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【UAEW34】グレコのラステムに対し、吉野は柔道=大外刈り、大内刈り、払い腰、左ハイで判定勝ち

<65 キロ契約/5分3R>
吉野光(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ジャマル・ラステム(トルコ)

オーソに構えてきたラステムは、吉野の左ストレートに組み付きクリンチの攻防になる。吉野はすぐに払い腰を狙うが、これはラステムが軽く封じる。ケージに押し込まれた吉野、大内刈りにもラステムは崩れない。ここで早目のブレイクが掛かり、吉野は左を当てて組みつくと大外刈りでテイクダウンし、クルスフィックスでパンチを連打する。しかし、ラステムは両足で挟まれた左腕で吉野の持ち上げ、肩ブリッジをするようにテッポウで返す。

まさかのリバーサルを許した吉野は、すぐにスクランブルに持ち込みシングルに出るが、ラステムがバックに回る。向き合おうとする吉野に対し、ラステムは右腕を首に巻き付けるようにして、背中を取ろうとする。吉野は許さず胸を合わせて大内刈りでテイクダウンを思いきや、その勢いを利用してブリッジしたラステムは後方に押し上げ、そのまま両者が立ち上がる。左腕を差した吉野にラステムはヒザ蹴り。直後に吉野は左腕を利して払い腰で投げきる。

そのままサイドを取った吉野は、右腕を差してきたラステムをがぶる。立ち上がって離れた両者、吉野は左ローを蹴る。オーソのままラステムに左ミドルを狙った吉野。打撃では怖さはないか。それでも左に右を合わせてきたラステムが、バランスを崩した吉野に組みつく。吉野は左腕を差してヒザ蹴りをボディに突き上げる。離れたラステムが右前蹴りを見せたところで時間に。豪快な投げとクルスフィックスからのパンチで吉野が初回をリードした。

2R、吉野は左ミドルから左ストレート、ラステムが組み初回から続くタイアップ状態に。左エルボーを振るって離れた吉野は、まっすぐ左で前に出る。ここもラステムが組んで、右差しから左エルボーを打つ。吉野の払い腰を、腹ばいで耐えたラステムはがぶられても右腕を差し続ける。

離れ際、ラステムが背中を見せるように距離をとった刹那、吉野は左ハイを決める。下がったラステムを追いかけるように跳び蹴りを見せた吉野。これは空振りとなったが、シングルに出たラステムをがぶってボディにヒザを入れる。ラステムは押し返せなくなり、リリースした吉野がその立ち上がり際にヒザを顔面に突き上げる。吉野は逃げの組みになっているラステムを大内刈りで倒し、ハーフで抑えこの回も明らかに取った。

最終回、ハグをして健闘を称えあう両者。吉野は飛び込んで左ストレート、ラステムは組んで、この試合で初めてダブルアンダーフックで組むと、櫓投げのように持ち上げる。耐えて着地した吉野が、右を差し返す。完全にグレコ&ヒザ蹴りの状態に、レフェリーが両者を分ける。左フックに組まれた吉野は、ケージに押し込まれる。ラステムも相当疲れており、吉野は体を入れ替えてヒザ蹴りを繰り出す。またも両ワキを差したラステム。吉野はケージにもたれて投げを許さない。ここでもレフェリーがブレイクを命じ、試合は残り70秒に。

大外は防がれた吉野だが、最後の30秒で離れたラステムに左を振るう。ついにサウスポーになったラステムが右腕を差し、吉野は大内刈りも決まらず時間に。

最終回は思うように攻め切ることはできなかった吉野だが、2つのラウンドを取っていることは確実だ。結果、ジャッジ3者とも29‐28をつけ吉野がUAEW初勝利を挙げ、ヨアナ・イェジェチックから勝利者トロフィーを手渡されると満面の笑みを浮かべた。


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【UAEW34】砂漠のMMA=UAE Warriors参戦、吉野光「この試合は僕にとってコンテンダーシリーズ」

【写真】宿泊するホテルの前で。本当に充実している様子だ(C)SEIGO YAMAMOTO

20日(木・現地時間)にUAEはアルジャジーラ・スポーツクラブで開催されるUAE Warriors34でジャマル・ラステムと対戦する吉野光。10日前のオファー、対戦相手の負傷から試合前で1週間を切っての正式決定からの離日と、アブダビ入り。

吉野に怒涛の日々を振り返ってもらい、この試合に挑む意気込みと意義を尋ねた。


──吉野選手、まず今の気持ちを教えてください。

「もう、体重を落として戦うだけです。ワクワクしています。こういう厳しい環境で戦うことで、自分の意志が試されるので」

──10日前に正式オファーが最初にあったということですが、それ以前にUAEWで戦うという話はあったのでしょうか。

「あるかもしれないということは聞いていて、でもそこから連絡がなかったのでもう8割いや9割……う~ん、10日になった時点でもう受ける相手もいないだろうし、試合は無いという気持ちでいました。でも、ちょっと不摂生して太り気味だったのが、そのあるかもしれないということで体重を落としていたので、そのまま摂生し続けようと。僕自身は相手が決まれば、やるつもりでした。UAEWで戦うチャンスなんて滅多になくて、このチャンスを逃すと次はいつこういう機会に恵まれるのか分からないし。試合がなくて困っていたので」

──2月にRIZIN TRIGGERで勝利して以降、国内でオファーはなかったのでしょうか。

「なかったです。勝ったから次があるかなと思ったけど……残念でした。あっ、1度グラジエイターにという話はいただいたのですが、ちょうどその時に(山本)聖悟とRoad FCに出られるかもっていう話があったので、お断りさせてもらって。でも、結局Road FCの話もまとまらなかったです。

もともと海外で試合をしたいという気持ちあったのですが、その機会は巡ってこないですし。僕は海外で戦うことに憧れがあったので、ここはどんな状況でも試合があれば戦おうと思っていました」

──そして10日前のオファーを受けたけど、戦う予定だったサヴォイル・イマノフが負傷した(※それなのに何と、今大会に出場してカザフスタンのウラン・タマガバエフと戦う)という話が入った時は?

「もう絶対に試合はないと思いました。結局上手くいかんなぁ、神様が試合をするなって言っているんじゃないかという気持ちになりましたね。あの時点で、少し食べました(笑)。でも何があるか分からないと思って、試合があるかもという気持ちだけは持ち続けていました」

──結果、金曜日にジャマル・ラステムと戦うことが決まりました。

「航空券は送られてきていたのですが、もう完全に諦めているタイミングで連絡があったんです」

──試合まで1週間を切って、まだ決まらない時点で「もう無くて良い。あってもやりたくない」とは思わなかったですか。

「やっぱり、もしかしたらあるかもしれないという気持ちはありました。オファーがあったら『ノー』とは言わないという心を創って、練習も元立ちで練習を続けていました。そこで対戦相手が決まったと連絡がきたので、試合映像とか見る前に『やる』と答えました。

やっぱりUAEW、中東で戦うことは自分の希望でもあったので。UFCって簡単に行けるものじゃないし、ならそれ以外の大会……中東系で試合がしたかったです。UFCファイトウィークだし、UFCの関係者の目に留まるかもしれない。この試合は僕にとってコンテンダーシリーズだと思っています」

──おお、素晴らしい意気込みですね。では試合映像を視て、対戦相手の印象は?

「10日前に決まっていた相手はデカくて、実はやばいなって思っていました。だからあの相手と比べると、落ちるかなって。実際に強いか弱いかは戦ってみないと分からないのですが、少し気は楽になりました。バックドロップみたいな投げをたくさん使っていましたけど」

──グレコローマンレスラーでした。

「でも、そこは僕も得意な部分なので内股、払い腰で投げてやりたいです。テイクダウン勝負で、負ける気はしないです」

──気をつけないといけない点は?

「サイドバックで殴られること、それとマウントですね」

──確かにマウントを取るけど、バックコントロールまででバックグラブがなかったです。

「マウントで殴り続ける試合もありましたけど、相手が上久保(周哉)さん級でないとあそこで固められるということはないです。絶対にブリッジで返せると思います。バックキープが上手くないので、思い切り背中を見せて返せる自信はあるので。そこは安心しています」

──サウスポーで右は強かったですが。

「謎の強さですよね。そこだけ気を付けます。基本的には組みの展開になると思っています。どれぐらいの組み力か試したいですし」

──ハンドファイトで崩してヒザ蹴りという攻撃は嫌なだと思いました。

「さっきも言いましたが、組んでも負けないと思うし。そこで危ないと感じたら、打撃にシフトチェンジします」

──この試合で勝てば、どのような未来を描いていますか。

「また出たいです。UAEWだけでなく、強い選手が出ている海外の大会に出て結果を残す。そこでベルトを巻いて、UFCに行きたいです。でもUFCは現実味がないので、UAEWを含め海外の大会でベルトを巻いて、強いと思われる証が欲しいです」

──そのための一歩でもある今回の試合、どのように戦いたいですか。

「テイクダウンを取ってパウンドか極めて勝ちます。相手を削って、削って心を折って最後はフィニッシュする。そうイメージしています」

■視聴方法(予定)
10月20日(木・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS

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【UAEW34】吉野光がスクランブル発進、トルコの投神=6戦無敗のジャマル・ラステムと砂漠決戦!!

【写真】このチャレンジ、ぜひとも実を結んで欲しい(C)MMAPLANET

20日(木・現地時間)にUAEはアルジャジーラ・ファイトクラブで開催されるUAE Warriors34に吉野光の出場が決まり、トルコのジャマル・ラステムと対戦することが明らかとなっている。
Special Thanks to Mr.Grant Bogdanove

アブダビ・ファイトウィーク、UAEW34からUFC280「Oliveira vs Makhachev」、そしてRoad to UFCと日本人の中東での挑戦に吉野がスクランブル発進で加わった。

フィリッピ・ペレイラ×アザマット・カレフォフ戦という注目カードが組まれた同大会へのオファーは、吉野のマネージメントするガルナ・グループ経由で、10日前にフェザー級マッチとしてウスベキスタン人ファイターのサヴォイル・イマノフとの対戦で届いた。


2月のRIZIN TRIGGERの遠藤大翼戦に勝利後、国内外ともに試合出場に恵まれずファイトに飢えていた吉野は、イエスと即答してアブダビ行を待つことに。しかし、その日にうちにイマノフが負傷したという連絡を受け、試合まで1週間を切っても代役の連絡が入らなかった。事態が動いたのは金曜日、65キロ契約でジャマル・ラステムとのマッチアップが纏まり、吉野は本日16日に東京を発ち、12時間のフライトを経てアブダビに入る。

ラステムの戦績は6勝0敗、バンタム級からライト級の3階級で試合を行っているが、直近の試合はフェザー級で戦っている。そのラステム、吉野が所属するALMA FIGHT GYM LIFEの代表で言葉の面でサポートするグラント・ボクダノフによると、なぜか64キロに拘っていたそうだが、トルコからUAEと日本からUAEでは移動距離も時間も違うことで吉野陣営は65キロを譲らなかった。

ラステムは過去の試合映像を視る限り、サウスポーでグレコ的なレスリングが強く、ボディロックからのテイクダウンや後方への投げを得意としているファイターだ。

寝技ではマウントは取るが、バックグラブにはいかずバックコントロールから殴ることが多く、もう3年前のデビュー戦では倉本一真張りに何度も対戦相手のオルズ・ミルオエフをバックスープレックスで投げて戦意喪失に追い込んでいる。

他の試合ではダブルレッグでテイクダウンを奪われるシーンもあり、レスリングが上半身に特化しているか。打撃に関してはグレコの組みとヒザ蹴りの融合や、右でダウンを奪うなど相当にパワフルな選手だ。

もちろん吉野には天下御免の小内刈り、下になってもロシア人やブラジル人を彷彿させるブリッジ返し=吉野返しがテッポウ返しがある。腕っぷしも強いラステムを相手に、吉野の不安要素はパワフルさ故のスタミナ不足だ。

しかし、この点についてボクダノフは「前回の試合後から吉野は打撃も組み技も成長しており、水泳を始めたことで持久力もついている」と課題を克服したと太鼓判を押す。

月曜日に日付が変わる頃に現地入り、水曜日が計量で未知のトルコ人ファイターと木曜日に戦う。リスクを避けていては、世界では戦えない。Road to ONEもDEEPも、そしてRIZIN TRIGGERの勝利も次に繋がらなかった吉野がアブダビで大勝負に出る。

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【UAEW34】ファイトウィーク幕開けは、ブラジルの五味隆典=ペレイラ✖ロシア最強カレフォフから

【写真】HEATで春日井武を破ってからも6連勝、デビュー以来15試合負け無しのカレフォフ(C)MMAPLANET

22 日(日・現地時間)にUAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC280「Oliveira vs Makhachev」。翌日にはRoad to UFCの準決勝大会がダブルヘッダーで開かれ、さながらアブダビ・ファイトウィーク化している。そんな1週間、実戦の幕開けとなるUAE Warriors34が同地アルジャジーラ・ファイトクラブで行われる。

過去にもUAEWはカビブ・ヌルマゴメドフ率いるEagle FCとの共催や単独大会でもUFC ファイトウィークに大会を取り行ってきた。

当然、ダナ・ホワイトをはじめとするUFC首脳の目に留まる確率も高くなり、同じ週の大会で勝利した選手がUFCへ行くチャンスも広がる。またUAEWサイドも同プロモーションのPRを世界に向けて実施できるチャンスでもあり、現時点で発表されたカード数は7試合とコンパクトながら。アルメニア、スペイン、ブラジル、ロシア、モルドバ、レバノン、イラン、ウズベキスタン、フランス、スウェーデン、アゼルバイジャンと実に11カ国から選手を招聘した力の入ったマッチメイクを揃えている。

メインは161ポンド契約でマルトン・メスミアンが、アコイダン・ドゥケと対戦するが、注目はなんといってもコメインの131ポンド契約戦の伯露対決=フィリッピ・ペレイラ×アザマット・カレフォフ戦だ。


ペレイラはジャングルファイト・フライ級チャンピオンで、カレフォフはACAフライ級のベルトを巻くというMMA帝国と王国を代表する56キロの選手の対戦が、砂漠で実現することになる。

ペレイラの戦績は10勝1敗1分、ZONE FCというプロモーションのバンタム級王座にも就いている。そのペレイラ、名門ノヴァウニオン所属でニックネームはタカノリ・ゴミといのだから、ファイトスタイルは想像がつくというもの。

五味のようにスイッチヒッターではなく、オーソドックスだが前手も強いパンチャー&レスラーだ。オリジナルのタカノリ・ゴミはレスリングでは受けが強いタイプで、組ませて倒す能力が相当なものだが、ペレイラは受けと同様にパンチの圧の中で自らダブルレッグでテイクダウンを奪うという展開も得意としている。

さらにいえばパウンドも五味同様に強弱を使いこなせるとともに、ノヴァウニオン仕込みということもありポスチャーが良く安定性が高い。一番の違いは、ノヴァウニオン・スペシャルというべきバック奪取能力が高いことが挙げられるだろう。

対してキャリア15連勝0敗、2017年に1度だけだがHEATに来日しているカレフォフは、あのACA王座を2度に渡り防衛している──UFCが契約しないのが不思議な実力の持ち主だ。

攻防ともに安定感のあるペレイラだが、カレフォフも組みと打撃を合わせた圧力を持ち、下からの仕掛けもある一方でスクランブルによって相手を削るのはお手の物だ。

ペレイラが自分のペースで戦っているつもりが、実は削られている。そんな戦いをカレフォフはできる。コンテンダーシリーズに世界のフィーダーショーのチャンピオンが集まる傾向があるなかで、シーズン終了直後にUAEWが組んだブラジルとロシアのUFCファイター級の実力者対決、これは見逃せないマッチアップだ。

コメイン前にもPFLベテランでUAEWとEagle Fight等で4連勝中のアンダソン・フェヘイラが、モルドバのBRAVE CFやKSWで戦ってきたイオン・スルドゥと戦うなど、WSOF GC的な楽しみが詰まった大会となっている。

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