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【Gladiator020】19歳、フィリピンのヤングブラッド=ジョン・オリニド「僕は若くてハンサム、スマート」

【写真】2003年10月9日生まれの19歳。去年、高校を卒業したばかりだという(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で笹晋久と対戦するジョン・オリニド。

19歳、キャリア3勝0敗の無名のファイターは昨年12月に選手の発掘を目的として、フィリピンに渡った長谷川賢グラジエイター・タレントリレーションの目に留まった選手だ。初めて日本行き、興奮を隠せないオリニドに話を聞いた。


──もう5日後にグラジエイターで笹晋久選手と試合をします。今の気持ちを教えてください。

「凄くエキサイトしているよ。でも、自分のスキルには自信を持っている。日本の人達に喜んでもらえる試合をしたい」

──12月に長谷川賢選手がマニラを訪れ、エロルデ・ボクシングジムで練習を見学させてもらうようお願いしていたら、ククイ・エロルデさんのマネージメント配下にあるファイターが20人近く集まっており、トライアウトのような形で皆がスパーをしました。あの時、イの一番でケージの中に入ったのがジョンでした。

「とにかくこの機会を逃してたまるかって思って、スパーをした。そして日本に行く機会を得ることができた。最高の試合を日本でやってみせる。僕は若くて、ハンサム、そして頭が良い。すっごく良い試合ができる。勝利をフィリピンに持ち帰るんだ」

──19歳だと聞いています。ジョンの格闘技歴を教えてください。

「5歳の時に極真空手を始め、小学校6年生の時にテコンドーにスイッチした。極真空手では茶帯で、テコンドーは黒帯一段だよ。2020年にロランド・ディに出会い、MMAの練習をスタートした。トラディショナル・マーシャルアーツは『もういいや』と思った。MMAのように全局面の格闘技を戦いたいと思うようになっていたから。MMAの練習を始めて1年半だよ。

MMAを始めるまで柔術もレスリングも経験がなかった。でもグラップリング歴1年ぐらいで組み技のトーナメントに出るようになると、いつも良いリザルトを残せた。僕にはグラップリングの才能があったんだ」

──元UFCファイターのディはパンチャーですが、組み技に課題があったファイターという印象が残っています。

「僕らのジムにはヤコブ・ミロスワ・ビルコというポーランド人の柔術コーチがいて。彼はブルータルポリッシュ柔術という自分のチームも持っている。他にもレスリングにはチーム全体で凄く力を入れているし、僕には多くのスタイルにアダプトでいる能力が備わっているんだ。どんなファイティング・スタイルでも戦うことができる」

──今回、初めてファイトウィークに飛行機の旅をして、異国で計量が待っています。その辺りに不安はないですか。

「ないよ。今70キロか71キロあるけど、減量は全く心配していない。日本に着いてからしっかりと体重を落とせるよ。多くの水抜きが必要? そうだね、僕は大きいからね。でも大丈夫、筋肉量も多いからドライアウトに適している」

──対戦相手の笹選手について、どのような印象を持っていますか。

「1カ月前にこの試合が決まってから、試合をチェックした。僕より経験があることは確かだし、その点は尊敬している。でも、凄く普通の選手だ。全てにおいて平均的で。打撃はそれほどでなく、体が強い。でも、レスリングもそれほどじゃない。ただし、僕が日本のMMAが大好きな要因であるビッグハートの持ち主だ。精神力が凄い。技術面に関しては、僕の方が上だという自信がある。彼とは違うレベルにあると思っている。

とにかく今回、グラジエイターが僕を日本に呼んでくれることに感謝している。僕らは海外で試合がデキる機会はほとんどない。将来、国際的な大きな大会で戦いたいと思っているから、ここで国際戦と海外遠征という経験をさせてくれて本当に嬉しい。僕はグラジエイターからレガシーを創り始める」

──ではジョンのMMAファイターとしての夢は?

「今はグラジエイターのベルトが欲しい。そこからステップアップを果たし、最終的にはUFCで戦いたい」

──ONEはフィリピンでもあれだけのファンを集めていますが、ジョンの夢はUFCなのですね。

「ONEはもうエドゥアルド・フォラヤン、ジョシュア・パシオをはじめとするフィリピン人のチャンピオンが何人もいた。でもUFCは違う。マーク・ストリーグル、コーチのロランド・ディはUFCで結果を残せなかった。

僕はフィリピ人として結果を残したい。名誉とかどうでも良いんだ。レガシーを残したい。僕のヒーローはGSP、ジョン・ジョーンズ、ジョゼ・アルド、コナー・マクレガーだった。彼らが戦っていたUFCで、僕も戦いたいんだ。

それとONE Warrior Series PHで戦ったけど、あのハイドレーションのある計量方法は僕には合わない。あれじゃ戦えない。僕にとってバンタム級は135ポンドであって、145ポンドじゃないんだ。減量は、全く苦でないから」

──では日本のファンに一言、お願いします。

「日本のファンはササの応援をすると思うけど、ゴメンナサイ。この試合は僕が勝つ。ただ爆発力があって、豪快な試合をして皆に楽しんでもらうことを約束するよ」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Special】フィリンピンMMAを知る。ククイ・エロルデ、ボクシング一大ファミリーがMMAに進出

【写真】日本で戦いたいと集まったフィリピンの無名ファイター達。後列右から5人目がオリニド。10代や20代のファイターに混ざって、PXCやBRAVE CFで戦っていた40歳のレックス・デララ(後列左から5人目)の姿も見られた(C)MMAPLANET

22日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR020にフィリピンからジョン・オリニドが来日し、笹晋久と対戦する。

フィリピンはチーム・ラカイのONEでの台頭以来、アジアで最高のポテンシャルを持った国と言われて久しい。オリニドはグラジのタレントリレーションに職に就いた長谷川賢が、12月に行ったフィリピンMMA視察で発掘したキャリア3勝0敗のファイターだ。

この場を彼に提供したのが、ククイ・エロルドという女性マネージャーだった。

長谷川のMMAの練習を見学したいという要望に、自らがマネージメントする選手を18名も集め、さながらトライアウトのようなスパーリングが見られた。ククイ・ラロルデ女史はフィリピンの英雄的ボクサー=1960年代WBAジュニアライト級王座を10度防衛戦したガブリエル・フラッシュ・エロルデの末娘で、母ローラさんの跡を継ぎ20のボクシングジムを経営し、同時にプロモートとマネージメント業を行ってきた。

メトロマニラ、パラニャケにあるエロルデ一族の拠点エロルデ・スポーツセンターを訪ねると、そこは一族が運営する建物にはボクシングジム、会議場を使用したボクシング会場だけでなく、闘鶏という賭博場も備えたスポーツ・コンプレックスだった。

フィリピンMMA界の今──をプロモーター&マネージャー、ファイター、そして指導者の目から伝えたい。ムエタイに続きMMAファイターのマネージメントも始めた──フィリピンの一大ボクシングファミリーを牽引するククイにフィリピンMMAの現状を尋ねた。


──素晴らしいトライアウトを開いてくれてありがとうございます。初対面のククイさんに、MMA畑の人間として尋ねさせていただきます。ボクシングリングが2つ、ケージが一つというジム、闘鶏場、ボクシング会場となる会議場のあるエロルデ・スポーツセンターという拠点を持つ……一体、ククイさんは何者なのでしょうか。

「私はフィリピンでボクシングのプロモーターライセンスとマネージャーライセンスを持っていて、このファミリービジネスを母から受け継いで20年になるわ」

──そのククイさんが、なぜMMAファイターを集めることができたのでしょうか。

「私は今ではMMAファイターとムエタイという分野にも手を広げていて。アマチュアMMAのプロモートもしているの。でも本当の意味でプロフェッショナルのMMA興行は、ここフィリピンではONEチャンピオンシップぐらいで。

ONEがずば抜けていて、URCCや他のプロモーションを圧倒している状態ね。イベントプロモーターは多いの。でも、MMAの大会は決して多くないのが現状よ」

──MMAファイターの成長には試合経験が大切になってきますが、それほどフィーダーショーとなるローカルの大会数は多くないということですね。

「そうなの。大会は多くないわ」

──それはコロナが影響しているのでしょうか。コロナ前はもっと盛んにローカルショーが行われていたと記憶しています。

「そうなの。Covidの影響で、MMAプロモーションは減ってしまって。ボクシングプロモーションだけが、以前のように活動している状態ね」

──そういうなかでMMAファイターをマネージメントとしており、どのようなプロモーションに選手を送り込もうと思っているのでしょうか。

「それはUFCであり、ONEチャンピオンシップね。そして今日の機会をきっかけに日本、グラジエイターで選手を戦わせたいと考えているわ」

──ククイさんはまだMMAのマネージメント業を始めたばかりなのですか。

「イエス。でもボクシングのマネージメントは20年間やってきたわ。WBCアジアン・カウンシル・コンチネンタル・ライト級王者ジュレス・ビクトリアーノやアーネル・バコンナジェをマネージメントしているし、WBAアジア・スーパーフェザー級とIBFアジア・スーパーフェザー級王者のチャーリー・スアレス……14連勝0敗のスアレスも私の選手よ」

──スミマセン、ボクシングには知識がなくて……。

「12月11日に大阪で行われたThe Heatという大会にもロニー・バルドナドとクライデ・アザルコンを出場させたわ。日本には何度も行ってるし、ジョー小泉さんとは色々と一緒にやってきたわ」

──おお、ジョー小泉さんなら私も分かります。そんなククイさんから見て、ボクシングと比べて、フィリピンのMMAの現状はいかがでしょうか。

「ファンベースでいえばMMAの方がボクシングより大きいわ。先日のONEチャンピオンシップでも会場は満員のファンが訪れていた。ボクシングにはあれほどのサポーターはいないわ」

──本当ですか!!

「そうよ。ボクシングの会場には、あんなに多くのファンは集まらないから」

──その要因はどこにあると思われますか。

「私が想うにはファンはもっと血生臭さを求めているんじゃないかしら。そう、そういう戦いをボクシングの代わりに見たがっていると思う」

──コンテンダー目線でいえば、若い人々はボクシングとMMA、どちらに興味を持っていますか。

「私たちは20のボクシングジムを持っていて、そこにはMMAとキックボクシング、ムエタイのクラスもあるわ。そして若い人達はMMAが一番好きね。ボクシングよりも、MMAの方が人気はあるわ。

ボクシングよりMMAの方がエキサイティングなようね。パンチだけでなくキックもあって、レスリングもあるから。若い選手はエキサイティングなMMAの練習をする方が多くなっているのが事実ね」

──なるほどぉ。米国ではMMAの勃興期に、ボクシング界はアスレチックコミッションと共にMMAを締め出しました。ボクシングの歴史が長いフィリピンで、そのような動きは見られないでしょうか。

「フィリピンではボクシングコミッションが、MMAコミッションの役割も果たしているから、コミッションは1つ。だから、そういう問題は起こりえないでしょうね。ボクシングもMMAもプロフェッショナルで戦うには、18歳になって正式にライセンスを手にする必要があるわ」

──今日は色々とフィリピンの現状を話していただきありがとうございました。ところで、フィリピンンには闘鶏があります。もちろん、賭けの対象です。ではボクシングやMMAでも賭けは行われているのでしょうか。

「イリーガルで、ね。闘鶏は国から認められている賭け事だけどね。ここでもやっているように」