANET o RENA RIZIN RIZIN LANDMARK09 UFC アキラ イゴール・タナベ キック シン・ユリ ストラッサー起一 ダイキ・ライトイヤー デミアン・マイア フランク・カマチョ ブアカーオ・バンチャメーク ホベルト・サトシ・ソウザ 中村K太郎 中村優作 久保優太 井上直樹 佐藤将光 修斗 山本アーセン 武田光司 江藤公洋 萩原京平 貴賢神 金太郎 高橋遼伍

【RIZIN LANDMARK09】サトシ戦へ。RIZINライト級の逆・黒船=中村K太郎「キャンって言わせてやります」

【写真】この後、DEEPライト級王者となる江藤公洋と国内ライト級トップ・ガチスパー(C)MMAPLANET

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09で、ホベルト・サトシ・ソウザと戦う中村K太郎。
Text by Manabu Takashima

国内ウェルター級最強の男が、実に10年振りにライト級に階級を落としてくる。UFC参戦2度、修斗、DEEP、戦極とJ-MMAのトップに君臨したK太郎は、RIZINライト級勢にとって逆・黒船といえる。

いきなりのチャンピオンとのノンタイトル戦が、今後のRIZINライト級戦線にどのような影響を与えるのか。江藤公洋との激しすぎるMMAスパーの後で、K太郎に話を訊いた。


──ここにきてライト級に転向。会見では「自然と痩せてきた」ということを言われていましたが、真相の方は?

「本当に加齢なのか、そんなに食欲もなくて。普段通りに練習をしていたら、70キロ代に落ちることも普通にあって。そうなるとウェルター級でやることは難しい。それにライト級の方が層が厚いですし、RIZINで戦っていく上でも戦いたい相手、盛り上がる相手が多いので落としました」

──最後のライト級がいつだったのか、サッと思い出せないレベルです。

「いつだろう……アドリアン・マルチンス戦ですかね(2008年9月23日)。元々ウェルター級で最初にUFCと契約した時の3戦目でライト級に初めて落として(ロブ・エマーソン戦、2008年2月2日)。あぁ、でもマルチンス戦の後もライト級でやっていますね。それからもウェルター級の試合が多かったですけど、(携帯で戦績をチェックしながら)PXCでフランク・カマチョに判定負けした時(2014年2月28日)が、ライト級で戦った最後の試合です」

──いずれにせよ10年ぶり以上のライト級マッチということになります。カマチョ戦後にウェルター級一本になったのは?

「減量がきつ過ぎました。『これは、何試合も戦うのは難しい』という感じになりました」

──それが10年を経て、ライト級に。加齢が原因だと体重を落とすのは難しいかと思うのですが、代謝が落ちて。

「さっきも言いましたけど、食が細くなってきたので。そもそもウェルター級の最初の頃はナチュラルで戦っていました。減量がないぐらいだったので、頑張って増やして。それで最大92、93キロぐらいまで行って。でも試合が定期的だったわけでもなくて、食事もウェルター級の体格を維持しようという意識もなくて。そうなると段々と細くなってきました。食べるモノが変わったというのもあるかと思います。以前はカロリーの高いモノを摂っていて、それでも周囲のウェルター級の選手ほどは食べていなかったですけど」

──そこから年を重ね、食事の内容も変わったと。

「そうですね、単純に量が減り、脂っこいモノもたくさんは食べないです」

──細くなってストレングス、パワー、瞬発力系の動きは?

「多少落ちたと思います(笑)。まぁ、質力が落ちていることが心配されますけど、適正階級になりスピードが上がったり、柔軟性が増しました。動きやすくなっている面もあるので、そんなに心配はしていないです」

──何よりライト級転向初戦がホベルト・サトシ戦。ウェルター級とはチャンスの数が明白に違います。

「いきなり……評価されているのか、有難いです。ビックリしました」

──K太郎選手自身は、一発目は誰と考えていましたか。

「矢地(祐介)です(笑)」

──アハハハ、後輩だけに呼び捨てで。

「ハイ。武田(光司)選手とかもあるかと思っていたのですが、フェザー級に落としたので。でもサトシになって嬉しいです」

──チャンピオンとノンタイトル戦とはいえ、いきなりの大チャンス。今日は江藤公洋選手とのMMAスパーを拝見させていただいたのですが、打撃をしっかりと入れて際も遠慮がない。テイクダウンと組みの強い2人のガチスパーは、柔術家のサトシ選手と戦ううえでも生きる練習に感じました。

「その通りです。組みは全力で、打撃はそうじゃないというのが普通の練習なので。そのなかで週に一度、この練習があるのは大きいですね」

──ではグラップリングの練習は誰と?

「アキラ選手、村山(暁洋)さん、それと泉武司選手とやっています」

──サトシ戦が決まっても、柔術系とは練習をしていないのですか。

「そっちの人とはそんなに……。そもそも寝技の展開を創らせなければ怖くないので。MMAの選手とグラップリングをやっていると、上の取り合いになって。そこが強化されれば、良いので。際の打撃、その前とか自分からタイミングを創ることがキーポイントになると思います。

タイロン・ウッドリーとデミアン・マイア戦ですね。UFC史上、一番多くのテイクダウンをアタックしたマイアが全て返された。ただし、ああいう風に突き放すだけでなく打撃を入れます」

──引き込んで来られたら。

「そこは付き合わないで、立てば良い」

──う~ん、上手くハマれば万人受けするファイトにはならない(笑)。

「残念ながら(笑)」

──ADCC世界大会4位、グラップリングでも生けるのではないかと期待しているのですが。

「まぁ、そうですね(微笑)。サトシもグラップリングでは、道着ほど大きなタイトルを取っていないですしね。だから、そこも自信がないわけじゃないので。スタイル的にもクラシカルで。最近のレッグロックを混ぜたモノを使ってくるわけじゃないですし、対処はしやすいところでもあります。

でも深入りをしても、相手が安心できる時間が増えてしまうので。そういう時間は増やさない方が良いです」

──選手間ではK太郎選手だろうという声が、まま聞かれました。技術的な比較と同時に「やってくれ」という期待感も伝わってきました。

「それはもう色々なところで金原×クレベルに近い構図だと言われていますし(笑)。そういう古参のファンの期待に応えて、やっつけたいです。今年で40歳、ここでサトシと戦えることは光栄ですし、嬉しいです」

──リングでなく、ケージです。

「僕にとってアドバンテージになると思います」

──では最後に意気込みを一言お願いします。

「ハイ。なんかライト層なのか、下馬評ではサトシ有利という意見が目立っていたので──キャンって言わせてやります(笑)」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ RIZIN LANDMARK09対戦カード

<ライト級/5分3R>
ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
中村K太郎(日本)

<フェザー級/5分3R>
武田光司(日本)
萩原京平(日本)

<バンタム級/5分3R>
井上直樹(日本)
佐藤将光(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
RENA(日本)
シン・ユリ(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
ストラッサー起一(日本)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
山本アーセン(日本)

<バンタム級/5分3R>
金太郎(日本)
ダイキ・ライトイヤー(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
コーディー・ジェラベック(米国)

<フェザー級/5分3R>
久保優太(日本)
高橋遼伍(日本)

<キック74キロ契約/3分3R>
ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)
木村“フィリップ”ミノル(ブラジル)

<キック70キロ契約/3分3R>
憂也(日本)
蛇鬼将矢(日本)

<フライ級/3分3R>
中村優作(日本)
アルマン・アシモフ(カザフスタン)

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【RIZIN LANDMARK09】中村K太郎戦、ホベルト・サトシ「MMAでも下になることは厭わない」

【写真】対戦が発表された直後、表情は穏やかなサトシだった(C)MMAPLANET

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09で、ホベルト・サトシ・ソウザが中村K太郎と対戦する。
Text by Manabu Takashima

昨年7月にスクランブル発進でパトリッキー・フレイレに敗れて以来、8カ月ぶりの復帰戦となるサトシは、そのパトリッキー戦で拳を負傷したもののメンタルが落ちることが無かったという。

勝っても負けても、人として中身が変わらないことを信条としているが、それでもAJ・マッキー~パトリッキーに喫した敗北の連鎖を絶対に止めなければいけない。選手間、コア層の評価&指示を受けるK太郎との再起戦に向かうサトシが、1月31日の会見で話していたこととは――。


――中村K太郎選手との試合が発表された会見が、ほんの少し前に終わりました。今の気落ちは?

「最初はナーバスだったよ。皆が注目して、試合について尋ねるからね。フェイスオフや計量の時と比べると、記者会見は神経質になりがちで」

──えっ、そうなのですか。

「まだ試合まで2カ月もあって──それまで契約書……紙の上で見たり、話して耳で聞いていた相手が目の前に現れるのが記者会見だから。こうなると、『あぁ、本当に試合があるんだ』っていう気持ちになって。なんだか、面白いね。同時に試合に向けて集中力が増す。ファイトがある、それはホームに帰ってきたようなものだから。やる気が増すよね」

──会見でK太郎選手は、いつもユーモアたっぷりな返答が多いです。そのことについて、どう思いましたか。

「シリアスになったり、面白くなったり、変わっているよ(笑)。でも何も私に影響を与えることはない。彼の態度で私が変わることはないから。ただ試合に集中する。試合で勝つことに集中しているよ。彼が何をしようが、何もしないでいようが……何を話そうが一切関係ない」

──ではもう去年の7月の話になりますが、パトリッキー・フレイレとの試合にショートノーティスで応じた。あのハイリスク&ハイリターンの試合に敗れたことをどのように考えていますか。成功例が鈴木千裕選手で、サトシ選手の場合は黒星が一つつきました。

「あのショートノーティスの試合に関しては、プレッシャーを感じないようにしていた。ただ楽しむということは、試合前にも言っていたしね。もちろん、勝つために戦ったよ。確かに試合まで1週間しか時間はなかった。でも、普段からずっと練習はしているわけだし。それはいつだって試合があるようなもので。勿論、試合が決まると、より明確に自分のやるべきことが分かって、そこに従って練習をするようになるけどね。あの試合に関しては負けたよ。色んな人もそこを指摘するけど、私自身はそれほど気持ちが落ちたりはしなかった。今もネガティブな感情は持っていない。

そりゃあ、AJ(マッキー)に負けたことは関してはガッカリしたよ。あの時は2カ月間、AJに勝つことだけに集中していたから。100パーセント掛けていた。パトリッキーと戦った時は、あの時の100パーセントで戦った。でも、それは私の100パーセントではないし。

体力的なことよりも、ここまで上位の試合をするときに一番問題はなのは、気持ちだ。精神面が万全でないと自分がどう戦うのか、自分自身を掌握できない。そこが一番ハードなところなんだよ、ショートノーティスで試合を受けるということは」

──つまりパトリッキーと戦った時は、精神的に万全だったわけじゃないということですね。しかし、敗北は敗北で戦績に傷がついてしまいました。プロフェッショナル・ファイターとして、その辺りはどのように考えていますか。

「そこは本当に気にしていないよ。勝負には勝ち負けはつきものだから。ジョニー・ケースと戦って初めて敗北を経験した時に、その辺りの感情の持っていきかたは学んだよ。勝っても、負けても中身が変わらないことが大切だって。それはクレベルにも言えることで。クレベルが金原に負けた時、私もショックだし彼もショックを受けていた。パトリッキーに負けた時も、同じだよ。ただ試合には負けても、私は私でいること。何も変わらない。勝っても負けても、そして誰に何を言われようとも私という人間は何も変わらない。

逆にRIZINに大切な大会で、AJが来日できなくなって代役をお願いされた。それで戦いを受けないようなことをした方が、漢として何かを失っていたはずだと思っている」

──押忍。そしてあれから半年、試合の時は約8カ月後になりますが、この時期に再起戦を行うのはプラン通りだったのでしょうか。

「大晦日には試合をしたかった。でも、拳の状態が100パーセントではなかったから見送ることにしたんだ」

──その負傷とは……。

「そう、パトリッキーとの試合の初回で折れた。試合後、1カ月全く練習をしなかった。ジムにも行かなかった。1カ月もジムに行かないなんて、私の人生で初めてのことだったよ。でも、そのおかげでリフレッシュできた。より熱心に練習するようになった。ただ12月になってクレベルとスパーをした時、拳に痛みを感じた。私が殴った時だけでなく、ヒザやヒジをブロックした時にも。

大晦日に試合をしていたら、万全の状態で戦えなかったはずだよ。それは拳が痛いからではなくて、私の精神状態がそこを気にしてしまうから。正直、年が明けてもまだ100パーセントじゃない。でも、3月には何も問題ではなくなっているよ」

──ところでK太郎選手との試合は、MMAとはいえ両者のグラップラーという側面も注目されています。K太郎選手はプロのグラップリングの試合は長い間出てしませんが、2009年にはADCC世界大会77キロ級で4位になっています。彼のピュア・グラップリングにおける実力をどのように捉えていますか。

「グラップリング・ファイトで、彼は間違いなく強い。優れたグラップラーだ。素早いバック奪取と、精度の高いRNCを持っている。以前から言って来たことだけど、彼はウェルター級では日本一のグラップラーだと思っている」

──もしグラップリングでK太郎選手と戦うとしたら?

「楽しいだろうね。将来、彼がグラップリングに集中し、私が柔術にフォーカスするようになった時、RIZINがグラップリングマッチを組んでくれると凄く面白い試合になるだろうね(笑)」

──技術的にサトシ選手と比較して、どのように評価していますか。

「私と彼のスタイルは、少し違う。彼はトップゲームを得意として、バックチョークが最大の武器だ。私は三角絞め、腕十字と下からの攻撃を得意としている。グラップリングはグラップリングだけど、ストロングポイントが違うよね。私の方が動きが多くて、爆発力もある。彼はコントロール重視のドミネイト型だ」

──だからこそ、興味深いです。削ってミスをさせるK太郎と選手と、動いてミスを誘うサトシ選手。この構図はMMAにも当てはまるでしょうか。

「そこに関しては、教え子にもよく話している事なんだ。グラップリングとMMAグラップリングは違う。まずグローブの存在がある。良いポジションを奪われた時、グローブがあるとエスケープが難しくなる。グラップリングなら容易い。グラップリングはもっと動くことができるからね。

そして下になってハーフガードを取ったとしよう。グラップリングだと、リラックスしていられるポジションだ。でもMMAでは、全く気を緩めることなんてできない。エルボーとパンチを打たれる。グラップリングと、MMAグラップリングは全く違う。ただ、どうなんだろうね。私と彼がMMAで戦うと……。

私はMMAでも、下になることは厭わない。トップでも、ボトムでも。トップで居心地が良ければトップで戦う。引き込んだ方が良いなら、引き込む。私はどっちの局面になっても平気だから」

──ではK太郎選手のサイズに関しては?

「少し、私より大きいね。でも、それが問題になることもない。体格差は心配材料にならない」

──今サトシ選手は2連敗中ですが、3連敗はさすがにまずいと捉える選手が多いです。

「そうだね。と同時に、RIZINで戦う試合はいつだってプレッシャーを感じている。私はチャンピオンで、ベルトが家にある。ただ勝つために集中して、試合当日を迎えたい。そして、この試合は日本語でいえば、ゼッタイニ・マケハユルサレナイ(笑)。そういう試合だと心得ているよ」

──サトシ選手、会見後の慌ただしいなかインタビューを受けていただきありがとうございました。ところで全くこの試合に関係ないのですが、ルオトロ兄弟など新しい世代のグラップラーについて、サトシ選手はどのような印象を持っていますか。

「凄いよ。信じられない動きをしている。全く止まらない。足関節、腕十字、RNCと常にフィニッシュを狙っている。それを可能にしているのが、防御力の高さだね」

──いの日か……。

「アハハハハハ。そうだね」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ RIZN LANDMARK09対戦カード

<ライト級/5分3R>
ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
中村K太郎(日本)

<フェザー級/5分3R>
武田光司(日本)
萩原京平(日本)

<バンタム級/5分3R>
井上直樹(日本)
佐藤将光(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
RENA(日本)
シン・ユリ(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
ストラッサー起一(日本)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
山本アーセン(日本)

<バンタム級/5分3R>
金太郎(日本)
ダイキ・ライトイヤー(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
コーディー・ジェラベック(米国)

<フェザー級/5分3R>
久保優太(日本)
高橋遼伍(日本)

<キック74キロ契約/3分3R>
ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)
木村“フィリップ”ミノル(ブラジル)

<キック70キロ契約/3分3R>
憂也(日本)
蛇鬼将矢(日本)

<フライ級/3分3R>
中村優作(日本)
アルマン・アシモフ(カザフスタン)

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RIZIN LANDMARK9:オッズ/予想と展望

中村優作 2.75
アルマン・アシモフ 1.40

関西大会名物中村。昨年は4月にマメドフにKOされ、10月にヒロヤに判定勝ち。もうRIZINレギュラーからは外れていると思うが、関西大会があれば今後もエンドレスで出られそう。

カザフスタンアシモフは軽量級だがKO勝ちが多いハードパンチャーで、このところ負けた試合は3連続1RKO負けでダメージの蓄積が大きい中村にとっては相性が悪い相手。

アシモフKO勝ち。

久保優太 1.67
高橋遼伍 2.10

海外のオッズなので久保がフェイバリットだが、冷静に見れば高橋がはるか格上。久保は3連勝中だが、まともな試合としてはノーカンの奥田・安保戦の2勝を除くと、判定が微妙だった木下戦のみ。

4連敗中の高橋は手数の乏しさが気になるところだが、普通にトータルMMAで戦えば、組みの実力には差があるはず。

高橋判定勝ち。

貴賢神 2.00
コーディー・ジェラベック 1.80

MMA転向後3連敗中の貴賢神だが、前回の荒東戦は、1Rにパンチでダウンを奪うなど、成長は見えた。

相手のジェラベックはMMAではミドル級で1戦しただけ。昨年は打撃系格闘技のカラテコンバットでライトヘビー級契約で2RKO負け。32歳なので、経験を積んでいるというよりは、格闘技を本業としていない感じ。体格差を覆すほどの技術力はないだろう。

海外のオッズでは戦績の比較でジェラベックがフェイバリットになっているが、貴賢神が体格差でKO勝ち。

金太郎 1.50
ダイキ・ライトイヤー 2.50

金太郎も4連敗中だが、関西大会なら出場できる。相手のダイキは2021年のTRIGGERですでに引退を決めていた釜谷真に2RKO勝ちしたものの、修斗では3連敗中。

金太郎KO勝ち予想だが、今更この相手に勝ったところでRIZINレギュラーには戻れないだろう。

山本アーセン 1.57
柴田“MONKEY”有哉 2.30

柴田はローカル戦績では過去10年で10勝5敗、負けた試合は10年前の清水清隆戦と8年前の井上直樹戦を除くと、和田・越智・神龍とのタイトルマッチでの敗戦。ただ地方が主戦場のため、相手もDEEPトップクラスからは落ちるレベルの選手が多い。

アーセンがタックルからコントロールしきって判定勝ち。

イゴール・タナベ 1.10
ストラッサー起一 6.00

今大会一番大差のオッズ。しかしタナベにとっては実質体重ハンデマッチだった阿部戦を除くと、過去もっともトータルで戦える技術を持った相手との対戦となるため、楽な試合ではない。簡単にグラウンドで上を取れることもないはず。当然警戒されているガードからの極めで勝つことができるなら、日本ではもう相手がいないだろう。

タナベ一本勝ち。

RENA 1.29
シン・ユリ 3.40

ROAD FC女子アトム級王者のシン・ユリだが、今のROAD FCのレベルがどれくらいかは疑問。打撃が武器とのことだが、RENA相手では分が悪い。

RENAのKO勝ち。

井上直樹 1.57
佐藤将2.30

ベテランの将光が井上の攻めを凌ぐ展開で接戦になりそうだが、井上が先手を取り手数で上回っての判定勝ちと予想。

武田光司 1.29
萩原京平 3.40

初フェザーの武田が終盤まで失速せずに攻められるかどうか。フィニッシュはなさそうなので、試合中一発でも打撃をもらって効いた素振りを見せると、RIZINの判定システムでは負けにされかねない。

武田判定勝ち。

ホベルト・サトシ・ソウザ 1.44
中村K太郎 2.63

K太郎はサトシに引き込まれても、フィニッシュさせないだけのディフェンス力はあるはず。打撃の上手さでは確実にK太郎が上。しかしフィジカルでは体が萎んでの階級転向となるK太郎おりサトシが上だろう。先に効かせた方が一本を取る試合になると思うが、技術ではリードしても一発入って効かせるのはサトシでは。

サトシ一本勝ち。

第1試合開始は14時から。オープニングセレモニーはないとのこと。MMAのみ速報します(オープニングファイトはすべてキックのためスルー)。

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【RIZIN LANDMARK09】柴田MONKEY有哉、山本アーセン戦へ「アーセン君に勝ったら海外の強い選手と」

【写真】PRIDEへの憧れが、強い選手が海外からやっていること──という柴田(C)MMAPLANET

23日(土)、神戸市中央区の神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK09で、柴田MONKEY有哉が山本アーセンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2019年、神龍誠とDEEPフライ級王座を争う試合前、柴田は「負けたら終わり」と発言していた。それは引退という意味ではなく、「今のやり方じゃダメなんやな」ということだったと過去のインタビューで発言している。そして環境の変化と怪我もありつつ、柴田は2022年12月に杉山廣平に勝利して以来の試合を、初出場となるRIZINで迎えることとなった。なぜ柴田はMMAを続けるのか。そこにMMAがあるから――だけではない。そこに、MMAを始めた頃から叶えたかった夢があるから。


――柴田選手にとっては1年3カ月振りの試合となります。コロナ禍もありましたが、ここ数年は試合のペースも以前と比べて落ちているのではないでしょうか。

「そうですね。今はそれほど試合をしたいわけでもなくて」

――というと?

「昔は自分が上に行くことしか考えていなかったから、怪我がない限りオファーは断らない。とにかく試合をして勝ち、できるだけ早く上に行きたいという感じでした。でも今は試合が終わったら1回オフに切り替えないと、気持ちの面が続かなくなってはきています。年齢的なこともあるでしょうし、ジムの運営もあるので、少し間隔を空けたほうが試合に対する気持ちをつくりやすいんですよ。

KIZUNAはJr.Borderの常連チームだ

だからそんなに試合を詰めなくても良い。

間隔を空けられるなら年2回でも良いかな、と思っていますね」

――結果、今回のRIZIN神戸大会出場は、柴田選手にとってはタイミングが良かったのですか。

「あくまで結果として、タイミングは良かったのかなと思います。というのも去年、子供が生まれたんですよ」

――おぉ、それはおめでとうございます。

「ありがとうございます。杉山選手との試合後、会場でプロモーターさんには『子供が生まれるので、しばらく試合はできないです』と伝えていました。嫁さんのサポートをしたかったので。その時点で休むのが1年か2年かは決まっていなかったけど、『そろそろ試合ができるかな……』と考えていた時にオファーが来たんです」

――それがRIZINからのオファーだったのですか。

「いえ、まずDEEPのオファーがありました。でも僕が気持ちをつくることができる相手ではなかったというか。いつも自分は『僕が負けると思われる相手と試合をさせてほしい』とお願いしているんですよ」

――しかし対戦オファーがあった相手は、そうではなかった。確かに柴田選手は2011年のプロデビューで、もう誰が相手でも戦うというキャリアやポジションでないとは思います。同時に普段DEEPで視ている選手であれば、どういった試合になるかも予想がつくかもしれません。勝ち負けはともかく。

「そうですね。普段から『自分と戦ったら、どんな試合展開になるか』と考えながら試合を視ているわけで。もちろん試合はやってみないと分からないです。自分も今まで、どれだけ勝つと意気込んでいても負けたことはありますし。

そんな時にRIZIN神戸大会があると聞いて、佐伯(繁DEEP代表)さんに『RIZINに出たい』という希望を伝えました。そうしたらタイミング良く、山本アーセン君との試合が決まって」

――柴田選手は対戦カード発表の記者会見で、PRIDEへの憧れを口にしていました。現在であれば柴田選手にとって、それだけRIZINで試合をすることの価値は高かったということですか。

「まず今年は意味のある試合をしたいと考えていました。RIZINに出ると注目度は一気に上がるじゃないですか。それとDEEPでは組まれないような相手とも試合ができる。そう考えた時に、RIZINに出ることは自分にとってはプラスしかない――と。周りの人も……簡単に言えば、RIZINに出ることが発表されてから、知り合いが増えました(笑)」

――知り合い、ですか。それは会ったことのない親戚が増えたのではなく(笑)。

「アハハハ。有名になると、よくあるやつですね。そこまでではないけど、『あれ? 誰やったかなぁ……』みたいなことは増えて」

――特に山本アーセン選手が相手となれば、より注目度は高まるでしょう。

「そうですね。オイシイ相手やなぁって思います。これは決して、相手のことをナメているわけじゃなくて。プロモーター側からすれば『柴田って、どれだけやれるんや』って測るために良いカードだったんでしょうね。別にアーセン君のほうが注目されているからって、それは気にしていないです。

僕はアーセン君のことを尊敬しているんですよ。レスリングで世界を獲っているじゃないですか。彼が世界カデット選手権で優勝した時のことをドキュメンタリーで視て、『凄いな!』と思いました。そのレスリングで世界を獲った選手と自分が戦ったら、どんな試合になるんやろう? 単純にワクワクしています。RIZINならではのカードで」

――ファイターとしても、ジム経営者としても認知度を高めていく必要はあると思います。柴田選手の中では、いつ現役生活を終わりにするのか決めているのですか。

「何年後かって決めているわけではないけど、もう長く続けられないとは思います。年齢や怪我のことだけじゃなく、ジムの若い選手をサポートしたい。ウチのジムで強くなりたいと言ってくれている若い選手のために、もっともっと良い環境をつくらなアカンと考えています」

――なるほど。ではMMAファイターとしてのアーセン選手の印象を教えてください。

「パンチが強くなっているのと、真っ直ぐな気持ちが試合に出るファイターですよね。RIZINファンの方や、世間の味方としてはアーセン君が勝つと思っているかもしれない。でも僕は、もちろん自分が勝つと思っています」

――ご自身のキャリアの中で、今回の試合はどのような位置づけになると思いますか。

「今の最終的な目標は、RIZINで強い外国人選手と戦うことです。僕の夢は、PRIDEに出ることでした。最初にPRIDEを視たのは、ヒョードル×ミノタウロの2戦目で。あの試合を視て『自分もコレをやりたい』と思ったんですよ」

――強い外国人選手というと……。

「海外のベルトを持っている選手や、元UFCファイターとかになりますね。特にUFCで勝っている選手なら、誰もが強いと思ってくれると思うので。以前、海外でUFCやONEに出ているファイターと練習したことがあるんですよ。僕としては、その選手たちが練習している環境があれば、UFCファイターとも戦えるなって感じました。今は自分自身で、そういう練習環境をつくっているつもりです」

――柴田選手がデビューした2011年には、すでにPRIDEは活動を休止していました。以降は日本の格闘技界も厳しい時代が続いていました。

「確かにファイターとして目指す場所は、なくなっていたかもしれないです。でもそれ以上に、PRIDEに出ていたファイターのように強くなりたいという気持ちが一番で。プロデビューして、勝って、ベルトを巻きたい――デビューした頃ならUFCが一番だったかもしれないですよ。でも何か違うな、って」

――UFCの何が違ったのでしょうか。

「もちろん一番の舞台やけど、別に海外で試合したいと思っていたわけじゃないんです。当時はUFCもフライ級がなかったですし。当時は何回か、PRIDEが復活するという噂もあったじゃないですか。自分の中では『PRIDEが復活して軽量級もやってくれるなら、出られるようにしておこう』と考えていました」

――柴田選手にとっては、かつてのPRIDEが今のRIZINということなのですか。

「正直、今のRIZINも当時のPRIDEと同じようには考えていないです。それが一昨年の大晦日にRIZINとベラトールの対抗戦があったじゃないですか。僕はPPVで視ていて、PRIDEのテーマが使われているし、対世界や団体対抗戦の雰囲気を感じました。自分の中に『ここでやりたい。ここで海外の強い選手と戦いたい』という気持ちが沸き上がってきて。

あの時は、PRIDEのテーマを聴いただけで鳥肌が立ちました。今回アーセン君に勝ったら、『海外から強い選手を呼んでください!』と言ってもエエんちゃうかな、と思っています。次の試合は自分の夢を叶えるために――僕が発言権を得るための戦いです」

■視聴方法(予定)
3月23日(土)
午後12時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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【RIZIN46→LANDMARK9】神戸大会はケージ仕様に。ライト級王者サトシがK太郎とノンタイトルで激突

【写真】サトシと対戦する中村K太郎は通常営業のポーズ(C)MMAPLANET

31 日(水)、東京都内で、3月23日(土)に兵庫県の神戸市ワールド記念ホールで開催されるRIZIN46改めRIZIN LANDMARK9の追加カード発表記者会見が行われた。
Text by Shojiro Kameike

会見の冒頭で榊原信行CEOから、当初ナンバーシリーズとして発表されていた今大会がLANDMARK=ケージを使用する大会となることが発表された。会見で発表されたMMAルールの試合は、ライト級=ホベルト・サトシ・ソウザ×中村K太郎(ノンタイトル戦)、ウェルター級=イゴール・タナベ×ストラッサー起一、フライ級=山本アーセン×柴田MONKEY有哉、フェザー級=久保優太×高橋遼伍、バンタム級=金太郎×ダイキ・ライトイヤー、フライ級=中村優作×アルマン・アシモフ、ヘビー級=貴賢神×コーディー・ジェラベック、フェザー級=高木凌×西谷大成の8カードだ。


キックボクシングルールの試合も組まれ、70キロ契約=憂也×蛇鬼将矢、56.5キロ契約=赤平大治×吉岡雄希、57.5キロ契約=松山瞬×櫻井芯、53キロ契約=野田蒼×上村雄音の4カードが発表されている。また。2月24日(土)にSAGAアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK8で矢地祐介と対戦予定であったキム・ギョンピョがヒザ靭帯の負傷により欠場となり、白川陸斗が矢地と対戦することとなった。

ここからは会見での挨拶と、MMAPLANETからの質問に対する回答を書き記したい。

ホベルト・サトシ・ソウザ
「最近は試合をしていないけど、今年も頑張ります。RIZINのライト級でもっと面白い試合を見せたいから、今年ももっと頑張ります。(K太郎が兄のマルキーニョスに勝っていることについて)絶対にその質問が来ると思っていた(笑)。でも私は全然気にしていない。兄も『良い試合になる。絶対に勝てる』と言っているから」

中村K太郎
「サトシ選手という強い相手とライト級で戦えるのは光栄です。頑張ります。(かつて兄のマルキーニョスに勝っていることについて)今、言われるまで僕も言えていなかったのですが、事あるごとに『マルキーニョス、俺に負けているぞ』と言ってやろうと思います。試合中もボソボソ『マルキーニョス、俺に負けているぞ』と言って、メンタルを乱してやります」

イゴール・タナベ
「今回の相手は日本から世界で活躍してきたストラッサー起一選手ですが、自分が世界一になるためには必ず越えなければいけない壁です。必ず1Rで一本を極めます」

ストラッサー起一
「自分は24歳の時にド素人で格闘技を始めました。当時は『UFCに行く』と言って、みんなにバカにされながら、それを糧にして頑張ってUFC、Bellator、RIZINで戦ってきました。42歳の今でもRIZINのチャンピオンを目指しています。『もうできひん』『もう引退しろ』という声もあります。その言葉を力変えて、しっかりイゴール・タナベ選手を倒し、30~50代の方に勇気とか感じてもらえたらと思います。熱い試合をします」

高橋遼伍
「自分は今まで海外で試合していたのですが、ずっとRIZINに出たかったので念願が叶いました。自分は実家が明石で、神戸は隣町なので、地元開催という一つで二つ美味しいことが起こりました。今このキャリアになっても新しいことにチャレンジできるのが、凄く嬉しいので、しっかりRIZINを盛り上げたいです」

久保優太
「対戦相手の高橋選手は、RIZINファンの方は聞きなれない名前の選手かもしれません。修斗のチャンピオンで、ONEでも活躍していて、トップクラスの選手だと思っています。その選手に挑戦できるのは、凄く嬉しいです。常々言っているとおり、僕はRIZINのチャンピオンになることが目標です。この勝利が目標達成のための第一歩になると思っています。自分の格闘技人生の集大成を見せたいです」

西谷大成
「去年の6月、北海道で大きな花火を打ったのですが、うまくいったかどうかは結果的によく分かりません。今年初めての試合ということで、気合い入れて練習してきました。今回も跳びヒザで勝てるように頑張ります」

高木凌
「前回は負けて、イチから全て見直してきました。西谷選手は自分との試合の前にブレイキングダウンに出るみたいで、そこはサクっと勝ってもらわないと困ります。跳びヒザで勝つと言っていますが、跳びヒザで来たら右でブッ倒すので楽しみにしておいてください」

山本アーセン
「自分は寝技の相手には良いところを見せて最後に負けたりだとか、良い結果を出せていないので。今回も黒帯だと聞いているので、自分の壁を超えて、しっかり1Rで終わらせられるように頑張って、また本戦に呼ばれるような選手になろうと思います」

柴田MONKEY有哉(コメント代読)
「まず初めにDEEP佐伯代表、DEEP関係者の皆さん、RIZIN関係者の皆さん、僕を起用してくださり、ありがとうございます。僕の夢はPRIDEです。そして、現在に蘇ったPRIDがRIZINだと思っています。そんなRIZINで、レスリングの世界を獲ったアーセン君と戦えることは、異種格闘技戦に近いPRIDEのような戦いができるんじゃないかとワクワクしています。RIZIN初参戦ですが皆さん、応援のほど宜しくお願いします」

ダイキ・ライトイヤー(コメント代読)
「前回に続きオファーを下さったRIZINの関係者の皆さん、ありがとうございます。3月23日は自分の地元・神戸でのRIZIN開催です。そして対戦相手が金太郎。試合が面白くならないはずがありません! 自分も大人しくしているつもりはないので、金太郎選手をしっかり倒して、会場も、神戸も、RIZINも盛り上げようと思っています。修斗で積み上げてきたものを全て出しきり、必ず勝ちます! 神戸の皆さん、ダイキ・ライトイヤーの応援よろしくお願いします!」

金太郎
「この1年、格闘技にしっかり向き合ってきました。次の試合で、その成果を見せます」

榊原CEO
「神戸は追加でキックの試合を1試合、2試合追加できるかなと思います。神戸と佐賀、LANDMARK2連戦で、この2024年シーズンを占うような、シーズンを引っ張ってくれるような選手が誕生してくれると嬉しいです。今年も10大会ぐらいを予定しています。そこに参戦していただく機会も増えるかと思います」


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【RIZIN】速報中!RIZIN LANDMARK.9 in KOBE 追加対戦カード発表記者会見


3月23日に神戸ワールド記念ホールで開催されるRIZIN LANDMARK.9 in KOBEの追加対戦カードの発表記者会見が行われました。当初ナンバーシリーズで開催と発表されていましたが、ケージを使用するLANDMARKに変更になったとの事。発表されたのは以下の対戦カード。


【MMA ライト級(71kg)】
ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)
中村K太郎(UNITED GYM TOKYO)

【MMA ウェルター級(76kg)】
イゴール・タナベ(ブラジル/セラヴィー)
ストラッサー起一(コブラ会)

【MMA フライ級(57kg)】
山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)
柴田“MONKEY”有哉(Team KIZUNA)

【MMA フェザー級(66kg)】
久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)
高橋遼伍(KRAZY BEE)

【MMA バンタム級(61kg)】
金太郎(パンクラス大阪稲垣組)
ダイキ・ライトイヤー(修斗ジム神戸)

【MMA フェザー級(66kg)】
高木凌(パラエストラ八王子/パンクラス・フェザー級1位)
西谷大成(JAPAN TOP TEAM)

【MMA フェザー級(66kg)】
中村優作(TEAM FAUST)
アルマン・アシモフ(カザフスタン/Mustafa Ozturik)

【MMA ヘビー級(120kg)】
貴賢神(フリー)
コーディー・ジェラベック(米国/マッドハウスMMA)

【キック 70kg契約】
憂也(魁塾)
蛇鬼将矢(テツジム)


髙木×西谷、金太郎×ダイキ、久保×高橋、アーセン×柴田、タナベ×ストラッサー、サトシ×K太郎など、RIZINで活躍したり、知名度を増してきた選手に対して、修斗やパンクラス、DEEPで試合を重ねてきた苦労人ファイターを当てるマッチメイクは妙味。RIZINで勝ち星を挙げたら一躍脚光を浴びるビッグチャンス。

そしてRIZIN LANDMARK7に出場する矢地祐介の対戦相手が白川陸斗に変更。こっちの方が乗れるけど、ライト級で白川はどんな動きを見せるんだろうか。詳細は追って!
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【Special】J-MMA2023─2024、山本アーセン「選手は分かったと思います。俺が何をやっていたのか、は」

【写真】これから山本の名でMMAを戦っていくのはアーセンだ(C)MANABU TAKASHIMA

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Takashima Manabu

J-MMA2023-2024、第十六弾は遂に覚醒した──いやあるべき力を見せるようになった山本アーセンに話を訊いた。

戦績的には1勝1敗、通算でも4勝6敗と白星と黒星を一つずつ積み重ねたに過ぎない。それでも伊藤裕樹を組みで封じ込んだ戦い、TKO負けを喫したが福田龍彌と打撃でやり合った姿勢から2024年への期待が膨らみまくったアーセンに「爆発する準備」について尋ねた。

■2023年山本アーセン戦績

5月6日 RIZIN42
○3-0 伊藤裕樹(日本)

9月24日 RIZIN44
●3R1分36秒by TKO 福田龍彌(日本)


「俺を蘇らせてくれた將生、リョウ君、ジョーイです」とアーセン

──大晦日、お母さんの美憂選手のセコンドには就いたもの試合出場はなかったです。もう秋口からとある選手の名前、そして違う選手と戦うという話も伝わって来ていましたが。

「これ、全部正直に話しますけど、自分が大晦日に戦おうと思っていたのは〇〇〇〇〇との話があったからです。『よし、よし、よし』と。それが〇〇〇に代わったと伝えられた時に『えッ? そっかぁ』みたいになって。その時、僕が練習でやっていたことは寝技の戦い方を変えることだったんです。RIZINの試合って直ぐにブレイクが掛かるというのがあったけど、『これだけ待ってくれんの?』ってしばらく様子を見ることもあって。レフェリーによって、まちまちで。僕自身戦っていて早いなって思うことがあれば、余裕を持って攻めても良い試合もある。

そのなかで僕自身、固めてパウンドやヒザという攻めから、フィニッシュに持っていく形にしないといけないと思って。その練習をするようになっていました。そんな時に〇〇〇というオファーがあって、以前のように相手を選ばずにどんどん試合をするという選択もありましたよ。でも自分の体をこと考えると、ここはスマートにやっても良いかなって。

ずっと戦うことはできるけど、タイムリミットも考えるようになったなかで〇〇〇戦だと、あまりにも向うにしか得がない試合じゃないのって。その試合のために内臓を痛めて、57キロに落とすメリットは余りにもない」

──最後にお母さんと同じリングで戦うことに、魅力を感じなかった?

「もちろん、ありました。でも、そんな思い出目的だったらコーナーにいて全力でサポートする方が良いと思いました。それがあるから、〇〇〇とのオファーでも受けるって思われてんだろうなぁっていうのもあったので。俺は今まで、誰とでもやりますっていうスタンスだったけど、ちょっと賢く行っても良いだろうと。

自分がRIZINにいるのは、本当に(堀口)恭司さんと戦いたいから。そこに辿り着くまで、俺も上手くやっていって良いだろうと考えました。だから、体のことでなくて対戦相手で断ったのは初めてのことです」

──そこを考える年齢になったということでしょうか。

「考えても良いかなって、思うようになりました。これまで考えないでやってきたので。本当の格闘家なら、侍のように道端で刀を振られれば誰が相手でも応じないといけないんだろうけど。ちょっと違う、自分でいようかと。格闘技の知識、体のダメージの知識もついてきたので効率というものを考えました。結果2024年の戦いに向けて、爆発する準備をしておこうと受けないことに決めたんです」

──断ると、次がなかなかないかも?ということは考えなかったですか。

「だったら、それで良い。それだけ準備期間になるから。ただ、直ぐでなくても絶対に呼ばれるので。だったら、その時にもっと強い自分を見せることができる。俺に不可能はないし、ちゃんとした強さを求めて1試合、1試合をやり切ることにしたので。ちゃんと考えて、土台を創って戦っていこうと思っています」

──それは2023年の試合で、手応えを感じることができたからこそではないのでしょうか。

「結果ではなくて、自分が何をやっていくのが見えました。試合がなくても、練習は続けているし。進化している。試合に入るためのモード創りというモノがあるし。その方程式を見つけたから、試合間隔が空いても次の試合でもっと良いモノを見せることができる。結果でなく、自分が崩れないために必要なモノが見つかったから、ここは賢くやっても良いかと思ったスね」

──敢えて尋ねてさせてもらいますが、9月の福田龍彌戦が賢くないことをする最後の試合だったのでしょうか。

「えっ、どういうことですか?」

──あの距離で打ち合った。あそこで打撃戦を続けることができるなら、テイクダウンにもっと入れることができるのではないかと思った次第です。でも、終盤にいくほど殴り合った。

(C)RIZIN FF

「そう、あれは根性試しです。

打撃のことを知らないでバカバカ攻めて、バカバカ貰っていました。それで俺のなかに恐怖心が残った。結果、怖いのに殴りに行って。今は打撃の原理原則……角度、距離、タイミングとトップファイターが考えているであろうことを考えられるようになったと思います。

相手は打撃の選手。きっと打撃戦に付き合ってくれる。そんな相手と戦うことで、また恐怖がもたげるのかなって。習った知識を全て出すことができるのか、結局習っただけで試合では出すことができない人間で終わるのか。自分が本物のファイターであるのか、そこを確かめたかった」

──カットもあり、被弾もした。そして当てることもできた。そこで、できると確信が持てましたか。

「ビビらなかったし……自分は狙うと頭が止まる。体も止まる。それが弱点で、今直しているところで。でも、やっていることは出せたかなって」

──TKO負けしてまで、そこに拘る必要はあったのでしょうか。2Rで確信して、3Rはテイクダウンを織り交ぜようとかは考えなかったですか。

(C)RIZIN FF

「それをやると、俺は伸びねぇ。

それだとやり切れていない。テイクダウン、正直取れたと思います。でも、そこじゃない。テイクダウンに行かないことで、俺は将来への自信を得ることができたから。ただバコーンと入れて、相手がコーナーに詰まっていても行けなかったのはフックを警戒し過ぎたから。あれは完全に俺の弱さが出ました。的だけ見ていれば、フックは当たらないのに。あそこは跳びヒザをガッツリと極めることができたに違いない。ただ入るとフックが来ると思っちゃって……後ろ足に体重が掛かってしまった。ダメッすよね」

──ビビらないと、それはそれで危ないことですし。

「アハハハハ、メッチャその通りで。真ん中を取らないと。だから試合が終わった時に、バコーンと食らわせたらグラウンドでフィニッシュしないといけないという話し合いをしました」

──ハイ。あそこで下がらず打てると、アーセン選手のテイクダウン能力はグンと上がることが予想できます。

「上がるッスよ(笑)」

──あの距離で打ち合える日本人レスラーは、ほぼ記憶にないです。でも、最高峰にはドンドン打ち合えるレスラーがいます。

「俺はテイクダウンも切れるし。やっていることはお客さんには伝わらなかったかもしれないけど、他の選手は分かったと思います。俺が何をやっていたのか、は。『俺、ビビッてねぇからな』、『俺、組みだけじゃねぇからな』、『お前らをぶっ飛ばす方法なんて、いくらでもあるからな』というメッセージを込めて戦いました。

自分の試合は、次の試合へのストーリー創りでもあって。その場で全てを賭けているけど、それは次の試合に繋がっているんです。伊藤(裕樹)選手との試合で、組み続けた。でも福田選手との試合のテイクダウン狙いは、右オーバーハンドを当てるためでしかなかった。『組めなかった』と言われても、関係ねぇよ(笑)。追いかけるつもりなら、死ぬほど追い続けることはできた。だから次からは『さぁ、どっちだ』って、戦うことができるので。

でも、それも福田選手が相手だから試すことができたんです。日本のトップだから、今の。彼のやりたいところで、やれたから。そんなこと言っても、散らし方は下手でしたね(笑)。テイクダウンを意識させて、殴ろうと思っていたけど。ただ控室にいる時まで、テイクダウンから組み有りきの作戦だったんです。誰にもいわず打撃に切り替えたス。でも、モッサ(秋元僚平)先生と(中村)倫也は状況判断ができて、グラウンドから立ち技に指示を切り替えてくれました」

──まさに以心伝心ですね。

「幼馴染だから、俺の性格も知っている。

だからこそ、打撃で行くと決めて途中で曲げることはできなかったですよね」

──いやぁ、次の試合が本当に楽しみです。

「新しい動きも取り入れているし、楽しみにしてください」

──常々、そして先ほどもRIZINで戦う理由は堀口恭司選手と戦うことと明言しているアーセン選手ですが、堀口選手がフライ級王者になり、扇久保博正選手がジョン・ドッドソンを倒しました。現状、RIZINフライ級トップ戦線をどのように見ていますか。

「そこは放っておいて(笑)。戦(いくさ)と同じで、やらせておけば良い。どうぞ、脳みそを痛めあってください。その間に俺は着々と体も元気にして、チャンスがどんどん広がってくるから」

──その間、実績を残さないといけないわけですが。2024年はどのような選手と戦っていきたいと考えていますか。

「試合云々の前に、この間の大会の時にジョン・ドッドソンと凄く仲良くなって。あの人の普段の優しさと、リングに入るともう眼が違っているところとか格好良くて。アルバカーキに練習に来いって言ってくれたから、ちょっとドッドソンのファイトIQを貰いにニューメキシコに行ってこようかと考えています。

そこを貰えると強くなれるから、『欲しい』と伝えると、『俺で良ければ』と言ってくれて。次の試合はいつか分からないけど、2月か3月か──そこが終わったら、ドッドソンのところに2カ月ほど合宿に行こうかと考えています。そこまでは考えています。

その前の試合に関しては、誰が相手でも良いです。1回、断ってしまったんだから、やれと言われればやります」

──この1年でどこまで行けると踏んでいますか。

「行けたら、神龍(誠)まで行きたいですね。まぁ恭司さんとの試合を見て、強いって言われているけど、そこまでじゃない。逆に恭司さんがベテランっぽい戦い方になったから、ああいう風に戦えたんじゃないですか」

──ベテランらしい戦い方とは?

「冷静さを手に入れたんだと思います。あれだけ練習通りに、ポジションを取って潰すところは潰して戦えるということは。でも、あの試合で2人ともどこが嫌か見せてしまった。それはもう、変えることはできないはず」

──押忍。では続いて1月28日、ONE165で三浦彩佳✖平田樹戦が行われます。

「これさぁ……俺が想うことは全部話します。でも、何を書くかは選んでください。俺、全部話すんで」

──承知しました。

「正直、この試合に関してはどうでも良いって言っちゃアレだけど……日本の格闘技だから」

──格闘技として下品な対戦ですよね。でも、この試合を取り扱うにはそこを抉らないと、意味がない。そこで騒がないと、なんのために組まれたカードが分からない。

「うん、その通り。でも、それが日本のやり方じゃないですか」

──ではアーセン選手のところに、この試合についての取材もきますか。

「そこは『聞くなよ』っていうオーラを出しているから。『分かっているよな』、『察しろよな』って」

──申し訳ないです。察することができなくて(笑)。

「今はオーラを出していないです(笑)。『取材とかあっても話さない方が良い。2人とも傷つくから』って言ってくれる人もいましたけど(笑)。俺は最初から、話すつもりもないし。それに試合が組まれて、どんな形でも注目されるなら彩佳にとってチャンス。向うからしても、チャンス。俺はもう、そういう風に捉えています」

──平田選手と付き合っている時は完全にトレーナーという役割も果たしていたではないですか、練習場所も同じで。一方で三浦選手にはTRIBE TOKYO MMAという居場所があり、導いてくれる人がいます。

「一緒に練習はやっていないです。たまに相手がいない時に打ち込みぐらいはやったけど、それぐらいで。まぁ、お互いに全力で戦ってくれれば良い。どっちも一生懸命やれば良いけど、俺は彩佳側だよってことで」

──コーナーには?

「就かないですよ」

──この試合が組まれそうだと聞いた時、『アーセンがレフェリーをすれば良い』って言っちゃいましたよ(笑)。

「バカヤロー(笑)。自分は基本的にどっちも頑張れ──ですから。皆に良い試合を見せてください。感動をあたえてください。それだけっスよ。さっきも言ったけど、彩佳サイドっスよ。でも、元の彼女が不幸になれなんて、絶対に思わないス。そんな罰当たりなことはできない。俺はもう色々な無駄なモノを省いたうえでの、大の格闘技ファンなんですよ。俺が好きなのは、そういうことでなくて……戦い。戦いを見るのが好きなので。そういう、いちファンとしても口を挟んじゃいけない。素直な格闘技ファンとして、最後まで素直に楽しみたいです。青木(真也)さんの試合もあるし、あの大会自体が楽しみです」

──その姿をカメラで追われるのは?

「いやです。俺はRIZINファイターだから、他の会場でそういうことはできない。だって、母ちゃんが戦っているわけじゃないんだから。ついて回られても、困るんで」


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