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DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS43 HIME MMA MMAPLANET NØRI o RIZIN RIZIN LANDMARK06   サダエ☆マヌーフ パンクラス ボクシング 万智 修斗 山崎桃子 斎藤 松田亜莉紗 栗山葵 渡辺彩華 青野ひかる 須田萌里

【DEEP JEWELS43】万智✖松田亜莉紗でストロー級暫定王座決定戦!!  これぞ、今のGirls J-MMA

【写真】上を取った時の頭の位置が、明白に違う両者。殴ることができる隙間、スぺースの有無。寝技、上下に関わらず組みの展開は、そこに注目したい(C)MMAPLANET

6日(金)、DEEPより11月23日(木・祝)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS43の対戦カード第一弾が発表されている。
Text by Manabu Takashima

10周年記念大会を終え、次の10年に向かう第一歩となる今大会のメインは、万智と松田亜莉紗の間で争われるDEEP JEWELS暫定ストロー級王座決定戦に決まった。


万智は1日のRIZIN LANDMARK06で修斗スーパーアトム級王者の渡辺彩華をスプリット判定で下したばかり。その万智にとってタイトル戦が行われる11月23日は、1年前のデビュー戦と同じ日時になる。その日は松田もプロ2戦目を戦っており、今回の暫定王座決定戦はキャリア4戦目の松田と5戦目の万智がプロ2年目でベルトを争う一戦──日本の女子MMAの急成長が顕著になった戦いとなる。

この両者、2021年12月にアマチュアルール55キロ契約で対戦しており、バックを取る場面が目立った松田が判定勝ちをしている。とはいえパウンド有りとなると、試合は別モノ。加えていえば、松田のパウンドの強さは日本女子ファイターのなかで群を抜いている。

元女子プロ野球トップ選手、身体能力と運動神経の高さとMMAの知識がなかったことで、ピュアMMAファイターとして急激に力をつけている松田。いってみるとアマで対戦した時は、柔道というストロングベースがMMAにとっては障害になっていた万智を、松田がMMA力で下した一戦だった。

対して今の万智は組みの強さを最大限に生かすMMAスタイルを構築中で、背中を簡単に許すことはまず考えられない。とはいえ、松田が持つパウンド、ダーティボクシングの強さは未体験、ここは練習で経験値を上げることができないパートだ。

一方で渡辺戦だけでなく、HIMEや韓国勢との国際戦を経ている万智はフィッシュを目指すスタイルで、ケージ・ジェネラルシップも考慮したファイトができている。絶対的な怖さがある松田と、徹底した組みの圧力を上げてきた万智。1年11カ月前と別人になった2人のタイトル戦は、世界のある階級としても要注目だ。

なお同大会では2回戦で49キロ契約=須田萌里✖彩綺、フライ級で栗山葵✖斎藤ももこ、49.5キロ契約で青野ひかる✖サダエ☆マヌーフ、ミクロ級の山崎桃子✖こゆきが組まれている。9月のデビュー戦でパンクラスではタイトル挑戦までいったNØRIにスプリットで惜敗した斎藤が、キャリア4年の栗山と2戦目で戦いマッチアップも、今の女子J-MMAを象徴する一戦といえる。

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 MMA MMAPLANET o キック サダエ☆マヌーフ 村上彩

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】攻める村上、耐えて反撃のサダエ☆マヌーフ。天晴の10分間は村上に凱歌

【写真】見応えのある寝技&パウンドが見られた激闘(C)SHOJIRO KAMEIKE

<女子アトム級/5分2R>
村上彩(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
サダエ☆マヌーフ(日本)

サウスポーのサダエ☆マヌーフに、右ローの村上。体ごと持っていくようなパンチを振るって組みつくと、前方に崩してバックへ。両足をフックし絞めを狙いつつ、パンチを入れる。サダエ☆マヌーフは懸命に耐えるが、背中を伸ばされる。ケージキックで半身のサダエ☆マヌーフに村上が勢いのある右のパウンドを連打。手首を持って防御のサダエ☆マヌーフに対し、腕十字に切り替えた村上が左手を取りつつ鉄槌を連打。オモプラッタに移行した村上、腕を抜いたサダエ☆マヌーフがトップを取り、右の鉄槌を落とす。

村上はシングルも、切ったサダエ☆マヌーフがバックに回り右腕を喉下に通す。ワンアームで肩を掴んで絞めるサダエ☆マヌーフだが、胸を合わせた村上は殴って、バックへ。しかし、前方に落とされノンストップの5分間が終わった。

2R、右を当てたサダエ☆マヌーフ。村上は左ローを見せ、右を当てる。左の蹴りを入れたサダエ☆マヌーフがワンツー。村上は一気に距離を詰め、テイクダウンしバックへ回る。ワンフック、足を差し入れサダエ☆マヌーフのヒザ裏を崩してグラウンドに持ち込んだ村上が、バックに回り込む。

頭をかかえて落とそうとするサダエ☆マヌーフだが、村上は左右のパンチを顔面に連打する。落とされデラヒーバから潜って50/50の村上が内ヒールへ。体を起こして足を抜いたサダエ☆マヌーフはロー、立ったままパウンドを落とす。

シングルからすぐに引き込んだ村上は、ガードの中にサダエ☆マヌーフを入れるが、左足を抜かれる。ここで足関節から、レッスルアップの村上は、サダエ☆マヌーフのヒザ十字狙いにパンチを落とす。サダエ☆マヌーフも懸命に足を延ばしに掛かったが、時間となった。

両者攻めまくった10分間、結果はフルマークで村上に凱歌が挙がった。


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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE   サダエ☆マヌーフ ハンセン玲雄 パンクラス 中本龍平 山﨑鼓大 岩本達彦 平松翔 村上彩 松場貴志 松田亜莉紗 牧野滉風 谷岡祐樹

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】計量終了 ケツバット・パウンド=松田。再起の岩本& 松場も注目!!

【写真】この2回戦、2試合も要注目(C)DEEP

本日2日(日)、大阪市住吉区の住吉区民センターで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2023#01の計量が、1日(土)に大阪市浪速区のパンクラス大阪で行われている。

メインで対戦する平松翔✖谷岡祐樹を始め、14試合=28選手が計量に臨み──多湖力翔が遅れて&木村総一郎が再計量となったが、全員が無事パスしている。


2022年はパンクラス・フェザー級挑戦者決定トーナメント決勝戦で敗れ、新天地DEEPでも一本負けと試練の1年だった岩本達彦。再起をかけて戦う相手は、活動停止したZSTから3年3カ月振りの実戦復帰の古根川充だ。

増田拓真✖牧野滉風が、後者の体調不良で中止となり、両者の一戦はコメインに昇格した。

DEEPフライ級GP準々決勝敗退、今や地元と言っても良い関西で再起戦を迎える松場貴志は、2回戦で早坂優瑠と対戦する。

同じく2回戦ではサダエ☆マヌーフ✖村上彩と共に組まれた女子マッチ=松田亜莉紗✖純玲──決して層が厚くないストロー級で、プロ3戦目ながら国内トップ級のパウンドを持つ松田とデビュー戦の純玲も要注目だ。

そんなDEEP大阪、春の陣は2時間後にスタートする。

■視聴方法(予定)
4月1日(日)
午後2時00分~ツイキャス

■ DEEP Osaka Impact2023#01計量結果

<バンタム級/5分3R>
平松翔:61.65キロ
谷岡祐樹:61.5キロ

<フェザー級/5分3R>
岩本達彦:66.2キロ
古根川充:66.05キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.4キロ
上荷大夢:61.4キロ

<フライ級/5分2R>
松場貴志:57.2キロ
早坂優瑠:56.8キロ

<バンタム級/5分2R>
MG 眞介:61.0キロ
山本哲也:61.7キロ

<女子アトム級/5分2R>
サダエ☆マヌーフ:48.1キロ
村上彩:47.9キロ

<女子ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗:52.4キロ
純玲:51.6キロ

<バンタム級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
ハンセン玲雄:66.2キロ

<フェザー級/5分3R>
前薗渓:66.0キロ
佐藤勇駿:65.0キロ

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大:61.5キロ
田中壱季:60.85キロ

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔:52.55キロ
亮馬:52.55キロ

<バンタム級/5分2R>
キャプテン禎:61.25キロ
木村総一郎:62.25キロ→61.7キロ

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔:61.15キロ
千種純平:60.9キロ

<フェザー級/5分2R>
森田敢流:65.5キロ
入江一輝:66.0キロ

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 MG眞介 MMA MMAPLANET o RYUKI YUKI キック サダエ☆マヌーフ ハンセン玲雄 ボクシング 中本龍平 山﨑鼓大 岩本達彦 平松翔 村上彩 松場貴志 牧野滉風 谷岡祐樹

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】平松翔と対戦、谷岡祐樹─02─「僕にできることは倒すことだけ」

【写真】やることが明確は選手は、迷いがないと思います(C)SHOJIRO KAMEIKE

2日(日)、大阪市の住吉区民センター大ホールで行われるDEEP Osaka Impact2023#01で、平松翔と対戦する谷岡祐樹のインタビュー後編。

MMAデビューから2戦目で初黒星を喫したものの、それ以降は3連勝で今回のメインイベントを務めることとなった。そんな平岡がMMAで勝ち星を重ねている裏には、あの男の存在があった――。

<谷岡祐樹インタビューPart.01はコチラから>


――谷岡選手のプロMMAデビューは2021年4月、宇都宮伍選手に判定勝ちを収めています。この時点でMMAのために必要な要素は、どれだけ準備できていましたか。

「レスリングと寝技も練習していましたけど、まだ4割ぐらいの状態だったと思います。だから見切り発車のデビューだったかもしれないです(苦笑)。周りからは『大丈夫やから』とは言われていました。でも、寝かされたらヤバイなっていう気持ちはあって。実際やってみたら、やっぱり練習と試合は違いましたね。あまり良い内容じゃなかったんですけど、勝てて良かったです」

――続く2戦目、MG眞介戦ではKO負けを喫しました。特にスタンドの打撃という自分自身のフィールドで、左フックをもらって失神KO負けというのは。

「キックボクシングの試合も含めて、失神KO負けは初めてでした。ずっと打撃をやってきましたけど、ボクシンググローブとMMAグローブの違いは大きかったですね。2戦目の時は、まだその違いがよく分かっておらず『同じやろ』って感覚でやっていて。あの試合で負けて悔しかったんですけど、負けて良かったかなと思っています。ここからMMAグローブに慣れるよう、しっかり練習することはできました。おかげで周りからも『MMAの殴り方になってきたなぁ』と言ってもらえています」

――もう一つ、リングとケージの違いはどうでしょうか。

「僕はケージのほうが好きです。僕たちのジムはリングもケージもなく、壁を使って練習していて。それだけ広い空間で練習することに慣れているんです。リングだと圧迫感がありますよね。もちろんキックボクシングをやっていたので、リングでも問題はないです。でも自分が練習でやっていることを生かすなら、もっと広い空間で試合をしてみたいと思っていました。いざケージで戦ってみると、メチャクチャやりやすかったです。

だから……ですかね。DEEP☆KICKに出ていた頃から、みんなに『キックボクシングらしくない』って言われていました(笑)。相手選手からも『(谷岡は)やりづらい』という声があったりとか。それは、キックボクシングの先生がそう指導してくださっていたわけじゃなく、練習環境にあったのかなと思います」

――現在は3連勝中で2戦はKO勝ち、そして今回はMMAで初めてメインイベントを務めることとなりました。

「良い形で来ることができていると思います。やっぱり年齢のこともあるし、今が勝負時ですね。MMAでは未熟者ですけど、そうそうメインに立てる機会もないと思うので、良い流れだと考えています。同じ階級で僕より格上の選手もいるし、ジムの先輩方を差し置いてのメインイベントなので、ちょっと緊張しますけど……」

――今大会には同じジムから、松場貴志選手も出場します。松場選手は谷岡選手のメイン出場について何か言っていますか。

「松場さんから何か言われることはないです(笑)。むしろ僕のほうが『なんで僕のほうがメインなんですかね……』と言ったら、『いやいや、自分は前回の試合で負けているから』と。松場さんはMMAのベルトを持っていて、試合経験も豊富で、ウチのジムに来てくださって本当に良かったです。メチャメチャ刺激をもらっていますし、いろんなことを教えてもらって、自分も強くなったという実感があります。

松場さんとスパーしているとスクランブルが巧いし、展開も速いから、自分が松場さんのスピードに付いていけないです。打撃も強いですけど、あのMMAレスリング力は、一緒に練習していて本当に心強い存在ですね」

――なるほど。では次の対戦相手、平松翔選手の印象を教えてください。

「僕がKO負けしているMG眞介選手にKOで勝った試合は会場で見ていて、強い選手やなと思いました。圧のかけ方も良いし、当て勘も良くて。昔から『いつか対戦するんやろうな』と見ていましたけど、こんなに早く試合することになるとは考えていなかったです」

――平松選手は前回のRYUKI戦こそKO負けを喫しましたが、その前はボディへの蹴りから顔面へのパンチに繋げて連続KO勝ちを収めています。平岡選手は真っ直ぐの打撃が強いのに対して、谷岡選手は距離を詰めてフックを当てるなどスタイルは対照的ですね。

「僕としては、やりやすい相手だと思っています。相手のほうが身長は高いですけど、僕も今まで身長が高い選手とばかり対戦してきたので」

――確かに谷岡選手はキックボクシング時代の60キロ級もそうですし、現在のMMAでもバンタム級の中では身長が高いとは言えません。将来的にフライ級へ転向する可能性はありますか。

「いえ、おそらくフライ級までは落とせないと思います。キックボクシング時代も、57~58キロで試合をしていたこともあったんですけど、60キロ級に転向して確実にパンチ力も上がりました。ジムでも『フライ級よりバンタム級のほうが、自分の力を生かせる』と言われているので、バンタム級が適正階級なんだろうと考えています」

――「メインイベントだから、こういう試合をしないといけない」と、普段の試合スタイルと違う試合を見せる選手もいます。谷岡選手のなかで、そのような意識はありますか。

「それはないです。というより、僕にできることは倒すことだけなので(笑)。メインであろうと、メイン以外でも、いつもどおり倒しに行きます。MMAのメインは初めてだし、3Rの試合も今回が初なんですけど、自分のスタイルは変わらないですね。ここでしっかりと自分の強さをアピールして、早くDEEPのベルトを獲りに行きたいです。

正直ベルトを獲るためには、もっともっと練習せなアカンと思います。トップ選手の試合を視ていても、『この選手とどう戦えばいいんやろう?』というのが明確に見えていなくて。まだ難しいです。でも、このまま勝って行けば辿りつけると思っています」

――では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「相手が何をしてこようと、全て力でねじ伏せます。いつもどおり自分の試合をして、KOして気持ち良く帰ります!」

■視聴方法(予定)
4月1日(日)
午後2時00分~ツイキャス

■DEEP Osaka Impact2023#01対戦カード

<バンタム級/5分3R>
平松翔(日本)
谷岡祐樹(日本)

<バンタム級/5分3R>
増田拓真(日本)
牧野滉風(日本)

<フェザー級/5分3R>
岩本達彦(日本)
古根川充(日本)

<バンタム級/5分3R>
中本龍平(日本)
上荷大夢(日本)

<フライ級/5分2R>
松場貴志(日本)
早坂優瑠(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG 眞介(日本)
山本哲也(日本)

<女子アトム級/5分2R>
サダエ☆マヌーフ(日本)
村上彩(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗(日本)
純玲(日本)

<バンタム級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
ハンセン玲雄(日本)

<フェザー級/5分3R>
前薗渓(日本)
佐藤勇駿(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
田中壱季(日本)

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
亮馬(日本)

<バンタム級/5分2R>
キャプテン禎(日本)
木村総一郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔(日本)
千種純平(日本)

<フェザー級/5分2R>
森田敢流(日本)
入江一輝(日本)

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN にっせー サダエ☆マヌーフ ライカ 大島沙緒里 村上彩 海外

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】サダエ☆マヌーフ戦へ、村上彩─02─「最後は気持ちの勝負」

【写真】キャリア2度目の判定勝ちも、フィニッシュへの拘りを最後まで見せていた。その拘りに殉ずるのではなく、課題としている(C)MMAPLANET

4月2日(日)、大阪市の住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP Osaka Impact2023#01でサダエ☆マヌーフと対戦する村上彩のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

「美女柔術家」、「コスプレファイター」といったキャッチフレーズを聞くと、どのようなファイターを思い浮かべるだろうか。そのイメージと村上彩の実像は異なっていた。「面白いことが言えない」と彼女は反省する。キャッチフレーズの向こう側にある、本当の村上彩とは――。

<村上彩インタビューPart.01はコチラから>


――足から攻めていくパターンは、カルペディエムで学んだものだったのですね。

「あの形はスイープもできるというのが一番大きいです。もちろんMMAではトップを取れたほうが安心します。でも下になった時にそのまま攻めきれないと、判定になったらどうしよう……と考えてしまいますよね。だから足関節を取りに行きつつスイープを狙う、という形が良いと思いました」

――確かにトップの奪い合いで勝てれば、それに越したことはありません。しかしテイクダウンやケージレスリングに注目が集まる一方で、下になった時のリスクを想定して練習できているのか。

「そういう練習をやっている人は、多くないと思います。特にストライカーは主に立つための練習をしていると思います。立てたら良いですが、立てなかった時にキツイですよね。単に立とうとすうだけじゃなく、MMAだから下から攻めたりして、いろんな要素を混ぜたほうが立ちやすいと思うんです。自分が立とうとすればするほど、相手はもっと抑え込もうとするので。

私も下になったら立つことを考えていた時期もありました。でも私は寝技が得意で、下からも攻めることができます。なのに、無理に立ち上がろうとしたところでパスされたりするよりは、慌てずに下から攻めたりスイープしたほうが良いと考えています。自分が攻めた時に相手が動いたら、そこでカウンターを取ってスイープや立ちやすくなりますし」

――一方、須田戦に続く昨年12月のにっせー戦では、これまでになくテイクダウンとトップからの攻撃を狙い続けていました。

「下になるのは最終手段ですね。まずはテイクダウンを取りに行くし、倒せなかったら引き込んでもいいと思っています。ただ、テイクダウンが取れたので、自分の有利なポジションで安全に進めていました」

――結果、2R制でありながら最大4P差がつく判定勝利を収めました。それだけ試合内容は手応えがありましたか。

「手応えはありました。2Rになっても、それほど打撃を出してこなかったですし。もう少し私のほうが攻めれば良かったなと思っています。一本を取ることに固執しちゃって、もっとパウンドを打てば良かったなぁって。試合を有利に進められていたこともあって、冷静に戦うことができました」

――プロデビュー以降5勝1敗で次のサダエ戦を迎えます。現在、MMAファイターとしての目標は何ですか。

「RIZINに出たいです。海外の大会に出てみたいとも思いますけど、やっぱり階級が……。私はアトム級でも小さいと思うし、ONEはアトム級といっても名称が同じなだけで、実質的にはストロー級ですよね。となるとRIZINは49キロで試合があって、なおかつ日本でやっているので。

大島沙緒里さんがRIZINに出て、49キロ契約で試合をしているじゃないですか。私と大島さんって身長が同じくらいなんです(公式プロフィールは大島が149センチで、村上は150センチ)。でもあれだけ勝っていて――レベルは違うかもしれないけど、私も頑張れば戦えるんじゃないかと思っています」

――RIZINに出場するとしても、何かベルトを巻いていたほうが主催者の興味も引くとは思います。プロデビューから4連勝して須田選手との再戦が決まった時、ここはタイトルマッチじゃないのか……とは思いませんでしたか。

「うーん、そこまでベルトにこだわっているわけじゃないんですよ。もちろんチャンピオンになったほうが良いでしょうけど、ベルトを持っているからってメチャクチャ強いわけじゃなくて。それよりは一つひとつの試合で確実に勝つことのほうが大事だと思います。たとえば、メッチャ強い人がベルトを返上して、その強い人に負けている選手に勝って私がベルトを巻いても、自分自身に対して『本当に強いのかな?』と考えてしまいますよね」

――……ストイックですね。

「私もチャンスがあれば、タイトルマッチはやりたいです。だからといって『ここでタイトルマッチじゃないんだ……』とは思わなかったですよ(笑)」

――「自分より須田選手のほうが推されているんじゃないか」と……。

「アハハハ、それは推されているんじゃないですか。若いし、将来有望ですしね。最近はもう若い選手のほうが強いですよ。彼女が推されるのも当たり前だと思います。そこに私が嫉妬することはないです(笑)。私は自分がやりたいようにやるので」

――なるほど。では次の対戦相手、サダエ選手の印象を教えてください。

「印象ですか? うーん……、……、……」

――言葉がスッと出てこないですか(苦笑)。

「試合前に『煽る言葉を……』と言われることがありますよね。私、そういうの苦手なんです。相手がどうこうではなく、自分がどうするかが大事で。でも見た目と喋り方で、キツイ人間のように思われることはあります。実際に喋ってみると『見た目よりマシだね』って言われますけど(笑)」

――アハハハ。では、ご自身がこの試合に向けて何をやってきたかを教えてください。

「私は気持ちの面で弱いと思うところがあります。技術はもちろん大事ですけど、最後は気持ちの勝負じゃないですか。それは今年に入ってから考えるようにしていて。自分が圧されている時でも迷わないとか。そんな気持ちの勝負でも負けません。サダエさんはオールラウンダーなので、私もいろんなことを試したいです。はい……、……」

――え、どうしましたか。

「いえ……、面白いことを言えなくて、すみません」

――プロとしてのセールスポイントと、MMAに対する考え方にはギャップがあるかもしれないですね。それも人間であり、ファイターとしての面白さの一つだと思います。

「私はファイターなので、喋りじゃなくて試合の内容と結果で評価してもらいたいです。口で何を言っても、結局は試合で全てが出ると思うんですよ。練習したことが全て――技術もそうだし、気持ちの面でもそうですね。だから、試合を視てください。よろしくお願いします!」

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 MMA MMAPLANET o キック サダエ☆マヌーフ サダエ・マヌーフ ボクシング 修斗 古瀬美月 村上彩 橋本知之 須田萌里

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】サダエ☆マヌーフ戦へ、村上彩─01─「試合で殴られるのは怖くない」

【写真】クソ真面目な受け答えに、芯の強さが感じられた(C)SHOJIRO KAMEIKE

4月2日(日)、大阪市の住吉区民センター大ホールで行われるDEEP Osaka Impact2023#01で、村上彩がサダエ☆マヌーフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2020年にプロMMAデビューした村上は、初戦で須田萌里を判定で下したあと、3連続一本勝ちの成績を収める。しかし昨年9月には、須田との再戦で敗れた。とはいえ、村上もまたベースである柔術の技術以上の、MMAファイターとしての進化を見せていた。その村上に柔術からMMAに至った道のりと、進化のきっかけについて訊いた。


――今週末に大阪でサダエ・マヌーフ選手との対戦を控える村上選手です。村上選手といえば「柔術黒帯コスプレファイター」というキャッチフレーズがついていますが、コスプレイヤーは職業なのでしょうか。

「アハハハ、コスプレは趣味です。でも私のコスプレを楽しみにしてくれている人たちがいて、私自身もやっていて楽しいので、コスプレは続けていこうと思っています(笑)」

――なるほど。MMAPLANETでは初めてのインタビューとなります。まずは格闘技歴から教えてください。

「2012年ぐらいから地元の徳島柔術で柔術を始めました。その頃、アクション系の映画を観に行ったんですよ。昔からジャッキー・チェンが好きだったし、戦うことってカッコイイなと思って。ジャッキー・チェンって少林寺の映画(『少林寺木人拳』)に出ていたじゃないですか。だから空手や合気道の道場を見に行ってみると大会は型が多くて、スパーリングも組み手の試合もなかったんですね。それで友達から『近くに柔術の道場がある』と聞いて見学に行ったら、最初からスパーリングをさせてくれて。楽しかったので、すぐ入会しました」

――当時の徳島柔術といえば、現カルペディエムの橋本知之選手がいた頃ですか。

「橋本さんと一緒に練習していました。橋本さんは当時、紫帯だったかな? 橋本さん以外も、選手志向の人が多かったですね。私も入会した次の日から毎日通っていました」

――徳島柔術に入会した当時、柔術については何か知っていましたか。

「全然知らなかったです。周りに格闘技をやっている人もいましたけど、私は見たこともなくて。ボクシング――あぁ殴るスポーツねっていうレベルでしたね(苦笑)。徳島柔術では紫帯まで昇格したあと、私も仕事でやりたいことがあって上京しました。最初は職場が近い川越のドランゴンズデンに入会して、代表の澤田真琴さんから黒帯を頂いています」

――MMAを始めたのは、上京してからですか。

「はい。ドラゴンズデンに通っていた頃、たまにキックボクシングクラスにも出て、何回か試合に出ていました。でも、その時点ではMMAをやろうと思っていなかったです。黒帯に昇格したあと、MMAの練習もしている女性柔術家から誘われて試合を観に行ったあと、私自身もMMAを始めることになりました」

――なるほど。格闘技を始める前は、何かスポーツをやっていたのでしょうか。

「学生の頃に水泳や陸上をやっていました。子供の頃には少しだけ柔道もやっていましたけど、どのスポーツも長年やっていたわけではないです」

――そこで柔術からMMAに至るまで、格闘技が最も長く続いているわけですね。

「柔術って、たくさん技があるじゃないですか。他のスポーツよりも自分だけの技をつくって、自由に動くことができるのが良いと思いました。自分で考えて、いろんな技を組み合わせたりとか。MMAも、それ以上に技術の幅がある競技ですよね。いろんなタイプのMMAファイターがいて、自分のスタイルを自身でつくっていけるところが好きです」

――ただ、柔術時代の実績からいえば、柔術に専念したいとは思いませんでしたか。

「2018年に茶帯で全日本とアジア選手権で優勝していて、その前の2017年にヨーロピアンの紫帯で優勝した時は、みんな褒めてくれました。ただ、黒帯を頂いたことで満足してしまったのかもしれないですね。その頃にMMAを始めていたので、柔術の練習に専念できていませんでした。黒帯でも全日本に出たけど、負けている試合のほうが多いかもしれないです。柔術は何歳になってもできるものだから、今はMMAをやろうと決めました。でも、MMAでも柔術の練習は大切じゃないですか。だから今でも週1~2回は必ず、カルペディエムで柔術の練習をしています」

――村上選手がアマチュアMMAの試合に出始めたのが2020年、ちょうどコロナ禍の時期でした。

「そうでしたね。だからジムでも練習ができない頃で。プロに昇格するまでは、ほとんどMMAの練習をやっていなかったです。柔術の練習ばかりで」

――確かに、プロデビュー戦となった2020年10月の須田萌里戦は、「柔術家がMMAをやっている」という印象が強かったです。

「当時はまだ月イチで女子の練習会に参加させてもらっていたのと、ちょっと打撃の練習をやっていたぐらいでした。修斗GYM東京で本格的にMMAの練習を始めたのも、プロデビューしたあたりで。ただ、その状態でもプロで試合をしてみて良かったです。

アマチュアで経験を積んでから、プロデビューという流れも良いとは思います。アマチュアで土台を創ることも大切ですよ。でもアマチュアで創った土台って、所詮はアマチュアレベルじゃないですか。それよりもハードなところに飛び込んで、その状況に慣れてしまえば大丈夫だと思うので」

――それは日本MMAのアマチュアルールと、アマチュア女子MMAの競技人口に関する問題でもありますよね。競技人口が少ないなか、パウンドなしのルールで経験を積み続けることが良いのかどうか。

「はい、女子だからっていう部分は大きいですよね。私としては、できるだけハードな状況で試合をしたほうが、早く成長できると思います」

――プロデビュー戦では須田選手に判定勝ちし、以降は3連続一本勝ちを収めました。この頃になるとMMAに慣れてきたのでしょうか。

「うーん、どうなんですかね……。そこまで打撃ができるようになっていたわけじゃないし、まだまだ柔術に頼っていた頃でした。ただ、試合で殴られるのは怖くなくなりました。練習で殴られるのは怖いんですよ。でも試合は怖くない。なぜかは分からないんですけどね(笑)。古瀬美月さんとの試合(2021年12月、腕十字で勝利)はフックでダウンしたのと、顔面にヒザをもらいましたが、痛くはなかったです。『打撃はもらっても良い』と思えるようになって、試合では冷静に戦えるようになったことは大きいと思います」

――3連続の一本勝ち後、須田選手との再戦で敗れました。その内容と結果については、今はどのように捉えていますか。

「相手のほうが練習を頑張っていたんだと思います。私は初戦と同じようにやったら勝てると思っていたところもあって。自分の詰めの甘さが敗因でした」

――あの試合は、須田選手の成長がうかがえた試合でした。同時に、村上選手も「MMAを戦う柔術家」から、MMAファイターに変化してきた内容だったと思います。

「柔術だと襟や袖とか引くところが多いですけど、グラップリングやMMAだと頭しか引くところがないですよね。でも下になると相手の頭は遠い。だとしたら、足から崩せば良いと思いました。それをカルペディエムのノーギクラスで教えてもらっていて。私のなかでも、その展開がしっくり来たのでMMAでも使うようになりました」

<この項、続く>

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DEEP DEEP OSASKA IMPACT2022 2nd MMA MMAPLANET o サダエ☆マヌーフ 富松恵美

【DEEP OSASKA IMPACT2022 2nd】サダエがパンチとバックコントロールを生かし、富松を判定で下す

【写真】ヒザ十字に対するサダエのカウンター、セコンドの盛り上がりを見ると試合前から狙っていたのか(C)SHOJIRO KAMEIKE

<49.5kg契約/5分2R>
サダエ☆マヌーフ(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18.
富松恵美(日本)

開始から距離を詰める富松に対し、サウスポーのサダエが足を使いながら細かいパンチを相手の顔面に当てる。サダエと比べると富松は手数の少ない。サダエの右手がアイポークとなり、試合は一時中断。再開後も、詰める富松×捌くサダエという構図は変わらず、さらにサダエの左ストレートが伸びる。富松はサダエの左をかわして組みつこうとするが、サダエ富松が飛び込んできた瞬間に腕を入れて、組ませず自らは離れる。

後半、一気に距離を詰めた富松だが、サダエはケージを背にしながら脱出。さらに富松のシングルレッグをスプロールしたサダエが、そのままバックを狙う。サダエの左腕を取り、クラッチを切りながらキムラを狙う富松。サダエはその左腕を抜き、バックキープのまま富松をケージに押し込む。ラウンド終了間際にはバックから左腕を富松の首に回し、初回を優位な形で終えた。

最終回、前に出て来る富松をパンチで迎撃するサダエ。サダエの右ジャブ、左ストレートが当たり、さらに連打をまとめると富松がバランスを崩して尻もちを着いた。富松はスクランブルからシングルレッグでサダエをケージに押し込むも、右のオーバーフックから切り返したサダエがバックに回る。富松はサダエを右腕を取ってキムラからグラウンドへ。しかしサダエがトップをキープし、そのままバックマウントを奪う。

さらに四の字ロックで固めたサダエに対し、相手の足をほどきながらヒザ十字を狙う富松。しかしサダエも富松の右足を畳み、その右ヒザを抱えてレッグスプレッドを仕掛けた。逆方向に反転し難を逃れた富松は、サダエの足のクラッチを切りながらヒザ十字へ。これはサダエが凌ぎきり、試合終了のゴングが鳴った。

距離を詰めながらも後手に回る展開が多かった富松と、スタンドでもグラウンドでも要所を抑えていたサダエ――判定は、ユナニマスでサダエへ。何か迷いながら戦っていた富松と、思い切り自分の持ち味を出したサダエの差というべきか。
サダエは復帰後、これが初勝利。富松は6連敗を喫してしまった。

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