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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE166   アミール・アリアックバリ アージャン・ブラー イリャ・フレイマノフ オサマ・アルマルワイ クレベル・ソウザ ジェレミー・ミアド ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ タン・カイ タン・リー ブラジリアン柔術 ボクシング ライカ ライニア・デリダー 山北渓人 鈴木真 鈴木真治

【ONE166】2度目のタン・タン決戦=統一戦へ。フェザー級正規王者タン・カイ「自信しかない」

【写真】セレモニアル計量でのタン・カイ(C)ONE

いよいよ2時間後に迫ってきたONE166「Qatar」。同大会のコメチンでONEフェザー級世界王者タン・カイが、暫定王者タン・リーと戦う。
Text by Manabu Takashima

一昨年8月の対戦で3-0の判定勝ちを収め、世界のベルトを巻いたタン・カイ。ダイレクトリマッチが決まったものの昨年7月の一戦はヒザの負傷でキャンセルした。今、ジムごとタイに移り万全の準備ができたというタン・カイに試合前の心境を尋ねた。


──タン・リーとの再戦が迫ってきました(※取材は2月26日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「この試合をずっと待っていた。それだけ準備期間も長かったし、これ以上ないほど気合いが入っている。最高の試合をするつもりだ」

──昨年の7月にこの再戦は予定されていましたが、ヒザの負傷でキャンセルとなりました。

「僕のヒザはもう大丈夫だ。問題ないよ(※本人が通訳を通さず、英語で返答した)」

──ところで所属するシンジャン・ファイトジムが中国のチンタオからチームごとタイのパタヤに移ったと知った時には、本当に驚かされました。ちょっと普通の出来事ではないですよね。

「マイ・ボス・ハズ・ビッグマネー。ノープロブレム(笑)」

──ハハハハハ。

「それは冗談としても、ジムがパタヤに移ったことは僕のキャリアを考えるとポジティブでしかない。今、タイはMMAのトレーニングをしていくうえで凄く良い環境が揃っている。そしてチームは、ダゲスタンから3人のフルタイムコーチを招待した。ダゲスタン人コーチのお陰で、僕のMMAはもの凄く進化している。だから今回のタン・リーとの再戦も、自信しかない」

──タイのジムは国際色が豊かですが、どのような国の選手がシンジャン・ファイトジムに集まっているのでしょうか。

「シンジャン・ファイトジムは中国人選手が中心で、何人か違う国の選手が合流している。そして、僕はチーム全体のサポートを受けている。と同時にプーケットに行ってタイガームエタイでキャンプのいくつかのパートを行って来た。タイガームエタイは多国籍軍だから色々なスタイルの選手と練習できる利点があるんだ。

圧倒的にロシア人ファイターが多くて、そこにブラジル、キルギスやウズベキスタンなど中央アジアの選手がいる。凄く良い練習ができるよ」

──タイガームエタイでは、日本人選手とも合流がありましたか。

「ホンダ! ホンダ!! 彼だけでなくタイガームエタイで練習をした日本人選手は、みな礼儀正しくて尊敬できる選手ばかりだったよ」

──ところで前回のタン・リーと試合は、ある意味一方的ともいえました。そのなかでダイレクトリマッチとなりましたが、その点はどのように捉えていますか。

「何も問題ないよ。タン・リーが再戦を望み、ONEが再戦を望んだ。なら僕は戦うだけだからね。そして前回以上に一方的な試合をして、もう2度とタン・リーが僕と戦いたいと思わないように叩きのめす」

──タン・リーが暫定王座決定戦で、イリャ・フレイマノフを内ヒールで破った試合はどのように分析していますか。

「タン・リーは良い試合をしたよ。ただ、あの足関節は驚くべきモノじゃない。彼はブラジリアン柔術の黒帯だからね。イリャの寝技は、そうでもない。だからこそ、イリャのゲームプランは間違っていた。彼は素晴らしいストライカーなのだから、なぜ寝技の展開に自ら持ち込んだのか。完全なミスだったよ。そんなことをしなければ、彼が暫定王者になっていたはずだ。あの展開になったのだから、タン・リーのフィニッシュや勝利は十分に予想できた。でも僕にあの攻撃は通じない。

僕自身、特に何かが大きく変わったとかそういうことではないけど、100パーセントの準備ができた。全力でフィニッシュする。そして世界王座を統一する。ベルトは僕のところに戻ってくるよ」

──今大会は初のカタール大会で、秋には米国大会が2度予定されています。ONEの拡大をどのように思っていますか。

「試合に集中しているから、そういうことは頭になかった。これから僕がどこで戦うのか、何も考えていない。とにかくタン・リー戦のことしか考えていないんだ。今回の試合は、日本のファンも僕の拳に注目してほしい」

■放送予定
3月1日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT

■ONE166対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] アナトリー・マリキン(ロシア)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)王座統一戦/5分5R>
[正規王者] タン・カイ(中国)
[暫定王者] タン・リー(米国)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジャレッド・ブルックス(米国)
[挑戦者] ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アージャン・ブラー(カナダ)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ボクシング147ポンド契約/3分3R>
ズハイール・カハタニ(サウジアラビア)
メディ・ザトゥー(アルジェリア)

<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/12分1R>
オサマ・アルマルワイ(イエメン)
クレベル・ソウザ(ブラジル)

<ムエタイ147.75ポンド契約/3分3R>
ザファー・シャイック(トルコ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)
アリ・サルドエフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
鈴木真治(日本)
ハン・ズーハオ(中国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE X ONE166 アンジェラ・リー イリャ・フレイマノフ ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ スタンプ・フェアテックス タイ・ルオトロ タン・カイ タン・リー デニス・ザンボアンガ ハム・ソヒ マイキー・ムスメシ マンスール・マラチェフ ライニア・デリダー

【ONE166】初のカタール大会、重要拠点構築へ豪華カード。スタンプ×ザンボアンガが追加、タイも投入

【写真】4つ目のMMAの世界タイトル戦 in カタールが決定した(C)ONE

16日(火・現地時間)、ONEが3月1日(金・同)にカタールの計画都市ルサイルのルサイル・スポーツ・アリーナで開催されるONE166「Quatar」でONE世界女子アトム級選手権試合=王者スタンプ・フェアテックス×挑戦者デニス・ザンボアンガ、サブミッショングラップリング世界ウェルター級選手権試合=王者タイ・ルオトロ×挑戦者アイザック・ミッチェルを組むことを発表した。
Text by Manabu Takashima

ONEにとって新たな投資筋というだけでなく、カタールは欧州標準時間帯と3時間しか変わらずヨーロッパという新たなマーケット開拓への足掛かりとなる大切なイベントだ。カタールを今後、拠点とできるのか。その重要度たるや、既に発表された試合からも十分に伝わってくる。


ONE世界ミドル級選手権試合王者ライニア・デリダーが、ライトヘビー級王座を失った相手=ヘビー級&ライトヘビー級2冠王アナトリー・マレキンにリベンジに挑む――誰がどのベルトを巻いているのか、謎解きのような――王座防衛戦。またデリダ―×マレキン1と同様に2022年12月4日のフィリピン大会と立場を変えて再戦となるのが、世界ストロー級選手権試合=王者ジャレッド・ブルックス×挑戦者ジョシュア・パシオの一戦だ。

パシオは10月にマンスール・マラチェフのTD&トップコントロールに苦戦を強いられたが、ギロチンの仕掛けを評価され、リベンジ戦にこぎ着けた。対してチャンピオンはベルトを巻いてからMMAの試合は1年以上なく、8月にマイキー・ムスメシのサブミッショングラップリング世界フライ級王座にチャレンジし、腕ひしぎ腕固めに敗れて以来の実戦となる。

さらに、これも2022年8月以来の再戦となるのが世界フェザー級王座統一戦=正規王者タン・カイ×暫定王者タン・リーのタンタン対決だ。前回は王者タン・リーが、挑戦者タン・カイのカーフで削られジェネラルシップを譲ってベルトを手放した。その後、7月にリマッチが組まれていたが、王者の負傷欠場によりタン・リーは、イリャ・フレイマノフと暫定王座決定戦を戦い、内ヒールで斬って落とした。

このように既報の世界タイトル3試合のテーマが再戦なのに対し、スタンプ×ザンボアンガは初顔合わせとなる。といっても彼女たちの間に因縁がないかといえば、そうではない。彼女たちはフェアテックスジムで共に汗を流した期間のあり、元チームメイト対決となる。

さらにいえばコ2020年2月28日にV.V.Meiを破ったザンボアンガは時のチャンピオン、アンジェラ・リーへの挑戦権を獲得したが、ロナ禍によりイベントスケジュールが大幅に狂い権利を行使できないまま挑戦権を賭けたアトム級GPが開催され、そこ参戦することとなった。

そのGPで優勝したスタンプは、アンジェラにONE Xで挑戦も逆転負けを喫し、アンジェラ引退により王座決定戦が組まれると、ザンボアンガと因縁少なからずのハム・ソヒをボディで沈めベルトを手にした。

ザンボアンガはGPでハム・ソヒを相手に大論争となった判定負けをし、再戦も接戦ながら返り討ちとなった。ハム・ソヒと接戦だったザンボアンガ、仕留めたスタンプ。現状の両者には、それだけの差は存在すると思われる。が、圧倒的なフィジカルを誇るスタンプに引けを取らないザンボアンガだけに、三段論法は当てはまらない可能性もある。

アブダビでなくカタールで行われるサブミッショングラップリングの世界戦。ルオトロ・ブラザースの兄=タイに挑むミッチェルは2022年の茶帯ノーギワールド優勝しており、昨年11月のADCCアジア&オセアニア予選88キロ級を制したばかりの豪州人組技師だ。

アジア&オセアニアを無双するミッチェルが、世界の最高峰に如何に挑むか。とはいえサークルケージやリングでタイが最近戦ってきた(つまりONEでの試合)相手はロシア系やMMAファイターのデリダ―で、いわゆるADCCを頂点とした組技ヒエラルキーのトップにある選手たちではなかった。

いってみるとタイは一昨年9月のADCC世界大会でニコラス・マレガリに敗れて以来、世界の潮流にある選手と戦ってこなかったになる。ミッシェルはダナハー門下であった当時に、米国に拠点を置きWNOの人材発掘リアリティショーなどで、しっかりと経験を積んでいる。ネームバリューとタイトル歴以上の強敵であり、タイにとってADCCイヤーの幕開けに相応しい、タフな挑戦者といえよう。

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45 AB ABEMA K-MMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN18 ONE165 アドニス・セビジェーノ アルテム・ビュラク イリャ・フレイマノフ エンフオルギル・バートルフー オ・テホク オ・ホテク カン・ジウォン キック クォン・ウォンイル ゲイリー・トノン シャミル・ガサノフ ジャンロ・マーク・サンジャオ スーブラック・トー・プラン49 チェン・ルイ チャンネル ブラック ボクシング マーク・アベラルド ライカ ルンピニー ロッキー・バクトル 中原由貴 武尊 高橋遼伍

【ONE FN18】ONEに適合したウォンイルと、対照的なモンゴリアン2人。一発目のONE FNはバンタムに注目

【写真】KO決着必至、あるいはシネチャグタガが削られるか。注目のバンタム級戦(C)MMAPLANET

13日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night18が開催される。
Text by Manabu Takashima

前夜のONE Friday Fights47が2024年の戦い初めとなるONE。本来、スーパーレック・ギアットムーガーオがエリアス・マムーディを相手にONEキックボクシング世界フライ級王座防衛戦を行う予定だったが、既報の通り1月28日のONE165で武尊を挑戦者に迎えるタイトル戦にリブックされたため、今回のメインはシャミル・ガサノフとオ・ホテクのMMAフェザー級戦が昇格となった。


ガサノフといえばフェザー級戦線で次期挑戦者候補と目されていたが、昨年7月にゲイリー・トノンのヒザ十字で屈し仕切り直しを強いられる。対するオ・テホクはK-MMAから中東を経て、ONEに行き着いたファイターで高橋遼伍戦の微妙な判定勝ちが印象深い選手だ。ONEでは1勝1敗、テホクはウェルラウンダーでも打撃力が秀でているわけでもなく、組み技力でガサノフに分があるマッチアップといえる。

今大会ではバンタム級の2試合、クォン・ウォンイル✖シネチャグタガ・ゾルツェツェグ、アルテム・ビュラク✖エンフオルギル・バートルフーが興味深い。勝っても負けもフィニッシュ決着、蹴りでもパンチでも倒す力を持つウォンイルは、英語も駆使しONEで最もプッシュされている韓国人ファイターといっても過言でない。

昨年こそ自らのジムをオープンするなど試合数は1試合だけに留まったが、ウォンイルは2019年の3試合を筆頭にコロナ禍でも2020年から2022年まで3年連続2試合を戦っており、試合の機会が少なく厳しい時を過ごす日本人選手とは対照的に順調なキャリアを築いている。

前述したように試合内容、アピールとONEのニーズにしっかりと応えているウォンイル。今回の対戦相手であるシネチャグタガも、その良さを十分に発揮できるパンチャーだ。中原由貴とイリャ・フレイマノフに連敗を喫し、バンタム級に転向したシネチャグタガはチェン・ルイを相手にスプリット判定勝ちで、まずは結果を残した。

とはいっても最大の強味であるアグレッシブなパンチが、常に大振りとなりテイクダウン防御も甘く、フェザー級時代と比較して階級を落としたメリットよりも、デメリットが目立つファイトだった。バンタム級2戦目となるウォンイル戦で、如何にアジャストして挑むことができるか。

モンゴル人ストライカーらしい、圧と瞬発力を持った──良い時のシネチャグタガの動きを取り戻していれば、ウォンイルもプレッシャーを真正面から受け止めることはできない。しかし、修正できないでリングに上がるようだと──キックと拳の融合を含め、技術的に上回るウォンイルの打撃の的になってしまうだろう。

バンタム級注目の一番、2試合目もモンゴル人ファイター絡みだ。35歳の遅れてきたルーキー=エンフオルギルは2022年のRoad to ONE Mongoliaを制し昨年4月にONE FFでプロモーション・デビュー。アドニス・セビジェーノ、在バンコクのロッキー・バクトル、ラカイの御曹司ジャンロ・マーク・サンジャオとフィリピン勢に3連勝を果たしている。

打撃は決して上手くはない。打つために打たれる。ただし、そこから組んでテイクダウン、トップからの攻めに対しピノイ・ファイター達は太刀打ちできなかった。今回、ロシアのアルテム・ビュラクを相手にフィリピン勢と相対した時と同様のトップゲームを展開できるのであれば、ドロドロのファイトで粘ることができるエンフオルギルの価値はさらに上がるだろう。

乗れば強いシネチャグタガと、粘りのエンフオルギル。まるで性格の違うチンギス・ハンの末裔が、どのような戦いを見せるか楽しみなファイトナイトだ。断トツのキック&ムエタイの質と量、グラップリングのトップを揃えたONEにあって、最近のMMAはチャンピオンがキックやグラップリングに駆り出されるなど、興行の軸となっていない印象が強い。とはいえマーケットとしてキックよりも大きなMMAは、初進出を果たすカタールや9月と10月大会が発表された米国に定着するために欠かせない。2024年はランキング制に基づいたMMA各階級のストーリーラインが展開されるのか──注視したい。

■放送予定
1月13日(土・日本時間)
午前10時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN18対戦カード

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
オ・ホテク(韓国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
スーブラック・トー・プラン49(タイ)
ステファン・コロディ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
クォン・ウォンイル(韓国)
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
シャーキル・タクレティ(イラク)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アルテム・ビュラク(ロシア)
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
リアム・ノーラン(英国)
アリ・アリエフ(ロシア)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ミカイル・ジャマル・アブドゥルラティフ(オランダ)

<キックボクシング・ライトヘビー級/3分3R>
ベイブラット・イスアエフ(ロシア)
ユーリ・ファーシス(ルーマニア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マーク・アベラルド(ニュージーランド)
イブラヒム・ダウエフ(ロシア)

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F1 MMA MMAPLANET o ONE   イリャ・フレイマノフ タン・カイ タン・リー ライアン・ホール ルンピニー

【ONE FF15】ノー打撃戦。フレイマノフのTDから足関節に移行したタン・リーが内ヒールで暫定王者に

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
Def.1R1分02秒by ヒールフック
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

サウスポーに構えたリーが、遠い位置からから左ハイを入れる。近づいたフレイマノフは右を当て、一旦距離を取り直す。フレイマノフは前に出て来たリーに組みつき、ボディロックでテイクダウンを奪う。スクランブルでバックに回ったフレイマノフに対し、下になったリーが外ヒールを仕掛ける。カカトを持ち替えて50/50を組み、インバーティッドからストレートフックへ。足を抜こうと体を捻って立ち上がったフイマノフに対し、リーが内ヒールを極めてタップを奪った。

セコンドのライアン・ホールの前で極めた内ヒール──暫定王者は「チーム、父、ライアン・ホールがいてくれたからだ。彼がテイクダウンをしてきた。だから、こうなったんだ。テイクダウンしてくれよ、カモン。彼は危険すぎると皆が言い続けていることが、僕のモチベーションだったんだ。ルンピニーのファン、最高だよ」とインタビューで話す。

そしてボーナスに大興奮のタン・リーの前に正規王者タン・カイが現れると、「驚いた。こんなに短い時間で勝って。でも、僕は彼をKOできる」とコメント。対してタン・リーは「KOする?  ノックアウトするまでには色々なプロセスがある。そこに衝くべき隙も生まれるんだ。前回は判定だった。次は絶対にはフィニッシュするよ」と言葉を返した。


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE FN15 イリャ・フレイマノフ エコ・ロニ・サプトラ キック ジャン・リーポン ジョシュア・パシオ ジン・テホ タン・カイ タン・リー ダニエル・ウィリアムス チャンネル ティモフィ・ナシューヒン フー・ヨン ボクシング マイキー・ムスメシ マンスール・マラチェフ マーチン・ウェン ルンピニー 手塚裕之 若松佑弥 青木真也

【ONE FN15】暫定フェザー級王座決定戦は、実はパンチのタン・リー✖足・ヒザ・拳の連動フレイマノフ

【写真】どちらがコーナーに詰まるのか。そんな見所もある(C) ONE

7日(土・現地時間)、ONE Fight Night15「Le vs Freymanov」がタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催される。日本からMMAで手塚裕之、青木真也がグラップリング戦に出場する今大会は、10試合中MMAが5試合組まれている。
Text by Manabu Takashima

10日間のショートノーティス出場となる手塚はジン・テホと戦い、全ストロー級王者ジョシュア・パシオの再起戦=マンスール・マラチェフ戦。若松佑弥に敗れたフー・ヨンが、インドネシアのレスラー=エコ・ロニ・サプトラと戦う一戦など興味深いカードが続くMMAマッチ、とりはメインイベント=ONE暫定世界フェザー級王座決定戦=タン・リー✖イリャ・フレイマノフ戦だ。


7月15 日のバンコク大会で王者タン・カイに、前王者タン・リーが挑む──タン・タン対決第2弾は、チャンピオンのヒザの負傷で延期となり、すぐに回復とならなかったため暫定王座が認定されることとなった。

今回のタイトル戦、タン・リーにとっては昨年8月にベルトを失って以来の実戦となる。フレイマノフのこの間に元二階級王者のマーチン・ウェン、草原の豪腕シネチャグタガ・ゾルツェツェグをTKO、そしてRNCで破っている。

オーソ基調のスイッチヒッターのフレイマノフは、蹴り終わりで構えを変えてパンチに繋げる動きに長けている。同様の動きはパンチへの連係だけでない。スレイマノフは蹴りからヒザ蹴り、そしてウェンに決定的なダメージを与えたヒザ蹴りからストレートというバラエティに富んだ足、ヒザ、拳のコンビネーションを有している。

このスイッチはテイクダウンにも応用でき、対戦相手からすればフレイマノフの攻撃は非常に予期しづらい。その一方でテイクダウンディフェンスにも長けており、倒されてからはスクランブルよりも背中をつけて極めとスイープの連係プレーも得意な流れといえる。

そんな万能ファイターのフレイマノフだが、シネチャグタガ戦では下がったところを追いかけて左を被弾したシーンがあった。この動きを見る限り、誘って左ミドルから左の追い突き、右の返しのフックというタン・リーの鉄板パターンにハマるケースも十分にあり得るだろう。

とはいえ、下がる相手に対してフレイマノフは圧倒的な強さを発揮するファイターだけに、タン・リーとしてはより中に入る打撃戦を繰り広げたいところだ。そこから組み&柔術もタン・リーにとってオプションの一つではあるが、組みぎわにスピニングバックエルボーを合わせる達人系の技を持つのが、フレイマノフ。

一点、タン・リーもスイッチヒッターだが、前手のパンチは粗く、奥手は真っ直ぐ綺麗に相手を射抜くシーンをたびたび見せてきた。これは左右どちらにも関係なく、大きな振りで釣って、奥からのストレートを打ち抜くという計算に基づいた攻撃手段のように感じられる。

武器の多さでフレイマノフ有利と予想される一戦をひっくり返すことができるタン・リーの攻撃は、このスラッピーな右からシュアな左ストレートと、蹴り&追い突きから&返しのフックというコンビだ。

それでもフレイマノフは常に蹴りと拳が連動しており、乱打戦になるとパンチに頼りがちになるタン・リーと勝負どころで差が出ることが十分に感がられる。結果、やはりフレイマノフに分がある暫定王座決定戦といえよう。

■放送予定
10月7日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ムエタイ121ポンド契約/3分3R>
ペッディージャー・ルクジャオポーロントン(タイ)
セレステ・ハンセ(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<ムエタイ174.5ポンド契約/3分3R>
バムパラ・クヤテ(フランス)
シャキル・アルテクレティ(イラク)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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【ONE FN15】タワンチャイがカード変更前に語ったこと「ONEでは純粋に勝ち負けを争うことができる」

【写真】スーパーボン戦は延期となったタワンチャイだが、彼が語ってくれたことをぜひ試合前に読んでいただきたい (C)TAKUMI NAKAMURA

7日(土・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night 15。今大会でタワンチャイ・PK・センチャイがジョー・ナタウットと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

当初ONEムエタイ世界フェザー級(70.3キロ)王者のタワンチャイはスーパーボン・シンハ・マウインとの防衛戦を予定していたが、スーパーボンの負傷欠場により延期。米国在住のムエタイファイター=ナタウットとのワンマッチに変更となった。

2021年のONE参戦以降、シッティチャイ・シッソンピーノンにスプリット判定で敗れた以外はすべて勝利を収めているタワンチャイ。しかも判定勝利はペットモラコット・ペッティンディー戦のみと圧倒的な強さを見せている。スーパーボン戦は延期となったが、スーパーボンを含むフェザー級のトップ選手たちとの対戦が期待されていることは変わらない。

今回のインタビューはスーパーボン欠場前の9月9日に行われたもので、スーパーボンとの対戦だけでなく、ムエタイの中量級を取り巻く状況、賭けの対象からスポーツへと変わりつつあるムエタイについても及んだ。MMAPLANETとして伝えたいことが詰まっている――そんなタワンチャイのインタビューをお届けしたい。


――前回8月ONE Fight Night 13でのダビッド・キリア戦は左ミドルでキリアの腕を壊してTKO勝利という試合結果でした。あの試合を振り返っていただけますか。

「彼はもともとパンチャーなので腕を蹴ることが作戦だった。その作戦通りに勝つことができたと思う」

――ヨーロッパをはじめタイ以外の選手はミドルキックををヒザ・足でカットするのではなく、腕でブロック選手が多いです。そういう選手はずばり戦いやすいですか。

「特にそういう相手が戦いやすいというわけではないよ。選手は皆それぞれファイトスタイルを持っていて、キリアはパンチを使う選手だから腕が上がる傾向がある。だから腕を蹴ろうと思ったに過ぎない。もしキリアとは違うタイプの選手が来たとしても、自分はその選手に合わせた対策を練って戦うことができる」

――ONEのワンマッチは3Rで試合時間が短いですが、それでも蹴りを効かせる自信はありますか。

「自分にとって蹴りはメインの武器であり、キリア戦で蹴りを使ったのは彼がパンチャーだからだ。彼はいつもパンチで相手をKOしようとして前に出てくる。だから僕は自分の距離を大切にして、キリアが前に出てこられなように蹴りを使ったんだ」

――日本では3R制は蹴りよりもパンチの方が有効だという考えも多く、パンチ主体になる選手が多いです。タワンチャイ選手はそれについてどう思いますか。

「それも人それぞれの問題だと思う。自分は3Rの戦い方にアジャストすることは難しくないし、蹴りで勝つことが不可能だとも思っていないよ」

――では次戦についても聞かせてください。スーパーボン選手にはどんな印象を持っていますか。

「彼はとてもいい選手で技も多彩だ。ファイトIQも高いし、見栄えのいい試合もできる。彼と戦うことが楽しみだよ」

――スーパーボン選手も蹴りが得意なテクニシャンで、日本のファンは2人の試合がハイレベルな技術戦になることを期待しています。タワンチャイ選手はどんな試合になると予想していますか。

「本当にいい試合になると思うよ。お互いアグレッシブで攻め合うと思うから、みんなにはこの試合を楽しみにしていて欲しい」

――これまでタイの中量級(70キロ)以上の選手はタイで活躍する舞台がなく、タイ以外で戦わなければ注目を集める・稼ぐことが難しい状況でした。そのなかでONEが70キロの選手を世界中から集めて、試合を組んでいることをどう感じていますか。

「すごく良いことだと思っている。ONEのおかげで我々の階級の選手たちは海外に行かなくていいし、タイにいたまま階級を変えることなく海外の強豪と戦えることは喜ばしいことだよ」

――同じ階級のシッティチィがONE Friday Fights 32でイランのモハメド・シアサラニにダウンを奪われて敗れる波乱が起きました。タワンチャイ選手から見て、タイ以外の選手のレベルは上がっていると思いますか。

「ここ数年でタイ以外の選手のレベルはものすごく上がっていると思う。多くの選手がムエタイの流儀を学び、強くなっていることを感じている」

――ムエタイを取り巻く環境についても聞かせてください。ルンピニースタジアムでONEが毎週大会を開催し、ラジャダムナンスタジアムでもRWSがスタートしました。ムエタイ=賭けという状況が変わりつつあると思います。タワンチャイ選手はこれについてどう感じていますか。

「ムエタイがギャンブルからリアルスポーツになることは本当にうれしいよ。ギャンブルの対象としてお金が関わると、色んな人たちが試合に絡むようになるんだ。でもムエタイがリアルスポーツになれば、そういったことがない。選手は純粋に自分のスキルで勝ち負けを争うことができる。本当にムエタイが良い方向に向かっていると思う」

――例えば今の若い選手・人たちもギャンブルとしてのムエタイよりもスポーツとしてのムエタイに興味を持っていますか。

「絶対的にそうなっていると思う。ここ数年でムエタイがギャンブルからスポーツに変わり、間違いなくタイの若い人たちはムエタイに興味を持つようになった。ムエタイがスポーツになることは非常にポジティブなことだし、選手のキャリアそのものもポジティブにしてくれると思う。多くのタイ人はムエタイが賭けの対象ではなくなることを歓迎しているよ」

――今回はご自身の試合だけでなく、ムエタイの現状についてまで話を聞かせていただき、ありがとうございます。試合を楽しみにしています。

「アリガトウゴザイマス!」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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【ONE FN15】急遽タワンチャイと対戦。米国在住ムエタイ戦士・ナタウット「焦ることも、驚くこともない」

【写真】インタビューもすべて英語、淡々と試合に向けて意気込みを語ったナタウット (C)TAKUMI NAKAMURA

7日(土・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night 15。今大会でジョー・ナタウットがタワンチャイ・PK・センチャイがと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

当初ONEムエタイ世界フェザー級王者タワンチャイ×スーパーボン・シンハ・マウインのタイトル戦が予定されていたが、スーパーボンの負傷欠場により延期。ナタウットがタワンチャイとワンマッチで対戦することになった。

ナタウットは活躍の場を広げるべく、2014年から米国Lion Fightに参戦。そのまま米国に移り住み、ONE契約後も米国に拠点を置き続けている。急遽決まったタワンチャイとの対戦を前にしても「一つの試合がブックされて、それを戦うだけ」と泰然自若に語った。またナタウットに米国のムエタイ事情も訊いた。


――スーパーボン選手の欠場により、急遽出場が決まりました。試合に向かた準備やコンディションはいかがですか。

「ショートノーティスで戦うことは分かっているし、ずっと練習は続けていた。彼と戦う準備はできているよ」

――対戦相手はONEムエタイ世界フェザー級王者のタワンチャイです。

「相手がタワンチャイだからと言って焦ることもないし、驚くこともないし、興奮することもない。一つの試合がブックされて、それを戦うだけだよ」

――対戦相手としてタワンチャイにはどんな印象を持っていますか。

「彼はとてもいいファイターだよ。みんなが知っている通り、蹴りが強い。でもそれ以外の印象は特にないね」

――彼はONEの現役チャンピオンであり、この階級のトップ選手ですが、特別な選手だとは思っていないですか。

「ONEには世界から強いファイターたちが集まっていて、彼はそのなかでチャンピオンになっている。それだけ彼はすごいファイターだと思う。ただしONEで戦うファイターは全員素晴らしいファイターだ」

――ナタウット選手は2014年~2017年まで米国のLion Fightに参戦していて、当時から米国に拠点を移して、現在も米国在住なんですよね。

「試合の機会を求めて米国に住むようになった。今は生活も、トレーニングも、仕事も、すべて米国が拠点になっている。だから試合が決まると、試合ときに米国から移動しているよ」

――タイの中量級(70キロ)以上の選手はタイで活躍する舞台がなく、タイ以外で戦わなければ注目を集める・稼ぐことが難しい状況だったと思います。それもあって米国に活動の拠点を移そうと思ったのですか。

「僕がアメリカに住んだのは試合のためだけでなく、それまでとは違う人生を送りたいと思ったからだ。強いファイターであれば、世界中どこにいてもオファーが来るし、活躍の舞台があると思う」

――米国を中心に活動しているナタウット選手ですが、最初にONEからオファーを受けた時の心境はいかがでしたか。

「今ムエタイに関してはONEが世界で一番大きな組織だから、そのONEからオファーがあるんだったら、自分もそこに飛び込みたいと思った」

――米国ではファイターとしての活動以外に指導もされているのですか。

「ムエタイを指導することがメインの仕事だ。色んな街を渡り歩き、あらゆる目的の生徒にムエタイを教えているよ」

――米国ではムエタイの試合・大会はどのくらい行われているのですか。

「米国でもプロ・アマ問わず多くの大会が開催されている」

――ナタウット選手も参戦していたLion Fightのような、いわゆるビッグプロモーションは他にもあるのですか。

「Lion Fightも大会数が減って、定期的に大会が開催されていないし、他にLion Fightのように世界各国から選手を招聘する規模の大会は行われていない。どうしても米国にはUFCがあって、格闘技においてはUFCの影響が大きい。米国でムエタイを普及・定着させるためには長い時間が必要だと思う」

――ONEは米国でもAmazonプライムで試合を見ることができます。ONEが世界的なムエタイイベントを開催していることをどう思いますか。

「ONEが大きな大会を開催することはムエタイにとっていいことで、世界的にムエタイの普及が進むと思うし、米国でもONEのおかげで毎週ムエタイの試合が見られることはとても大きい。ただし繰り返しになるけれど、米国に関して言えば、それと比較にならないほどUFCが巨大なものなんだ。米国でも少しずつムエタイが認知され始めているけれど、まだまだ時間がかかるだろうね」

――ナタウット選手はMMAの試合をやろうとは思わなかったのですか。

「それは思わなかったね。自分は立ち技・打撃が本当に好きだから。趣味程度にグラップリングの練習はしているけど、試合をするのであれば打撃の試合しかやるつもりはない」

――ムエタイを取り巻く環境についても聞かせてください。ルンピニースタジアムでONEが毎週大会を開催し、ラジャダムナンスタジアムでもRWSがスタートしました。ムエタイ=賭けという状況が変わりつつあると思います。ナタウット選手は米国在住ですが、この状況をどう感じていますか。

「自分もそれはすごく良いことだと思う。ムエタイがギャンブルではなくなることで、タイ国内でムエタイに興味を持つ人が増えているし、それはアメリカでも同じだよ」

――これからの選手としての目標、引退した後の目標はありますか。

「引退したらムエタイ以外ことも考えたいけど、それまではムエタイ選手として戦い、ムエタイをたくさんの人に教えていきたい」

――引退後もずっと米国に住む予定ですか。

「アメリカの市民権を持っているから、アメリカにも住んでいたいし、いずれはタイにも家を買って、アメリカとタイ両方で生活したいと思っている」

――それでは最後にこの試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「試合は目前に迫っているから、もうこれ以上言うことはない。僕もタワンチャイも戦う準備ができているから、あとは試合を見てほしい」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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【ONE FN15】10日前のオファー。手塚裕之「試合がしたい。準備期間だなんだって言ってられねぇ」

【写真】火曜日の朝にバンコクに入った手塚。まさに試合のオファーから6日しか経っていない。パスポートが切れないようにも気にしていたのだろう (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night15に手塚裕之が出場し、ジン・テホと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2022年1月のエジソン・マルケス戦以来、実戦から遠ざかっていた手塚は、自身のキャリアの積み方に関して本気で悩んでいた。そんな彼の下に10日後のファイトという緊急オファーが届いたのは、9月27日のことだった。とにかく試合がしたい、そのために日々のトレーニングを怠ることがなかった手塚は、自分の素直な気持ちに従いバンコクへ向かった。


──9月20日に万智選手の取材で、手塚選手の実家のジムを訪れた際には「試合がない」という苦悩がにじみ出ていました。急転直下、まさかの10月7日に試合決定です。

「あの1週間後にオファーが来て……決まりました(笑)。水曜日に打診があって、木曜日に契約書にサインをしました」

──ここが不思議なのですが、代役出場でショートノーティスということではないわけですよね。

「ハイ。僕が試合をするなら、相手を探すという連絡だったんです」

──スイカで食あたりした選手がいたわけではないと(笑)。

「アハハハハ。でも、間に入ってくださった方がマット・ヒュームにも連絡をしてくれたそうなので……マット・ヒュームが動いてくれたのかなぁと。それは分からないですけど、水曜日にガレージでの練習を終えて、車で家に戻る途中にマネージャーから電話があって、『さすがに来週はないよなぁ』って。

まぁ急だったので、少し考えたいと返答して。2時間ぐらい考えて、ここで来るのも逆にいえばチャンス。急だとかなんとか言っていられないよなって。準備期間だ、なんだって言ってられねぇと思って受けることにしました」

──2日間飯を食べていないと、何を出されても食べますよね。

「まぁ、試合に関してはそれぐらいハングリーだったので」

──オファーの時点からウェルター級で?

「キャッチウェイトでも構わないということでしたけど、僕はウェルター級でアンダーなので。ウェルター級で構わないですって伝えました」

──これは私の個人的な意見です。代役でもなくて、10日の意思確認と試合決定──ファイト直前ですが、手塚選手が気の毒でならないです。選手に対して、配慮や思いやりが欠けています。周囲はどのような反応でしたか。

「驚いていました。練習を一緒にしている梅田(恒介)さんにも電話をしましたけど、『来週? 嘘でしょ』みたいな。皆、そうなりますよね。だからセコンドも見つからなくて。『来週、バンコクに行けますか』って尋ねても、行ける人はなかなか見つからないですよね。最終的には妻に頼んで、時間だけでも読み上げてもらおうかとも考えました。でも娘が今年に生まれたばかりで、水とか怖いということになって。そんななかで岡田遼選手が、セコンドに就いてくれることになったんです」

──えっ、あの独身貴族の岡田選手ですか? 

「ハハハハ。ハイ。一度、出稽古でお会いしてから同い年で仲良くさせていただいていて。今年になっても2回ぐらい栃木まで遊びに来てくれて。キャンプとかしているんですよ」

──それは意外な顔合わせでした。岡田選手は自らのジムもありますし、よくバンコク行きが可能になりましたね。

「ハイ。試合の前日に来てくれて、試合は朝なので夜には戻るっていうスケジュールで来てくれます。日曜日の朝に東京に着いて、その日はアマチュアの大会でセコンドに就かないといけないそうです。でも岡田さんは『バンコクも栃木も変わらないです』と言ってくれて」

──おお、漢ですね。

「感謝しかないです」

──と同時に、先日お邪魔した時に1年8カ月も試合から遠ざかっているのに、グッドシェイプを保っているのだと感心させられました。

「ありがとうございます。練習をし続けていたからこそ、チャンスが巡ってきた時に行くことができました。準備をしていれば、いつかチャンスが回ってくると信じるしかなかったです。そこを信じることができなくなると、続けられなかった。練習自体も好きですけど、いつでも行ける準備はしていました。だから、ありがたいです」

──この間、ショートノーティス出場は常に頭にあったでしょうが、それでもやはり2週間ぐらいを想定していなかったですか。

「ハイ。このオファーが来て、2週間じゃショートノーティスではないと思うようになりました(笑)。前回の試合も1週間前に相手が代わりましたし。だから対戦相手の研究とか関係ないですよね。何が起きてもやっていける自信があります。海外で戦っていくということは、こういうことなんだと。ここで戦うモノなんだと」

──同じく急遽試合が決まった対戦相手のジン・テホに関して、どのような印象を持っていますか。

「彼はインスタで『全然試合が決まらないから、やろうぜ』ってメッセージを送って来ていて。だから、彼も試合機会に恵まれていなくて同じ境遇だったのでしょうね。選手としてはリーチが長い。ワンツーとか遠い距離で戦うけど、蹴りはない。かといってボクシング&レスリングでもなくて、自分からテイクダウンは狙わない。四つ組みでも背中を見せてバックを取らせてアームロックを狙う──そんなイメージです」

──桜庭和志選手と同じようなファイトショーツを履いている選手ですね。

「桜庭選手リスペクストが凄いです。だから、ああいうアームロックを狙うのか。変則的で、現代MMAではなくてUWFの回転体という印象を持っています」

──Double GFCの元ウェルター級王者です。

「元々はライト級みたいで、DEEPと修斗に来日して大原樹理選手、川名雄生選手に負けています。対戦相手の対策の時間もなかったですけど、何もさせずに圧倒します。自分のやるべきことをやる。自分の動きができれば必ず勝てます。打撃、組み技でも劣っているところはないです。一発のキムラとか気を付けて舐めることなく、大きく見ることもなく戦えば、必ずフィニッシュできます。

あと無観客が2試合、前回は少しだけお客さんに席が開放されていた大会で。今回は満員のルンピニー・スタジアムで久しぶりに戦えるのは楽しみです」

──ところで手塚選手がリングで試合をしているというイメージが一切ないのですが、今大会はリングが使用されます。

「アマチュアも米国でケージだったので、リングで試合をしたことはないんですよ。なんでまぁ、初めてなんです。けれども壁レスを使って倒すタイプでもないし、リングだとコーナーがあるのでプレッシャーをかけて詰めやすい。だから不安要素としては捉えていなくて、自分にとってメリットというか、優位に働くかと思います」

──ここで勝てば、言いたいことがあるかと思います。

「もっと試合させてくれってことですね(笑)」

──その権利を得るために、どのような試合をしたいと思っていますか。

「ここまで積み上げたモノと溜まったモノを、全部ぶつけて勝利を掴もうと思います。しっかりやります。それに海外で日本人選手が勝てていないんで、このままだと日本のMMAが舐められてしまいます。ここでジャパニーズ・ビーストが、盛り上げようという気持ちで戦います」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前8時30分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN15対戦カード

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者]ジョン・ディベラ(カナダ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ジョー・ナタワット(タイ)

<サブミッション・グラップリング無差別級/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
青木真也(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ジャン・リーポン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
フー・ヨン(中国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
手塚裕之(日本)
ジン・テホ(韓国)

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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN11 イリャ・フレイマノフ キック タン・カイ タン・リー

【ONE FN11】ダウン応酬もフレイマノフがヒザ、ヒジからのRNCでゾルツェツェグを仕留める

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
イリャ・フレイマノフ(ロシア)
Def.1R2分18秒 by RNC
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)

サウスポーのゾルツェツェグが低い体勢から左ストレートで跳びこんだ。フレイマノフは左右のローから、右スピニングバックキック。ゾルツェツェグは左フックを効かせて、ダウンしたフレイマノフにパウンドを浴びせる。立ち上がったフレイマノフに対し、左腕を差し上げたゾルツェツェグが、リングのコーナーに押し込みながら投げでテイクダウンを奪う。

立ち上がったフレイマノフにシングルレッグで組んだゾルツェツェグだが、再びテイクダウンを奪うことはできず。フレイマノフが首相撲からのヒザでダウンを奪う。すぐさまマウントに移行したフレイマノフが、左右のヒジを連打で当て、背中を見せたゾルツェツェグからRNCでタップを奪った。

勝利後、フレイマノフはコーナーに昇ってベルト挑戦をアピール。試合後のインタビューではフェザー級王者タン・カイではなく、7月14日にタン・カイに挑むタン・リーの名前を連呼した。


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【ONE FN11】ランガカー戦、ケイド・ルオトロ「ムエタイのメッカで柔術を披露するなんてワクワクするね」

【写真】柔術を競技者のモノだけでない競技にする。それが若き世界王者の使命だ (C)MMAPLANET

これから3時間後、10日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで大会がスタートを切るONE Fight Night11。同大会でONEサブミッショングラップリング世界ライト級王者ケイド・ルオトロがトミー・ランガカーの挑戦を受ける。

柔術を誰が見ても楽しめるスポーツに引き上げ、五輪スポーツに昇華することをミッションとする若き世界チャンピオンは、自らの防衛戦の1週間前に行われたムンジアルで、兄タイに同行――ばかりか、最後の2週間を道着の練習にあてていたという。


――ムンジアルでタイと一緒にいたようですが、バンコクに入ったのはいつですか。

「昨日の朝だよ(※インタビューは7日に行われた)。タイがワールドに出ていたから、日曜日にトーナメントが終わり、その日の夜に飛行機に乗ったんだ」

――次の週に自らの防衛戦が控えていても、タイに同行しないという選択はなかったのですね。

「もっと早くバンコクに来たいという気持ちはあったよ。時差ボケを解消し、リラックスできる時間を持ちたかった。でも僕らはずっと一緒に戦ってきたから、タイのコーナーに就かないという選択はなかった。僕が戦う時は、タイがいてくれる。タイが戦う時は僕が傍にいる。ノーチョイスだよ」

――タイの銅メダル獲得という結果は、どのように捉えていますか。

「パフォーマンスが悪いわけではなかったけど、満足はしていない。接戦で世界王者のジャンセン・ゴミスに遅れを取り、ジャンセンのトーナメントになった。でもタイは勝てていた。戦略的にしてやられたんだ。技術的にシリアスな敗北じゃない。僕らは絶対に来年、道着でも世界チャンピオンになる」

――IBJJFのポイント柔術は、緻密な計算と正確な判断力が求められ、相当に高度な駆け引きが存在すると思います。

「常にマインドゲームになるね。準決勝でタイは負けたけど、ポイントを失った後はずっとダブルカラーグリップでホールドに徹された。あんな動きのない試合を見ていると、自分のために勝負にこだわるんじゃなくて、もっとアクディブさを求め、皆が喜ぶ試合をしないとって思ってしまう……けど、それは僕の考え方であって、皆がそういうわけじゃないことは理解しているよ。

タイはそれを言い訳にしないけど、去年のワールドからトータルで5、6回しか道着の練習をしていなかったんだ。逆を言えばほとんど準備なしで、あれだけできるんだから大したものだよ。ちょっとしたケガもあったからスパーリングでなく、技術練習が主だった。それ以外は心肺機能系のトレーニングをしたぐらいで。だから、来年は1カ月半は準備期間を取り、絶対にワールドでポディウムの頂点に立つつもりだ」

――サブミッショングラップリングの王座防衛戦前に、道着の練習に付き合うことに関してメリットを見つけ出すことはできますか。

「なんか、昔を思い出すような感覚だった。僕らは3歳から柔術を始めて14、15歳まで、道着しかやってこなかったからね。レッグロックすら、やってこなかった。16歳でプロになり、ノーギで戦う機会が増えたから、道着に専念した時代を思い出すことができた。そしてあの日々で身に着けたモノは、何一つ失っていなことが分かった。そうやって考えると、こういうブレイクが時々あることは良いんじゃないかな。でも、タイトル戦の前じゃない方が良いのは事実だよ(笑)。

もっと防衛戦に集中したキャンプがあった方が良いし。それでも、毎日のように自分がこの大切な舞台に立つことを想う浮かべ、しっかりと集中することはできた」

――ではトミー・ランガカーの印象を教えてください。

「とてもタフで、フレキシブルだ。マテウス・ガブリエルに似たところもあるけど、フィジカルは彼より強い。ONEでの試合のなかで、一番タフな一戦になるだろうね。トミーは道着柔術をしっかりとやり込んできた選手らしく、背中をマットにつけて仕掛けてくるに違いない。それがレッグロックなら、レッグロックに付き合う。スクランブル戦をしてくるようだと、スクランブルに応じる。トミーも去年のADCC以降、ノーギに力をいれていて僕のベルトが欲しいんだろうけど、それは無理な話だよ」

――トミーがスクランブルゲームをしてくるとは、想像しがたいです。トミーのガードからの仕掛けと、ケイドのトップゲームの真っ向勝負。そんなノーギ柔術が見られるのではないかと期待しています。

「そうなるだろうね。彼のガードは柔軟で、パスガードからサブミッションという流れを創るのは、なかなか厄介だ。ただ、どれだけ仕掛けてくるか……だね」

――B-TEAMで10日ほど練習してきたようですが、そこは気になりますか。

「いや、気にしないよ。B-TEAMにいたのは、フィニッシュ能力を高めようということだろう。きっと対策練習もしっかりとやってきているはずだ。でも、まぁそれが通じるのかお手並み拝見だよ」

――今回はケージでなく、リングが使用されます。ロープの外、エプロンの存在などまたケージとは違った環境で戦うことになります。そしてレフェリーの介入も増えるでしょう。

「ムエタイのメッカで、柔術を披露するなんてワクワクしちゃうね。数多くの伝説が生まれたルンピニースタジアムで、サブミッショングラップリングのタイトル戦を戦うことは歴史の1ページを刻むことになる。とても光栄に思っているし、責任も感じている。リングで試合をすることも、凄く興味深いよ。

僕は人生でたったの一度もリングで試合をしたことがない。実際、リングで戦うことで何が起こるのか、僕はまだ分かっていない。とにかく、リングを自分の庭ように戦いたいね(笑)。そして、皆が納得する試合がしたい」

――ケイドなら面白い試合をする。そんな風な期待がプレッシャーになることはないですか。

「勝つか、負けるか。そういうことでナーバスになることも、期待されることがプレッシャーになることもないよ。僕が目指しているのは家族や友人だけでなく、誰もがエキサイトできる柔術にすることだから。どの状況でも、積極的に動いて極める。それが僕のやるべきことだからね」

■放送予定
6月10日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONEムエタイ世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)王座決定戦/12分1R>
[王者]ケイド・ルオトロ(米国)
[挑戦者] トミー・ランガカー(ノルウェー)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
イリャ・フレイマノフ(ロシア)
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)

<キック・フェザー級選手権試合/3分3R>
スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
タイフン・オズカン(オランダ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジャレミー・ミアド(フィリピン)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<キック・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
アリアン・サディコビッチ(ドイツ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アルテム・ビュラク(ロシア)
クォン・ウォンイル(韓国)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
アンバー・キッチン(英国
マルティニ・ミケレット(イタリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
フー・ヤン(中国)
ウ・ソンフン(韓国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
グト・イノセンチ(ブラジル)

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