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【Special】月刊、良太郎のこの一番:11月 JJ×ミオシッチ「JJが怪物から仙人になってきた」

【写真】王道の戦い方+引き出しの多さ+必要最低限の出力。これはジョン・ジョーンズの変わらない強さでもある(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は良太郎氏が選んだ2024年11月の一番──11月16日に行われたUFC309のジョン・ジョーンズ×スタイプ・ミオシッチ。今回も水垣氏と同チョイスとなったが、打撃という視点でジョーンズの強さについて語らおう。

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:11月
JJ×ミオシッチ「いよいよJJが負ける姿が想像つかない」


――実は11月の一番も水垣さんと同じジョン・ジョーンズ×スタイプ・ミオシッチをセレクトしてもらいました。この試合はやはりジョーンズについてお聞きしたいと思います。

「あれはもう…変人の領域に達してますね(笑)。やっぱりジョン・ジョーンズに対する幻想があるじゃないですか。でも体つきを見たりすると、みんなが知っている全盛期から2周も3周も回った選手だと思うんです。だから正直まだ強いのか?と思って見ている人が多かったと思います。ミオシッチも42歳で、約3年8カ月ぶりの試合だったので、ジョーンズが何だかんだで勝つだろうなとは思っていましたが、スピニングバックキックを左の脇腹に突き刺してKO勝ちするというのは全く予想してなかったです。もう本当にすげえな、この人っていう。それしか出てこないです」

――JJは明らかにライトヘビー級時代と比べると体のコンディションは悪いじゃないですか。それでもなんだかんだで勝ってしまいましたよね。

「コンディションは間違いなく良くないですよね。ボクシング的に言ったら、 かつてのスター選手が復活して、倒して勝っちゃうことってあるじゃないですか。あれはボクシングがパンチに限定された競技でラウンド数も長いからだと思うんです。キック・ムエタイは蹴りもあってラウンド数も短くなるから、どうしても若くてフレッシュな選手の方の勢いに飲まれてしまうけど、サムエー、ブアカーオ、センチャイのように制空権を制して、相手を制圧して距離感を支配する達人みたいな40代の選手もいる。MMAは試合時間が長いのでボクシングに近いところがあるけれど、レスリングや組み技をやらないといけないし、よりフィジカル的な強さが求められる。そんな競技なのにジョン・ジョーンズはボクシングやキック・ムエタイでオールドスターが未だに強いというのをMMA、しかもUFCでやっちゃってる感じですよね。

今回のミオシッチ戦で言うなら、右と左をスイッチして戦えるベースがあるんですけど、無駄な動きが一切ないんです。ミオシッチがバー!と攻めた時にジョーンズが後ろを向いて逃げたじゃないですか。あれを若いファイターがやるともっとクイックな動きになるんですけど、ジョーンズはちょっとスローな動きでしたよね。言葉は悪いですけど年齢を重ねた選手というか。でも見方を変えれば必要最小限の動きとスピードでかわしてるわけですよ」

――なるほど。それは面白い視点です。

「細かい技術で言うと、オーソドックスに構えたら自分の距離感でスナップがついたジャブを当てて、サウスポーに構えたら前手で相手の前手を触っておいて、同じモーションでローと三日月蹴りを蹴って、たまに左ストレートを打つ。やってることは普通、王道中の王道なんです」

――特別なことをやっているわけじゃない、と。

「ただジョーンズがすごいのは1Rに決めた大外刈りのような技の引き出しが豊富なところです。あんな技もやるんだという引き出しがあるんですよね。勝つために必要なことを最小限の出力で無駄なくやる、そして技の引き出しが多い。それがジョン・ジョーンズだと思います」

――フィニッシュになったスピニングバックキックについてはいかがでしょうか。

「あれは最初にジョーンズが三日月蹴りでレバーを意識させておいて、アレックス・ペレイラがよくやるようなお尻をくっと入れるフェイントでミオシッチを下がらせて金網を背負わせる。それで逆回転のスピニングバックキックをレバーの逆側にぶちこむと。あれは当たった場所的にボディが効いたというよりも骨がいったんじゃないかなと思います」

――あの一発にもそういった細かいテクニックがあるわけですね。

「昔は怪物で最強だったのが、段々と仙人みたいになってきましたよね」

――良太郎選手のお話を聞いていると怪物時代のジョーンズも無駄打ちが少なかったり、余計な出力をしていなかったり、今と共通している部分もあるんでしょうね。

「そうですね。そこに昔は若さがあったというか、細かい部分のスピードや反応速度は当時の方があったと思います。こういうタイプは段々と反応が悪くなって結果が出なくなってきて、それで引退という流れになるんですけど、ジョーンズは負けないんですよね。なんでそれが出来るのかは……正直分かりません(笑)」

――ムエタイのスーパースターだった選手が日本でトレーナーとして働きながら試合をしても日本人には負けないというパターンに似ているのかなとも思います。

「貯金と言えば貯金で勝っていると思いますが、それだけでもないし、UFCのあのレベルでやっているわけですからね。今回も相手はブランクがあるとはいえミオシッチですし。ここまで来たら、もう相手は1人=トム・アスピナルしかいないですけど、なんかやらなそうな感じじゃないですか。色々と難癖をつけて(苦笑)。でも僕はそれも含めて強さだと思うんですよ。フロイド・メイウェザーじゃないけど、博打する時は自分のタイミングでやる、みたいな。だからそこも全部ひっくるめて最強幻想がありますよね」

――試合以外の部分でも主導権を握るところも含めて強さですね。あれだけ色々な問題を起こしてもUFCで試合を組まれ続けているわけですし。

「本当ですよ。 普通は追放レベルですからね(苦笑)」

――いずれにしてもUFCから必要とされ続けているという時点で スペシャルな選手であることは間違いないですね。

「はい。ただみんなはもうちょっと彼に尊敬や畏敬の面を求めていると思います(笑)」

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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:11月 JJ×ミオシッチ「いよいよJJが負ける姿が想像つかない」

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年11月の一番──11月16日に行われたUFC309のジョン・ジョーンズ×スタイプ・ミオシッチ、改めてUFCヘビー級王者としての強さを見せつけたジョーンズについて語らおう。


――今月の一番ではジョン・ジョーンズ×スタイプ・ミオシッチの一戦を選んでいただきました。この試合をセレクトした理由を訊かせてもらえますか。

「これはもうジョン・ジョーンズという選手だからですよね。ジョーンズは僕がUFCに行く前からUFCで戦っている大ベテランで、今でもUFCチャンピオンでい続けているという。何で言うんですかね、『誰もジョーンズには勝てないのか?』という、ちょっとした虚しさを感じた試合でした」

――ジョーンズは今回がヘビー級転向2戦目で体もシェイプされていなかったですし、今回は厳しい試合位になると思っていました。

「ヘビー級になって体も大分デカくなって、あの体を見た時に『今まで通り動けるの?』と思ったんです。そうしたらヘビー級転向初戦のシリル・ガンヌ戦はギロチンで一本勝ちして。でもあの試合は2分くらいで終わった試合だったので、判断できないところがあったんです。試合が長引いたらすぐに失速するんじゃないかなと。それで今回のミオシッチ戦はもっとジョーンズが距離を取って戦うと予想していたのですが、序盤から腹を効かせて自分から攻めたんですよね。しかも1Rにいきなり打撃からの大外刈りでテイクダウンして。あれがあったので2R以降のミオシッチはなかなかパンチの距離に持ち込めなかったですよね。逆にジョーンズは1Rで距離感が分かったので、すぐにダメージを与える打撃を切り替えましたよね」

――水垣さんの分析ではあの大外刈りが試合の流れを決めた、と。ただあの技を武器として持っていたとしても、復帰戦の1Rのあの時間帯で決めるのは普通ではないですよね。

「はい。相手のパンチが見えている状況だったら、ああいう技(大外刈り)でテイクダウンできると思うんですよ。でもミオシッチはハードパンチャーで、ジョーンズ自身も1年8カ月ぶりの試合だった。そういう状況で打撃の距離感を合わせるのは難しいし、序盤からああいう技にトライするのはリスクがあると思うんですよ。でもそういう技をパッとやって決めってしまうという」

――あの動きはジョーンズにしかできないですか。

「動きそのものは特別な技ではないと思いますが、あの状況で決めるのは……やっぱりジョーンズは特別ですね。体格的に恵まれている上に技の引き出しも多くて、もちろんジョーンズも色んな努力をして強くなったと思うのですが、あれはずるいです(苦笑)」

――もはやずるいレベルの強さだ、と。

「はい。しかも普通はあれだけ偉大な選手だったらもっとリスペクトされるじゃないですか。でもジョーンズは色んな問題を起こして、スーパーヒールのポジションを確立している。見ていて面白いというのは違うのかもしれないけど、自分のキャラクターを確立していますよね」

――憎まれ役なのにファイターとしては抜群に強い。ジョーンズにしかできないポジションですね。

「僕もジョーンズと話したことがあるのですが、普段は本当に物静かでオラオラするようなタイプでもないんですよ。以前、DJ.taikiさんがジャクソンズMMAに練習に行った時、空港までの移動手段がなくて困っていたら、ジョーンズが『俺が車で空港まで乗せていってあげるよ』と言って送ってくれたことがあったそうなんです。だから本来はそういう一面も持っている人なんですよね。それなのになんであんなに問題を起こしてしまうんだ?という(苦笑)。僕はジョーンズのことが嫌いとかは一切ないんですけど、あれだけ強すぎるとジョーンズが試合で辛くなった姿・苦しむ姿を見たくなっちゃうんですよね」

――確かに……あまりにも強すぎるので苦戦するジョーンズを見たい気持ちは理解できます。

「そうなんです。今までUFCでも特別なものを感じる選手はいたと思うんですけど、どこかで底が見えてくるというか、そういう試合や負けがあるじゃないですか。でもジョーンズはそれがないんですよね。このまま苦戦することなく引退するとなったら、それはそれで悲しい。僕はミオシッチはジョーンズの相手としてはベストチョイスだと思っていて、ファイターとして試合をしながら消防士という一面もあって、そういう人柄も見えてくるじゃないですか。逆にジョーンズは格闘技は強いんだけど問題を起こしまくる問題児で、ミオシッチにジョーンズを苦しめて欲しかったんですよね。そう思っていたら逆にジョーンズが圧勝してしまうという(苦笑)」

――極端かもしれませんが、ジョーンズがこのまま勝ち続けていくと、恵まれた体格と持って生まれた格闘センスを持った人間には誰も勝てないということになっちゃいますよね。

「そうなんです。僕はダニエル・コーミエーがジョーンズが対戦した時、完全にコーミエー派だったんです。コーミエーはジョーンズと違って技術と技のタイミングを精度を研ぎ澄ましてUFCチャンピオンになった選手で、コーミエーもジョーンズとは真逆のタイプだと思うんですよね。でもいざ蓋を開けてみたらジョーンズがコーミエーに2戦2勝して(※2戦目は試合後にジョーンズがドーピング検査で陽性反応が出たためノーコンテストに変更)。もしかしたらミオシッチだったらコーミエー戦の続きを見せてくれるんじゃないかと思って期待したんですけどね……。ライトヘビー級時代にマウリシオ・ショーグンに勝った頃のジョーンズは怖いくらい強くて、ショーグン戦以降は5Rフルに使って勝つみたいな試合も増えていたと思うんですよ。実際にドミニク・レイエスとやった試合は以前のような強さ・魅力がなくなっていて。それでいよいよジョーンズ政権が崩れる時代が来ると思っていたら、ガンヌとミオシッチにああいう勝ち方をしてしまうわけだから。いよいよジョーンズが負ける姿が想像つかないし、どうしたんもんですかね………と思う以外の感想がないです(苦笑)」

――ジョーンズのスペシャルな部分は一旦抜きにすると、レスリングの強さ+ロングリーチから繰り出す多彩な打撃という意味では、自分の強みや特徴を理解して試合を組み立てていますよね。

「そうですね。レスリングが強くて、あの長いリーチで色んな打撃が出来る。対戦相手からすると中に入り込んで打撃を打ち込たいところですが、いざ中に入ってもレスリングや首相撲でコントロールされてしまう。じゃあ離れたところで戦おうとすると、今度は長いリーチから打撃がバンバン飛んでくる。僕もリーチが長い相手の中に入って殴るのが得意だったのですが、ジョーンズみたいな戦い方をされると、どうしようもないです(苦笑)」

――そういった戦い方の上手さもあるということで。

「技の引き出しそのものが多くて、どの局面でどの引き出しを開ければいいか。そこのチョイスには抜群のセンスがあるし、しっかり戦略を立てるコーチやブレーンがいるんだと思います」

――2025年はトム・アスピナルとの対戦が期待されていますが実現するかどうか…ですよね。

「フランシス・ガヌーとやったらどうなるんだろうと思いますが、ガヌーがPFLと契約しているので現実的ではないじゃないですか。だったらアスピナルだとは思うんですけど、どうなるのかなと」

――もしかしたらこのままジョーンズが引退して、ジョーンズは特別だったと割り切った方がいいのかなとも思ってしまいました。

「どうだろう…僕はジョーンズが負けるまで現役は続けてほしいと思いますね。ジョーンズには恨みもなにもないのですが(笑)、あれだけ強すぎるとどうしても負ける姿が見たくなります」

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45 AB F1 MMA o ONE UFC UFC309   ブラック マイケル・チャンドラー

『UFC 309: Jones vs. Miocic』チャールズ・オリヴェイラ vs. マイケル・チャンドラーを見たファイター・関係者の反応

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 『UFC 309: Jones vs. Miocic』チャールズ・オリヴェイラ vs. マイケル・チャンドラーを見たファイター・関係者のSNSでの反応。続きを読む・・・
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『UFC 309: Jones vs. Miocic』パフォーマンスボーナス




 UFCが『UFC 309: Jones vs. Miocic』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・チャールズ・オリヴェイラ vs. マイケル・チャンドラー

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・ジョン・ジョーンズ、ラミス・ブラヒマイ、オバン・エリオット


 5選手には各5万ドルのボーナス。続きを読む・・・
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45 o UFC UFC309

【UFC309】オリベイラがチャンドラーに判定勝利 ジョーンズがミオシッチにスピニングバックキックでTKO勝ち

503: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/11/17(日) 08:05:55.33 ID:NH7YuF6o0
強力型戦闘隊


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC309 キック ジョン・ジョーンズ スタイプ・ミオシッチ

【UFC309】やはり別格、ジョン・ジョーンズがスピニングバックキックでKO勝ち。ミオシッチは引退宣言

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
Def.3R4分29秒by TKO
スタイプ・ミオシッチ(米国)

サウスポーに構えたJJに対し、ミオシッチが右を伸ばす。JJは左三日月、ミオシッチはインローを蹴る。左右のパンチでJJを追うミオシッチのパンチをかわして、間合いを取り直したJJがサイドの関節蹴りから、同じ足で大外刈りを決める。ハーフでエルボーを打ち下ろすJJは、ワキを殴って顔面にヒジを落とす。ドスンと音がする重い一元を落とし、フルガードに戻させないJJは左のエルボーを連打してパス。シングルレッグを潰して、ハーフに収まるとさらに勢いを増したエルボーを続ける。ニーシールドから離れることができなかったミオシッチは、鉄槌からヒジに防戦一方だが、クルスフィクスは許さない。

残り40秒、起き上ったJJは蹴り上げにも担ぎパス。キムラを狙いつつ、エルボーに切り替えて最後まで攻め続けた。

2R、奇跡的に大きなカットがないミオシッチは、右に回りながら左を伸ばす。JJはジャブを当て、ミオシッチが右アッパーを繰り出す。スイッチしたJJは、ここは三角蹴りを見せる。ワンツーで前に出たミオシッチは、パンチをボディに見せるが口が開いている。左ショートから、三日月で腹を抉ったJJは左インロー、続いて左ボディストレートを放つ。さらに首相撲から右ヒザを腹に突き刺す。ミオシッチも右を返したが、追撃はない。残り1分、左ミドルを蹴ったJJが、また三日月蹴りを決める。それでもワンツーで前に出るミオシッチに対して、背中を見せて距離を取ったJJがスピニングバックキックを繰り出した。

3R、すぐにJJがジャブを当て、前に出るミオシッチの間合いを外す。組んでアッパーを狙ったミオシッチに対し、JJは危険を察すると背中を見せて走り、距離を取り直す。そして三日月を入れたJJがエルボー、右を繰り出す。続く右で下がったミオシッチは、ワンツーを打ち返すが組まれてケージに押し込まれる。ミオシッチは離れて、JJの左ハイをブロック。サウスポーから右ジャブを当てるJJは三日月、インローと左からの蹴りで攻める。

ミオシッチはジャブを被弾し、前に出て左を届かせるが右は空を切る。圧を受けても右を繰り出すミオシッチは、右ストレート。JJが左をクリーンヒットさせるも、ミオシッチも頭がぶつかるぐらいの勢いで前に出る。左ミドルを入れたJJは、続く左スピニングバックキックをリブに決める。

腹ばいに崩れたミオシッチに追撃のJJが、見事なKO防衛に成功。「とてもタフだった。ずっと前に出てきた。ミオシッチはいつも最高のシェイプで仕上げてくる。それほどパンチを顔面に打てないと初回に思って、腹を狙った」と話した勝者は、王座統一戦に関しては言葉を濁したが、引退も否定。「交渉が上手くいくと、皆が見たい試合が実現するはずだ」というや、トランプ大統領に感謝の言葉を送り観客には「USA」チャントを要求。「俺は米国人チャンピオン、クリスチャンの米国人であることを誇りに思う」と締めた。

そして、敗者ミオシッチは「やり切った」と引退を宣下してケージを後にした。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC309 コナー・マクレガー シャーウス・オリヴェイラ マイケル・チャンドラー

【UFC309】4Rまで一方的に攻められ続けたチャンドラーが、大逆転直前まで反撃もオリヴェイラが勝ち切る

<ライト級/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
Def.3-0:49-46.49-46.49-45
マイケル・チャンドラー(米国)

まず右前蹴りを見せたオリヴェイラが、右を伸ばす。ここで右目を気にするようになったオリヴェイラだが試合は続く。チャンドラーは蹴りを捌き、右ボディストレートを伸ばす。直後に右を見せたオリヴェイラは、シングルレッグでドライブし軸足を払いつつ、チャンドラーの左足を捩じりながらトップへ。四の字に組んで足関を防ぐチャンドラーは、背中をベタっとマットにつけた状態で、足の組みが外れる。

残り1分、左腕を差して抑えるオリヴェイラが右足を抜きにかかるが、チャンドラーが許さない。このままオリヴェイラがボディを跨がないトップキープをラウンド終了まで続けた。

2R、オリヴェイラが右カーフを蹴る。右ボディから前に出るチャンドラーは、ワンツーから詰められるとバランスを崩す。すぐに立ち上がったチャンドラーが、右を被弾し走って間合いを取りなおす。チャンドラーは再び右を受け、ショートの連打もケージを背負って左ハイを受けそうになり、ヒザをもらう。懸命に右を伸ばすチャンドラーに対し、飛び込むように組んでテイクダウンを奪ったオリヴェイラが即マウントを奪う。

オリヴェイラは上体を起こしてエルボーを落とすと、三角を狙いつつヒジを続ける。額をカットされたチャンドラーは、そのままエルボーを受けながらもマウントを取られたまま何とかサバイブした。

3R、ジャブを伸ばすチャンドラー。オリヴェイラは右カーフ、ダブルジャブを繰り出す。チャンドラーは組みを切ったが、ケージを背負ってアッパーを打たれる。それでも思い切りパンチを振るうチャンドラーを冷静に見るオリヴェイラがアッパーを決める。ヒザ、ヒジからアッパー、そして組も倒してバックに回ったオリヴェイラがボディトライアングルに取る。

シートベルトでRNCを狙われるチャンドラーが、懸命に耐える。時間が十分にあるオリヴェイラは焦らずワキ腹やテンプルを殴って行く。アゴの上から絞めていったオリヴェイラだがチャンドラーはここも生き残った。

4R、左ミドルから組んでいくオリヴェイラ。切ったチャンドラーがジャブを伸ばす。オリヴェイラはワンツー、左を返されても跳びヒザを繰り出す。それでも左を振っていくチャンドラーは、組まれても小手投げを狙う。耐えたオリヴェイラはワキを潜ってバック、自ら背中をつけて寝技に持ち込む。スクランブルに持ち込めず、チャンドラーはボディトライアングルに取られる。それでも腹ばいから起き上がろうとしたチャンドラーは正座状態からRNCをセットされそうになるが、この回も耐えきった。

最終回、右ヒザをアゴに届かせたオリヴェイラが前蹴りを効かせる。チャンドラーはダブルレッグを切って右フックから左を当てる。直後に右を効かせたチャンドラーはオリヴェイラのシングルを崩して、サイドバックから鉄槌を連打する。チャンドラーはクローズドガードのオリヴェイラにエルボーを続けるが、三角絞めをセットされそうになる。

ここは早く対処したいチャンドラーは、肩を入れて防ぎスタンドに戻る。残り1分40秒、オリヴェイラは組んでバックへ。大ブーイングが起こるが、見事が動きだ。しかも、ルオトロチンで絞め、攻めの姿勢を見せて時間を使う。チャンドラーは立ち上がって、後方にスラムを2度見せる。舌を出し笑顔を見せたオリヴェイラ。チャンドラーは試合タイムは残っているが、オリヴェイラの手首を叩いて健闘を称えるという仕草を見せた。

「これまで戦ったことがないほどタフな男だ。心の底から尊敬する」と話した勝者は、次々期挑戦者になることをアピール。そして、敗者は「どうだ。NY、楽しんだか」とまるで勝者のようなドヤ顔で、改めてコナー・マクレガー戦を要求した。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC309 ブログ ボー・ニコル ポール・クレイグ

【UFC309】「15分間支配できてハッピー」。TDは狙わず3-0でクレイグ破ったボー・ニコルに大ブーイング

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ポール・クレイグ(英国)

₋1600のニコル。クラウチングのニコルが左ジャブを伸ばし、クレイグが距離を取る。スイッチしたニコルはオーソに戻しロー左オーバーハンドを伸ばす。長身のクレイグが右ハイ、左ヒザを見せて右インローを蹴る。ローに右を合わせようとしたニコルはハイをかわしつつ、左ミドルを見せる。左オーバーハンドを伸ばし、組まないニコルは右ローを連続で繰り出す。グラップラー同士の打撃戦、クレイグが右インローから右を当てる。ニコルも左オーバーハンドを伸ばし、組みがないまま初回が終わった。

2R、左ハイでバランスを崩したクレイグを追ったニコルは、ここも組まずにパンチ勝負。クレイグも引き込むことなく、スタンドの展開が続く。ニコルは左オーバーハンドと左ミドルを続け、オーソに戻して右オーバーハンドを届かせる。スイッチして左ボディを入れたニコルは、右ミドルをブロックする。右ミドル、ローのクレイグは左インローをチェックする。

残り1分、ニコルが左を当て、間合いを取ったところでクレイグも左フックをヒット。テイクダウンダウンでポイントメイクをしないニコルが左を入れ、構えを変えて右を届かせたところで時間となった。

最終回、クレイグが前に出ると、ニコルが右オーバーハンドから右ローを入れる。クレイグはガードの上から右ハイ、距離を詰めたニコルはテイクダウンのタイミング、距離でも打撃の間に戻る。オーバーハンドのタイミングで、テイクダウンに入れるはずのニコルが組まないのは何が理由があるのか。場内にブーイングが響き渡るなか、両者のスタンド戦が続く。右で組むと見せて左オーバーハンドを決めたニコルが、圧を高める。ケージに詰まったクレイグは、右を打たれた後に前に。ニコルはローから、左オーバーハンド。クレイグも右ハイと同じパターンに。

残り1分を切り、左を入れたニコルをクレイグが何か挑発する。最後の10秒に左を2発入れたニコルは、最後までテイクダウンを仕掛けないままキャリア初の判定を待つ間、1分以上もドナルト・トランプ大統領と言葉を交わし続けた。

「15分ドミネイトできて、僕は良かったと思っている。皆、流血が見たいんだよね(笑)。25秒で殴り倒し、1分で絞め落とすところが見たくても、現実的に相手は10年以上戦ってきたプロフェッショナルなんだ。僕はまだ2年半しかキャリアがない。ドミネイトして、カットさせた。フィニッシュはできなかったけど、ハッピーだよ。ジョン・ジョーンズ、カビブ、GSP、マイティマウスもタフな相手は判定勝ちをしてきた。ポール・クレイグが27戦、僕は6戦のキャリアで支配できたんだ」とブーイングのなかで、自論を話した。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC309 カリーニ・シウバ ヴィヴィアニ・アロージョ

【UFC309】コンパクトな打撃とグラウンドでの仕掛け、アロージョが判定勝利でシウバとの接戦を制す

<女子フライ級/5分3R>
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
カリーニ・シウバ(ブラジル)

ガードを高く上げたシウバが前に出ていく。アロージョは距離を取りながらジャブを突き、シウバはインローを蹴る。アロージョはそのインローにワンツーを合わせ、距離を詰めようとするシウバに右ストレートを当てる。

ローを蹴ってパンチを振って前に出るシウバ。アロージョはコンパクトな右を当て、足を使って組ませない。アロージョはケージ内をサークリングして右を細かく当て、シウバの攻撃を空振りさせる。アロージョは自分の距離をキープして右ストレートと右カーフを当てる。

なかなか間合いを詰められないシウバだったが左フックを強振して返しの右、ここから一気に前に出て組みつく。アロージョもテイクダウンは許さないものの、シウバが離れ際に左ミドルを蹴る。

2R、アロージョは距離を取りながら右アッパーと右カーフ。シウバは右ストレートから組みつく。ここは離れたアロージョだが鼻と口からの出血が目立つ。逆にシウバ右を振ってアロージョに組みつき、ボディロックからテイクダウンを仕掛ける。

背中を見せながら凌ぐアロージョだったが、正対して足をかけてテイクダウンを奪う。ガードポジションのアロージョはシウバの足をすくって腕十字へ。裏十字の形になるが、シウバが腕を抜いてサイドポジションで抑え込む。

ここからシウバはノースサウスチョークを狙いつつ、腕の組み方を変えてダースチョークに切り替える。今度はアロージョがポジションを返して上四方でシウバ抑え込み、キムラを狙いつつパンチを落とした。

3R、シウバが左フックと左ミドル。アロージョは右ストレートを返す。シウバがダブルレッグで組みついてテイクダウンを狙うと、スクランブルの攻防になってアロージョが後ろ袈裟の形で抑え込む。シウバが足を入れてガードに戻すと、アロージョは立ち上がってスタンドを要求する。

アロージョはジャブを当て、シウバの蹴り足をすくってシウバを後方にこかすと、シウバはガードポジションを取って寝技に誘う。これには乗らないアロージョがジャブと右アッパー。お互いの右ストレートが交錯し、シウバはローを蹴って前に出て、ヒジで飛び込む。アロージョはジャブと右アッパー、再びシウバの蹴り足をすくってテイクダウンするが、ここもグラウンドにはいかない。

シウバが右ストレートで前に出ると、アロージョも右カーフを蹴って、カウンターの左。これを受けたシウバは自らガードに引き込むが、アロージョは付き合わない。試合がスタンドに戻るとシウバは距離を詰めて首相撲からヒジとヒザ。シウバが左腕を差してアロージョをケージに押し込むと、アロージョが小手を巻いた状態から投げてテイクダウンし、ラウンド終了となった。ジャッジ3名とも29-28でアロージョを支持した。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC309 ハメ・ジョントップ ブログ マウリシオ・ルフィ

【UFC309】タフなジョントップに確実に効かせる左アッパー、右ストレートを入れたルフィが判定勝利

<166.2ポンド契約/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ハメ・ジョントップ(ペルー)

ライト級から165ポンド契約とウェルター級に大会契約体重となったの一戦で、さらに166.2ポンドだったジョントップ。ルフィはローをかわして、間合いを探る。ジョントップは3度連続でローをかわされ、ジャブに右を合わせようとする。ルフィはボディからカーフ、スイッチして右ミドルを蹴られる。ルフィはオーソに戻し、ジャブを差し合るとガーフを蹴る。思い切りの良い右フックを空振りしたルフィだが、場内がどよめく。ジョントップはジャブに右オーバーハンドを狙い、続く左ボディを入れる。

ワンツーから右を当てたジョントップだが、カーフに前足が流れるようになる。ジョントップの踏み込みに左をカウンターでヒットさせらルフィは、サークリングから中央を取って左リードフックを決める。右、左と単発でヒットさせたルフィが右ストレートを打ち抜く。下がったジョントップに対戦、旋回しての蹴りを見せて自爆したルフィだが、慌てず立ち上がってスピニングバックキックを繰り出した。

2R、ルフィがキャンバスに手をついて旋回ローを蹴る。ジャブ、スピニングバックフィストを見せられ右を伸ばして前に出たジョントップは、ケージに詰まったルフィに手を出せない。中央を取ったルフィは左アッパーでダウンを奪うと、パウンドの追撃へ。ジョントップはタフさを発揮して、スクランブルからケージにルフィを押し込む。離れたルフィは後ろ回し蹴り。ジョントップは前に出てミドルを蹴る。ルフィはカウンターで左を合わせ、右をテンプルに打ち込む。

足が泳いだジョントップは、それでも持ち直して前に出てパンチを繰り出す。シングルを切られて右エルボーを狙ったジョントップだが、ガードしたルフィはやや攻撃が狙い過ぎになってきたか。空振りから腰に手をやったルフィは、そのままサークリングで時間を迎えた。

最終回、頭を振って前に出るジョントップに、ルフィがジャブを伸ばす。ジョントップを右を見せて組みつき、離れ際のエルボーは空振りに終わる。それでもジャブを当てたジョントップはクリンチからヒザを突き上げる。ポイントでは絶対的に優位なルフィは、力をセーブしているか。

タイミングを測ってカウンター狙いのルフィに対し、ジョントップが距離を詰め続ける。と、ルフィが右をテンプルにヒットさせる。シングルは足が残ってテイクダウンを奪えないジョントップだが、離れ際のエルボーからインローと圧を高める。さらにジャブ、右ストレートを入れる。ここで組んだジョントップは、ケージを背負うラフィに時間が使われる。と、その距離で連打を見せたジョントップは、足使って逃れたラフィを追い続ける。

残り20秒でカウンターの左を決めたルフィは、ここから殴り合いと見せてしっかりと動きを見て時間を迎えた。結果はジャッジ3者とも29-28をつけルフィが判定勝ちを収め「試合が空いたことはストレスじゃなかった。それがプロセス。結果、MSGで戦えた」と話し、ブノワ・サンドニ戦をアピールした。。


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