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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#06 修斗 新井丈 猿丸ジュンジ

【Shooto2022#06】ハイスピードバトルは1R決着、新井丈が右で猿丸の顔面を打ち抜き新ストロー級王者に

【写真】右2連発で猿丸を沈めた新井、この当て勘はホンモノだ。(C)MMAPLANET

<修斗世界ストロー級選手権試合/5分5R>
新井丈(日本)
Def.1R1分50秒 by TKO
猿丸ジュンジ(日本)

距離を詰めてきた新井に、猿丸は左右のローと左ジャブを当てる。さらに前蹴りで距離を取る猿丸は、右ローを当てて足を使いながら左ジャブをヒット、新井の顔が赤くなる。ジャブとローを散らす猿丸は、新井のパンチをかわしながらテイクダウンを見せる。新井のパンチを受けながらも組みついた猿丸がテイクダウンからバックへ。立ち上がる新井の顔面に右ヒザを突き上げた。

離れた新井にパンチとローを見せる猿丸。新井は左フックを当て、さらに猿丸のテイクダウンをかわす。ここで猿丸は首相撲へ。しかし新井が左右のパンチ連打で突き放した。一気に距離を詰めてパンチの連打を浴びせる猿丸。新井はケージを背にしながら右を打ち返して、猿丸をグラつかせる。さらに右ストレートで猿丸の顔面を打ち抜く。猿丸はダウン、すぐさまレフェリーが割って入った。

世界ストロー級のベルトを巻いた新井はマイクを持つと、まず「ネバーギブアップ!」と叫ぶ。そして「コテコテのグラップラーを相手に、真面目じゃなかった自分は9連敗した。でも投げ出していたら、このベルトを巻いていない。こんな自分の姿を見てもらうために、まだまだ努力します」と語った。


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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#06 キック 草MAX 西川大和

【Shooto2022#06】終始スタンドで打撃を出し合った両者、西川大和がフルマークの判定で草MAXを下す

【写真】打撃でコントロールしていたのは西川だったが、コントロールに留まった(C)MMAPLANET

<ウェルター級/5分3R>
西川大和(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
草MAX(日本)

ともにサウスポー。パンチの交錯から西川が左ストレート、左ハイを放つ。草MAXのパンチをかわした西川は、いったん距離を取ってから右ジャブを伸ばした。左ミドルから左ストレート、オーソドックスにスイッチする西川が左ジャブを当てた。距離が近くなったところで西川が首相撲からヒザをボディに突き刺す。そのままケージに押し込むも、草MAXが離れた。草MAXのワンツーをかわした西川は、距離を詰めては離れて右ジャブを当てる。

前蹴りと右ローを見せる草MAXに、細かいパンチから組みついた西川。草MAXが離れ、ニヤリと笑う。右ジャブが伸びる西川。左ローを当てて、相手の右ジャブをかわした。草MAXのワンツーをかわした西川は左ミドルを当て、さらにガードを固めてプレッシャーをかけていく。草MAXの手数が少なくなると、ガードを下げたのは誘いか。距離を詰めてパンチを放つ草MAXをいなし、パンチを見せて初回を終えた。

2R、西川が右ジャブから左ロー。左右にスイッチしながら距離を詰める。草MAXはさがりながらワンツーを見せる。西川が距離を取ると、ジリジリ前に出る草MAX。西川の左ストレートに右ヒジを合わせようとしたが、これは西川が距離を取った。細かいパンチを当てる西川は、オーソドックスから右ハイを当てる。草MAXはサークリングする西川を追うも、西川もスイッチから右ジャブを伸ばし、さらに右ローを当てる。草MAXは左インローを当てて、またもニヤリと笑った。

左右ローでけん制する西川の左ジャブが草MAXの顔面を捉える。細かいローを見せる草MAX。西川のワンツーがヒット、草MAXも右フックを当てた。西川は足を使って右ジャブと左ロー。右ハイからワンツーを見せる西川、お互いにグラウンドへ行かず、ムエタイのような展開に。終了間際には両者が手を合わせた。ここまで、どちらも明確なクリーンヒットは少ない。

最終回、西川は高くガードを上げて左の関節蹴り。パンチから左ローに繋げる。右バックスピンキックを繰り出した西川に対し、草MAXは右のスピニングバックフィスト。その後も西川が細かくパンチとローを繰り出す。草MAXの右フックをかわした西川は、一瞬組みつくもすぐに離れた。上下にパンチと蹴りを散らす西川、草MAXの動きが一瞬止まる。

西川の左前蹴りでケージまで押される草MAX。ここで草MAXの左前蹴りが西川のボディに入り、西川がローブローを主張して休憩が与えられた。再開後、ともにガードを固めて見合う。左右のローを散らしながら攻める西川に対し、草MAXがふらつく。組みついた西川は、右腕を差し上げて草MAXをケージに押し込んだ。会場の時計に目をやる草MAX。西川が離れて再び打撃戦へ。西川の右前蹴りがクリーンヒット。草MAXはパンチを打ちながら足を滑らせる。

残り30秒を切ったところで、両手を広げる草MAX。両者の蹴りが交錯して、ともに尻もちを着く場面もあったがグラウンドには行かず。最後まで打撃を見せ合い、試合終了のホーンを聞いた。

判定はフルマークで西川へ。勝者は11月大会への出場をアピールした。


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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#06 内田タケル 関口祐冬

【Shooto2022#06】RTU帰りの内田タケルを下からの腕十字で下した関口祐冬「良いオファー待っています」

【写真】関口の腕十字によりエグイ角度で内田の左腕が曲がった(C)MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
Def.1R4分44秒 by 腕十字
内田タケル(日本)

開始早々、関口が右を当てた。サウスポーの内田がシングルレッグで飛び込むと関口は跳びヒザを合わせ、背中を着かされながら横三角で固める。頭を抜いた内田が関口の頭を抱えつつケージに押し込む。切り替えてボディロックから抑え込んだ内田は、相手の両足を抱える。ケージを背にして体を起こす関口。内田は抑え込みながらヒジを落とした。関口はバタフライガードで守る。

関口は内田を蹴り離したが、すぐに内田がトップに戻る。関口はクローズドガードで守るも、内田が足を一本越えて、関口の首を抱えにいく。ディープハーフを取った関口の顔面に右ヒジを連打する内田。関口はフルガードに戻した。左右のパウンドで削る内田は、さらに左ヒジを落とす。そして左パウンドを放つと、その腕を取った内田が腕十字へ。内田がうつ伏せになったところでタップ。レフェリーが割って入った。


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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#06 加藤ケンジ 後藤丈治

【Shooto2022#06】制空圏を制したのは後藤丈治。距離を詰めた加藤ケンジを左カウンターで沈める

【写真】ローで相手の足を止めた後藤が、左カウンターでフィニッシュ(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
Def.2R3分50秒 by TKO
加藤ケンジ(日本)

ともにサウスポー。いきなり加藤が右を放つ。それを後藤がかわすと、加藤はオーソドックスにスイッチ、さらにスイッチを繰り返す。後藤が距離を詰めると、加藤がオーソドックスから左ローを当てる。フェイントを見せる加藤に対し、プレッシャーをかける後藤の左ストレートが加藤の顔面をかすめた。加藤にケージを背負わせた後藤は、左インローを当てて、スイッチする加藤に前蹴りを当てる。

いきなり距離を詰める加藤。相手の左ローをキャッチした後藤が、足を払うと加藤は尻もちを着くも、すぐに立ち上がった。加藤が踏み込みで距離を潰し、右アッパーを当てると後藤がグラつく。さらに加藤の右アッパーをもらい、バランスを崩す後藤。しかし加藤も後藤の右ハイを食らって下がる。加藤の右ジャブに、後藤が右フックを合わせた。さらに左ストレートを伸ばす後藤は、右ジャブで加藤の踏み込みを防ぐ。

残り1分のところで後藤が左ハイを当てる。加藤は後藤のローの蹴り足を払いながらパンチを当てた。パンチの交錯からフラついた加藤に、パンチの連打を浴びせた後藤だったが、かわした加藤がバックに回る。後藤は加藤の右腕を取ってキムラへ。腕を抜いた加藤をそのままケージに押し込んでいった。

2R、加藤がスイッチしながらパンチのフェイントを見せる。左ストレートを伸ばす後藤。しかしこのラウンドは加藤がプレッシャーをかけていく。後藤が押し返して左右のロー。加藤は左右のフックから、前に出て来る後藤に左ローを当てる。後藤もローを連打、加藤は左ストレートを当てた。後藤のローが効いたか、オーソドックスで戦うことが多くなった加藤に対し、後藤が蹴りを散らす。

プレッシャーをかける加藤に対し、後藤が離れ際の蹴り、さらに左ストレートをヒットさせる。二段蹴りで右ミドルを当てた後藤がローで追いこむ。左ストレートを返す加藤は、再びサウスポーへ。後藤は左ミドルから左ロー、さらに左ストレートをボディに伸ばした。この一撃で動きが落ちた加藤が、いったん下がってから距離を詰めたところに後藤の左ストレートがカウンターでヒット。加藤は崩れ落ち、レフェリーが試合をストップした。


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【Shooto2022#06】パラ千葉のフライ級ファイター達=内田タケル─02─「圧倒すること。圧倒的に勝てば」

【写真】あどけな過ぎるやろう──。MMAグローブをつけてケージで戦うことが、ピンとこない優しい表情の内田だ(C)MMAPLANET

明日19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、関口祐冬と対戦する内田タケル・インタビュー後編。

Road to UFCを経験してなお、明確に修斗フライ級王座を目標とする内田は、チャンピオンになってからも防衛戦を戦うことで経験を積みたいという。

パラエストラ千葉ネットにフライ級ファイター特集──10代最後の試合をタイトル挑戦の足掛かりとできるか。内田タケルに尋ねた。

<内田タケル・インタビューPart.01はコチラから>


鶴屋 それがルールですからね。

──では、一気にタイトルが近くなるかもしれない一戦の相手。関口選手の印象を教えてください。

「打投極ができて、奇抜な打撃……独特な打撃を使います。その打撃を気を付けないといけないです」

──内田選手はやはり組んでいくと?

「試合でも打撃を試したいのですが、どうしても組みが多くなってしまいます」

──修斗公式戦、Road to UFCと勝った試合は全て一本勝ですね。その一方で、目標とするUFCや北米では、組みができる選手がガツンガツンの打撃戦を繰り広げています。

「全部がデキることが大切だと思います。自分は極めは、これまで勝った試合は全部極めることができているので多少はあるかと……。でも打撃とテイクダウンはまだ欠けているので、穴埋めをしていきいたいです。

ただ関口選手はランキングで1位ですけど、自分の練習仲間たちの方が強い……と思っています。試合と練習は違いますが、怜とか杉山さんとか……もう単純に強くて。これだけのメンバーと厳しい練習をしているので、試合をするときも自信を持って挑むことができます」

──しかも平良選手も沖縄から合流しています。

「いやぁ、やっぱりフライ級のUFCファイターなので、凄く貴重な体験をさせてもらっています。だからこそ、次の試合は負けられないです。僕はここで、これだけの練習をしているので」

──どういう試合をすれば、タイトルを賭けた戦いに進めると考えていますか。

「圧倒することです。圧倒的に勝てば……ハイ」

──この試合後に急遽、Road to UFCに出られることになるとどうしますか。

「話があれば、行きたいです」

──と同時にコンテンダーシリーズは、意識していますか。平良選手も最初はコンテンダーシリーズを目標としていました。

「コンテンダーシリーズは……、……。そんな視野には入れていなかったです。まずは、しっかりと修斗のチャンピオンになりたいです。まだ5分✖3Rをフルで戦ったこともないので」

──ばかりか、3Rも経験していないですよね。

「ハイ。判定まで行く戦いも経験したいので、修斗で戦っていくつもりです」

──修斗のチャンピオンになった時、世界で戦ううえでどれぐらいの力を身に着けることができているという風に考えていますか。

「UFCで戦うなら、まだ経験不足です。もっと経験を積みたいと思っています。なのでベルトを獲ったら、防衛戦を戦います。他の団体から修斗に来る人とも戦ってみたいです。それと……できれば外国人選手と試合を組んで欲しいというのもあります。Road to UFCで初めて外国人選手と戦って、フィジカルはやっぱり日本人選手とは違うモノを感じました。芯が太いというか……。同じ階級で、こんなに違うのかと。試合当日は、明らかにデカかったです」

──それでも初回で1本勝ちしました。

「日本人にはないフィジカルなので、そこで一本を取れたのは良い経験になりました」

──その経験を経て関口選手との試合では、どのような戦いを見せたいですか。

「いつも通り、極めを狙うような試合がしたいです」

■視聴方法(予定)
9月19日(月・祝)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2022#06 計量結果

<修斗世界ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] 猿丸ジュンジ:52.1キロ
[挑戦者] 新井丈:52.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
西川大和:76.8キロ
草MAX:76.7キロ

<フライ級/5分3R>
関口祐冬:56.5キロ
内田タケル:57.5キロ

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治:60.9キロ
加藤ケンジ:61.0キロ

<フェザー級/5分3R>
飯田健夫:65.7キロ
論田愛空隆:65.7キロ

<女子フライ級/5分3R>
ライカ:56.5キロ
杉本恵:56.3キロ

<バンタム級/5分2R>
齋藤翼:61.3キロ→61.2キロ
スソン:61.1キロ

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
久遠:47.7キロ→47.5キロ
小生由紀:47.4キロ

<2022年度新人王決定T準決勝フェザー級/5分2R>
椿飛鳥:65.8キロ
工藤圭一郎:65.8キロ

<2022年度新人王決定T1回戦フライ級/5分2R>
須藤晃大:56.6キロ
大谷あっくんボンバー:56.6キロ

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Shooto Shooto2022#06 UFC 修斗 安芸柊斗 新井丈 海外 猿丸ジュンジ

【Shooto2022#06】新井丈の挑戦を受ける、猿丸ジュンジ─02─「オレは――シューターだから」

【写真】潔い。貫け、修斗道!!(C)MMAPLANET

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、新井丈を相手にベルトの初防衛戦を行う、修斗世界ストロー級王者の猿丸ジュンジのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

修斗に限らず国内プロモーションのベルトを獲得して海外へ、あるいはRIZIN出場を選ぶファイターが増えている。それが日本MMAの状況だ。そのような中で、猿丸は修斗の王者でありける理由を語る。では、猿丸にとって修斗のチャンピオンとは――。UFCの隆盛とともにMMAは変わった。猿丸のファイトスタイルも変化し、進化してきた。しかし修斗への変わらぬ想いが、ここにある。

<猿丸ジュンジ・インタビューPart.01はコチラから>


――「強いチャンピオンである自分を倒して行け」とは、現役のファイターでありながら、若い選手の壁になるということですか。

「壁、うーん……そうなるのかなぁ。それだけ自分が強くないといけないと思っています。修斗のためにというのは言い過ぎかもしれないけど、気持ちは半々ぐらいで。もちろん全部ひっくるめたら、最終的には自分のためですよ。だけど──やっぱり修斗のために、修斗ストロー級のために自分は強いチャンピオンでいる。そのオレを倒せ、っていうことです」

――昨年11月に暫定王座を獲得し、正規王者に昇格したのが今年7月です。暫定王者と正規王者では、意識は変わりますか。

「それはあんまり無いかなぁ(笑)。防衛戦が決まったことで、意識は変わりますけど」

――猿丸選手が暫定王者になった時点で、もし防衛戦が行われていたとしたら、誰が挑戦者になっていたと思いますか。あの時点ではランキング上位に新井丈選手と安芸柊斗選手がおり、安芸選手は王座挑戦をアピールしていました。

「最初は箕輪選手と統一戦をやるかもという話はあって、その統一戦に向けて準備していました。そこで勝ってから、ランキング上位の新井選手か安芸選手と戦うか。あるいは新井選手と安芸選手が挑戦者決定戦をやって、勝ったほうと戦うのかなと思っていましたね」

――そこで箕輪選手がベルトを返上し、正規王者として防衛戦を行うことになった時、気持ちの切り替えはできたのでしょうか。

「そうですね。箕輪選手とやるのか、防衛戦をやるのか――どちらかがハッキリしたので。今は正規王者として、ランキング1位の挑戦者と防衛戦をやる。気持ちもハッキリしています」

――安芸選手がベルト挑戦をアピールした時、リアルがんばれ元気だと話題になりました。安芸選手のお父さん、安芸佳孝さんが2008年9月に猿丸選手と対戦し、KO負けを喫しています。その息子さんが猿丸選手に挑戦するというストーリーに注目が集まっていて。

「ありましたね! でもその話題が出る前から、新井選手がランキング1位だし、新井選手と戦うことになるだろうなって感じだったので。だから次、安芸選手と対戦できたら面白いと思っています。すごいドラマですよ」

――では初防衛戦の相手となる、新井丈選手の印象を教えてください。

「自分と似たところはありますね。ファイトスタイルはもちろん、勝てなくて苦労したところもそうだし。まずパンチが速くて強い。一発もらったら怖いです。アハハハ、オレもパンチをもらいやすいから(笑)。でも、まだベルトを巻くには早いと思いますよ」

――王者が若い選手の壁として存在する。それは「若い選手に倒されたい」というメッセージとも受け取れるのではないでしょうか。

「それは倒されたくない! 負けたくない! 倒されるまでやります。でも倒されないために、ずっと本気で、ずっと強くいたいです。練習も今まで以上にやっていますし」

――そうやって壁であり続けると、誰も乗り越えられない結果になるかもしれません。

「それは『超えて行けよ~』って思うかもしれないですね(笑)。『さっさと超えて行けよ』って。もちろん10年かかってベルトを巻いて、自分の壁は低くないです。新井選手も未完成なファイターだと思いますし」

――その新井選手と、どのような試合をしたいですか。

「自分の強さであり、修斗のチャンピオンとしての強さを見せて勝ちたいですね」

――では猿丸選手が考える修斗のチャンピオンの強さとは、何なのでしょうか。

「5Rやることなく、フィニッシュすること。次の試合でもフィニッシュします。フィニッシュする形がパンチや蹴り、サブミッションかどうかは分からないです。とにかくフルラウンド削って判定勝ち――そうじゃない、っていうことですね」

――なるほど。ちなみに他のプロモーションで戦うことはないと言われましたが、世界的に見ればストロー級ナンバーワンはONEだと思われます。箕輪選手をはじめONEストロー級の選手については、客観的にどう見ているのでしょうか。

「みんな強いなぁと思いますよ。そこまで深く見ていないというか、あんまり詳しくはないんですけど。もしかしたら、それってファイターとしては良くないんですかね。でも自分は、それで良いと思っています。オレは――シューターだから」

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Shooto Shooto2022#06 UFC 修斗 新井丈 海外 猿丸ジュンジ 箕輪ひろば 黒澤亮平

【Shooto2022#06】修斗世界ストロー級王者、猿丸ジュンジ─01─「自分は他のところに行く気はない」

【写真】今はもう黒ではなく、シルバーのベルトを手にしているはず(C)MMAPLANET

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、修斗世界ストロー級王者の猿丸ジュンジが、ランキング1の新井丈を挑戦者に迎えて初防衛戦を行う。
Texty by Shojiro Kameike

昨年11月、黒澤亮平との暫定王者決定戦で勝利し、念願であった修斗のベルトを巻いた。それは2011年4月に生駒純司との王座決定戦で敗れてから10年、5回目のチャレンジであった。今年7月に正規王者であり、ONE参戦中の箕輪ひろばがベルトを返上したため、猿丸が正規王者に昇格。そして迎える初防衛戦を前に、猿丸が修斗への想いを語ってくれた。


――修斗世界ストロー級暫定王座を奪取した前回の試合から10カ月を経て、初防衛戦を迎えます。今の心境はいかがですか。

「ちょっと間隔が空いちゃいましたよね。もっと早く試合をしたいとは思っていました。待っていたから仕方ないんですけど。オレだけじゃなくて、他の選手も待っていでしょうし」

――待っていたというのは、正規王者の箕輪ひろば選手のベルト返上を待っていたということでしょうか。

「いや、オレは箕輪選手と試合をするつもりでした。だから箕輪選手がどうするのかを待っていたということですね。それが返上となったので、自分はすぐに防衛戦をやることにしました」

――正規王者の動向が不明な場合、保持する暫定王座の防衛戦を行おうとは思わなかったのですか。

「それは考えていなかったですね。箕輪選手と統一戦をするのが一番良かったと思いますし。箕輪選手とは試合したかったです。別に今は何とも思っていないですけど」

――では10カ月前のお話にはなりますが、初挑戦から10年越しで修斗のベルトを巻いた感想を教えてください。

「とにかく嬉しかったです。ようやく応援してくれている皆さんにも、ありがとうって言えるし」

――ベルトを獲得した黒澤戦は、ご自身の中では満足のいく出来だったのでしょうか。

「はい、満足いく出来でした。作戦通りではなかったけど」

――というと?

「テイクダウンを織り交ぜていくという作戦はそのままでした。でも、あんなに早く終わるとは思っていませんでした。もっと長引くと考えていたんです。テイクダウンから削って、相手の動きが鈍くなってきたところでフィニッシュを狙おうと。別にRNCでフィニッシュしようと考えていたわけではないけど、組んだら相手は立とうとするから、そこでバックに回るという展開を想定していましたね。

でも意外に、最初のパウンドが効いていたから。それが分かったので狙いに行って、RNCを仕掛けた時も、それほど抵抗もされなかったので極めることができました」

――開始早々にテイクダウンを仕掛けていましたが、もっと打撃で削ってから組みに行くことはなかったのですね。

「打撃で行こうとは考えていなかったです。テイクダウンに失敗して、立たれても上下に組み直していく。パンチとテイクダウンを混ぜて、スプロールされたら、逆に深追いされないように距離を保つ。スタンドではなくグラウンドで削る。そう考えていました」

――対する黒澤選手は、猿丸選手のローにパンチを合わせてきました。

「最初に合わされた時は、これは警戒しないとって思いました。予想以上にパンチが速くて、自分もそんなに見えていなかったんですよ(笑)。でも、こちらはパンチをもらわないポジションから出したり、常に頭を動かしていたから、クリーンヒットはなくて。

黒澤選手はパンチがというか踏み込みが速い。でも単調だし、踏み込む時に警戒していないんですよね。だからパンチが右でも左でも、自分が頭をずらしていれば組みつける。もっとフェイントかけてくれば、自分も入るのは難しかったかもしれないですけど」

――前回の試合前、猿丸選手から「今回負けたら引退する」と聞いていました。しかし勝利し、ベルトを巻いたことで引退は回避されたのでしょうか。

「アハハハ、そう言っていましたね(苦笑)。自分の中で求めていたスタイルが出来上がってきて、それでも負けたら仕方ないと思っていました。別に後ろ向きな気持ちではなくて。ベルトを獲るまで続けると決めていて、それで獲れなかったらラストになるのかな、と。でも勝てて良かったです。やっぱり続けたいから」

――一方で、修斗のベルトを巻くという最大の目標は達成しました。そこで達成感……もう十分かな、という気持ちは生まれなかったですか。

「達成感は大きかったです。でも、これでもう……という気持ちはなかったですね。たとえば修斗だけでなく、他のプロモーションでもチャンピオンになった選手は、違うところへ行こうとするじゃないですか。国内ならRIZIN、海外だとONEやUFCとか。自分はそうやって他のところに行く気はないので」

――すると、ベルトを巻いた次の目標はどこに置いているのでしょうか。

「強い修斗のチャンピオンでいること。もしRIZINやONE、UFCへ行きたい選手がいるなら、『強いチャンピオンである自分を倒して行け』っていう存在になることですね。そのためにも防衛戦はどんどんやっていきたいです。修斗を活性化させるために」

――……なるほど。

「えっ、意外ですか」

――いえ、意外ではないです。猿丸選手らしい考えだと思います。ただ良い悪いではなくて最初は同じような気持ちを持ちながらも、次の道を選ぶファイターも多くいました。

「そうか……自分のようなタイプは珍しいんですかね。でも、オレぐらいはそんなタイプでいても良いですよね」

<この項、続く>

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【Shooto2022#06】パラ千葉のフライ級ファイター達─04 ─内田タケル「片道1時間半、1日に2往復」

【写真】9月のパラ千葉フライ級勢4連戦。ここまで2勝1敗、ランキング最上位の相手に内田は勝ち越しとなる勝ち星を手にできるか (C)MMAPLANET

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で内田タケルが関口祐冬と対戦する。

6月にRoad to UFCで国際戦&海外マッチを経験した内田が10代最後の試合に挑む。鶴屋浩門下のフライ級の精鋭集中インタビュー、4人目は中学3年の時から片道90分かけてパラエストラ柏に通う内田タケルに話を訊いた。


──半年ぶりの修斗公式戦で関口祐冬選手と対戦する内田選手です。

「宜しくお願いします」

──6月にRoad to UFCのワンマッチに出場し、ショーン・エチェルに一本勝ち

あの舞台を経験して、再び修斗に戻る。その心境を教えてください。

「Road to UFCは僕の場合はワンマッチで、トーナメント戦でなかったので、試合のオファーがあればまた修斗で戦いたいと思っていました。なので、戻ることができて嬉しいです。Road to UFCからは10月大会の話もなかったですし」

──イリディアムのジェイソン・ハウス氏に、アブダビ大会にぶっこんでもらうことはできなかったですか。

「実は10月大会もあるかもしれないから、修斗に出ることはあまり勧められないということでした(苦笑)。でも勝てば良いので。そういう気持ちでいます」

──ところで内田選手は9月の終わりで20歳、まだ19歳です。今回はMMAPLANET初インタビューということもあり、ここまでのキャリアについても質問させてください。

「ハイ」

──MMAを始めたのは、いつからですか。

「中学3年生、14歳の時です。その時からパラエストラ柏で練習するようになりました」

──その時からということは、それ以前は違うジムで練習していたことがあるということですか。

「ハイ。最初は中学1年生の時に地元の埼玉の草加にある野武士という道場でブラジリアン柔術を始めました。もともとUFCを視ることが好きで、近くに道場があったので取りあえず体験で参加させてもらいました。そうしたら面白くて、入会した形です」

──最初がUFCだったのですね。

「まだ11歳とか12歳の時にUFC JAPANの特番か何かを見て、凄く格好良いと思いました。ロイ・ネルソンとマーク・ハントが戦った時のUFC JAPAN(UFN52)でした。日本人選手も堀口選手、五味選手、金原選手や田中選手、菊野選手、秋山選手、ストラッサー起一選手とかたくさん出ていて。それまでUFCもMMAも見たことはなかったのですが、やりたくなり、近くにあった柔術道場から格闘技を始めた形です」

──中学3年生でパラエストラ柏に練習場所を変えたのは?

「地元の道場は、練習相手が大人しかいませんでした。大人と練習をしていても、手加減されるので。あの頃は試合になって初めて、お互いが一生懸命にやるという状況になるという感じでした。なので、同じぐらいの年齢の選手と練習したくて出稽古でこっちに来て。凄く良かったので、入会することにしました」

──同い年ぐらいの選手となると……。

「怜ですね。他にもいましたけど、怜にメチャクチャやられました。ヤバかったです(苦笑)」

──草加と柏、距離的には30キロもないと思いますが、電車だとグルリと半円を描く感じで回り遠回りしないといけないですよね。

「家からジムだと、大体1時間半ぐらいですね」

──えっ、それを毎日通っているんですか。

「ハイ。昼の練習して、一度戻って夜に来る。1日二往復しています」

──!! 1日に6時間近い時間をかけているということですか。

「こっちに引っ越したいとは思っています。でもなかなか……生活するのに。バイトとかしないといけないですし、実家から通った方が練習時間を確保できるので」

──脛齧りじゃないですか(笑)。ご両親はMAMをやっていることをどのように?

「『あぁ、イイよぉ』と言う感じです(苦笑)」

──なるほど(笑)。では、これからのキャリアアップをどのように考えていますか。

「自分は次の試合に勝って、ランキングを上げる。修斗でチャンピオンになり、防衛をしてUFCに行きたいです」

──修斗のベルトは巻きたい?

「ハイ。前回のRoad to UFCに出るまで、MMAの試合はキッズから修斗しか出てこなかったです。それに修斗の歴代のチャンピオンは凄く格好良いと思うので」

──ランキング8位の内田選手ですが、実質世界チャンピオンの平良選手はUFCと契約していて、防衛戦を行うことは無理です。そのなかでどのような選手が、ライバルになってくるのでしょうか。

「1位が次に戦う関口選手で、2位が宇田選手ですけど……暫らくはDEEPになるでしょうね」

──では1位の関口選手との試合、勝てばその上がいなくなるということですか。そして平良選手も修斗では試合はしないでしょうし。

鶴屋浩 だから平良のベルトは返上すべきでしょう。ウチは黒澤(亮平※当時は飛鳥拳)がケガで防衛期限内に戦えないから返上してしますからね。こないだストロー級で箕輪ヒロバがそうしたように平良も防衛期限内に試合ができないのであれば返上ですよ。そこは修斗側にも伝えています。

──鶴屋さん、正論かつガチトークありがとうございます。

<この項、続く>

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【Shooto2022#06】西川大和─02─「できることは勝ち続けること。勝ち続けながら、その時を待ちます」

【写真】忖度無し? 言いたいことは口に出す西川大和(C)MATSUNAO KOKUBO

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、前HEAT同級王者の草MAXとウェルター級契約で対戦する、修斗世界ライト級王者・西川大和のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ONE出場を目指す西川、ではONEとの交渉はどのように進んでいるのか。RIZIN出場も噂として挙がるなか、修斗で草MAXとノンタイトル戦を行う意味とは――。西川が現状を語ってくれた。

<西川大和インタビューPart.01はコチラから>


――そのONEですが、交渉や契約に関して何か進展はありましたか。一時は日本大会の開催も噂されていましたが……。

「進展ですか――特にないのですが、ONEのほうも若い選手のほうが良いという話があります。あとは今後の進め方次第ですね。海外との行き来についても、徐々にワクチンを接種していなくても大丈夫なケースが増えているので、契約の仕方も変わってくるのかなと思っています。そういう時期を目途にしてければな、と」

――ということは、具体的なオファーがあったということですか。

「いや、うん……やっぱり若くて有望な選手と契約したいということでした」

――言葉を濁すということは、何か動いているとして今後の進展に期待します(笑)。

「戦績や知名度よりも若い選手を使いたい、それがONEなんだなという印象を受けました。そこはRIZINと違いますよね。僕はRIZINの選手をアスリートとして見ていないので」

――……。一転、ハッキリすぎる発言で。そういうことを言ってしまって良いのですか……。正直、こちらがドキドキします。

「全員がそうというわけではないですが、ONEやUFCと契約できないからRIZINで──という選手はいますよね。そういった人は自分の名前を世に出したいわけで、僕とは違います。僕は強い選手と戦いたい。それ以外のことは興味ないです。仮にもし興味があったら、もっとSNSの更新が多いと思います(笑)」

――そこでSNSアピール問題を出しますか(笑)。

「アハハハ。僕って、嫌なことを言う選手ですか」

――自分の気持ちに嘘をつきながらMMA人生を歩んでいくよりは良いのではないでしょうか。

「そうですよね……。『日本で無双しているからUFCへ行く』という選手がいるじゃないですか。でもUFCに出たら全く通用しない、日本で無双していていようが、輝きが見られなくなることもあって。

それで言うと、僕が獲ったベルトは日本チャンピオンなんです。ボクシングでいえば次は東洋太平洋であったり世界であったり……僕にとって、それがONEでありUFCなんです」

――前回のインタビューでは「Road to UFCには興味がなかった」ということでした。その後、木下憂朔がDWCSでKO勝ちし、UFCとの契約を勝ち取っています。西川選手はDWCSも興味はなかったのでしょうか。

「正直、何が何なのか分からないんですよね(苦笑)。なぜコンテンダーシリーズがあるのにRoad to UFCをやっているのか――とか。僕自身が他の選手に興味がないっていうのが一番なんですけどね。アハハハ。

でも木下選手が勝ったのは嬉しかったです。僕が目指しているアスリートの世界というのは木下選手や中村倫也選手のような、ずっと格闘技をやっていた人がバリバリ活躍するものなので」

――では次の試合についてお聞きします。現在の西川選手が草MAX選手とウェルター級契約のノンタイトルマッチで戦うことは、どのような意味を持つのでしょうか。

「このままONEを目指して日本ではウェルター級で戦っていくと、もうライト級王座の防衛戦はないかもしれないです。ベルトを返上することもあるかもしれません。もちろん修斗のベルトを巻いたことに関しては、すごく嬉しかったです。でも、やっぱり次の段階を考えていかないといけないですよね。

ただ、チャンピオンになってからの3試合は全て防衛戦のつもりで戦ってきました。たとえノンタイトルマッチであっても。さらに草選手はベテランで経験値も高い。その意味では自分がチャレンジャーであるとも思っています」

――草選手……。

「何より試合ができることが、ありがたいです。対戦を受けてくれた草選手には感謝しています。相手は僕のことを何て言うか分かりません。『この若造が』って思うかもしれないけど、僕は草選手のことを昔から見ていたので、そのベテラン選手の胸を借りて精一杯やるだけです。だから、草選手って言い方も嫌なんですよ。相手に失礼で」

――そもそも草MAX選手という呼び方なら分かりますが、草選手と呼ぶのは違和感があります(笑)。

「あぁ、そうですね(苦笑)。本名って草柳さんでしたよね」

――はい、草柳茂明さんです。

「では草柳選手って呼びます! 草柳選手はこれまで修羅場をくぐってきていて、尊敬しています。その草柳選手と対戦することができて嬉しいです」

――ただ、ONE側は「若くて有望な……」と言っている。対して西川選手は今年20歳になりますが、当然のことながら年齢を重ねていきます。ご自身の中で、できるだけ若い時に早い段階で契約したいという焦りはないのですか。

「焦りはないです。それは全然……まずプロとして、どういったキャリアを過ごしていくかということのほうが大切だと思います。いずれONEに出て勝つためにも、今は目の前の試合を一つひとつこなしていくことが重要ですから。

なぜかというと、たとえば僕が年齢を重ねていった時、僕よりも若くてイキの良い選手が出て来ますよね。ONEは若くて有望な選手が欲しい。僕がその年齢差をひっくり返すためには、試合の成績が必要で。『年齢は○○より上だけど、ニシカワは勝ち続けている』と考えてもらえるように今の自分にできることは、まず勝ち続けることなんです。勝ち続けながら、その時を待ちます」

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【Shooto2022#06】草MAXと対戦、西川大和─01─「簡単に手に入ったら嬉しいと思わないタイプで」

【写真】リモート取材にONEのキャップを被って受けた西川。7月のインタビューで話していた、ONEへの想いが結実したのか──はインタビュー後編で (C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、修斗世界ライト級王者の西川大和が、前HEAT同級王者の草MAXとウェルター級契約で対戦する。
Text by Shojiro Kameike

西川にとって、今回の草MAX戦は修斗のベルトを巻いてから4試合目となる。いまだ西川は明言していた海外プロモーションとの契約に至っていない。今後の西川の往く道を尋ねる前に、彼の日常生活を尋ねた。


――今日はよろしくお願いいたします。

「よろしくお願いします」

――いつもより声のトーンが低めですが、試合1週間前ということで疲労もピークなのでしょうか。

「そうですね……今回対戦する草MAX選手だけでなく、どんどん選手が出てきますよね。であれば強い弱いは関係なく、これからも様々なタイプの選手と当たると思います。それを考えて日々、いろんなことに挑戦しながら練習しています。だから練習量は多いほうだと思うんです」

――それは今の期間に、草MAX選手とは全く違うタイプと対戦することも想定した練習をするということですか。

「はい。ひとつの試合に向けて作戦を立てるというのは、もともと自分に穴がある証拠なんですよ。練習したり試合をすれば、その度に自分の穴が見つかるわけですね。そういう穴を埋めていく練習をしていくという意味です。何よりも自分自身が強くなりたいっていう気持ちで格闘技をやっているので」

――前回のインタビューも今回も取材依頼をさせていただくと、日曜日でというお返事がありました。それは、生活リズムや練習パターンが関係しているのでしょうか。

「基本的に日曜日はプライベートで遊んだり、家族と何処かへ行ったりする時間を大切にする。それもファイターとして重要なことだと思っています。そうやって普段の練習で会う人たちとは違う人に会うと、また別のエネルギーをもらえるし、今後の自分にとって役立つことじゃないかなと思っていて」

――取材でインタビューする側がエネルギーを与えられるかどうかは分かりませんが、その時間を割いていただいて、ありがとうございます。月曜日から土曜日までは練習予定でビッシリ埋まっていますか。

「練習以外のことはしていないですね。練習が終わって外食することもないですし、誘われても全て断ります。でも、そんな自分を理解してくださっている人が多いので。僕ぐらいの年齢になると、色気づく人もいるじゃないですか。大学に入ると、それまで以上に異性と話をするようになったり、お酒を覚えて飲み友達を作ったり」

――西川選手は2002年生まれ、同級生が大学に進学したり就職していることが多いでしょう。そのぶん、誘惑も多くなりますよね。

「でも、たとえばプロ野球を目指している友人がいて、すごくカッコイイなと思うことがあるんです。同じ世代でもプロ野球とかサッカー選手って、アスリートとして追及していますよね。試合だけじゃなく、そういうアスリートの私生活も参考にしていて。

僕、何でもそうですけど、簡単に手に入ったら嬉しいと思わないタイプで。反対に大変な思いをして手に入れたものは、自分の中で永遠に消えないと思っているんですよ」

――……。

「この年になると、いろんなお誘いがあります。それを断っていると、アイツ何だよって思われることもありますよ。でもソコに行って、その場だけでキャーキャー言われることに興味がないです。結果、練習バカになっています(苦笑)。

何より子供の頃から格闘技をやっていて、本当にいろんな方に支えてもらってきました。もちろん両親にも支えてもらい、その中で迷惑もかけてきました。なのに、ここで自分が誘惑に負けてしまうと、自分が周りの人たちに嘘をついているようで嫌なんですよね。
支えてもらったというのは、お金や生活面だけじゃないです。練習で支えてくれた人もいるわけで。時間を犠牲にして僕の練習に付き合ってくれた人がいる。

選手って、誰かを犠牲にして上がっていくものじゃないですか。ここで誘惑に負けたり、それこそ格闘技を辞めたら、そういう人たちに失礼だと思っているので。僕のために何かを犠牲にしてくれた人たちの想いを無駄にせず上に行きたいです」

――試合もそうですよね。勝敗をつけるスポーツなので、西川選手が勝てば、もちろん相手は負けている。その戦績の上に現在の西川選手がいるわけで。

「そうですよね。だから簡単には辞められないし、西川大和ってそんな人だったの!? と思われるようなことはしたくないです。どれだけ周りの人に地味だと思われても」

――となると、格闘技に関わる時間以外は何を?

「格闘技以外ですか……1日のルーティンが全て練習で、あとは食事して、ストレッチをして寝る。これで1日が終わるので、格闘技以外のことをするとなると、どちらかになると思うんですよね。遊ぶにしても1人で何かをするのか、誰かと一緒に遊ぶのかによっても違っていて。こういう言い方は失礼かもしれないけど、皆で集まってワーワー騒ぐのは、自分と似た仲間同士で集まっているようにしか見えないんですよ」

――アハハハ、ハッキリ言いますね(笑)。

「たとえば自分が間違ったことをしたとしても、それを否定せずに良いことだけを言う人と話す場へ行っても、たぶん居心地悪いんですよね。自分が格闘技で上に行きたいという気持ちを失くさないかぎり。そうすると一人で過ごしたり、先のことを見据えている人と一緒にいることを選んでいると思います。さっき言った、プロ野球を目指している友人や、他の競技で頑張っている人一緒にいたりとか」

――自分が格闘技で上に行きたいという気持ちを失くさないかぎり……、ご自身が格闘技を辞めたり、格闘技が無くなった人生を考えることはできますか。

「それは考えられますよ。格闘技が無かったら無いで、何か他のことをしているでしょう。食べていくための何かをして、楽しめるプライベートを過ごす。そこはしっかり線が引ける人間になると思います。歯止めがきかないようなことをするのではなく。

別にそれは格闘技が無くなったらということではなくて、今の生活の先も考えます。何か他の仕事をして成功したら、頑張っている選手を応援する側に回りますね。そうなった場合、自分は昔やっていたからって口を出す人もいるじゃないですか。でも僕は口を出さずに背中を押す。それこそ何の競技であれ、たとえプロになれなくても、何かしらのステージへ行けるようにサポートしたいです」

――西川選手自身が子供の頃からそうやって支えられてきたからこそ、ですか。

「はい。子供の頃から格闘技をやってきたことは大きいと思います。他の競技は若くてバリバリやっている選手ばかりじゃないですか。僕も15歳でプロデビューしていて、そうした他競技のアスリートの基準でいうと、結果を出して30歳ぐらいまでじゃないかな、と考えています」

――現役生活も30歳ごろまで、と。

「だから調子に乗っている余裕もありません。この年齢でベルトを巻くと、調子に乗る人も多いですよね。インタビューを読むと、オレ様気質を出したていたり。僕は出せないです。MMAの現状を考えれば、ONEなりUFCなり海外の名だたるプロモーションでベルトを獲って初めて、ようやくアスリートって言えるんじゃないですかね。他競技の選手から見て『西川大和って本物のプロスポーツ選手だよね』と言ってくれるようになってこそ、ようやく本物になれるんだと思います」

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