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【Pancrase329】ソン・へユン戦延期、藤野恵実が話していたこと─02─「観て良かったと思える試合を」

【写真】再起戦が1カ月延期された藤野──その心境と、延期前の心意気を(C)NOBBU YASUMURA

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で、ソン・へユンと対戦予定であった藤野恵実のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

対戦予定であった……というのは、インタビュー後の本日7日(水)にパンクラスからヴィザ取得問題により──藤野×ソン・へユンの一戦を10月10日の品川インターシティホール大会へスライドすることが発表されたからだ。ここではリリース前に藤野が語っていたこと、そしてリリース後に藤野がMMAPLANETに送ってくれたコメントもお届けしたい。

<藤野恵実インタビューPart.01はコチラから>


――今年3月にベルトを失ってから6カ月、何か大きな変化はありましたか。

「別にベルトを巻いたからといって、何か環境が大きく変わったわけではないですからね。RIZINに出してもらったことぐらいかな。ベルトを獲る前と獲った後で、周囲の私の扱い方も変わらないですし(笑)。私も長くやっているから、ずっと応援してくれている人は私がベルトを失ったからって、何か変わる人たちでもないんですよね」

――周囲の対応は変わらない。ではご自分の中では……。

「それはね、あります。パンクラスのチャンピオンでいたかった。そのベルトを失ってしまったわけですから」

――藤野選手はMMAを戦ううえで、常に『自分の好きなことをやっている。MMAしかない』というふうに仰っています。ベルトを失ったことは、MMAを戦うためのモチベーションには影響を及ぼさなかったのでしょうか。

「負けて、ちょっと落ち込みましたよ。それこそ津田からも『そんじゃもう辞めたほうが良いんじゃない?』とも言われましたし。ただ、辞めるならベルトを獲り返してからだと思いました。あの試合内容で辞めるのは納得いかないし、それこそベルトが賭けられていなくてもやり返したい。そういう気持ちに切り替わりましたね」

――試合後どれくらいの期間を経て、そう気持ちが切り替わったのですか。

「1日か2日ぐらいです」

――切り替わるのが早いですね。

「もう失うものはないし。やられたから、やり返す。だから試合がしたい、とパンクラスにも伝えました」

――では練習なり日常生活なり、何か変える部分などはありますか。

「そんなにないですね。今までやってきたことに関して、より精度を上げていく。正直、今すぐ、いきなりもっと強くなることはないじゃないですか。格闘技を始めた20代の頃とは違いますから。負けたことで練習方法を見直すことはありますよ。『組んだ時に相手を抱えてしまう癖は直していかないと』って思います。でも前回負けた要因は、練習方法以前の問題なので」

――自分に負けてしまった、と。

「はい。ちゃんと作戦通りにできなかった。セコンドの指示を聞くことができなかった。それはメンタル的な問題なので。だから、余計に悔しいですよね。でもそれって、試合で取り返すしかない。だから、すぐに試合させてほしいとお願いしました。パンクラスもすぐに組むということで。ただ、タイミングが合わずに、今回9月に試合をすることになったんですけど」

――それはKAREN選手との再戦を、パンクラスにお願いしたということですか。

「再戦も含めてですね。もちろんすぐに再戦するのは難しいと思うので、『誰が相手でもすぐに試合をしたい』と伝えていました」

――その気持ちのままで6カ月を過ごすなか、早く試合をしたいという焦りはなかったでしょうか。

「焦りはなかったです。パンクラスさんは早く試合を決めてくれているので。6カ月間、何もなければ焦っていたかもしれないけど、今回の試合は結構前に決まっていましたから。まず試合をすることだけ決まって、そのあと対戦相手を見つけてきてくれたんですよ。私としては対戦相手にこだわりはなかったし、連敗している私の対戦相手を用意してくれるだけでありがたいです。『誰でもいい』、『誰とでもやる』と津田に言っていました」

――なるほど。では次の対戦相手であるソン・へユンの印象を教えてください。

「試合映像を見ましたけど、1試合しかしていないので、強いのか弱いのか分からないですよね(苦笑)」

――ソン・へユンのプロ戦績は昨年12月、韓国Double GFCで行われたキム・ソユル戦のみ。しかもその試合では、1R1分15秒、腕十字で敗れています。

「試合が始まってすぐにテイクダウンされて、腕十字を極められていましたね。あれでは彼女の実力が分からなくて。でもROAD FCに出させていただいた頃も、相手について何も分からずに試合をすることはあったので、それと同じ状態かなと思っています。試合当日に相手の構えが変わっていても、何も驚きません(笑)」

――ROAD FC時代ですか。相手はこれがプロデビュー戦だと聞いていたら、とてつもない打撃を持っていて(笑)。

「あぁ、パク・ジョンウン戦(2015年5月、判定勝ち)ですよね。1Rにアッパーを食らった時『いやいや、強いし!』って思いました(笑)。目も腫れちゃって。あの試合から思っていたんですけど、韓国の女子選手って皆が打撃ができるじゃないですか。レベルの違いはあっても、それなりにできる子が多くて」

――ソン・へユンもキム・ソユル戦では開始早々に組まれてしまいましたが、構えを見るかぎりアップライトのムエタイをやっている感はありました。

「そうなんですよ。あの試合内容と結果だけ見て、楽な相手のように言う人もいるんですけど、やってみないと分からないから。反対に研究も予想もできないし」

――そのソン・へユンを迎えての復帰戦ですが、藤野選手にとって、どのような意味を持つ試合になるでしょうか。

「前回の試合で感じた自分の弱さを克服したいです。すぐ組みに逃げるとか、逃げるようなことしない自分になりたい。自分から逃げないっていうことですね。楽な方向に逃げることは一切考えません。

この年齢になって、今から海外とか大きな舞台に行けることはないと思うんですよ。だとしたら、自分がMMAをやる意味って何かという話で――。1試合1試合、観て良かったと思える試合をする。次の試合も見たいと思ってもらえる試合をします」

■延期決定のプレスリリース後のコメント
「長年MMAをやっていて、延期という初めての貴重なアクシデントを経験できました。でも準備期間が増えることはマイナスにはならないし、試合に向けて変わらず練習するだけです。10月10日、さらに良い状態で試合に臨みます!」

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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【Pancrase329】再起へ、藤野恵実─01─「レフェリーストップ負け? 試合後には傷口が消えていました」

【写真】下はパンツ一丁だった藤野(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE329で、前ストロー級QOPの藤野恵実が韓国のソン・へユンを迎え撃つ。
Text by Shojro Kameike

今年3月、藤野はKARENにベルトを明け渡してしまった。3Rまで試合を優位に進めながら、4Rにヒジ打ちを受けてレフェリーストップ負け──あれから6カ月、復帰戦を前にまずは前回の試合から振り返ってもらった。


――今日はよろしくお願いします。

「Zoomでは見えないと思って、下はパンツ一丁ですから」

――全く必要ないセクシーパンツ宣言ありがとうございます。

「セクシーではないですから(笑)」

──試合まで1週間を切りましたが(※取材は9月5日に行われた)、とてもリラックスしているようですね(笑)。

「アハハハ、いつもと変わらないと思いますよ。さすがにキャリアも長いので、試合前も緊張することなく――普通です(笑)」

――試合前に緊張しないのは、以前から同じですか。

「フジメグさんとの試合(2010年12月30日、藤井惠に判定負け)から緊張しなくなりました。大きい大会に出たのは、あの戦極が初めてだったんですよね。ゲートから出た瞬間、楽しいなって思ったんです。こんな大きなところで試合をして、自分が好きでやっていることを観てもらえるなんて楽しいなと思って。それから緊張しなくなりました。

それまでは試合のたびに緊張が激しかったんですよ。試合前はガッチガチで。でも、戦極に出てから切り替わりましたよね」

――その変化は、試合内容や結果に影響を及ぼしたりしましたか。

「その時は負けたし、以降も結果に影響を及ぼしたことはないけど、『自分は好きなことをしているんだな』って意識が、より強くなりました」

――なるほど。そういえば前回の試合では相手のヒジ打ちを受けて大流血となりましたが、もうその傷は目立たないですね。

「それどころか、試合直後に拭いたら傷がなくなっていました」

――えっ!?

「だから試合後も『縫わなくていいよ』と言われましたね(笑)。ホントに、拭いたら傷も消えたので、どこをカットしていたのかなって思うぐらいで」

――流血は激しかったのですが、それほど深いカットではなかったのですね。ほとんどX-MENのウォルヴァリンか、エターナルズのエイジャックですね(笑)。

「……、……。左の眉毛のあたりをカットしたんですけど、私がRNCを狙われた時にグッと力を入れたら血が溢れ出て……大沢ケンジさんからは、グレート・カブキ状態だって言われました」

――……すみません、その例えが全く分からないです。

「私も見たことがないので、よく分かりません(苦笑)。だから試合後は血が出ているところを拭いたら傷もなくなって、セコンドの津田(勝憲)が来て『あれ? 傷どこなの!?』みたいな感じで言われたんですよ」

――ということは、ストップされた瞬間も意識はハッキリしていたのですね。

「『なぜ止めたの?』って感じでした。タップもしていないし。すごい出血だったよって後から聞いたんですよね。確かに試合中は、目の前に血だまりがあるのは見えたんですけど、これで止められるほどではないよなと思っていて。今は不利な体勢だから体勢を変えよう、そう思ったところでストップされたんです」

――試合はストップされる4Rまで、ポイント上でも藤野選手が有利でした。ご自身としては、考えていたとおりの展開だったのでしょうか。

「いや、作戦ともセコンドの指示とも違っていました。4Rは……ポイントは取っているけど『このままじゃ試合がつまらないな』と。ただ押し込んでいるだけの展開だったから、一本を取るとか決着させたいと思っちゃったんですよね。しっかりと実力を見せたい──そういう欲が出てしまいました」

――その欲が試合展開に影響してしまったのですね。

「そう思います。焦って組みに行ったために、クラッチが外れて上を取られてしまったので」

――そこで欲を持ったことは自分にとってマイナスだったのでしょうか。それとも欲を持ち、実際に一本決着を目指したのは良かったと思いますか。

「うーん、どうだろうなぁ……。防衛戦だから、ベルトを守らなきゃいけなかったとは思います。ただ、つまらない試合を――結果、つまらない試合になってしまったんですけどね。でも、少しでも盛り上げたい。それはどの試合でも考えています。会場まで観に来てくれる人、PPVで観てくれている人がいる。そんななかで5R、ただ押し込んでいるだけの試合をしてもなぁとは思ってしまいましたよね」

――MMAに限らず格闘技というジャンルはずっと、その境目で戦い続けてきています。勝つことと、盛り上がることの境目で。個人的には、勝つための戦いが盛り上がることこそスポーツだと思いますが。

「ポイントを取るだけなら楽だったんですよ。3Rが終わった時点で、あの展開で私がポイントで勝っている。だからずっと同じように押し込んでいけば、勝てるじゃないですか」

――しかし、違う戦い方を選んだことでベルトを失ってしまいました。

「まず本来なら、セコンドの指示通り打撃から入るべきだったんですね。でも、自分は組みに逃げてしまった。組み急いでしまった。そこは自分の弱さが出てしまったと思います。組んでポイントを取って、ごまかそうとしていたわけで。

序盤でテイクダウンできちゃったから、私の中で『この展開で勝てる』と思いました。でも途中で欲を持って、結果は負け。どちらにしても自分が集中できていなかったし、セコンドの声を聞かずに暴走してしまったんです」

――……。

「打撃ではなく組みに行ったことは、自分にとっては逃げでしかなくて。組んだら勝てる――楽な道を選んでしまった。結局、私は自分に負けたんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2022年9月11日(日)
午後2時45分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ
午後3時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
午後3時00分~ U-NEXT

■ Pancrase329対戦カード

<暫定ライト級王座決定戦/5分5R>
松本光史(日本)
アキラ(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将竜(日本)
鶴屋怜(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
宝珠山桃花(日本)

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也(日本)
松岡嵩志(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
ソン・ヘユン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
平田丈二(日本)

<バンタム級/5分3R>
TSUNE(日本)
平岡将英(日本)

<ウェルター級/5分3R>
中村勇太(日本)
林源平(日本)

<ストロー級/5分3R>
宮澤雄大(日本)
若林耕平(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
髙橋攻誠(日本)
押忍マン洸太(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
萩原幸太郎(日本)

<女子アトム級/5分3R>
沙弥子(日本)
原田よき(日本)

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