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DEEP MMA o UFC キック トニー・グレーブリー

UFC294:第6試合・ジャビッド・バシャラート vs. ビクター・ヘンリー

バンタム級

アフガニスタンのバシャラート兄弟の兄ジャビット。兄はMMA14戦・UFC3戦全勝、同じバンタム級の弟はMMA11戦、UFC2戦全勝と兄弟で無敗を継続している。7歳の時に内戦が続くアフガンを一家で離れ、ロンドンに移住。コンテンダーシリーズまでは全試合フィニッシュしているが、UFCでは無理にフィニッシュを狙わず、堅実な戦いぶりでリスク回避し、3連勝だがすべて判定。そのためか、今回もランカーへの挑戦権は得られず。28歳。

元DEEP王者ヘンリーは急遽決まったUFCデビュー戦で、ランキング目前の強豪・ラオーニ・バルセロスに判定勝ち。2戦目は元トップランカーのハファエル・アスンサオと対戦。しかしスタンドで前には出るが手が出ない展開で、4連敗中のアスンサオに三者フルマークの判定負け。アスンサオは結局次の試合で負けて引退したことを考えると、つまづいてはいけない相手だった。3月の前戦は、前の試合でバシャラートに敗れているトニー・グレーブリーで、2Rに打撃の手数で上回ったものの、3Rに疲れで失速。それでも手を出し続けたのが功を奏し、スプリット判定勝ちでUFC戦績を2勝1敗とした。本来は先月バシャラート戦が組まれていたが、ヘンリーの欠場でバシャラートの生まれ故郷の中東での試合に変更になってしまった。36歳。

長身のバシャラートがプレスする。ヘンリーのローでバランスを一瞬崩した。バシャラート左右のロー。ヘンリーのローにワンツー。詰めながら蹴りを入れるバシャラート。ジャブ。ヘンリー出てきた。スイッチしながら左ハイ。ミドルをキャッチしたヘンリーだが放した。逆にバシャラートがヘンリーのローをキャッチしてテイクダウン。スクランブルで逃れようとするヘンリー。バックを取られたが立った。ケージで正対。投げを狙うヘンリーだがこらえる。バシャラート膝を入れて離れた。バックスピンキック・関節蹴りを入れるバシャラート。残り1分。詰めるヘンリーに蹴りを入れる。ヘンリーもローを返す。四つに組んだヘンリー。ケージまで下がってこらえるバシャラート。入れ替えて膝を入れた。ホーン。

1R手数でややバシャラート。

2R。バシャラートのインローがローブローに。ヘンリー倒れ込んで悶絶。相当ハードに当たったのか、のたうち回っているヘンリー。3分すぎてようやく立ち上がったが、まだ苦しそう。インターバル5分経過しても戦えないとのことで試合終了。ノーコンテスト

残念。リマッチはあるか。

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MMA MMAPLANET o UFN221 キック トニー・グレーブリー ハオーニ・バルセロス ビクター・ヘンリー ボクシング

【UFN221】至近距離の打撃、ギリギリのスクランブル戦でビクターが魂のスプリット勝利

<バンタム級/5分3R>
ビクター・ヘンリー(米国)
Def.2-1:30-27.29-28.28-29
トニー・グレーブリー(米国)

鋭い左ミドルを見せたグレーブリー。ヘンリーは蹴りを捌かれ、ローを蹴られる。さらに右を当てたグレーブリーに対し、ヘンリーは右前蹴りを2発見せる。左ローを蹴られ、ダブルジャブで前に出たヘンリーがカーフ、そして右を当てる。三日月を繰り出したヘンリーは、テイクダウン狙いをしっかりと切って右を見せ、ハイにつなげる。グレーブリーもカーフからパンチにつなげ、ヘンリーが姿勢を乱す。

右を見せ左ロー、ダブルでケージにヘンリーを押し込んだグレーブリー。一度は入れ替えられるも押し込み返し、相四つからヒザを入れエルボーを狙って離れる。ワンツーのグレーブリー、アッパーを狙うヘンリーがサイドキックを繰り出す。ダブルジャブで距離を詰めるヘンリー、グレーブリーが頭を下げて右を振るう。ヘンリーのローに右を合わせたグレーブリーが、残り50秒でダブルレッグで尻もちをつかせスクランブルでバックへ。上腕にエルボーを入れてグリップを剥がしに掛かるヘンリーだが、グレーブリーはリフトから前方にスラム。ヘンリーはキムラ&投げを打ち時間に。初回はグレーブリーが取った。

2R、前蹴りから左ミドル、パンチを入れたヘンリーは左フック、三日月と攻め込みダブルレッグを切る。離れて蹴り、さらに右ストレートから左を決めたヘンリーが腹を蹴るが、グレーブリーもパンチで前に出る。腹を効かされた感のあるグレーブリーは、蹴りをキャッチしてクリンチへ。ケージに押し込んだヘンリーがダーティーボクシング、そしてヒザをボディに突き刺す。エルボーは空振りもパンチから前蹴りを入れたヘンリーだが、ダブルレッグで倒されバックを許す。

キムラを切ったグレーブリーが後方から殴り、ヘンリーはここもキムラへ。胸を合わせたヘンリーが近い距離でショートのコンビから前蹴り、ヒザを2度決めてエルボーを打ちこむ。さらにヒザをボディに決め、ダブルレッグを切ったヘンリーは三日月で追い込む。右を返したグレーブリーは、ダブルレッグもテンプルにエルボーを連打されて一瞬、ヒザをつく。必死のスプロール、ウィザーでテイクダウンを切ったヘンリーが、ボディにヒザを突き刺し、グレーブリーがエルボーで反撃して時間に。ヘンリーが取り返した。

最終回、すぐに距離を詰めたヘンリーは三日月からパンチ、右ハイを見せる。グレーブリーはダブルレッグを切られ、右から左を被弾する。それでもパンチを振るい、ダブルレッグへ。ヘンリーはこれも切ったが、左でアゴを打たれる。ヘンリーは近い距離のパンチの交換で腹を殴るが、顔面を殴られエルボーを被弾する。至近距離の殴り合いで、グレーブリーは間合いを取り直しダブルレッグも、切られてヒザを受ける。ヘンリーも疲れ、グレーブリーが逆に首相撲からヒザを狙う。それでもヘンリーがジャブから右を決め、盛り返すとヒザをボディに決め、エルボーを放つ。グレーブリーもコンビから右を当て、ダブルレッグへ。前転から足を狙うヘンリーがヒール、そしてヒザ十字へ。

殴られても足を外さないヘンリーが、再びヒールに切り替えようとしたところで上を取ったグレーブリーが肩固めへ。後方回転でスクランブルに持ち込んだヘンリーは、シングル狙いからワキを潜ってバックに回る。足をフックできず、着地したヘンリーにエルボーを決めたグレーブリー、ヘンリーもボディを殴りクリンチ。最後はケージに押し込まれたところで時間になり、両者、力を使い果たす消耗戦を称え合った。

結果、スプリットに割れた勝負はビクター・ヘンリーが競り勝ち、「十分じゃない。もっと自分に期待していた。トニー・グレーブリーを認めた上で、もっとできると思っていた。練習でスタミナをつけ、前回の試合とは違いハオーニ・バルセロス戦が僕の真の姿、フロックじゃないと見せたかった」と話した。


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ABEMA JJ・オルドリッチ MMA MMAPLANET o UFC UFN221   アレキサンダー・ヴォルコフ アントン・トゥルキャリ カールストン・ハリス カール・ウィリアムス グイド・カネッティ サイド・ヌルマゴメドフ ジャビッド・バシャラット ジャレッド・グッデン ジョナサン・マルチネス タイソン・ナム デイヴィー・グラント トニー・グレーブリー ニキータ・クリロフ ハオーニ・バルセロス ハファエル・アスンソン ビクター・ヘンリー ピョートル・ヤン ブルーノ・シウバ ペドロ・ムニョス マラブ・デヴァリシビリ マリオ・バウティスタ ヴィトー・ペトリーノ 巌流島

【UFN221】脱プレリミ、トニー・グレーブリー戦前のビクター・ヘンリー「何も失っていない」

【写真】とにかく何かをしてくれようとするビクター・ヘンリー、35歳(C)MMAPLANET

11日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルで開催されるUFN221:UFN on ESPN+79「Yan vs Dvalishvili」でビクター・ヘンリーが、トニー・グレーブリーと戦う。

ハオーニ・バルセロス戦の勝利から、ハファエル・アスンソンでの判定負けと、UFCの厳しさを実感したビクターは、年末には師ジョシュ・バーネットの巌流島での試合に帯同し、約3年振りの来日を果たした。

念願のゴーゴーカレーを始め、日本の食事を堪能したビクターはアスンソン戦の敗北を経て、今回の試合にどのような心境で臨んでいるのかを尋ねた。


──ビクター、今週末にトニー・グレーブリーとの対戦が控えています。その前に前回のハファエル・アスンソン戦について振り返って頂けますか。フィジカル勝負でなく距離、間合いを自分のモノとしてアグレッシブに戦うビクターが、フィジカルが強いアスンソンの術中にハマったようにも感じました。

「フィジカルが要因でなく、攻め手が見つけられなかった。下がって戦うアスンソンの戦い方が、しっかりとハマったような感じで。何かが起きる──そんな試合にできなかった。彼は自分がどうすれば勝てるのか、しっかり理解していたようだ。以前はあんな風に戦うことはなかったけど、ああいう戦い方に活路を見出したんだろう。初回に拳をやってしまって右が使えなくなったのは確かだけど、それが敗因じゃない。言い訳にはならないよ。

なんせ、アスンソンは僕の攻撃が届かない遥か遠い場所に居続けていたからね。以前はあんな風に戦わず、もっと攻めてくるファイターだったから、ああいう戦い方をされて……ハメられてしまった。良い経験になったよ」

──格闘家として、ビクターは常にフィニッシュを狙いファイトをしてきました。そうしたくない相手に対しても、自分の戦い方ができていたのが前回はできなかった。それがUFCということでしょうか。

「そういう相手に勝つ解決策は、強くなることだけだからね。アスンソンは自分のゲームプランに僕をはめ込み、僕はできなかった。だから今週末の試合は、自分の戦いをして再び上を狙えるようになりたい。いつまでもプレリミに居座るのではなくて、トップを目指したいからね。アスンソンと戦い、僕も変化が必要だと教えてもらったよ」

──アスンソン戦の負けから、今回の試合の間にジョシュ・バーネットの巌流島での試合のために日本に滞在していましたが、リフレッシュはできましたか。

「もちろん。コロナ後、初めて日本に行くことができたんだから。ジョシュにも『日本で戦うなら、俺も行く』って伝えていたんだ。チケットが用意されなくても、自分で買っても行くつもりだった。

ホント、日本では食べまくったよ(笑)。まずはゴーゴーカレーに行ってね」

──アハハハ。ようやく念願が果たせましたか。来日が途絶えていた間、インタビューするたびにゴーゴーカレーの話題になっていましたからね(笑)。

「アハハハ。本当だ。ゴーゴーカレーだけじゃない、いきなりステーキも行ったよ。これまで試合に日本に行くと、ファイト後の1日しかそういう食事ができなかった。でもこないだは1週間、食べ続けることができたんだ(笑)」

──そんなことしたら太ってしまったのではないですか。

「その通りだよ(笑)。日本で4キロは太った」

──えぇっ!! ダメじゃないですか(笑)。

「ゴーゴーカレー、いきなりステーキ、ヤキニク、ファミマでチキンを食べた。アイスクリームもね。それに新年には初詣に行って日本のスタンドフードを食べまくったよ(笑)。タコヤキ、ヤキソバ、次から次へと食べた。

で、帰国して自分の体を見てスイッチが入った。さぁ、練習だって(笑)。減量が始まってからは日本のオイシイ食事のことばかり考えている(笑)。また食べたいってね。まぁ、あと5キロ(※取材は米国時間の8日に行われた)。問題ないよ」

──ではトニー・グレーブリーの印象を教えてください。

「手は合うと思う。でも、彼もアスンソンのような戦いをしてくるかもしれない。今回こそ、僕の戦いに彼を付き合わせないといけない。ひょっとしたら僕がアスンソンのような戦いをすることもあるだろう。

トニー・グレーブリーはATTという素晴らしいジムで、キョージ・ホリグチ、ペドロ・ムニョスらと準備をしてきた。それだけの練習をして、30戦以上の試合経験がある彼は僕と同様に経験不足ということは一切ない。そんな彼と戦うのだから、僕もしっかりとアジャストをして自分の試合をしなければならない」

(C)Zuffa/UFC

──トニー・グレーブリーも前回の試合で、ジャビッド・バシャラットに思うような試合ができず判定負けを喫しています。

「初回はトニー・グレーブリーがテイクダウンを奪ってモノにしたと思ったけどね。ただし、バシャラットのアジャストが良かった。長身とリーチを生かし、自分の距離で戦うようになった。バシャラットは180センチ近くて、バンタム級では背が高い。僕とは体形が違うけど、彼がやったようなこともできる。あんな風に自分の距離をキープし、相手の動きを封じ込むことを自分の戦い方でやり遂げることは可能だよ、でも彼のように足を使って戦うのではなく真っ向勝負でも、彼を封じ込める」

──バシャラットも上の相手と戦いたいと熱望していましたが、この層の厚いUFCバンタム級戦線ではなかなか上位と戦えない。そんな群雄割拠の状態から抜け出すために、今回の試合も含めどのような戦いをしてアピールしようと考えていますか。

「ハオーニ・バルセロスと戦った時のままだと証明したい。何も失っていないし、あの時と同じだけの技量があり……あの時以上に強くなっている。しっかりとバンタム級タイトル戦線に割って入るよ」

──ではビクターの復活を期待してやまないに日本のファンに一言お願いします。

「ハロー。日本の皆の応援に、いつも感謝している。日本に少しでも早く戻って、ゴーゴーカレーを食べるよ。もう、そのことで頭はいっぱいだ」

──それでもゴーゴーカレーですか。今度、スポンサーしてもらえるよう交渉してみてはどうですか(笑)。

「ゴーゴーカレーは、MMAじゃなくて野球を応援しているんだよ(※野球教室を開き、炊き出しを行っている)」

■視聴方法(予定)
3月12日(日・日本時間)
午前5時00~UFC FIGHT PASS

■UFN221計量結果

<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン: 136ポンド(61.69キロ)
マラブ・デヴァリシビリ: 134.5ポンド(61.0キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ: 258ポンド(117.02キロ)
アレクサンドル・ロマノフ: 264 ポンド(119.74キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニキータ・クリロフ: 213ポンド(96.61キロ)
ライアン・スパーン: 213ポンド(96.61キロ)

<バンタム級/5分3R>
サイド・ヌルマゴメドフ: 136ポンド(61.69キロ)
ジョナサン・マルチネス: 135.5ポンド(61.46キロ)

<バンタム級/5分3R>
マリオ・バウティスタ: 136ポンド(61.69キロ)
グイド・カネッティ: 136ポンド(61.69キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴィトー・ペトリーノ: 204ポンド(92.53キロ)
アントン・トゥルキャリ: 205ポンド(92.99キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ウーカシュ・プジェスキ: 245ポンド(111.13キロ)
カール・ウィリアムス: 240.5ポンド(109.08キロ)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン: 136ポンド(61.69キロ)
デイヴィー・グラント: 136ポンド(61.69キロ)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ: 184.5ポンド(83.68キロ)
ジョシュ・フレムド: 186ポンド(84.37キロ)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー: 136ポンド(61.69キロ)
ビクター・ヘンリー: 136ポンド(61.69キロ)

<女子フライ級/5分3R>
JJ・オルドリッチ: 125.5ポンド(56.92キロ))
アリアニ・リプスキ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フライ級/5分3R>
タイソン・ナム: 125.5ポンド(56.92キロ)
ブルーノ・シウバ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ウェルター級/5分3R>
カールストン・ハリス: 169.5ポンド(76.88キロ)
ジャレッド・グッデン: 177ポンド(80.28キロ)

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ABEMA JJ・オルドリッチ MMA MMAPLANET o UFC UFN221   アルジャメイン・ステーリング アレキサンダー・ヴォルコフ アントン・トゥルキャリ カールストン・ハリス カール・ウィリアムス グイド・カネッティ コリー・サンドハーゲン サイド・ヌルマゴメドフ サイード・ヌルマゴメドフ ショーン・オマリー ジャレッド・グッデン ジョナサン・マルチネス タイソン・ナム デイヴィー・グラント トニー・グレーブリー ニキータ・クリロフ ハファエル・アスンソン ビクター・ヘンリー ピョートル・ヤン ブルーノ・シウバ マラブ・デヴァリシビリ マリオ・バウティスタ ヴィトー・ペトリーノ 中村倫也 風間敏臣

【UFN221】計量終了 今、Must Watch=メインのヤン×デヴァリシビリを始め、バンタム級5試合

【写真】マラブの突進力とヤンの技術の激突(C)Zuffa/UFC

11日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルで開催されるUFN221:UFN on ESPN+79「Yan vs Dvalishvili」の計量が10日(金・同)に行われている。

フェザー級でオースチン・リンゴと対戦予定だったヒカルド・ラモスが、1ポンドオーバー規約より8ポンドも重い154ポンドとライト級と変わらない状況で、この試合はキャンセルされた。

そんな今大会、メインのピョートル・ヤン×マラブ・デヴァリシビリを始めバンタム級の試合が5試合組まれており、さながらバンタム級祭りの様相を呈している。UFCでも最も激しい戦いが繰り広げられている同階級、5月6日には世界王者アルジャメイン・ステーリングが、復帰するトリプルCことヘンリー・セジュードの挑戦を受けることで、果てしないほど質&量が上がっている。


世界王者ステーリングとショーン・オマリー戦で2連敗を喫したとはいえ、2試合ともスプリット判定負けと今も世界が視野に入っているヤンに対し、デヴァリシビリは現在8連勝中でタイトル挑戦権を手にするための戦いに挑む。

蹴りを交えた遠近両用の打撃と、絶妙な足払いを持ち合わせたテイクダウン能力を誇る元世界王者ヤン。フィジカル的にはUFCでは平均値だが、スピード……反応力とタイミングはトップ中のトップといえる。対して、デヴァリシビリは打撃にしても最大の武器といえるテイクダウンにしても、それほどテクニカルではない。

ただし、このテイクダウンを軸にした荒い打撃とねちっこいコントロールは常に高い圧力を誇り、無限のスタミナで削り続けてくる。技術力では完全にヤンだが、圧に負けなくても対応するだけで削られることも十分にあり得る。優勢でも劣勢でも、終盤はデヴァリシビリの追い上げを覚悟しないといけないヤンは、序盤の3Rを如何に取るのかが大切になってくる。

メインカードで組まれたバンタム級戦は他に2試合。

サイド・ヌルマゴメドフ✖ジョナサン・マルチネスに加え、上記のフェザー級戦の不成立でマリオ・バウティスタ戦が昇格した。オクタゴン6勝1敗、回転系の蹴りとパンチを多用し、効かせたあとの集中打とパウンドが迫力満点のサイドに対し、マルチネスはUFCで8勝3敗、バンタム級とフェザー級の両階級で戦い、現在は4連勝中だ。

サウスポーのマルチネスの特徴は、とにかく動きが柔軟なことだ。柔軟な肩回りは独特のリズムのパンチを繰り出し、接近戦でも繰り出すことができる左ハイとパンチのコンビネーションを多用する。打撃戦ならサイドに遅れを取らないといっても過言でないマルチネス。その主武器である左の蹴りをキャッチされた場合、もしくはサイードのここ一番のテイクダウンの強さを如何に対処できるか。ウマルの陰に隠れた感のある──もう1人のヌルメゴメドフ=サイドとの戦い、マルチネスが勝利を手にするには組みの攻防が鍵となる。

そしてメイン昇格なった一戦。

トレヴィン・ジョンスにまさかのパウンドアウトを去れた以外ではコリー・サンドハーゲンに対して黒星のみ、11勝2敗のバウティスタは跳びヒザや後ろ三角から腕を伸ばしたサブミッションなど特徴点な勝利を挙げているファイターだ。これらの動きは基本となる打撃、テイクダウン、柔術という3つの要素がアベレージで高いバウティスタが、UFCという舞台でそれ以上の動きを見せた勝ち方だった。サウスポーのパンチャー、2連勝で調子を戻しているカネッティーとはグラップリングでは差があるように感じられるが……果たして。

プレリミで組まれたハファエル・アスンソン×デイヴィー・グラント、そのアスンソン戦の敗北から再起を図るヴィクター・ヘンリーとトニー・グレーブリーのマッチアップという2試合。

これだけの猛者が登場しながら、メインの両者以外でランカーは14位のサイード・ヌルマゴメドフのみ。世界の頂の高さを見せつけるUFCバンタム級戦線。中村倫也、風間敏臣がその戦いの輪に加わるからこそ、目を皿にしてチェックする必要がある──マスト・ウォッチの戦いの数々だ。

■視聴方法(予定)
3月12日(日・日本時間)
午前5時00~UFC FIGHT PASS

■UFN221計量結果

<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン: 136ポンド(61.69キロ)
マラブ・デヴァリシビリ: 134.5ポンド(61.0キロ)

<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ: 258ポンド(117.02キロ)
アレクサンドル・ロマノフ: 264 ポンド(119.74キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニキータ・クリロフ: 213ポンド(96.61キロ)
ライアン・スパーン: 213ポンド(96.61キロ)

<バンタム級/5分3R>
サイド・ヌルマゴメドフ: 136ポンド(61.69キロ)
ジョナサン・マルチネス: 135.5ポンド(61.46キロ)

<バンタム級/5分3R>
マリオ・バウティスタ: 136ポンド(61.69キロ)
グイド・カネッティ: 136ポンド(61.69キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴィトー・ペトリーノ: 204ポンド(92.53キロ)
アントン・トゥルキャリ: 205ポンド(92.99キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ウーカシュ・プジェスキ: 245ポンド(111.13キロ)
カール・ウィリアムス: 240.5ポンド(109.08キロ)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン: 136ポンド(61.69キロ)
デイヴィー・グラント: 136ポンド(61.69キロ)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ: 184.5ポンド(83.68キロ)
ジョシュ・フレムド: 186ポンド(84.37キロ)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー: 136ポンド(61.69キロ)
ビクター・ヘンリー: 136ポンド(61.69キロ)

<女子フライ級/5分3R>
JJ・オルドリッチ: 125.5ポンド(56.92キロ))
アリアニ・リプスキ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フライ級/5分3R>
タイソン・ナム: 125.5ポンド(56.92キロ)
ブルーノ・シウバ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ウェルター級/5分3R>
カールストン・ハリス: 169.5ポンド(76.88キロ)
ジャレッド・グッデン: 177ポンド(80.28キロ)

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o UFC トニー・グレーブリー

UFC283:第1試合・サイモン・オリヴェイラ vs. ダニエル・マルコス

バンタム級

オリヴェイラはほぼ1年前の1月22日にUFCデビューしたが、UFC2勝2敗のトニー・グレーブリーに3Rで11回もテイクダウンを奪われて完敗。初戦を見る限りUFCでは厳しいが。

マルコスはペルー出身・在住。昨年9月のコンテンダーシリーズで勝利してUFCと契約。ここまで13戦全勝の29歳。ペルーのプロモーション・300スパルタのバンタム級王者。コンテンダーシリーズでは打撃でリードしての判定勝ちで、キャリアで一本勝ちはなし。

オリヴェイラが打撃で出ていく。タックルへ。ケージに押し込んだ。入れ替えて離れるマルコス。オリヴェイラ距離を詰めて低空タックル。切ったマルコスだがまたケージに押し込むオリヴェイラ。離れ際にバックブローを打ち込んだオリヴェイラだが、マルコスがプレスしてボディブロー。オリヴェイラ前に出て飛び膝からまたタックルへ。ケージでこらえるマルコス。また離れた。残り1分。バックブローを連発するオリヴェイラだが、マルコスブロックしてまた出ていき、ケージに詰めてパンチを入れる。今度はマルコスが組んだが、入れ替えてタックルに入るオリヴェイラ。しかし切ってパンチを打ち込む。ホーン。

1R打撃のヒット数はほぼ五分。オリヴェイラがケージに押し込んでいたコントロールを取るか、テイクダウンを防いでいたということでマルコスに入れるかは微妙。

2R。またバックブローを放つオリヴェイラだが、マルコスのパンチがかすめてバランスを崩す。立ったところにミドル。腹が効いた。下がるオリヴェイラ。マルコス追いかけて左右のパンチから右ハイを入れる。またミドル。さらにボディ。明らかに嫌がった。ボディにテンカオからパンチを入れ、さらにテンカオを入れるとオリヴェイラ嫌倒れ。亀になったオリヴェイラにマルコスがパウンドを落とすとレフェリーストップ。

マルコス、タックルをすべて切って打撃を効かせての勝利。

グラウンドに持ち込みたかったオリヴェイラだが、タックルを仕掛けても倒せる気配が全く無かった。久々のブラジル大会で地元勢の勝利ならず。

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UFC on ESPN+75:第6試合・ジャビッド・バシャラート vs. マテウス・メンドンサ

バンタム級

バシャラートはアフガン生まれ・ロンドン育ちで、現在はベガスのエクストリーム・クートゥア所属。ローカル時代~コンテンダーシリーズまで全試合フィニッシュ勝利でUFCと契約。昨年3月のデビュー戦ではトレヴィン・ジョーンズ相手に初の判定となったが勝利。2戦目はD-1レスラーのトニー・グレーブリーに組みでも上回っての判定勝ちで2連勝とした。さらに上位~ランカーとの対戦が期待されたが、今回はコンテンダーシリーズ上がりのメンドンサの相手を務める。

昨年9月のコンテンダーシリーズでパンチでダウンを奪った後の鉄槌でKO勝ちしたメンドンサ。こちらも10戦全勝でキャリア無敗。シュートボクセ・ディエゴ・リマ所属。まだ23歳。UFCデビュー戦ながら、いきなりプレリムメインに抜擢された。

いきなり詰めてくるメンドンサ。ハイ。ケージ際をサークリングするバシャラート。メンドンサタックルに。テイクダウンを防いで離れたバシャラートだが、すぐに打撃で出ていくメンドンサ。カーフキックでスリップダウンしたバシャラートだがすぐ立つ。メンドンサセンチャイキック。メンドンサのタックルは切ったバシャラート。右を入れた。次第にメンドンサの圧になれてきたバシャラート。左をヒット。メンドンサ組み付いてボディロック。テイクダウン。すぐ立ったバシャラートだがスタンドバック。そのまま引き込んだメンドンサだがバシャラート立った。引き剥がし離れるとバシャラートバクスピンキック。ワンツー。いいタイミングでシングルレッグに入ったバシャラートだが倒せず。ジャブを当てるバシャラート。またシングルレッグ。テイクダウン。背中を向けた面倒さにパウンド。立ったところに肘。さらにハイ。ホーン。

1Rバシャラート。

2R。またすぐに出ていくメンドンサ。ケージまで下がらせる。サークリングして逃れたバシャラートだが、メンドンサタックル。倒されかけたが立ったバシャラート。なおもシングルレッグを狙うメンドンサにブラウン肘。引き剥がした。右を当てたバシャラート。メンドンサちょっと疲れたか?またタックル。がぶって耐えるバシャラート。切った。目を押さえているメンドンサ。アイポークアピール?レフェリー止めず。バシャラートタックル。メンドンサ倒された。ギロチンにかかえていたが首を抜いて外したバシャラート。ハーフで押さえ込む。肘連打。足を狙うメンドンサだが、バシャラート回転してはずすとパスを狙う。足が抜けてマウント。ハーフに戻したメンドンサだが、背中をべったり付けてしまっている。メンドンサ足関を狙うが、膝が抜けている。ホーン。

2Rバシャラート。

3R。バシャラートが蹴りを入れていく。メンドンサは前に出る圧が弱まっている。サークリングして入ってくるところにパンチを入れたバシャラート。パンチで出るメンドンサだがヒット率が低い。バシャラートの右がヒット。メンドンサタックル。切られた。パンチ・テンカオを入れるバシャラート。飛び込んで大外刈りを狙ったバシャラートだが、受け止めてボディロックにしたメンドンサ。ケージまで移動しこらえるバシャラート。投げを放つメンドンサだがバシャラートこらえて逆に上を狙う。下になる際に三角を仕掛けたメンドンサだが、バシャラート防いで上に。亀になったメンドンサ。バックを狙う。マウントになるが股下から抜けて立ったメンドンサ。テイクダウンに行くバシャラートにギロチン。しかし外されて下に。ハーフ。上からパウンド。残りわずかで足関を狙ったメンドンサだが、バシャラートすぐに足を抜く。タイムアップ。

30-27×2、29-28の3-0でバシャラート勝利。

メンドンサは無敗らしい思い切りの良さで序盤は攻勢だったが、バシャラートが圧力に慣れて後半は対応。無敗をキープした。試合後のインタビューではランカーとの対戦をアピール。

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MMA MMAPLANET o UFC UFN217 アブドゥル・ラザク アラン・ナシメント ウマル・ヌルマゴメドフ エイドリアン・ヤネツ カーロス・ヘルナンデス クリス・グティエレス ケトレン・ヴィエイラ シャーウス・オリヴェイラ ショーン・ストリックランド ジミー・フリック ジャビッド・バシャラット ダニエル・アルゲータ ダン・イゲ トニー・グレーブリー ナソーディン・イマボフ ハオーニ・バルセロス マテウス・メンドンサ ロマン・コピロフ 武術空手

【UFN217】戦禍が生んだ精神的な強さ。常に冷静沈着、ジャビッド・バシャラット「生き残る意志」

【写真】(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN217:UFN on ESPN+75「Stricklandr vs Imavov」でジャビッド・バシャラットが通算14連勝、オクタゴン3連勝を賭けて──10勝0敗、今大会がUFCデビュー戦となるマテウス・メンドンサと戦う。

内戦状態のアフガニスタンから、パキスタン経由で英国に逃れた過去を持つバシャラットは高いフィニッシュ力を誇りながら、フィニッシュに走らないファイターだ。血で血を洗う母国の歴史が創り上げた──生き残るためのメンタルがDNAに存在し、日頃のトレーニングから気持ちの強さを養っている。

アグレッシブであることが気持ちが強いわけではない。常に自分を律し落ち着き払って戦う姿勢こそ、バシャラットの最大の強味だ。


──マテウス・メンドンサ戦が迫ってきました(※インタビューは現地時間の10日に行われた)。今の体調はいかがですか。

「調子は良いよ。今は最後の減量に向けて、たくさん水分を摂ってウォーターローリング中だよ。全てにおいて問題ないよ」

──昨年9月にインタビューをさせていただいた時、ジャビッド自身だけでなく弟のファリドに関しても、試合に向けてのメンタルの創り方を話してくれて凄く印象深かったです。

「あぁ、覚えているよ」

──あの直後のファイトで、ジャビッドはトニー・グレーブリーと頭がぶつかり、相当な出血があったにも関わらず顔色一つ変えずに、やるべきことをやり抜きました。

「クレイジーな経験だったよ。でも皆は僕の考え方が分かっていない。僕は皆のようにフィニッシュしようと自分にプレッシャーを掛けることが嫌いなんだ。カットしようが2Rも3Rもやるべきことをやるだけで。そういう風でいられるほうが心が強いと思わないんだよ、誰も。

練習ではあんな風に頭が当たりカットして、そのまま動き続けることはない。そこで練習は終わる。ただし、ファイトは違う。戦い続けないといけない。だから、そういうシナリオも用意していないといけないんだ。ああいうことが起こった時にいかに平静を保っていられるか。その部分は普段から準備してきた」

──焦ることはなかったですか。

「ないよ。これ以上、傷を深くしないようにはどうすれば良いのかを考えた。あそこから戦い方を少し変えた。それが戦いには必要なんだ。カットすることもあるし、拳を折ることもある。そういう時にアジャストする力が求められる。そのためには気持ちを強く保つことが最も重要だ。それだけだよ。カットが深かったし、頭は何度も当たった。もう当たらないように、構えを変える必要があった。また頭が当たっても、傷と同じ個所にぶつからないようにするためにね。焦りはないし、チームもしっかりと状況を把握していたよ」

──日本の武術空手のマスターが、「どれだけ高い技術に対しても技で対抗できるが、こういう精神の持ち主には技術では崩せない」と言っていました。

「そう言ってもらえると、有難いよ。その通りなんだ。『スキルより強い意志を持てるようになれ』とモハメド・アリも言っているようにね。僕はこの言葉が好きなんだ。あれだけの技術の持ち主が、そういう風に思っていたんだよ。

ファリドも同じだよ。実は前回の試合、弟は2週間前にエルボーをケガをしていたんだ。それでも試合を戦い、強い気持ちを保ち続けた。メンタルの強さ、ここが一番大切なんだよ」

──空手マスターとはジャビッドたちの強さは、領土を奪い合って来た欧州やユーラシアの民族だからこそ。強い意志を持って戦うDNAはフィジカルだけでなくメンタルに備わっているという話になりました。

「100パーセント同意するよ。我々には生き残るという意志がDNAに刻まれている。強い精神力は気持ちから創られる。脳みそが創るわけじゃないんだ。アフガニスタンで生まれ育った僕は家族や友人が戦闘に巻き込まれないという選択がなかった。逃げるか、反撃するか。戦うか、死ぬか。いつもそんな環境にいた」

──そのサバイブするために戦うというDNAはジャビッドをアグレッシブにさせるのではなくて、落ち着かせている。そこがまたすさまじいと思いました。試合中も、本当に落ち着き払っています。

「ファンは我を忘れて、ひたすら殴り合うようなファイトを望んでいる。選手も同じだ。考え無しに攻撃することがある。でも、僕はそれがどういうことになるか既に知っていた。どの試合ももの凄くシリアスに捉えている。だから、落ち着いて戦うことができるんだ。そういう風に戦えるように、トレーニング中からメンタルを鍛えている。落ち着いて戦えるように」

(C)Zuffa/UFC

──では今回、UFCデビュー戦となるメンドンサとの試合になりました。

前回の試合で勝って上位ランカーと戦いたいと言っていましたが、真逆の立ち位置となるファイトです。

「エイドリアン・ヤネツ、クリス・グティエレス、トップ15と戦いたいかった。そういう試合は実現しなかったけど、ラマダーンが来るまで最低でももう1試合戦いたいから、今回の試合を受けた。そして3月の終わりにラマダーンが始まるまでにもう1試合、ここで勝って次はトップ15と絶対に戦いたい。

ただ意味のない試合なんて存在しない。対戦相手は10勝0敗だ。そんな相手と戦うのはチャレンジングだよ。UFC初戦だろうが、彼のスキルをリスペクトしている。なんせ、無敗なんだ。シュートボクセという偉大なチームで、シャーウス・オリヴェイラらとも練習している。良いファイターに決まっているよ。次はトップ15と戦うために、僕は彼との試合を受けたんだ」

──アグレッシブなウェルラウンダーで、攻める意識が強い選手で殴られても殴るという戦いが、過去の試合映像では多かったです。

「そういう相手と戦うと皆は危ないと言うけど、僕は動くから彼に捕まることはない。ジャブを使って、強引に入って来るならカウンターで迎撃する。まぁ典型的なブラジルの若いファイターでワイルド過ぎる嫌いがある。対して僕はクリーンで、高い安定感を誇っている。来るなら捕まえるよ。いくつかのパターンを用意しているから、どれかを当てはめる。ところで、君はどういう試合になると思う?

──正解を狙いにいくと、ジャビッドは1Rメンドンサを動かして疲れさせる。そして2Rと3Rにドミネイトするのではないかと予想します。

「なるほどね。アハハハ。その通りだ。でも、僕ら2人の秘密だからね」

■視聴方法(予定)
12月18日(日・日本時間)
午前6 時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN217計量結果

<ミドル級/5分5R>
ショーン・ストリックランド: 204ポンド(92.53キロ)
ナソーディン・イマボフ: 194ポンド(87.99キロ)

<フェザー級/5分3R>
ダン・イゲ: 145.5ポンド(66.0キロ)
デイモン・ジャクソン: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ミドル級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ロマン・コピロフ: 185ポンド(83.91キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ケトレン・ヴィエイラ: 136ポンド(61.69キロ)
ラケル・ペニントン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<バンタム級/5分3R>
ウマル・ヌルマゴメドフ: 135ポンド(61.24キロ)
ハオーニ・バルセロス: 135ポンド(61.24キロ)

<ミドル級/5分3R>
アブドゥル・ラザク: 185.5ポンド(84.14キロ)
クラウジオ・ヒベイロ: 183ポンド(83.00キロ)

<ライト級/5分3R>
マテウス・レンベツキ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ニック・フィオーリ: 155ポンド(70.31キロ)

<バンタム級/5分3R>
マテウス・メンドンサ: 134.5ポンド(61.0キロ)
ジャビッド・バシャラット: 136ポンド(61.69キロ)

<フライ級/5分3R>
アラン・ナシメント: 125.5ポンド(56.92キロ)
カーロス・ヘルナンデス: 125ポンド(56.7キロ)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・アルゲータ: 146ポンド(66.22キロ)
ニック・アギーレ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<フライ級/5分3R>
ジミー・フリック: 126ポンド(57.15キロ)
チャールス・ジョンソン: 126ポンド(57.15キロ)

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Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o UFC ジャビッド・バシャラット トニー・グレーブリー ファリド・バシャラット 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

お蔵入り厳禁【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。バシャラット✖ベゴッソ「生きる為」

【写真】バシャラット兄弟、兄のジャビッドは今週末。弟のファリドは3月4日に試合が決まっている。要注目だ (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

お蔵入り厳禁。武術的観点に立って見たファリド・バシャラット✖アラン・ベゴッソ戦とは?!


──この試合、同じ週の週末にUFCで2勝目を挙げたファリドの兄ジャビッドにインタビューをしたのですが、「フィニッシュを狙う必要はない。自分の動きをしていれば美しいのだから無理に狙って崩す必要はない」とアドバイスしたと言っていました。フィニッシュ絶対のコンテンダーシリーズを前にして、このアドバイスができるということが凄いと感じた次第です。技術の前の精神力、彼らのバックボーンも踏まえてそこを岩﨑さんがどのように見ているのか。

「アフガニスタンを離れ、パキスタンの難民キャンプから英国に渡ったという選手ですよね」

──ハイ。試合になると、兄弟揃って淡々と表情も変えずに、やるべきことをやっている。そのように感じた次第です。

「それこそキーワードですね。やるべきことに徹しています。ある意味、パンチが凄い、蹴りが凄い、テイクダウンが凄いとかいっても技術で何とかなります。でも、そういう精神構造を技術で崩すことはできないです。無理、無理です。

それはもう出自が違うというのが、まずあります。『自分の国にいて安全だと思ったことはない』とお兄さんがインタビューで言っていましたし、タリバンと北部同盟(アフガニスタン救国・民族イスラム統一戦線)の争いのなかで幼少期を過ごしていたわけですよね……。

この試合に関して理解してほしいところは、ファリド・バシャラットは特別なことは何もしていません」

──ハイ。

「技術的なことを論じるにはどうしようかと思って視ていました。でも3Rが終った時に、これは真似ができねぇと。こういうヤツと戦った時は、どうすれば良いんだと思いましたよ」

──レフェリーがいないと、人が死ぬまで攻めることができるんじゃないかと。

「それをやらないと自分が死ぬっていうことです。これはユーラシア大陸の歴史の法則性です。好き好んで領土を奪いに行っているのではなくて、領土を取らないと命を取られる。UFCだ、世界だと言っている人達はそういう連中と殴り合うということをもう少し自覚する必要があります。

漫画家の板垣恵介さんが言っていたエピソードに、ジェラルド・ゴルドーが『お前らは顔を殴るのに躊躇するだろう』というのがあります。まさにその通りなんです。我々日本人は人の顔を殴って良いという教育は受けていないんです。日本人で格闘技を始めて、いきなり人の顔をぶん殴れるヤツの方がマイノリティなんです。実は」

──あぁ、なんとなく言われていることは分かります。

「でもユーラシア大陸、ヨーロッパ、朝鮮半島は『やらなきゃ、やられる』という歴史と風土が息づいているんです。好き好んで相手をボコボコにしているんじゃなくて、そうしないと自分が生きていけないという数千年に渡る歴史です」

──その歴史の末に今を生きている人と、その歴史が続いて生き残ってきた人間も違いがあるかと思います。バシャラット兄弟は試合中に感情が見えない。ポーカーフェイス云々でなく、感情がないのかと。

「紳士的に相手をぶっ殺すというやつですね(笑)」

──確かにジャビッド・バシャラットはインタビューの受け答えは、凄く穏やかでした。

「想像できます。アフタニスタンで北部同盟を率いた英雄的な指導者のアフマド・シャー・マスードという人の言っていることなんて、常に愛と慈愛に満ち溢れています。そこには愛しかない。もう詩集ですよ。

でもソビエト連邦を追い返したのはこの人たちで、マスードの最後はアルカイダの自爆テロで暗殺され、その2日後に9.11が起こったんです。米軍のアフガン撤退を機に、息子さんのアフマド・マスードが今のタリバンに抵抗するようになっていますね」

──もちろん、だからといってアフガンの皆がマスードのようではないのでしょうが、バシャラット兄の弟への想いと淡々とした攻めには、何か通じるものがあるようです。

「マスードという人はソ連を撤退させ、その後の捕虜の開放でロシアの支持を得るなど、勇猛さと慈愛を兼ね備えていた人物だったんです。愛情に溢れ、でも向かってくる敵には一切の容赦がない。そういうことをこのバシャラットの戦いを見て、思い出しました。

あの当たり前のことしかしない戦いをしたがらない選手は多いです。なぜか、『疲れるから』です。疲れるのが嫌なら、格闘技やるなよって。でもバシャラット兄弟は、疲れるなんて屁でもないですよ。命を落とすから国を離れる。きっと着の身着のままだったでしょう。それをね、真似をするのは無理ですよ。我々、日本人には。でも、その精神性を理解して試合に臨めば、我々だってやってやれないことはない」

──4日後にトニー・グレーブリーを破ったジャビッド・バシャラットも、頭突きで流血しながら表情も変えず戦っていた。その淡々さが怖かったです。

「そうですよ、怖いですよ。でもね、バシャラットが怖くないかといえば──彼だって怖いんですよ。でも生きるためにやっているんですよ。ああいう選手に勝つのは、本当に大変です。しかし、このところのUFCはコンテンダーシリーズとかプレリミの試合は、なぜかPPVカードよりも考えさせられることが多いです」

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MMA MMAPLANET o UFN210 キック ジャビッド・バシャラット トニー・グレーブリー

【UFN210】頭突きでカットしたバシャラット、レス勝負は捨て淡々に打撃を入れてグレーブリーに勝利

<バンタム級/5分3R>
ジャビッド・バシャラット(アフガニスタン)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
トニー・グレーブリー(米国)

グレーブリーの右カーフをチェックしたバシャラットは、左ミドルをブロックし、右ローを蹴る。スイッチして左に回ったバシャラットがオーソに戻す。カーフを蹴り合う両者、バシャラットが前蹴りから組もうとすると、グレーブリーがヒザを突き上げる。離れたバシャラットは左目尻をカットしている。続くクリンチの攻防でケージに押し込まれる。右手を束ねたシングルレッグでテイクダウンを許したバシャラットは、すぐに立ち上がる。グレーブリーは再び前方に譲るが、ここもすぐに立ち上がる。

キムラクラッチを投げたグレーブリー、スタンドに戻った離れて向き合う。ここでレフェリーが試合を止め、流血の原因は組みに入った瞬間の頭突きだったとインターバルをおく。再開後、バシャラットが飛びヒザを見せ、ダブルレッグを切ってヒザを狙う。グレーブリーはカーフ、バシャラットは前蹴りからワンツーを伸ばす。打撃戦のなかで、バシャラットは踏込みながら右をヒットさせる。続いて前蹴りをアゴに届かせたバシャラットが、テンカオを決める。

これが効いたグレーブリーはパンチから左ミドルの追い打ちにも、前に出る。ジャブからアッパーのバシャラットに対、グレーブリーも右を打ち返す。残り1分を切り、ダブルレッグでテイクダウンを奪ったバシャラットが、ギロチンで抱えられながら両足を抜き、グレーブリーを跨いでマウントを取ろうと試みる。グレーブリー腹ばいになりスクランブルに持ちこむ。30秒のスタンド戦は、バシャラットがスピニングバックキックを腹に入れ、しっかりとポイントメークした。

2R、サウスポーのバシャラットにグレーブリーが右ハイを狙い、シングルで飛び込み。足を抜いたバシャラットは、続くダブルレッグにはその勢いを利してスクランブルに持ち込む。ボディロックにも、ウィザーから投げを打ったバシャラットは倒れまいと踏み止まったグレーブリーの腹を蹴る。バシャラットは続くダブルレッグもワキを差し返して、トップを逆に奪う。グレーブリーは疲れが見え、動きが少ない。ハーフで抑えたバシャラットは細かいパンチで削り、エルボーを打ちつける。

グレーブリーが肩固めに反応するも、スクランブルはがぶられる。バシャラットはダース狙いからバックに回ろうとするが、グレーブリーが立ち上がる。ケージを背負ったグレーブリーは、エルボーを打って離れたバシャラットを追いかけて左右のパンチを振るう。かわしたバシャラットが右カーフ、スイッチして左前蹴りをボディに入れる。左ジャブにローを合わせたグレーブリーだが、バシャラットはパンチを纏め左ミドルを蹴り込む。さらに前蹴りを顔面に受けたグレーブリーは、動きが遅くなりダブルレッグは簡単に切られた。

最終回、ワンツーで前に出るグレーブリーだが、空振りして姿勢を乱す。ダブルレッグを切ったバシャラットが左ジャブをヒットし、右につなぐ。サークリングしながら、一気に距離を詰めるなど身を守りながら、攻撃を続けるバシャラットが右を打ち込む。さらにワンツーフックからジャブを入れ、ハイクロッチからシングルを潰してバックへ。胸をあわせたグレーブリーもダブルレッグを切って離れる。

バシャラットはヒザを入れ、前に出てくるグレーブリーがパンチ、左右のヒジを当てる。続いて右をヒットさせたバシャラットは、攻め急ぐことなくグレーブリーを隙をついて蹴り、パンチ、ヒザを繰り出す。グレーブリーも懸命に前に出るが、その分被弾する数が増え、残り50秒で狙ったダブルレッグも切られる。ボディから顔面にパンチを入れたバシャラットは前蹴りから後ろ回し蹴り、さらに右エルボーを決める。跳びヒザに右を返したグレーブリーだが、それが精いっぱいだった。

結果、バシャラットが淡々と攻撃を纏めて3-0の判定勝ちを収めた。キャリア13連勝としたバシャラットは「トニーはトップファイトだ。頭突きはミスかどうか分からないけど、試合の一部だよ。D-1レスラーだろうが関係ない。でも2度、頭突きがあったからレベルチェンジには注意が必要だった。D-1レスラーとレスリングがしたかったから戦ったんだけどね」と勝利を振り返った。


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MMA MMAPLANET o UFC UFN210 アレン・アメドフスキー アンドレ・フィーリ キック グレゴリー・ホドリゲス コリー・サンドハーゲン ジェイク・シールズ ジャビッド・バシャラット ジョセフ・パイファー ジリアン・ロバートソン ソン・ヤードン トニー・グレーブリー トレヴィン・ジレス ビル・アレジオ ホドリゴ・ナシメント ボクシング マフクアンドレ・バリユー ローマ・ルックンブンミー

【UFN210】グレーブリーと対戦、ジャビッド・バシャラット「他のバンタム級ファイターとは違う」

【写真】明晰な頭脳と、タフな精神を持っていそうなジャビッド・バシャラットだった(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN210:UFN on ESPN+68「Sandhagen vs Song」でジャビッド・バシャラットがトニー・グレーブリーと対戦する。

アフガン生まれ、7歳の時に英国へ移住したバシャラットは、弟のファリドが前回のコンテンダーシリーズでUFCとの契約を実現させた。ファイトウィークに弟が人生を賭けたし勝負に挑む。その事実はジャビッドの心理状態にどのような影響を与えたのか等を尋ねた


――2度目のUFCでの試合を土曜日に控えているなか、昨夜のコンテンダーシリーズでは弟さんのファリドが試合をしました。自身の試合があるなかで、弟の人生が懸かった試合がある。戦いになかなか集中できなかったのではないでしょうか。

「もちろん、弟の試合のことは気になったよ。でも、これまでに何度も同じに日に戦う経験を子供の頃からしてきた。同じ週ではなく、同じ日にね。そうやって僕らはキャリアを積んできた。今回は僕にとっても、弟にとっても人生で一番大きな試合という状況だけど慣れたものだよ。こういうのはね。

それに弟の力を信じていたし、間違いなく勝ってUFCと契約できると思っていた。だから何もマイナスになることはなかった。ファリドには『契約が懸かっているからと言って、何か余分なことをする必要はない』と伝えていたんだけど、しっかりとそのアドバイスを守っていたよ。サブミッションやKOが望まれているのは分かっている。でも、弟のスタイルは綺麗で、普通にやれば詰まらない試合にはならない。だから無理矢理フィニッシュを狙い過ぎて、いつもと違う動きをする必要なんてないんだ」

──コンテンダーシリーズだからといって、自分のスタイルを変えてはいけないと。

「もちろん、退屈な試合をしてはいけない。ファリドは普段から、動きで人々を魅了できる。だから、自分の良さを失わないで戦うことが必要だったんだ」

──実際判定勝ちでしたが、フィニッシュできなかったことで契約できないかもという不安はなかったですか。

「ほとんどなかった。弟はやり過ぎることなくフィニッシュを狙っていたし、相手はタフだったからね。いつもフィニッシュできるわけがない。コンテンダーシリーズではフィニッシュが必要というのはその通りだ。でも、狙いすぎてペースを乱した結果、隙ができて負ける選手もいる。当然、安全に戦うことは大切だけど、そこに重きを置きすぎた試合をしてはダメだ。気を抜かないよう、フィニッシュを狙う。そういう試合をファリドはしていたよ」

──結果、UFCとのサインを勝ち取りましたが、ファリドの勝利はジャビッドの背中をさらに押してくれたでしょうか。

「もちろん、そうなったよ。もう弟の試合のことを考えないで済むしね。今はリラックスして、自分の試合に集中している。ただ弟と一緒に勝つことをモチベーションにしていたわけじゃない。戦うのは僕本人、他からモチベーションが得られるようは求めていない。それでも一緒に練習して、弟が自分の戦いをして勝ったのだから、自分もそうできると信じているよ」

──ところでジャビッドはアフガニスタン生まれですが、英国育ちだそうですね。

「20年前、7歳の時にアフガニスタンを離れた。アフガニスタンは内戦状態が続いており、家族が安全に生活できる環境がなかった。父は国を離れることを決め、まずはパキスタンの難民キャンプに身を置き、そこからロンドンに移り住んだんだ。アフガニスタンにいる時は体だけでなく、メンタル面でも常に生き残ることを考えて、凄くタフになれた。そしてロンドンでマーシャルアーツに出会って、新しい人生を見つけることができたんだ。英国が、ロンドンが僕らの人生を変えてくれた。感謝してやまないよ」

──今はそのロンドンを離れて、ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーで練習していますね。

「ロンドンを離れたわけじゃない。練習のために来ているんだ。ボクシング、キックボクシング、柔術、レスリングと全ての面で上達させるには、上のレベルでの練習が必要だった。コンテンダーシリーズに出た時にエクストリーム・クートゥアーで練習させてもらい、UFC PIも知った。『あぁ、ここだ。次のレベルに行くには、ここで練習するしかない』と思った。ただ僕はいつも練習しているから、ずっとラスベガスにいることになる(笑)。

楽ではないね。生活のコスト、練習をするのも金が必要だ。そうやって10カ月やってきたので、なかなかハードだよ。でも、将来に向けて僕のスキルは朝の練習ごと、夜の練習ごとに進化している。ジェイク・シールズとデイビー・クーパーのお陰でね」

──バシャラット兄弟の試合を見ていると、しっかりと自分をコントロールして、やるべきことがクリアになって戦うことができているように感じます。

「試合中は何を考えようが、何が起こるか分からないことを理解しているんだ。だから、弟の試合でもコーナーに就くことはない。僕の戦いは僕の戦いで、弟の戦いは弟の戦いだ。集中力を切らさないよう戦うだけなんだ。それは僕の生い立ちのなかで、身に着けることができた能力なのかもしれない。

自分が何をしないといけないのか。自分のすべきことに集中している。運よく、ここまで無敗でこられたけど、自分のやるべきことをやって負ければ、そこから学ぶことは大いにあるはずだ。自分のやるべきことができず、全力で戦えない方が敗北よりも良くないことだと思う。こんな風だから試合前は凄くナーバスになってしまうんだ。

相手を恐れているからじゃない。自分の全てを出して戦えるかどうかという部分で神経質になる。僕が人生を賭けて練習してきたことを、15分で出し切れるのか。出し切れないことを考えると、怖いんだ。簡単なことじゃないからね、相手がいて。その相手も同じに様に全てを賭けて僕を倒そうとしているわけだから」

──ところでエクストリーム・クートゥアーでは、日本人選手と練習することもありましたか。

「イエス、イエス、イエス。タツロー・タイラ、リョー・オカダ。それとレイだ。凄く気持ちの良い連中だよ。リョーはベリーナイスガイだ。そして、皆よく練習をするし。良い練習ができた。レイも良い選手だ。将来有望だよ。レイは練習をしっかりして、パーティーもせず練習で何がデキて、何がデキなかったかをしっかりと分かっていた。とてもスマートだ」

──怜選手は前の日曜日に日本で試合をして、1RでTKO勝ちしています。ジャビッドも続きたいところですが、グレーブリーは力強いテイクダウンを持つレスラーです。ジャビッドは彼に対して、どのようなアドバンテージを持っていると考えていますか。

「全てだ。僕は全てにおいて彼を上回っている。レスリングですら、ね。レイに尋ねてくよ。どれだけ僕はレスリングが強いかのを(笑)。僕はウェルラウディット・ファイターだ。レスリング、グラップリング、打撃、全て僕の方が上だよ。彼はレスリングがベースだから、テイクダウンを狙ってくるだろう。でも、受けて立つよ。テイクダウンを奪われることはない。試合を見て欲しい。

土曜日は、僕が他のバンタム級ファイターと違うところを見せるよ。いつまでもランク外やランクの下の方で戦うつもりもない。すぐにランキングを上げて、大きな契約をして、ビッグマネーを手にするよ(笑)。もちろんタイトル挑戦がすぐに実現するとは思っていない。でも、まだ時間も残されているし、急がない。それに本音をいえばトニー・グレーブリーは最もハードな相手だ。KOパワーがあるし、レスリングが強い。でも何を恐れていない。自分がどれだけのものか、トニー・グレーブリーと戦った確認するんだ」

■視聴方法(予定)
9月18日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN210対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
ソン・ヤードン(中国)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジュグアニ(米国)
グレゴリー・ホドリゲス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
アンドレ・フィーリ(米国)
ビル・アレジオ(米国)

<ミドル級/5分3R>
アレン・アメドフスキー(マケドニア)
ジョセフ・パイファー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボザー(カナダ)
ホドリゴ・ナシメント(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
アンソニー・ヘルナンデス(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
デイモン・ジャクソン(米国)
パット・サバティーニ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
トレヴィン・ジレス(米国)
ルイス・コウシー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アスペン・ラッド(米国)
サラ・マクマン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ローマ・ルックンブンミー(タイ)
デニース・ゴミス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トレイ・オグデン(米国)
ダニエル・セジューベル(メキシコ)

<女子フライ級/5分3R>
マリア・アガポヴァ(カザフスタン)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー(米国)
ジャビッド・バシャラット(アフガニスタン)

<ライト級/5分3R>
ニコラス・モッタ(ブラジル)
キャメロン・ヴァンキャンプ(米国)

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