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【UFN212】動いてカウンター。絶妙のオフェンシブ・ディフェンダー振りを発揮しグラッソがヴィヴィに完勝

<女子フライ級/5分5R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
Def.3-0:50-45,49-46.49-46
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

上体を振ってジャブを繰り出すグラッソ。ヴィヴィはパンチを叩きにいくが左フックを被弾する。グラッソがジャブを続け、左ボディフックを入れる。さらに空振りになったが左ハイを見せたグラッソは、ローを蹴られる。ジャブの相打ちで、威力が上だったグラッソに対し、ヴィヴィは回転力で対抗していく。継続的に左ジャブを入れるグラッソはmダブルレッグを切って左ジャブからワンツーを打っていく。肩が柔軟なのか、パンチがヴィヴィより伸びるグラッソが、スーパーマンパンチのフェイクからローを決める。ヴィヴィも左ジャブを当て、残り30秒でダブルレッグでスクランブル──も、グラッソが即リバーサルからスクランブルで立ち上がった。ケージに押し込まれながらフレームを創り、ヒザを入れたグラッソが初回をリードした。

2R、右ストレートからの蹴りを入れたグラッソだが、ヴィヴィもスイッチして左ミドルを入れる。ヴィヴィの右ストレートに対し、グラッソはワンツーを返す。右サイドキックを見せたグラッソは、ヴィヴィに打たせてカウンターを狙う。ヴィヴィはボディのコンビからダブルレッグを決めると、即パスを決めてサイドで抑える。ブリッジを泳がせてサイドをキープしたヴィヴィは続くブリッジにマウントを取りに行き、安定度の高いハーフへ。右腕を差し、パスを決めたヴィヴィだが直後にブリッジからスクランブルでスタンドに戻された。

目に見えて動きが落ちたヴィヴィは、ジャブからワンツー、そしてスリーで殴られる。それでも左をヒットさせたヴィヴィだったが、ワンツーで頭が揺れる。直後にダブルレッグからバックに回ったヴィヴィ──ジャッジはどちらを支持したか。

3R、両者ペースを落とし慎重になったなかでヴィヴィがボディのコンビを打つ。グラッソも左を返す。グラッソは極端にカウンター狙いになるなかで、中盤からステップインしてワンツーを放つ。さらにボディからハイをを蹴り、ヴィヴィの前蹴りにもスピニングバックフィストを打っていく。グラッソは右ストレートから左ボディを入れる。ヴィヴィも手数が減った5分は、最後の30秒でグラッソがワンツー&ロー、さらに右を当てる。左ボディに右オーバーハンドを決めたグラッソが繋ぎのラウンドも取った。

4R、グラッソのワンツーに左ハイを返したヴィヴィ。3Rより共にアグレッシブになったか。ヴィヴィは左インローを蹴るが、これは姿勢が悪い。左ジャブに右をヴィヴィが合わせ、一旦間合いを取り直す。グラッソはステップジャブ、ヴィヴィがワンツーを返す。グラッソはカウンターではパンチの距離を創れるが、踏み込んで攻撃を仕掛ける場面は単発の攻撃が多い。

その待ちの姿勢で右をヒットさせたグラッソが、ワンツーに右をカウンターで決める。右ストレートにも右が待ち受けていたヴィヴィは、残り1分でダブルレッグへ。右を差してハイクロッチもエルボーを打たれて頭の位置を上げる。両者は金網際から最後の10秒で離れ、時間を迎えた。

最終回、両手を動かして前に出たヴィヴィが右をヒットさせる。相打ちのタイミングで威力があるグラッソは、相手の前進を巧妙に使い続ける。右を見背て組んだヴィヴィはヒザをボディに受けながら、右腕を差しあげるがグラッソが回って離れる。足は動かすが、徹底してカウンター狙いのグラッソが、右を2つ入れる。ヴィヴィを追いかけさせ、テイクダウンの距離を遠くし、打って来るとカウンターというオフェンシブ・ディフェンダーの妙を見せ続けたグラッソは、最後の最後にワンツーから次の一歩を踏込みスリーを当てて試合をまとめた。

結果は3-0でグラッソの快勝。攻防が高度になった故にアクションの少ない試合となった。


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CJ・ヴェルガラ Interview UFC UFN ESPN+70 UFN212 ブログ 平良達郎

【UFN212】「日本のファンの心に刻まれるような試合を」計量失敗CJ・ヴェルガラが話していたこと

【写真】このインタビューで話したような気持ちで、ヴェルガラは平良とフェイスオフを行うことができていたのだろうか(C)Zuffa/UFC

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで行われるUFN212:UFN on ESPN+70「Grasso vs Araujo」で平良達郎と対戦するCJ・ヴェルガラ。

既報の通り、ヴェルガラの計量オーバーでキャッチウェイト戦となった今回の試合だが、現地時間の火曜日にMMAPLANETでは彼のインタビューを行っていた。

今やその時に言っていたことは何だったのかということになってしまうだろうが、ヴェルガラのこの試合に賭ける気持ち、日本への尊敬心は間違いなく本物だったはず。計量失敗はプロ失格で、競技者として悪という意見は当然として、CJ・ヴェルガラというファイターが話していたことを記しておきたい。


──平良選手との試合を4日後に控えた状態です。今の調子はいかがですか。

「タツローと戦うためにメンタル、フィジカルともにしっかりと準備できている。とくにフィジカル面では彼の攻撃を全て跳ね返せる状態にある。日本のファンの皆に僕が彼の説明をする必要はないと思うけど、彼の元気いっぱいな戦い方は好きだよ。タツローはちょっとした瞬間を見逃さず、フィニッシュに行くからね。それに日本人ファイターと戦うことは、僕にとって夢の一つだったんだ。

僕は日本のカルチャー、サムライ・カルチャーが大好きで。だからタツローと戦えて、素晴らしい機会を得られたと思っている」

──平良選手は今も修斗のベルトを持っている状態ですが、CJは日本のMMAについてどのような印象を持っているのでしょうか。

「僕は小さい頃に日本のPRIDEを見て大きくなった。さいたまスーパーアリーナで戦いたい、今でもそう思っている。試合中に観客の皆が声も漏らさないで、リングに集中していた。何かが起こるまで、息をひそめたように戦いを見続けている。そして反応は拍手だ。あの『イン・ザ・レッドコーナァァァァァ』っていうレニー・ハートのコールも大好きだったよ(笑)。

全ての日本人選手が、あの頃の歴史を継いでいる。試合の創り方も、強引なところがなくて凄くテクニカルだよね。ああいう戦い方は素晴らしいよ」

──とはいえ日本人選手のオクタゴンでの成績は芳しくなく、現状では契約選手も少なくなってしまいました。そのなかで平良選手は日本のファンの期待を背負っている若い選手です。

「でも僕は彼を倒さないといけない。タツローはグラップリングでバックを取るのが上手い。スタンドでも、グラウンドでもバック奪取が素晴らしい。それ以外のポジションを取るのも優れている。その辺は僕もキャンプで、徹底して研究してきたよ。タツローの得意なところは僕も得意だし、それに彼がこれまで経験したことがないような防御方法も頭にいれて準備してきた。しっかりと守って、彼にプレッシャーを与えていきたいと思う。僕のやるべきことに、何もシークレットはないよ。

何より僕のパワーと運動神経が、この試合を有利に運んでくれると思っている。とにかく彼のペースで動いても、しっかりと自分の戦いができる。まだ22歳のタツローが経験したことがないファイトになるはずだよ。彼はそんなことお構いないしに若い選手らしい勢いある攻撃を仕掛けてくるだろう。それを楽しみにしているんだ」

──フィジカルで優位という言葉がありましたが、現状の日本では国際戦が少なく欧米系のファイターのようなフィジカルの持ち主との対戦経験が、平良選手に限らず足らないという見方は成り立つと思います。テクニカルで試合へのアプローチがスムーズだと評していた日本人選手と戦うと、やはりCJもフィジカルが強い武器になると感じていますか。

「日本人選手には米国やロシア、ブラジル人のようなフィジカルはないと言うのは簡単なことだよ。でもフィジカルの強さはMMAを構成する一つの要素でしかない。確かに僕の方がフィジカルではタツローより上だろう。でも、それだけで彼と渡り合うわけじゃない。と同時に、タツローが過去の試合で見せてきた創造力溢れるグラップリングはフィジカルが僕のようにない相手だからできたのかもしれない。僕はフィジカルで彼を上回るけど、この試合に向けて自信を持っているのは、それだけが要因になっているわけじゃないからね。それはケージの中で明らかになるよ」

──ところでCJのようにコンテンダーシリーズ出身選手は、フィニッシュ至上のファイトで勝利しインパクトを残す必要がありました。対して、平良選手は勝利が一番。フィニッシュできるならするというマインドがどこかにあって、結果を残してきたと思います。つまりしっかりと自分の身を守ることを考えている。現状のコンテンダーシリーズ経験者はエキサイティングな試合をするという呪縛があり、アグレッシブが過ぎて防御が疎かになる嫌いはないでしょうか。

「僕に関していえば、アグレッシブに動こうとは思っていても感情的になることはない。しっかりとした確証がないのにフィニッシュばかりに気がいっていると、自分の身を危険な状態に晒すことになる。実際にアゴを上げて、パンチを振りまわし、呼吸を忘れて戦ってゲームプランを忘れる選手もいるからね。

自分がフィニッシュできる位置って、相手の攻撃が当たる位置でもある。そこを忘れて戦うことはできない。コーチがゲームプランに則して戦うように指示を出してくれる。それが僕の戦い方だよ」

──なるほどぉ。では日本では農耕民族が先祖で、島国で他国から侵略されることが少なかったDNAを持つ日本人ファイターは、狩猟民族で領土を奪い合う戦争を幾度となく繰り返してきたヨーロッパ系民族、そして彼らが世界を侵略した時代にハイブリッドとなった人種の末裔であるファイターの無慈悲なキラーインスティンクトには敵わないという見方がされていることについてどう思いますか。

「正直言って、そういうことは考えたことはこれまでに一切なかったよ(笑)。とても愉快な質問だね。そんな日本にはサムライ文化、ウォリアー・カルチャーがあるじゃないか。僕にはメキシコ人の血が流れている。皆、メキシコ人ファイターは凄くアグレッシブだと知っている。そして、常に相手を叩きのめそうとしていることも。そのメキシコ人としての戦いを僕もオクタゴンに持ち込むことは忘れない。

で、土曜日に僕の前に立ち塞がるのはサムライのDNAを持つタツローなんだ。彼にはずば抜けて強い精神力があるはずだ。そう願っている。ベストバージョンのタツローと戦いたいんだ。彼だってそうだろう。僕も最高の状態で戦う。

日本のファンの心に刻まれるような試合をしたいと思っている。日本のファンにとってのゴールデンボーイと戦うことになるけど、皆に喜んでもらえるようベストを尽くすよ」

■視聴方法(予定)
10月16日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN212計量結果

<女子フライ級/5分5R>
アレクサ・グラッソ: 125.5ポンド(56.92キロ)
ヴィヴィアニ・アロージョ: 126ポンド(57.15キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス: 135.5ポンド(61.46キロ)
カブ・スワンソン: 135ポンド(61.24キロ)

<ミドル級/5分3R>
ドゥスコ・トドロビッチ: 186ポンド(84.37キロ)
ジョーダン・ライト: 185ポンド(83.91キロ)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン: 136ポンド(61.69キロ)
ヴィクター・ヘンリー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ミシャ・サークノフ: 206ポンド(93.44キロ)
アロンゾ・メニフィールド: 205.5ポンド(93.21キロ)

<バンタム級/5分3R>
マナ・マルチネス: 136ポンド(61.69キロ)
ブランドン・デイヴィス: 136ポンド(61.69キロ)

<ミドル級/5分3R>
ニック・マキシモフ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジェイコブ・マルクーン: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジョアンデウソン・ブリト: 146ポンド(66.22キロ)
ルカス・アレッシャンドリ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス: 115.5ポンド(52.38キロ)
サム・ヒューズ: 115ポンド(52.16キロ)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ: 129ポンド(58.51キロ)
平良達郎: 126ポンド(57.15キロ)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・ジャクソン: 170ポンド(77.11キロ)
ピート・ロドリゲス: 170.5ポンド(77.34キロ)

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