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MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase334 村山暁洋 林源平

【Pancrase334】ボディとローで自分の距離を保った林が、村山にTDを許さずフルマークで初戴冠

【写真】必殺の右は届かずも、しっかりポイントを抑えた村山がベルトを巻いた (C)MMAPLANET

<ウェルター級王者決定戦/5分5R>
林源平(日本)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45.
村山暁洋(日本)

ローと前手で距離とタイミングをうかがう村山、林は左インローでけん制する。互いに左インローを繰り出したあと、林が次第に右を狙う構えに。一度右クロスを見せた林が、スイッチしながら距離をつめて左ハイを放った。距離を取る村山に右ローを見せた林は、中盤で一気に距離を詰めて右を伸ばす。

左手を伸ばして林の右を抑える村山に対し、林は右ストレートを伸ばした。距離を詰めて左フックを当てた林に村山が組みついた。バックに回って右足を差し込む村山。林は村山のクラッチを切ろうと試みるも、村山も左右に揺さぶってポジションを保つ。一発右ヒザを入れた村山が左ヒザを差し入れるも、ここは取れず。クラッチを切った林が振り返りざま右を伸ばしたが、ここは村山が離れた。

ジャッジ3者とも林の10-9としている。

2R、林が距離を取って左インローを打ち込む。左手を伸ばして村山をケージ際まで追い込み、距離を詰めてきた村山の左に右ストレートを被せた。ローを放つ林に組みついた村山が、左腕を差し上げてケージに押し込んでいく。村山の右手を抑えた林が離れた。足を滑らせた村山に左ボディを突き刺した林がパンチで攻め立てる。村山もケージ中央に戻ってローを見せる。

左ボディが伸びる林に対し、村山が右ストレートを放つ。林は右ローを連打。村山は林の右を交わして組みつくも、捕えきることができない。林がジワリジワリと村山を追い立てる。左ジャブを当てた林が右ボディフックへ。さらに右スーパーマンパンチが村山の顔面をかすめた。ミドルを繰り出した村山に、林は右ボディから左フックを当てる。さらに村山をケージに追い込み、ボディ攻撃を見せた。

このラウンドもジャッジ3者が林に10-9をつけた。

3R、林が左ジャブを突いて距離を詰める。村山が右クロスを打ち込んだ。林は左ボディから前に出るも、村山が距離を取って、左ローを入れてから下がる。村山のカウンターが林の顔面を捉え始めた。さらに村山が手四つから林をケージに押し込んでいく。離れた林は右ストレートから左ハイに繋げた。互いに左で探り合うなか、村山が左右のストレートで林を追い立てる。

ミドルで村山を下がらせた林が、ローで村山を攻め立てる。さらに右を2発伸ばすも、村山も左フックを返した。左ジャブをボディに伸ばす村山。林の右をバックステップでかわす。林は大きく右を振ったが届かず。村山が距離を詰めてパンチの連打を浴びせた。林は右ローをヒット。村山も左ミドルを見せるが、林の前進を止めることができず、組みついてケージに押し込みラウンドを終えた。

ジャッジ3者とも林の10-9に。

4R、林が左ジャブを突く。村山は組みをフェイントにパンチを繰り出す。林のフックがヒットすると、村山も右を当てた。組みついた村山が林をケージに押し込み、左腕を差し上げた。林は村山の右手を抑え、左ヒザを突き上げる。離れる林、村山が左ジャブを突く。林は右を当てている。さらにローと前蹴りで村山を下がらせ、左ジャブで追う。

ローの打ち合いから村山が左を伸ばす。しかし林の左フックから右ストレートが村山の顔面を捉えた。ダウンを奪うようなヒットこそないものの、林のほうがヒット率は高いか。村山は組みついたが、ケージ際から林に逃げられてしまう。林の右スイングに、右ストレートを合わせる林。ここは距離、ローと右スイングで村山を中に入れさせなかった。4Rも林のラウンドに。

最終回、互いに左ジャブを突く。林の左ローをキャッチしようとした村山は、相手のパンチをかいぐくって足を取った。そのまま左腕を差し上げて林をケージに押し込む。村山が大外刈りを繰り出すも、ここは林が耐えた。離れた林が左ジャブとロー、さらに右を打ち込むも村山の顔面に届かない。

村山のワンツーをブロックした林が、左右のボディブローで村山の動きを止める。しかし村山もすぐに体勢を立て直し、林の追撃を許さない。お互いに疲労が見えるなか、村山が足を使い始めた。村山が飛び込んで大外刈りを狙うも倒せず。林のボディブローを受けた村山が打ち返し、林をケージに押し込んだ。しかしテイクダウンに持ち込むことはできない。

離れると村山が右スピニングバックフィストを繰り出す。組みついてきた村山を引きはがし、さらにバックに回った林がボディロックから尻もちを着かせて、試合終了のホーンを聞いた。

結果、裁定はフルマークで林に。これでウェルター級KOPとなった林は「3Rで倒せると思ったけど、自分のベストを出すことができませんでした。でもベルトを巻くことができて嬉しいです。これからも王者にふさわしい試合をしていきます。ヨッシャーッ!」という雄叫びで締めた。


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MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase334 パンクラス 伊藤盛一郎 海外 秋葉太樹 鶴屋怜

【Pancrase334】ノンストップ・アタック! 伊藤が腕関節→パウンド→RNCで秋葉を仕留める

【写真】伊藤のパウンドが強烈で、的確。一瞬にして秋葉の表情が変わっていた (C)MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
伊藤盛一郎(日本)
Def.1R4分39秒 by RNC
秋葉太樹(日本)

体勢を低く構えた秋葉に、伊藤がダブルレッグで飛び込んだ。立ち上がる秋葉を、伊藤がボディロックからケージに押し込む。ヒザを突き上げながらグラウンドに持ち込もうとする伊藤は、離れて立ち上がった秋葉を再びケージに押し込んでいく。左腕を差し上げていた伊藤だが、ここで離れた。右スピニングバックフィストから距離を詰めた伊藤が組みつく。しかし秋葉がトップを奪った。

伊藤が下から右カカトを叩きつける。さらに下から伊藤が仕掛けようとしたところで秋葉が立ち上がった。足を捌いてパスを狙うも、伊藤が下からパンチを叩きつける。さらに秋葉のパスに合わせて腕十字を狙い、外したもののトップに回った。秋葉の左腕を抑えながら右腕を抱え、アームロックを狙った伊藤。秋葉は腕を抜き、伊藤の左足へヒールフックを仕掛ける。

これを凌いだ伊藤がマウントを奪取し、パウンドを連打する。秋葉はスクランブルに持ち込むも、スプロールした伊藤がパンチを連打しながらRNCに移行してタップを奪った。

伊藤はこれでパンクラス参戦後、2戦ともRNCで勝利を収めた。「しっかりランキング1位の実力を見せようと思いました。パンクラスに来たからにはチャンピオンを目指して頑張っています。今チャンピオン(鶴屋怜)は海外で頑張っていますけど、僕も年内にベルトを狙いたいです」とアピールした。


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MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase334 パンクラス 押忍マン洸太 藤田大

【Pancrase334】パンクラス初参戦の藤田、今成ロールからのアンクルでランカー押忍マンを撃破

【写真】藤田は初参戦のパンクラスでもキャラ全開 (C)MMAPLANET

<ウェルター級/5分3R>
藤田大(日本)
Def.2R0分29秒 by アンクルロック
押忍マン洸太(日本)

身長で大きく上回る押忍マンが、いきなり右ヒザで飛び込んだ。下がってダブルレッグを仕掛けた藤田、押忍マンはスプロールするも藤田が組んでキムラを狙いながら引き込む。藤田は下か腕十字へ。腕を抜いた押忍マンに対して横三角に切り替えるも、押忍マンが藤田の顔面にヒザと蹴りを浴びせて試合は中断される。グラウンド状態での頭部への蹴りという反則に、1点減点となった。

ケージ中央で横三角に入った状態から再開される。再開直後、頭を抜いた押忍マンの右腕を離さず、藤田が腕十字へ。さらに足を狙ったが押忍マンが足を抜いて立ち上がる。スタンドで押忍マンを追いかける藤田は、押忍マンのヒザ蹴りをキャッチするようにダブルレッグでテイクダウンを奪った。

右腕を枕にして、左腕を差し上げた藤田がパスしてサイドへ。押忍マンがエビで逃げるも藤田がバックに回り、パンチで削る。バックマウントから押忍マンの体を伸ばしながらRNCを狙うも、しっかりと伸ばし切ることができない。再びサイドに戻る藤田、回転する押忍マンからまたもバックマウントを奪取する。パンチで削りながらRNCを仕掛ける藤田はマウントに移行し、肩固めへ。しかし極めきることはできなかった。

初回は押忍マンの1点減点もあり、ジャッジ3者とも藤田に10-9をつけた。

2R、藤田が体を振って中に入るチャンスをうかがう。プレッシャーをかけてくる押忍マンに対し、今成ロールで飛び込んだ。そして強引に左足を抱えてヒザ十字、そしてアンクルに切り替えて押忍マンからタップを奪った。

試合後「ヒザで記憶が飛んでいるんですけど、俺、勝ったんですか?」とヒザを食らった記憶はある様子の藤田。パンクラス初参戦でランカーの押忍マンを下した。


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ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase334 YouTube キック パンクラス ボクシング 山田崇太郎 岡見勇信 村山暁洋 林源平 米田奈央 赤沢幸典 遠藤大翼

【Pancrase334】村山暁洋戦へ、林源平─01─「田牧さんがいなかったら僕は今この場にいない」

【写真】押忍マン戦でパウンドアウトにつながら、ダウンを奪った直後の林。ケージを背負いながら、しっかりとパンチを見て右を決めた。キャリアハイのノックダウン奪取だった (C)MMAPLANET

4日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase334で、村山暁洋とのウェルター級KOP決定戦に挑む林源平のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ウェルター級に転向後2連勝で辿り着いたタイトルマッチ。好調のように見えるこの2試合も、林によれば「まだ完全体ではない」という。大ベテランであり、元パンクラスKOPの村山を相手に、林はさらに進化した姿を見せるのか。決戦直前、林が村山対策を語る。

<林源平インタビューPart.01はコチラから>


――田牧トレーナーの指導には、どのような特徴があるのでしょうか。

「特徴——うーん、細かいことは企業秘密なので言えないですけど、田牧さんから『こうしようね』と言われたことを実践すると、見事にハマるんですよ。『こういうことはしないように』と言われたことを頭に入れながらMMAの試合を視たら、『コレって田牧さんが言っていたことだ!』と気づくことも多くて。教えていただくことが具体的で、田牧さんがいなかったら僕は今この場にいないと思います。僕の中では恩師という存在ですね」

――さらに現在は、キックボクシングジムのフェニックスでも練習されているのですね。岡見勇信選手も一時期、フェニックスで練習していたことがあります。

「はい。そもそもは朝、GENに行く前に練習できる場所を探していて。フェニックスが朝から開いていたので行ってみたんですよ、福田優太さんというトレーナーの方がミットを持ってくれた時、すごく自分に合っていると感じて。MMAのことを考えてミットを持ってくれる方なので、フェニックスで続けていこうと思いました」

――現在の主な練習環境はGENとフェニックスということですか。

「あとはフィジカルを山田崇太郎さんに指導してもらっているのと、トライスタージムの赤沢幸典君と一緒に練習しています。赤沢君は試合でセコンドにも就いてくれて、試合の作戦とかも一緒に考える存在ですね。イギーハンズ・ジムの遠藤大翼さんにもお世話になっていますし、このメンバーにいつも助けてもらっています」

――なるほど。これは階級アップの影響なのかどうか分かりませんが、今年の2試合は以前よりもパンチのヒット率が高まっているように感じます。さらに一発の強さも増しているように見えます。

「かなり増しましたね。『こんなに変わるんだな』って自分でも驚いています。出しているパンチはライト級時代と、そんなには変わらないんですよ。でも当時は一生懸命、何発もパンチを振り回して、ようやくダウンを奪えるような感じでした。それがウェルター級に上げてからは、触ったら相手が倒れているっていう感覚があって。いろんな方のサポートもあって、ウェルター級に上げて本当に良かったです」

――ライト級時代は、雑賀選手とのタイトルマッチから3連敗を喫しました。階級転向の前に、もうMMAを続けていくことに限界は感じませんでしたか。

「それは感じなかったです。自分の中で確実に伸びているという感覚がありました。ここで自分の気持ちが折れてしまったら勿体ない――ずっとそういう意識を持っていたので。だから、そもそもMMAを諦めるという気持ちを持ったことがなくて。あとは自分の伸びている部分を生かすキッカケを探しているという状態でした。そのキッカケさえあれば、一気に抜けていける。結果、階級変更がキッカケになったということだと思います」

――ウェルター級転向以降の試合は、ライト級よりも体型がふっくらしています。正直なところ、肉付きを見て「無理に階級を上げているのでは……」と思いました。

「アハハハ、そうですね。自分でも肉付きが良くなったなと思います(笑)。でも練習仲間やコーチ、何より遠藤さんの意見が一番大きかったですね。今は肉付きが良い体であっても、これからウェルター級の体になっていけば良くて。自分の体は、まだウェルター級として完全体じゃないんです。

実は中村選手との試合で、試合当日の体重はライト級の時とそれほど変わりませんでした。計量後から、それほど戻ってはいなくて。でも崇太郎さんのトレーニングで確実に体が変わってきています。押忍マン戦では結構戻るようになっていたので、これはもっとウェルター級の体になっていくと思いました。その押忍マン戦から半年経って、さらにウェルター級としての完全体に近づいていますよ」

――ウェルター級の体になればなるほど、得意の打撃も楽しみですね。押忍マン選手をKOしたあと村山選手との対戦を希望し、今回実現に至りました。

「村山選手と戦うことが、僕が次のステップへ進むために重要だと感じたので、あの時は村山選手を指名させていただきました。こんなことを言うと失礼かもしれないけど、僕とは真逆のタイプだと思うんです。その村山選手との試合をクリアすることが、自分の今後に大事だと考えています」

――横浜武道館大会の両者の試合は、特に対照的でした。あれだけ組んでくる相手はやりやすいですか。

「組んでくる選手は好きです。組んでくるのを潰すと相手が消極的になってきますからね」

――村山選手にはレスリング的なものだけでなく、柔道の投げからの寝技があります。

「僕は寝技で勝負するつもりはないというか、林源平のMMAは打撃で倒す。最初にも行ったとおり、それが一番勝利に近づく方法なので。そのためにテイクダウンディフェンスに重点を置いています。

GENにはテイクダウンひとつ取っても、いろんなタイプの選手が集まっているじゃないですか。安西さんのテイクダウン、崇太郎さんのテイクダウン、米田奈央のテイクダウンは全部違っていて。そういった人たちに、自分から挑んでいきます。それこそ岡見さんに四つ組みだけのスパーリングをお願いしたりとか。さらに試合前は赤沢君とテイクダウンディフェンスを研究し続けています。

もちろん村山選手は打撃も強いです。でも組みを潰して消極的になったり、打撃戦になると僕にとっては良い展開になりますから。そこでブッ飛ばして、ベルトを巻きます!」

■視聴方法(予定)
2023年6月4日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET, ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT

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【Pancrase334】ウェルター級王座決定戦=村山暁洋戦へ、林源平─01─「熱くなるよりも冷静になる」

【写真】初のタイトル奪取へ、確かな自信が伺えた林 (C)SHOJIRO KAMEIKE

4日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase334で、林源平が村山暁洋と空位のウェルター級KOPを争う。
Text by Shojiro Kameike

林といえば打撃中心のスタイルで、試合では打ち合いになり危うい場面になることも少なくない。2022年にライト級からウェルター級に転向し、9月の中村勇太では1Rにパンチを食らいながら、2Rと3Rにダウンを奪って判定勝ち。続く12月の押忍マン洸太戦も打撃でケージに詰められながら右ストレートを決めてのKO勝ちだ。そんな林にウェルター級転向と打撃戦について訊くと、この1年間での成長が明らかになった。


──――MMAPLANETでは初のインタビューとなります。よろしくお願いいたします。

「はい、よろしくお願いします!」

――今回の試合が2度目のパンクラス王座挑戦となります。

「そうですね。前回(2020年9月、雑賀ヤン坊達也と暫定ライト級KOPを争い、KO負け)は暫定タイトルマッチでしたが、今回は正規のベルトということで」

――暫定と正規では気持ちも違ってきますか。

「ベルトが懸かっているという意味では変わりません。ただ、前回とは自分の中の自信が全然違いますね。今の自分なら絶対にベルトを獲れる、そういう自信があります」

――それだけ自信がついてきた要因は何なのでしょうか。

「とにかく打撃が進化したことと、階級の変更ですね。ライト級からウェルター級に上げて、この階級が自分に合っているというのは大きいです」

――2021年12月の金田一孝介戦までライト級で戦い、昨年からウェルター級に上げて以降は2連勝中です。ウェルター級に転向した理由を教えてください。

「ライト級時代は、普段のコンディションが良くなかったですね。通常体重は摂生して83キロぐらいでした。そこから試合の時は70.3キロまで落とすので、ライト級の中でもかなりやせ細っていたと思います。GENで一緒に練習している仲間からも『階級を上げてみても良いんじゃない?』と言われていて。実際に階級を上げたら、普段の練習からコンディションが良いと言われるようになりました」

――林選手の身長が181センチ、さらにライト級の中ではリーチも長いですね。その体格だと体重を落とすのもキツかっただろうと思います。しかしウェルター級に上げても体格は劣っていないどころか、相手より勝っていたのではないですか。

「力でも負けているとは感じなかったので、この階級が合っているんだと思います。今はライト級時代ほど摂生する必要はないし、練習でも毎日元気よく動くことができていますね」

――元気よく! それは良かったです。もともと静岡県のイギーハンズ・ジム所属である林選手が、東京のGENに練習拠点を移したのは、いつ頃なのでしょうか。

「今からちょうど4年前ですね。最初は『どうせ行くなら海外へ行っちゃおう』と思っていて。でも周りの方に相談したところ『海外へ行く前に、まずは東京で練習環境を整えてみれば?』と言われて、GENへ見学に行かせてもらったんです。そこでGENの練習を見て、まだまだ自分でもやれることがあるなって感じました」

――当時のGENといえば、どちらかというと重量級ファイターが多い印象でした。

「ライト級の選手も何人かはいましたね。でも平均でウェルター級ぐらいだったのは間違いないです(笑)。そもそもイギーハンズ・ジムはすごく良い環境ですし、強い選手もたくさんいます。だから、どうせ行くなら――もっとデカくて強い人たちと練習したいと考えていたので、GEN以外の選択肢はなかったですね」

――そのGENで練習をし始めた当初はいかがでしたか。

「いやぁ、恐ろしかったです(笑)。あそこで生き残った人間がトップに行けるんだな、って思いました。最初に安西昌信さんとスパーさせてもらった時、本当に全然ダメで。岡見勇信さんとスパーさせてもらうと、全く歯が立たなかったです。そのおかげで、『自分はココで強くなるんだ!』という気持ちにさせてもらいました。

最初はスパーでも組まれて、潰されてからどうするかという毎日でした。打撃で攻めたい、でも組まれて何もできない――その繰り返しで。ライト級だと当時は徳留一樹さんがGENに来ていて、最初はやられ続けていました。だんだん食らいついていくことはできるようになってきたかな、と思ったのがGENに入って1年ぐらい経ってからです」

――もう一つ「打撃が進化した」とのことですが、林選手といえば打撃、というイメージが強いです。しかし、どうしても打ち合いになりがちで、見ていて怖い面はあります。

「アハハハ、そうですね。殴って勝つことしか考えていないもので(笑)。でも打ち合うことの恐怖よりも、試合に勝ちたいっていう気持ちのほうが強いんです」

――なるほど。打撃戦に持ち込むことこそが、自身にとって勝つための術であると。

「そこが自分の一番得意なところですからね。別に打ち合おうと思っているわけではないけど、相手の打撃をもらってから自分のスイッチが入るところはあります。『100倍にして返してやろう』って(笑)。でも、そこで熱くなるよりも冷静になっているんです。たとえば押忍マン洸太戦って、いきなりヤバイと思われるような展開になったじゃないですか」

――はい。正直、『押忍マン洸太選手のKO勝ちか』と思いました。

「皆さん、そう思っていたはずなんです。でも改めて試合を見返してみると、ケージに詰められてからは押忍マン選手のパンチをもらっていなくて。しっかり相手を見ながら、自分の右を当てることができました。それはGENで打撃を指導してくださっている、田牧一寿さんのおかげです。田牧さんからは『毎日しっかりシャドーボクシングをやること』と、『試合では常に相手のことを見てパンチを出しなさい』と言われています。

だから毎日シャドーを欠かさず、練習でも試合でも常に相手のことを冷静に見るようにして――その結果が出たのが、ウェルター級の2試合だと思います。もしかしたら、田牧さんに会う前の自分だったら、もっと被弾して負けていたかもしれないです。田牧さんのおかげで、冷静に自分のパンチを当てられるようになったことが一番大きいですね」

■視聴方法(予定)
2023年6月4日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET, ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT

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