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CORO DEEP DEEP110 MMA MMAPLANET o キック ボクシング 石司晃一

【DEEP110】1Rの右ストレート~最終回のTD。石司晃一がCOROを下してDEEPバンタム級暫定王座を獲得

【写真】安定した試合運びで上回った石塚がCOROを下し、暫定ながらDEEPのベルトを巻いた。(C)MMAPLANET

<DEEPバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
Def.5-0:30-27.30-27.30-27.30-27.30-27.
CORO(日本)

開始早々、石司がワンツー。右ストレートがCOROの顔面を捉える。プレッシャーをかけるCOROに対し、右ローを当てる石司が、さらに左フックから右ストレートを当てる。COROは続く右ストレートをバックステップでかわすが、石司は右カーフキックをヒット。COROは左右フック、左ボディストレートを突き刺す。距離を詰めてくる石司にロー、左ボディストレートを当てるCOROだが、石司の右ストレートを受けてダウンを喫する。

すぐにトップから抑え込む石司。COROが下から足を上げていくと、立ち上がった。石司が背中を着けたままのCOROにローを浴びせ続ける。シッティングガードでケージ際を離れたCOROも、下から石司の足を蹴りつける。レフェリーがブレイクをかけ、スタンドで再開。石司の右ストレートに対し、インサイドから左フックを打ち込むCORO。石司も距離が近くなったところでダーティボクシングから右アッパーを突き上げた。鼻血が見られるCOROに、右ストレートを打ち付ける石司。COROはシングルレッグで組みつき、そのままダブルレッグでケージまでドライブして初回を終えた。

2R、石司が左ジャブを突く。距離を詰めてくる相手に右ロー、さらに右ストレートを伸ばす。COROの左フックをかわした石司が、COROのシングルレッグを潰してトップを奪う。フックガードから石司の腕を掴むCORO。石司が立ち上がると、COROも併せてスタンドを選んだ。COROは左ジャブをカウンターで合わせてからテイクダウンを狙うも、石司が振り払う。しかしCOROがスクランブルからシングルレッグを仕掛けたが、石司がサイドバックで抑えた。

ケージ際でトップになり、ハーフガードのCOROを抑え込む石司。上半身を起こしたCOROにアッパーを打ち込み、そのまま抑え込み続ける。COROは右足を上げてラバーガードへ。石司は鉄槌とボディへのパンチで削る。COROが掛けた足を離すと、石司がパウンドを連打。パンチを受けたCOROも下からヒジを当てていくが、石司がトップをキープし続けた。

最終回、右ローを放つ石司に対し、COROが左右フックを浴びせる。さらにヒザ蹴りを見舞うも、石司もワンツーでCOROを下がらせる。石司のワンツーをかわしたCOROが距離を詰めるも、石司はダーティボクシングで応じる。COROはサウスポーにスイッチして左前蹴り。オーソドックスに戻して組み付くも、優位に立つことは難しい。石司がワンツーを軸に攻め立て、さらにCOROが前に出て来たところで押し倒し、そのままトップを奪った。

COROは下のままケージ際へ移動し、ケージに背中を着けたが、石司が再び抑え込む。パンチを落としてくる石司を蹴り離すCORO。さらに石司の顔面を蹴り上げる。COROの左足を掴んでコントロールする石司に対し、COROはスクランブルを狙ったが、石司にバックを奪われてしまう。ガードに戻したCOROに、残り30秒で石司が肩固めを仕掛ける。そのままマウントを奪った石司が、パンチを連打して試合終了のゴングを聞いた。

裁定は5名のジャッジがフルマークで石司の勝利を支持。過去2度の王座挑戦で敗れていた石司が、まさに三度目の正直でベルトを巻いた。
がんで闘病中という石司の父親がケージイン、石司は「ベルトを巻いた姿を見せられて良かったです。どうしても勝たないといけない試合だったので、堅くなってしまいました。次は一つ上のステージで勝負させてください」と語った。


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DEEP DEEP110 MMA MMAPLANET o 赤沢幸典 酒井リョウ

【DEEP110】ベルトを賭けた10年ぶりの再戦は、酒井が一撃で赤沢を返り討ちにしてメガトン級暫定王者に

【写真】ベルトを賭けた再戦が、酒井が一撃で赤沢を返り討ち(C)MMAPLANET

<DEEP暫定メガトン級王座決定戦/5分3R>
酒井リョウ(日本)
Def.1R0分33秒 by TKO
赤沢幸典(日本)

ケージ中央で向かい合う両者。酒井がサウスポーにスイッチして右ローを見せる。スイッチを繰り返しながら相手の様子をうかがう酒井が、距離が詰まり赤沢が組んできたところに左フックを当てる。この一撃でダウンした赤沢に追撃のパウンドを浴びせて、レフェリーストップを呼び込んだ。

お互いにプロデビュー戦だった2012年の初戦から10年、ベルトを賭けた再戦で酒井が赤沢を返り討ちにして、DEEPメガトン級の暫定ベルトを巻いた。


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DEEP DEEP110 MMA MMAPLANET o 古瀬美月 大島沙緒里

【DEEP110】圧勝。開始早々、古瀬に猛攻を仕掛けた大島がTDから袈裟固め~腕を極めて王座防衛に成功

【写真】双子の娘さんと写真に収まる大島。圧勝といえる試合内容だった(C)MMAPLANET

<DEEP女子ミクロ級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
Def.1R1分24秒 by アームロック
古瀬美月(日本)

サウスポーの古瀬の右に回った大島が、パンチから組みついて古瀬をケージに押し込んだ。足技でグラウンドに持ち込み、すぐにマウントを奪ってからアームロックを狙う大島。さらに腕十字も外れたが、再度に戻ってパンチを落とす。袈裟固めに移行した大島は、古瀬の左足を抑え、パンチを落としながらVクロスでタップを奪った。


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DEEP DEEP110 MMA MMAPLANET o 北岡悟 江藤公洋

【DEEP110】打撃戦からTDを狙う北岡を深追いせず、江藤が右ストレートを軸にして僅差の判定勝利

【写真】スタンドの展開が多かった北岡、しかし後半から江藤のヒット数が上がっていった(C)MMAPLANET

<ライト級/5分3R>
江藤公洋(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
北岡悟(日本)

サウスポーの北岡が左ミドルを見せる。さらに左インロー。北岡は左ミドルで江藤の右を封じる。その左の蹴りに左フックを合わせた江藤。サークリングしながら左ミドルを繰り出す北岡に対し、江藤は右ボディストレートを伸ばしていく。ケージを背負った北岡は左右のパンチから左ミドル、距離を詰めてから右フックを放つ。ケージ中央を取る江藤はパンチから右ミドルへ。江藤は右縦ヒジを出す素振りも。

その江藤の顔面に北岡のショートパンチが当たる。江藤も右ボディストレートを返すが、北岡の足は止まらない。左ボディストレートから顔面へ右フックを伸ばした北岡、再び距離を取ってケージを背負いながらサークリングする。江藤の右ハイをブロックした北岡は、押しては引きテイクダウンには行かない。左ローを放った際に足を滑らせた北岡だが、すぐに立ち上がり、最後はショートレンジでパンチを繰り出し、ローで相手の前進を阻んで初回を終えた。

2R、右手の伸ばす北岡は、相手との距離を取りながら、一気に詰めてフックを当てる。さらに左の蹴りを上下に散らす北岡は、左ミドルをクリーンヒット。江藤に左ローは払われるも、すぐに離れては距離を詰めてパンチを当てる。相手の左ローを受けた江藤の動きが、一瞬止まる。江藤は右ボディストレートから右ハイ。これをブロックした北岡が距離を詰めて右フックを振るう。左ロー、左ミドルを散らす北岡、江藤は北岡の右フックに右ストレートを合わせる。

ラウンド残り2分近くで、北岡がシングルレッグで組みつきグラウンドへ持ち込んだが、抑え込むことはできず。足を抜いて立ち上がる江藤をケージに押し込んでいった北岡は、左ヒジを突き上げた。四つで体勢を入れ替えた江藤が、ヒジを出しながら離れた。ラウンド残り1分、北岡はケージを背負いながら左の蹴りを放つ。右の相打ちで足を滑らせた両者はすぐに立ち上がる。そのまま北岡はケージを背負い、2Rを終えた。

最終回、北岡が左インローを当てる。江藤は北岡の左ミドルをキャッチするも、捕まえきれずに北岡の右フックを受ける。北岡は左ミドルからシングルレッグへ。江藤はスプロール、すぐに離れた北岡は距離を取る。江藤の左ジャブは連続でヒット、北岡がシングルレッグで組みついたがスプロールされ、スタンドに戻る。江藤がサウスポーにスイッチしながら左ストレートを放つと、このパンチが北岡の顔面を捉えた。

しかし北岡は距離を取ってからシングルレッグへ。これはかわされ、北岡が尻もちをつくも、シッティングガードの状態となりレフェリーがブレイクをかけた。ケージを背にサークリングする北岡は、右のスピニングバックフィストを見せたあと、残り2分で前に出る。江藤が右ストレートを上下に散らす。やや被弾数が増えてきた北岡は、疲労からか足がもつれる場面があるも、ケージ中央で江藤と打ち合って試合終了のゴングを聞いた。

5年ぶりのDEEP参戦となった江藤がジャッジ3者とも1ポイント差の判定で勝利した。


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DEEP DEEP110 MMA MMAPLANET o 中村大介 神田コウヤ

【DEEP110】中村を左ヒザと左ヒジで削った神田が、首相撲で組ませず判定勝ち。ベルト再挑戦をアピール

【写真】神田が左ヒザでダメージを与えたうえ、左ヒジで中村の顔面を切り裂くなど、スタンドの強さが生かされていた(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ(日本)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27.
中村大介(日本)

サウスポーの神田に中村が右ロー。神田も左の蹴りを上下に散らす。中村が左ジャブから右ローに繋げると、これが神田の下腹部に当たり、ローブローと判断され神田に休憩が与えられる。再開後、神田が右ローから右ジャブ。中村が距離を詰めてくると右フックを合わせる。しかし中村の右ショートもクリーンヒット。神田は位置を入れ替えて中村にケージを背負わせた。

前に出る中村、神田がローとショートのパンチを放つも、中村はガードを下げたまま相手の動きを見る。神田のパンチをへッとスリップとショルダーブロックでかわす中村が、右ストレートと左ヒザを当てた。ケージ中央では中村のジャブを受けた、神田のアゴが上がる。右ヒザから右ハイで神田をケージに追い込む中村。打撃を受け続ける神田は、組みついて中村をケージに押し込み右ヒジを繰り出した。

スイッチしながらパンチを伸ばす神田。ケージ中央で、サウスポーから右ジャブが伸びる。中村は左ジャブとテンカオ。左右ローを出しながらも、中村が前に出て来ると下がってしまう神田が、終了間際に右ヒザを顔面に突き上げ、さらにケージへ追い込み跳びヒザを狙っていった。

2R、中村の右ジャブをかわして右フックを打ち込む神田。右のロングフックとロー、ヒザで中村を中に入れさせない。左ジャブの相打ちから、神田がステップを使い自分の距離を保つ。サウスポーに戻して右ジャブを突き続ける神田に対し、中村の手数が落ちた。神田の右ジャブが中村の顔面を捉える。

中村の左に回り、ジャブとローを繰り出し続ける神田。組みついた中村はヒザ蹴りから、神田の右腕に跳びつき十字を狙ったものの、これは捕らえることができなかった。スタンドに戻る中村。再び中村のローが神田の下腹部に当たり、試合が中断される。ここで中村に注意が与えられた。再開後、神田が右回りでジャブを突く。中村の右ヒザに右ジャブを合わせると、尻もちを着いた相手に鉄槌を落としていく。

立ち上がった中村をケージに追い詰め、右ヒジを見舞う神田。中村もケージ中央に押し戻すが、1Rほどパンチが届かない。やや疲労が見える中村のボディに左ストレートを突き刺した神田が、組んでくる中村に左ヒジを浴びせる。中村は顔面から流血。神田は右ジャブで距離を保ちながら、距離を詰める中村を首相撲で捕えながら、最後も左ヒジを見せた。

最終回の開始前にドクターチェックが入る。中村の流血は止まっており、ラウンドがスタートした。中村が右ミドル、右ローで前に出るも、神田が右ジャブで相手の前進を阻む。スイッチしながらパンチを当てる神田、しかし中村の右ショートもカウンターでヒットした。組んで中村をケージに押し込む神田、中村のほうが相手の首相撲から離れる。ケージ中央では左右ローでけん制する神田が、中村の右ミドルの蹴り終わりに左ヒザをボディへ突き刺した。

この一撃を受けて下がる中村。神田がケージ際で、打撃で削っていく。中村はケージを背負いながら右ストレート、下がった相手に右を追撃すると神田がグラついた。すぐに組みつく神田。中村をケージに押し込んでいく。中村はブルドッグチョークの形で神田を制しにいくも、すぐに神田が立ち上がる。

正対した中村に対し、神田が足をかけて背中を着かせる。ケージ中央で左ヒザを顔面に浴びせた神田は、ケージに押し込んで連打を浴びせた。中村の右を受ける神田の顔面からも出血が見られるように。最後は前進してくる中村に、ヒザ蹴りとパンチを当てていった。

最大4ポイント差をつけたフルマークの判定で神田が勝利。神田はベルト再挑戦をアピールした。


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CORO DEEP DEEP110 MMA MMAPLANET o   中村大介 五明宏人 北岡悟 古瀬美月 大島沙緒里 川名TENCHO雄生 江藤公洋 石司晃一 神田コウヤ 赤沢幸典 酒井リョウ 雅駿介 鹿志村仁之介

【DEEP110】計量終了 3階級のタイトル戦。北岡✖江藤、中村✖神田、雅✖鹿志村。後楽園・濃縮大会

【写真】最重量の赤沢は最計量の古瀬の2.78倍の122キロだった(C)DEEP

明日12日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP110 IMPACTの計量が、中野区の中野サンプラザで行われた。

CORO✖石司晃一の暫定バンタム級、酒井リョウ✖赤沢幸典の暫定メガトン級王座決定戦、女子ミクロ級選手権試合=
大島沙緒里✖古瀬美月という3つのタイトル戦に加え、3年11カ月振りの勝利となるか──北岡悟✖江藤公洋のライト級戦、中村大介✖神田コウヤのタイトル挑戦仕切り直し決戦となるフェザー級マッチなど3回戦。

そして2回戦でもストイックなムエタイ三冠王とチャラい極め専門──雅駿介✖鹿志村仁之介など、後楽園ホール大会らしくコンパクトかつ注目カードが並んだ同大会の計量結果は以下の通りだ。


■視聴方法(予定)
11月12日(土)
午後5時50分~SPWN PPV
午後5時50分~ニコニコ生放送

■ DEEP110計量結果

<DEEP暫定バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] CORO:60.95キロ
[挑戦者] 石司晃一:61.05キロ

<DEEP暫定メガトン級王座決定戦/5分3R>
酒井リョウ:107.45キロ
赤沢幸典:122.2キロ

<DEEP女子ミクロ級選手権試合/5分3R>
[王者]大島沙緒里:44.0キロ
[挑戦者]古瀬美月:43.95キロ

<ライト級/5分3R>
北岡悟:70.65キロ
江藤公洋:70.65キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.2キロ
神田コウヤ:66.0キロ

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生:70.7キロ
高橋“Bancho”良明:70.2キロ

<バンタム級/5分2R>
雅駿介:61.65キロ
鹿志村仁之助:60.85キロ

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI:66.05キロ
五明宏人:66.2キロ

<バンタム級/5分2R>
KENTA:61.55キロ
朝比奈龍希:61.4キロ

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CORO DEEP DEEP110 DJ.taiki MMA MMAPLANET o パンクラス 中村大介 五明宏人 修斗 北岡悟 古瀬美月 大島沙緒里 川名TENCHO雄生 新井丈 江藤公洋 清水俊一 牛久絢太郎 石司晃一 神田コウヤ 藤井伸樹 赤沢幸典 酒井リョウ 雅駿介

【DEEP110】不器用な苦労人、好漢CORO。石司晃一を相手に初防衛戦「昔、週2~3で練習していました」

【写真】不器用な選手が要領が良くなるのではなく、手順を覚えると強くなる(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP110で、COROが石司晃一を挑戦者に迎えてDEEPバンタム級暫定王座の初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

2011年のプロデビューから11年、今年5月にDJ.taikiを下してベルトを巻いたCOROだが、その11年は決して平坦なものではなかった。勝っては負け、勝っては負け――さらに2017年までは連敗も繰り返してきた。しかし現在所属するK-Clannの横田一則代表との出会いから、遂に王座を掴んだCORO。その11年の苦労と、対戦相手である石司との意外なエピソードを語ってくれた。


――今年5月にDEEPバンタム級暫定王者となって半年が経ちました。まずベルトを巻いた感想はいかがですか。

「十何年やってきて、やっとベルトを獲れたので嬉しいですよね」

――現在の日本MMAを見渡しても、屈指の苦労人かと思います。修斗では新井丈選手が9連敗から王者にまで昇りつめて注目を集めました。CORO選手も、何度も勝利から連敗を繰り返した末の王座奪取です。

「メチャクチャ苦しい時期もありました。でもMMAが好きだから続けてきたので。そうですね……キツかった、としか言いようがなくて(苦笑)」

――どの時期が一番キツかったのでしょうか。

「パンクラスで3連勝したあと、瀧澤謙太選手と上田将勝選手、それとハワイの試合(エドワード・トムズ戦)で3連敗したんですよ。次の試合で神田T-800周一選手に勝ったあと、また連敗しました。その時期が一番キツかったです」

――2015年から2017年にかけてのことですね。

「いま思うと、無駄に試合をしすぎたなって思います。とにかく早く上に行きたくて、どんなオファーでも受けていました。スクランブル発進でも。それが良くなかったです。ちゃんと技術が追いついていないのに、試合だけしていて。それで連敗を重ねてしまったので」

――たとえば2015年は10月4日に瀧澤戦、11月1日に上田戦があり、その月末……11月28日にハワイで試合をしています。特に瀧澤戦はKO負けしているだけに、競技面でも以降は行うべき試合はなかったように感じます。

「アハハハ、そうですよね(苦笑)。どれも怪我があるのに直前のオファーを受けて、メチャクチャだったと思います。マネージメントも自分でやっていて、オファーが来たらすぐ、やりますと」

――この時に、自分のキャリアに対して限界を感じることはなかったのでしょうか。

「格闘技が好きだったので、辞めようとは思わなかったです。会場へ観に来てくれる人は、だいぶ減りましたけど(笑)。でも練習は好きだし、練習していたら試合したくなって。観に来る人がゼロになっても、好きだから続けようっていう感じでした」

――会場へ観に来てくれる人が減ったというのは、どれくらい減ったのですか。

「プロデビュー当時と比べたら、半分ぐらいに減りました」

――残り半分の方も、それだけ試合をして怪我もあり、さらに連敗していると心配していませんでしたか。

「はい、つまらなくても良いから勝ってくれと(笑)」

――アハハハ、応援してくれる方も勝っている姿を見たいですよね。試合内容でいえば、当時は何が課題だったと思いますか。

「試合中は自分を客観的に見ることができていなかったのかな、と思います。いつも焦って試合をしていて。自分が得意なところも分かっていなかったし、そこが重要でした。今は試合中に焦ることはないので。昔から練習では自信があったんですよ」

――練習でやっている内容を試合で出すことができない。それは致しかたないことですが、程度にもよるかと。

「やっぱり試合は怖いし、焦って自分から行ってしまう。見合う時間が嫌に感じて、バーッと前に出てしまう。そういうところを克服できたのは、横田(一則K-Clann代表)さんと出会ってからですね。

6~7年前……2017年の藤井伸樹戦(判定負け)あたりですね。当時は出会ったばかりで、まだ結果は出ていなかったんですけど、DEEPに出始めてから少しずつ結果が出て来るようになりました」

――そうですね。2107年12月からDEEPに参戦して2連敗、次に2引き分けから2連勝となりました。

「横田さんと話し合って、ちゃんと勝ち星を重ねて上に行けるように、練ってもらいました。そこから実戦を考えた練習ができるようになったんですよ。もともと和術慧舟會TLIVEで練習していて、当時は牛久(牛久絢太郎)とガチスパーばかりやっていて。そこからMe,Weで“横田練”が始まり、いろんなタイプの選手と練習することで視野も広がりました。その成果が出始めたのは、DEEPで連勝するようになった頃だと思います」

――ということは、2019年10月の清水俊一戦(判定勝ち)からでしょうか。

「そうです。実は白川“Dark”陸斗戦(2018年8月にドロー)のあと、首のヘルニアで練習できなくなって。そこで、ただガムシャラにやっているだけではダメだなって、いろいろ考えるようになりました。それと当時、自分で仕事を始めたんですよ。おかげで以前のようにガッと格闘技に集中しているだけじゃなく、気持ちにも余裕が持てたのが大きかったです」

――2018~2019年といえば、1988年生まれのCORO選手にとっては30歳を超えたあたりですね。格闘技を続けていくにしても、30歳を超えたところで生活面を考えたのですか。

「メチャクチャ考えました。それまでバイトしながら格闘技を続けていて、どうしようって焦りもありましたし。だから早く勝って上に行きたい――そう思って、どんな試合でも受けていたんだと思います」

――……。

「あとはヘルニアになって、格闘技を続けることもできないんじゃないかと思ったんですよね。すると、どうやって生きていくのか。そのために自分で開業して。そうしているとヘルニアも良くなってきたので、また試合に出ようと」

――それだけ好きで続けてきた格闘技です。ヘルニアを発症し、格闘技を続けられないのでは……と思った時の心境はいかがでしたか。

「いや、もうヘルニアが痛すぎて、格闘技のことは考えられなかったです(笑)」

――アハハハ! それはそうですよね。

「とにかく痛くて。早く治ってくれ、としか考えられませんでした。それで1年ぐらい練習していなくて、清水戦の直前から少しずつ体を動かし始めた状態でしたね。ただ、少し焦りはありましたけど、もう他と比べても仕方ないし、自分ができることをやろうと」

――なるほど。そうして復帰したなか、2021年6月には今回ベルトを賭けて戦う石司選手に判定負けを喫しています。

「昔、石司選手と一緒に練習していたことがあるんですよ。週2~3ぐらいのペースで」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
11月12日(日)
午後5時50分~SPWN PPV
午後5時50分~ニコニコ生放送

■ DEEP110対戦カード

<DEEPバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] CORO(日本)
[挑戦者] 石司晃一(日本)

<DEEP暫定メガトン級王座決定戦/5分3R>
酒井リョウ(日本)
赤沢幸典(日本)

<DEEP女子ミクロ級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
古瀬美月(韓国)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
江藤公洋(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
神田コウヤ(日本)

<ライト級/5分3R>
川名TENCHO雄生(日本)
高橋“Bancho”良明(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
鹿志村仁之助(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
五明宏人(日本)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
朝比奈龍希(日本)

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【DEEP110】ケジメの酒井リョウ戦へ。赤沢幸典「なぜ自分でチャンスを掴もうとしないんだ」

【写真】セコンド業でも活躍中の赤沢が、ファイターとして大一番に挑む(C)SHOJIRO KAMEIKE

12日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP110で、暫定メガトン級王座を赤沢幸典と酒井リョウが争う。
Text by Shojiro Kameike

赤沢といえば2012年にカナダへ渡り、当時UFC世界ウェルター級王者であったジョルジュ・サンピエールが所属するトライスタージムで練習していたことが知られる。昨年帰国し、千葉でトライスタージム日本館をオープン。現在はDEEPで2連勝し、今回の暫定王座決定戦にたどり着いた。そんな赤沢にカナダでの練習と帰国の理由、そしてタイトルマッチについて訊いた。


――まず赤沢選手が単独でカナダに渡ったのは、どのような経緯だったのでしょうか。

「僕は北海道出身で、上京してMMAをやりたいと思って仕事をしながらお金を貯めていたんですよ。その頃に、北海道に山本喧一さんのPODジムが出来まして。上京しなくてもMMAができるなら、と思ってPODに入ったのが2012年の4月でした」

――MMAのスタートはPODだったのですね。現在は山本空良選手が活躍中です。

「そうですよね。当時の空良君は、まだ本格的にMMAを始めてはいなくて。たまにジムへ会長が連れて来る息子さんっていう感じでした。あとは西川大和君もいましたね。まだ子供の頃に、彼が空手の大会に出る時に同行したことはありました」

――なるほど。話を戻すと、PODに入ってからプロデビューはすぐでした。

「もともと柔道をやっていたので、伸びるのも他の人よりは速かったんじゃないかと思います。すると山本喧一さんから、試合に出てみないかと言われて、2012年10月にGRABAKA LIVE2という大会でプロデビューしました。その相手が、今回タイトルマッチで戦う酒井リョウ選手だったんですけど、1RでKO負けしてショックを受けたんです」

――ショックを受けた、というのは……。

「当時20歳でした。それぐらいの年齢の頃って、自分は何でもできると思いがちじゃないですか。なのにプロデビュー戦でつまずいてしまったことがショックで、練習も休みがちになってしまったんです。そんな時に、お世話になっている方から『お前の目標は何なの?』と聞かれて、UFCに行きたいですと答えたんですね。それならUFCを現地で感じないといけないということで、2012年11月にUFCを観に行きました」

――そこで観に行ったのが、GSPの試合だったということですか。

「UFC154、ジョルジュが右ヒザの前十字靭帯を損傷してからの復帰戦で、暫定王者のカーロス・コンディットとの王座統一戦でした(GSPが判定勝ち)。カナダのモントリオールで観て、これは凄い世界だなと思ったんですよね。で、大会から1週間後にトライスタージムへ行って、ジムの内容や練習にも感動して。だから日本に帰国してすぐ、カナダへ行く準備を始めて、2013年1月からトライスタージムに入りました」

――当時のトライスタージムでは、どのような練習をされていたのでしょうか。

「僕はただのファンみたいな形で行って、スーパースターだったジョルジュと話ができるわけもなく(笑)。まずビギナークラスから始めて、1年後にオーナーのフィラス・ザハビに呼ばれ、プロクラスへ移りました。それから2、3年後ぐらいですかね。トライスターってスパーリングの時に、名前が挙げられるんです。そこに僕とジョルジュの名前があって、自分がジョルジュと練習できるんだ、と……。カナダへ渡って4年後ぐらいの話です」

――その4年の間に、試合はしていなかったのですか。

「アマチュアで5戦して、2勝3敗ぐらいでした。日本では1回プロで試合をしていましたけど、MMAを始めてすぐの試合だったので、実力も何もなかったんですよね。だからアマチュアに戻ろうということで。その後、2015年12月にパンクラス札幌大会でプロデビューし、1ラウンドでKO勝ちしました」

――当時はまだカナダのトライスタージムで練習していた時期ですよね。

「はい。試合のためにカナダから帰国していました。カナダで試合をしたかったんですけど、向こうで試合に出るためには就労ビザを取得しないといけなくて。就労ビザの中でも、試合をするためのものは取得するのが難しかったんです。そういった関係で、日本で試合をするほうが良いだろうという話になり、カナダから日本で試合をする生活になりました」

――2017年にはロシアで開催されたACBで、ラマザン・クラマゴメドフと対戦しています(1ラウンドKO負け)。

「ちょうどジョルジュと練習し始めた頃で、ジョルジュの推薦で出ることができました。ジョルジュには普段からお世話になっていて――お金ないだろうって食事に連れていってもらったり。朝起きたら自宅にタクシーが来ていて、ジョルジュが『その車に乗って』と。乗ったら自動的に、ジョルジュが待っているレストランに着くんですよ(笑)。そこから練習~食事~ジョルジュの家で休憩~練習~食事という1日もありました」

――GSPが家族のように接してくれていたわけですね。

「ジョルジュも僕のことを、弟と呼んでくれていました。あと当時はローリー・マクドナルドやタレック・サジフィーヌ、ロバート・ウィティカーとも練習させてもらっていましたね。ONEと契約した元KSW王者のロベルト・ソルディッチとか……そうだ、ヴィトー・ベウフォートも来ていて一緒に練習していました。僕のことを気に入ってくれて」

――現地ではジョン・ダナハーの指導も受けたりと。

「そうです。まだダナハーの足関節システムが広まる前で――ゴードン・ライアン、エディ・カミングスとも練習させてもらいました。彼らに足を極められていましたよ。当時トライスターで教えてもらったことが、今でも僕の基本になっています。

その中でも、やっぱりジョルジュの影響は大きいです。ジョルジュと僕ではファイトスタイルが全く違いますけど、コンセプトは同じで。テイクダウンしたら相手を立たずに削り続ける。あえて下にならない……バックを取りに行ける場面でも、下になってしまうリスクがあるならバックも狙わない。削り続けて、相手の集中力が切れたらRNCを狙うとか。削るという感覚はジョルジュの影響が強いと思います」

――それだけの影響を受けたトライスタージムを、なぜ離れることになったのでしょうか。

「帰国したのは去年の10月で、それまでは3~4年ぐらいジョルジュと一緒に練習させてもらっていて。でもその間の戦績はKO負けか、自分の体重オーバーで……良い結果を残せていないことが、ジョルジュに申し訳なかったんです。

たぶん本当に弱かったら、ジョルジュやヴィトーが練習に呼んでくれることはないと思うんですよ。でも僕は練習した内容を試合で出すことができていない。その理由が分からず、人生の修行をしようと考えたんですよね。レストランで働きながら、ボクシングをやって、メンタル面も改善して。ちょうどその頃に、ボクシングの試合に出るはずで。でもコロナ禍のため、ライセンスを取ることすらできずに。結果、どんどん試合間隔が空くなか、最初にUFCを観せてくれた方から怒られました。カナダまで行って、現地で試合ができなくても日本で試合をするとか、なぜ自分でチャンスを掴もうとしないんだと」

<この項、続く

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