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【KYOKUSHIN】国際空手道連盟極真会館・松井章圭館長から聞かれた、MMAに通じる──痺れる名言

【写真】 目から鱗のMMA論ともいえる松井館長の言葉を拾ってみた。この世代の重厚さが欠けている一方で、歴史がない自由さがあるのがMMAでもある。きっと館長たちが始めた頃の極真のように(C)MMAPLANET

2日(水)、東京都渋谷区の国際空手道連盟・極真会館総本部代官山道場で行われた──八巻建志氏の極真会館復帰及び総本部師範就任と、岩﨑達也氏率いる剛毅會空手が賛助会員としての国際空手道連盟加盟に関する記者会見。

同会見で松井章圭館長が質疑応答のなかで話した10数分の話のなかで、MMAにもいいあてはまる言葉もいくつも聞かれた。

ここでは勝手ながら──痺れた、そしていくつかはMMAにも通じる、いや原点だろうという名言をお届けしたい。


「総裁が言われたように『地に沿った基本、理に適った型、華麗なる組手。品格のある空手。理念のある空手』が極真の空手。正直言って競技体系はあるけれど、技術体系は持っていない。だから流派を名乗らないわけです。極真会館は流派でないから、『こうでなければならない』という形がない。確立された技術体系がない。本来はどんなものにもないんですよ。『これで良いんだ』という完成形の技術はない」

「ややすると便宜的に創ったルールに支配される。稽古する人、特に試合に出る人は。その呪縛を取っ払った視点から(八巻氏と岩﨑氏から)助言がもらえるんじゃないかと。組織の良さはそういうところ。自分が実際に体験していなくても、体験者から何かを受け継ぐことができる。影響を受けることができる。それが組織の良さ」

「一般的にフルコンタクトってよく言うんですけど、いつの時代からフルコンタクト空手、フルコンって言うようになったのか。正直、今、一般的にフルコンタクト空手というものでは極真会館の大会はない。世間が見るフルコンタクト、世界にいる人たちがいうフルコンタクト空手を越えたというと語弊があるけど、異質というか。極真空手なんです」

「競技ってMMAを含めて実戦は一つもない。ただ全ての競技がその延長線上に『こんな実戦があるな』と想定できなければ、それは格闘競技とは言えない」

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【KYOKUSHIN】「価値観を否定しない」八巻建志復帰&剛毅會加盟会見で松井章圭館長がMMAについて語る

【写真】松井館長にMMAについて、しっかりと話してくれた(C)MMAPLANET

2日(水)、東京都渋谷区の国際空手道連盟・極真会館総本部代官山道場で八巻建志氏の極真会館復帰及び総本部師範就任と、岩﨑達也氏率いる剛毅會空手が賛助会員としての国際空手道連盟加盟に関する記者会見が行われた。

松井章圭館長の挨拶に続き、2002年に極真会館を退会し米国で八巻空手を興して活動してきた八巻氏は以下のように極真復帰について話した。

八巻建志
「20年振りに極真に戻って参りました。この20年間、極真を名乗ることはなくても心の中は極真で、大山総裁が常々言われていた『極真は最強でないといけない』という言葉を胸にやってきました。いつ、どんな相手であろうと、いかなる場所であろうと負けるわけにはいかないという気持ちで日々鍛錬をしてやってきました。私がやってきたものを少しでも伝えられれば良いと思っています」

続いて岩﨑氏は賛助会員として連盟入りについて語った。

岩﨑達也
「21年前に極真会館から自流を興し活動してまいりましたが、極真を否定して出て行ったわけでなく、自分の理想とする極真を自分なりに確立したいと思ってやってまいりました。そういった活動というものが少し松井館長に認めていただけて、今回こうやって賛助会員として加盟することになったのかと思うと、大変光栄に思います。極真というものは競技ではないと思います。価値観であり、思想であり哲学であるもの。それをやるにあたって大山倍達館長の後継人である松井館長を抜きにして語ることはできないと思っています。そういった方向に関して、自分が何らか協力できれば良いと思っています」

MMAPLANETでは場違いと自認しつつ、八巻氏の「いつ、どんな相手であろうと、いかなる場所であろうと負けるわけにはいかない」という言葉と、岩﨑氏が現在行っている武術空手をMMAに生かすという活動を鑑みて、極真の名の下においてMMAに挑戦することがあるかを尋ねた。3者の返答は以下の通りだ。


松井章圭
「これは私自身の話になってしまいますけど、私が話すので私自身の話としてしかできません。恐らく我々の年代が全てそうだったと思われるのは、我々は空手をやりたくて極真会館に入門したわけじゃないんですよね。とにかく強くなりたくて、言ったら変な話──当時少年でしたけど、子供の頃にいわゆる……こういう言い方をすると、昨今の世間ではどういう風に言われるか分かりませんけど、喧嘩に強くなりたくて。当然、喧嘩はノールールですから。そういうような意識で始めたことがこのような形になっています。

もちろん社会的に健全でないといけないというところで、極真会館というモノは本来、武道団体である。その延長線上というか、水面下でいえば社会体育団体であるというところに、原点を見直して、あるべき姿を追求する形にはなっていますけど、そういう意味においては試合の形状がどうであるかって関係ないんですよね。

だから組織である以上ルールがありますし、規律を守ってきちっとした秩序が大事になりますけど、そういうことをしっかりと守って行けるのであれば、現実、ウチはプロの選手……具体的に言うと、フランシスコ・フィリョ君がK-1に出て以降、プロの活動を是認していますし。今もキックボクシングのリングに上がっている選手もいますし、MMAの試合をしている選手もいます。

海外では、また複数いますし。それを一切否定するという気は全くないです。

だから岩﨑宗師が言われたように、そこを追求して結構ですし。例にも挙げられていましたけど昔、黒崎(健時)先生、藤平(昭雄)先輩……大沢昇先生、この人達が私たちのところを形的、組織的に離れて目白ジムを建てて、その道に邁進しました。そこに対して(岩﨑氏が)言われたように先輩たちが別門になったという意識は全くない。それこそ未だに黒崎先生や藤平先輩は自分達の大先輩、大きなアニキであったり、オジサンみたいな存在だし。

もっといえば当時の藤原(敏男)さんとか島(光雄)さんとか、岡尾(国光)さんという伝説的ファイターの人達を我々は先輩として認識していましたから。

そういう意味においては今、彼(岩﨑氏)がやろうとしていることで、そういった視点から我々に色々なアドバイスがあるだろうし。我々は便宜的に総裁から受け継いだ極真ルールやその武道性や実戦性を掘り下げて、そこは競技ですから競技性や安全性を追求していますけど、その限りではないということが実際のところなんです。

先ほども言ったようにウチは競技団体ではないので。武道性を追求するために便宜的にああいった舞台を創って、それを追求している。だからこそ全空連との友好化もありましたけど、ポイントルールも是認している。

だから我々組織が、組織ごとMMAに向かったり、キックに向かうということはないです、一切。K-1に行った時は『極真会館はプロになるぞ』、全空連と友好化した時は『極真会館はノンコンタクトになるぞ』って世間はよく言います。我々は一切そういうことはないし、組織としての根幹がぶれることはない。

ただ、その価値観を否定するモノではない──というところを皆さんに認識して頂けたら有難いですね。今後、そういう選手が出ていく可能性は大いにあります」

八巻建志
「MMAに出たいという選手は、その練習をやれば良いと思うし、自分の教えられることは教えたいと思います。MMAとか試合とかに拘らず──米国に暫らくいて感じたことは、何があるか分からないんです。いきなり襲われるかもしれないし。そういうのをいっぱい見てきたので、本当に使える空手じゃないとやっていて意味がないと思います。

本当に使える……危ない時に使えたりとか、自分の身を守れるような。そういう空手を教えていきたいと今は思っています」

岩﨑達也
「さきほど館長からお話が出ていたように、MMAの選手を育てています。育てていると色々な問題がある子もいて、さすがに風紀といった部分に相いれない子がいます(笑)。でも、そういう子こそやるべきだと僕は思います。教えている子にはSNS等でお騒がせしている子もいますけど、礼に始まり礼に終わるということをキチンとさせています。

『武道をやっているんだよ』ということは言っています。MMAをやる子には『君たちが大変な思いをして、この競技をやっているのだから、それが人生に生きないといけないよ』と常に言っていますし、そうあって欲しいと思っています。そういう道でないといけない。

『現役生活を辞めて引退した後の方が人生は大変なんだよ。そこでどうあるかで、君たちの評価は決まるんだよ』ということは、どんな子にも言っています。そこを理解しない子には私は教えません。確かに極真会館という枠組みの中には合わない子もいますけど、そういう子たちも稽古を通じてMMAを武道にしていってもらいたい。そこを常に意識して、今後も指導していきたいと思います」

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