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【UAEW45】藤田大和が振り返るアディロフ戦「カーフとギロチンでMMAの幅が広がった」

【写真】2試合連続ギロチンで一本勝ちした藤田。海外挑戦へ向けて磨いていた技だ(C)UAEW

10月17日(火・現地時間)にUAEはアブダビのアルジャジーラ・クラブで開催されたUAE Warriors45にて、カザフスタンのサンスハル・アディロフにギロチンチョークで勝利した藤田大和。
text by Takumi Nakamura

UAEW初参戦となった8月大会でのフィルカドベク・ヤクボフ戦に続き、2試合連続同じ技での一本勝ちだった。UAEW参戦が決まるまで約11カ月間のブランクがあった藤田だが、フィニッシュのギロチンはブランクの期間で習得した技であり、試合序盤でペースを掴んだカーフキックはUAEW参戦以降に磨きをかけた技だ。

海外挑戦までの準備期間で取り組んできたことが身を結ぶ形となった。今回のインタビューではギロチンを極めるまでにどんな過程があったのかを聞くと共に、急速に拡大しているUAEでの戦い、そして目標に掲げるUFC参戦への想いを訊いた。


――UAEW45ではアディロフからギロチンチョークで一本勝ちを収めました。これでUAEWでは2連続一本勝ちという結果になりました。

「こんなに上手くいくとは思っていなくて、出来すぎで怖いくらいです。うれしいを通り越して不思議な感じがします(笑)」

――そんな出来過ぎな(笑)アディロフ戦について聞かせてください。事前のインタビューでは「足を使ってジャブを突くパンチ主体の選手ですけど、自分から組みに行く場面もある。対して相手が組んで来るとスプロールすることもできて、何でもやれるタイプ」とアディロフを分析していましたが、比較的早い段階から組んで来ましたよね。

「実はアディロフが想定していたことと全く逆のことをしてきたんですよ。事前に映像を見た限り、構えはオーソドックスでパンチ主体&基本的には組まずに打撃で来ると思っていたら、すぐに構えをサウスポーにスイッチして蹴りを出してきて。それで僕も少し離れた距離を取っていたら、今度はテイクダウンに来るという(苦笑)。戸惑いまではいかなかったですが、ゲームプランを考え直さないといけないなと思いました」

――相手が想定外のことをやってくることはあると思いますが、そこまで逆のことをやるのは珍しいですね。

「でもMMAは色んな局面があるので、想定外のことが起こりやすいと思うんです。今回も事前に見た映像で相手がオーソだから、スパーリングの相手もオーソで揃えるということはしなかったですし、満遍なく色んな選手と練習しました。むしろうちのジムにはサウスポーの選手も多いので、サウスポーは問題なかったです」

――アディロフは開始直後はオーソドックス、藤田選手がカーフを蹴ったあとにサウスポーにスイッチしましたがが、あれは相手がカーフを嫌がっていたのでしょうか。

「間違いなくそうですね。あれは右カーフが効いたからスイッチしたんだと思います。僕が右カーフを蹴ってアディロフがサウスポーにスイッチして、また一瞬オーソに戻したんですけど、その瞬間に右カーフを蹴ったんです。そうしたらすぐに構えをスイッチしたんで、完全に嫌がっているなと思いました。ケージに押し込まれている時にアディロフの左足を見たらかなり腫れていたので確実に効いていたと思います」

――カーフキックは練習していた技なのですか。

「数年前にみんなが使うようになって、自分も練習していた技ではあります。ただUAEWに出るまでは相手のバランスを崩すイメージの蹴り方で、効かせようと思って蹴ったのはUAEWに参戦するようになってからです。練習でもピンポイントで効かせられるようになってきて、カーフは今の自分にとって一つの武器になりました」

――カーフを効かせたあとはケージに押し込まれる展開が続きますが、あの場面ではどんなことを考えていましたか。

「僕自身、ケージを背負った状態は得意というか、試合で寝かされることはほぼないんですよ。普段から倉本(一真)さんや山北(渓人)と組み合っているので(寝かされる)怖さはなかったですし、逆に少し先の展開も考えながらやっていました。あのままラウンド終了までいっちゃうとポイントを取られるので、立ち上がるタイミングを計ってましたね」

――慌てずに対処できていたわけですね。

「相手はかなり力を使っていたと思いますが、僕はほとんどスタミナも使わず、息も上がっていなかったです」

――そこからギロチンを狙っていく流れとなります。

「トータル3回ギロチンを狙って、3回目で取ったんですけど、1回目でトライしたときに『(アディロフは)あんまりギロチンを取られ慣れてないな』と思ったんです。だから1回目はギロチンに固執しなかったし、2回目もギロチンの態勢にはなりましたけど、そこまで極めの形にはなっていなかったので、どちらかというと立てればいいやという技のかけ方でした」

――私見ですがギロチンは何回もトライして極まるというよりも、タイミングを合わせて一発で極めるイメージのサブミッションなんです。なので2回トライして極まらなかったところを見て、もうこの試合でギロチンでフィニッシュするのは難しいのかなと思ったのですが、実際は逆だったんですね。

「はい。僕もギロチンを失敗すると力も使うし、下になるリスクもあるので、何度もトライしないのですが、あの時は取れる感覚があったので、無理な態勢から取りにいく必要はないと思いました」

――そしてフィニッシュのギロチンですが、アディロフがダブルレッグに来た時点で「もらった!」と思いましたか。

「はい。あれはがぶった瞬間にガッチリ入っていました。あのまま両足を組んでも極まりそうだったんですけど、相手も動いてきたので、何度か回転して極まる形でした」

――ギロチンで2連続一本勝ちという結果になりましたが、いつからギロチンが得意になったのですか。

「具体的な時期は覚えていないですが、UAEWに参戦するまで1年ほど試合が空いて、そこで色々と練習して覚えましたね。試しにやってみたら自分にしっくり来たというか。最初は若い選手やアマチュア選手に極まるようになって、UAEWに出る直前くらいからはプロ選手にも極まるようになっていきました」

――UAEW参戦ではケージレスリングも強い中央アジア系の選手と試合が続いて、期せずしてその対策になっていたようですね。

「予習みたいな感じになってました(笑)」

――ここ2試合はギロチンでフィニッシュして、今後はギロチンを警戒されると思います。

「でもギロチンを警戒してくれればケージレスリングや組みの時間が短くなる=打撃の時間が長くなると思うので、それは自分にとってはやりやすいです。カーフキックとギロチンを覚えて、自分のMMAの幅が広がりましたね」

――さて次戦についてですが、何か具体的な話は進んでいますか。

「まだ話はしていないですが、今後も継続してUAEWには参戦したいですし、UAEWにはフライ級のタイトルがないので、これをきっかけにベルトを作って欲しいですね。ベルトという形を残せばUFC参戦という目標にも近づけると思っています」

――藤田選手はいつからUFC参戦を視野に入れていたのですか。

「明確に目標になり始めたのは(2021年2月に)DEEPで暫定王座を獲ってからですね。(2022年5月に)神龍(誠)くんと統一戦をやる前にはこれで勝ったらいけるかもしれないと思っていたのですが負けてしまって。そこからまたキャリアを尽くり直そうと思い、海外で試合をやりたいと思いました。UAEWが決まるまでの空白の期間も幾つか話があったのですが、最終的にまとまらなくて。結果的にUAEWで試合を組んでもらって、現にUAEWからUFCに行った選手もいますし、そこで2連続一本勝ちできたことは大きなアピールになっていると思います」

――ずばり藤田選手がUAEWで戦ってきた相手はRoad to UFCよりも手強い・厳しい相手だと思います。レコードに黒星がつくリスクもありますが、そういった相手と戦って自分のレベルを上げていきたいですか。

「はい。僕は野蛮なヤツとやり合いたいので(笑)。人間は本能的にも相手が強い・怖いと思っている方がいいパフォーマンスを出せると思っています」

――UFCを目指すうえで色んな方法や道があると思いますが、藤田選手が選んだ道がUAEWということですね。

「はい。今はUAEWが主戦場になっていますし、ほかにUFCにつながるチャンスがなければ、UAEWで戦っていきたいです」

――UAEという国自体もMMAが盛り上がっているのですか。

「かなり格闘技熱は高いですね。もともとADCC発祥の国ですし、国営放送でUFCやUAEWはもちろん、柔術やグラップリングの試合も放送されているんですよ。僕も帰りの空港で『昨日試合して勝ったヤツだろ!?』みたいに声をかけられたりもしました。国全体でMMAが盛り上がっている空気を感じるので、これからすごい選手が出てくる可能性もあると思います」

――サッカーではサウジアラビアリーグのクラブがオイルマネーを使ってネイマールやクリスチアーノ・ロナウドといったスーパースターを次々と獲得しています。MMAでもオイルマネーが動き出すと今までの常識が覆るようなことが起きるかもしれないですね。

「全然あると思いますね。僕はいつチャンスが来てもいいように、このまま勝ち続けていきたいと思います」

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藤田大和、吉野光 出場『UAE Warriors 45』試合結果

るるぶドバイ'24



▼UAEWライト級王座決定戦 5分5R
〇アムル・マゴメドフ(ロシア)7勝0敗
[1R 3分38秒 リアネイキドチョーク]
×ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)10勝4敗
※マゴメドフがライト級王者に

▼バンタム級 5分3R
〇ラニー・サーデ(ドイツ)13勝4敗
[2R 4分59秒 リアネイキドチョーク]
×ジェニル・フランシスコ(フィリピン)13勝8敗

▼150ポンド契約 5分3R
〇ヴァルテル・コリアンドロ(イタリア)14勝4敗1分
[1R 3分56秒 TKO] ※右ストレート
×アリ・アルカイシ(ヨルダン)15勝7敗

▼バンタム級 5分3R
〇リネット・ハバロフ(ロシア)8勝0敗
[2R 2分15秒 TKO]
×吉野 光(ALMA FIGHT GYM LIFE)12勝4敗

▼フライ級 5分3R
〇ヴィクター・ヌネス(ブラジル)10勝5敗
[1R KO]
×ノウラス・アブザク(ヨルダン)11勝5敗

▼フライ級 5分3R
〇藤田大和(リバーサルジム新宿 Me,We)11勝4敗
[1R 4分43秒 ギロチンチョーク]
×サンスハル・アディロフ(カザフスタン)11勝2敗1分

▼ライト級 5分3R
〇アブダラ・コツァエフ(タジキスタン)5勝0敗
[1R 4分21秒 TKO] ※マウントヒジ
×ペトル・バズドゥガン(モルドバ)5勝1敗

▼139ポンド契約 5分3R
〇ラバザリ・シェイドゥラエフ(キルギス)9勝0敗 ※
[2R リアネイキドチョーク]
×マゴメド・アルアブドゥラ(ロシア)12勝2敗1分

▼女子フライ級 5分3R
〇ワン・コン(中国)3勝0敗
[判定3-0] ※30-27×3
×アミーナ・ハダーヤ(豪州)3勝2敗

▼ミドル級 5分3R
〇ハビブ・ナビエフ(ロシア)7勝0敗
[2R リアネイキドチョーク]
×アディス・タライベク・ウウル(キルギス)8勝5敗2分

▼ライトヘビー級 5分3R
〇バルトズ・シェフチェク(ポーランド)7勝2敗1分
[2R TKO]
×アルテム・ゼムリャコフ(ベラルーシ)4勝1敗1分

 10月17日にアラブ首長国連邦アブダビのアルジャジーラ・クラブで開催された『UAE Warriors 45』の試合結果。藤田大和はサンスハル・アディロフに1Rギロチンチョークで勝利。吉野光はリネット・ハバロフに2R TKO負けしています。続きを読む・・・
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【UAEW45】砂漠でギロチン──再び。藤田大和が未知強アディロフから見事な一本勝ち!!

<フライ級/5分3R>
藤田大和(日本)
Def.1R4分43秒by ギロチンチョーク
サンスハル・アディロフ(カザフスタン)

左インローから左ハイを蹴ったアディロフに対し、藤田も右ハイから右インローを返す。アディロフは左ハイからテイクダウンへ。ケージに詰まった藤田はギロチンをセットしきれず、テイクダウンを許す。ヒザ立ちでボディにヒザを受けた藤田が、ボディロックから引き上げられるように倒される。藤田はケージを背負うが、アディロフが足を束ねる。ケージを背負った状態で藤田はボディを殴っていく。アディロフも左でパンチを入れ、束ねた足を抜かせない。

強力なボディロックで、藤田を倒そうとするアディロフ。藤田はギロチンをセットし、シングルで倒されたところでスクランブルから立ち上がる。すぐに組んできたアディロフをギロチンで捕えた藤田は、クローズドガードを取って横回転。マウントをから、もう一度背中をつけるように絞めあげてタップを奪った。

瞬間、両手を広げて勝利の雄叫びを挙げた藤田は、セコンドの山﨑剛に跳びついて喜びを露わにした。


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【UAEW45】2度目のアブダビでアディロフと対戦、藤田大和「前回のように伸び伸びと戦います」

【写真】現地でよく利用するというショッピングモール『ムシュリフモール』前にて。2度目のUAEW出場とあってか、現地到着後もリラックスできているようだ (C)TAKESHI YAMAZAKI

17日(火・現地時間)にUAEはアブダビのアルジャジーラ・クラブで開催されるUAE Warriors45で、藤田大和がカザフスタンのサンスハル・アディロフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

藤田は8月にフィルカドベク・ヤクボフをギロチンで倒して以来、2度目のUAEW出場となる。21日に開催されるUFCのファイトウィーク内で行われる今大会で、11勝1敗1分の強豪アディロフと対戦することになった藤田。現地入り翌日に現地の様子と試合への意気込みを訊いた。


――今回の試合は開催日が20日から17日に変更されました。その日程変更は現地入りスケジュール等に影響を及ぼしましたか。

「特に影響はないですね。開催日の変更を聞いたのは最近の話ですけど、実は最初に試合の話が来た時――開催日については17日~22日の間で、まだ会場も決まっていなくて。そこから細かく決まっていくなかで、最初から『これは17日の開催もあるな……』と思っていました(笑)」

――えっ!? 21日に現地でUFCが行われるため、開催日が流動的だったことは致し方ないとしても、22日ということはUFCの翌日に試合をする可能性もあったのですね。

UFCファイトウィーク内でもあるため、空港からホテルまでの道にUFCの看板が設置されている(C)TAKESHI YAMAZAKI

「そうなんですよ。僕は17日の試合という最短のスケジュールを想定して動いていたので、特に問題はなかったです。それに17日開催で良かったと思っています。早く試合がしたかったので」

山﨑剛Me,We代表 9月に入って試合のオファーがあり、開催日も20日で決まって契約書にもサインして返送しました。でも9月末にUAEWのSNSで、開催日が17日に変わっていることに気づいて(苦笑)。僕は15日のグラチャンでTSUNEのセコンドについてからアブダビに入るつもりでしたが、予定を変更しました。グラチャンが終わってすぐ日本を発っても、大和の試合の前日には到着できたんです。でも減量のこともありますし、さすがに大和を1人でアブダビ入りさせるわけにはいきませんからね。

――それは大変でしたね……。今年8月にフィルカドベク・ヤクボフと対戦した時は、1試合契約だとお聞きしていました。ヤクボフに勝ち2度目のUAEW出場が決まったということは、前回の試合が現地でも評価されていたということですか。

「いえ、こちらから前回の試合後にアピールしていました。UAEWが10月に――しかもUFCのファイトウィーク内に大会を開催することは知っていたので。大会後にマッチメイカーの方に『次も出たい!』と伝えて、会場から帰りました(笑)」

――それだけ10月の出場をアピールしたのは、やはりUFCのファイトウィーク内の開催……UFC関係者が試合を見に来るという点が大きかったのでしょうか。

「はい。それは間違いないです」

――なるほど。8月のヤクボフ戦ですが、ヤクボフが打撃戦ではなく組みに来たのは意外ではなかったですか。

「過去の試合を視ていると、ローキックに合わせてテイクダウンを狙っているので、それは想定内でした。試合では僕としても思っていた以上に右カーフが当たって、相手も効いていたからテイクダウン中心で来たんだと思います。でも、もともとパンチを振りつつ組んでくる選手で。自分もテイクダウンされていましたが、あの展開になっても驚きはなかったです。本当は1Rも寝かされてから立ち上がりたかったけど、少し様子を見て……。結果、相手が組んできたところにギロチンが入るなと思っていて、2Rにフィニッシュすることができました」

――アブダビでの試合と日本の試合では、何が違いましたか。

ホテルにはマットスペースも(C)TAKESHI YAMAZAKI

「前回の試合は、とにかく気持ちが楽でした。日本で試合をする時は、どうしても試合前にやることも多くて。試合当日も応援してくれる方が多いので、気負ってしまうこともあるんですよね。僕の場合、気負いすぎることが多くて(苦笑)」

――アハハハ。知っている人が誰もいない会場のほうが戦いやすかったのですね。

「会場で知っている人といえば山﨑さんとコーチ、それと日本から応援に来てくださったジムの会員さんが1人という状況でした」

――その状況の中でヤクボフに勝利した瞬間は、どのような気持ちでしたか。

「それはもう視てのとおりです。久しぶりに勝って叫んじゃいました。あんなに叫んだのは、DEEPのベルトを獲った時以来じゃないですか」

――確かに、あれだけ藤田選手が感情を露わにしたことは驚きでした。前回の1勝は自身のMMAキャリアに、どのような影響を及ぼしたと思いますか。

「それはまだ分からないですね。前回の勝利も、たまたまだと思っていますし。UAEWでの戦いも始まったばかりで、今回の試合もそう簡単にはいかないです」

――では今回対戦するサンスハル・アディロフの印象を教えてください。

「アディロフは8月の大会にも出場するはずだったんですよね。戦績を見て『強い選手がいるんだなぁ』と思っていたら、前日に試合がキャンセルになって。今回の試合が決まってから映像を視てみると、足を使ってジャブを突くパンチ主体の選手ですけど、自分から組みに行く場面もある。対して相手が組んで来るとスプロールすることもできて、何でもやれるタイプです。あとはRNCでフィニッシュしている試合が多いので、そこは注意しないといけないと思います」

――前回のインタビューではヤクボフの出身地であるウズベキスタンのボクシング事情についてお話いただきましたが、ちなみにカザフスタンの印象というのは……。

「いまアマチュアボクシングではウズベキスタンが世界一ですけど、その前はカザフスタンでした。僕も初めて海外の大会に出た時、カザフスタンの選手に負けていて。大会では、その選手が優勝していました」

――アディロフもそうですが、スムーズにパンチを出してくるボクサーが多いですね。

同日UAEW45に出場する吉野光、帯同している上久保周哉(C)TAKESHI YAMAZAKI

「僕は、どちらかといえばパンチを振ってくる選手のほうが、やりやすかったです。でも今はMMAの試合ですし、どういうタイプが来ても大丈夫です。相手が打撃戦をやってくるなら自分もやりますし、どんな展開になっても良いですよ」

――それは楽しみです。ご自身の試合が終わったあと、UFCも観戦して帰国するのですか。

「いえ、試合の翌日に帰国します(苦笑)。UFCが21日開催なので、4日も空いてしまっていますからね……。最初は20日開催だったので、観戦して帰るつもりでした。空港からホテルに向かうまでの道にもUFCの看板がたくさん設置されていて」

――UFCのファイトウィーク内に開催される大会で、アブダビ版DWCSの様相を呈している今回のUAEWです。対戦相手のアディロフもDWCSにエントリーしていておかしくない戦績ですし、その中で藤田選手はどのような試合を見せたいですか。

山﨑 入れ込みすぎると良いことはないので、前回のようにリラックスして戦ってほしいです。

――先に山﨑さんから注意のようなコメントが入りました(笑)。

「アハハハ。前回のように伸び伸びと戦ってきます!」

■視聴方法(予定)
10月17日(火・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■UAEW45対戦カード

<UAEWライト級王座決定戦/5分5R>
アムル・マゴメドフ(ロシア)
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)

<バンタム級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
パウリアン・パイヴァ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ラニー・ザーデ(ドイツ)
ジェニル・フランシスコ(フィリピン)

<ライトヘビー級/5分3R>
アルテム・ゼムリャコフ(ベラルーシ)
バルトシュ・シェフチェク(ポーランド)

<150ポンド契約/5分3R>
アリ・アルカイシ(ヨルダン)
ヴァルテル・コリアンドロ(イタリア)

<バンタム級/5分3R>
リネット・ハバロフ(ロシア)
吉野光(日本)

<フライ級/5分3R>
ノウラ・アブザク(ヨルダン)
ヴィクトル・ヌネス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
サンスハル・アディロフ(カザフスタン)
藤田大和(日本)

<ライト級/5分3R>
アブダラ・コツホフ(タジキスタン)
ペトル・ブスドゥガン(モルドバ)

<139ポンド契約/5分3R>
マゴメド・アルアブドゥラ(ロシア)
ラバザリ・シェイドゥラエフ(キルギス)

<女子フライ級/5分3R>
アミーナ・ハダーヤ(豪州)
ワン・ホン(中国)

<ミドル級/5分3R>
カビブ・ナビエフ(ロシア)
アディス・タライベク・ウウル(キルギス)

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【UAEW45】ヌルマゴ門下ハバロフと対戦、吉野光「皆はタゲスタン人には組みで勝てないと思っているけど」

【写真】結果で自己証明。夢を実現するために、今、J-MMA界で最も険しい道を選択しているといっても過言でないUAEW参戦組の吉野(C)TAKUMI NAKAMURA

17日(火・現地時間)にUAEはアブダビのアルジャジーラ・クラブで開催されるUAE Warriors45。吉野光はリネット・ハバロフと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

3月大会で、のちにコンテンダーシリーズでUFCとの契約を勝ち取るヴィニシウス・ジ・オリヴェイラにTKO負けを喫して以来の再起戦となる吉野。今大会で対戦するハバロフはヌルマゴ・チーム所属、プロ戦績7勝0敗というオリヴェイラ以上の強敵だ。

自ら厳しい道を行く吉野は「僕はハバロフのような相手と戦いたくてUAEWに参戦している。ハバロフに勝つことが出来たら自分の実力に自信を持てると思う」と語った。


――前回3月大会ではヴィニシウス・ジ・オリヴェイラにTKO負けという結果に終わりました。まずあの試合から振り返ってもらえますか。

「基本的に自分は組んで寝かせて極めるか判定で勝つかというスタイルで、前回は寝かせて削ってフィニッシュする作戦だったんです。でも僕が思っている以上に相手が頑なに組みから逃げて付き合ってもらえなくて、自分のペースで戦えなかったですね。細かい部分では、最初にテイクダウンしたとところでパウンドを打とうとして立たれてしまったこと。一度のテイクダウンを大事にできなかったことが反省点です。結果論ですが、あそこは殴るのではなく、まずしっかりと抑えるべきでした。そのあと何度かテイクダウンにトライしたのですが、テイクダウンできずにテンパったというか体力を消耗してしまいました」

――オリヴェイラはリーチも長く、徹底的に吉野選手のテイクダウンを嫌ってスタンドの打撃で勝負してきました。戦前からテイクダウンには苦戦すると予想していたのですか。

「簡単にはテイクダウンできないと思ったんですけど、僕も自分のテイクダウン力には自信があるし、だいたい初見の相手はテイクダウンできるんですよ。実際に先にテイクダウンできていますし。相手は過去の映像を見ても比較的組みをやる選手だったので、僕の時もそうなると思っていたら、いざやってみると組みから逃げることを徹底していたので、そこは意外でしたね」

――KOシーンについては完全に意識が飛ばされたわけではなく、まだ続行できるように見えました。試合が止まった時はどんな心境でしたか。

「今まで試合でダウンをしたことがなくて、一瞬だけ記憶が飛んでいました。で、気が付いた時に『あっ、俺、寝てる。いかなきゃ!』と思ったら、レフェリーに試合を止められちゃいました。試合直後は止めないでくれよと思ったし、まだ続行できたと思うんですけど、僕がパンチをもらったのが悪いですし、あの倒れ方をしていたら止められても仕方ないかなと思います」

――あの敗戦を踏まえて、どのようなことを意識して練習をしていましたか。

「デビュー当初は自分の引き出しがなかったこともあって、テイクダウンして上を取ることしか考えてなかったんです。でも何戦か前から打撃にも自信がついてきて、テイクダウンして立たれても『打撃でやってやるよ!』というスタンスになって。抑え込まずに殴ったり、欲を出してフィニッシュしにいったり…そういう戦い方になっていました。今はそこを見つめ直して、まずはコントロール優先で戦うことを意識するようになりました」

――また吉野選手の打撃は思い切りがいい分、相手の打撃を被弾するリスクもあるように見えます。そこはどう考えていますか。

「これは僕の感覚なんですけど、中途半端に相手のカウンターを警戒して打撃を出す方が危ないんですよ。だったら思いっきりいったほうがカウンターをもらいにくい。僕は自分の打撃の強味は思い切りの良さと突進力だと思うので、その強味を活かして戦いたいです。とは言え思い切りが良すぎるのもリスクがあるので、思い切り良くいくところと相手の打撃をもらわないで見るところのバランスを考えて練習しています」

――そこはスパーリングでも手応えを感じていますか。

「今までの僕は縦の動きしかなくて、離れた間合いで真正面からバーン!とテイクダウンに入る感じだったんです。でも今はサイドステップや横の動きを使うように意識していて、まだ完ぺきではないですけど少しずつ変わってきたと思います」

――何か新しい練習として取り入れたものはありますか。

「いつもセコンドをやらせてもらっている新居すぐるさんと一緒にレスリングの安楽龍馬さんのパーソナルトレーニングを受けていて、安楽さんの関係で早稲田大学のレスリング部に行かせてもらいました。試合が決まったのが大会まで一カ月を切ったタイミングでしたが、今回の相手はレスリングが強い選手なので、強いレスラーを体感したいと思ってお願いしました」

――その対戦相手ハバロフはヌルマゴ・チーム所属、7勝0敗のいわゆる未知の強豪です。

「打撃で倒している試合もあるんですけど、基本的にはジャブ中心でそこまで倒すための打撃じゃないと思うんですね。あくまで一番の武器はテイクダウンとパウンドで。もちろん打撃にも警戒していますが、一番はレスリングに気をつけています」。

――ハビブ・ヌルマゴメドフと同門らしく、構えをスイッチしての打撃&テイクダウンで試合を組み立てるタイプです。

「相手は組み技が強いですけど、僕の武器も組み技だし、細かいテクニックに違いはあっても、大雑把に分けるとファイトスタイルは一緒だと思うんですよ。僕はMMAグラップリングが強い選手、例えばロシア人やタゲスタン人と戦って、自分の強みがどこまで通用するかを試したかったので、今回はすごく試合が楽しみです」

――自分のストロングポイントをぶつけて勝ちたいですか。

「相手の組みが強いからといって、距離を取ってテイクダウンを切って打撃を当てて…みたいな考えは一切ないですね。自分の強みをぶつけて、どう相手をそこにはめていくか。その過程で打撃を当てる部分もあると思いますが、あくまで僕は自分の組みで勝負します」

――打ち合いならぬ組み合いでの真っ向勝負ですね。

「僕が打撃のことを分かっていないのかもしれないですけど、足を止めて打ち合って、狙っていなかったパンチが当たってKOすることってあると思うんですよ。でも組み技はそういう要素が少ないというか、打撃ほどラッキーが起こりにくいと思うんです。しかもハバロフはそこが強い相手だから、ハバロフに勝つことが出来たら自分の実力に自信を持てると思います。みんなロシア人、タゲスタン人には組み技で勝てないと思っているけど、僕がそうじゃないところを見せます」

――見ている側もロシア系の選手の組み技を必要に警戒している部分はあるのかもしれませんね。

「それは多少あると思います。大人と子供のほど差があるとは思わないですし、ある程度のレベルまでいけば相性で勝ち負けが決まるくらいの差しかないと思っています。同じ人間が同じ体重でやるわけですし。柔道時代に100キロの先輩に稽古つけていただいていたことを思えば楽ですよ(笑)」

――次でUAEWは3戦目となります。UAEで試合を続けていることをどう捉えていますか。

「凄く嬉しいし、楽しいです。僕とやったオリヴェイラもコンテンダーシリーズに出てUFCと契約していて、UAEWはUFCへの距離が近いと思いますし、UFCには出ていないけど強い選手たちが集まっている大会なので、そこで戦えることを嬉しく思っています」

――海外の大会に出て、そこでUFC出場という同じ目標を持つ選手たちと競り合うことに意味を感じていますか。

「ここで連敗しているようではUFCにもいけないし、UFCで勝っていく選手にはなれない。絶対ここで勝ち残ってやろうと思っています」

――日本の団体でキャリアを積むだけではUFCへの距離感が分かりづらい部分もあると思います。

「それが海外で試合をしようと思った理由ですね。例えば日本のトップ選手がUAEWに出ても勝ったり負けたりだと思うんですよ。でも世界的にはUAEWで戦っている選手たちの方が評価が高いと思うので、僕はその中に飛び込んで結果を出すキャリアを積みたいです」

――ハバロフはまさに知名度はなくても強い、UFC参戦の可能性を秘めたファイターです。

「僕はハバロフのような相手と戦いたくてUAEWに参戦しているので、そういう意味でも試合が楽しみです」

――では今回どのような試合を見せたいですか。

「僕はUAEWと単発契約ですし、負けたら呼ばれなくなると思うので、今回に関しては何が何でも勝ちにしがみつきます」

■視聴方法(予定)
10月17日(火・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■UAEW45対戦カード

<UAEWライト級王座決定戦/5分5R>
アムル・マゴメドフ(ロシア)
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)

<バンタム級/5分3R>
チムール・ヴァリエフ(ロシア)
パウリアン・パイヴァ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ラニー・ザーデ(ドイツ)
ジェニル・フランシスコ(フィリピン)

<ライトヘビー級/5分3R>
アルテム・ゼムリャコフ(ベラルーシ)
バルトシュ・シェフチェク(ポーランド)

<150ポンド契約/5分3R>
アリ・アルカイシ(ヨルダン)
ヴァルテル・コリアンドロ(イタリア)

<バンタム級/5分3R>
リネット・ハバロフ(ロシア)
吉野光(日本)

<フライ級/5分3R>
ノウラ・アブザク(ヨルダン)
ヴィクトル・ヌネス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
サンスハル・アディロフ(カザフスタン)
藤田大和(日本)

<ライト級/5分3R>
アブダラ・コツホフ(タジキスタン)
ペトル・ブスドゥガン(モルドバ)

<139ポンド契約/5分3R>
マゴメド・アルアブドゥラ(ロシア)
ラバザリ・シェイドゥラエフ(キルギス)

<女子フライ級/5分3R>
アミーナ・ハダーヤ(豪州)
ワン・ホン(中国)

<ミドル級/5分3R>
カビブ・ナビエフ(ロシア)
アディス・タライベク・ウウル(キルギス)

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【UAEW45】藤田大和&吉野光が、UFCファイトウィークのアブダビでRoad to UFCよりも厳しい相手と対戦

【写真】吉野と藤田が、とんでもない猛者とアブダビで戦う (C)UAEW

17日(火・現地時間)にUAEはアブダビのアルジャジーラ・クラブで開催されるUAE Warriors45に日本から藤田大和、吉野光の2選手が出場することが同プロモーションの公式SNSで明らかとなっている。
Text by Manabu Takashima

藤田は8月のフィルカドベク・ヤクボフをギロチンで倒して以来2カ月弱のUAEW再出場で、吉野は3月に──コンテンダーシリーズ第8週でUFCとサインを果たした──ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラにTKO負けを喫して以来の再起戦となる。

当初の予定ではUFC294の前日=20日開催だった同大会だが、17日に前倒しとなり、会場も二転ほどした結果──同国のプロサッカー・チーム=アルジャジーラ・クラブの本拠地で実施されることとなった。

9日(月・同)に出されたプレスリリースで上位5カードが正式発表され、その文末には「その他のカードは今週中に決定する」と記されながら、実は同じ日に全対戦カードのCGが公とされており、そこにはしっかりと藤田と吉野の顔と名前が確認できる。

いかにも中東らしく、また「中東ではよくあることだ」と関係者が公言してしまうドタバタ感のあるイベントだが、Abu Dhabi Showdown Week2023と呼ばれるファイトウィーク大会らしく、16カ国からファイターが集まるなど注目すべき試合が多い。


そもそもUFCの前日開催ではセレモニアル計量と時間がバッティングし、ダナ・ホワイト&カビブ・ヌルマゴメドフのルッキンフォー・ファイトとして機能しないことから、スケジュールが前倒しになったとも伝わってくる今大会。かなりの可能性で両者が視察する展覧試合になり、出場選手にとっては千載一遇の機会ともいえる。

そんなUAEW45のメインはUAEWライト級王座決定戦=アムル・マゴメドフ✖ジェコンギル・ジュマエフの一戦だ。マゴメドフはヌルマゴ軍団の24歳の新鋭で、これまでの戦績は6勝0敗──3試合でRNCより一本勝ちがある。

対してウズベキスタンのジュマエフはキャリア10勝3敗のストライカーで、クラシカルなグラップラー✖ストライカー対決となる。とはいえジュマエフはUAEWでディラン・サルバドールにヴァンフルーチョークで敗れた1試合しか経験しておらず、マゴメドフ・アップの試合という見方は十分になされる。

(C)Zuffa/UFC

勝負論でいえばコメインのバンタム級戦=チムール・ヴァリエフとパウリアン・パイヴァの顔合わせがより興味深い。

WSOFで5勝1敗、PLFで3勝0敗、UFCでは2勝1敗のヴァリエフは、TUFシーズン31でブラッド・カトーナに敗れオクタゴン復帰がならなかった。が、ハオーニ・バルセロスに勝利しWSOF時代には今週末のUFC Fight Nightに出場するクリス・グティエレスと1勝1敗と、正真正銘オクタゴンで戦うだけの力を持った実力者だ。

(C)Zuffa/UFC

対するパイヴァはUFCで3勝4敗。

カイ・カラフランス、ホジェリオ・ボントリン、そしてショーン・オマリーらに敗れているが、カイラー・フィリップスから勝ち星を挙げており、ヴァリエフに劣らない力の持ち主といえる。

さらにはUAEWフェザー級及びUAEWアラビア・フェザー級チャンピオンのアリ・アルカイシが、世田谷育ちのUFCベテラン=マーク・ストリーグルに勝利しているイタリアのヴァルテル・コリアンドロとノンタイトル戦で戦う。UFC級、UFCを目指す選手が砂漠に集まる大会で藤田大和は11勝1敗1分のカザフスタン人ファイター=サンスハル・アディロフ、吉野光はヌルマゴ・チーム所属のダゲスタンファイターで7勝0敗のリネット・ハバロフと戦うこと決まった。

DEEP ✖Black Combatの対抗戦で日本を震撼させたユ・スヨンがバンタム級のベルトを巻くカザフのNAIZAとヌルマゴ所有のEagle FCという両プロモーションのフライ級とバンタム級で計6勝0敗のアディロフは、スイッチヒッターでジャブが伸びるボクシングと、テイクダウン防御に優れたレスリング力を持つ。

さらには倒されないように戦うなかで、アナコンダチョークやがぶってバック奪取という堅守&カウンターアタックも強い。バックを取ってからの安定度も抜群のアディロフと藤田の一戦はフライ級タイトルが掛かっていても一切おかしくない対戦といえる。

他方、吉野と戦うハバロフは所持していたGorilla Fightingバンタム級王座がEagle FCに移管され、現時点で4度防衛中の現役王者だ。ハバロフもまたスイッチヒッターだが、打撃は前蹴りを見せて組むためのオーバーハンドが定番で、最大の強味は左右どちらの手が前にあっても、問題がなく相手を倒し続けるテイクダウン能力の高さだ。

倒せばコントロールする力も抜群で、抑え込みも非常に強い。それ故にボディロックに来た際の吉野の担ぎ系の柔道技や内股、倒された時のブリッジでリバーサルという展開が見られるのか。

もちろん、その2つの局面が強いことはハバロフ陣営は百も承知だろう。それでの通じるのが本当の意味での必殺技。吉野にとっては日本で決めまくった技術が、ダゲスタンのトッププロスペクトに通じるのか、真価が問われる一戦となる。

同様に藤田にとっての今回の試合も彼が日本で見せることがなかった近距離での打撃の攻防が、中央アジアの猛者を相手に有効なのか──ここも注目すべきポイントだ。

いずれにせよ、藤田と吉野は国内のどのプロモーション、アジア系の大会、さらにRoad to UFCよりも手強い相手と両者は砂漠で戦うことになる──これが彼らのMMA道、痺れるチャレンジだ。

■視聴方法(予定)
10月17日(火・日本時間)
午後11時時~UFC FIGHT PASS

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