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【RIZIN LANDMARK05】RIZINへのリベンジ=アブドゥルカリコフ戦。雑賀ヤン坊達也「過去最高にビビッて」

【写真】怖い、ビビっていると連呼しながらの笑顔(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05に、雑賀ヤン坊達也が昨年4月16日のRIZIN TRIGGER03以来、1年振りのRIZIN出場でアリ・アブドゥルカリコフと対戦する。

RIZIN出場を目標に掲げ、その目標を叶えた大切な試合でキャリア最悪のパフォーマンス、ヤン坊らしさを見せることができなった。あれから1年、世界で戦うことを目標に持つようなったヤン坊が、ホーム=パンクラスのビッグショー前日に代々木で戦う。ロシア人ファイターとの対戦に、いつも通り「怖い」と連呼するJ-MMAライト級最強のKOパンチャーに話を訊いた。


──ジョニー・ケースの代役として、アリ・アブドゥルカリコフと対戦が決まりました。今の気持ちは……あっ、この質問はやめておきましょうか(苦笑)。

「いや、大丈夫ですよ。今、めっちゃくちゃビビっています(笑)。いや……もう恐ろしいですね。オファーを貰った日も、練習でたまたま突き指したからって『ちょっと突き指したので、1日待ってください』って返答して。即答できなかったです(笑)。オファーに即答できなかったのは、初めてですね」

──ところで、昨年12月のパンクラスで、シュウジ・ヤマウチを初回終了間際にTKO勝ち。素晴らしい勝ち方ができました。あの試合後は、次はRIZINという考えでいたのでしょうか。

「僕自身は海外で戦う方向で話を進めてもらっているなかで、試合間隔が空き過ぎでしまうのが嫌で。パンクラスの方には4月30日の大会には出たくないと伝えていました。そういうなかでRIZINから話をもらったのが、ロシア人相手の試合でした(笑)」

──パンクラスの立川大会に出たくなかった?

「僕、タイトルマッチを待っている状態で、タイトル統一戦と同じ日に試合をするのが嫌だったんです。今後に関して色々な話をしているなかで、RIZINさんから話もあった。そこで、RIZINという場に対してリベンジを一発したいという気持ちになりました」

──Road to UFCを考えることは?

「その話も出ていました。本当に色々と話があって。一つ一つをしっかりと考えている中で、RIZINでロシア人と戦うのも対世界ですし。目の前にあるチャンスをまず掴みにいこうと思いました。相手はメチャクチャ強いですけど……(苦笑)。RIZINで川尻(達也)さんと戦った時は、まだ未完成でした。あの試合の時点でも、打撃も結構当てていたし。あの後の試合を見ると……ここ3試合とか組みの選手にもしっかり勝っています。

散打ベースらしく回転系の蹴りとパンチ、何より打撃が速い。恐ろしくスピードがあって、組みもしっかりとできる。強いですね……強いです(苦笑)。だからビビりまくっています。過去、最高にビビッていて……試合を受けてから、何日かはまともに眠れなかったです」

──そうはいっても試合になるとビビったことがないです。

「試合が始まると、世界に入り込んでいるんで。練習では行けないところも、試合だと行けちゃいます」

──それだけ練習はやってきていると。

「そうですね、練習はいつも通り……ではないですね。ソニックスクワッドの安田(けん)さんが、出稽古だけでなく僕が所属するDOBUITAにも来てくださって。サーキットで追い込んでもらっています。あと(佐々木)憂流迦君が5月6日に試合があって(※RIZIN42、ボイド・アレン戦)、相手がちょっと僕っぽいのでいっぱい練習させてもらって。それと関鉄(矢)君には色々と根性磨いてもらっています」

──それは、やられているということですか(笑)。

「ハイ、そうッスね(笑)。かなりやられています。憂流迦君には『もっと自信持ちなよ』って言ってもらえるのですが……練習をしていて、どうしても自分が強いと思えないんです(苦笑)。いつになったら、自分のこと強いと思えるようになるんだろうって常に思っていて……。ただ、この練習が試合のどこかで自分を助けてくれると思っています。それ以上に、アリにはサクッと倒れて欲しいのですが(笑)。

ただ試合映像を視る限り、相当に打たれ強いです。打たれても、打ち返す。気持ちが強い選手。打撃で当てる部分、それと組みがどれだけ強いのか分からないですけど、組み勝っていかないといけないです」

──繰り返しになりますが、試合前は弱気なのに試合になると一切そんな風ではないです。

「試合になれば15分間、痛いのを我慢してやり切ろうって思えるんです。でも、RIZINでしか僕の試合を見ていないファンの人は、去年の江藤(公洋)選手との試合の印象しかないですよね。ホントにパンクラスのベルトの価値を下げてしまって、悔しくてしょうがなかったです。久米(鷹介)さんとの試合は、負けたけど『歴史に残る試合』という評価をしてもらえたのに……。応援してくれる人にも申し訳なくて。

あの日はダメでした。何か上手く行かなくて。あんな風には2度となりたくないです。ただ、ひょっとすると調子に乗っていたのかなって思うようになったんです。自分はそんなに調子に乗るような感じではないのですが、心のどこかに自分も結構戦えるようになったという気持ちがあって。それが甘えや油断になっていた……かもしれないです。

同時にあの負けをきっかけに、それまでも手を抜いていたわけではなかったのですが、もっと頑張らないといけないと練習に向き合ってきました。練習で、もっと苦しいことをしないといけないなって」

──その成果はヤマウチ戦で出ていたのではないですか。テイクダウンされても、焦らずに対処していました。

「四つが凄く強かったです。『ヤバい』と思ったのですが、体が動いて。下からずっとアゴを叩いて削っていたんです。無理から立ちに行くことなく、あの位置では大丈夫だと試合中も冷静でいることができました。2連敗があったから、成長できたとは思いました。だから次の試合で、去年の不良債権を回収しようと。今回の試合でRIZINにリベンジをしたいのですが……まぁ、強い相手が来ましたね(笑)」

──すぐに対戦相手のことに話題が戻りますね(笑)。

「アハハハ。もう頭のなかは、アリ、アリ、アリ、アリ。アリ一辺倒です。ただ、やるからにはやるしかないので。それにここで勝てば、自分の評価ももっと上がると思っています。なので、本当に今回の試合はチャンスだと思っています。もちろん勝つつもりで戦いますし、勝ったら色々と景色が変わるんじゃないかと」

──ところで、アブドゥルカリコフ戦翌日のパンクラス・ライト級王座統一戦ですが、ヤン坊選手の見立ては?

「いやぁ……、それ結構難しいです。タイプが同じで。アキラさんの右が当たれば……KOならアキラさんで、判定だと流れはどんどん久米さんにいって軍配が挙がるかと思います」

──タイトルを狙う上で、どちらが勝者になった方が都合が良いですか。

「ストーリー的には久米さんですね。次はダウンを奪っても、寝技にはいかないです(笑)。そうですね……久米さんに勝ってベルトを巻く。それが僕にとってはドラマですね。だからこそ、ここで勝たないと。負けて、パンクラスのベルト云々ではないですからね」

──パンクラス、RIZINライト級、海外。色々とターゲットがあります。

「最終的には世界に挑みたいです。ただ、待っていられないんです。年も年なんで。そんなに長くはできないので、焦りもあります。なので今は目の前の試合で勝って、最終的に目標に結びつけることができれば──あの時、この試合を受けて良かったと思えるようになるんじゃないかと。もう1年経験を積んで、来年にはガツンと行っちゃいましょう、と。そういうプランでいます。

でも、こうやって話しているとやれる気がしてきましたね。燃えてきました(笑)。そうなんです、僕は今年やらないといけない。アブドゥルカリコフとはどっちかが当たる試合。見ている人にヒリヒリしてもらえると思います。そして最後は立って、失神しているアリを見下ろすことができる試合にします」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

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ABEMA MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK05 RIZIN TRIGGER03   キック クレベル・コイケ 山本空良 金原正徳

【RIZIN LANDMARK05】不規則リズム=山本空良戦へ、金原正徳「僕にしかないできないMMAがある」

【写真】1日1日が楽しいMMAファイター人生──。とはいえダブルメインの前に組まれるなど、裏番長の実力は誰もが認めているはずだ(C)MMAPLANET

29日(土・祝)、東京都渋谷区の代々木第一体育館で開催されるRIZIN LANDMARK05で金原正徳が山本空良と対戦する。

牛久絢太郎✖朝倉未来、斎藤裕✖平本蓮、そしてクレベル・コイケ✖鈴木千裕──さらにヴガール・ケラモフというフェザー級のRIZINトップ戦線で、誰もが認める実力を持ちながら、彼らとの対戦が実現しない。

今回の対戦相手となった山本の力を認めつつも、意中の相手ではないと言い切った金原だが、彼にはどのような疑問も凌駕するMMA愛が存在している。


──金原選手のインタビューはMMAPLANETでは、4年5カ月振りです。実は昨年4月のRIZIN TRIGGER03前に取材させていただいているとばかり思っていました。

「あの時、ケージの試合だったのに摩嶋(一整)選手の方をやって、俺にはなかったから怒ったんですよ。で試合が終わったら『やっぱ、強いよ』みたいな感じで言ってきて。『この野郎、コイツも掌返ししやがって』って(笑)」

──アハハハハ。ということで、今日は貴重な話をありがとうございました。また試合後に話をきかせてもらいます。

「いやいやいや、冗談っスよ(笑)」

──まぁ、それでFIGHT&LIFEで2月に話を聞かさせてもらった時に4月29日に試合がある。ただし、目当ての相手と戦うことは難しそうだということでした。あの直後に山本空良選手との試合が決まったのですが……。

「インタビューの時点で『かもね』ということは聞かされていて、『まぁ、しょうがないか』という気持ちではいました。あと、何試合できるか分からないから自分のなかでは、自分が強いと思っている選手と戦いたいというのがあって。『1年待って、こうか』というのが正直な感想ッスよね。

RIZINのなかで戦いたい選手はいます。でも、自分とかは煙たがれる存在ですしね。フェザー級でこれだけの試合が組まれているのだから、まぁしょうがないですよ。ただ日々、自分の想うところも変って来て。クレベル(コイケ)と戦いたい、上の選手と戦いという気持ちもありますけど、消化していくしかねぇっていうのが今の気持ちです。

そりゃあ強いヤツ、名前のあるヤツと戦いたいです。でも、一周してくるとMMAができりゃ良いやっていうことになってくるんですよね。誰と戦おうが、どこで戦おうが自分がMMAに携われる期間って凄く大切だと思うし。この1日、1日が楽しいから。そういう意味では満足していますしね」

──金原選手とは練習場所で顔を合わせる機会がありますが、どこにいても楽しそうです。

「それは詰まるところ、格闘技がバカみたいに好きなんだって。そう改めて思うし。今、『寝技が詰まらない』とか『MMAは格闘技じゃない』とか、色々と言われる時代ですけど──そんなのに反論するのが、馬鹿馬鹿しくなるくらいMMAが好きだなって自分で思っちゃいます。

MMAって究極の格闘技、究極のスポーツだと思うし。でもキックだって、ムエタイだって、柔術だって、何だって皆が一生懸命にやっていることで。だからMMAや寝技に関して、誰が何を言おうが何とも思わない」

──まぁ何でも話題になりゃ良いのと、そうではないけどその世の中にいるという感じになりますか。そんななか意中の対戦相手か否かという部分で、強い選手と戦いたいという意志を持ち続けているからこそ、年齢を重ねると上だけでなく、下から突き上げてくる選手も強くはなってくるのでその範疇に入って来ることがあるかと。

「今、自分に求められているのはこういうことで。時代に合わせてやっていかないといけないから。今もトップを目指してやっているつもりではいますけど、今更スターになりたいとかっていう気持ちはないから。自分が楽しめて、周りが笑ってくれる。ホント、それだけッスね。他のモノは求めていない」

──では山本空良選手のことは、MMAファイターとしてどのように評価していますか。

「山本空良選手のこと、決して凄く弱いなんて思っていないし。空良君はカイル・アグオンに勝っていますし、強くなっています。かといって自分が求める相手かといえば、それは違う相手だけど……。実は今日、初めて対戦相手として試合映像を視ました」

──そうなのですか!! 試合が決まって2カ月以上経っているかと思うのですが。

「彼との試合が決まった時に八隅(孝平)さんとミットを持ってもらっているトレーナーに映像を視てもらって、その時にこうやって創っていこうというアドバイスがありました。それを1カ月半ぐらいかけて創って来て──今日、最後のスパーリング(※取材は20日に行われた)だったので映像を視て、今まで創り上げてきたモノの確認作業をしました。ここまでやってきたことは、間違っていなかったです」

──山本選手、もちろんMMAを戦っているのですが、金原選手とは明らかに違うリズムというか。相手の攻撃を見る。付き合うというのか、それでいて自分の攻撃になっている。自分のエゴをぶつけるMMAとは明らかに違う、異文化MMAに感じます。そして、あの間が実はガチガチのMMAファイターである金原選手にとって、何か嫌なリズムになるのではないかと。

「不規則なリズムだなとは思いました。自分はリズムを大切にして戦うタイプなので、空良君との試合では自分のリズムが狂ってしまうことを一番警戒していました」

──個々の局面では金原選手、MMAとして全てを合わせても金原選手。ただし、あのリズムや間で、金原選手の動きを狂わせる可能性があるのではないかと。

「それは自分も思っていて、一番気を付けるべき点です。自分がこれまでやっていないタイプの選手が、空良君なのかなって。『アレ、やりにくいな』と思うこともあるだろうし、気付いた時にはやられてしまっていることもあるかもしれない。そこだけは気を付けていきたいと思っています。あっ、あと──怖さがない」

──あっ、それですね。まさに、それです。だから、妙な間というか。

「八隅さんが言うには、だからこそ『暴力に屈しない』と。もしかすると、俺のプレッシャーにも屈しない可能性がある。良くも悪くも敏感ではない。だから空良君は誰と戦っても良い試合になります。ヴガール・ケラモフと戦っても、ネクサスで若い子と戦っても判定になってしまう。突出して何かが強い相手よりも、やりにくさはあります。何よりフィニッシュされていないのが、彼の強味だと思います。だからこそこの試合、自分は完全に制したいです。制圧、フィニッシュしたい。

それに何だかんだと言って、自分がやってきたベースを空良君が崩すのは難しいことだと思いますよ。しっかりとベースを創りながら、打撃にしてもレスリングにしても、柔術にしても向うに付き合わずに戦う。そこだけは創っていきたいです」

──金原正徳が創り上げてきたMMAは、ファンも堪能できるモノかと思います。金原選手は自身で「マニアック」と卑下するところがありますが。

「そこは……僕がやってきたMMA、僕にしかないできないモノがあるので。今更トラッシュトークとかして試合を盛り上げようとは思わないですし、自分がやってきたMMAを否定するようなことはしない。自分がこれまでやってきたことを一つの作品として、皆さんに見てもらう。これが今まで僕が真剣にやってきたMMAですよ──というのを見てもらいたいです。

それを見て納得してもらえないなら、自分はそれまでの選手です。時代に合わせて選手生活は送るけど、時代に合わせて自分のMMAのスタイルを変えることはない。もちろんルール、ジャッジの裁定基準に適応して戦いますけど、無理から派手な試合をしようとか、目立とうとか、そういうことはないです。自分にしか出せない緊張感、MMAという作品を皆さんに見てもらいたい。そういう気持ちはあります」

充実という一言が、その表情に表れている

──その結果、意中の選手との対戦に結び付けたい?

「なかなか、そこを正当化するのは難しいです。それはRIZIN側が決めることだし、お客さんが決めることです。今年でデビュー20年、今も皆とこうやっていられるのが楽しいですし、注目された舞台で試合ができることも幸せで。他に何を望むのっていうことになっちゃいますね」

■視聴方法(予定)
4月29日(土)
午後2時30分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,スカパー!

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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 キック ルイス・グスタボ 矢地祐介

【RIZIN TRIGGER03】長所がそのままに――完成度が上がったグスタボが、矢地祐介を返り討ち

<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ(ブラジル)
Def.2R3分14秒by TKO
矢地祐介(日本)

遠い距離から右ハイを見せたグスタボ、矢地は間合いをはかる。右サイドの関節蹴りの矢地、グスタボは右の蹴りを続ける。オーバーフックの前進に距離を取った矢地が、ケージを背負った状態で左ミドルも右を合わされる。ロングフック、右ハイから右ストレートを伸ばしたグスタボが、右オーバーハンドを狙う。さらに左から右フックに右に回った矢地は、左の踏み込みを見せて、ボディに左ストレートを打ち込む。右フック、オーバーハンドと粗いが圧のあるパンチから組んだグスタボが、ボディロックテイクダウンを狙う。

倒れず離れた矢地に対し、グスタボが右ストレートを伸ばす。首相撲の矢地は、離れたグスタボに左を伸ばす。ジリジリと前に出たグスタボが右ロー、最後の10秒で右ミドルから左フック――は空振りとなり、時間に。

2R、ジャブを見せて前に出る矢地が、左ハイから左の追い突きを繰り出す。右からアッパーをまとめられた矢地はシングルレッグへ。切られ下になった矢地にグスタボはサッカーボールキックを狙う。グスタボはここでトップを選択し、右エルボーを2発打ち込む。続いて左のパウンドをまとめたグスタボは、矢地の右腕を背中越しで掴んで殴る。

矢地は殴られながら立ち上がると、離れたグスタボが飛びこみ鉄槌から右ミドル。矢地のワンツーにも大きな振りでグスタボが前に出る。ここでケージに詰まった矢地は、右ハイのつま先がアゴに当たり、直後に右フックを打ち抜かれ敗れた。荒いなかに軸ができたようなグスタボ、良さを残して完成度が上がっており、今後も日本勢の脅威になる――そんな印象を残した。


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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 貴賢神 関根シュレック秀樹

【RIZIN TRIGGER03】「格闘技は暴力に負けな。昭和最強」。関根シュレックが、貴賢神をサッカーボール葬

<無差別級/5分3R>
関根シュレック秀樹(日本)
Def.2R3分44秒 by TKO
貴賢神(日本)

ケージを背負って戦う場面の多い関根。一瞬の踏み込みでパンチを振るうが、そこを貴賢神がカウンターを狙う。ローで前に出る貴賢神は、ワンツーを受けて一瞬動きを止める。迂闊に組めないなか、関根は左ローを蹴っていく。貴賢神は想像以上の反応力、スピードがある。と、右を入れた貴賢神はフックを振りあい、圧を高める。右ローの相打ち後に、時間となった。

2R、左右のフックを見られた直後に、関根が組んでダブルレッグへ。ヒザ立ち状態から一度は倒すが、貴賢神が立ち上がる。と、胸を合わせた状態で後方にテイクダウンを奪った関根は、サイド→サイドバックから殴る。寝かされると、動きが遅くなった貴賢神はサイドバックで殴られ、スナップで背中をつかさせる。マウント狙いに背中を見せた貴賢神を、サイドバックで殴りヒザを顔面に打ちつけた関根は、上を向いた貴賢神に横四方&腕関節を仕掛ける。腹ばい、亀の状態になった貴賢神がサッカーボールで蹴られる。

ケージ際で上を向いた貴賢神を関根がパウンドアウト、「格闘技は暴力に負けない。ボンサイ最強、昭和最強」と声を張った。


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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 摩嶋一整 金原正徳

【RIZIN TRIGGER03】ケージレスリング&スクランブルの醍醐味、爆発。金原正徳が摩嶋一整との激闘制す

<フェザー級/5分3R>
金原正徳(日本)
Def.3R3分37秒 by TKO
摩嶋一整(日本)

サウスポーの摩嶋に対し、金原は手を出さず圧で下がらせる。シングルからドライブした摩嶋がケージに押し込む。小外掛けでテイクダウンした摩嶋が、金原のニーシールドを潰しつつ右に回る。足を戻した金原だが摩嶋は果敢にパスを狙う。バタフライガードを取った金原はハーフに戻すが、両足を束ねられて背中をつかされる。Zハーフで耐える金原がバタフライスイープ、防いだ摩嶋はヒザをつくとキムラ狙いからリバーサルを決めてトップを取る。

逆にパスの圧力をかけた金原は肩固めをセットしにかかる。摩嶋は足を利かせようとするが、肩固め狙い&マウントを奪われる。殴られて背中を見せた摩嶋は、四の字フックにも立ち上がっていく。絞めをしのいだ摩嶋が時間を迎えた。

2R、金原の左に右を合わせようとした摩嶋が、ダブルレッグへ。ボディロックに切り替えてケージに押し込む。一旦離れ、即組んでテイクダウンを決めた摩嶋。金原はを足を絡ませると、足関節でなく蹴り上げを狙う。ここで飛び込んだ摩嶋の頭が当たり、試合が中断する。再開後、金原はフックガードから骨盤を蹴ってケージ際に移動するが、頭を殺され立ち上がることができない。

ついに背中をつかされた金原はバタフライガードを窮屈な姿勢で取る。潜りをスプロールで潰した摩嶋はクルスフィックス&パンチを連打する。腕を抜き、レッスルアップも立ちきれない金原は潰され、枕で抑えられるとワキ差しますからマウントを取られてしまう。スクランブルで背中に回った摩嶋は、金原の巻き込みにもトップをキープしラウンドを取り返した。

最終回、両者疲れが見えるなか、金原の右に組み付いた摩嶋がシングルからダブル、またシングルに戻す。倒せないがケージに押し込み続ける摩嶋のアンクルピックにも、金原はエルボーを頭部に打ちつける。細かいヒザを受けながら押し込み続けテイクダウンを取りに行った摩嶋、金原はキムラクラッチで崩して上を取り、肩固めからマウントを取る。

抑え、体をスライドさせた金原は摩嶋の後方回転をすかして、バックを取ると両足をしっかりとフック――パンチの連打でTKO勝ち、激闘を制した。


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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 キック 中務修良 征矢貴

【RIZIN TRIGGER03】征矢貴、ニーインを跳ねのけてきた中務をサッカーボールキック&パウンドアウト

<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
Def.2R by TKO
中務修良(日本)

サウスポーの中務が左ハイ。征矢はジャブを伸ばし、右ボディを打つ。左の蹴りをキャッチして倒した征矢だが、寝技にはいかずスタンドで待ち中務のテイクダウンを切る。征矢のワンツーに右のカウンターを狙う中務は左回りで道を振るうが、左を被弾し相打ちに。ここで姿勢を崩した中務のテイクダウン狙いを切った征矢が、ハーフで上を取る。征矢は立ち上がり、ダブルレッグを切って逆に中務をケージに押し込む。

ここでボディを入れた征矢は、スピニングバックフィストを空振りするが、組まれても倒れず右ストレートを決める。大振り、ガードがなくなりつつも、左に移動した中務がパンチを振るい時間に。

2R、パンチを見せてダブルレッグの中務だが距離が遠い。征矢が詰めたところで中務はテイクダウン狙いから引き込む。肩口、頭にヒジを打つ中務は蹴り上げを見せて試合がスタンドに戻った。征矢が右を当て、前に出てダブルを切る。即引きこんで、ラバー狙いの中務だが足を一本越えられる。ここも蹴り上げからスタンドに戻ると、中務が右を当てる。征矢は左フックでダウンを奪うと鉄槌を連打する。立ち上がり足をさばいた征矢がニーインベリー、はねのけに来た中務にサッカーボールキックからパウンドを落とした征矢がTKO勝ちを決めた。


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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 修斗 渡部修斗 須藤拓真

【RIZIN TRIGGER03】スタンドでは切り崩せず。執拗な足への仕掛けで須藤が渡部からスプリット勝利

<バンタム級/5 分3R>
須藤拓真(日本)
Def.2-1
渡部修斗(日本)

右ローを蹴った須藤、渡部が右を伸ばす。ローを蹴り合いから、ローを続ける須藤はワンツーを被弾してもカーフを蹴っていく。自らのローで痛みを感じたか下がった渡部に対し、須藤は右ローを執拗に使う。ニータップを切った須藤は、逆にシングルを切られると渡部のギロチンにハーフを取る。残り2分、首を取り続ける渡部に対し須藤は手首をはがし、潜っていく。ウィザーの渡部が殴り、再び頭を抱える。ダースに移行しつつある渡部に対し、動きを封じられたまま須藤は最後の30秒へ。フックガード&頭を抱えつつ、下になった須藤が下からエルボーを放ち初回が終わった。

2R、ワンツーをから前に出る須藤は、足を蹴られ組み付きつつ引き込む。右手を取り、Zハーフの須藤を殴った渡部がハーフにも距離を取り、続いたクローズドには頭をつけて須藤にスペースを与えない。腰を引きつつトップの渡部、須藤は右手を極めつつ潜りを狙う。渡部はそこでパンチを入れ、鉄槌を落とす。

徹底して潜らせず、浮かせる隙を与えない渡部は首を抱えて須藤に足を触れさせない。それでもまたを足をすくって、外掛け外ヒールの須藤がヒザを抜いた渡部の顔面を蹴っていく。ヒザ十字、外ヒールの連係後、須藤はヒザを抜かれなお、上に載ってカカトを取っていく。渡部も蹴りを見せ、セットアップを許さなかった。

最終回、右を振って前に出て組んでいった須藤は、切られると後ろ回し蹴り。渡部は今成ロールもかわすと、ダブルレッグにはギロチンを仕掛ける。ハーフで潜ろうとする須藤に対し、渡部はギロチンを続ける。逆ハーフのスイープから、須藤は足を取ってヒザ十字へ。さらに外ヒールに以降する。渡部は手首を掴んでクラッチを取らせず上体を起こし、腰を引く。須藤はヒザ十字、上体を起こした渡部がパンチを落とす。

須藤は頭を越えて左足を取るが、ヒザを抜いた渡部は腰を押して距離を創ろうとする。須藤はそれでも足を絡ませて、Kガード気味から足を取っていったが時間に――。3Rは距離を潰して極めきれなくても、攻め続けた須藤スプリットで判定勝ちを収めた。


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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 江藤公洋 雑賀ヤン坊達也

【RIZIN TRIGGER03】ヤン坊の打の圧に組み勝った江藤が、バックマウント&パウンドでTKO勝ち!!

<ライト級/5分3R>
江藤公洋(日本)
Def.2R4分30秒 by TKO
雑賀ヤン坊達也(日本)

左ジャブを伸ばしたヤン坊、江藤がスピニングバックフィストから向き合うと――ダブルレッグでテイクダウンを奪う。背中に回りつつRNC狙いの江藤に対し、マットに背中をつけたヤン坊は肩固めに捕らえられる。右側にスライドされながら、スクランブルに持ち込んだヤン坊はボディロックテイクダウンを一度は切るが、再度倒される。ケージを背負ったヤン坊は、右足を差されながら立ち上がる。

両ワキを制し、子ソロを仕掛ける江藤。ヤン坊はケージを背負いウィザーで耐える。いなしに堪え、パンチの連打からヒザ蹴りと猛攻を仕掛けたヤン坊は、ふらついた江藤に前のめりになったところでダブルレッグでテイクダウンを許す。背中をつけさせた江藤はマウントを奪取し、鉄槌を打ちつける。ケージを蹴ってブリッジの左腕に腕十字を仕掛けた江藤は、そのまま腹ばいで時間を迎え初回を取った。

右ローを入れたヤン坊がワンツーも、江藤がダブルレッグで倒す。スクランブルを潰され、背中を伸ばした江藤が左のパンチを続ける。前方に落とされないよう、頭をマットにつけてトップをキープした江藤が、上を向いたヤン坊に肩固めを再度仕掛ける。呼吸が荒くなるヤン坊は、抑えられた状態が続くパンチを受ける。また右にスライドし、肩固めを続ける江藤はニーインベリーで絞め、極まらないとみると抑える。

ブリッジで暴れるが、枕で抑え込まれるヤン坊がハーフに戻す。3/4マウントからマウントの江藤は、再び背中を見せたヤン坊にエルボーを連打する。残り1分、左のパンチを続ける江藤。動けないヤン坊をレフェリーが両者の間に割って入った。

打撃の圧に、組みの圧で上回った江藤は抜群のコントロール力を見せ快勝、「父親になったので、変な姿は見せられない」と充実の表情で話した。


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J-CAGE Report RIZIN TRIGGER03 グラント・ボクダノフ ブログ

【RIZIN TRIGGER03】This is MMA。テイクダウンされ続けた泉。最後はエルボーでボグダノフに敗れる

<ライト級(※72キロ契約)/5分3R>
グラント・ボグダノフ(米国)
Def.3R3分16秒by TKO
泉武志(日本)

ローを避けたボグダノフは左から右にまっすぐ下がる。最初の組みを切られたボグダノフだが、続くシングルレッグでテイクダウン。左手で巻いていた腕が切れた泉をケージに押し込んでいく。スクランブルでバックを伺うボグダノフは泉が胸を合わせるとボディロックで再び倒す。

スクランブルで立ち上がった泉が、ケージ中央で仕切りなおしとなり、ボグダノフはダブルレッグを切られるが、ケージに押し込み2度目のテイクダウンに成功する。ケージを背負った泉が立ち上がるとボグダノフがギロチンへ。すぐに頭を抜いた泉が左フックを振るって離れる。打撃の間合いの両者、軸を乱しながら左右のフックを振るっていく。残り10秒、ジャブを当てたボグダノフに対し、泉がワンツーを入れて時間に。

2R、すぐにシングルからドライブしたボグダノフがリフトして泉をスラム――そのままサイドを取る。直接サイドを取り、マウントに移行したボグダノフは一旦背中を見せた泉に対し、一度は着地。再び背中をマットにつけた泉にパンチを落とす。ハーフから足を抜きパンチを入れると、背中を向かせたボグダノフがRNCを狙う。

半身から背中にしっかりと回ったボグダノフが四の字フックを完成させる。ワキを殴り、顔面パンチに移行したボグダノフは、マウントとバックを自在に移動しRNCへ。すぐに対応した泉だが、マウントから連打を受けてまたも背中を見せ、何とかラウンドをサバイブした。

最終回、中央を取ったボグダノフがダブルレッグでここもテイクダウン。グレコの猛者は、なすすべなくし尻餅をつかされ、足を束ねられる。背中を預けて立ち上がった泉、ボグダノフは苦も無くボディロックテイクダウンを決める。ハーフから肩固め、3/4を取ったボグダノフがリリース。腹ばいになった泉はサイドバックで殴られ、自ら背中をつける。

ボグダノフはここでマウント&パンチ、背中を見せた泉にRNCをセットしていく。腹ばいになり殴られる泉は上を向いて、左ヒジを受けたところでレフェリーが試合を決めた。


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【RIZIN TRIGGER03】計量終了 メインでグスタボと再戦、矢地祐介「雑にならないことを一番に考えて」

【写真】「海外勢と戦ってしっかりと勝ち切る。そしてベルトに絡んでいきたい」という矢地。インタビュー後の雑談のなかで、ヤッチくんチャンネルの達人シリーズで摔跤との交流に興味を持っていた(C)MMAPLANET

明日16日(土)に東京都調布市にある武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03のメインイベントで矢地祐介がルイス・グスタボと戦う。

本日15日(金)には目黒区のウェスティンホテル東京で行われた計量ではグスタボが70.75キロ、矢地が70.95キロでクリアしている。

3年8カ月前にKO負けを喫した相手にリベンジの時──。矢地は古巣を離れ、組み技と打撃を基本から取り組みなおし、MMAを創り上げてきた。ロータス世田谷の八隅孝平代表、旧友・宮川峻との再会が矢地を深みのあるMMAファイターとして育成中にあるなかで、競技としてMMAの戦いを吸収することが楽しいと矢地は言い切る。

強烈な打撃のプレッシャーを持つグスタボ戦に関しても「俺が何も変わっていないのか。あるいは冷静に戦えるのか、そこは自分でも楽しみです」と楽しむ姿勢を持ち続けていた。


──MMAPLANETでの矢地選手のインタビューは6年振りになります(※取材は4月6日に行われた)。

「えぇ、マジですか!!」

──パンクラスのクレベル・コイケ戦前、以来になります。

「ヤバい、久しぶりッスね(笑)」

──試合レポートは2019年12月のBellator日本大会の上迫博仁戦以来になるかと思います。ただ矢地選手に関しては勝ち負けがあっても、RIZINでのびのびと戦っている。良い戦場ができたと思って眺めさせていただいていました。

「あぁ、ありがとうございます」

──ある意味、PXCでアレックス・ヴォルカノフスキーと戦い、世界を知った。そして違う目標を持ってMMAを戦っている。その矢地選手が、ロータス世田谷で練習をするようになり、なんというのか雰囲気がまた違って来たのではないかと。

「今もRIZINに出て試合自体を楽しんでいます。ただ、もっとMMAを競技として捉えるようになりました。八隅さんに指導してもらうようになってから」

──そもそも、なぜ八隅さんに教えを請うようになったのでしょうか。

「それはKRAZYBEEを離れた後、同じメンバーで集まって練習したいねということになり、場所がなくてどこかを間借りしてやろうということになって。いくつか候補があったなかで、ロータスは寝技の練習に参加させてもらったことがあって、八隅さんは面識もあったから使わせてもらおうと。だから場所を借りるということで、ロータス世田谷を使用させてもらっていたんです」

──あくまでも自主練習をしていたと。

「ハイ。あとKRAZYBEEを抜けたメンバーと、出稽古に来ていた選手で練習していて……どのタイミングだったか……借りるようになってすぐ、去年の始めだったと思います。八隅さんが『ちょっと練習見ていて良い?』って言う感じで僕らの練習を最初から最後まで見てくれたんです。で、僕らは練習が終わると円になってその日の練習の感想を話すようにしていたんです。

その日も一通り参加選手が意見を出し終わった時に、八隅さんが『ちょっと俺からも一言良い?』と」

──へぇ、珍しい印象です。必要とされると応えてくれる八隅さんですが、自らそういう風に言い出すというのは。

「もう、見ていられなかったのかもしれないです。『こんなの練習じゃないよ。ただの筋トレだよ』っていうところから全体練習のダメだしがあり、それから個々のダメだしがあって。俺の場合は『矢地君、何がしたいの。どうやって勝ちたいの? 何がしたいのか全く分からない』ってハッキリ言われました。そんな風に1人ずつダメなところを指摘してくれたんです」

──いやぁ、ますます意外です。

「そのダメだしが、もう図星だったんです。そこで皆がハッとさせられてしまって」

──腹は立たなかったですか。

「腹は立ちました。腹は立ったし、悔しかったです。帰り道で、ちょっと涙ぐんじゃったぐらいで」

──えぇ、本当ですか!!!

「それぐらい今までやってきたことをほぼ完全否定されました。そりゃあ悔しかったです。でも、何か気付かされることもあって。皆が僕と同じような想いでいて。その日の夜か、次の日ぐらいに自然発生的に『八隅さんに練習みてもらおう』となったんです」

──いやぁ、素晴らしい話ではないですか。

「まさに──『ですよね』ってことを言われて、皆に刺さっちゃって」

──なんどか参加選手の取材でロータスでの練習を見させてもらっていて、矢地選手が率先して八隅さんに意見を求めて練習している印象が強かったです。

「八隅さんはどのような状態でも、質問すると答えがあります。手札を持っているんです。そこで教えてもらって、また試して。それがうまく行く。その繰り返しで技術が身についていくのが面白くて。だから毎回『この時は?』、『この場合はどうすれば良いですか』って尋ねてしまうんです。

今は格闘技を始めた頃のように凄く楽しいです。どんどん戦闘アイテムをゲットしていく感覚で。能力が上がって、デキなかったことがデキるようになる感覚にハマっています」

──矢地選手はセンスのファイターで、自己流でも打撃は相当な風に見えました。ただし、自分のペースを失うと崩れる。また組み技は天性のモノで補えない。指導者がいないという欠点が、試合に表れていた。そこに八隅さんが表れたということですね。

「だから今と以前ではMMAの楽しさが違います。昔は生物としての強さというか、筋トレをガンガンやって、スパーリングで場数を踏む。それで良いと思っていました。でも試合では自分がうまくいかなかった時に……まぁ何もない。でも今は局面、局面で技術を出せる。ウェイトも一切やらなくなりました。その時間があるなら、技術を身につけたい。もう体はデキているから、技術を増やしたい。そこがモノを言うなって。これまでのことが無駄だとは思っていないですけど、今はMMAをそういう風に捉えています」

──ロータス以外に練習はどこで?

「打撃をリバーサルジム東京スタンドアウトで、トレーナーと週に2回、多い時は3回パーソナルでやっています。MMAの打撃ですね。マスとかはやりますけど、スパーリングはロータスの火曜と木曜日だけです。それと水曜日に青木さんとIGLOOのMMAグラップリングの練習をしている感じです」

──打撃はどなたと練習しているのですか。

「宮川峻と言って、高校時代の同級生なんですよ。佐藤天と俺と宮川──宮川もスタンドアウトの所属で修斗とTTFC、パンクラスで試合をしていたんです。でも全然結果が出なくて、ちょっと体のこともあって選手を続けることができなくなって。それでスタンドアウトでトレーナーになったんです。

で、フリーになったから友達だし打撃の練習がしたくて連絡をして。それも去年の初めからですね。取りあえずミットを持ってもらうことにしたら、宮川の指導が良くて(笑)。自分ができなくなったけど、MMAが大好きだから凄く色々と考えていて」

──なんだか、今日は良い話が聞かれますね。

「アハハハ。ただの同級生でなくて、仲が良かった。アイツも俺の試合を見て、色々と思うところはあったみたいで。でもジムも違うから、口出しはしていなかった。それがミットを持ってもらう関係になったから、親身になって色々と教えてくれて。『そもそも基礎、基本がなっていない』って(笑)」

──そこもダメだしがあったのですね。

「そうなんですよ(笑)。構え、ジャブの打ち方、足の使い方、全部です」

──自分はセンスがあると思っていたのですが、そのようなアドバイスがあったことを知ると、それまでの試合でよくパンチが相手に当たっていたなとなりますね(笑)。

「ホント、そうなんですよ。宮川は練習の映像を撮ってくれているんですけど、初回のミットとかシャドーとか今見ると、震えるぐらい下手くそで。本当にポテンシャルだけで戦っていたんだと思い知らされました。

だから宮川との打撃練習も凄く自分に合っていますし、八隅さんの組み技の練習と同じで、感覚ではなくて状況を理解して、必要な動きをするようになりました。

一つ一つの場面で、すべきことを決めて。その動きができるように練習しています。もちろん、すぐに何でもできるようにはならないですけど、デキることを増やしている状態ですね。それでも打撃も向上しているって感じています。で、試合が決まればどういう風に戦っていくのかを練って、そこを繰り返すような感じで」

──八隅さんと宮川さんの指導を受けて川名雄生戦、そして武田光司戦は手応えがありましたか。

「やってきたことは、それなりに出せていますから手応えを感じることはできました。2人の言っていることを守って練習していれば大丈夫だと。全てが良いタイミングだったと思います。ほら、いつだったかIGLOOで会った時に『道路案内で大原って書いているのを見ると、胸が痛くならないか』って冗談で言われたじゃないですか」

──あぁ、ありました(苦笑)。酷い言いぐさで、田村一聖選手からアイコンタクトで止めてくれと……。

「あれ、本当に厳しい時で。俺は負けないと学習できないタイプで、負けて色々と学んできたけど、大原(樹理)戦の負けで、本当にお先真っ暗になっていて」

──そんなときに……失礼なことを言ってしまって……。

「いえ良いんですよ。あのとき、逆にスプリットで勝っていたら八隅さんや宮川と練習していなかったかもしれないので。でも今でもIGLOOに行くときとか、ロータスに行くときでも『大原』っていう字が道路案内にあるんですよ。

その度に思い出します。それぐらい悔しい負けで。いつか清算しないといけない相手です。ただし、あの負けがあったから他のトレーナーに教えを請いに行くという決断ができたと思っています」

──そんな矢地選手のロータスでの練習を見ていると、ケージでの試合が見たくなっていました。だから個人的には願ったり適ったりのTRIGGER出場なのですが、RIZIN本戦はリングでTRIGGERは一つ下の舞台という位置づけです。そのTRIGGERで戦うことをどのように捉えていますか。

「ケージの方が練習とギャップがないので、全く心配はないです。ただ翌日にナンバーシリーズがあって、TRIGGERって聞かされた時は『マジで?』と思いました。でも自分の立場も状況も分かっています。RIZINに今、何が必要かも長い間主戦場にしてきたから理解しているつもりです。そのうえでTRIGGERでもメインで、念願だった相手と戦うことができる。なら構わない──かなと」

──今回のTRIGGERはカードが充実しています。

「そこも納得している理由の一つです。それにケージだし、最初に感じたことは一切ないです」

──3年8カ月前、6連勝と調子が良かった矢地選手にストップをかけたグスタボとの再戦です。あの敗北から厳しい状況がスタートした因縁の相手でもあります。

「まぁ、あの時に調子が良かったというのも、いつかボロが出る戦い方で。マインドもそうだし、技術的にもそのレベルでしかなかったです。組み技、寝技、打撃、全てがもう一度繰り返すことができない……感覚でやっていましたから。それである程度のところまで何とかなっていた。だから、連敗とか厳しい期間があって今がある。それで良かったんだと思っています」

──だからこそ勝負です。個人的に大晦日のサトシ選手との試合の負けは、もうしょうがない。あそこは矢地選手のこの間の練習の成果を確認する俎上に挙がらないと考えています。試合が決定した成り立ちを考えると。

「俺もそう思っています。もちろん、勝てるチャンスがあると思って受けた試合で。試合を受けたんだから、何も言い訳はできないですけど飛び級過ぎて。もっともっと順序立てて対戦したかったです。

それで今回、グスタボと戦える。あの頃の俺は何もできていなかった。今から映像を見返すと『いつまで、そういうことをしているの?』、『何がしたいの?』としか思わないでしょうね。相手のことを見ていないし、見えないし」

──思い切り振っているけど、怖がっているようにも見えました。

「ビビりもありました。何よりプレッシャーをかけてくる相手の対処方法を全く知らなかった。何も考えないで戦っていましたからね」

──個人的にグスタボが粗いまま。変に上手くなっておらず、あのままで戦って欲しいという気持ちも実はあります。

「俺がどう変わったか、一番分かりますよね。でもMMAで来てくれた方が、俺は戦いやすいです。粗いといってもあの攻撃力、突進力は威力があるので。今だったら、それを逆手にとって有利に戦う自信もありますけど……試合で、あの突進力は嫌でしょうがないですからね」

──そういう意味では宮川さんと身につけつつある打撃、八隅さんとやってきた組みがあれば、そこにテイクダウンという展開も前回のように蹴られながら足を掴むのではない形で見られるのではないかと。矢地選手自身はどのような試合をしたいと考えていますか。

「もちろん、今までやってきたことを全部見せたいという気持ちもあるんですけど、雑にならないこと。そこを一番に考えています。あんまり言いたくないけど、プランはあります。テーマはMMAで勝つということです。あれだけ粗い相手に冷静に立ち回ることができるのか──そこは試合にならないと分からないので。

俺が何も変わっていないのか。あるいは冷静に戦えるのか、そこは自分でも楽しみです。その楽しみ、期待感は大きいです。今やっていることをしっかりと出せば、勝てると思っているので。2年間、試合をしていないからグスタボがどうなっているのか分からないですけど、そこに関して俺も強くなっている自信はあるので」

■視聴方法(予定)
4月16日(土)
午後2時~Exciting RIZIN
午後2時~LINE LIVE-VIEWING
午後2時~Fnstream/StreamPass
午後2時~スカパー!
午後2時~U-NEXT
午後2時~Streaming+
午後2時~SPOOX
午後2時~dTV

■ RIZIN TRIGGER03計量結果

<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ:70.75キロ
矢地祐介:70.95キロ

<無差別級/5分3R>
関根シュレック秀樹:115.05キロ
貴賢神:133.45キロ

<フェザー級/5分3R>
金原正徳:65.8キロ
摩嶋一整:65.9キロ

<フライ級/5分3R>
征矢貴:57.0キロ
中務修良:56.4キロ

<バンタム級/3分3R>
渡部修斗:60.95キロ
須藤拓真:60.9キロ

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.9キロ
江藤公洋:70.75キロ

<ライト級(※72キロ契約)/5分3R>
グラント・ボグダノフ:71.95キロ
泉武志:72.0キロ

<キック63.5キロ契約/3分3R>
大谷翔司:63.5キロ
力也:63.4キロ

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