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Road To UFCシーズン2フィナーレ:第3試合・ロン・チュー vs. 原口伸

Road To UFCシーズン2ライト級決勝戦

UFCファイターのロン・チュー。UFCでは正直最下層の選手相手にもパッとしない試合内容でリリースされており、再契約は難しいのではないかと思われたが、さすがにRoad To UFCでは実力差を見せて決勝進出。23歳。

原口はレスリングで天皇杯全日本選手権)優勝。GRACHANでライト級王座を獲得したが、体格的にはフェザーが適正で、Road to UFCにもフェザーでエントリーしたものの、UFCからの要請でライト級での出場となる。一回戦はインドネシア勢とのボーナスファイトだったが、準決勝は相手の体重オーバーにより急遽ワンマッチに出場予定だったパク・ジェヒョンとの対戦となり、終始原口がテイクダウンする内容での判定勝ち。念願のUFCとの契約まであと1戦。25歳。

原口いきなりタックル。ロン・チュー足を引いてがぶるが、原口そのまま突進していく。しかし離れて切ったロン・チュー。原口今度はロン・チューの足を掴んでシングルレッグにそのままバックに着いたが、ロン・チュー立って正対。再び足へのタックルに切り替えた原口。またシングルレッグだが、ロン・チュー足を引き抜いて離れた。パンチから膝を見せるロン・チュー。原口またタックル。カウンターの膝がヒットしたが、効いてないとアピールする原口。またタックル。ドライブしてテイクダウン成功。ロン・チューケージ際まで移動。上半身を押さえ込む原口だが、ロン・チュー亀になり立つ。離れた。ロン・チューの右がヒットするが、原口タックルへ。持ち上げてテイクダウン。サイドで押さえ込んだ。パウンド。うつ伏せになり立ち上がったロン・チュー。スタンド。じわじわプレスしてきたロン・チュー。原口ケージを背負う。タックル。止められた。またタックルへ。これも切ってパンチを入れたロン・チュー。ホーン。

1Rやや原口だと思うが、ロン・チューのパンチ・膝のヒットが取られる可能性もある。ロン・チュー、かなりタックルに対応している。

2R。タックルのフェイントを見せる原口。タックルからバックブロー。またタックル。来たところにワンツーを入れる。原口タックルへ。ロン・チューカウンターの膝。顔が太ももあたりにヒットしたがそのままタックルへ。片足を取った原口。バックに回りながら寝かせようとするが、ロン・チュー立ち上がる。スタンド。ロン・チュー右ミドル。さらに右。原口鼻血。タックルのタイミングで膝を出したロン・チュー。ロン・チューのパンチがヒット。またタックルに膝を合わせたロン・チュー。致命傷にはなっていないがタイミングが合っている。じわじわ詰めるロン・チュー。前蹴りを腹に入れる。タックル。切ったロン・チュー。残り1分。原口ちょっと疲れが見える。ロン・チューのジャブを被弾。左を打ち込んでいく原口。ホーン。

2Rはロン・チュー。原口膝に手をついて疲れている様子を見せた。

3R。ロン・チューいきなり飛び膝。原口シングルレッグに入るが足を抜かれた。タックルを止めてパンチを入れるロン・チュー。原口もパンチを振っていくが、もらってもいる。ロン・チューの指の向きを注意するハーブ・ディーン。その間にも疲れた様子を見せる原口。原口タックル。シングルレッグからバックに回るが切られた。立ち上がるのが遅れる原口。すぐに詰めたロン・チュー。パンチを打ち込む。原口またタックルに行くが余裕を持って切られる。ロン・チューの右がヒットしマウスピースが飛ぶ。出てきたロン・チューにタックル。が、これも切られた。マウスピースをはめて再開するが立てない原口。ハーブ・ディーン続行を支持。立ち上がった原口。しかしタックルを切られてバックを取られた。ロン・チューパウンド。ハーブ・ディーンでなければ止められてもおかしくない。余力がない原口にチョーク。原口タップ。

アルファメールでトレーニングしてきたロン・チュー、タックルへの対応が良く、2R以降は原口の消耗もあり、次第に差がついた。最後は実質KO状態の原口へのチョークでフィニッシュ。

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【Special】J-MMA2023─2024、Road to UFC決勝へ。原口伸「全然、負ける気はしないです」

【写真】既に計量を終えている両者。ロン・チュウはかなり戻してきそうな体をしており、当日はフィジカルの差は出てきそうだ (C)Zuffa/UFC

2024年も早くも1カ月が過ぎ、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、こらからの1年について話してもらった。
Text by Manabu Takashima

J-MMA2023-2024、第十九弾はRoad to UFCライト級ファイナルを控える原口伸に話を訊いた。

3日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるRoad to UFC2023 Finalでロン・チュウと対戦する原口は、いわばレスリング一本槍のMMAスタイルを今回の決勝まで全うすると断言。MMAファイターとしての底上げは、UFCとの契約後であることを明らかとした。

なおRoad to UFCバンタム級決勝はシャオ・ロンの負傷欠場で不成立、フェザー級はリー・カイウェンが4.5ポンドのリミットオーバーとなっている。

■2023年原口伸戦績

2月12日 Grachan59 X BRAVE FIGHT27
〇 1R3分57秒 by TKO 小谷直之(日本)

5月28日 Road to UFC2023Ep04
〇 2R1分25秒 by TKO ウィンドリス・パティリマ(インドネシア)

8月27日 Road to UFC2023Ep06
○ 3-0 パク・ジェヒョン(韓国)


──昨年の今頃はGrachanライト級王座防衛戦の準備をしていたかと思います。あの時、1年後にUFCとの契約まで一歩のところにいる自分を想像できていましたか(※取材は16日に行われた)。

「Road to UFCに出ることを目指していましたけど、声も掛かっていない状況で。気持ちとしてはあやふやな感じでした。現実味がなかった、それが本当のところですね」

──対して決勝を控えるだけとなった今の心境を教えてください。

「Road to UFC出場が決まった時から、心のどこかで優勝するもんだと思い、普段の生活から練習への取り組みができていました。なので、ようやく来たかというぐらいの感覚です」

──10月にお兄さんの央選手と対談をさせていただいた時、試合に向けての練習に関して悩みがあって病んでいるという発言もありました(笑)。

「あっ、でも次の日にはケロッとしていました(笑)」

──アハハハ、何なのですか。それは(笑)。

「気楽にはやれてなかったですね(苦笑)。今から思うと、色々と背負ってしまってやりたいこととデキていることが噛み合っていなかったです。僕は完璧主義みたいなところがあると思うので、上手くいかないとモヤモヤしてしまうということはあります」

──12月9日に当初は予定されていた決勝戦ですが、その1カ月少し前に韓国で央選手がRoad FCのグローバルT決勝をキム・スーチョルと戦いました。敗れはしましたが、あの激闘を傍で見て何か得ることはできましたか。

「兄貴という一番近い存在が、キム・スーチョルというメチャクチャ強い相手と対峙する。その緊張感はセコンドでも、味わうことができました。キム・スーチョル選手は普段はニコニコしていて凄く良い感じの人なのですが、試合になると殺気に溢れていて。MMAファイターになって初めて、怖いと感じました。アレを感じ取れたことは良かったです。

その怖いと感じた選手に向かっていく──アニキの覚悟が見えました。あそこは自分が見習わないといけない部分ですね。そこは決勝戦に向けて、良い経験になりました」

──同時になかなか日程がハッキリせず、2カ月ズレたことをどのように捉えていますか。

「僕にとってはプラスです。一番大きなことは開催地が上海からラスベガスになったことですね。米国はホームではないですけど、アウェイでもない。中立の場所なので」

──十数時間の飛行機の旅、時差もある。それでもベガスの方が良いと。

「ラスベガスと聞いて、『良しッ!』ってなりました。ラスベガスはMMAのメッカですし、意識しないところでテンションが上がっていたと思います。経験という部分では相手の方がずっとあって。だからこそ、この2カ月という時間は少しでも詰めることができたと思いますし」

──対戦相手のロン・チュウですが、準々決勝と準決勝の試合を見返して思っていた以上に手強い選手だと思うようになりました。

「Road to UFCから見るようになって1回戦は強烈なKO勝ちをして、強さを見せて準決勝は判定で手堅く勝っていた。最初は韓国人選手をマークしていたのですが、ロン・チュウの方が全然強いですね(苦笑)。

それでも全然、負ける気はしないです。なんか燃えていますね」

──テイクダウン対策は徹底してくると思います。

「得意なのはバレていますよね。すぐに行ってダメなら、我慢するのも手かと思っています。打撃戦につき合うということではなくて、動いてタイミングをずらしてテイクダウンへの意識が薄まった時に一気に狙う。切られて、そのまま続けるとそこは防がれるので、そういう風に戦おうかと考えていますし、練習もしています。

ただし自分のテイクダウンは初速なんかは、普通のMMAファイターと違うと思っています。だから、基本は切られないと考えています。でも相手が準備をしているところで仕掛けると切られます。準決勝では、相手が準備しているのに仕掛けて切られたので……言ってみれば、プレッシャーをかけても仕掛けない。そこで相手が出てきたところで、仕掛けるとかタイミングに変化を持たせようと思います」

──組んで倒しても、立たれる。だから、組みは淡泊になり打撃戦が多くなるのも今のMMAです。組み技は疲れるという意識を持っていますか。

「疲れます。でも、自分の武器なので。最後は離れると死ぬぐらいの意識でやっています。それでも無理から打撃をするよりも、組んでいる方が……そうですね、体力的には疲れますが、気持ちは一切折れないです。そこで相手が嫌がるような素振りを見せれば、また元気になりますし」

──UFCでは準決勝の動きだと、切られるだけでなくパウンドを打たれるかと思います。今回はその辺りも意識することはありますか。

「次の試合はトーナメントの決勝ですし、今持っている強さをぶつけます。勝ちに徹するというか、全てをぶつけて戦います。そうなると、これまでやってきた打撃の展開になることもあるだろうし、結果的にそうなれば先を見越していることになるかもしれないですね。理想は倒して殴る。でも、パウンドでは隙間ができてスクランブルに持ち込まれるので、エルボーとか密着して打つ方向で考えています。

テイクダウン後の相手の処理が上手いと、テイクダウンから後の勝負になります。テイクダウンは取れるので。意識は倒した後、そこから何をやるのかは3パターンほど用意していて、そのうちのどれかを当てはめる。相手の動きとかでなく、そこにはめ込みます」

──契約することがデフォルトとして、2024年はどのような活動をしていこうと考えていますか。

「それこそUFCを契約した後は、MMA選手として完成度を上げていきたいです。だから契約した後は、少し時間を空けるかもしれないですね。UFCデビューは夏から秋、その前に海外で練習もしてみたいです。トーナメント中は勝つ事に集中してきたので、終わればMMAを楽しめる時間も創りたいと思っています。幸い、今回の試合でビザも取れ、アッチで練習する障害はなくなったので米国──キルクリフFCとかで練習したいですね。また、しっかりと考えますけど、MMAを……知らない世界を味わいたいです」

──そのためにもロン・チュウ戦、クリアしてください。

「ハイ。一部では厳しいとか言われているようですけど、僕は勝つことしか考えていないです。そうやって自分を信じ込んでいるので、それを当日にしっかりと見せることができれば……と思っています」


■視聴方法(予定)
2月4日(日・日本時間)
午後1時30分~UFC FIGHT PASS
午後1時15分~U-NEXT

■Road to UFC2023 Final計量結果

<Road to UFCライト級T決勝/5分3R>
ロン・チュウ: 156ポンド(70.76キロ)
原口伸: 155.5ポンド(70.53キロ)

<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
リー・カイウェン: 149.5ポンド( 67.81キロ)
イー・チャア: 145.5ポンド(66.0キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
鶴屋怜: 125.5ポンド(56.92キロ)
チーニョーシーユエ: 125.5ポンド(56.92キロ)

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お蔵入り厳禁【Road to UFC2023 Ep06】原口伸がRTU準決を振り返る─01─「力を使わないで行こうと」

【写真】本来はこの日まで休養に当てていたが、取材に合わせて練習に復帰してくれた原口伸。ケガもなく好調をキープしていた (C)MMAPLANET

8月27日(日・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されたRoad to UFC2023Ep06のメイン=ライト級準決勝でキム・ジェヒョンを判定で破り、決勝戦進出を決めた原口伸。
Text by Manabu Takashima

当初の予定ではバーハートゥブールゥ・アトゥボラティと対戦予定だったが、計量オーバーに。自身の本計量前には、どうやら体重は落ちないという状況を把握していた原口だが、急遽ワンマッチ出場予定のキム・ジェヒョンと戦うこととなった。それでも徹底したテイクダウン奪取で、判定勝ちを収めた原口の話を勝利から10日後にBRAVE三郷で訊いた。

お蔵入り厳禁──試合前、試合と共に想定外の状況にあった原口はどのように気持ちを創り、切り替えていたのか。心の襞を覗かせてもらった。


──Road to UFC準決勝をクリアして10日、今の気持ち──あの時の気持ちではなく、今の気持ちを教えてください(※取材は9月4日に行われた)。

「前日に相手が代わったことで、絶対にメンタルはブレていて。それでもブレたなかで勝ち切れたことは、自分もよくやったなとは思います」

──ブレたというのは?

「去年、風間(敏臣)選手の準決勝の相手が体重を落とせずに、不戦勝で決勝進出が決まったことが、すぐに脳裏をよぎったんですよ。計量まで1時間で、あと2キロ落とせていない。何がどうあっても落ちないじゃないですか。バックアップがいるとも聞いていなかったですし」

──このまま試合はなくなって、決勝進出だと。

「ハイ。一度、気持ちが切れました。で計量が終わってメディカルに行って戻ってくると、『上が絶対にやらせるから』ということを関係者から伝えられて……」

──結果、ワンマッチ出場予定だったパク・ジェヒョンと戦うことになった。理不尽だとは思わなかったですか。

「いや、凄く思いました。準決勝から出てくるなんて、1回戦から戦ってきたこっちからするとズルいと言っちゃあズルい。事前にそれが分かっていたわけじゃないので」

──個人的には兄弟揃って週末にトーナメント準決勝が、相手の計量失敗で不戦勝なんて世界初だと。面白いことになったと思って記事を書いていました」

「アハハハハ」

──それが一転して、どうやら戦うことになりそうという空気になりました。あの時、パク・ジェヒョンの一択ではなくてバーハートゥブールゥとのキャッチウェイトで準決勝という選択肢もあったと聞いています。ただし、ドクターストップで彼の試合出場はなくなったと。

「ハイ。その二択だったんです。体重オーバーでも、20パーセントのファイトマネーを受け取って戦うのか。ずっと対策して、練習もしていたので元々戦う予定だった選手とやりたいと返答しました。『この韓国人選手は、誰だよ!! どこかのチャンピオンだし』みたいな(笑)」

──韓国筋からはコリアンゾンビ系の選手だらけになるのでトーナメントから外されたという話が伝わっていた実力の持ち主でした。

「そうだったんですね。戦績を調べたら、準決勝で(※ロン・チュウに)敗れたキム・サンウクに勝って、Angel’s FCのチャンピオンになっている6勝0敗の選手で」

──伸選手はライト級としては小さい。バーハートゥブールゥが戦えたとしても、体重を戻した時に105パーセント以上重くて、ベガスの規定になると対戦できないのではという話もされていました。パク・ジェヒョンと戦うことが決まった時の気持ちというのは?

「さっきも言いましたが、『ズルい』。あとは正直、『ふざけるなよ』っていう気持ちにもなりました。ただ、フェイスオフまでに一度ホテルの部屋の戻った時に、UFCと契約してからはこういうことも絶対にあるはず。

Road to UFCはあくまでもRoad to UFCで絶対に勝たないといけないトーナメントだけど、キャリアを線として捉えた場合、ここで試合をせずに決勝戦で勝ち上がったとしても、契約した後に通用するのかっていうのもあって。なら、こういう状況で試合をすることも後々のためになるんじゃないかと、ポジティブに捉えるようになっていました。フェイスオフの時には『よし、やるか』という気持ちでした」

──素晴らしい切り替えですね。そこから相手の試合映像などをチャックしたのですか。

「サッと目を通して、元々の相手はサウスポーだったけどオーソになったのでサウスポーを相手にするとどういう戦いをするのか。そこは結構、見ました。戦ってみて、まま動画のままでしたね」

──バーハートゥブールゥ戦を想定していた時と、戦い方に変化を加えたのでしょうか。

「テイクダウンのフェイントから打撃、それを見せてテイクダウンを取るという作戦を中国人選手と戦う時は考えていました。韓国人選手と戦う前も色々とは考えていたのですが、いざ実際に対面すると気負ってしまって。『絶対に負けたくない』という想いで、相当に慎重になっていました。

準決勝で負けると意味がなくて、でも勝負の世界は残酷だからパッと出てきたヤツが決勝に行くなんて幾らでもあり得るとか、色々と考えてしまっていました。相手もワンマッチから本戦の出場で張り切っているだろうし。そこも含めて相手云々ではなくて、自分のなかのプレッシャーと戦っていたように思います」

──まず、ケージに向かう時はどのような気持ちでしたか。

「入場曲のサビの部分で普通に涙が出そうになって、『やっべぇ』と思いました。感極まってしまっているので、『集中しろ』、『集中しろ』って自分に言い聞かせて(苦笑)。そうしたら、すぐに戻りました。でも『来るぞ』、『来るぞ』という風で、自分のなかの何かと戦っている感じでしたね。これまでの試合の入り方とは、大分違っていました」

──テイクダウン、スクランブル、テイクダウンの繰り返しではあったかと思います。

「やっぱり立つのが上手かったです。上手いとは分かっていましたが、あんなに上手いとは思っていなかったですね。いつものように足を束ねていけると考えていましたが、そうさせないことだけに集中しているような動きをしていました。

力を使っていないのも分かりました。だから僕も手を引っ張るだけで、深くはいかないで。そこはレスリングで培ってきたモノが生きました」

──パク・ジェヒョンがこれだけ立って来ると、もう立たせて倒すという繰り返しで削ろうという判断をしたのでしょうか。

「いえ、頭をケージ中央の方に倒しても、凄い勢いでケージ際に移動されて。

『なんだ?』と思いました。徹底していましたよね。なら、こっちも力を使わないで行こうと」

──そこは自制できると。

「ハイ、レスリングは熱くならないです。打ち合いだと『コイツッ!!』ってなってしまうのですが、立たれても攻めているのは自分だったので。こういう精神的な削り合いの時は、絶対に負けないと気持ちでやっています」

──組みで殴る。コントロールして殴るという原口選手に究めて欲しい部分は、あまり出ていなかったように映りました。

「殴るという感覚はあったのですが、思った以上に立つのが上手くて気後れしてしまった部分はあります。少しルーズにして殴るのではなく、しっかりとクラッチして組みに集中していました」

<この項、続く>


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Eternal MMA78 MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC アラン・フィルポット イーサン・トーマス オク・レユン ショーン・エッチェル ジャック・ベッカー スティーブ・アーセグ ダヴィッド・ドヴォルザーク デヴィッド・マルチネス パク・ジェヒョン 原口伸 平井総一朗 竹中大地

【Eternal MMA78】2月に続き、UFCウィークに大会開催。猫の目タイトル戦線、ライト級のベッカーに注目

【写真】豪州トップ・フィーダーショーのタイトルラインにあるファイターたちの実力は? (C)ETERNAL MMA

8日(金・現地時間)、これから30後に豪州はシドニーのリバティ・ホールでEternal MMA78が開催される。
Text by Manabu Takashima

Eternal MMAといえばHex FC、BRACEと並び豪州MMA界の登竜門といえるイベントで、今日のイベントも2月の73回大会に続きUFCファイトウィークの金曜日に行われるわけだ。

2月のパース大会では日本の平井総一朗を破ったスティーブ・アーセグがUFCとサインし、6月のオクタゴン初陣でフライ級10位のダヴィッド・ドヴォルザークを破っているが、今大会でもアーセグと同じ青写真を選手だけでなくプロモーションも描いていた。


それがメインのミドル級選手権試合=マット・マイヤース✖ブローガン・アンダーソンの一戦だ。しかし、王者マイヤースがファイトウィークになって負傷欠場が決まり、ブローガンの対戦相手は見つからずメインは消滅──代替ヘッドライナーはバンタム級のジャック・ベッカー✖デヴィッド・マルチネスが務めることに。

ベッカーはかつてHEATに来日し、2勝1敗。5年前の2018年5月にはオク・レユンの持つライト級王座に挑戦も判定負けを喫した過去がある。

ベッカーにとって、この試合は昨年5月にエイデン・アギレラの持つEternal MMAライト級王座に挑むも開始直後にカーフで足を折り、TKO負けを喫して以来の再起戦となる。

そのアギレラを破って、ライト級に王者になったのが今大会でベッカーと対戦するマルチネスだが、マルチネスも既にブレイク・ドネリーにベルトを譲り渡しており無冠だ。

さらにはドネリーも今年の6月にクイラン・サルキルドに敗れ王座陥落──サルキルドは8月のRoad to UFCワンマッチで、パク・ジェヒョンと対戦予定だったが、トーナメント繰り上がりで原口伸と戦ったために、シンガポールで戦う機会は失してしまったファイターだ。

とにかく王座が猫の目のように変わり、王者はUFCを目指すというEternalのライト級戦線だが、日本を知るベッカーがどのようなファイトを見せるのか。実はベッカーは再起戦を日本で戦いたいという意向を持っていたが、Eternalのオファーを受けて母国でのファイトを選択したという話も伝わってくる。

そして、そのベッカーの相手には平井のように日本人ファイターを招聘するプランをEternalも持っていたものの実現はせず、今回はマルチネスと事実上の次期挑戦者決定戦といえるマッチアップが決まった。

日本繋がりでいえばコメインでショーン・エッチェルと戦うアラン・フィルポットは、7年目にVJT大阪大会に来日し、竹中大地に敗れていたファイターだ。その後はONE Warrior Seriesを経て、Eternalに出場もそのONE WSから4連敗中でキャリアの崖っぷちにあるフィルポットだ。

■視聴方法(予定)
9月8日(金・日本時間)、
午後7時00分~UFC Fight Pass

■ Eternal MMA78対戦カード

<バンタム級/5分3R>
ジャック・ベッカー(豪州)
デヴィッド・マルチネス(豪州)

<バンタム級/5分3R>
アラン・フィルポット(英国)
ショーン・エッチェル(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ロッド・コスタ(豪州)
イーサン・トーマス(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ジョー・デイヴィス(豪州)
セバスチャン・ショーライ(豪州)

<150ポンド契約/5分3R>
ジョシュ・クーン(豪州)
ジェイムス・マクブライド(英国)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ラーシニーズ(豪州)
トロイ・フーモ(豪州)

<ウェルター級/5分3R>
キム・ジュンギョ(韓国)
チョウ・ニエンラ(中国)

<バンタム級/5分3R>
クーパー・スミス(豪州)
ダニエル・ミッチェル(豪州)

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【Road to UFC2023Ep06】日本のノンストップMMAレスリング。原口がパク・ジェヒョンを完封して決勝へ

【写真】勝つために終始攻め続けた。その試合が面白くないはずがない。(C)MMAPLANET

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
原口伸(日本)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28.
パク・ジェヒョン(韓国)

サウスポーの原口がシングルレッグで組んだ。尻もちを着いたパク・ジェヒョンが立ち上がるも、原口は足を離さず、そのままケージに押し込んでいく。右腕を差し上げた原口がパンチで削りつつ、シングルレッグからダブルレッグ、さらにシングルレッグに切り替えて再びグラウンドに持ち込んだ。背中を向けるパク・ジェヒョンに対し、バックコントロールからシングルレッグへ。原口がパスして背中を着かせた。なおもパク・ジェヒョンが体を起こしてケージに背中を着けて立ち上がる。

原口はダブルレッグからすくい上げるも、やはりパク・ジェヒョンが立ち上がる。パク・ジェヒョンの左手首を抑えつつシングルレッグから足をすくった原口はバックへ。パク・ジェヒョンがスクランブルに持ち込むも、原口が立ち上がってケージに押し込む。ここでパク・ジェヒョンが右腕を差し上げて体勢を入れ替え、離れ際に右ヒジを打ち込んだ。それをかわした原口が横から組みつき、ケージに押し込んでいく。ケージレスリングでも落ち着いた表情を見せる原口が、残り10秒で離れてラウンド終了を待った。

2R、鋭い表情でパク・ジェヒョンを見つめる原口。距離を取ってから飛び込んだが、ここはパク・ジェヒョンにスプロールされてしまう。しかし組んだことで一気にドライブした原口が、パク・ジェヒョンをケージに押し込みながらハイクロッチで組んだ。原口がアンクルピックですくい上げたところでパク・ジェヒョンがバックを狙うも、原口がスイッチから相手をケージに押し込んでいく。ケージレスリングで攻め続ける原口が、パク・ジェヒョンに尻もちを着かせた。バックコントロール→パンチを打ち込む原口は、立ち上がるパク・ジェヒョンの足に食らいついていく。

パク・ジェヒョンは原口の側頭部にヒジを突き刺していくが、原口が立ち上がった。パク・ジェヒョンは立ち上がり際に右ヒジを狙う。距離ができると飛び込む原口が、ダブルレッグで尻もちを着かせ、さらに足を畳んでいく。パク・ジェヒョンはニーシールドでパスを許さず立ち上がったが、原口のケージレスリングは止まることを知らない。アンクルピックを仕掛ける原口に対し、パク・ジェヒョンはスイッチしたが原口が再び倒した。パク・ジェヒョンはシングルレッグでグラウンドに持ち込んできた原口の右腕を取ってキムラを狙うも、ラウンド終了のホーンが鳴った。

最終回、パク・ジェヒョンが距離を詰めてくる。原口は左ストレートをボディに突き刺してから、ニータップで遂にクリーンテイクダウンを奪った。パスからマウントに移行した原口は、下がるパク・ジェヒョンをケージに押し込んでいく。パク・ジェヒョンは右ヒジを打ち込むが返せない。原口がパク・ジェヒョンの足を畳み、左の拳を叩き込む。原口のシングルレッグに対してスイッチからバックを狙ったパク・ジェヒョンだが、すぐに体勢を戻されてしまう。

原口がシングルレッグで食らいつくと、パク・ジェヒョンはスプロールしきれない。アンクルピックで尻もちを着かせた原口が押し込み続けている。バックコントロール、シングルレッグと攻め続ける原口は、パク・ジェヒョンが跨いでこようとしても、すぐに倒す。残り40秒でパク・ジェヒョンに背中を着けさせた原口は、パク・ジェヒョンの三角をディフェンスしながらパウンドとヒジを連打していった。

当初はバーハートゥブールゥ・アトゥボラティと対戦するはずだった原口だが、アトゥボラティが計量をクリアできず、急きょ相手が非トーナメント戦に出場予定だったパク・ジェヒョンに変更されていた。そのパク・ジェヒョンをドミネイトした原口がユナニマスの判定勝ちを収めている。原口は「もっとちゃんとフィニッシュを狙っていたけど、これが俺なので。対戦相手が変わって対策もクソもなかった。レスリング=俺。今回は勝ちに徹したけど、UFCと契約したら面白い試合をします。(決勝については)あとはやるだけなので。Tournament is mine.」と語り、決勝の対戦相手ロン・チュウとのフェイスオフとなった。


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Road To UFCシーズン2準決勝パート2第4試合・原口伸 vs. パク・ジェヒョン

ライト級トーナメント準決勝。

GRACHANフライ級王者で、レスリングでは全日本選手権で優勝している原口。ここまで無敗。今年2月には元UFCファイターの小谷直之を1RKO。Road To UFCにはフェザー級での出場を希望していたが、認められずライト級でのエントリーとなった。一回戦はインドネシアのONE PRIDE勢にテイクダウンからコントロールしつつパウンドを打ち込み、全く問題にしない内容で2RKO勝ち。24歳。

当初は中国のバハテボラと対戦予定だったが、バハテボラが体重オーバー。大幅オーバーでメディカルからの許可が降りずに欠場。代わって、第1試合のワンマッチに出場予定だった韓国のパク・ジェヒョン が準決勝からトーナメントに出場する。ジェヒョンは21歳でMMA6勝1敗。キャリア7戦はすべて韓国のAngerl FCでのもので、昨年9月の前戦では逆ブロックで勝ち上がっているキム・サンウクにスプリット判定勝ちでライト級王座を獲得している。

大きいジェヒョン。体格差がある。原口いきなりタックル。テイクダウンするが、ジェヒョン立ち上がりケージ際まで移動。またタックルに入る原口。尻もちまではつかせたが、また立ち上がるジェヒョン。離さない原口。またテイクダウン。背中を向けて立ったジェヒョンだが、原口またテイクダウン。ジェヒョンケージを使って立つ。原口ダブルレッグでまた倒した。またケージを使って立つジェヒョンの立ち際にパンチを入れた。また足を掴んで倒した原口。バック。寝かせようとするが、ジェヒョン立って入れ替えた。押し込むジェヒョン。残り1分。離れ際に肘を入れたジェヒョンだが、原口パンチで飛び込みまたタックル。テイクダウン。またケージを使って立つジェヒョン。残り10秒で離れた。ホーン。

1R原口。しかし特にダメージは与えていない。どれだけ体力を削れているか。

2R。原口タックル。切られたがケージに押し込んだ。シングルレッグ。しかしジェヒョンスイッチでバックを狙う。が、原口反転しまた上に。ジェヒョンバックを取らせて立つと正対。またタックル。またテイクダウン。また立ったジェヒョン。鉄槌。側頭部に肘連打を入れる。立って四つに組み替えた原口。離れた。ジェヒョンミドル。原口タックル。ケージに押し込んだ。ジェヒョン首相撲に捕らえたが、両足を束ねてテイクダウンしレッグマウント。が、ジェヒョンケージを使って立つ。原口タックルから何回目かのテイクダウン。スイッチで凌いで立つジェヒョンだが、立った瞬間にまたダブルレッグでテイクダウン。レッグマウントからパンチを入れる。バックを取らせて立ったジェヒョンを最後にまた倒す。ホーン。

2R原口。が、スタミナが切れていると打撃をもらっての逆転もあるのが怖い。

3R。パンチからすぐにテイクダウンした原口。そして押さえ込んだ。マウントに。ジェヒョンうつ伏せになりまた正対すると、上半身を起こしてケージまで移動。原口パンチを打ち込みながら押さえ込んで立たせない。バックにまわろうとするジェヒョンだが回らせない原口。なおもダブルレッグ。倒した。スタンドバックに。向き直ったところでまたダブルレッグ。尻もちをつかせる。20回中14回のテイクダウン成功。それだけ立たれているということでもあるが。残り1分。原口リフトしてテイクダウン。ジェヒョン三角を狙ったが、ガードに入った原口が肘。また三角。両腕を入れて防いだ原口。また肘・パウンド。連打。タイムアップ。

30-27、29-28×2の3-0で原口勝利。

2Rはテイクダウンしても攻撃がなかったので取られたか。3Rも最後にパウンド・肘を入れなかったら危なかったかもしれない。最後まで一度も下にならず。信じるレスリングをやり続けた。

「契約してから面白い試合をするので、Road to UFCは勝ちに徹します」とコメント。

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Road To UFCシーズン2準決勝パート2第2試合・ロン・チュー vs. キム・サンウク

ライト級準決勝。

中国のロン・チューは元UFCファイター(1勝2敗でリリース)。勝った相手も直前の代役でUFC契約した選手で、1勝もできずにリリースされている。一回戦は韓国のホン・ソンチャン相手にタックルを切ってパンチを打ち込みダウンを奪取。そこからのパウンドで1RKO勝ち。23歳。

韓国のサンウクはチーム・スタンガン所属。一回戦は丸山数馬のタックルをがぶってダースチョークで絞めて1Rタップアウト勝利。メインで原口伸と代役で対戦するパク・ジェヒョンとはAngel FCのライト級王座決定戦で対戦しスプリット判定負け。29歳。

ロン・チュー詰めてきた。右で飛び込む。かいくぐってタックルに入ったサンウクだが切られた。離れる。ロン・チューカーフ。ワンツー。ミドル。右オーバーハンドを打ち込んだロン・チュー。腰が落ちたサンウク。タックルで凌ぐ。バックに回ろうとしたロン・チューだが、サンウクケージに押し込んだ。離れる。ロン・チューまたカーフ。さらに左右のパンチ連打。右を入れたサンウク。プレスしていくロン・チュー。カーフキック。蹴られてスイッチしたサンウク。右を入れたロン・チュー。サンウクシングルレッグ。クラッチした。片足でこらえるロン・チュー。サンウクボディロックにしてスタンドバック。投げて膝をつかせたサンウク。背中に乗ろうとしたが、残りわずかと見て放してパンチの連打を入れるサンウク。ホーン。

サンウクの終盤のコントロール、最後のパンチ連打が、ロン・チューの前半の打撃を上回るのかどうか。

2R。ロン・チュー出てきた。サンウクの右がヒット。インロー。ロン・チューカーフ。スイッチしたサンウクだが、逆の足にもカーフ。サンウクタックル。切られた。ロン・チューのワンツーがヒットしケージ際まで下がったサンウク。ロン・チューそこにパンチ連打を入れる。サークリングしたサンウォンだが、ロン・チューまたカーフ。サンウク打たれているが、それでも手を出す。サンウクシングルレッグ。切られた。打撃で出るロン・チューだが、サンウクもパンチをヒットさせている。右ボディ。ロン・チューまたカーフ。効いた!スイッチするとロン・チュー今度は逆足にカーフ。残り1分。サンウクタックル。切られて立ち際にパンチを貰った。ホーン。

2Rロン・チュー。

3R。ロン・チューのカーフで前のめりにダウンしたサンウク。膝立ちのサンウクにパンチを打ち込むロン・チュー。立ったがまたカーフを蹴られる。今度はボディに膝を入れたロン・チュー。スイッチしたサンウク。左がヒット。が、今度は右足のカーフも効いてる。ロン・チュー右ボディ。ふらつきながらもパンチを出していくサンウク。ロン・チューの右がヒット。右を今度はボディに入れる。前蹴りをサバいてワンツーヒット。タックルに行くサンウクだが、足が踏ん張れず膝を着く。立った。ロン・チュー右ボディから左。ワンツー。かなり打たれているサンウクだが耐えている。ケージに追い込んでボディ。左右の連打。残り1分。ロン・チューもさすがに疲れている。パンチを全部被弾しているサンウクだが逆に手を出していく。さすがに疲れて最後は流したロン・チュー。タイムアップ。

30-26、29-28×2の3-0でロン・チュー勝利。

後半は圧倒したが、サンウクの打たれ強さが異常だった。

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【Road to UFC2023Ep05】非Tの実力者対決、ニャム戦へ。ダナソー「タイ人男子初のUFCファイターに……」

【写真】近所のお兄ちゃん的だけど、危険な技を多く持っている(C)MMAPLANET

本日27日(日・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されるRoad to UFC 2023Ep05ではフライ級のワンマッチ=ピーター・ダナソー×ナムジャルガル・トゥメンデムベレエルが組まれている。
Text by Manabu Takashima

フライ級トーナメントに出ていたインドやインドネシアの選手よりも、強い。多くがそう思っているであろうタイ人とモンゴル人の一戦を前に、ダナソーをインタビュー。日本と違いMMAの練習をすることすら簡単でない国で育まれた探究心、それこそハングリー精神の塊といっても過言でないダナソーのMMA、いやUFCへの想いだった。


――ピーター……ピーターも、ダナソーもタイ人では凄く珍しい名前ではないですか。

「ダナソーはデンマークの姓なんだよ。父がデンマーク人で、コペンハーゲンで生まれて4歳の時まで向こうで育った。それからチェンマイに移り住んで、ずっとタイで生活してきた。父と母は別れてしまったんだけど、ダナソーという名前をずっと続けているんだ。実はレンワットというタイの名前も持っているよ」

――なるほど。では格闘技を始めたきっかけを教えていただけますか。

「タイでは当然のようにムエタイが盛んで、僕もTVでいつも見ていた。でも、自分でやろうとは思っていなくて、ずっとサッカーをしていたんだ。そんな時に友人の家にはケーブルTVがあって、UFCを視ることができた。グラウンドで殴る試合があるなんて、凄く興味深かったよ。

15歳の時サッカーのチームが解散して、お金のある友人たちは他のチームに移っていったけど僕の家は裕福ではなかったから、サッカーを続けることはできなかった。それにチームでもクラスでも一番小さかったし、その時に友人がMMAジムを見つけてきたんだ。それがチーム・クエスト・タイランドだった」

――ムエタイではなかったのですね。

「でもね、僕には格闘技経験がなかったからMMAの練習には参加できず、まずはムエタイと柔術の練習をしないといけなかった。そして……僕には月に50ドルを支払って、両方を習うことはできなかった。なら、まずムエタイをやり、試合をして――そのお金でMMAを習おうと決めたんだ。数カ月後、ジムからスカラシップを貰って練習できるようになったよ。代わりにジムの掃除が僕の仕事になったけどね(笑)」

――MMAの練習をするのに、それだけのことがあったのですね。

「ONE Warrior Seriesでは勝てなかったけど、MMAの試合も出るようになった。でも直後にコロナで練習ができなくなったから、バンコクに移った。そしてタイでも格闘技の大会が再開され、フェアテックス・ファイトやLegend FCタイラントで戦うようになり、Legend FC で56キロでチャンピオンになった。

今年の2月にはONE FFで勝った時に、ジョージ・ヒックマンに声を掛けてもらって、プーケットのバンタオに合流したんだ。レスリング、柔術、ムエタイ、なんでも学べて最高の環境さ」

――ONE FFではムエタイを駆使しながらも、MMAを消化していたように感じたのはピーターの格闘技歴に関係していたからなのですね。ただONE FFからONE本戦というステップアップは考えなかったですか。

「僕はずっとUFCで戦いたいと思ってきた。それが僕の夢で。世界最高の場所で戦えば、世界のベストと戦えるようになるから」

――ところでRoad to UFCではワンマッチ出場です。トーナメントにはインドネシアやインドの選手も出ていますが、韓国、中国、日本の選手とレベルの差は大きく、ピーターやニャムジャルガル、それこそトップノイの方が強い。そういう意見も多いです。

「インドネシアやインドは人口が多くて、マーケットとして期待されているんだろうね。それに彼らは僕のようにレコードに2敗という数字がなくて、どんな大会で戦っていようが戦績が綺麗だったから。僕にはトーナメントで戦うスキルがあることは絶対だ。そう思っているよ。練習環境も違うし、でもしょうがない。今はとにかく与えられた試合を戦って、勝つことが大切だ。

もちろんタイ人男子で初のUFCファイターになりたいけど、ワンマッチで勝ってもそのままステップアップできなければコンテンダーシリーズや次のRoad to UFCで戦いたい。どの世界チャンピオンも、最初からUFCで戦っているわけじゃないからね」

――日曜日の対戦相手も同じように思っているかと。では、そのニャムジャルガルの印象は?

「強い選手だよ。でも、僕の方がタフな試合をしてきて。しっかりと準備している。どの局面でも戦えるけど――しっかりとムエタイを見せて、打撃で勝ちたい。ヒジとヒザはレスラーやグラップラーにとても有効だからね。」

■視聴方法(予定)
8月27日(日・日本時間)
Ep.05午後5時~UFC FIGHT PASS
Ep.06午後7時~UFC FIGHT PASS
午後4時30分~U-NEXT

■Road to UFC2023 Ep06対戦カード

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
パク・ジェヒョン(韓国)
原口伸(日本)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
ダールミス・チャウパスゥイ(中国)
イ・チャンホ(韓国)

<Road to UFCライト級準決勝/5分3R>
ロン・チュウ(中国)
キム・サンウク(韓国)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
上久保周哉(日本)

■Road to UFC2023 Ep06対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
神田コウヤ(日本)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
チーニョーシーユエ(中国)

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
キム・サンウォン(韓国)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
鶴屋怜(日本)
マーク・クリマコ(米国)

<フライ級/5分3R>
ピーター・ダナソー(タイ)
ナムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

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【Road to UFC2023Ep05】今大会屈指の好カード。イー・チャア戦へ、キム・サンウォン「水のように戦う」

【写真】神田コウヤ×リー・カイウェン戦の予想という問いには「両者にはそれぞれの強みがありますが、今は自分の試合に集中しています。試合が終われた、勝った方の選手の研究をし始めます」ということだった (C)MMAPLANET

27日(日・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されるRoad to UFC 2023Ep05のフェザー級準決勝、韓中対決=キム・サンウォン×イー・チャアが組まれている。
Text by Manabu Takashima

昨年準優勝のイー・チャアは既にUFCレベル、アジアのサーキットと目される。対してキム・サンウォンは初戦でSASUKEをKOし、準決勝に歩を進めてきた。今大会屈指の好カードを前に、キム・サンウォンに話を訊いた。


――今の体調はいかがですか。

「普通です。いつのもように普通に良い感じです」

――ところで眉毛もカラーリングしているのですね。

「特別な意味はなく、髪の毛の色に合わせただけで。まぁ、気分転換です(笑)」

――日本の選手もそうですが、髪の毛をいじって臨戦モード突入ということなのでしょうか。

「いえ、練習の邪魔になったのでカットしたら、ちょっとダサかったので染めました(笑)」

――分かりました(笑)。初戦のSASUKE戦のKO勝ちは、日本の関係者からしっかりと戦術を練った上で実行した素晴らしい勝利だという声がありました。

「そういう風に言ってもらえることは、凄く嬉しいです。ありがとうございます。実際に作戦を細かく立てて、その通りの勝ち方ができました。自分はフットワークが遅いので、SASUKE選手は蹴りを使う。その時に動きが止まるのでパンチを当てようという作戦がそのままはまった形です。チーム、先生を信じた結果です」

――ずばり、今回の試合もそのように準備をしてきたわけですね。

「もちろんです。バッチリです(笑)」

――ではイー・チャアの印象を教えてください。

「自分にとっては、火の玉みたいな選手ですね。勢いで戦う。自分はそういう火を消す、水のようなファイトを心がけて――冷静に戦います」

――つまりカッとしてしまうと良くないということですか。

「イー・チャア選手を疲れさせる。そのためには冷静でいないといけないです」

――自身も疲れるタフファイトですね。

「自分が疲れないように戦う。それが一番の理想です。彼はグラップリングが強いのですが、自分もそこは自信があります。そして自分の方がイー・チャア選手より、打撃は上回っています。何より彼がこの試合の前にタイで練習していたと聞き、自分の打撃を警戒するだけでなく怖がっているレベルにあることと確信できました。そうなると、彼が何を仕掛けてくるのかは、もう分かっています。その時が訪れる時が、楽しみでならないです」

■視聴方法(予定)
8月27日(日・日本時間)
Ep.05午後5時~UFC FIGHT PASS
Ep.06午後7時~UFC FIGHT PASS
午後4時30分~U-NEXT

■Road to UFC2023 Ep06対戦カード

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
パク・ジェヒョン(韓国)
原口伸(日本)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
ダールミス・チャウパスゥイ(中国)
イ・チャンホ(韓国)

<Road to UFCライト級準決勝/5分3R>
ロン・チュウ(中国)
キム・サンウク(韓国)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
上久保周哉(日本)

■Road to UFC2023 Ep06対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
神田コウヤ(日本)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
チーニョーシーユエ(中国)

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
キム・サンウォン(韓国)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
鶴屋怜(日本)
マーク・クリマコ(米国)

<フライ級/5分3R>
ピーター・ダナソー(タイ)
ナムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

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【Road to UFC2023Ep05】鶴屋怜と準決勝。マーク・クリマコ「敗北は人を成長させることを教えてあげる」

【写真】北米MMAの強さ、巧さを鶴屋相手に見せることがあるのか (C)MMAPLANET

27日(日・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されるRoad to UFC 2023Ep05のフライ級準決勝で、鶴屋怜と対戦するマーク・クリマコは北米MMA育ちのファイターだ。
Text by Manabu Takashima

5月の準々決勝ではRoad FCの超新星イ・ジョンヒョンを相手にテイクダウンゲームで快勝したクリマコは、強いレスリングベースを持つ鶴屋を前にして――自身が戦ってきた環境、練習を続けるAKAの練習仲間こそがアドバンテージだと話した。


――日曜日に鶴屋怜選手と対戦しますが、そもそもマークがRoad to UFCに出場を決めたのはなぜなのでしょうか。北米最大のフィーダーショーであるLFAで戦績を積んできた中で。

「コーチがコンテンダーシリーズ出場に向けて、UFCと話していた。その時に両親がフィリピン生まれで、米国で生まれ育ったバックグラウンドを持つ僕は、Road to UFCで戦う選択もあるという話が持ち上がったんだ。それを聞いてフィリピンを代表して戦い、アジアのファンに僕のこと知ってもらうのは凄く良い機会だと思った」

――3試合戦い、半年以上の時間を要することはどのように思いますか。

「確かにコンテンダーシリーズは一発勝負だ。でも、僕にはまだ経験が必要で。その点でもRoad to UFCのフォーマットはフィットしていた。UFCではそういう試合は存在しない。あそこでは世界のベストと戦う試合しか存在していないから。

Road to UFC、アジアで3試合を戦うということは、ファイトウィークを3度経験することになる。UFCという環境に慣れるにも絶好のチャンスだ。回りは皆、UFCのスタッフなんだから。全てがUFCで戦うための準備になる。

Road to UFCの経験があるのと、無いのとではUFCデビュー戦の時の感覚は全く違うはず。ここを経験しておくことは、全てがその後に生きてくるだろう」

――これだけの長旅をすることも。

「その通りだよ。上海、シンガポールで戦う。時差や色々な調整が必要で、そこも踏まえて今回は早目にタイに入って、最後の調整をしてからシンガポールに来た。しっかりアジャストできたから、何も不安要素はないよ。良く眠れているし、上海の時よりも良いパフォーマンスができる」

――ではトーナメント参加選手のレベルについて、どのように考えていますか。

「各地域のアジアを代表する選手が集まっていて、レベルも決して低くない。ただし、アジアの外とは違う。僕が戦ってきた相手、練習パートナーはより優れている。ただし日本、韓国、中国のベストファイターが僕と同じゴールに到達するために戦っているのだから、彼らの力を軽く見ることは決してない」

――その考えを持つことに関してキャリア唯一の敗戦を喫した相手、堀内佑馬選手が昨年のRoad to UFC初戦で敗れたことも影響していますか。

「ユーマが敗れたことは驚いていない。それこそ国を代表して、UFCとの契約を目指す相手と戦ったのだから。他の世界にもトップ選手がいる。それにファイターは敗北も込みでファイターだ。ユーマのこれからの活躍を願っているよ。彼が活躍してくれると、再戦の機会が訪れることもあるだろう。まぁ、それはそれで。僕は今、自分のやるべきことに集中しないといけない」

――では鶴屋選手の印象を教えてください。

「才能あふれる新鋭だよ。とても強力なレスリングのベースがあるけど、僕はMMAとして全てをミックスした部分で勝負できる。優秀なレスラーやグラップラーとの練習をずっとしてきたからね。戦いやすい相手だと思ってはいるけど、とにかくベストのレイ・ツルヤと戦いたい。

僕はどの局面でも、問題なく戦える。彼のような強いレスラーとも、優れたストライカーとも戦うことができる。それがMMAファイターとして、僕の強みになっている。対して、過去の試合映像を視たけどレイはこれまで僕のようなウェルラウンダーと戦ったことがない。

僕もそうだったけど、無敗の選手って特有の勢いがあるんだ。きっと自信いっぱいだろう。でもね、敗北を経験すると人間は成長する。精神的にもフィジカル的にも。そして人間性という部分においても。本当にユーマに負けた試合が、結果的に素晴らしい経験になった。今回はそれを僕が彼に教えたあげる番だ。

試合がどのような局面に進んでいっても、僕の方が彼より優れている。絶対にレイのことを軽視することはないよ。でもアジアでなく、北米で戦い、AKAで練習してきたことは僕のアドバンテージになっていることは間違いない。同じゴールを目指す戦友のことを尊敬しているけど、この試合に勝つ自信は十分にあるよ」

――では最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「日本のファンは凄くファイターをリスペクトしてくれると聞いている。なので、この試合が終わったからで良いので僕のことも応援してほしい」

■視聴方法(予定)
8月27日(日・日本時間)
Ep.05午後5時~UFC FIGHT PASS
Ep.06午後7時~UFC FIGHT PASS
午後4時30分~U-NEXT

■Road to UFC2023 Ep06対戦カード

<Road to UFCライト級T準決勝/5分3R>
パク・ジェヒョン(韓国)
原口伸(日本)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
ダールミス・チャウパスゥイ(中国)
イ・チャンホ(韓国)

<Road to UFCライト級準決勝/5分3R>
ロン・チュウ(中国)
キム・サンウク(韓国)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
上久保周哉(日本)

■Road to UFC2023 Ep06対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
神田コウヤ(日本)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
チーニョーシーユエ(中国)

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
キム・サンウォン(韓国)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
鶴屋怜(日本)
マーク・クリマコ(米国)

<フライ級/5分3R>
ピーター・ダナソー(タイ)
ナムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

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