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45 MMA MMAPLANET o WNO22 オリヴィエ・タザ タイナン・ダウプラ

【WNO22】ノーギ柔術でタイナン・ダウプラがタザを完全ドミネイト。3-0で快勝

<ミドル級/15分1R>
タイナン・ダウプラ(ブラジル)
Def.3-0
オリヴィエ・タザ(カナダ)

序盤は立ちレス、組み手争いが続く。アームドラッグを狙ったダウプラ、切ったタザのシングルも姿勢が高い。肩を押してシングルに入ったダウプラは、レッグリフトから足払いでテイクダウンを奪う。しっかりとしたポスチャーでハーフを取ったダルプラに対し、タザは手首を掴んで防御を試みる。タザは肩を押すが、ダウプラがパスを決めてボディロックへ。タザは立ち上がりながらスイッチ狙いで、離れることに成功した。

そのタザのアームドラック、シングルレッグを切ったダルプラ。組み手争いのなかでタザがスナップダウン、姿勢を乱さないダウプラと頭が当たり一瞬のブレイクが掛かる。再開後も続き5分が経過、ここまでジャッジはダルプラを優勢とした。

第2タームも立ちの攻防が続き、両者が簡単に引き込むことがない。文字通り前に出て組み勝ち気味のダウプラが、ニータップでテイクダウンを決める。サイドで抑えたダウプラ、試合が中央に戻されるとレッグドラッグへ。・ポジションへ。タザは半身で厳しい時間が続き、左腕を押すことで懸命に耐えている。潜ろうとしたタザにダースを仕掛けたダウプラは、嫌がって背中をつけたと頃で再びサイドで抑える。ロールしたタザはバックを許さず、スクランブルに持ち込みスタンドへ。

ダウプラはシングルを切って、ファイヤーマンキャリーを狙う。直後に10分が過ぎ、ジャッジはここでもダウプラが有利とした。逆転にはキャッチ級のサブミッション・アテンプトが必要なタザは、シングルを切られるとガードを取る。すぐに足を越えてサイドで抑えたダウプラは前転して足を取りに来たタザのヒザを畳、枕で圧を掛けて解除する。タザはZハーフで絡んだ方とは逆の足に潜っていくが、ここもしっかりと枕で抑えられてしまう。潜らせないダウプラが、安定のトップコントロールで試合は残り1分に。

タザは前転も足を絡めることができずに、上半身を制される。右腕を差したタザに対し、立ち上がったダウプラが一瞬の足関節狙いからトップをキープ。ハーフでしっかりと抑え切ったダウプラがタザをドミネイトして快勝した。


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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN03   ウアリ・クルジェフ ケイド・ルオトロ タイナン・ダウプラ トミー・ランガカー

【ONE FN03】ケイド・ルオトロが初代SG世界ライト級王者に。次戦はダウプラかランガカーを指名

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)王座決定戦/12分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def.4分26秒byヒールフック
ウアリ・クルジェフ(ロシア)

足払いで倒されたケイドは、すぐに立ち上がる。踏み込んで一瞬の背負いを狙ったクルジェフだが、ケイドは透かしてバックを取る。そのままラウンドに持ち込み、ワンフックか両足をフックしクルジェフの背中を伸ばす。ワキをすくい、完全に制したケイドがRNCへ。クルジェフが手首を掴んで防ぎ、ヒザを立てて亀の状態に。ケイドはロールしながら肩固めを背中から極めるルオトロチンへ。

クルジェフが立ち上がってスラムへ。下になったケイドの三角からオモプラッタを逃れたクルジェフがスタンド戦に戻す。スナップダウンで崩し、ジャンピンガードはすっぽ抜けたケイドだが、シングルからバックへ。クルジェフは前転して足関狙いも、すかしたケイドはサドルから内ヒール、そのまま腹ばいになりタップを奪った。

ベルトを肩に下げたケイドは「1カ月少しで2つの世界タイトル? 16年間、ずっと人生を通して準備してきたんだ。この勝利が代償だよ。一瞬、足を入れた時にヒールが取れると思ってトライした。クルジェフは凄くタフだったよ。ヒザにプレッシャーを与え続けた。彼は3、4度ポップしていたと思う。どんなんだと思ったけど、人間だからね。最後は仕留めることができたよ。(5万ドルボーナスを獲得し)兄とコスタリカにジムを創っているから、本当にチャトリに感謝している。次? 12月のマニラになるか分からないけど、少しでも早くサークルケージに戻ってきたい。タイナン・ダウプラかトミー・ランガカーと戦いたいね」と初代ONEサブミッショングラップリング世界ライト級王者は話した。


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ADCC2022 JT・トレス MMA MMAPLANET o ONE Road to ADCC   ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン コナー・マクレガー コール・アバテ ジョゼ・アルド タイナン・ダウプラ タイ・ルオトロ ニッキー・ライアン 堀内勇 高橋SUBMISSION雄己

【ADCC2022】高橋サブ&堀内勇がADCCを深掘り─02─。77キロ級、柔術の神の子とADCCルール王

【写真】巧さは強さなのか。そして強さは巧さにどう対抗するのか(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING& SATOSHI NARITA

17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターで開催される2022 ADCC World Championship。2年に1度のグラップリング界最大のトーナメントが、コロナの影響で3年振りに開催される。

グラップリング界においても特殊なポイント制が用いられながら、世界最高峰の組み技の祭典を高橋Submission雄己とMMAPLANETグラップリング・ライター堀内勇氏が、独断と偏見と愛情をもって深堀り。第2弾は66キロの米国勢から、77キロ級の2人の優勝候補の対照的なスタイルについて話を続けてもらった。

<高橋Submission雄己&堀内勇、ADCC深堀対談Part.01はコチラから>


──話を蒸し返すと、ONEでトップグラップラーのグラップリングが頻繁に視られるようになるのは嬉しいのですが、それでもADCC欠場はやはり勘弁してくださいと気持ちになります。

堀内 やっぱりマイキーは個性が際立っていますからね。最近も『僕はピザとパスタしか食べない』なんてことを言いだして。朝はアサイーを食べて、毎日同じピザを食べているという話で。毎日ピザを食べて世界一になるって、ダイエット界や栄養学界の常識を覆しているんじゃないかって。

高橋 アハハハハ。

堀内 そういう彼が抜けるのは残念ですが、今大会はファブシリオ・アンドレイとかベイビーシャークなど、新しい力を知るきっかけになりますね。

──きっと勝てないという意見もありますが、そうなると『ちゃんと負けろよ』と思ってしまうんですよね。バトンタッチしてくださいって。ただ、チャトリはADCCで優勝した人間全員とサインするぐらいのつもりでいるんじゃないかと思います。マイキー不出場はさておき、他に66キロで注目すべき選手は?

高橋 ONEへの恨み節に関しては、ルールが違うから良いじゃないかなって。そりゃあ見たかったですけど、別競技といって良いほど違う。まぁサブオンリーのレフ判も納得できるルールではあるし、ソレはソレ。コレはコレじゃないでしょうか。

──じゃあRoad to ADCCに出るなよって……ってまだ恨み節が続いてしまいます。

高橋 それは……確かに(笑)。でも、やった相手がジオですからね。66キロ級で注目したい他の選手は、ゲイリー・トノンですかね。なんか期待値が高いです。66キロ級に落としてきて体が大きいから、細かい技術はさておき、立ち技も強いだろうし、極め力でいえば抜けている気がします。

あとトノンと同様に米国勢だと、コール・アバテは注目ですね。

優勝候補とまでは言えないですが、若くてそれなりに66キロ級のなかではデカい。伸びしろの多さも期待して、コールがどんなもんなのか凄く気になりますね。

堀内 僕もコール・アバテは楽しみにしています。17歳で、最年少です。

ベイビーシャークは20歳なのに子供に見えて、コール・アバテは17歳なのにやたらと落ち着いていて。態度も凄く偉そうだし(笑)。ただ戦い方は兄弟子のタイナン・ダウプラを彷彿させるというか。もの凄く圧力がある戦い方で、極めも正確でガチッと入る。力強くて楽しみです。

なんかお父さんが結構熱心で、子供の頃からやっていたようですね。そのお父さんがガレージで、『我々は過去のADCCの66キロ級の試合は全て見た』とか言っているんですよ(笑)。そうとうにお父さんが賭けているというのが伝わってきました。

高橋 僕もコールは期待で。後は敢えて名前を出すなら、イーサン・クレリンステンですかね。

堀内 トライスタージムでフィラス・ザハビの下で学び、その後はザハビの師匠格といえるジョン・ダナハーの指導を受けた選手ですね。

高橋 結局、ブラジル✖米国の様相になっていて、ADCCルールにおいてはブラジルが育んできた柔術スタイルが優る。そう思います。

──では77キロに移らせていただきます。世界中の誰もが見たい選手と、試合は別に見たくないけど勝てる選手。そのどちらが強いのか。

高橋 その通りですね(笑)。

堀内 見たい選手がミカ・ガルバォンで。この対談を万が一、あまり柔術に興味がない人が読んでくださっているとしたら、ミカ・ガルバォンの凄さってどういう風に伝えることができるんだろうって考えました。

──ありがたい限りです。

堀内 そして思い出したのが、コナー・マクレガーの言ったことだったんです。マクレガーがジョゼ・アルドを倒した時、「精度とタイミングはパワーとスピードを打ち負かす」という素晴らしい言葉を残しています。つまり精度とタイミングを持っている人間は、パワーとスピードがない。でもミカ・ガルバォンはその4つの全てを持っている。

──おおっ!!

堀内 柔術家に良く見られる、問答無用の重厚な圧力。ベースが強くて、プレスがもの凄く強い。

1度体重を掛けられたら、対戦相手はもうどうにもならない。ああいうファンダメンタルの柔術の圧力がありながら、反応速度が素晴らしく良い。相手の体に一瞬に反応して、素晴らしい体捌きで技を決めます。精度もスバ抜けて高い。それを全て持っているのは、ズルいんじゃないかっていうぐらいで(笑)。

他の人にはない。ちょっと人間離れしたモノを見ることができる。そんな喜びをミカの試合からは感じます。

──反応の良さは、道着でモダン柔術の攻防になった時も際立つようにも感じます。

堀内 タイ・ルオトロとは2度試合をして、ノーギでは競り負けて、道着だとボコボコにしている。それを見ても分かるように、ミカが柔術の神の子たる所以、強さが最も出てくるのは道着の試合ですよね。道着があって滑ることなく、相手がなかなか逃げられないので。ノーギだとタイのようにバランスの良い選手は、そこを凌ぎ切って自分のペースに持ち込むこともできないことはない。そしてノーギのなかでもサブオンリーの方が、ADCCより適しているんじゃいかと思います。

──それは?

堀内 やはり圧倒的なレスリング力があるとは、言えないので。そうなった時に、同じノーギでもADCCルールの権化のJT・トレスと戦うとどうなるのか。試合は別に見たくないと言われたJTとミカは対照的な2人なので、本当に興味深いです。

高橋 そうですね、ミカはレスだとたまに転がされている場面を見ますよね。しかも77キロ級だと身体的な圧力は他の選手より劣るような気がします。本当に堀内さんの見立て通りだと思います。

──JTの強さはともかく、彼の試合のどこを楽しめば良いでしょうか。

高橋 トーナメント全体の見方として、誰がJTを倒すのか。それで良いと思います。ディフェンディング・チャンピオンだし、何が凄いってルールへの対応力。

組み技の質量、技量は皆が高いレベルで拮抗している。そこでJTが勝ち抜き続けているのは、勝負どころを見極め、自分だけでなく相手の特性を理解している試合運びの上手さがあるからで。ここは受けて、ここでは2Pを取るという判断と実行力がともに正確です。そこが絶対王者たる所以で。

対抗馬としてスタイル的にも対照的なのが、ミカですよね。ミカを筆頭に、誰がJTを打ち破るのか。JTはちょっと可哀そうですけどヒール的な見方をしてもらうのが楽しいのではないかと思います。JTを優勝させたら、つまらなくなるぞ──みたいな(笑)。

──JT・トレス=北の湖ですね。

堀内 アハハハハ。

──ルールもポイントも違いますが、ルールを研究し抜いて、ルールに合った技を駆使してギリギリで勝つ。それってフィロソフィーとしては、完全にIBJJF柔術の強い人のソレではないでしょうか。そうなると、JTとの競り合いに負けないのは、同じフィロソフィーの持ち主──IBJJFルールに強い柔術家なのかと。JTは柔術では準決勝ぐらいで勝ち切れなくなることが多い印象がありますし。

高橋 確かに、ホントにそうですね。

堀内 FLOGRAPPLINGが77キロ級出場の各選手の練習風景を追っているカウントダウン映像を流していたのですが、そこで主要メンバーがお互いの印象を話しているんです。だいたい皆がJTに関しては、高橋選手が言ったように隙の無さ、ルールを知り尽くした戦い方だと言っています。

そのなかでケイド・ルオトロはATOSの後輩で「JTのことは尊敬している。JTは隙が無くてペースを掴むのに長けている。でも俺はそのペースを乱すことができる手が、いくつかあるんだ」って話しているんです。ケイドは凄く動きますから、JTの不動のペースを乱すよう、色々と仕掛けてくるのかと。特にスタンドが注目です。あと、もう一人はニッキー……ニッキー・ライアンでねす。

<この項、続く>

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MMA MMAPLANET o WJJC2022   アンディ・ムラサキ タイナン・ダウプラ タイ・ルオトロ トミー・ランガカー ブラジリアン柔術 ホナウド・ジュニオール レオナルド・ララ

【WJJC2022】アンディ・ムラサキ、準優勝の快挙も強すぎるタイナン・ダウプラが二連覇達成

【写真】ランガカー越えを果たしたアンディ・ムラサキの準優勝は素晴らしい結果である一方で、ダウプラが頭抜けている印象を残したムンジアル黒帯ミドル級だった(C)SATOSHI NARITA

2日(木・現地時間)から5日(日・同)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのウォルター・ピラミッドにて行われた、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権。
Text Isamu Horiuchi

レビューは最終回は昨年優勝の大本命タイナン・ダウプラに対し、黒帯の部初出場の日系ブラジリアン、アンディ・ムラサキらが挑んだミドル級の模様をお届けしたい。


階級をライトからミドルに上げての世界初挑戦となったアンディ・ムラサキは、初戦のオースティン・オランデイ戦を上から一瞬で極めるトーホールドで突破。2回戦は4月のパン大会のミディアムヘビー級クローズアウト優勝者のマニュエル・ヒバマーと対戦。大外刈りで倒してバックを奪うと、送り襟締めで落として連続一本勝ちを収めた。

続いて迎えた準々決勝の相手は、昨年のブラジレイロを制したレオナルド・ララ。ここでムラサキは引き込んでからのスイープを三回決めて6-0で勝利。翌日の準決勝、2018年世界準優勝にして昨年の世界大会も3位入賞している北欧の極め業師、トミー・ランガカーとの大一番に駒を進めた。

<ミドル級準決勝/10分1R>
アンディ・ムラサキ(ブラジル)
Def. 2-0
トミー・ランガカー(ノルウェー)

スライディングして引き込み、クローズドガードを作ったムラサキ。ランガカーが立ち上がると、すかさずその右足を内側から掬ってのスイープで後ろに倒して2点先取してみせた。そのままニアマウントの状態になったことでアドバンテージも一つ獲得したムラサキだが、ランガカーも体勢を戻す。

オープンガードを取るランガカーに対し、ムラサキはその左足を押し下げにかかる。内側からムラサキの左足を抱えたランガカーは下から煽るが、ムラサキはバランスキープ。ランガカーは下からムラサキの左足を取ってトーホールドを狙うも、ムラサキは防いで体を起こす。ならばとランガカーはムラサキの左手にラッソーで絡み、一瞬で三角の体勢に。ムラサキが距離を取ろうとすると、すかさず左へのオモプラッタに変化させた。

ムラサキがステップオーバーして逃れようとすると、ランガカーは股間を抜けてのバック狙いに移行。それも反応したムラサキが正対すると、さらにギロチンチョークを合わせたランガカーだったが、ムラサキはここも頭を抜く。ここまで3分。世界超一流の極め業師ランガカーの矢継ぎ早の連続攻撃を、ムラサキは凌ぎ切ったのだった。

ランガカーは右足に絡んで半身のハーフ。ムラサキのラペルをヒザ裏を通して掴んでシッティングから煽るが、強靭なベースを誇るムラサキは崩れずに逆に前にプレッシャーをかけてゆく。その後一気に下がったムラサキは、右足に絡んだラペルグリップを断ち切ってみせた。

残り5分。ランガカーはムラサキの左足に手足で絡んで崩しを試みるが、ムラサキは巧みな重心移動でバランスをキープ。ならばとランガカーは右に絡むが、ムラサキは崩れず、その後も2点のリードを守り続けていった。

残り時間がいよいよ少なくなり、ランガカーは潜り込んでムラサキの右足を肩で抱えてズボンの尻を掴む。さらに下から股間に左膝を入れて煽るランガカーだが、ムラサキは腕でポストしてバランスキープ。残り15秒、ランガカーに背を向ける形でスイープに耐えていたムラサキは、うつ伏せになりながら左足を取ってのストレートフットロックを仕掛ける。こうしてムラサキは、相手に上になられても関節技を仕掛けている以上はスイープ成立とはみなされないルールをうまく利用し、最後の時間を過ごしてリードを守り切ったのだった。

序盤で先制点を奪うと、その後は自らの一番強い部分──トップキープ力──をもって、世界が恐れる極め業師の怒涛の攻撃を凌ぎきったムラサキ。大舞台で見事に作戦を遂行して大物食いを果たしたムラサキは、世界大会黒帯の部初出場にして決勝進出という快挙を成し遂げた。

もう一方のブロックを勝ち上がったのは、予想通り圧倒的な強さで勝ち上がった大本命タイナン・ダウプラだった。準決勝では、4月のパン大会ではパスガードできなかったホナウド・ジュニオールと再戦し、2度パスを決めたのちにバックを奪い――10対0で完勝。この階級で数少ないライバル候補のジュニオール相手に、さらに差を広げる勝ち方で2連覇に王手をかけた。

<ミドル級決勝/10分1R>
タイナン・ダウプラ(ブラジル)
Def.5分20秒 by 襟絞め
アンディ・ムラサキ(ブラジル)

道着を掴み合う両者、ダウプラが引き込む瞬間、ムラサキは見事なタイミングで大内刈りを合わせることに成功し、2点先取してみせた。

クローズドガードを取り、背中越しに帯を取るダウプラに対し、腰を上げるムラサキ。すかさずダウプラはガードを開いてムラサキの右足を肩で抱える。さらに中に入れた右足で下からムラサキを煽ったダウプラは、左手と両足でムラサキの右足をおしのけて崩す形で上になりスイープ完遂。1分経過の時点で、準決勝でトミー・ランガカーの怒涛の下からの連続攻撃を凌ぎきったムラサキをあっさり崩し、2-2の同点に追いついて見せた。

下になったムラサキは、ダウプラの左足にデラヒーバガードで絡む。が、ダウプラはしゃがんでムラサキの足を押し除けて絡みを解くとすぐに左足をドラッグ。そのままサイドに回る。なんとか下から動こうとするムラサキだが、ダウプラはそれを許さず押さえ込んでパス完成。試合開始後1分半で5-2と逆転してみせた。

右腕で枕を取ったダウプラは、ニーオンザベリーでアドバンテージを取ると、自分のラペルを引き出してゆく。ムラサキは下から動いて左足に絡むが、ダウプラはすぐにその足を抜いて8-2に。その後もう一度ムラサキは足を絡めるものの、ダウプラはラペルを右手で掴んで首を殺してから足を抜き、11-2とリードを広げた。

そこからダウプラは、右足でムラサキの頭をステップオーバーしてのチョーク狙いへ。耐えるアンディだが、ダウプラは先ほど引き出した自分のラペルを口でくわえ、ムラサキの首に回して右腕で掴んで、さらに締め上げる。ついにムラサキがタップ。5分20秒、ダウプラが圧倒的な強さでムラサキの挑戦を退けて2連覇を達成した。

問答無用のスイープ力、恐るべきパスの圧力と精度、そして強烈な極め。立ち、トップ、ボトムと全てに優れたムラサキをもねじ伏せ、黒帯2年目にして絶対王者の地位を築きつつあるダウプラのライバルとなる選手は、やはり今年のライト級を席巻し決勝を争った二人──ミカ・ガルバォンとタイ・ルオトロ──だろうか。

【ミドル級リザルト】
優勝 タイナン・ダウプラ(ブラジル)
準優勝 アンディ・ムラサキ(ブラジル)
3位 ホナウド・ジュニオール(ブラジル)、トミー・ランガカー(ノルウェー)

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MMA MMAPLANET o WJJC2022 アンディ・ムラサキ ケネディ・マシエル ジアニ・グリッポ ジョナタ・アウヴェス セルヴィオ・トゥリオ タイナン・ダウプラ トミー・ランガカー ブラジリアン柔術 ホナウド・ジュニオール マテウス・ガブリエル ミカエル・ガルバォン レオナルド・ララ

【WJJC2022】アンディ・ムラサキ、なるかストップ・ザ・独走状態=タイナン・ダウプラ

【写真】50/50ゲーム中に尻を出されたバイエンセがいないなか、誰がダウプラと拮抗した勝負を挑むことができるか(C)SATOSHI NARITA

2日(木・現地時間)から5日(日・同)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのウォルター・ピラミッドにて行われる、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権。
Text by Isamu Horiuchi

プレビュー最終回となる第4回は、日本でティーン時代を過ごしたアンディ・ムラサキが黒帯として世界初挑戦に挑むミドル級の見どころを紹介したい。


この階級の大本命は、昨年初出場初優勝を飾ったAOJの21歳タイナン・ダウプラ。オープンガードからの強烈なスイープと、盤石のトップゲームをもちあわせ、その圧倒的な強さは師のハファエル・メンデスを想起させる。昨年に黒帯デビューを果たした後、敗れたのはライト級レビューでも触れた「柔術の神の子」ことミカエル・ガルバォンとの死闘のみ。あとは50戦近くの大半を一本勝ちしており、仕留めきれなかった試合もはっきりと差をつけて勝利している。

今年は、昨年の世界大会決勝を争った──そしてこれまでのダウプラの黒帯キャリアにおいて、唯一接戦の勝利となった──イザッキ・バイエンセが不出場ということもあり、このダウプラこそ男子黒帯アダルト全階級の中でもっとも盤石の優勝候補と言えるだろう。

ダウプラの対抗としては、4月のパン大会準決勝でダウプラにパスを許さない健闘を見せたホナウド・ジュニオールや北欧の極め業師トミー・ランガカーらが挙げられるが、どちらも昨年から今年にかけてダウプラに連敗を喫しており、その牙城を崩すのは困難だろう。

そこで我々日本人が期待をかけたいのが、これが世界大会初挑戦となる22歳の日系ブラジリアン、アンディ・ムラサキだ。

十代の頃を日本で過ごし、やがて渡米してカイオ・テハの教えを受けた後にアトス所属となったムラサキ。昨年のEUG1のトーナメントにて、ケネディ・マシエル、ジアニ・グリッポ、マテウス・ガブリエルという超大物黒帯を三連破して衝撃の黒帯デビューを果たした。特にグリッポ戦では難攻不落と見られたそのオープンガードを完全に制圧してパスに成功、そのままステップオーバーしての三角締めを極めての圧巻の勝利だった。

パワフルかつ鋭いパスガードと極めを中心に活躍しているムラサキだが、現在ライト級の世界のトップを走るAOJのジョナタ・アウヴェスだけには分が悪い。特に4月のパン大会では、見事な戦いで決勝まで進出して雪辱戦に挑んだものの、スイープをもらった後トップをキープされての敗戦。ライバルにはっきり差を付けられての3連敗となってしまった。

今回は階級を上げてのミドル級で世界初挑戦となるムラサキは一回戦を突破すると、4月のパン大会にて一階級上のミディアムヘビー級でクローズアウト優勝を果たしたマニュエル・ヒバマー戦を迎える。重い階級における世界トップにムラサキの柔術がどこまで通用するか、まずはこの試合が紫金石となりそうだ。

ここを越えた後に準々決勝でおそらく待っているのは、同門アトスの先輩の(今回はアトス・インターナショナルで出場する)レオナルド・ララか。ムラサキと当たった場合に戦うのか──どちらかが譲るのかは定かではないが、その先の準決勝で当たるのはランガカーとセルヴィオ・トゥリオの勝者なる公算が高い。

そして決勝まで駒を進めれば、AOJにおけるアウヴェスの練習仲間にして、世界最強のタイナン・ダウプラに辿り着くことになりそうだ。

ムラサキを含めた挑戦者たちは、若くして既にあまりに強大な存在となりつつあるダウプラを攻略することはできるのか。今後しばらくはダウプラ時代が続くことが容易に予想されるだけに、今回はライト級で世界を狙うミカ・ガルバォンに続いて──その牙城に迫るライバルの出現を期待したいところだ。

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BJJ STARS08 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship WJJC2022 アンディ・ムラサキ アンドレ・ガルバォン エスペン・マティエセン ゲイリー・トノン ジョナタ・アウヴェス タイナン・ダウプラ タイ・ルオトロ ニュース ブラジリアン柔術 マテウス・ガブリエル ミカエル・ガルバォン リーヴァイ・ジョーンズレアリー ルーカス・バルボーザ レアンドロ・ロ

【WJJC2022】柔術の神の子ミカ・ガルバォンと神童タイ・ルオトロ、New Wave Jiu-Jitsuがムンジに挑む

【写真】夢のティーン対決が実現するか。そんなに甘いモノではないのか──見所だらけのライト級だ(C)FLOGRAPPLING & ONE

2日(木・現地時間)から5日(日・同)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのウォルター・ピラミッドにて行われる、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権。
Text by Isamu Horiuchi

プレビュー第3回は、タイ・ルオトロ、ミカ・ガルバォンという柔術グラップリング界の二大ニュースターのエントリーにより最注目区となったライト級の見どころを紹介したい。


昨年はヘナート・カヌートとマテウス・ガブリエルのチェックマット勢によるクローズアウトとなったこの階級。今年はカヌートの姿がないものの、2019年のフェザー級世界王者でもあるガブリエルは出場する。

下からは長い足を活かした切れ味抜群のベリンボロを駆使し、上を取れば卓越したバランスから強力なパスガードを繰り出すガブリエルは、まぎれもなく優勝候補本命の1人だろう。

このガブリエルと並ぶ優勝候補と言えるのが、AOJのジョナタ・アウヴェスだ。

(C)FLOGRAPPLING

4月のパン大会では準決勝までは全試合短時間で一本勝ちし、決勝でもライバルのアンディ・ムラサキ相手に上下どちらからも試合を支配して、付け入る隙を与えずに完勝。

頭一つ抜けた強さを見せつけている。が、ガブリエルとは昨年のEUG1トーナメントの初戦で戦い、ベリンボロでポイントを奪われて惜敗している。師匠メンデス兄弟の必殺技でもあるこの技の対策を、アウヴェスが今回いかにアップデートして再戦に臨むのか。

ベリンボロと言えば、今回はオーストラリア出身のリーヴァイ・ジョーンズレアリーと、ノルウェーのエスペン・マティエセンという2人の名高いベリンボロ使いもエントリーしている。両者ともにメダル獲得の可能性を十分に持った強豪だ。

しかし、今回は上記の選手たちを超える注目を集める若手が2人エントリーを果たしている。1人は、先日のONE CHAMPIONSHIPにてゲイリー・トノンとグラップリング戦を行い、僅か97秒にてダースチョークで圧勝したタイ・ルオトロだ。

双子の弟ケイドと共にティーンの頃から脚光を浴びてきたタイは、2019年のADCC世界大会に若干16歳で出場。無尽蔵のスタミナをもって動き続け、ブルーノ・フラザトとパブロ・マントバーニという同門の大先輩2人を連破してベスト4に進出し、世界にその名を轟かせた。

その後もタイはケイドとともにノーギシーンを中心に大活躍し、昨年のWNOチャンピオンシップでも優勝。現在19歳にして既に今年のADCC世界大会の優勝候補本命とまで言われている。

ONEグラップリング以前に、今年の1月にはリーヴァイ・ジョーンズレアリーをヒザ十字で下しミドル級に続きウェルター級でWNOのベルトを巻くなど──ノーギではすでに疑いなく世界最強クラスのタイだが、道着着用ルールでの試合も厭わない。

昨年末の世界大会では茶帯ライト級出場し、決勝で弟ケイドと真っ向勝負。やや押され気味だったものの終盤にダースからバックに回り、後ろ三角から腕十字に移行という見事な流れで一本勝ちを収めて優勝を果たした。数日後、両者は師匠のアンドレ・ガルバォンから黒帯を授与された。

ノンストップ攻撃と圧倒的な極めでグラップリング界を席巻する19歳が、道着着用の大舞台でどのような戦いを見せるのか。今回はまさに世界が注目する黒帯デビュー戦だ。

タイが一回戦を突破すると、アウヴェスとの対決が実現する。スタンドでもグラウンドでも動き続けるタイを、タイトな柔術を身上とするアウヴェスが道着を用いていかに封じ込めるのか。低重心で抜群の安定感を持つアウヴェスに上になられた時、タイはどのように抵抗して活路を見出すのか、興味は尽きない。

そして今回タイに劣らず、むしろそれ以上に大きな期待を集めている初出場選手が、さらに年下の18歳「ミカ」ことミカエル・ガルバォンだ。幼少時よりルタ・リーブリとブラジリアン柔術の両方を修め、突出した反応速度を用いたカウンター、一瞬の閃きと極めの強さをもってノーギ&道着着用の両ジャンルにて見る者を魅了する「柔術の神の子」だが、その才能の凄まじさがより如実に発揮されるのは道着着用ルールの方だ。

昨年のEUG第2回大会のトーナメントに茶帯ながら参戦したミカは、準決勝で現在世界最強のミドル級柔術家であるタイナン・ダウプラと対戦。驚異的な反応と体捌きでダウプラの強力なオープンガードを封じ込め、終盤は一瞬で形に入った三角絞めを極めかけて判定勝ち。決勝ではダウプラの兄貴分アウヴェスの執念の膠着戦法の前に惜敗したものの、世界を驚嘆させる黒帯デビューを果たした。

黒帯昇格後に出場したアブダビ・ワールドプロ大会では、ブラジル予選& 本戦の6試合中5試合で一本勝ちして圧倒的に優勝。前述のマティエセンとジョーンズレアリーの2人も極めている。

さらなる驚きは、今年4月末のBJJ Stars08大会のトーナメント。1回戦で世界5階級制覇のレアンドロ・ロとのドリームマッチに挑んだミカは、クローズドガードからの攻撃でロのトップゲームを封じ込めて完勝してみせた。

さらに決勝ではミディアムヘビー級の世界王者ルーカス・バルボーザと対戦。スタンド戦で互角以上に渡り合って疲弊させると、終盤にテイクダウンからあっという間にバックに回ってボーアンドアローチョーク一閃。2階級上の怪物世界王者からも一本勝ちを収め、一夜にして柔術界の二大レジェンドを連破するという大仕事をやってのけたのだった。

その後、5月に入っても8日(日・同)にサンパウロで開かれた最も歴史と伝統があるといっても過言でないブラジレイロでも黒帯ミドル級で1回戦こそ対戦相手が失格だったが、その後の3試合では絞め、横三角、腕十字と一本勝ちを収め頂点に立っている。

今回、アウヴェスやタイとは逆のブロックに位置しているミカ。順当に勝ち上がれば準々決勝で前回優勝のガブリエルとの大一番が実現する可能性が高い。トップからもボトムからも無類の切れ味を持つ両者だが、攻撃の仕掛けが鋭いガブリエルに対して、ミカは切り返しの鋭さを誇る。両者の特性が噛み合えば想像を超えるような名勝負となる可能性もあるだろう。

アウヴェス対タイ、そしてガブリエル対ミカ。仮に両強豪を打ち破り、ファイナルでタイ✖ミカのNEW WAVE Jiu Jitsuの一戦が実現することになれば、昨年9月のWNOミドル級王座決定トーナメント戦以来の顔合わせとなり、その時はタイが辛勝しえいる。

誰が勝ち上がっても、さらに興味深い対決に続くこのライト級こそ、今年の世界大会で最も熱い期待を集める場であることは間違いない。

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【BJJ STARS08】怪物覚醒バルボーザから一本勝ち。ミカ・ガルバォン、柔術の神の子から柔術の神へ

【写真】9分間の神経戦から、一気の一本勝ち。柔術を見ても楽しめる層の心は既にダウプラ✖ミカに(C)BJJ STARS

4月30日(土・現地時間)、ブラジルのサンパウロにて豪華プロ柔術&グラップリングイベントのBJJ STARS 8が行われた。その目玉である道着着用ルールのミドル級GP。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー第2回は、準決勝2試合とファン垂涎の一騎討ちが実現した決勝戦の模様をお伝えしたい。


<ミドル級GP準決勝/7分1R>
ルーカス・バルボーザ(ブラジル)
Def.1分30秒 by 変形腕ひしぎ十字固め
レオナルド・ララ(ブラジル)

試合開始早々、ララがジャンピングガードへ。バルボーザはそこに側転パスを合わせるが、ララはガードを閉じることに成功した。が、すぐに立ち上がったバルボーザはララのガードをこじ開けると再び右に側転。さらにララの左足を押さえつけながら左に回り、低く体重をかけて足を抜き、あっという間にパスを決めて見せたのだった。

さらにバルボーザは、1回戦のヒメネス戦と同様すぐに相手のニアサイドの腕を抱えて腕十字へ。うつ伏せで逃れようとしたララだが、バルボーザがその左腕をアメリカーナの方向に捻り上げると、たまらずタップ、わずか1分半の出来事だった。

勝利が決まった瞬間、バルボーザは立ち上がって上半身をはだけさせて咆哮。一回戦に続きリスクを厭わず攻め続け、今度は圧巻のパス&秒殺フィニッシュを決めてみせた。恐るべきサブミッションマシーンに進化したこの怪物に勝てる者など果たして同階級に存在するのだろうか、と思わせるほどの強さをもって決勝進出を決めた。

<ミドル級GP準決勝/7分1R>
ミカ・ガルバォン(ブラジル)
Def. 負傷棄権
マウリシオ・オリヴェイラ(ブラジル)

昨年のBJJ BETのノーギトーナメントの再戦。この時はガルバォンの引き込みの際にテイクダウン・ポイントを与えられたマウリシオ・オリヴェイラが、その後ガルバォンの攻撃を凌ぎ切って殊勲の勝利を収めている。ちなみにガルバォンが昨年の黒帯取得以来敗れたのは、このオリヴェイラ戦とWNOチャンピオンシップの決勝のタイ・ルオトロ戦のみ。他はギ、ノーギ合わせて30戦ほど戦い、その大半で一本勝ちを挙げているのだから、前回のオリヴェイラの勝利は──微妙な裁定を見方に付けたものだったとは言え──値千金だったと言える。

前に出るガルバォンに対し、オリヴェイラは引き込むと右足にデラヒーバガードで絡む。重心を落とすガルバォンだが、オリヴェイラはその左腕にスパイダー。そのままガルバォンを横に崩しにかかるが、ガルバォンも体勢を立て直す。

ならばとオリヴェイラは引き出したガルバォンの右足を抱えると、両足でガルバォンの体を浮かせながら後転。安定感抜群の重心を持つ神の子を見事に舞わせて上を奪取し、2点を先制してみせた。

下になったガルバォンがクローズドガードを取ると、腰を引いて距離を作るオリヴェイラ。ガルバォンはオリヴェイラのラペルを引き出し、それを首の後ろに回して掴んでハイガードを作る。

オリヴェイラが姿勢を正して立ち上がると、ガルバォンは右足にデラヒーバを作る。と、ここでオリヴェイラが左脚に異常を訴えて試合が中断、ドクターの診察を受けることになった。特にガルバォンが何かを仕掛けたわけでもなく、動きの中で起きたアクシデントのようだったが、オリヴェイラは立ち上がるのも困難な様子で、結局負傷棄権を余儀なくされることとなった。

とまれ、一度ノーギでガルバォンから勝利を挙げているオリヴェイラが、道着着用の今回も見事なスイープを決めて優勢に試合を進めていたことは特筆に値する。負傷が癒え次第、両者の3度目の戦いをぜひ見てみたい。

このようにすっきりしたリベンジこそ果たせなかったものの、ガルバォンの決勝進出が決定。一回戦のロ戦に続き、現在世界最強の柔術家の一人であるルーカス・バルボーザとのドリームマッチが実現することとなった。

<ミドル級GP決勝/10分1R>
ミカ・ガルバォン(ブラジル)
Def.9分37秒 by ボーアンドアローチョーク
ルーカス・バルボーザ(ブラジル)

ここまで、「怪物覚醒」とでも言いたくなるようなアグレッシブな戦いで強さを見せつけているバルボーザは、決勝も気合い十分。対するガルバォンは、こちらも前2戦同様にリラックスして微笑んでいる。難攻不落の怪物を前にしても、神の子はまったく気負っていない様子だ。

近づいて襟を掴み合う両者。バルボーザがタックルを仕掛けるが、腰を引いて防ぐガルバォン。さらにバルボーザは一回戦で猛威を振るった膝を付いての背負いに入るが、腰の重いガルバォンは崩れない。さらにバルボーザは2度、3度と背負いを狙うが、ガルバォンのバランスは崩れず。

このバルボーザの仕掛けに対し、ガルバォンの方も受けに回ることなく煽り返しては、逆に足を取ってのテイクダウンや、背負いを狙ってゆく。バルボーザもそのたびにしっかりとディフェンスしてみせる。

その後もスタンドでの攻防を続ける両者。お互い道着を掴んで煽り合っては、飛び込んでの背負いやタックルを狙う。ガルバォンの背負いの前に一瞬バランスを崩すバルボーザだが、すぐに戻る。ここまで下になることを厭わずに勝ち上がった両者だが、この決勝戦ではお互いトップゲームを警戒し合い、譲るつもりはないようだ。

一つのミスが命取りになるような立ちでの神経戦が延々と続き、7分が経過。ここでレフェリーが両者にペナルティを宣告し、両者は一旦離れてから再開となった。

ここでガルバォンは素早くタックルで飛び込む素振りを見せては退く。腰を引くバルボーザだが反応が遅れ、体勢を立て直した時にはガルバォンがすでに距離を取った後。疲労が目立つバルボーザと、まったく動きの落ちないガルバォン。ここにきてスピードの差が見え始めてきた。

さらにガルバォンは素早くレベルチェンジしてアンクルピックを仕掛ける。一瞬体勢を崩されたものの、すぐに戻るバルボーザ。主審はここでガルバォンにアドバンテージを宣告したが、副審によって取り消された。これは妥当な裁定だろう。

その後も両者譲らずスタンドの攻防が続く。バルボーザが膝を付いての投げを仕掛けると、すかさずがぶりにかかるガルバォン。バルボーザはなんとか体勢を立て直したが、がぶりを仕掛けさせすらしなかった序盤と比べ、動きは鈍っているようだ。

さらに両者にペナルティが追加され、とうとう試合は残り1分に。先にポイントを取った方が勝利濃厚という展開だ。スタミナ十分のガルバォンがバルボーザの襟を煽り、さらに前に出たところで、膝を付いて飛び込むバルボーザ。残り48秒で勝負を仕掛けた。

反応の速いガルバォンは、再びがぶりを試みる。体勢を戻そうとするバルボーザだが、ガルバォンはそれを上回る速さでバルボーザの斜め後ろに着くと、そのまま一気にドライブ。右手でバルボーザの襟を取り、左手で右足を抱えて怪物を豪快になぎ倒し、テイクダウンに成功した。なんとかスクランブルを試みるバルボーザだが、ガルバォンはあっという間にそのバックへ。

右手の襟のグリップを持ち続けているガルバォンは、さらにバルボーザの左膝のパンツを掴んで弓矢締めの体勢に。そのまま締め上げると、残り23秒のところでバルボーザがタップした。

9分12秒にわたる立ち技の神経戦で怪物バルボーザを疲弊させ、その後の25秒で一気に畳みかけて圧巻のフィニッシュ。昨年のEUG大会のタイナン・ダウプラ戦ではトップからの無類のプレッシャーの強さを発揮したガルバォンは、今大会の1回戦ではロ相手にガードからの突出した攻撃力と盤石の防御力を、決勝ではバルボーザ相手に立ち技の安定感と持久戦の強さ、そして圧倒的な極め力を見せつけた。

全局面において見る者を驚嘆させる柔術の神の子ミカ・ガルバォン。バルボーザの怪物性が覚醒したのであれば、ミカは柔術の神の子から、柔術の神へと道を歩み始めた──。

6月のムンジアルでは一体どのような戦いを見せてくれるのか。昨年のミドル級王者のタイナン・ダウプラとの再戦や、今回欠場した元王者イザッキ・バイエンスとの初対決等、興味は尽きない。

【ミドル級GPリザルト】
優勝 ミカ・ガルバォン(ブラジル)
準優勝 ルーカス・バルボーザ(ブラジル)
3位 マウリシオ・オリヴェイラ(ブラジル)、レオナルド・ララ(ブラジル)

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【BJJ STARS08】膠着禁止のミドル級GP。柔術の神の子=ミカ・ガルバォンがロを始め3人の世界王者に挑む

【写真】とんでもないGPトーナメント。タイナン・ダウプラが出ていないところがよりそそられる(C)CLAYTON JONE/FLOGRAPPLING

30日(土・現地時間)、ブラジルのサンパウロにてプロ柔術& グラップリングイベントのBJJ STARS 08 が行われる。
Text by Isamu Horiuchi

道着着用とノーギグラップリングの両方のルールにおける世界のトップアスリートたちを集めて開催されるこの豪華大会。今回の目玉は8人の黒帯選手が参加する道着着用ルールのミドル級GPだ。


この大会で特筆すべきは、道着着用の試合において膠着禁止目的の特別ルールが2つ採用されていることだ。一つ目は相手のラペルを相手や自分の手足に絡めて掴む技術に関するもの。攻撃姿勢を持って行われているとみなされれば許されるものの、膠着目的と判断された場合には掴んでいた側にペナルティが与えられ、強制的にグリップを解除した状態で試合が再開される。

もう一つは50/50ポジションについて。こちらは20秒間経過した時点で解けなければブレイクされ、両者にペナルティが与えられた上でスタンドから再開となる。

そんなルールが採用された8人制ワンデートーナメントの出場選手は以下の通りだ。

レアンドロ・ロ(ブラジル)
ルーカス・バルボーザ(ブラジル)
イザッキ・バイエンス(ブラジル)
ミカ・ガルバォン(ブラジル)
ロベルト・ヒメネス(米国)
マウリシオ・オリヴェイラ(ブラジル)
レオナルド・ララ(米国)
ペドロ・マチャド(ブラジル)

この8人の中で、IBJJF世界王者の肩書を持つのはロ、バルボーザ、バイエンセの3人。特に実績・知名度共に群を抜いているのは、言わずと知れた4階級世界王者のレアンドロ・ロだ。

12年にライト級世界王座に就いて以来、ミドル、ミディアムヘビーと制し、2019年にはついに(友人のブシェシャことマーカス・アウメイダに決勝戦を譲られる形ではあったものの)無差別級世界一の座に輝いた。

もうすぐ33歳となるレジェンドはここ数年試合数を絞っているものの、その強さは衰えを知らない。今年のパン大会のミディアムヘビー級においても2試合を勝利し、準決勝でチームメイトに勝利を譲っている。

重い階級での戦いにおいては、一瞬の爆発的なムーブで優位なポジションを取っては動きを止めるような試合運びが目立つロだが、今回は久々のミドル級。この体重ならば、強力なガードから様々なスイープを自在に使いこなし、上からは機動力を生かして鋭いニースライスやトレアナ・パスで攻め立てる本来の動きが期待できそうだ。

(C)CLAYTON JONE/FLOGRAPPLING

このロにとって天敵ともいえる存在が、2018年のミディアムヘビー級世界王者&2021年は同門とシェアで準優勝のハルクことルーカス・バルボーザだ。

ロとは道着着用では2019年のパン大会、2020年のBJJ Starsにて対戦。ロのオープンガードからの攻撃をトップから封じ込めて勝利している。

特に2年前の試合はテイクダウンでポイントを先行し、終盤はバックに付きかけての完勝だった。さらに2021年のBJJ BetのノーギGPの決勝でもロと対決。この時に至ってはテイクダウンからバックを奪ってチョークで一本勝ちを収めている。ロのガードの攻略法を完全に会得している世界でも数少ない選手の一人が、バルボーザなのだ。

低く重く相手を抑え込み、無駄な動きはせず上を決して譲らない重厚なバルボーザの戦い方は、ロだけでなく誰にとっても難攻不落と言えるだろう。普段より軽いミドル級の戦いとなるこの大会、減量の影響がないならばバルボーザこそ本命と言えるかもしれない。

もう一人の世界王者が、イザッキ・バイエンスだ。

高い身体能力を活かした抜群のスクランブル力とトップキープ力を誇る。このGPと同じミドル級を主戦場としていて、2018年に世界王座に就いた。2019年と2021年の世界大会決勝では、それぞれガブリエル・アウジェスとタイナン・ダウプラに惜敗したものの、どちらも正面衝突を避けた相手に50/50を作られて終盤まで延々と膠着された挙句、終了直前に微妙なポイントを稼がれての敗戦だった。バイエンスの実力が現在も世界最高峰にあることを疑う者はいまい。

2019年と2021年の世界大会決勝の展開からいえることは、今回の大会特有の膠着禁止ルールによってもっとも恩恵を受けるのがこのバイエンスということだ。これまでロとは数回対戦し、いずれもそのオープンガードを超えられずに敗戦を喫しているが、27歳と脂の乗り切った現在のバイエンスが、今回とうとうレジェンド超えを果たす可能性は決して少なくないだろう。

GPをさらに興味深くしているのは、上記3人の世界王者に対し、年齢下の若手黒帯5人が挑む構図となっていることだ。

一番の注目は最年少19歳、柔術の神の子ことミカ・ガルバォンであることに異論はないだろう。ルタ・リーブリとブラジリアン柔術の両方で黒帯を巻き、北米では主にノーギシーンにおいて、突出した反応速度を利した一瞬の切り返しや驚くべき極めの強さをもって見る者を魅了している。そしてその驚異のパフォーマンスは、道着着用ルールにおいてさらなる輝きを放つ可能性が高い。

茶帯として参戦した昨年のEUG大会の道着着用トーナメント準決勝では、年末に世界王者となるタイナン・ダウプラと歴史に残るような大激闘を展開。ダウプラの強力無比なオープンガードを盤石の重心とボディバランスで封じ込めた上で、絶妙の体捌きと反射を利したパス攻撃で追い詰め、一瞬で三角絞めの体勢を作ってみせて判定勝ちを収めてみせた。

続く決勝では、弟弟子の雪辱に燃えるジョナタ・アウヴェスの執念の防御&膠着戦法を攻略できずに惜敗したものの、試合全般においてほぼ一方的に攻撃を続ける圧巻の内容だった。今年3月のパン大会において、ダウプラとアウヴェスのAOJ勢が頭二つ抜けた強さを見せつけたことを考えても、当時茶帯だった──柔術の神の子の凄まじさが分かろうというものだ。

昨年はさらにその後、アブダビ・ワールドプロ大会にエントリー。ブラジル予選と世界大会の両方の6試合のうちの5試合で一本勝ちを収めて圧巻の優勝を遂げている。

オープンガードを駆使する相手にギを掴まれても一切動じない盤石のベース&ボディバランス、強烈無比なプレッシャーといったファンダメンタルにおいても無類の強さを持つ神の子は、摩擦が多く極めの力がさらに増す道着着用ルールにおいてこそ最も輝くといえる。

今回、三人の世界王者とガルバォンの試合が実現すればどれもドリームカードだが、特に期待されるのはロとの一戦だろう。トップ、ボトムの双方から多彩かつダイナミックな攻撃を繰り出し、ファンを魅了する新旧レジェンドによる初対決は実現するか。

(C)CLAYTON JONE/FLOGRAPPLING

若手の中でもう一人注目選手を挙げるなら、やはりロベルト・ヒメネスか。

ダイナミックな極めと見事なバックグラブを中心にノーギシーンで活躍する21歳は、昨年2月のBJJ Starsにおいてバイエンセとノーギで対戦しており、ポイントで惜敗したもののバックを奪いかける等の大健闘をみせた。

そして先日のパン大会では久々に道着着用ルールに登場。初戦を突破した次戦で、色帯時代から因縁のある現世界王者タイナン・ダウプラと対戦。三角絞めに屈したものの、先制のテイクダウンを奪った上で見応え十分のスクランブル合戦を展開して力を示した。摩擦によってバックグラブの精度が上がる道着着用ルールにおいて、ヒメネスがレジェンド相手にアップセットを引き起こす可能性は間違いなくある。

残りの3人のブラジル人若手黒帯選手も、いずれも実績を持った存在だ。24歳のマウリシオ・オリヴェイラは、2018年の茶帯ミディアムヘビー級世界王者にして、昨年のBJJ Bet大会におけるノーギトーナメントにてガルバォンの極めを凌いて殊勲の星を挙げた選手だ。

25歳のレオナルド・ララは18年の茶帯ミドル級世界王者で、上述の昨年のワールドプロ大会において、ガルバォンに唯一極めさせなかった選手だ。23歳になったばかりのペドロ・マチャドは昨年末に黒帯を取得し、3月のパン大会のヘビー級で3位入賞を果たしている。

今も最高峰の実力を保持する世界王者3人と、その首を狙う新世代5人による要注目の戦いが幕を開ける。

■視聴方法(予定)
5月1日(日・日本時間)
午前7時00分~FLOGRAPPLING

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MMA MMAPLANET o PJJC2022   アンディ・ムラサキ ジョナタ・アウヴェス ジョニー・タマ タイナン・ダウプラ

【PJJC2022】ライト級─鉄壁のジョナタ・アウヴェスに敗れるも、アンディ・ムラサキ準優勝

【写真】一本勝ちも、序盤のスイープで得たポイントを守りきるのも完勝だ(C)IBJJF

6日(水・現地時間)から10日(日・同)まで、フロリダ州キシミーのシルバー・スパーズ・アリーナにて、パン柔術選手権が行われた。レビュー最終回は、優勝候補最右翼のジョナタ・アウヴェスや、そして日本でティーン時代を過ごしたアンディ・ムラサキが出場したライト級の模様を、ムラサキの戦いを中心に紹介したい。

<ライト級1回戦/10分1R>
アンディ・ムラサキ(ブラジル)
Def.6分47秒 by 襟絞め
ジョニー・タマ(エクアドル)

ムラサキの初戦の相手は、2019年ノーギワールズを制覇する等、ノーギグラップリングでの活躍が目立つジョニー・タマ。引き込んで片襟を取ったムラサキは、タマの右足を掴んでシットアップに入る。が、それを片足立ちで堪えたタマは小手絞りでカウンター。ムラサキは自ら寝て回転して逃れたものの、タマが持ち味を発揮してアドバンテージを得た。

しかしタマの右足を離さずキープしたまま立ち上がったムラサキは、それを股間にはさんで固定すると、タマの左足を抑えつつ回してテイクダウンに成功。下のポジションを起点としたスイープの2点を先取した。

オープンから仕掛けようとするタマだが、ムラサキは左膝を入れて低い重心を取ると、左腕を伸ばして玉の帯の背中を取る。さらに重心を低くしてタマの両足を重ねて潰したムラサキは、左にパスに成功。さらにスクランブルを試みるタマのバックにまわり、9点目を獲得した。

そのまま4の字フックを入れたムラサキは、じっくり締めを狙ってゆき、残り3分少々のところでフィニッシュ。タマも持ち味のダイナミックな動きで見せ場を作ったが、ムラサキの反応の良さと盤石のベース、そして極めが上回った好試合だった。

<ライト級2回戦/10分1R>
アンディ・ムラサキ(ブラジル)
Def. 4-2
ヴィクトー・ニサエル(ブラジル)

ムラサキの2回戦の相手は、ムラサキ同様に昨年黒帯を取得し、サウスアメリカン王者に輝いたニサエル。オープンガードを得意とする選手だ。

まず座る両者。ここでなぜかニサエルは一瞬立ち上がってから改めて下に。ムラサキがその流れで上攻めを選択すると、一度上下が成立したということでムラサキに2点が与えられた。ニサエルとしては勿体ない失点だ。

下を得意とするニサエルは、片襟片袖から煽り、さらにムラサキの右足に絡んで内回りや外回りを狙ってゆく。ムラサキは持ち前のベースで対抗。たまに自ら背中を付けて絡みつく足を解除してから、立ち上がる動きも見せる。やがてムラサキはニサエルの足を捌いて左に侵攻し、アドバンテージを獲得した。

ニサエルが戻すと次は右に動き、さらにまた左へとパス攻撃を続けるムラサキ。低く重く、同時に速く鋭い動きだが、ニサエルもよく対応している。やがてムラサキは、ニサエルの左足を素早くレッグドラッグしてサイドに。ニサエルは右足を入れて隙間を作ると、ムラサキの股間に潜り込む形で背後に回る。対するムラサキは前転して下になると同時に、体をずらして50/50で絡む。この攻防でムラサキにアドバンテージが一つ、ニサエルに2点が与えられた。ポイントは同点だが、アドバンテージはまだムラサキが2つリードしている。

残り1分。ムラサキは下からニサエルのズボンの尻を掴んで、足の絡みを解除する。さらにニサエルの左足を掴みながら立ったムラサキは、背後から右足を刈ってテイクダウンに成功。スコアを4-2とした。時間のないニサエルは、下から強引に足を取りにゆく。すかさずそれを低い重心で潰したムラサキは、サイドを取りかけてからマウント狙い。なんとかニサエルが下から足を絡めるが、背後に付きかけたムラサキが、クロックチョークの体勢に入ったところで試合は終了した。

ニサエルのオープンガードにやや手を焼いたムラサキだが、それでもスコアは4-2、アドバンテージ5-0。上からの強烈なプレッシャーと鋭いパスに加えて、下の50/50ゲームでもバックを脅かし、上を取る強さを見せての快勝だった。

<ライト級準々決勝/10分1R>
アンディ・ムラサキ(ブラジル)
Def. 4分58秒by 肩固め
セルジオ・アントニオ(ブラジル)

背が高く懐の深いアントニオは、引き込むと同時にヒップバンプ。体勢を完全に崩されたムラサキは、あわやバックを許すかに見えたが、回転して正対し、アントニオのクローズドの中に入った。この攻防でアントニオはアドバンテージを2つ獲得した。

立ち上がったムラサキは、アントニオのガードを開けるとその右足を押さえつけて股間に挟んでの制圧を試みる。が、アントニオは、下からムラサキの右腕を取って脇にかかえると、左足を絡めてムラサキの腕を極めにゆき、さらにオモプラッタへ。右腕を伸ばされかけたムラサキだが、回転して体勢を立て直すと、アントニオの体をリフトしながら立ち上がり、あらためて落としながら腕を抜いた。この攻防でアントニオは、アドバンテージをさらに2つ追加した。

立ち上がったムラサキはパスのプレッシャーをかけるが、アントニオはシッティングからムラサキのラペルを自らの右足に絡めつつ、ムラサキの膝裏を通して掴んで対抗。リードを許したまま体勢を固定されかけたムラサキだが、強靭なベースを活かして前に低く体重をかけると、やがて左手でアントニオの首の後ろの襟を取ることに成功。

その襟を強烈に引きつけたムラサキは、左足を伸ばしてポストして安定した姿勢を作って低く強烈なプレッシャーをかけてゆく。やがてアントニオの左足を押し下げて超えると、ハーフガードで胸を合わせて抑えることに成功した。

改めて左で枕を作り、完全にアントニオの上半身を制圧したムラサキは、さらに右腕をセルジオの左脇に入れて開けせるとあけさせると、足を絡められていた右膝を抜いてサイドにつき、すぐにマウントへ。ここで7点を獲得したムラサキは、さらに開けさせた左脇に頭を入れて肩固めでフィニッシュした。

懐の深さを活かしたアントニオの強烈な先制攻撃に耐え、地力の差を見せつけての逆転勝ち。思わぬ攻撃を受けた時の反応の速さも目立ったムラサキ。攻撃力だけでなく、防御の強さも見せつけた一戦となった。

<ライト級準決勝/10分1R>
アンディ・ムラサキ(ブラジル)
Def. 5-0
イゴール・フィリズ(ブラジル)

準決勝でムラサキを待っていたのは、同じく昨年黒帯を獲得したフィリズ。今年のヨーロピアンで3位を獲得した新鋭だ。

いったん引き込んだムラサキが立とうとすると、フィリズはその右足を取ってのテイクダウン狙いへ。だが左足一本でバランスをとったムラサキは、カラードラッグでカウンター。前に崩れたフィリズの背中に回ってシングルバックに飛びついて、アドバンテージを獲得した。

そのままフィリズを後ろに引き倒して2点を獲得したムラサキは、バックをいやがるフィリズを胸を合わせて押さえ込み、さらに右に飛んでサイドを狙う。フィリズはなんとかその左足に絡んでハーフを死守した。

が、右脇を取って上半身を殺しているムラサキ。右の上腕と前腕でフィリズの首を殺すと、足を抜いてパスに成功。5点目を獲得した。

さらにマウントを狙うムラサキに対し、フィリズは動いてディーフハーフを作る。そこから体を翻してのスイープを狙うフィリズだが、ムラサキはうまく距離を取って離れてみせた。

スタンドになると、再び引き込んだムラサキ。フィリズはオーバーアンダーからの低いパスを狙うが、ムラサキは素早くシットアップして背中越しにフィリズの脇を取ると、さらに上体を起こしてクルシフィクスの形に入った。

対するフィリズはムラサキをリフトしながら立ち上がり、振り落とす。そのままサイドにまわりさらにバックを狙うフィリズだが、ムラサキは前転してスクランブルから立ち上がることに成功した。

残り2分。ムラサキはまたしても引き込んで、フィリズの右足首のズボンと片襟を取る得意の形に。フィリズはムラサキの左足を担いでパスをねらうが、ムラサキは落ち着いて防いで試合終了した。

持ち前のパスガードとスクランブルの強さに加え、ガードでの防御力も見せたムラサキ。ここまで4試合、攻撃、防御、トップ、ボトム、キワとどの局面でも強さを発揮した上で、宿敵ジョナタ・アウヴェス──ムラサキは昨年のこの大会の準々決勝、そして今年のLAオープン決勝でアウヴェスと当たりどちらも僅差で敗れている──が待つ決勝戦に駒を進めたのだった。

<ライト級決勝/10分1R>
ジョナタ・アウヴェス(ブラジル)
Def.2-0
アンディ・ムラサキ(ブラジル)

前年度王者にして優勝候補筆頭のアウヴェスは、初戦は3分少々で襟絞め、準々決勝は1分半でトーホールド、そして準決勝のナタン・シュアン戦も3分半ほどで襟絞めを極めてフィニッシュ。下からのスイープと極め、トップにおける安定感、相手の足を低く畳んでのパス、そしてバックからのフィニッシュと全局面で突出した力を見せつけての決勝進出だ。

まず引き込んだアウヴェスは、ムラサキの左足に絡むと、シッティングから膝裏を通してラペルを掴み、シットアップしてシングルレッグにつなげて2点を獲得。自ら仕掛け、ムラサキに対応する隙を与えずにやりたいことを一方的に完遂する形で先制してみせた。

右でラッソーを作るムラサキに対して、アウヴェスは得意の低いベースを作ってから左に動く。さらに噛み付いてのオーバーアンダーの形でプレッシャーをかけるアウヴェス。ムラサキはその侵攻を防ぐと、クローズドガードを取った。

ここでもアウヴェスは低い姿勢で胸を合わせて。ムラサキは背中越しに帯を持つが、しっかりと密着されて攻撃を仕掛けられない。しばらく攻防が止まった後、ムラサキの方にペナルティが与えられた。ムラサキはアウヴェスのラペルを取って、背中越しにラペルスパイダーを作るが、これも低いアウヴェスのベースの前には効果がない。

試合が後半に入り、ムラサキは下からオモプラッタを仕掛けようとするが、不発。いったんガードを開いての攻防を試みるムラサキだが、アウヴェスが低く侵攻を試みると、再びガードを閉じた。

もう一度ガードを開けたムラサキはラッソーへ。そこから右に崩そうとするが、バランスを保つアウヴェス。ムラサキは立ち上がってからまた引き込むが、低い姿勢を取るアウヴェスの密着度がとにかく高く有効な攻撃を仕掛けられない。やがてアウヴェスがプレッシャーをかけてくると、ムラサキはまたしても立ち上がった。ムラサキはアウヴェスにパスこそ許していないが、その低く重厚なトップゲームに対する突破口を見出せないままだ。

残り3分でスタンドから再開。頭をつけ合う両者。ムラサキは前に出るがアウヴェスは無理せずその力を流していく。やがてお互いにペナルティが与えられた。

残り2分。ここでアウヴェスが引き込んでクローズドに。ムラサキが立ち上がると、アウヴェスはその右足を抱えて、後転するように前に崩してから、ムラサキのズボンの尻を掴んでのバック狙いへ。リードされていて自分から展開を作らなくてはならないムラサキだが、アウヴェスのほうに作られてしまっている。

前転して逆にバックを狙いたいムラサキ。が、尻をつかんでいるアウヴェスはムラサキを引き戻し、右足に50/50で絡むことに成功。アウヴェスは絡めとったムラサキの右足を左手で抱えると、そのまま体勢を固定してムラサキの動きを止めて試合終了。

序盤早々に下からスイープを決めたアウヴェスは、トップを取るとムラサキに一切の攻撃の緒を与えず。そして最後は再び自ら下になり、ポジションを完全に制御下に置いての勝利。ムラサキとしては、同世代のライバルに3連敗だ。しかも今回は上下両方の攻防で上を行かれ、終始主導権を奪われての完敗となってしまった。

それにしても今大会、準決勝まで全て短時間で一本勝ちした上で、ライバルのムラサキにもはっきり差を付けて勝利したアウヴェスの戦いぶりは圧巻の一言った。凄まじい地力に加えて、確実にポイントゲームを支配する方法を練り上げて実行する点でも頭一つ抜けているあたり、師匠メンデス兄弟を彷彿させる。ミドル級を制したチームメイトのタイナン・ダウプラとのAOJコンビの時代が、今後しばらく続くのではないだろうか。

【ライト級リザルト】
優勝 ジョナタ・アウヴェス(ブラジル)
準優勝 アンディ・ムラサキ(ブラジル)
3位 ナタン・シュアン(ブラジル)、イゴール・フィリズ(ブラジル)

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【PJJC2022】ミドル級優勝は因縁のヒメネスに完勝、タイナン・ダウブラ。ムンジで✖ミカの実現に超期待!!

【写真】パン柔術はステータスが世界に2番目に高く、かつムンジアルの最高の予告編になっている(C)IBJJF

6日(水・現地時間)から10日(日・同)まで、フロリダ州キシミーのシルバー・スパーズ・アリーナにて、パン柔術選手権が行われた。
Text Isamu Horiuchi

レビュー第3回は、ミドル級の戦いの模様を、快進撃を続ける若き昨年度世界王者タイナン・ダウプラの戦いを中心に紹介したい。


<ミドル級2回戦/10分1R>
タイナン・ダウプラ(ブラジル)
Def. 2分00秒by 三角絞め
ロベルト・ヒメネス(米国)

ノーギシーンでルオトロ兄弟を連破する等、大いに活躍するヒメネスと、ギあり柔術で昨年の世界制覇等、快進撃を続けるダウプラ。今回ヒメネスが初戦を突破したことで、関係者・ファン注目の若手対決が実現した。ちなみに両者は色帯時代にも対戦経験があり、紫帯時代にはヒメネスがチョークでダウプラから一本勝ちを収めた後、尻に付けた「完全ナチュラル、ステロイドなし柔術」のバッジをアピールする行為をしたことで物議を醸したこともあった。

試合開始後前進するダウプラだが、そこにヒメネスがカウンターでダブルレッグ。ダウプラはあまり抵抗せずに下になり、まずヒメネスが2点を先制した。

ダウプラがクローズドガードを取ると、ヒメネスはすぐにその体をリフトしながら立ち上がる。ダウプラはガードを解きながら着地すると同時にヒメネスの右足にデラヒーバで絡み、すぐに後ろに倒して上に。一瞬の早技で上を取り返してみせた。

さらにダウプラはヒメネスの右足を押さえながら、右に回ってのパス。ヒメネスがそれを嫌がって背を向けると、素早くバックへ。だがヒメネスはそれを許さず体をずらして上になってみせた。ここまででスコアは2-2。アドバンテージはダウプラが2つリード。重厚な戦いで相手を圧倒することが目立つダウプラが、まるでヒメネスに付き合うかのように動きのある攻防を展開している。

さらに下から動くダウプラは、体をずらしてヒメネスの左足に絡んでトーホールドを仕掛ける。これをヒメネスが回転して逃れると、ダウプラは上を取りにゆくが、ヒメネスはスクランブルで上に。

しかしダウプラはそこにアームドラッグでカウンター。ヒメネスは動きに逆らわずに前転するとガードを取り、そしてすぐに立ち上がってみせた。WNOのノーギグラップリングマッチが道着着用ルールに出現したかのような攻防だ。

ダウプラはガードに引き込むと、ヒメネスの右足に絡んで煽る。百発百中のスイープ狙いかと思いきや、ヒメネスの体勢が崩れた瞬間、ダウプラはあっという間に三角絞めをロックオン。そのまま強靭な脚力で締め上げるとヒメネスはタップ、開始からわずか2分少々のことだった。

普段は堅実な戦いで盤石の強さを見せるダウプラが、ヒメネスの領域であるダイナミックな攻防にあえて踏み込むような戦いを見せた上で、圧巻の極めの強さを見せつけて完勝。大会前から注目されていたこの対決だが、ダウプラが道着着用における現役世界王者の力を見せつけた。

翌日、ダウプラは準々決勝のエドゥアウド・カウバーリョ戦も2分少々で襟絞めで圧勝。準決勝において、昨年の世界大会の雪辱を期すホナウド・ジュニオールとの再戦を迎えた。

<ミドル級準決勝/10分1R>
タイナン・ダウプラ(ブラジル)
Def. by 2-0
ホナウド・ジュニオール(ブラジル)

引き込んだジュニオールがクローズドガードを取ると、ダウプラはすぐにリフトして立つ。スパイダーに切り替えるジュニオールに対し、ダウプラはその足を捌いて右にパス攻撃。ジュニオールは右足をダウプラのラペルに引っ掛けて守るが、無類の重心とプレッシャーを誇るダウプラは意に介さず低く右への侵攻を続ける。

右のラペルスパイダーに加えて、左は通常のスパイダーを作ってなんとか距離を保って耐えるジュニオール。対するダウプラは全くバランスを崩さず、右に低くプレッシャーをかけ続ける展開が続いた。

試合時間が半分近く経過したところで、苦しくなったかジュニオールはついにスパイダーを解除してスクランブルへ。すかさず反応したダウプラはバック狙いへ。ジュニオールは体を翻して正対し、ガードを取って立ち上がるが、この攻防でダウプラに2つ目のアドバンテージが与えられた。

スタンドに戻ると、今度はダウプラの方が引き込み。デラヒーバやシッティングから仕掛けにかかるダウプラと、立った状態でそれを捌いてパスを狙うジュニオール。やがてジュニオールの足首を持ち股間に潜り込んだダウプラは、後転するような形でジュニオールを前に崩した。

お互いうつ伏せの状態から、フットロックを掛け合う両者。ここからダウプラがスクランブルで上を取り、2点獲得。こういう場面ではダウプラの鍛え上げた強靭な身体がものを言う。さらに足を捌いて左右に鋭いパスをダウプラだが、ここはジュニオールが凌いだ。

ブレイクを経て残り2分。ジュニオールは引き込んでから内回りを狙うが、ダウプラは、すかさず背中とマットの間に飛び込んでバック狙い。メンデス兄弟を師とダウプラだけに、この辺の反応は見事だ。凌いで立ち上がったジュニオールは再び引き込み、今度はシッティングガードから膝裏からラペルを捕獲。ここからダウプラを前に崩したジュニオールは、背中に回ることに成功。

さらにグラウンドに持ち込んで逆転の両足フックを狙うが、スクランブルで無類の強さを持つダウプラは体を翻して立ち上がる。この攻防でジュニオールにアドバンテージが1つ与えられた。

残り20秒、前進して組むと激しく足を飛ばすジュニオールだが、ここでダウプラの指が目に当たってブレイクに。再開後、ダウプラはすかさずクローズドガードに引き込み、残り時間をやり過ごして終了。スイープの2点を守り切ったダウプラが、雪辱を期すジュニオールを返り討ちにした。が、ジュニオールもダウプラの無類の圧力に耐えてパスを許さず、最後はシッティングからダウプラの体勢を崩してみせる等、確実に爪痕は残したのだった。

<ミドル級決勝/10分1R>
タイナン・ダウプラ(ブラジル)
Def. by 3-0
ジェフェルソン・グアレシ(ブラジル)

ダウプラの決勝の相手は、ジェファーソン・グアレシ。ユニティ柔術の同門にして優勝候補のリーヴァイ・ジョーンズレアリーが対戦を棄権したこともあり、決勝進出。昨年の世界選手権でダウプラに一本負けを喫しており、今回雪辱を期してこの舞台に臨んだ。

引き込んだグアレシは、ラッソーガードを作る。強固なベースをキープするダウプラは、グアレシの足をさばきながら左右にパスのプレッシャーをかけてゆく。グアレシも足を効かせて守るが、ダウプラは攻撃の手を休めない。

やがてグアレシの右足を押さえつけたダウプラは、右に動いて体重をかけてサイドに付きかける。グアレシが左足を差し込んで守ると、その左足をドラッグ。これで背中を見せることを余儀なくされたグアレシが前転するその瞬間、ダウプラは飛び込んでバック狙いへ。

グアレシはスクランブルを試みるが、ダウプラはその右脇をフロントネルソンの形で前からすくい、そのままグアレシの体をひっくり返して背中を付けさせて押さえ込む。かろうじて右足にハーフで絡んだグアレシだが、ダウプラは脇を差し首をコントロールしてグアレシの上体を完全に殺すと、右足を抜いてパスを決めた。6分過ぎのことだった。

強烈な押さえ込みの前にしばし動けなかったグアレシだが、やがてスクランブルしてうつ伏せに。ここでダウプラはバックを取りにゆくが、グアレシはそれを前に落とすことに成功。が、下になっても安定感のあるダウプラ、その後はすかさず強固なオープン&クローズドを駆使して試合終了まで堅実に守り切り、試合終了。

昨年度世界王者のダウプラが、下馬評通りの強さを見せつけて優勝。特に初戦のヒメネス戦の立体的な動きと強烈な極めは、すでにその強さを熟知している者たちの予想すら超えるものと言えた。6月の世界大会の大本命であるこの若者を止める可能性があるのは、今回返り討ちに遭ったものの、唯一その牙城に迫ったホナウド・ジュニオールか、昨年の決勝を争ったイザッキ・バイエンセか、今回対戦が実現しなかったリーヴァイ・ジョーンズレアリーか。

あるいは昨年、驚愕の大激闘の末に黒帯としてダウプラに唯一の黒星を付けた「柔術の神の子」ミカ・ガルバォンか──?

【ミドル級リザルト】
優勝 タイナン・ダウプラ(ブラジル)
準優勝 ジェフェルソン・グアレシ(ブラジル)
3位 ホナウド・ジュニオール(ブラジル)、マチアス・ルナ(ブラジル)

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