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【Special】J-MMA2023─2024、渡辺華奈─01─「私はこれからも結果にこだわってMMAをやっていく」

【写真】7月のRIZINとの共催=日本大会以来、女子フライ級タイトルコンテンダーである渡辺の試合は組まれていない (C)BELLATOR

2023年が終わり、新たな1年が始まるなかMMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、始まったばかりの1年について話してもらった。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA2023-2024、第六弾はBellatorと契約中の渡辺華奈に話を訊いた。MMAPLANETによっては、単独で渡辺にインタビューするのは初となる。渡辺の2023年戦績は、ベラトールで1勝1敗。そんななかでPFLがベラトールを買収し、いまだベラトールと契約している選手の今後は不透明なままだ。ここでは渡辺の現状を訊くとともに、2023年の戦いで得たものについて語ってもらった。

■2023年渡辺華奈戦績

4月22日 Bellator295
●1-2 イリマレイ・マクファーレン(米国)

7月30日 Bellator x RIZIN02
○3-0 ヴェタ・アーティアガ(米国)


――渡辺選手の2024年といえば、現在ベラトールとの契約はどのような状態にあるのでしょうか。

「正直、選手としては何も分からないんです。私の場合は、まだベラトールとの契約は残っています。その契約は破棄されることはなく続いているものだと思っているんですよね。ももともとベラトールがPFLに買収されるというお話も、私たち選手も皆さんと同じくSNSやインターネット上で知ったぐらいで。

まだベラトールというブランドが完全になくなるわけではないと思うんです。それでも次の大会がいつ開催されるか分からない状態です。何も情報が下りてこない。マネージメント側も手は尽くしてくれていると思うんですけど――」

――PFLのベラトール買収が発表されたあと、11月にPFL各階級トーナメント決勝戦が開催されました。各階級のベラトール王者が登場し、PFL×ベラトールの王者対決を煽り続けるイベントを、王者以外のベラトール契約選手としてはどう見ていたのですか。

「中継は視ていなかったのですが、あとでチェックしてみると『やっぱり対抗戦をやるために買収したのかな』という感じですよね。その場合、対抗戦が一通り終わったらベラトールのブランドはどうなってしまうのか。選手としては、不安はあります」

――渡辺選手の試合も昨年7月のヴェタ・アーティガ戦以降は組まれていません。それもPFLのベラトール買収劇の影響があったのでしょうか。

「そこまでは分からないですね。7月以降、ベラトールは4大会ぐらいしか開催していなくて、試合数の影響はあったかもしれません。試合数に限りがあるので、そこはタイトルマッチや米国在住選手のほうが優先されるでしょうし」

――買収の噂が流れ始めた時から、渡辺選手の中で不安は生まれましたか。

「自分は結構、楽観的な人間なんですよ。状況に応じて自分の最善を尽くすしかないので。もちろん不安はあります。でも、そこまで自分が不安を感じていても仕方ないのかなって(笑)。試合があるか無いかに関わらず、毎日練習はしていますし。とにかく連絡を待ちながら、自分がブレずにその日常を送っていくことが大事であって」

――はい。その通りだと思います。

「最近はSNSで話題になってどう――と言われることも多いです。でもMMAは結果が全てじゃないですか。強くなければ格闘家ではない。この試合がない期間も、自分が強くなるチャンスだと考えていました。まだまだ苦手な分野は、たくさんありますからね。練習と強くなる過程を楽しむ。そう考えて、楽観的にベラトールからの連絡を待っています(笑)」

――なるほど。改めて2023年を振り返ると、まず4月のマクファーレン戦について、率直な感想をお聞かせください。

「試合が終わった時は、2Rと3Rは取ったかなと思いました。『でも明確な差はない、どうなんだろう』って、ドキドキしながら判定結果が出るのを待っていて。まずスプリットということが発表され、私としては『ヤバいな……』と思ったんです。1人目のジャッジが私で、2人目のジャッジが相手——この流れはヤバいと(苦笑)」

――2Rと3Rは渡辺選手が組みで上回り、それを覆せるほどの打撃はもらっていないという印象でした。

「あのあたりから、MMAの判定も変わっていったように思いますよね」

――当時すでにベラトールでは打撃優位の傾向があり、特にハワイ大会は打ち合いが望まれているような印象を持っていました。そして結果論はありますが……あの頃から組んでいるよりも、コツコツと打撃を当てているほうにポイントが流れるようになっています。

「まず会場の雰囲気は凄かったですよ。

初めてあんなブーイングを受けました(笑)。もちろん試合は試合だし――と思ってはいましたけど。

判定基準については、どんどんグラップラーが不利になっているような気はしますよね。どれだけテイクダウンして、コントロールしていても一発良いパンチをもらったら、相手にポイントがついてしまうじゃないですか。そう考えると『もう一本取らないと勝てないんじゃないか』って。

やっぱりスタンドで打撃戦をやるほうが、お客さんの印象は良いと思います。だから判定も、どんどん打撃優位になっているのか……。私はMMAの中でもテイクダウンするのが一番難しいと思うんですよ」

――というと?

「柔道やレスリングがベースの選手にとっては、もうテイクダウンの技術は身についていますよね。でも何もやったことのない人がMMAを始めて、一番習得するのが難しいのはテイクダウンだと思います。そこを評価してくれないと――なんだか切ないです(苦笑)」

――マクファーレン戦の話に戻すと、あの敗北でベルトは遠のいたと思いましたか。

「ベルトから遠のいたし、またベルトに向かって戦っていくとしても、その先にベラトールという大会があるのかどうか。いろいろ複雑でしたよね」

――マクファーレン戦の判定は、渡辺選手に対して厳しいものではあったと思います。対して試合内容は、7月のアーティガ戦のほうが厳しいものではなかったですか。

「厳しい試合でしたね。試合前のインタビューでは『勝ちます!』みたいな感じで言っていましたが、イージーな相手でないことは分かっていて。特に相性は良くないだろうと思っていたんです。さらに久々の日本での試合ということもあって、いつもより緊張していました。

試合内容は、私がレスリングのテイクダウンにこだわりすぎました。もっと柔道を生かして、四つ組みとかで攻めていけば良かったですね。相手の打撃も当たっていたし、そこで距離感を考えながら、もっといろんなテイクダウンを組み合わせて行けば……。あくまで後から考えたら、ですけど(苦笑)。あの試合は焦っていたわけではないけど、攻め方がワンパターンになりすぎていましたよね」

――マクファーレン戦は、あの内容で判定負けを喫しました。このアーティガ戦も……とは思いませんでしたか。

「今回もマズイ展開だとは思っていました。嫌な流れだなって。まだセコンドから『取っている』と言われていたので、落ち着いてはいたんですよ。でも試合が終わったあとに『これは、いろいろ言われるよなぁ』と考えながら控室に戻りました」

――「いろいろ言う声」とは、判定結果に対するファンの意見ですよね。実際ネット上では、「いろいろ言う」声もありました。渡辺選手としては、そのような声をどう受け止めているのでしょうか。

「私も人間だから、嫌だなぁって思いますよ(苦笑)。ただ、選手としては微妙なんですよね。マクファーレン戦は負けたけど、選手として自分の力を出すことはできました。アーティガ戦は勝ったけど、自分がやってきたことを出すことができなかった。久々に日本で試合をして、しょっぱい試合をしてしまって。負けたことより悔しい気持ちがあったんです」

――……。

「そう考えて落ち込んでいる時に、上田(貴央FITHERS FLOW代表)さんから言われたんです。マクファーレン戦後、みんなが『あの試合は勝っていたよ』と言ってくれたけど、私は『結果が全てだから。私が負けたのだから、次は頑張る』と答えていて。するとアーティガ戦のあとに上田さんが『いつも結果が全てと自分で言っているのに、この結果を自分で受け入れていないのは違うんじゃないか』と言ってくれたんです。

そうなんですよ。自分が一番、結果にこだわってきた。確かに内容は良くなかったかもしれないけど、勝つことができたわけじゃないですか。私はこれからも結果にこだわってMMAをやっていく――改めてそう思えました」

<この項、続く>


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BELLATOR Bellator x RIZIN02 Report RIZIN ブログ ヴェタ・アーティアガ 渡辺華奈

【Bellator x RIZIN02】殴り、殴られ。組んで切られのタフファイトで、渡辺がアーティアガに競り勝つ

<女子フライ級/5分3R>
渡辺華奈(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ヴェタ・アーティアガ(米国)

すぐに距離を詰めた渡辺だが、ケージに押し込めきれず離れると右を被弾する。さらに右を入れるアーティアガは左に回る。詰めた渡辺もワンツーを入れ、殴り返されても組んでバックに回る。向き合ったアーティアガはここも右をヒットさせる。渡辺は組みにいくが、ヒザをボディに連続で受けて左フックを被弾。それでも前蹴りからパンチを伸ばした渡辺だが、アーティアガの攻撃を受ける場面が増える。右を打たれて組んだ渡辺は、ウィザーのアーティアガを倒すことができない。

結果、離れて打撃戦に挑み互いにパンチを打たれて、打つという殴り合いに。残り30秒、ダブルを決められなかった渡辺だが、ついにクリンチからボディロックでテイクダウン。サイドバックからパンチを入れた。

2R、右リードフックから組んだ渡辺、頭の後ろに手を回すと嫌がったアーティアガがバランスを崩す。すかさずバックに回った渡部だが、胸を合わされると低い姿勢で組んでシングルレッグへ。頭を押して離れたアーティアガだが、再びシングルから両足を束ねられても頭を押して離れスタンドに戻る。渡辺は打撃戦から足払い、倒れないアーティアガにローシングルを仕掛ける。ここからバックに回った渡辺、アーティアガは胸を合わせる。執拗にローシングル、アンクルピックと頭を下げた状態から渡辺が頭をあげたところで時間となった。

3R、組みの仕掛けの渡辺。凌ぐ、アーティアガ。タフな展開のなかで心身ともにけずられているであろう両者が、フックを振るう。ジャブを当てた渡辺はダブルレッグ&アンクルピック、アーティアガの左足を束ねて、右足を引き寄せてバックへ。直後に胸を合わせたアーティアガが、右ストレートをヒットさせる。渡辺も前に出て左ジャブを振るうが右を受けて、ダブルレッグへ。ここも上を取り切ることはできず、離れてシングルも鉄槌をうたれる。

間合いを取り直した渡辺は右に右を合わされ、左ストレートも繰り出す。続くダブルを切ってアッパーを入れたアーティアガは、右のヒット数で上回る。ダブルが高くなった渡辺は、ギロチンを合わされ下を選択する。頭を抜き、足をアーティアガの頭に絡めつつケージキックも渡辺はサイドで抑えられる。すぐに足を取りに行く渡辺に対し、がぶって切ったアーティアガはタイムアップと共に両手を挙げた。

相手の打撃を被弾して組んでいった渡辺は、最後に下になったが2-1で辛勝。勝利者インタビューで「ありがとうとございます。タフな戦いになることは分かっていましたが、一本勝ちできなくてスミマセン。フライ級のタイトルを取って、日本にベルトを持って帰り男子に並びたいです」と、渡辺は涙を浮かべて話した。


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BELLATOR Interview other MMA RIZIN ブログ ヴェタ・アーティアガ 渡辺華奈

【Bellator x RIZIN02】ヴェタ・アーティアガ戦に向けて、渡辺華奈「詰将棋で一本を取っていく」

【写真】終始、微笑みを湛えていた渡辺 (C)MMAPLANET

20日(木)、東京都新宿区のFIGHTER’S FLOWジムで30日(日)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催される「超RIZIN02」内のBellator x RIZN02でヴェタ・アーティアガと対戦する渡辺華奈が公開練習を行った。

柔道着着用で内股や大内刈りを披露した渡辺。

その後の共同取材でMMAPLANETの質問に対する、彼女の返答を抜粋してお届けしたい。(※要約)


──海外での試合はファイトウィークの過ごし方も厳しかったと伺っています。ファイトウィークを日本で迎え、メンタルや肉体面で違いはありますか。

「そうですね、時差もなくギリギリまでチームで練習できたり、ケアに当てたりできることは凄く有難いです」

──eFIGHTの安藤啓雄記者の質問(前戦=イリマレイ・マクファーレン戦の判定負けを受けて、Bellatorのジャッジを考慮して戦うことはあるかという質問に対し、「取捨選択をしてポイントの振り分けをし、印象付ける戦い、抑えるのではなくパウンドでダメージを与えたうえで一本、TKOを狙う」と渡辺が返答)と重なってしまうのですが、前回の試合の判定負けを受けてポイントメイクとフィニッシュという課題を挙げられていました。対戦相手のアーティアガは敗北は多いですが、フィニッシュはされていません。彼女の柔術的な防御能力に関して、どのように考えていますか。

「やっぱりディフェンスは上手いなと思います。パワーもあるので、スイープしたりだとか、不用意にいくとギロチンを合わされたりだとか、そういうところも考えられるので雑にならずに一つ一つをクリアして、詰将棋で一本を取っていくようにしたいです」

──仮に取り切れなかった時、ポイントゲームになるとアーティアガは殴られても前に出てくるので印象が良くなることも考えられます。渡辺選手が如何に殴らせないかも考えないといけないところかと思いますが、貰わずに組みつけるということに関しどの程度自信を持っていますか。

「100パーセント貰わない。被弾0というように全てを貰わらず避けるのは難しいと思うんですけど、相手の強味に合わせて組む練習もしてきました。もちろん打撃の練習もずっとやってきて、私の方がリーチも長いのでそういうところも生かしながら戦う練習もしてきました。なので自信はあります」

(C)BELLATOR

──柔道技を仕掛けるために、即近づくと被弾する恐れがあります。

結果、ダブルレッグのような離れた所から入れるという面も成長してきました。そこに対し、さきほど言及されたていたアーティアガにはギロチンがあります。グリップを何度も変えるギロチンへの警戒心は?

「練習でもトレーニングパートナーの選手にギロチンをたくさん掛けてもらって、対策はしています。まずはその形に入らせないようなポジションを取る練習をしているので、大丈夫だと思います」

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【Bellator x RIZIN02】渡辺華奈と対戦、ヴェタ・アーティアガ「殴られて当然。私は殴られることは怖くない」

【写真】とにかく明るく。フレンドリーな人でした (C)MMAPLANET

30日(日)にさいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナでRIZINとBELLATORのOne day Two event制の大会=「超RIZIN02」が開催される。そして、5試合組まれたBellatorマッチでヴェタ・ヴェタ・アーティアガが渡辺華奈と対戦する。

元女子フライ級タイトルコンテンダーのアーティアガは、打撃で引かない喧嘩家のごときファイターだ。それでいて柔術で黒帯を巻き、ソフトなジェントルアーツかつ危険な技を駆使すると話す。

陽気で何事も動じない。そして一本を取らせない力の持ち主は、待望の日本での試合を前に既に気分が高揚しているような盛り上がりを見せていた。この勢いと前に出る力が合致すると、渡辺は母国で厳しい試合を強いられるかもしれない。


──今月末、渡辺華奈選手と日本で戦います。今の気持ちを教えてもらえますか(※取材は14日に行われた)。

「良い感じね。凄くエキサイティングしているわ。ずっと日本に行きたいと思っていたから」

──これまでマウンテンタイム・ゾーンで生活をしているヴェタはハワイを含め、時差は3時間という米国内で戦ってきました。対して日本とは15時間です。

「日本での試合に対しての準備は、自分のやるべきことやる。そこを第一にしているわ。もちろん時差のことは頭にいれているし、日本に到着して少しでも早く時差ボケをなくさないといけない。でも1日が過ぎることに楽になり、ファイトデーには関係なくなっているはずだから」

──既に体を動かす時間など、調整は始めていますか。

「私は午前、午後、夜と3度練習していて、それはいつも通りね。生活のリズムを崩して、いつも通りの練習ができないことの方が、時差ボケより良くないことだから。ところで今、ボイジーは午後1時45分だけど日本は何時なの?」

──午前4時45分です。

「えぇ!! ありがとう。こんな時間までインタビューをするのを待ってくれて!!」

──全然大丈夫です。日本のファンはヴェタのことを余り知らないのが現状で、こうやって米国にいるヴェタにインタビューできる機会をBellatorが与えてくれたわけですし。ヴェタはなぜMMAを戦うようになったのですか。

「20歳の時に本当に小さな町からボイジーに引っ越してきて、兄のフレディがMMAを戦っていたの。彼の練習を見に行って、楽しそうだったから習いたいと思って。それでクラスに出て、しばらくすると『1試合だけ経験しよう』っていう気持ちが芽生えてね。で、試合に出てみるると楽しくてしょうがなかった。あれからアマチュアの試合に出続けるようになったの。これを続けていると、私はどこに辿り着けるのかなって。で、15年が過ぎて日本で戦うことになったというわけ」

──まさにローング・ジャーニーですね。MMAを始める前に他に格闘技の経験はなかったのですか。

「ベースボールとバスケットボールをやっていただけで、マーシャルアーツの経験は全くなかったわ。逆にバックグラウンドがなかったから、打撃も寝技もできるファイターになれたと思う。パンチ力があり、プレッシャーをかけることができる。柔術は黒帯だしね」

──ところでプロで1試合をしただけで、Bellatorと契約しました。ビッグプロモーションとサインして、不安はなかったですか。

「ノー。心配なんてなかったわ。2試合目でBellatorで戦い、4試合目はTVカードだった。しかもサンノゼのSAPセンターなんていう大きな会場で!! Bellatorのような大きなプロモーションで戦い続けることができて、本当に感謝しているわ」

──柔術黒帯ということですが、柔術やノーギの試合も出ていたのでしょうか。

「MMAを始めたころ、もの凄く柔術の練習をしてグラップリングのトーナメントにも出ていたわ。柔術でもグラップリングでもメダルを取っているし。ただ、私の柔術はMMAのためにあって。柔術やグラップリングのためじゃないことは自分でも分かっている」

──対戦相手の渡辺選手は、柔道ベースで非常に力強い寝技の持ち主です。ヴェタとは違った類の寝技の使い手ですが、彼女のグラウンドでの攻撃力をどのように思っていますか。

「彼女は素晴らしい競技者よ。試合が寝技の展開になった時、良い攻防が見られるでしょうね。彼女の寝技はとてもパワフルで、私は柔術がベースだから、ソフトでジェントルアート。だけど危険なスタイルで戦うから。攻撃面だけでなく、ディフェンス面もキャンプで磨いてきたから準備はOKよ」

──過去に一本負けがない選手同士の対戦でもあります。

「カナの攻撃力は抜群よ。でも、大丈夫。私は自分の寝技に自信を持っているから。彼女が攻撃的だから、私がサブミットできる機会も巡ってくるんだし」

──渡辺選手は組でくることが予想できますが、そこでギロチンが勝負に影響を与えるかと。ヴェタのノーアームギロチンは、グリップの仕方に色々とバリエーションがあります。ギロチンが得意技と捉えて良いでしょうか。

「得意技の一つね。でもほかのサブミッションだって使えるし、RNC、ダース……も。ギロチンは頭を抱えた瞬間に、どれだけ深く入っているから感知できるの。グリップに関しては最初のグリップで極め切れそうにないなら、次を試す。練習で色々なパターンを試し続けてきたから、グリップの種類が多いことがギロチンの精度を高くするのは絶対よ。ギロチンには自信を持っているし、寝技全般に自信があるわ。

カナから打撃戦からテイクダウンを狙った来た時、どこの彼女の首があるのか。カナだって私にはギロチンがあることは分かって戦うわけだし。その状況を見て、自分のやるべきことをやるだけね。それに組む前に打撃の攻防があるわけだし、そこに関しては私の方が上。殴れば、彼女のミスを誘発できる。殴って勝つことが、私の勝利の方程式よ」

──ヴェタは渡辺選手より優れたストライカーというよりも、個人的には強いブロウラーという印象です。

「アハハハハハ。私は殴られることは怖くないから。だってファイトだから、殴られて当然。殴られても、前に出ていくわ。凄く痛いけどね(笑)」

──渡辺選手は4月にイリマレイ・マクファーレンに敗れましたが、試合内容で圧していたこともあり評価は落ちていないかと。ここで、彼女に勝つことでヴェタも2度目の王座挑戦が見えてくる。キャリアアップに向けて、この試合をどのように捉えていますか。

「私もハワイで負けた立場で、カナと戦えるチャンスを手にできた。彼女はランク3位だから、絶対に負けられないっていう気持ちでいるでしょうし。それに私はアンダードックよ。ただランキングもアンダードッグも気にしていない。日本に行って戦うだけ。カナのような強い相手と戦って勝利を続けることで、またタイトルショットを手にできると考えているから。それが私のやるべきことで、望んでいることよ」

──では日本での試合、楽しみにしています。確かに日本は渡辺選手のホームですが、ヴェタにブーイングが起こることは決してないはずなので。

「皆、私のことを愛してくれるってことよね(笑)。実は私をMMAに導いてくれた兄のフレディが日本で試合をしたことがあって」

──えっ、そうなのですか。

「そうよ、VTJで日本に行ってるの(※2014年2月のVTJ4th。フレディ・アルティーガの名前で来日し、カナ・ハイアットに判定負け)、コーチの一人もそうで(※ジェシー・ブロック。同大会で宇野薫と対戦)。この2人から、日本のMMAカルチャーのことは聞かされてきたから。2人とも『最高の経験ができた』って。凄くファイターをリスペクトしてくれて、歓迎してくれると聞いてきたから、私にもそうしてもらえると嬉しい。でもね、ブーイングがあっても平気よ(笑)。

とにかく日本で戦うことは凄く意味があって。この機会が訪れたことを、本当に素晴らしいと感じていて。私の精神も、日本での戦いを経験することで違う面が芽生えると信じている。そして日本のファンの皆に、私の持っている力の全てを見てもらいたいと思っているわ」

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